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特許拒絶査定不服審判

2019-004421

遊技機

審判番号
2019-004421
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2017-011190外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年04月04日
審決日
2019年10月28日
公報発行日
2020年02月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2017-11190号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年8月2日出願公開、特開2018-117858号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成29年1月25日の出願であって、平成30年7月24日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月28日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月20日付けで拒絶査定(拒絶査定の謄本の送達日:平成31年1月15日)がなされ、それに対して、平成31年4月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正の概要 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1から3のうち、請求項1及び2を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項2は、 (補正前:平成30年9月28日付け手続補正) 「【請求項2】 遊技に使用するための遊技媒体の投入を受け付ける投入口と、 前記遊技媒体の貯留枚数が上限枚数となるまで前記遊技媒体を貯留可能な記憶手段と、 予め設定された複数のベット枚数のうちの最大ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第1ベット操作部と、 前記最大ベット枚数未満の所定ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第2ベット操作部と、 前記投入口を通じて投入された前記遊技媒体をベットし、前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部の操作に応じて前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体をベットするベット手段と、 規定数の遊技媒体がベットされた後、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、 前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、 を備え、 前記ベット手段は、 前記第2ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により前記合計値が前記上限枚数を超えないと判定された場合、前記投入口から投入されベットされた前記遊技媒体のベット枚数を減らすことがあり、 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記判定処理を行うことなく、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベットすることを特徴とする遊技機。」 から、 (補正後:本件補正である平成31年4月4日付け手続補正) 「【請求項2】 遊技に使用するための遊技媒体の投入を受け付ける投入口と、 前記遊技媒体の貯留枚数が上限枚数となるまで前記遊技媒体を貯留可能な記憶手段と、 予め設定された複数のベット枚数のうちの最大ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第1ベット操作部と、 前記最大ベット枚数未満の所定ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第2ベット操作部と、 前記投入口を通じて投入された前記遊技媒体をベットし、前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部の操作に応じて前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体をベットするベット手段と、 規定数の遊技媒体がベットされた後、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、 前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、 を備え、 前記ベット手段は、 前記第2ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により前記合計値が前記上限枚数を超えないと判定された場合、前記投入口から投入されベットされた前記遊技媒体のベット枚数を減らすことがあり、 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記判定処理を行うことなく、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベットし、 前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部が操作され前記遊技媒体のベット枚数を変更する場合、前記遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の前記貯留枚数を前記記憶手段に記憶することを特徴とする遊技機。」 に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審で付した)。 2 本件補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項2に記載された発明を特定するために必要な事項である「ベット手段」について、補正後に「前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部が操作され前記遊技媒体のベット枚数を変更する場合、前記遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の前記貯留枚数を前記記憶手段に記憶する」との限定を加えるものであって、補正前の請求項2に記載された発明と補正後の請求項2に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 また、当該限定した事項は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)の明細書の段落【0066】、【0092】-【0104】及び図面第10図に記載された事項であるから、本件補正は、当初明細書等の記載の範囲内においてしたものである。 そこで、本件補正後の請求項2に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について以下に検討する。 3 本願補正発明の独立特許要件についての検討 (1)本願補正発明について 本願補正発明は、上記1の本件補正の概要に示した次のとおりのものである(A~Kは、本願補正発明を分説するため当審にて付与した)。 「A 遊技に使用するための遊技媒体の投入を受け付ける投入口と、 B 前記遊技媒体の貯留枚数が上限枚数となるまで前記遊技媒体を貯留可能な記憶手段と、 C 予め設定された複数のベット枚数のうちの最大ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第1ベット操作部と、 D 前記最大ベット枚数未満の所定ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第2ベット操作部と、 E 前記投入口を通じて投入された前記遊技媒体をベットし、前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部の操作に応じて前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体をベットするベット手段と、 F 規定数の遊技媒体がベットされた後、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、 G 前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、 を備え、 前記ベット手段は、 H 前記第2ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により前記合計値が前記上限枚数を超えないと判定された場合、前記投入口から投入されベットされた前記遊技媒体のベット枚数を減らすことがあり、 I 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記判定処理を行うことなく、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベットし、 J 前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部が操作され前記遊技媒体のベット枚数を変更する場合、前記遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の前記貯留枚数を前記記憶手段に記憶することを特徴とする K 遊技機。」 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である特開2011-30677号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同様)。 (ア)「【0015】 以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。 なお、本願発明(以下の実施形態を含む)において、メダルの「ベット」とは、当該遊技を行うためにメダルを賭けることを意味し、スロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留することを除いた意味で使用する。 これに対し、「貯留」とは、スロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留(クレジット)することを意味し、当該遊技を行うためにベットすることを除いた意味で使用する。 なお、「投入」とは、メダル投入口43からメダルを投入することを意味する。したがって、「投入」は、「ベット」の場合と「貯留」の場合とがある。 【0016】 図1は、本実施形態によるスロットマシン1(遊技機)の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン1の遊技制御手段10は、スロットマシン1の全体を制御する手段であり、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し、及び演出の出力等を制御するものである。遊技制御手段10は、制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等や演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。 【0017】 なお、本実施形態では、遊技制御手段10を1つとして図示しているが、これに限らず、遊技の進行を制御する遊技制御手段10を有するメイン制御基板と、演出の出力を制御する(後述する)演出制御手段69を有するサブ制御基板とを別体で備え、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、演出の出力に必要な情報を送信するように構成してもよい。 【0018】 図1に示すように、遊技制御手段10の入力側(図1中、左側)には、メダル検知センサ44、マックスベットスイッチ40a、1枚ベットスイッチ40b、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42が電気的に接続されている。 メダル検知センサ44は、メダル投入口43から投入されたメダルの通路上に配置されており、メダル投入口43から遊技者によって投入されたメダルを検知するセンサである。 ベットスイッチ40は、遊技者が貯留(クレジット)されたメダルを当該遊技のためにベットするときに操作するスイッチである。したがって、ベットスイッチ40の操作は、メダル投入口43からメダルを投入することと同様の役割を果たす。 【0019】 ここで、本実施形態のスロットマシン1では、当該遊技でベット可能なメダル枚数は、1枚又は3枚(最大枚数)に設定されている。これに対応して、ベットスイッチ40は、マックスベットスイッチ40aと1枚ベットスイッチ40bとを別個に備える。 遊技者が当該遊技で3枚(最大枚数)のメダルをベットしようとするときは、マックスベットスイッチ40aを操作する。これにより、当該遊技のために3枚のメダルがベットされる。一方、遊技者が当該遊技で1枚のメダルをベットしようとするときは、1枚ベットスイッチ40bを操作する。これにより、当該遊技のために1枚のメダルがベットされる。 【0020】 また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。 さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。 【0021】 また、遊技制御手段10の出力側(図1中、右側)には、以下に示すベット数表示部33等の周辺機器が電気的に接続されている。 ベット数表示部33は、現時点におけるベット数をセグメント表示するものであり、「00」~「03」までの間で表示される。 また、クレジット数表示部34は、スロットマシン1に電気的に貯留されているメダル枚数をセグメント表示するものであり、「00」~「50」までの間で表示される。 先ず、クレジット数表示部34の表示(クレジット数)が「00」の状態においてメダル投入口43からメダルが投入されると、最初の3枚はクレジットされずに当該遊技のためにベットされる。例えば3枚メダルが投入されると、クレジット数表示部34の表示は「00」のままであるが、ベット数表示部が「00」から「03」に変化する。 【0022】 そして、ベット数が最大枚数となった後、さらにメダル投入口43からメダルが投入されると、クレジット数が「01」、「02」、・・と増加していく。また、クジレット数(当審注:「クレジット数」の誤記と認める。)が「50」に到達すると、それ以上のクレジットはできず、メダルが返却される(メダル受け皿53に戻される)。」 (イ)「【0029】 リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図3は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図3では、図柄番号を併せて図示している。図3に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄が等間隔で配置されている。」 (ウ)「【0047】 遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段10に入力される。遊技制御手段10(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。」 (エ)「【0050】 ベット・貯留制御手段60は、メダル投入口43からメダルが投入されたとき、又はベットスイッチ40が操作されたときに、当該遊技におけるメダルをベットするか、又はスロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留(クジレット)するものである。 例えば、現時点でのメダルのベット数が0枚である場合に、メダル投入口43からメダルが投入されると、ベット・貯留制御手段60は、そのメダルを、当該遊技のためにベットする。 さらに、メダル投入口43から3枚のメダルが投入されるまでは、ベット・貯留制御手段60は、当該遊技のためにベットする。 【0051】 ベット数が3枚(最大数)となった後、さらにメダル投入口43からメダルが投入されると、その投入された枚数のメダルは、クレジットとしてスロットマシン1内部に貯留される。 【0052】 この状態でスタートスイッチ41が操作されると、当該遊技におけるベット数が確定するとともに遊技が開始される。 なお、遊技の開始前に、メダル投入口43からメダルを2枚投入すると、形式的にはベット数は2枚となるが、本実施形態では、2枚のベット数では遊技を行うことができないように設定されている。このため、2枚のベット数でスタートスイッチ41を操作しても、その操作は無効となる。 【0053】 次に、例えば当該遊技で小役2に当選し、小役2に対応する図柄の組合せが有効ラインL10に停止したときは、1枚のメダルが払い出される。後述する払出し手段67により、メダルが払い出されるときは、スロットマシン1内部にクレジットとして貯留される。 【0054】 また、既に1枚又は3枚のメダルがベットされているときに、マックスベットスイッチ40aが操作されたとき(ベット数の変更時)の処理は、貯留枚数に応じて、以下のようになる。 先ず、既に3枚のメダルがベットされている場合において、マックスベットスイッチ40aが操作(オン)されたときは、現状を維持するだけであるので、その操作を無効とするように制御する。 【0055】 これに対し、既に1枚のメダルがベットされている場合において、マックスベットスイッチ40aが操作されたときは、さらに2枚のメダルを追加ベット可能であるか否かを判断する。すなわち、メダルの貯留枚数が2枚以上有するか否かを判断する。貯留枚数が2枚以上有さないと、追加で2枚をベットできないからである。 【0056】 さらに、メダルの貯留枚数が49枚以下(50枚未満)であるか否かを判断する。本実施形態では、ベット数が変更されるときは、変更前のベット数に相当するメダル枚数を一旦貯留した後(貯留に戻した後)、変更後のベット数を貯留枚数から差し引く処理を行う。このため、貯留枚数がすでに50枚であるときは、既にベットされている1枚を貯留に戻すことができない。よって、本実施形態では、49枚以下のときにだけ、上記のベット数を変更可能としている。 【0057】 メダルの貯留枚数が2枚以上かつ49枚以下であるときは、ベット数を変更できると判断し、マックスベットスイッチ40aの操作を有効とする。すなわち、1枚のベット数を貯留内に一旦戻した後、次に、3枚のメダルをベットする。 これに対し、メダルの貯留枚数が1枚以下又は50枚であるときは、マックスベットスイッチ40aの操作を無効とするように制御する。 【0058】 なお、上記のように処理するのではなく、以下の方法も可能である。 第1に、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行うことなく、貯留枚数から2枚を減算し、その2枚をベット数に追加する処理を行ってもよい。このようにすれば、ベット数の変更前の貯留枚数が50枚であっても、ベット数の変更が可能となる。 第2に、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻すように処理するが、戻したときに貯留枚数が50枚を超える場合には、超えた分の枚数をメダル受け皿53に返却するように処理してもよい。 【0059】 次に、既に1枚又は3枚のメダルがベットされているときに、1枚ベットスイッチ40bが操作されたときの処理は、貯留枚数に応じて、以下のようになる。 先ず、既に1枚のメダルがベットされている場合において、1枚ベットスイッチ40bが操作(オン)されたときは、現状を維持するだけであるので、その操作を無効とするように制御する。 【0060】 これに対し、既に3枚のメダルがベットされている場合において、1枚ベットスイッチ40bが操作されたときは、上記と同様にして、メダルの貯留枚数が47枚以下であるか否かを判断する。47枚以下でないときは、3枚のベットされているメダルを貯留に一旦戻すことができないからである。 メダル貯留枚数が48枚以上であるときは、1枚ベットスイッチ40bの操作を無効とするように制御する。 【0061】 これに対し、メダルの貯留枚数が47枚以下であるときは、ベット数を変更できると判断し、1枚ベットスイッチ40bの操作を有効とする。すなわち、3枚のベット数を貯留に一旦戻した後、次に、1枚のメダルをベットする。 【0062】 なお、上記と同様に、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行うことなく、2枚分を貯留枚数に加算する追加する処理を行ってもよい。この場合、貯留枚数が50枚を超えるときは、超えた分の枚数をメダル受け皿に返却するように処理してもよい。 【0063】 次に、上記処理を、フローチャートに基づいて説明する。 図7は、マックスベットスイッチ40aが操作(押下)されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 マックスベットスイッチ40aが操作されると、図7のステップS1において、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「3」であるか否かを判断する。ベット数が「3」であると判断されたときはステップS11に進み、マックスベットスイッチ40aの操作を無効にし(受け付けず)、本フローチャートによる処理を終了する。 【0064】 これに対し、ステップS1でベット数が「3」でないと判断されたときはステップS2に進む。ステップS2では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「2」であるか否かを判断する。ベット数が「2」であると判断されたときはステップS3に進み、「2」でないと判断されたときはステップS5に進む。 ステップS3では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であるか否かを判断する。「1」~「48」の範囲内であると判断されたときはステップS4に進み、上記範囲内でないと判断されたときはステップS11に進む。 【0065】 すなわち、ステップS3で上記範囲内でないと判断されたときは、ベット数を「2」から「3」に変更することは不可能であるので、ステップS11に進んでマックスベットスイッチ40aの操作を無効にし、本フローチャートによる処理を終了する。 【0066】 ステップS3で上記範囲内であると判断されたときはベット数の変更が可能であるので、ベット・貯留制御手段60は、ステップS4に進み、現在の貯留数から「1」を減算する。そしてステップS10に進み、ベット・貯留制御手段60は、減算した「1」をベット数に加算し、ベット数を「2」から「3」に変更する。そして本フローチャートによる処理を終了する。 ステップS2でベット数が「2」でないと判断されステップS5に進むと、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「1」であるか否かを判断する。ベット数が「1」であると判断されたときはステップS6に進む。ステップS6では、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であるか否かを判断する。上記範囲内であると判断されたときはベット数の変更が可能であるので、ベット・貯留制御手段60は、ステップS7に進み、現在の貯留数から「2」を減算する。そしてステップS10に進み、ベット・貯留制御手段60は、減算した「2」をベット数に加算し、ベット数を「1」から「3」に変更する。そして本フローチャートによる処理を終了する。 【0067】 一方、ステップS6で上記範囲内でないと判断されたときは、ベット数を「1」から「3」に変更することは不可能であるので、ステップS11に進んでマックスベットスイッチ40aの操作を無効にし、本フローチャートによる処理を終了する。 【0068】 また、ステップS5でベット数が「1」でないと判断されたとき(すなわち、ベット数が「0」であるとき)はステップS8に進み、ベット・貯留制御手段60は、現時点での貯留数が「3」以上であるか否かを判断する。貯留数が「3」以上であるときは、ベット数を「3」に設定できるので、ステップS9に進み、現在の貯留数から「3」を減算する。そしてステップS10に進み、ベット・貯留制御手段60は、ベット数を「3」に設定する。そして本フローチャートによる処理を終了する。 一方、ステップS8で貯留数が「3」以上でないと判断されたときは、ベット数を「3」に設定することは不可能であるので、ステップS11に進んでマックスベットスイッチ40aの操作を無効にし、本フローチャートによる処理を終了する。 【0069】 図8は、1枚ベットスイッチ40bが操作(押下)されたときの処理の流れを示すフローチャートである。 1枚ベットスイッチ40bが操作されると、図8のステップS21において、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「1」であるか否かを判断する。ベット数が「1」であると判断されたときはステップS31に進み、1枚ベットスイッチ40bの操作を無効にし(受け付けず)、本フローチャートによる処理を終了する。 【0070】 これに対し、ステップS21でベット数が「1」でないと判断されたときはステップS22に進む。ステップS22では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「2」であるか否かを判断する。ベット数が「2」であると判断されたときはステップS23に進み、「2」でないと判断されたときはステップS25に進む。 ステップS23では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのメダルの貯留数が「48」以下であるか否かを判断する。「48」以下であると判断されたときはステップS24に進み、貯留数が「48」以下でないと判断されたときはステップS31に進む。 【0071】 すなわち、ステップS23で貯留数が「48」以下でないと判断されたときは、ベット数を「2」から「1」に変更することは不可能であるので、ステップS31に進んで1枚ベットスイッチ40bの操作を無効にし、本フローチャートによる処理を終了する。 【0072】 ステップS23で貯留数が「48」以下であると判断されたときはベット数の変更が可能であるので、ベット・貯留制御手段60は、ステップS24に進み、現在の貯留数に「1」を加算する。そしてステップS30に進み、ベット・貯留制御手段60は、ベット数を「2」から「1」に変更する。そして本フローチャートによる処理を終了する。 【0073】 ステップS22でベット数が「2」でないと判断されステップS25に進むと、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「3」であるか否かを判断する。ベット数が「3」であると判断されたときはステップS26に進む。 ステップS26では、現時点での貯留数が「47」以下であるか否かを判断する。貯留数が「47」以下であると判断されたときはベット数の変更が可能であるので、ベット・貯留制御手段60は、ステップS27に進み、現在の貯留数に「2」を加算する。そしてステップS30に進み、ベット・貯留制御手段60は、ベット数を「3」から「1」に変更する。そして本フローチャートによる処理を終了する。 【0074】 一方、ステップS26で貯留数が「47」以下でないと判断されたときは、ベット数を「3」から「1」に変更することは不可能であるので、ステップS31に進んで1枚ベットスイッチ40bの操作を無効にし、本フローチャートによる処理を終了する。 【0075】 また、ステップS25でベット数が「3」でないと判断されたとき(すなわち、ベット数が「0」であるとき)はステップS28に進み、ベット・貯留制御手段60は、現時点での貯留数が「1」以上であるか否かを判断する。貯留数が「1」以上であるときは、ベット数として「1」を設定できるので、ステップS29に進み、現在の貯留数から「1」を減算する。そしてステップS30に進み、ベット・貯留制御手段60は、ベット数を「1」に設定する。そして本フローチャートによる処理を終了する。 【0076】 一方、ステップS28で貯留数が「1」以上でない(すなわち、「0」である)と判断されたときは、ベット数を「1」に設定することは不可能であるので、ステップS31に進んで1枚ベットスイッチ40bの操作を無効にし、本フローチャートによる処理を終了する。」 (オ)「【0077】 説明を図1に戻す。 役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。 【0078】 乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0~65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0~65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン1の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。 【0079】 乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値がRBの当選領域に属する場合は、RBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。」 (カ)「【0091】 リール制御手段64は、まず、スタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。」 以上の記載事項(ア)~(カ)から、引用文献1には、実施形態を中心に、次の技術的事項が記載されているものと認められる(a~kは、本願補正発明の分説A~Kに対応させている)。 (a)記載事項(ア)(【0015】、【0018】)から、遊技を行うためのメダルが投入されるメダル投入口43が記載されている。 (b)記載事項(ア)(【0015】、【0016】)から、「貯留」とは、スロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留(クレジット)することであり、この電気的に貯留(クレジット)することは、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAMに記憶されるものである。また、記載事項(ア)(【0021】、【0022】)に、クレジット数表示部34は、スロットマシン1に電気的に貯留されているメダル枚数をセグメント表示するものであり、「00」~「50」までの間で表示されること、クレジット数が「50」に到達すると、それ以上のクレジットはできず、メダルが返却されることが記載されていることからすると、クレジット数が「50」となるまでスロットマシン1にメダル枚数を電気的に貯留できるものである。そうすると、引用文献1には、クレジット数が「50」となるまでスロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留できるRAMが記載されている。 (c)記載事項(ア)(【0019】)から、当該遊技でベット可能なメダル枚数は、1枚又は3枚(最大枚数)に設定されており、3枚(最大枚数)のメダルをベットしようとするときに操作するマックスベットスイッチ40aが記載されている。 (d)記載事項(ア)(【0019】)から、当該遊技で1枚のメダルをベットしようとするときに操作する1枚ベットスイッチ40bが記載されている。 (e)記載事項(ア)(【0015】)から、メダル投入口43からメダルを投入することでベットすることが、記載事項(ア)(【0018】、【0019】)から、マックスベットスイッチ40a又は1枚ベットスイッチ40bを操作することで貯留(クレジット)されたメダルを当該遊技のためにベットすることが、記載されている。また、記載事項(エ)(【0050】)から、ベット・貯留制御手段60は、メダル投入口43からメダルが投入されたとき、又はベットスイッチ40が操作されたときに、当該遊技におけるメダルをベットすることが、記載されている。 そうすると、引用文献1には、メダル投入口43からメダルを投入することでベットし、マックスベットスイッチ40a又は1枚ベットスイッチ40bを操作することで貯留(クレジット)されたメダルをベットするベット・貯留制御手段60が記載されている。 (f)記載事項(ウ)から、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)することが、記載事項(オ)(【0077】、【0079】)から、役抽選手段61は、スタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を決定することが、記載されている。 そうすると、引用文献1には、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)することで、抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を決定する役抽選手段61が記載されている。 (g)記載事項(イ)から、リール31の外周面には複数種類の図柄があることが記載されている。また、記載事項(カ)から、リール制御手段64は、まず、スタートスイッチ41が操作されたときに、すべてのリール31の回転を開始するように制御し、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御することが記載されている。 そうすると、引用文献1には、スタートスイッチ41が操作されたときに、外周面に複数種類の図柄があるすべてのリール31の回転を開始するように制御し、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するリール制御手段64が記載されている。 (h)記載事項(エ)(【0069】、【0070】、【0072】、【0073】)から、1枚ベットスイッチ40bが操作されると、ステップS22では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「2」であるか否かを判断し、ベット数が「2」であると判断されたときはステップS23に進み、ステップS23では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのメダルの貯留数が「48」以下であるか否かを判断し、ステップS23で貯留数が「48」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「1」を加算し、ベット数を「2」から「1」に変更し、また、ステップS22でベット数が「2」でないと判断されステップS25に進むと、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「3」であるか否かを判断し、ベット数が「3」であると判断されたときはステップS26に進み、ステップS26では、現時点での貯留数が「47」以下であるか否かを判断し、貯留数が「47」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「2」を加算し、ベット数を「3」から「1」に変更することが記載されている。 そうすると、引用文献1には、ベット・貯留制御手段60は、1枚ベットスイッチ40bが操作されると、現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「48」以下であるか否かを判断し、貯留数が「48」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「1」を加算し、ベット数を「2」から「1」に変更し、また、現時点でのベット数が「3」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「47」以下であるか否かを判断し、貯留数が「47」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「2」を加算し、ベット数を「3」から「1」に変更することが記載されている。 (i)記載事項(エ)(【0063】-【0064】、【0066】)から、マックスベットスイッチ40aが操作されると、ステップS2では、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「2」であるか否かを判断し、ベット数が「2」であると判断されたときはステップS3に進み、ステップS3では、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であるか否かを判断し、ステップS3で上記範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「1」を減算し、ベット数を「2」から「3」に変更し、また、ステップS2でベット数が「2」でないと判断されステップS5に進むと、ベット・貯留制御手段60は、現時点でのベット数が「1」であるか否かを判断する。ベット数が「1」であると判断されたときはステップS6に進む。ステップS6では、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であるか否かを判断する。上記範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「2」を減算し、ベット数を「1」から「3」に変更することが記載されている。 そうすると、引用文献1には、ベット・貯留制御手段60は、マックスベットスイッチ40aが操作されると、現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「1」~「48」の範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「1」を減算し、ベット数を「2」から「3」に変更し、また、現時点でのベット数が「1」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「2」~「49」の範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「2」を減算し、ベット数を「1」から「3」に変更することが記載されている。 (k)記載事項(ア)(【0016】)から、スロットマシン1が記載されている。 以上の記載事項(ア)~(カ)及び認定事項(a)~(k)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(分説a~kは、本願補正発明の分説A~Kに対応させて付与した)。 「a 遊技を行うためのメダルが投入されるメダル投入口43と、 b クレジット数が「50」となるまでスロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留できるRAMと、 c 当該遊技でベット可能なメダル枚数は、1枚又は3枚(最大枚数)に設定されており、3枚(最大枚数)のメダルをベットしようとするときに操作するマックスベットスイッチ40aと、 d 当該遊技で1枚のメダルをベットしようとするときに操作する1枚ベットスイッチ40bと、 e メダル投入口43からメダルを投入することでベットし、マックスベットスイッチ40a又は1枚ベットスイッチ40bを操作することで貯留(クレジット)されたメダルをベットするベット・貯留制御手段60と、 f ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)することで、抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を決定する役抽選手段61と、 g スタートスイッチ41が操作されたときに、外周面に複数種類の図柄があるすべてのリール31の回転を開始するように制御し、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するリール制御手段64と、 を備え、 h ベット・貯留制御手段60は、1枚ベットスイッチ40bが操作されると、現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「48」以下であるか否かを判断し、貯留数が「48」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「1」を加算し、ベット数を「2」から「1」に変更し、また、現時点でのベット数が「3」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「47」以下であるか否かを判断し、貯留数が「47」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「2」を加算し、ベット数を「3」から「1」に変更し、 i ベット・貯留制御手段60は、マックスベットスイッチ40aが操作されると、現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「1」~「48」の範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「1」を減算し、ベット数を「2」から「3」に変更し、また、現時点でのベット数が「1」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「2」~「49」の範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「2」を減算し、ベット数を「1」から「3」に変更する k スロットマシン1。」 また、上記記載事項(エ)(【0055】、【0058】)から、引用文献1には、次の技術事項(以下、「引用文献1記載の技術事項」という。)が記載されている。 「既に1枚のメダルがベットされている場合において、マックスベットスイッチ40aが操作されたとき、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行うことなく、貯留枚数から2枚を減算し、その2枚をベット数に追加する処理を行い、ベット数の変更前の貯留枚数が50枚であっても、ベット数の変更が可能となること。」 イ 引用文献2 新たに引用する、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である特開2015-104444号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 (ア)「【0021】 (遊技制御手段100) 本実施形態のスロットマシンSは、遊技制御手段100によって制御される。 図2に示すように、遊技制御手段100は、メダルの投入を検知するためのメダル投入スイッチ9aと、遊技者の操作によって作動するベットスイッチ10と、クレジット切替スイッチ11と、スタートスイッチ15と、ストップスイッチ16からの入力信号を受信して、遊技を実行するための各種の演算処理を行うとともに、演算処理の結果に基づいて、リールユニット310と、ホッパーユニット320と、演出表示部5と、スピーカ6と、演出ランプ7の出力動作の制御を行うものである。なお、遊技制御手段100の機能は、CPUが所定のメモリに記憶されたシステムプログラムからなるソフトウエアを実行することにより実現される。 【0022】 また、遊技制御手段100は、投入受付手段110、賭数設定管理手段120、内部抽選手段130、リール制御手段140、入賞判定手段150、払出制御手段160、遊技状態移行制御手段170、演出制御手段180、AT管理手段185及び記憶手段190を含んで構成される。なお、記憶手段190は、システムプログラムが記憶された読み取り専用の記憶領域であるROMと、遊技制御手段100で生成される各種データ(システムプログラムで使用するフラグや演算した値)が記憶されるとともに、遊技制御手段100の演算処理のワーク領域として使用される書き換え可能な記憶領域であるRAMとによって構成される。また、記憶手段190は、クレジット記憶手段191及びベット値記憶手段(賭数記憶手段)192を含んで構成される。」 (イ)「【0027】 さらに、投入受付手段110は、後述する賭数設定管理手段120によるベット処理に応じて、クレジット記憶手段191に記憶されたメダル値から減算する減算値を決定し、スタートスイッチ15の作動を契機として、メダル値から減算値を減算する処理を行う。 【0028】 (賭数設定管理手段120) 賭数設定管理手段120は、クレジットメダルが所定数以上の場合には、ベットスイッチ10の1回目の押下操作に基づいて、前回の遊技でベット処理した賭数(ベット値)をベット値記憶手段192に記憶し、2回目以降の押下操作に基づいて、賭数を変更して当該変更した賭数をベット値記憶手段192に記憶する。」 以上の記載事項(ア)~(イ)を総合すると、引用文献2には、以下の技術事項(以下、「引用文献2記載の技術事項」という。)が記載されている。 「スロットマシンSにおいて、ベットスイッチ10の2回目以降の押下操作に基づいて、ベット値を変更して当該変更したベット値をベット値記憶手段192に記憶し、それに応じて、クレジット記憶手段191に記憶されたメダル値から減算する減算値を決定し、スタートスイッチ15の作動を契機として、メダル値から減算値を減算する処理を行うこと。」 (3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する(見出しa~kは、本願補正発明の分説A~Kに対応させて付与した)。 a、c~f 引用発明のa「メダル投入口43」、c「マックスベットスイッチ40a」、d「1枚ベットスイッチ40b」、e「ベット・貯留制御手段60」及びf「役抽選手段61」は、それぞれ本願補正発明のA「投入口」、C「第1ベット操作部」、D「第2ベット操作部」、E「ベット手段」及びF「当選役抽選手段」に相当する。 b 引用発明の「クレジット数」の「「50」」は、本願補正発明の「遊技媒体の貯留枚数」の「上限枚数」に相当する。そうすると、引用発明の「b クレジット数が「50」となるまでスロットマシン1内部にメダルを電気的に貯留できるRAM」は、本願補正発明の「B 前記遊技媒体の貯留枚数が上限枚数となるまで前記遊技媒体を貯留可能な記憶手段」に相当する。 g 引用発明において、「ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定する」ことは、「役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択」して行われているのであるから、役抽選手段61による役の当選の有無及び当選役の決定に基づいて、リール31の停止位置を決定している。そうすると、引用発明の「g スタートスイッチ41が操作されたときに、外周面に複数種類の図柄があるすべてのリール31の回転を開始するように制御し、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するリール制御手段64」は、本願補正発明の「G 前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段」に相当する。 h 引用発明では、「現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「48」以下であるか否かを判断し」、「現時点でのベット数が「3」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「47」以下であるか否かを判断し」と、現時点でのベット数が「2」である場合と、「3」である場合に分けられているが、いずれの場合でも、現時点でのベット数と、メダルの貯留数の合計値が「50」以下であるかの判断をしており、該合計値が「50」以下である場合に、「ベット数を「2」から「1」に変更し」、また、「ベット数を「3」から「1」に変更し」と、ベット数を減らしている。そうすると、引用発明の「h ベット・貯留制御手段60は、1枚ベットスイッチ40bが操作されると、現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「48」以下であるか否かを判断し、貯留数が「48」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「1」を加算し、ベット数を「2」から「1」に変更し、また、現時点でのベット数が「3」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「47」以下であるか否かを判断し、貯留数が「47」以下であると判断されたときは、現在の貯留数に「2」を加算し、ベット数を「3」から「1」に変更」することは、本願補正発明の「前記ベット手段は、」「H 前記第2ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により前記合計値が前記上限枚数を超えないと判定された場合、前記投入口から投入されベットされた前記遊技媒体のベット枚数を減らすことがあ」ることに相当する。 i 引用発明の「ベット・貯留制御手段60は、マックスベットスイッチ40aが操作され」た場合、「現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「1」~「48」の範囲内であると判断されたとき」、また、「現時点でのベット数が「1」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「2」~「49」の範囲内であると判断されたとき」との判断を行っているが、いずれの場合でも「ベット数を「2」から「3」に変更し」、また、「ベット数を「1」から「3」に変更」、すなわち、ベット数を最大枚数までベットしている。 そうすると、引用発明の「i ベット・貯留制御手段60は、マックスベットスイッチ40aが操作されると、現時点でのベット数が「2」であると判断されたとき、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「1」を減算し、ベット数を「2」から「3」に変更し、また、現時点でのベット数が「1」であると判断されたとき、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であると判断されたときは、現在の貯留数から「2」を減算し、ベット数を「1」から「3」に変更する」ことと、本願補正発明の「前記ベット手段は」「I 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記判定処理を行うことなく、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベット」することとは、「前記ベット手段は」「I’ 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベット」する点で共通する。 k 引用発明の「k スロットマシン1」は、本願補正発明の「K 遊技機」に相当する。 上記a~kによれば、本願補正発明と引用発明とは、 「A 遊技に使用するための遊技媒体の投入を受け付ける投入口と、 B 前記遊技媒体の貯留枚数が上限枚数となるまで前記遊技媒体を貯留可能な記憶手段と、 C 予め設定された複数のベット枚数のうちの最大ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第1ベット操作部と、 D 前記最大ベット枚数未満の所定ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第2ベット操作部と、 E 前記投入口を通じて投入された前記遊技媒体をベットし、前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部の操作に応じて前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体をベットするベット手段と、 F 規定数の遊技媒体がベットされた後、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、 G 前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、 を備え、 前記ベット手段は、 H 前記第2ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により前記合計値が前記上限枚数を超えないと判定された場合、前記投入口から投入されベットされた前記遊技媒体のベット枚数を減らすことがあり、 I’ 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベットする、 K 遊技機。」 である点で一致し、次の点で相違する。 相違点1 構成I’に関し、本願補正発明では「前記判定処理を行うことなく」、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベットするのに対し、引用発明では「現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは、現時点でのメダルの貯留数が「1」~「48」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「1」~「48」の範囲内であると判断されたとき」、また、「現時点でのベット数が「1」であると判断されたときは、現時点での貯留数が「2」~「49」の範囲内であるか否かを判断し、貯留数が「2」~「49」の範囲内であると判断されたとき」との判断を行った上で、ベット数を「3」に変更している点。 相違点2 本願補正発明では「前記ベット手段は、」「J 前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部が操作され前記遊技媒体のベット枚数を変更する場合、前記遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の前記貯留枚数を前記記憶手段に記憶する」との特定事項を有しているのに対し、引用発明ではそのような特定事項を有していない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1について 引用発明では、現時点での貯留数の上限についての判断を行っているが、これについては、引用文献1の記載事項(エ)(【0056】)に記載されるように、ベット数が変更されるときは、変更前のベット数に相当するメダル枚数を一旦貯留した後(貯留に戻した後)、変更後のベット数を貯留枚数から差し引く処理を行っていることにより、貯留枚数がすでに50枚であるときは、既にベットされている1枚を貯留に戻すことができないためである。 一方、「上記のように処理するのではなく、以下の方法も可能である」(記載事項(エ)(【0058】))として示される、上記引用文献1記載の技術事項によれば、「既に1枚のメダルがベットされている場合において、マックスベットスイッチ40aが操作されたとき、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行うことなく、貯留枚数から2枚を減算し、その2枚をベット数に追加する処理を行」うことで、「ベット数の変更前の貯留枚数が50枚であっても、ベット数の変更が可能となる」ものであり、「変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行」わないのであるから、現時点での貯留数の上限についての判断を行わなくてよいものである。 そうすると、引用発明に、上記引用文献1記載の技術事項を適用すると、現時点でのベット数が「1」であると判断されたときに、現時点での貯留数の上限について、「現時点での貯留数が」49以下「であるか否か」の判断を行うことなく、現在の貯留数から「2」を減算し、ベット数を「1」から「3」に変更すればよいこととなり、現時点での貯留数の上限についての判断を行わないものとなる。また、上記引用文献1記載の技術事項からすれば、1枚ではなく2枚のメダルが既にベットされている場合においても、同様に、マックスベットスイッチ40aが操作されたとき、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行うことなく、貯留枚数から1枚を減算し、その1枚をベット数に追加する処理を行えばよいことは、当業者には明らかである。 ここで、引用発明においては、現時点でのメダルの貯留数の下限についての判断を行っているが、これは、「現時点でのベット数が「2」であると判断されたときは」「現在の貯留数から「1」を減算し」、また、「現時点でのベット数が「1」であると判断されたときは」「現在の貯留数から「2」を減算し」ているため、貯留数が0を下回らないようにするためである。この点について、本願補正発明では、「前記第1ベット操作部が操作された場合、前記判定処理を行うことなく、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベット」しており、貯留枚数の下限についての判断について特定されていないが、「最大ベット枚数までベット」するために必要な枚数が貯留されていなければならないことは明らかであって、この貯留数の下限についての判断については、引用発明と本願補正発明との実質的な相違点となるものではない。 そして、本願補正発明において、上記相違点1に係る「前記判定処理」とは、構成Hに記載された「前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理」であり、上述のように、引用発明に、引用文献1記載の技術事項を適用することにより、現時点での貯留数の上限についての判断を行わないのであれば、引用発明において、現時点でのベット数が「2」であると判断されたときに、貯留数の上限が「48」であるか、また、現時点でのベット数が「1」であると判断されたときに、貯留数の上限が「49」であるかの判断、すなわち、貯留数と、ベット数との合計値の上限が「50」(上限枚数)であるかの判断を行わないものとなる。 そうすると、引用発明に、引用文献1記載の技術事項を適用し、現時点での貯留数の上限についての判断を行わないようにすることで、本願補正発明の相違点1に係る構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 イ 相違点2について ベット枚数の変更の処理と、変更後の貯留枚数の記憶との先後に関して、引用発明においては、構成hに、1枚ベットスイッチ40bが操作される場合について、「現在の貯留数に「1」を加算し、ベット数を「2」から「1」に変更し」、「現在の貯留数に「2」を加算し、ベット数を「3」から「1」に変更し」と、構成iに、マックスベットスイッチ40aが操作される場合について、「現在の貯留数から「1」を減算し、ベット数を「2」から「3」に変更し」、「現在の貯留数から「2」を減算し、ベット数を「1」から「3」に変更する」と、されている。 ここで、引用文献1には、記載事項(ウ)に「遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する」と記載され、また、記載事項(エ)(【0050】、【0052】)に「ベット・貯留制御手段60は、メダル投入口43からメダルが投入されたとき、又はベットスイッチ40が操作されたときに、当該遊技におけるメダルをベットする」、「この状態でスタートスイッチ41が操作されると、当該遊技におけるベット数が確定するとともに遊技が開始される」と記載されるように、メダルをベットした後、スタートスイッチ41を操作することで、ベット数が確定することが記載されている。また、引用文献1の記載事項(エ)に記載され、引用発明の構成h、iにあるように、引用発明においては、既にメダルがベットされている場合に、1枚ベットスイッチ40b又はマックスベットスイッチ40aの操作によりベット数を変更することが可能であるが、その場合でも、ベット数を変更した後に、スタートスイッチ41を操作することで、ベット数が確定することは、明らかである。そして、ベット数を変更する場合には、それに合わせて貯留数も変更されるが、スタートスイッチ41を操作することで、ベット数が確定すると共に、貯留数も確定することになる。 してみれば、スタートスイッチ41が操作されるまで可能であるベット数の変更と、貯留数の変更とについて、どちらを先に行っても、ベット数及び貯留数の確定はスタートスイッチ41の操作によりなされるのであるから、ベット数の変更と、貯留数の変更とのいずれを先に行うかは、当業者における設計的事項であると言える。 また、引用文献2記載の技術事項に示されるように、スロットマシンにおいて、ベットスイッチの操作に基づいてベット値を変更したときに、変更したベット値をベット値記憶手段に記憶し、それに応じて、クレジット記憶手段に記憶されたメダル値から減算する減算値を決定し、スタートスイッチの作動を契機として、メダル値から減算値を減算する処理を行うこと、すなわち、ベット枚数を変更する場合、変更したベット枚数をベット値記憶手段に記憶した後に、スタートスイッチの作動を契機として、メダル値から減算値を減算する処理によりメダル値を記憶することは、従来から行われていたものである。 そうすると、引用発明において、1枚ベットスイッチ40b又はマックスベットスイッチ40aが操作されることによりベット数を変更する場合に、ベット数を変更した後に、貯留数を変更して、スタートスイッチ41の操作に応じて、変更した貯留数をRAMに記憶するようなものとすることで、本願補正発明の相違点2に係る構成とすることは、当業者であれば適宜になし得たことである。 ウ 小括 そして、本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献1記載の技術事項及び引用文献2記載の技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、本願補正発明は、引用発明、引用文献1記載の技術事項及び引用文献2記載の技術事項に基づいて、当業者であれば容易に発明をすることができたものである。 (5)請求人の主張について 請求人は審判請求書において、次の主張をしている。 「(4)本願発明と引用発明との対比 本願発明と引用文献1とを比較すると、本願発明は、第1ベット操作部または第2ベット操作部が操作され遊技媒体のベット枚数を変更する場合、遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の貯留枚数を記憶手段に記憶するのに対し、引用文献1では、変更前のベット数に相当するメダル枚数を一旦貯留した後(貯留に戻した後)、変更後のベット数を貯留枚数から差し引く処理を行う点で相違する。 本願発明は、当初明細書に記載されているように、最大ベットスイッチ(第1ベット操作部に相当)または1枚ベットスイッチ(第2ベット操作部に相当)が操作されベット枚数を変更する場合、貯留枚数が記憶される貯留枚数記憶領域(記憶手段に相当)に、変更中の貯留枚数を記憶するのではなく、貯留枚数レジスタの値を変更していき、ベット枚数の変更が終了した後に、貯留枚数レジスタの値を貯留枚数記憶領域に記憶するものである。したがって、ベット枚数を変更する処理中には貯留枚数記憶領域が変更されないものである。 ここで、遊技機では、貯留枚数を記憶する記憶手段に、上限枚数(最大値)が予め設定されている。そして、引用文献1のように、変更前のベット枚数に相当するメダル枚数を一旦貯留した後(記憶手段に記憶した後)、変更後のベット枚数を貯留枚数から差し引くようにすると、例えばベット枚数が1枚である場合、記憶手段に記憶されている貯留枚数が上限枚数から1枚を引いた枚数のときにしか、ベット枚数を変更する処理を行うことができなくなってしまう。 これに対して、本願発明は、ベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の貯留枚数を記憶手段に記憶するため、記憶手段に記憶された貯留枚数が上限枚数を超えない限り(貯留枚数が上限枚数である場合にも)、ベット枚数を変更することができる。例えば、記憶手段に上限枚数の貯留枚数が記憶されており、かつ、投入口から1枚の記憶媒体が投入された場合にも、ベット枚数を変更できる。 このように、本願発明は、ベット枚数を変更する処理で扱うことができる遊技媒体の枚数を引用文献1よりも多くすることができるので、遊技者により多くの機会でベット枚数を変更させることができる。」 この主張に対して、まず、本願補正発明では、構成Hにおいて、「前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行」うとされており、「上限枚数を超えるか否か」の判定は「記憶手段に記憶された遊技媒体の貯留枚数と、投入口から投入された遊技媒体のベット枚数との合計値」を対象にするものであって、「記憶手段に記憶された貯留枚数」を対象にするものではない。すなわち、本件補正後の請求項1には、「前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数が前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理」との記載はあるものの、本願補正発明は本件補正後の請求項2に係る発明であり、「上限枚数を超えるか否か」の判定の対象は上述のとおりである。 そして、本願補正発明においては、例えば、記憶手段に上限枚数の貯留枚数が記憶されており、投入口から1枚の記憶媒体が投入された場合には、「上限枚数を超えるか否か」の判定として、「記憶手段に記憶された遊技媒体の貯留枚数と、投入口から投入された遊技媒体のベット枚数との合計値」は上限枚数を超えることとなり、出願人の主張するようにベット枚数を変更することはできない。上記判定を「貯留枚数レジスタ」で行うものであるとしても、貯留枚数レジスタに格納される値は「記憶手段に記憶された遊技媒体の貯留枚数と、投入口から投入された遊技媒体のベット枚数との合計値」となり、その値が「上限枚数を超えるか否か」の判定を行っているのであるから、上述のとおりである。 また、請求人の主張する、「ベット枚数を変更する処理で扱うことができる遊技媒体の枚数を引用文献1よりも多くすることができるので、遊技者により多くの機会でベット枚数を変更させることができる」との効果は、本願補正発明の構成Jである「第1ベット操作部または第2ベット操作部が操作され遊技媒体のベット枚数を変更する場合、遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の貯留枚数を記憶手段に記憶する」ことのみで奏し得るのではなく、請求人が主張するように、「当初明細書に記載されているように、最大ベットスイッチ(第1ベット操作部に相当)または1枚ベットスイッチ(第2ベット操作部に相当)が操作されベット枚数を変更する場合、貯留枚数が記憶される貯留枚数記憶領域(記憶手段に相当)に、変更中の貯留枚数を記憶するのではなく、貯留枚数レジスタの値を変更していき、ベット枚数の変更が終了した後に、貯留枚数レジスタの値を貯留枚数記憶領域に記憶する」という構成が前提として必要となるが、本願補正発明に当該構成は特定されておらず、本願補正発明が奏し得る効果とすることはできない。そもそも、本願補正発明で特定される構成Jや構成Hは、本願の明細書の段落【0082】-【0104】及び図面第10図に記載されるベット処理についての一連の処理のうち、一部のみを特定したものであるのに対し、上記請求人の主張する効果は当該ベット処理についての処理の一連の結果として奏し得るものであって、本願補正発明が奏し得るものではない。 仮に、請求人の「本願発明は」、「記憶手段に記憶された貯留枚数が上限枚数を超えない限り(貯留枚数が上限枚数である場合にも)、ベット枚数を変更することができる」との主張を認めたとしても、上記引用文献1記載の技術事項に示されるとおり、「ベット数の変更前の貯留枚数が50枚であっても、ベット数の変更が可能となる」のであり、引用発明において、マックスベットスイッチ40aが操作された場合については、上記「(4)判断 ア 相違点1について」で示したとおりである。また、引用文献1には、「既に3枚のメダルがベットされている場合において、1枚ベットスイッチ40bが操作されたとき」、「上記と同様に、変更前のベット数に相当する枚数を貯留に戻す処理を行うことなく、2枚分を貯留枚数に加算する追加する処理を行ってもよい。この場合、貯留枚数が50枚を超えるときは、超えた分の枚数をメダル受け皿に返却するように処理してもよい」(記載事項(エ)【0060】、【0062】)と、1枚ベットスイッチ40bが操作されたときについても記載されている。そうすると、引用発明及び引用文献1記載の技術事項に基づいて、ベット数の変更前の貯留枚数が50枚であっても、ベット数の変更が可能となるという効果を奏することができるのであって、「記憶手段に記憶された貯留枚数が上限枚数を超えない限り(貯留枚数が上限枚数である場合にも)、ベット枚数を変更することができる」との効果が本願補正発明特有のものであるとすることはできない。 さらに、本願の明細書の段落【0125】には、「貯留枚数記憶領域に記憶された貯留枚数と、メダル投入口124aを通じて投入されたメダル枚数(ベット枚数)との合計値が、貯留枚数記憶領域に記憶可能な上限枚数である50に1を加算した51を超えた場合に、ベット枚数を変更する処理の実行を制限するようにしてもよい。」とした記載があるが、当該記載は、「上限枚数を超えるか否か」の判定を、「上限枚数に1を加算した値を超えるか否か」の判定としてもよい、とするものであって、請求人の主張の根拠とすることはできない。 してみると、請求人の主張は、本願補正発明の構成に基づくものではなく、採用することはできない。 (6)まとめ 以上のように、本願補正発明は、引用発明、引用文献1記載の技術事項及び引用文献2記載の技術事項に基づいて、当業者であれば容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 補正の却下の決定についてのむすび 上記3より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正(平成31年4月4日付け手続補正)は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項2に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成30年9月28日付け手続補正書により補正された、上記第2[理由]1で示した特許請求の範囲の請求項2に記載された次のとおりのものである。 「【請求項2】 遊技に使用するための遊技媒体の投入を受け付ける投入口と、 前記遊技媒体の貯留枚数が上限枚数となるまで前記遊技媒体を貯留可能な記憶手段と、 予め設定された複数のベット枚数のうちの最大ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第1ベット操作部と、 前記最大ベット枚数未満の所定ベット枚数の前記遊技媒体をベットするための第2ベット操作部と、 前記投入口を通じて投入された前記遊技媒体をベットし、前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部の操作に応じて前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体をベットするベット手段と、 規定数の遊技媒体がベットされた後、スタートスイッチの操作に基づき、複数種類の当選役のいずれかを当選役抽選により決定する当選役抽選手段と、 前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数の回転リールを回転制御し、回転している回転リールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選役抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応する回転リールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、 を備え、 前記ベット手段は、 前記第2ベット操作部が操作された場合、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体の前記貯留枚数と、前記投入口から投入された前記遊技媒体のベット枚数との合計値が、前記上限枚数を超えるか否かを判定する判定処理を行い、前記判定処理により前記合計値が前記上限枚数を超えないと判定された場合、前記投入口から投入されベットされた前記遊技媒体のベット枚数を減らすことがあり、 前記第1ベット操作部が操作された場合、前記判定処理を行うことなく、前記記憶手段に記憶された前記遊技媒体を前記最大ベット枚数までベットすることを特徴とする遊技機。」 2 原査定の拒絶の理由の概略 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ●理由(特許法第29条第2項) ・請求項1-3 ・引用文献等1 <引用文献等一覧> 1.特開2011-30677号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された、引用文献1の記載事項は、上記第2[理由]3(2)アに記載したとおりである。 4 対比・判断 本願補正発明は、上記第2[理由]2で示したとおり、本願発明の「ベット手段」について、補正後に、本願補正発明の構成Jとして、「前記第1ベット操作部または前記第2ベット操作部が操作され前記遊技媒体のベット枚数を変更する場合、前記遊技媒体のベット枚数を変更する処理が終了した後に、変更後の前記貯留枚数を前記記憶手段に記憶する」との限定を加えるものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに構成Jを付加したものに相当する本願補正発明が、上記第2[理由]3(4)に記載したとおり、引用発明、引用文献1記載の技術事項及び引用文献2記載の技術事項に基づいて、当業者であれば容易に発明をすることができたものであり、上記構成Jとしての限定に対して引用文献2記載の技術事項を示したものであるから、本願発明は、引用発明及び引用文献1記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-004421

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