2019-003866
構内交換機、内線電話機、電話交換システム、電話交換方法及び電話交換プログラム
- 審判番号
- 2019-003866
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-190157外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年03月25日
- 審決日
- 2020年03月31日
- 公報発行日
- 2020年06月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】NECプラットフォームズ株式会社
- 【請求人代理人】岡部 讓
- 【請求人代理人】吉澤 弘司
- 分類
- P18 .121-WZ (H04Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 13項目
第1 手続の経緯
本願は、平成29年9月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
第2 本願発明
本願の請求項に係る発明は、本願出願時の特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項1】発信電話機から第1の内線電話機になされた着信に対する代理応答要求を第2の内線電話機から受信する受信部と、前記受信部が前記代理応答要求を受信した場合、前記発信電話機、前記第1の内線電話機及び前記第2の内線電話機の間における三者通話接続を形成するとともに、前記発信電話機及び前記第2の内線電話機の通話を前記第1の内線電話機において録音させる制御部と、を備える構内交換機。」
第3 当審における拒絶の理由
令和元年12月16日に当審が通知した拒絶理由(理由1)は、次のとおりのものである。
本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
第4 引用文献
1 引用文献1の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
当審の拒絶の理由に引用された引用文献1には、「交換機32」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付与した。)
(1)「【0002】【従来の技術】従来、この種の伝言転送方式においては、事務所内で不在者席の電話端末に呼び出しがあると、この呼に代理応答した応答者が、発呼者に伝言箱への録音をお願いして伝言箱装置へ転送接続するか、または応答者が要件を伺って書き取りして不在者へそれを通知するのが通常であった。【0003】図8は従来の一例を示すブロック接続図である。図8に示すように、不在電話端末5,応答電話端末2および伝言箱装置42は交換機9に収容接続されている。発呼電話端末1は交換機9に直接または間接に接続しており、接続先の不在電話端末5の電話番号により発信する。」
(2)「【0015】図1および図2のそれぞれは本発明の基本構成の一例を示すフローチャートおよびブロック図である。【0016】まず、図2に示すように、発呼電話端末1は応答電話端末2を収容接続する交換機3に直接または間接的に接続されている。交換機3は記録装置4および不在電話端末5を応答電話端末2と同様に収容している。記録装置4はメッセージ記録領域40をもつが、メッセージ記録領域40は不在電話端末5が内蔵してもよい。」
(3)「【0021】次に、図3から図5までを参照して、第1の具体例について説明する。(中略)【0028】まず、不在電話端末41が着信の呼び出しを受け鳴動(111)するのに対して、応答電話端末21は所定の代理応答手順(112)により交換機31を駆動し、発呼電話端末1と通信路を接続し対話する。応答者は不在の被呼者への伝言がある(113)場合、操作部68で伝言記録要求を操作する。この結果、応答電話端末21は制御部65が応答者の操作による伝言記録要求を受信(114)するので、メッセージ記録領域60(20)に加算器64を介して受信する発呼者および応答者両者の音声信号を接続して対話を記録(115)する。通話終了で、発呼者・応答者により、一旦所定の終話手順(116)により、交換機31が形成した通信路は解放される。」
(4)「【0031】図6および図7は本発明の第2の実施例を示すブロック図およびフローチャートである。図6において図3と同一の構成要素には同一番号符号を付与してその説明を省略する。図6が図3と相違する点は、応答電話端末2がメッセージ記録領域を持つ必要がなく、また交換機32は発呼電話端末1,応答電話端末2,および不在電話端末41を三者通話接続することである。
【0032】図7に示すように、交換機32からの不在電話端末41への着信呼出し(141)を所定の代理応答手順(142)により、応答電話端末2が応答し、応答者が伝言あり(143)と判断したとき、応答電話端末2は応答者の操作により、伝言転送要求を転送先番号と共に交換機32へ発信(144)する。交換機32は転送先番号をもつ不在電話端末41を発呼電話端末1および応答電話端末2と三者通話接続し、不在者電話端末41へ伝言転送要求を送信して二者からの受信音声を内蔵するメッセージ記録領域40に接続(145)させる。
【0033】代理応答し、伝言転送要求した応答電話端末2は、第三者である不在電話端末41からの音声記録準備完了を確認(146)ののち、対話による必要事項の通話(147)を実行し、所定の終話手順(148)により、手順を終了する。通話中、第三者である不在電話端末41はメッセージ記録領域40に受話路を接続して対話音声を記録する。
(5)図6
(6)図7
(7)上記(1)から(6)の記載事項から、引用文献1には以下の発明が記載されている。(以下、「引用発明」という。)
「発呼電話端末1、応答電話端末2、および不在電話端末41を三者通話接続する交換機32であって、(【0031】)前記交換機32からの不在電話端末41への着信呼出し(141)を所定の代理応答手順(142)により、応答電話端末2が応答した場合であって、応答電話端末2が応答者の操作により、伝言転送要求を転送先番号と共に交換機32へ発信(144)した場合に、前記交換機32は転送先番号をもつ不在電話端末41を発呼電話端末1および応答電話端末2と三者通話接続し、不在者電話端末41へ伝言転送要求を送信して二者からの受信音声を内蔵するメッセージ記録領域40に接続(145)させ、【0032】前記不在電話端末41は、通話中、メッセージ記録領域40に受話路を接続して対話音声を記録する、(【0033】)交換機32。」
2 引用文献2の記載事項
折りたたみ中(クリックで表示)
当審の拒絶の理由に引用された引用文献2には、以下の事項が記載されている。(なお、下線は当審にて付与した。)
(1)「【0003】【従来の技術】従来、着信不応答の電話機に対して、他の利用者が代理応答する際のサービスとして、通話録音サービスや不在代行録音サービスがある。【0004】これらサービスを行うための従来の電話システムを図13に示す。この図において、1,2,3は電話機、4は交換機、5は音声蓄積装置である。交換機4は、加入者トランク(LC)6,7,8と、通話ロブ9と、制御装置(CPR)10と、専用トランク(VST)11と、3者通話用ミクスチャートランク(MIX)12とを有して構成されている。【0005】通話録音サービスは、例えば電話機2の利用者が不在で他の利用者が電話機2で応答する代理応答を行った場合に、代理応答者が発信者に応答した後、機能ボタンを押下するか、又はフッキング+特番ダイヤルによって、電話機1と2及び音声蓄積装置5とを三者通話状態にして通話録音を行い、この後、発信者がオンフック後、電話機2から録音終了コードと登録先電話番号をダイヤルして、録音内容を伝言として音声蓄積装置5に登録するものである。」
(2)「【0007】【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した通話録音サービスにおいては、代理応答した後で音声蓄積装置5への接続のための電話機操作と、伝言として登録する電話番号をダイヤルする必要があったため操作が煩わしいといった問題があり、また、被代理応答電話機の電話番号を代理応答者が知らなかった場合に伝言登録ができないという問題がある。」
(3)「【0011】【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理図であり、図2は図1に示すピックアップ伝言作成処理手段における主要手段の構成図である。【0012】これらの図において、1~3は電話機、4は交換機、5は音声蓄積装置、20は本発明特徴要素の制御手段である。制御手段20は、不応答の電話機(例えば2)に代理応答するためのピックアップ操作が行われた際に音声蓄積装置5に自動的に通話録音を行い、その録音された通話内容を代理応答終了後に被ピックアップ電話機2への伝言メールとして音声蓄積装置5に登録する制御を行うものである。」
(4)上記(1)から(3)の記載事項から、引用文献2には以下の技術事項が開示されている。
「通話録音サービスにおいては、代理応答した後で音声蓄積装置5への接続のための電話機操作と、伝言として登録する電話番号をダイヤルする必要があったため操作が煩わしいといった問題を解決するために、不応答の電話機に代理応答するためのピックアップ操作が行われた際に自動的に通話録音を行う」との技術事項。
第5 対比
1 本願発明と引用発明との対比
(1)上記第4の1(3)には、第1の実施例における主要動作手順の一例として、「まず、不在電話端末41が着信の呼び出しを受け鳴動(111)するのに対して、応答電話端末21は所定の代理応答手順(112)により交換機31を駆動し、発呼電話端末1と通信路を接続し対話する。・・・(省略)・・・」(下線は当審にて付与した。)と記載されており、上記「所定の代理応答手順」には「交換機」を駆動させる「要求」が含まれていると解するのが自然である。
また、上記「所定の代理応答手順」に関する動作は、第1の実施例に係る「交換機31」と第2の実施例に係る「交換機32」とで共通しているから、上記第4の1(4)の「交換機32からの不在電話端末41への着信呼出し(141)を所定の代理応答手順(142)により、応答電話端末2が応答し、」との記載においては、前記「交換機32」は、「応答電話端末2」から「(交換機32を駆動させるための「要求」を含んだ)所定の代理応答手順(142)」を受信しているものと解されるから、引用発明における「(交換機32を駆動させるための「要求」を含んだ)所定の代理応答手順(142)」は、本願発明でいう『代理応答要求』に対応するものといえる。
なお、引用発明における「発呼電話端末1」、「不在電話端末41」、「応答電話端末2」が、それぞれ、本願発明でいう『発信電話機』、『第1の内線電話機』、『第2の内線電話機』に相当することは明らかである。
してみると、引用発明である「交換機32」は、本願発明でいう『発信電話機から第1の内線電話機になされた着信に対する代理応答要求を第2の内線電話機から受信する受信部』を備えているといえる。
(2)引用発明である「交換機32」は、「転送先番号をもつ不在電話端末41を発呼電話端末1および応答電話端末2と三者通話接続し、不在者電話端末41へ伝言転送要求を送信して二者からの受信音声を内蔵するメッセージ記録領域40に接続(145)させ」、「前記不在電話端末41は、通話中、メッセージ記録領域40に受話路を接続して対話音声を記録する」ものであるから、本願発明でいう『前記発信電話機、前記第1の内線電話機及び前記第2の内線電話機の間における三者通話接続を形成するとともに、前記発信電話機及び前記第2の内線電話機の通話を前記第1の内線電話機において録音させる制御部』を備えているといえる。
(3)上記第4の1(1)の「・・・(省略)・・・事務所内で不在者席の電話端末に呼び出しがあると、この呼に代理応答した応答者が・・・要件を伺って書き取りして不在者へそれを通知するのが通常であった。・・・(省略)・・・不在電話端末5,応答電話端末2および伝言箱装置42は交換機9に収容接続されている。・・・(省略)・・・」(下線は当審にて付与した。)との記載、及び、上記第4の1(2)の「・・・(省略)・・・本発明の基本構成の一例を示す・・・(省略)・・・交換機3は記録装置4および不在電話端末5を応答電話端末2と同様に収容している。・・・(省略)・・・」(下線は当審にて付与した。)との記載から、引用発明に係る「交換機32」は、事務所において電話交換に用いられる交換機であるから、本願発明でいう「構内交換機」といえる。
2 一致点及び相違点
上記1(1)から(3)で対比した様に、本願発明と引用発明とは、
「発信電話機から第1の内線電話機になされた着信に対する代理応答要求を第2の内線電話機から受信する受信部と、前記発信電話機、前記第1の内線電話機及び前記第2の内線電話機の間における三者通話接続を形成するとともに、前記発信電話機及び前記第2の内線電話機の通話を前記第1の内線電話機において録音させる制御部と、を備える構内交換機。」
で一致しており、以下の点で相違している。
[相違点]
『前記発信電話機、前記第1の内線電話機及び前記第2の内線電話機の間における三者通話接続を形成するとともに、前記発信電話機及び前記第2の内線電話機の通話を前記第1の内線電話機において録音させる』タイミングが、本願発明では、『前記受信部が前記代理応答要求を受信した場合』であるのに対し、引用発明では、「応答者が伝言あり(143)と判断したとき」であって、「応答電話端末2」が「応答者の操作により、伝言転送要求を転送先番号と共に交換機32へ発信(144)し」たときである点。
第6 判断
1 相違点について
引用文献2に開示されているように、「通話録音サービスにおいては、代理応答した後で音声蓄積装置5への接続のための電話機操作と、伝言として登録する電話番号をダイヤルする必要があったため操作が煩わしい」という課題は本願出願前に公知の課題である。
また、引用文献2に記載の発明と引用発明とは「不応答の電話機に代理応答した場合に通話録音を行う」との共通の技術分野に属するものである。
したがって、上記公知の課題及び技術分野の共通性を踏まえると、引用発明である「交換機32」において、上記公知の課題を解決し、応答者の利便性を高めるために、「応答者の操作により、伝言転送要求を転送先番号と共に交換機32へ発信(144)」することに代えて、引用文献2に記載の「不応答の電話機に代理応答するためのピックアップ操作が行われた際に自動的に通話録音を行う」との技術事項を採用して、本願発明とすることは、当業者であれば、容易に想到し得たものである。
以上のとおりであるから、本願発明は、引用文献1及び引用文献2の記載事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
2 請求人の主張について
以下、提出日が令和2年2月14日の意見書(以下、「意見書」という。)における請求人の主張について検討する。
(1)引用文献1に記載の発明と本願発明の構成が異なるとの主張について
意見書において請求人は「・・・(省略)・・・引用文献1に記載の発明は、応答者が伝言有りと判断しなければ三者通話状態として伝言を残さず、伝言有りと判断したとしても判断する迄の通話内容を記録せず、伝言有りと判断した場合に、伝言転送要求と共に「不在電話端末41」とは別の転送先番号を「交換機32」へ送信すれば、「不在電話端末41」とは別の電話端末へ伝言を残す構成を有しており(図6及び図7参照)、本願発明が具備する上記構成とは異なります。・・・(省略)・・・」(下線は当審にて付与した。)と主張している。
確かに、請求人が主張するように、引用発明において、「「不在電話端末41」とは別の転送先番号を「交換機32」へ送信すれば、「不在電話端末41」とは別の電話端末へ伝言を残す」ことは技術的には可能であると思われる。
しかしながら、引用文献1には「「不在電話端末41」とは別の電話端末へ伝言を残す」といった事項については何ら記載されておらず、むしろ上記第4の1(4)の「・・・(省略)・・・交換機32は転送先番号をもつ不在電話端末41を発呼電話端末1および応答電話端末2と三者通話接続し・・・(省略)・・・」との記載などによれば、引用発明における転送先、すなわち対話音声を記録させる電話端末としては専ら「不在電話端末41」が想定されていると理解するのが自然である。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
(2)引用文献1に記載の発明と引用文献2の構成の組み合わせについて
意見書において請求人は「・・・(省略)・・・引用文献2に記載の発明は、不在代行録音サービスに関連しますが、引用文献1に記載の発明や本願発明とは異なり、通話の録音先は不在着信電話機でも代理応答電話機でもなく、外部の別装置である「音声蓄積装置5」です(図1参照)。・・・(省略)・・・よって、引用文献1に記載の発明に引用文献2の構成を組み合わせたとしても、本願発明の構成に至ることは無く、本願発明の進歩性が否定されるものではありません。・・・(省略)・・・」と主張している。
しかしながら、上記1に示したように、引用発明に組み合わせているのは、引用文献2(に記載の発明)の“構成”ではなく、引用文献2に記載された“「不応答の電話機に代理応答するためのピックアップ操作が行われた際に自動的に通話録音を行う」との技術事項”であるから、請求人の上記主張は採用することができない。
第7 むすび
上記のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2019-003866