特許拒絶査定不服審判
2023-017562
機器制御システム
- 審判番号
- 2023-017562
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2021-183399
- 請求日
- 2023年10月17日
- 審決日
- 2025年02月20日
- 公報発行日
- 2025年05月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ダイキン工業株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
- 審判長/審判官
- 審判長 鈴木 充
- 審判官 水野 治彦
- 審判官 正木 裕也
- 分類
- P18 .121-WZ (H04Q)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2021-183399「機器制御システム」拒絶査定不服審判事件〔令和4年2月1日出願公開、特開2022-20777〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、2018年(平成30年)7月13日(優先権主張平成29年7月14日、平成29年7月14日)を国際出願日とする出願である特願2019-529808号の一部を令和3年11月10日に新たな特許出願としたものであって、その手続は以下のとおりである。
令和5年 1月23日付け:拒絶理由通知
令和5年 3月29日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 7月19日付け:拒絶査定
令和5年10月17日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和6年 9月27日付け:拒絶理由通知(以下、「当審拒絶理由」という。)
令和6年11月28日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明1
本願の請求項1ないし請求項3に係る発明は、令和6年11月28日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし請求項3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、以下のとおりのものである。
「空調機(1062)と、
前記空調機と同じ部屋に設置され、未処理音声データ(SD)を取得する音声入力部(1064)と、
前記未処理音声データに含まれる運転音を所定の解析手法により解析することによって、前記空調機の異常の有無または異常の内容に関する判定結果(RE)を導出する運転音解析部(1016)と、
前記未処理音声データの第1前処理として、前記未処理音声データから人間の声の周波数帯域に係る成分を抽出することによって第1処理後音声データを取得する第1前処理部(1011)と、
前記第1処理後音声データからユーザの指令(CM)を抽出する指令抽出部(1014)と、
前記指令に基づいて前記空調機を制御する制御部(1017)と、
前記運転音を、前記空調機から送られる運転情報(OI)と関連付けて蓄積する運転音データ蓄積部(1015)と、
を備え、
前記運転音解析部は、前記運転音データ蓄積部に過去に蓄積された前記運転音データと、最新の前記運転音データとを解析することによって、前記判定結果(RE)を導出し、
前記制御部(1017)は、
前記判定結果(RE)が正常のとき、前記空調機の制御を行い、
前記判定結果(RE)が異常のとき、正常時とは異なる前記空調機の制御を行う、
管理システム(1090)。」
第3 当審拒絶理由における拒絶の理由
当審拒絶理由における拒絶の理由は、大略、次のとおりのものである。
(進歩性)この出願の請求項1ないし請求項3に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1及び引用文献2に記載された発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:特開2010-134367号公報
引用文献2:特開2015-111253号公報
第4 引用文献
1.引用文献1
引用文献1には、「電気機器」に関し、以下の記載事項及び図示事項がある(下線は、当審が付したものである。以下同様。)。
(1)「【0001】
本発明は、空気調和機などの電気機器の故障検出を音声認識により行う技術に関する。」
(2)「【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、音声に基づいて故障を検出することのできる電気機器を得るものである。また、音声に基づいてユーザーの快適性を向上させつつ、省エネルギーで運転することのできる電気機器を得るものである。」
(3)「【0012】
実施の形態1.
本実施の形態1では、天井カセット型の室内機と室外機を有し、リモコンによって操作可能な空気調和機100を例に説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る空気調和機100のハードウェア構成を示す図である。図1において、空気調和機100は、スピーカー1と、マイク2と、制御装置3と、表示部4と、室内の温度を測定する温度センサー5を備える。また、空気調和機100は、外部機器であるPC300と接続可能である。
【0013】
スピーカー1は、本発明の音声出力手段に相当し、制御装置3に制御されて所定の警報音や警報メッセージなどを出力する。スピーカー1は、空気調和機100の室内機、またはリモコンなどに設けることができる。
【0014】
マイク2は、本発明の音声取得手段に相当し、音声を音声信号の形で取り込んで制御装置3へ出力する。マイク2は、室内機、室外機、またはリモコンなどの分離型の装置に、複数台が設けられている。また、マイク駆動装置13(アクチュエータ)により設置方向や設置位置を設定でき、マイク2の音声取得方向を変えることができる。
【0015】
図2は、天井カセット型の室内機の外観模式図であり、マイク2の設置例を示している。図2(A)では、マイク2は、制御装置3が収納された電気品ボックス103の下部に3台取り付けている。このように電気品ボックス103の近傍に設置することで、マイク2と制御装置3との配線を容易にすることができる。また、図2(B)では、室内機の筐体101の四隅に1台ずつマイク2を設置している。このようにマイク2間の距離を離して設置することで、後述するように音源の方向をより正確に検出することができる。」
(4)「【0018】
図3は、MPU9の機能ブロック及びROM11に格納された音声データベース30の構成を示す図である。図3において、MPU9は、デジタル化された音声信号を解析して音声認識の対象とする音声信号を特定する音響分析部20、音響分析部20が分析した音声信号に所定の音声認識アルゴリズムを適用して特徴量を抽出する特徴量・補足計算部21、特徴量・補足計算部21の出力結果に基づいて音声認識を行う音声認識部23、音響分析部20の出力結果に基づいて音源の方向を特定する音声到達方向特定部22、音声認識部23の認識結果及び音声到達方向特定部22の特定結果に基づいて故障診断を行う故障診断部24、及び、ROM11に格納された音声データベース30の更新を行うデータベース更新部25を備える。
【0019】
音響分析部20は、音声信号を解析して、音声認識の対象とする音声入力区間を特定する。具体的には、まず、所定区間ごとに音声信号を取り込み、音声信号の振幅値または電力値(以下、音声レベルという)を所定のサンプリングタイムで積算し、この積算量を一つ前の区間のそれと比較し、差分が音声認識開始用の閾値を超えた区間を音声認識開始区間とする。そして、音声認識開始区間から一連の複数区間を音声入力区間とし、この音声入力区間に取得した音声信号を、音声認識処理のために特徴量・補足計算部21へ送る。なお、音圧レベルにより音声入力区間を定めるのではなく、周波数領域で音声入力区間を定めてもよい。
【0020】
特徴量・補足計算部21は、音声認識部23の認識アルゴリズムに応じて、音響分析部20により出力された音声信号の特徴量の抽出や他の補足計算を行う。処理内容は音声認識アルゴリズムにより異なる。例えば、音声認識アルゴリズムとしてHMM(HiddenMarkovModel:隠れマルコフモデル)を用いる場合、メルケプストラム分析により、入力音声から音響特徴量として、メルケプストラム、このメルケプストラムの動的特徴量(メルケプストラムの時間領域での変化量)、及びlogパワーの動的特徴量などの特徴ベクトルを抽出する。そして、得られた特徴ベクトル等の信号を、音声認識部23に出力する。」
(5)「【0025】
音声データベース30は、音声認識を行う際の音声認識パターン31を格納している。音声認識パターン31は、音声認識部23にて音声認識を行うときに認識対象となる音声の特徴量である。正常音声パターン32は、空気調和機100が正常運転を行うときに生じる運転動作音のパターンである。異常音声パターン33は、空気調和機100を構成する部材(例えば、ファンなど)に異常が生じた状態で空気調和機100を運転したときの運転音の音声パターンである。なお、運転モードや各種設定によって運転動作音が異なる場合には、運転モードや各種設定ごとに正常音声パターン32及び異常運転パターン33を格納する。正常音声パターン32と異常音声パターン33は、後述するデータベース更新部25により所定のタイミングで更新される。また、音声パターン初期値34は、正常音声パターン32及び異常音声パターン33の初期値である。
【0026】
音声認識部23は、特徴量・補足計算部21が抽出した特徴量と、音声データベース30に記憶された音声認識パターン31とに基づいて音声認識を行う。音声認識は、種々の方法で行うことができるが、例えば、「音声情報処理」(古井貞煕著、森北出版株式会社)の第5章に記載されている方式を用いることで実現することができる。
例えば音声認識アルゴリズムとしてHMMを用いる場合、音声データベース30に認識対象となる音声をHMMとして表現しておき、このHMMが、実際に取得された音声の特徴ベクトル列を生成する確率を計算し、最も高い確率で出力するHMMを認識結果とする。
【0027】
なお、音声認識を行う前に、音声信号の周波数分離を行い、認識対象とすべき音声と同様の周波数を持つ音声信号のみを抽出する。このようにすることで、音声認識対象からノイズを除去することができ、誤認識を防ぐことができる。周波数分離は、MPU9の機能で行ってもよいが、フィルタで行うこともできる。この場合、デジタルフィルタなどを設け、周波数ごとに、音声、振動、ノイズなどを分離することができる。
【0028】
故障診断部24は、音声認識部23の音声認識結果と、音声到達方向特定部22が特定した音源の方向に基づいて、故障診断を行う。故障診断においては、経年変化に伴う異常推定も行う。なお、故障診断の詳細については後述する。
【0029】
データベース更新部25は、音声認識部23の認識結果、及び、故障診断部24の認識結果に基づいて音声データベース30の更新を行う。データベースの更新には、空気調和機100を据え付けたときに行う初期更新と、所定タイミングで行う通常更新とがある。
まず、初期更新について説明する。初期状態において、音声データベース30には所定の運転動作音が音声認識パターン31として初期登録されている。初期更新では、空気調和機100を据え付けたときに行う試運転の運転動作音を、正常音声パターン32として追加で登録する。このとき、暖房、冷房、送風などの運転モードや、強風、弱風などの各種設定を組み合わせて試運転し、各設定ごとの運転動作音を登録する。運転動作音は、空気調和機100の据え付け環境の周囲の材質、配管長、周辺の騒音などの据え付け条件によって差異が生じるが、空気調和機100の据え付け環境において音声データベース30の更新を行うことで、より正確な音声認識及び故障診断を行うことができる。なお、試運転での運転動作音が、音声データベース30に初期登録されている正常音声パターン32と一致しない場合には、異常が生じているものと判定して報知動作を行うこともできる。」
(6)「【0031】
次に、音声データベース30の通常更新について説明する。通常更新は、音声認識や故障診断を行ったタイミングで行う。データベース更新部25は、音声認識部23が認識した運転動作音を、空気調和機100の運転モードや各種設定などの情報とともに、音声認識パターン31として音声データベース30に追加登録する。このとき、正常運転時の運転動作音は正常音声パターン32として登録する。また、故障診断により故障と判断された場合の運転動作音は、異常音声パターン33として登録する。このように、空気調和機100の運転中に実際に取得した運転動作音に基づいて音声データベース30を更新することで、音声認識の精度を向上させることができる。なお、通常更新においては、認識した運転動作音の音声データを、ログとして格納することもできる。このようにすることで、後述する故障診断における経年変化による故障推定を容易に行うことができる。」
(7)「【0033】
図5は、上記のように構成された空気調和機100の故障診断の動作フローである。
故障診断を開始すると、MPU9は、マイク2、フィルタ、アンプ、A/D・D/Aコンバーター7を介して音声信号を取得する(S121)。次に、音響分析を行い、音声認識の対象とする音声信号を特定する(S122)。続けて、音声認識部23の音声認識アルゴリズムに応じた特徴量の抽出等を行う(S123)。次に、音声認識部23の音声認識アルゴリズムにより、取得した音声が何の音声であるか、音声認識を行う(S124)。また、音声到達方向を特定する(S125)。なお、図5では音声認識を行った後に音声到達方向を特定するものとして記載しているが(S124、S125)、両処理は平行して行うこともできる。
【0034】
そして、音声認識結果と音声到達方向に基づき、故障診断を行う(S126)。異常があれば(S127)、故障箇所を特定し(S131)、表示部4またはスピーカー1等により異常を報知する(S132)。故障診断で異常が無ければ(S127)、経年劣化診断を行う(S128)。経年劣化診断では、音声認識結果と音声パターン初期値34と対比し、経年変化により徐々に劣化していないか判断する(S128)。経年変化が正常範囲を超えている場合には異常が生じていると判断し(S129)、故障箇所を特定して(S131)、スピーカー1や表示部4等を用いて異常を報知する(S132)。なお、故障による異常か経年変化による異常かで報知方法を変えれば、異常内容をユーザーに分かりやすく伝えることができる。また、経年変化が正常の範囲内であれば(S129)、そのデータを最新の正常運転音として音声データベース30の正常音声パターン32に記憶する(S130)。」
(8)「【0036】
次に、故障診断処理について詳細に説明する。
故障診断処理においては、音声認識部23による音声認識結果に基づいて、故障が生じているか否か診断する。例えば、音声認識部23がHMMによる音声認識を行う場合、音声データベース30に認識対象となる音声をHMMとして表現しておき、このHMMが、実際に取得された音声の特徴ベクトル列を生成する確率を計算し、最も高い確率で出力するHMMを認識結果とするが、この認識結果が正常音声パターン32を示す場合には、故障が生じていないと判断することができる。また、認識結果が正常音声パターン32を示す場合であっても、その確率が所定の閾値以下である場合には、故障が生じていると診断することもできる。故障診断を行う際の閾値等は、空気調和機100の設置環境や据え付け年数等に応じて任意に設定することができる。
そして、取得された運転動作音が異常であると診断した場合には、音声到達方向特定部22が特定した音源の方向に基づいて、異常箇所を特定する。例えば、室内機の中央方向が音源となっている場合には、その方向にある部品等に異常が生じていると判断する。このように、音源の方向を故障診断に利用することで、より精度の高い故障判定を行うことができる。また、特定した故障箇所を報知すれば、使用者や修理担当者が故障箇所や故障原因を容易に特定することができる。
【0037】
なお、認識した音声が正常であると判断した場合でも、音源の方向が、本来なら音がほとんど鳴らないような箇所である場合には、その箇所に異常が生じていると判断することもできる。
また、故障診断では、音声認識部23で認識した音声によって診断を行うが、この音声は周波数分離がなされている。このため、周波数ごとに診断することができるので、より詳細な故障診断が可能である。
【0038】
次に、経年変化による故障推定の動作について説明する。前述の通り、音声データベース30の正常音声パターン32は、故障診断を行って正常であると判定されると更新される(図5のステップS130参照)。したがって、音声データベース30の正常音声パターン32は徐々に変化していくので、経年変化により徐々に劣化が生じている場合にはその変化を把握するのが困難である。例えば、空気調和機100に設置されている除塵フィルタなどは、時間とともに徐々に汚れていくが、正常音声パターン32も定期的に更新されていくので、除塵フィルタの汚れに伴う音声の変化を把握するのが困難である。このため、経年変化による故障推定においては、音声パターン初期値34と、現在認識した音声パターンとを比較し、差分を検出する。そして、差分が所定の閾値を超えている場合には、経年劣化が生じているものと判断する。このようにすることで、徐々に生じる劣化を検出することができる。」
(9)「【0053】
実施の形態3.
本実施の形態3では、音声認識結果に基づいて空調制御を行うとともに、音声入力による操作が可能な空気調和機200を例に説明する。なお、本実施の形態3において、前述の実施の形態1と同様の構成要素には同じ番号を付している。
【0054】
図7は、本実施の形態3に係る空気調和機200のハードウェア構成を示す図である。本実施の形態3では、任意の方向に超音波を発生させることのできる超音波送信器14を備える点が、前述の実施の形態1と異なる。
【0055】
図8は、本実施の形態3に係るMPU9の機能ブロック及びROM11に格納された音声データベース60と活動データベース70の構成を示す図である。図8において、MPU9は、音響分析部20、特徴量・補足計算部21、音声認識部23、音声到達方向特定部22、音声認識部23の認識結果及び音声到達方向特定部22の特定結果に基づいて人体の活動領域や活動量を検知する人体検知部82、データベース更新部83、空気調和機200の運転動作を制御する空調制御部85、及び、図示しないリモコンなどからの操作指示を受け付けて運転信号に変換する操作I/F(インターフェース)84を備える。
【0056】
音声データベース60は、音声認識を行う際の音声認識パターン61を格納している。音声認識パターン61には、生活音声パターン62と操作音声パターン63の2種類がある。生活音声パターン62は、空気調和機200の設置環境におけるユーザーの代表的な生活音の特徴量である。例えば、オフィスなどに設置される空気調和機200の場合は、生活音声パターン62として、マウスのクリック音、キーボードの打鍵音、電話の呼び出し音、などを格納する。また、操作音声パターン63は、音声による操作を行うための音声パターンが格納されている。例えば、「拍手2回」で所定の操作を行う場合には、拍手を2回行ったときの音声パターンが格納されている。
【0057】
活動データベース70は、空気調和機200が据え付けられた環境における、日時とその日時におけるユーザーの活動エリア、活動量などを活動パターン71として格納している。ユーザーは、予め活動データベース70を設定しておくことができる。また、ユーザーの活動状況に応じて、学習により活動データベース70を更新することもできる。活動データベース70は、24時間、1週間、1ヶ月などの所定期間内において、いつ、どこで、どのような活動をユーザーが行うかを示す情報であるといえる。
【0058】
音声認識部23は、特徴量・補足計算部21が抽出した特徴量に基づき、音声データベース60を参照して、音声を特定する。音声認識の結果は、人体検知部82に出力されるとともに、認識した音声が操作音声である場合には、操作I/F84へ出力する。なお、音声認識方法は、前述の実施の形態1と同様である。」
(10)「【0063】
空調制御部85は、操作I/F84からの入力信号に基づいて、冷暖房などの空調制御を行う。このとき、活動データベース70を参照してユーザーの活動エリアを把握し、ユーザーの活動エリアに対して選択的に空調を行うようにする。例えば、ユーザーの活動エリアに対して涼感を与えるようスイングで風を送るよう制御する。あるいは、ユーザーの活動エリア以外には、空調を行わないように制御する。なお、空調動作については後述する。」
(11)「【0073】
次に、音声による操作方法について説明する。
取得した音声が音声操作信号であると認識された場合、操作I/F84を介して空調制御部85に音声操作信号が伝達される。空調制御部85は、音声操作信号の音源方向と活動データベース70を参照して、この音声操作信号がユーザーの活動エリアから発せられたものか否か判断し、活動エリアからの音声操作のみ受け付ける。そして、スピーカー1からの音声出力あるいは表示部4による表示により、音声操作の確認を行い、ユーザーから所定の反応があった場合に音声操作を実行する。また、予め音声操作が可能なエリアを設定しておき、このエリア以外からの音声操作は受け付けないようにしてもよい。例えば、拍手2回で音声操作機能を起動し、その後拍手1回で設定温度を上げる、という設定の場合には、音声認識の結果と音源方向とで音声操作を受け付けるか否か判断する。このようにすることで、音声操作の誤認識を防ぐことができる。」
(12)「【0076】
このように、本実施の形態3に係る空気調和機200によれば、音声認識結果と音源方向に基づいて空間認識及び人体検知を行い、空間認識結果と人体検知結果に基づいて空調制御を行うようにした。このため、ユーザーの快適性を向上させつつ、省エネルギーで運転することができる。
【0077】
なお、上記説明では、空気調和機を例に説明したが、本発明に係る電気機器は様々な機器に適用可能である。例えば、空気清浄機、加湿器、除湿機、換気扇、テレビなどのAV機器に適用することもできる。また、冷蔵庫に適用し、音声認識により冷蔵庫扉の開閉回数を把握して開閉が多い場合には設定温度を下げる、あるいは扉入口のエアーカーテンを作動させる、警告を行う、などの制御が可能である。
また、音声認識によりユーザーの活動時間帯を把握し、活動時間帯以外には運転能力を落とす、液晶などの表示装置を待機状態や停止状態にする、などの運転制御を行うことができる。
また、音声認識により故障箇所を検出できるので、例えば電話による修理相談などもスムーズに行えてユーザーの満足度を向上させることができるとともに、修理担当者の作業効率も向上させることができる。」
(13)「【図1】
[図:0001421963000001.jpg]
」
(14)「【図3】
[図:0001421963000002.jpg]
」
(15)「【図5】
[図:0001421963000003.jpg]
」
(16)「【図7】
[図:0001421963000004.jpg]
」
(17)「【図8】
[図:0001421963000005.jpg]
」
これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「空気調和機100と、
前記空気調和機100の室内機の筐体に設置され、音声を取り込むマイク2と、
前記音声を解析して音声認識の対象とする音声信号を特定する音響分析部20と、音声信号の特徴量を抽出する特徴量・補足計算部21と、前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量に基づいて音声認識を行う音声認識部23と、前記音声認識部23の前記音声認識結果に基づいて、異常箇所を特定し、詳細な故障診断が可能な、故障診断を行う故障診断部24と、
前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量に基づき音声データベース60を参照して操作音声を特定する音声認識部23と、
前記操作音声に基づいて前記空気調和機100を空調制御する空調制御部85と、
前記音声認識部23が認識した運転動作音を、前記空気調和機100の運転モードや各種設定などの情報とともに音声データベース30に追加登録するデータベース更新部25と、
を備え、
前記音声認識部23は、前記データベース更新部25により更新された音声データベース30に格納された前記音声認識パターン31と、前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量とに基づいて音声認識を行い、前記故障診断部24は故障診断を行い、
前記故障診断で異常がない場合は最新の正常運転音として音声データベース30に記憶し、
前記故障診断で異常がある場合は異常を報知する、
電気機器。」
2.引用文献2
引用文献2には、「サーバ、発話制御方法、発話装置、発話システムおよびプログラム」に関し、以下の記載事項及び図示事項がある。
(1)「【0037】
〔制御部の構成〕
次に、サーバ20の備える制御部202の構成について、図1を参照して説明する。制御部202は、図1に示すように、音声検出部221(抽出部)、音量判定部(音量判定手段)222、音声認識部(認識確度判定手段)223、確度判定部(認識確度判定手段)224、及び、返答制御部(回答送信手段、回答方針切替手段)225を備えている。
【0038】
(音声検出部)
音声検出部221は、掃除ロボット10から送信される音データから、音声データを検出(抽出)する。換言すれば、音声検出部221は、外部から受信した音データから、人間の発する音声の周波数帯域を抽出することによって、後述する音量判定部222において判定対象となる音データ(音声データ)を生成する抽出手段として機能する。
【0039】
音声検出部221における、音データから音声データを検出する方法としては、例えば、音データから人間の発する音声の周波数帯域(例えば、100Hz以上かつ1kHz以下の周波数帯域)を抽出することによって音声データを検出する方法を挙げることができる。この場合には、音声検出部221は、音データから人間の発する音声の周波数帯域を抽出するために、例えば、バンドパスフィルタ、又は、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタを組み合わせたフィルタなどを備えていればよい。
【0040】
音声検出部221は、音データから検出した音声データを、音量判定部222、及び、音声認識部223に供給する。」
(2)「【0180】
本発明は、掃除ロボット、冷蔵庫、電子レンジ、パーソナルコンピュータ、及び、テレビジョン受像機などの音声の入出力機能を備えた家電、及び、これらの家電を制御するサーバに好適に利用することができる。」
(3)「【図1】
[図:0001421963000006.jpg]
」
これら記載事項及び図示事項を総合し、整理すると、引用文献2には以下の事項(以下、「引用文献2の記載事項」という。)が記載されている。
「音声検出部221は、外部から受信した音データから、人間の発する音声の周波数帯域を抽出することによって、音量判定部222において判定対象となる音声データを生成する抽出手段として機能すること。」
第5 本願発明1と引用発明との対比・判断
1.対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
後者の「空気調和機100」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「空調機」に相当する。
後者の「マイク2」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「音声入力部」に相当する。また、後者の「前記空気調和機100の室内機の筐体に設置され」ることは、空気調和機100の室内機が設けられる部屋に設置されることであるから、前者の「前記空調機と同じ部屋に設置され」ることに相当する。そして、後者の「音声を取り込む」ことは、何らかの装置による処理がなされる前の音声にかかるデータを取得することであるから、前者の「未処理音声データを取得する」こと、に相当する。
そうすると、後者の「前記空気調和機100の室内機の筐体に設置され、音声を取り込むマイク2」は、前者の「前記空調機と同じ部屋に設置され、未処理音声データを取得する音声入力部」に相当する。
後者の「前記音声を解析して音声認識の対象とする音声信号を特定する音響分析部20と、音声信号の特徴量を抽出する特徴量・補足計算部21」における「音声信号を特定する」こと及び「音声信号の特徴量を抽出する」ことにおける「音声」は、「音声」に含まれる運転音に係る音声信号を特定し、特徴量を抽出することであるから、前者の「前記未処理音声データに含まれる運転音」に相当する「音声」を含むものと解される。
また、後者の「前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量に基づいて音声認識を行う音声認識部23と、前記音声認識部23の前記音声認識結果に基づいて、異常箇所を特定し、詳細な故障診断が可能な、故障診断を行う故障診断部」における、「前記特徴量に基づいて音声認識を行う」こと、及び「前記音声認識結果に基づいて、異常箇所を特定し、詳細な故障診断が可能な、故障診断を行う」ことは、音声信号の特徴量を所定の手法により解析し、その結果に基づいて空気調和機100の異常の有無または異常の内容に関する故障診断を行うものであるから、前者の「運転音を所定の解析手法により解析することによって、前記空調機の異常の有無または異常の内容に関する判定結果を導出する」こと、に相当する。
そして、後者の「音響分析部20」、「特徴量・補足計算部21」、「音声認識部23」及び「故障診断部24」のそれぞれを合わせると、前者の「運転音解析部」に相当する。
そうすると、後者の「前記音声を解析して音声認識の対象とする音声信号を特定する音響分析部20と、音声信号の特徴量を抽出する特徴量・補足計算部21と、前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量に基づいて音声認識を行う音声認識部23と、前記音声認識部23の前記音声認識結果に基づいて、異常箇所を特定し、詳細な故障診断が可能な、故障診断を行う故障診断部」は、前者の「前記未処理音声データに含まれる運転音を所定の解析手法により解析することによって、前記空調機の異常の有無または異常の内容に関する判定結果を導出する運転音解析部」に相当する。
後者の「音声信号の特徴量を抽出する特徴量・補足計算部21」は、第4、1.、(9)(引用文献1の段落【0053】ないし【0058】)の記載から、何らかの処理がなされる前の音声から、音声認識部23で音声データベース60を参照するための特徴量に係るデータを取得するものであるから、前者の「未処理音声データの第1前処理として、前記未処理音声データから人間の声の周波数帯域に係る成分を抽出することによって第1処理後音声データを取得する第1前処理部(1011)」とは、「未処理音声データの第1前処理として、前記未処理音声データから第1処理後音声データを取得する第1前処理部」という限りで一致するものを含んでいる。
後者の「操作音声」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「ユーザの指令」に相当する。同様に、後者の「特定する」は、前者の「抽出する」に相当する。
そして、後者の「前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量に基づき音声データベース60を参照して操作音声を特定する」ことは、特徴量から操作音声を特定することであるから、前者の「前記第1処理後音声データからユーザの指令を抽出する」ことに相当する。
そうすると、後者の「前記前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量に基づき音声データベース60を参照して操作音声特定する音声認識部23」は、前者の「前記第1処理後音声データからユーザの指令を抽出する指令抽出部」に相当する。
後者の「空調制御」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「制御」に相当する。同様に、後者の「空調制御部85」は、前者の「制御部」に相当する。
そうすると、後者の「前記操作音声に基づいて前記空気調和機100を空調制御する空調制御部85」は、前者の「前記指令に基づいて前記空調機を制御する制御部」に相当する。
後者の「前記音声認識部23が認識した運転動作音」は、音響分析部20で音声に含まれる運転音に係る音声信号を特定し、特徴量・補足計算部21で特徴量が抽出された運転動作音であるから、前者の「前記運転音」に相当する。また、後者の「前記空気調和機100の運転モードや各種設定などの情報とともに音声データベース30に追加登録する」ことは、運転動作音を空気調和機100の運転情報と関連付けて音声データベース30に蓄積することであるから、前者の「前記空調機から送られる運転情報と関連付けて蓄積する」ことに相当する。
そうすると、後者の「前記音声認識部23が認識した運転動作音を、前記空気調和機100の運転モードや各種設定などの情報とともに音声データベース30に追加登録するデータベース更新部25」は、前者の「前記運転音を、前記空調機から送られる運転情報と関連付けて蓄積する運転音データ蓄積部」に相当する。
後者の「前記データベース更新部25により更新された音声データベース30に格納された前記音声認識パターン31」は、第4、1.、(5)(引用文献1の段落【0025】)及び第4、1.、(6)(引用文献1の段落【0031】)の記載から、運転動作音のパターンである音声認識パターン31であって、データベース更新部25により音声データベース31に過去に追加登録された音声認識パターン31といえるから、前者の「前記運転音データ蓄積部に過去に蓄積された前記運転音データ」に相当する。そして、後者の「特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量」は、前者の「最新の前記運転音データ」に相当する。同様に、後者の「音声認識を行」うことは、前者の「解析する」ことに相当し、後者の「故障診断を行う」ことは、前者の「判定結果を導出する」ことに相当する。
そして、「音響分析部20」、「特徴量・補足計算部21」、「音声認識部23」及び「故障診断部24」のそれぞれを合わせると、前者の「運転音解析部」に相当する。
そうすると、後者の「前記音声認識部23は、前記データベース更新部25により更新された音声データベース30に格納された前記音声認識パターン31と、前記特徴量・補足計算部21が抽出した前記特徴量とに基づいて音声認識を行い、前記故障診断部24は故障診断を行う」ことは、前者の「前記運転音解析部は、前記運転音データ蓄積部に過去に蓄積された前記運転音データと、最新の前記運転音データとを解析することによって、前記判定結果を導出する」ことに相当する。
後者の「前記故障診断で異常がない場合」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、前者の「前記判定結果が正常のとき」に相当する。同様に、後者の「前記故障診断で異常がある場合」は、前者の「前記判定結果が異常のとき」に相当する。そして、後者の「最新の正常運転音として音声データベース30に記憶」することは、最新の運転音データを最新の正常運転音として音声データに記憶して空調機の正常運転に係る制御をすることであるから、前者の「前記空調機の制御を行」うことに相当する。同様に、後者の「異常を報知する」ことは、空調機が通常とは異なることを報知する制御を行うことであるから、前者の「正常時とは異なる前記空調機の制御を行う」ことに相当する。
そうすると、後者の「前記故障診断で異常がない場合は最新の正常運転音として音声データベース30に記憶し、前記故障診断で異常がある場合は異常を報知する」ことと前者の「前記制御部(1017)は、前記判定結果(RE)が正常のとき、前記空調機の制御を行い、前記判定結果(RE)が異常のとき、正常時とは異なる前記空調機の制御を行う」こととは、「前記判定結果が正常のとき、前記空調機の制御を行い、前記判定結果が異常のとき、正常時とは異なる前記空調機の制御を行う」ことという限りで一致する。
後者の「電気機器」は、その機能、構成及び技術的意義からみて前者の「管理システム」に相当する。
そうすると、両者は、
「 空調機と、
前記空調機と同じ部屋に設置され、未処理音声データを取得する音声入力部と、
前記未処理音声データに含まれる運転音を所定の解析手法により解析することによって、前記空調機の異常の有無または異常の内容に関する判定結果を導出する運転音解析部と、
前記未処理音声データの第1前処理として、前記未処理音声データから第1処理後音声データを取得する第1前処理部と、
前記第1処理後音声データからユーザの指令を抽出する指令抽出部と、
前記指令に基づいて前記空調機を制御する制御部と、
前記運転音を、前記空調機から送られる運転情報と関連付けて蓄積する運転音データ蓄積部と、
を備え、
前記運転音解析部は、前記運転音データ蓄積部に過去に蓄積された前記運転音データと、最新の前記運転音データとを、解析することによって、前記判定結果を導出し、
前記判定結果が正常のとき、前記空調機の制御を行い、
前記判定結果が異常のとき、正常時とは異なる前記空調機の制御を行う
管理システム。」である点で一致し、次の2点で相違する。
[相違点1]
「第1前処理部」に関し、前者は、「前記未処理音声データから人間の声の周波数帯域に係る成分を抽出する」のに対し、後者は、かかる事項を備えていない点。
[相違点2]
「前記判定結果が正常のとき、前記空調機の制御を行い、前記判定結果が異常のとき、正常時とは異なる前記空調機の制御を行う」制御に関し、前者は、「制御部」において行うのに対し、後者は、かかる制御をどの構成により行うかが不明な点。
2.判断
上記相違点1について検討する。
引用文献2の技術事項は、「未処理音声データから人間の声の周波数帯域に係る成分を抽出すること」という技術事項を開示するものといえる。
そして、引用発明と引用文献2の技術事項とは、いずれも電気機器に関する技術である点で共通する。また、引用文献2の技術事項は、音声を認識する機器に関するものであって、作用・機能も引用発明と共通する。
そうすると、引用発明における操作音声の認識において、引用文献2の技術事項を適用することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。
上記相違点2について検討する。
引用発明において、前記空気調和機100は、空調制御部85(「制御部」に相当)において空調制御される。そして、空気調和機100を正常運転する際の制御は、空調制御部85にて行われることは明らかである。したがって、「制御部」が、「判定結果が正常のとき、空調機の制御を行」うことは、引用発明も備えているか、引用発明に示唆されているといえる。
また、空気調和機が異常の時、空気調和機の制御部において正常時と異なる制御を行うことは、例示するまでもない慣用手段にすぎない。そうすると、引用発明において、「故障診断で異常がある場合は異常を報知する」制御を、当該慣用手段を踏まえて空調制御部85で行うようにすることは、当業者であれば容易になし得たことである。
また、本願発明1は、全体としてみても引用発明及び引用文献2の技術事項から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。
したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2の技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
3.審判請求人の主張について
審判請求人は、令和6年11月28日の意見書において次のとおり主張している。
「上記発明特定事項(G)について、本願発明では、制御部1017は、判定結果REに応じて、以下の動作を行います(段落0091)。
・判定結果REが正常のとき、空調機1062の制御を行う。
・判定結果REが異常のとき、正常時とは異なる空調機1062の制御を行う。
本願発明は、このような特徴的な構成により、空調機の異常が検出されたか否かに応じて空調機の制御内容を異ならせることができます。つまり、空調機の異常の有無に応じて、空調機を適切に制御することができる、という有利な効果があります。
引用文献1では、音声認識部23による音声認識結果に基づいて、空気調和機100に故障が生じているか否か診断します(段落0036)。取得された運転動作音が異常であると診断した場合には、音声到達方向特定部22が特定した音源の方向に基づいて、異常箇所を特定します。異常があると診断した場合は、スピーカー1や表示部4等を用いて異常を報知します(段落0034)。しかし、引用文献1には、本願の発明特定事項(G)に相当する、故障診断後の空気調和機の制御に関する開示や示唆はありません。」
しかしながら、上記「1.対比」で述べたとおり、発明特定事項(G)に係る事項は、引用発明も備えている。
したがって、審判請求人の上記主張は当を得ない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-017562