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特許拒絶査定不服審判

2019-003756

遊技機

審判番号
2019-003756
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-147160外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2019年03月20日
審決日
2019年09月09日
公報発行日
2019年12月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-147160号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 2月 1日出願公開、特開2018- 15192号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成28年7月27日の出願であって、平成30年5月25日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月3日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年12月18日付け(送達日:同年同月25日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、平成31年3月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成31年3月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 平成31年3月20日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本件補正の内容 (1)本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、平成30年8月3日に提出された手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、 「識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 識別情報の可変表示を制御する識別情報制御手段と、 識別情報とは異なる複数種類の特別情報の可変表示を制御する特別情報制御手段と、 識別情報および複数種類の特別情報を表示可能な表示手段と、 複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより前記有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とを備え、 複数種類の特別情報は、 通常状態とは異なる特殊状態において複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であり、 前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、 前記特別情報制御手段は、識別情報の可変表示が実行されているか否かに関わらず、少なくとも複数種類の特別情報のうちのいずれかを認識可能に複数種類の特別情報の可変表示を制御する ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、 「識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 識別情報の可変表示を制御する識別情報制御手段と、 識別情報とは異なる複数種類の特別情報の可変表示を制御する特別情報制御手段と、 識別情報および複数種類の特別情報を表示可能な表示手段と、 複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより前記有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とを備え、 複数種類の特別情報は、 通常状態とは異なる特殊状態において複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であり、 前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、 前記特別情報制御手段は、 複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能であり、 識別情報の可変表示が実行されているか否かに関わらず、少なくとも複数種類の特別情報のうちのいずれかを認識可能に複数種類の特別情報の可変表示を制御する ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。 (2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の補正事項からなる。 ア 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「複数種類の特別情報」に関して、「複数種類の特別情報は、・・・前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、」とする補正。 イ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「特別情報制御手段」に関して、「前記特別情報制御手段は、複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能であり、」とする補正。 2 本件補正の目的 (1)ア 上記1(2)アの補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0013】、【0014】、【0350】、【0404】ないし【0407】、【0411】、【0421】、【0430】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「複数種類の特別情報」を単に「前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能」であるものから「前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能」であるものに限定するものである。 イ 上記1(2)イの補正は、当初明細書等の【0015】、【0422】、【0431】等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「特別情報制御手段」を「複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能」であるものに限定するものである。 (2)以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。また、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)の補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 3 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしJは、分説するため合議体が付した。 「A 識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 識別情報の可変表示を制御する識別情報制御手段と、 C 識別情報とは異なる複数種類の特別情報の可変表示を制御する特別情報制御手段と、 D 識別情報および複数種類の特別情報を表示可能な表示手段と、 E 複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより前記有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とを備え、 F 複数種類の特別情報は、 通常状態とは異なる特殊状態において複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であり、 G 前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、 H 前記特別情報制御手段は、 複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能であり、 I 識別情報の可変表示が実行されているか否かに関わらず、少なくとも複数種類の特別情報のうちのいずれかを認識可能に複数種類の特別情報の可変表示を制御する J ことを特徴とする遊技機。」 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2016-29964号公報(平成28年3月7日出願公開、以下「引用例」という。)には、ぱちんこ遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。 ア 「【技術分野】 【0001】 ぱちんこ遊技機に関する。 【背景技術】 【0002】 現在最も普及しているぱちんこ遊技機は、始動口(スタートチャッカー)に遊技球が入球したことを契機として、7セグ等の表示部上で「特別図柄(主遊技図柄)」と称される図柄が変動表示され、当該特別図柄が特定態様(例えば「7」)となった場合、通常遊技状態よりも遊技者にとって利益状態の高い特別遊技状態{通常時は閉状態にある大入賞口(アタッカー)が所定条件で開放する内容の遊技}に移行するタイプの、いわゆる「デジパチ」と呼ばれている機種(従来の「第一種遊技機」)である。ここで、遊技者の利益に直結する特別図柄の表示制御の負担を軽減するために、前記の「特別図柄」とは別に、遊技の興趣性を高めるための演出用の「装飾図柄」と称される図柄が、前記特別図柄の変動とシンクロした形で、前記表示部よりもサイズが大きい液晶等のディスプレイ上で変動表示される。そして、特別図柄の変動が開始されると装飾図柄もこれに合わせて変動を開始し、特別図柄が特定態様(例えば「7」)で停止した場合、装飾図柄もこれに合わせて所定態様(例えば「777」)で停止することとなる。そして、遊技者は、装飾図柄が所定態様で停止したことにより、特別遊技へ移行が確定したことを認識する。ここで、当該仕組みはこの種のぱちんこ遊技機で共通するので、他種との差別化を図るためには、前記図柄の変動態様を含めた演出全般に対し、いかに工夫を凝らし高い興趣性を付与するかということに注力されている。 【0003】 ところで、この種の多くのぱちんこ遊技機には、始動口に遊技球が入球し易くなるよう、始動口に普通電動役物(いわゆる電チュー)と称される役物が備え付けられている。そして、所定条件を充足すると、普通電動役物が開放することで、始動口への入球が容易となるよう構成されている。具体的には、補助遊技用始動口が存在し、補助遊技用始動口に遊技球が入球した場合、易入球状態を実行するか否かの当否抽選(当選図柄かハズレ図柄かを決定する場合であってもよい)が実行され、補助遊技用識別情報が所定時間変動した後、当選図柄が表示された場合には、普通電動役物が所定時間開放(又は開閉)する易入球状態となる。 【0004】 そして、近年のぱちんこ遊技機においては、当選図柄の種類に応じて、易入球状態として普通電動役物の開閉態様を複数種類有し、いずれの開閉態様が実行されるかを演出によって報知することで、遊技の興趣性を向上させているものがある。 ・・・略・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0005】 しかしながら、このような手法を採用したとしても、遊技の興趣性を向上させる点において必ずしも有効でない場合があり、普通電動役物を活かした遊技の興趣性向上という観点においては、未だ課題が残存している状況である。 ・・・略・・・ 【発明の効果】 【0007】 本態様に係るぱちんこ遊技機によれば、普通電動役物を活かした遊技の興趣性向上を実現することが可能となる。」 イ 「【実施するための形態】 【0009】 はじめに、本明細書における各用語の意義について説明する。「入球」とは、賞球が払い出される入賞のみならず、賞球払い出しの無い「スルーチャッカー」への通過も含む。「識別情報」とは、五感(視覚、聴覚、触覚等)を通じて情報の種類を識別可能であればどのような形態でもよいが、好適には、視覚的なもの、例えば、数字、文字、図柄等の形状のあるものを挙げることができる。また、本明細書においては「識別情報」を、主遊技 図柄・特別図柄(特図)や装飾図柄(装図)と呼ぶことがあるが、「特別図柄(特図)」は、主制御基板側にて表示制御される識別情報であり、「装飾図柄(装図)」は、副制御基板側にて表示される演出としての識別情報である。「識別情報を表示可能」とは、表示方法には何ら限定されず、例えば、発光手段(例えば液晶、LED、7セグ)の発光(発光の有無だけでなく、色の違いも含む)、物理的な表示(例えば、リール帯に描かれた図柄を所定位置に停止表示する)等、を挙げることができる。「演出」とは、遊技の興趣性を高める表示内容を指し、例えば、識別情報変動・停止や予告等をはじめ、アニメーションや実写等の動画像や絵、写真、文字等の静止画像又はこれらの組み合わせを挙げることができる。「乱数」とは、ぱちんこ遊技機において何らかの遊技内容を決定するための抽選(電子計算機によるくじ)に使用される乱数であり、狭義の乱数の他に擬似乱数も含む(例えば、乱数としてはハード乱数、擬似乱数としてはソフト乱数)。例えば、遊技の結果に影響を与えるいわゆる「基本乱数」、具体的には、特別遊技の移行と関連した「当選乱数(当否抽選用乱数)」、識別図柄の変動態様(又は変動時間)を決定するための「変動態様決定乱数」、停止図柄を決定する「図柄決定乱数」、特別遊技後に特定遊技(例えば確率変動遊技)に移行するか否かを決定する「当り図柄決定乱数」等を挙げることができる。尚、変動態様の内容や確定識別情報の内容等を決定する際、これらすべての乱数を使用する必要はなく、互いに同一又は相違する、少なくとも一つの乱数を使用すればよい。また、本明細書では、乱数の数とか複数個の乱数、といった形で乱数を個数表示していることがあるが、乱数取得の契機となる入球口(例えば始動入球口)の一回の入球により取得された乱数を一個と称している(即ち、前記の例だと、当選乱数+変動態様決定乱数+図柄決定乱数・・・という乱数の束を一個の乱数と称している)。また、例えば、一種の乱数(例えば当選乱数)が、別種の乱数(例えば図柄決定乱数)を兼ねていてもよい。「遊技状態」とは、例えば、大入賞口が開放状態となり得る特別遊技状態、特別遊技状態への移行抽選確率が予め定められた値である非確率変動遊技状態よりも特別遊技状態への移行抽選確率が高い確率変動遊技状態、特別遊技への移行抽選契機となる始動口への入賞に対する補助が有る補助遊技状態(いわゆる、普通図柄時短状態、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間が長い、可変部材の開放当選確率が高い、可変部材の開放抽選の結果報知の時間が短い)、等の任意の一又は複数の組合せである。「単位時間あたりにおける易入球遊技の期待平均実行時間」とは、補助遊技図柄の図柄変動が絶え間なく行われる状況(例えば、補助遊技図柄に係る保留が常に存在している状況)を仮定した場合において、始動口に取り付けられた可変部材の単位時間(例えば、5分間)あたりにおける開放期間が占める割合を意味しているが、内部処理的には、前述した遊技状態に基づき換言すると、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間の長短(いわゆる開放延長機能作動状態・非作動状態)、可変部材の開放契機となる普通図柄(補助遊技図柄)の当選確率の高低(いわゆる普図高確率状態・低確率状態)、可変部材の開放契機となる普通図柄(補助遊技図柄)の変動時間の長短(いわゆる普図変動短縮機能非作動状態・作動状態)、等の任意の一又は複数の組合せによって実現されるものである。 【0010】 以下の実施形態は、従来の第1種ぱちんこ遊技機を二つ混在させたような機種(第1種第1種複合機)である。但し、これには何ら限定されず、他の遊技機(例えば、従来の第1種、第2種、第3種、一般電役等のぱちんこ遊技機)に応用された場合も範囲内である。尚、本実施形態は、あくまで一例であり、各手段が存在する場所や機能等、各種処理に関しての各ステップの順序、フラグのオン・オフのタイミング、各ステップの処理を担う手段名等に関し、以下の態様に限定されるものではない。また、上記した実施形態や変更例は、特定のものに対して適用されると限定的に解すべきでなく、どのような組み合わせであってもよい。例えば、ある実施形態についての変更例は、別の実施形態の変更例であると理解すべきであり、また、ある変更例と別の変更例が独立して記載されていたとしても、当該ある変更例と当該別の変更例を組み合わせたものも記載されていると理解すべきである。また、本実施形態では、各種テーブルに関し、抽選テーブルと参照テーブルとが 存在するが、これらも限定的ではなく、抽選テーブルを参照テーブルとしたり或いはこの逆としてもよい。また、本例において「テーブル」という場合には、その形式に限定されるものではなく、一又は複数の情報に基づき、複数の選択候補の中から一又は複数の選択候補が選択されるように対応付けられている態様であると理解すべきである。更に、以下の実施形態や変更例において示す具体的一例としての数値{例えば、抽選実行時における当選確率、特別遊技時における最大ラウンド数、図柄変動時間、各遊技状態における継続回数、等}は、あくまで一例であり、特に、異なる条件下(例えば、第1主遊技側と第2主遊技側との条件別、確率変動遊技時と非確率変動遊技時との条件別、時間短縮遊技時と非時間短縮遊技時との条件別、等)において示した数値の大小関係や組み合わせは、以下の実施形態や変更例の趣旨を大きく逸脱しない限りにおいては、適宜変更してもよいものであると理解すべきである。例えば、第1主遊技側と第2主遊技側とで、抽選実行時における当選確率や特別遊技時における最大ラウンド数の期待値における大小関係が、第1主遊技側=第2主遊技側となるよう例示されていたとしても、当該大小関係を第1主遊技側<第2主遊技側とする、或いは、第1主遊技側>第2主遊技側とするといったように適宜変更してもよい(その他の数値、条件下についても同様)。また、例えば、確率変動遊技状態の継続回数として、次回大当りが発生するまで継続するとの趣旨に基づき構成するに際し、継続回数として「65535」をセットするのか(実質的に継続するよう構成する)、或いは、継続回数をセットせずに次回大当りが発生するまで確率変動遊技状態を維持する、といった同一趣旨に基づく実現方法の選択肢においても、以下の実施形態や変更例の趣旨を大きく逸脱しない限りにおいては、適宜変更してもよいものであると理解すべきである。 【0011】 ここで、各構成要素について説明する前に、本実施形態に係るぱちんこ遊技機の特徴(概略)を説明する。以下、図面を参照しながら、各要素について詳述する。」 ウ 「【0023】 次に、第1大入賞口C10は、第1主遊技図柄(特別図柄)又は第2主遊技図柄(特別図柄)が大当り図柄停止した場合に開状態となる、アウト口D36の右上方に位置した、主遊技に対応した入賞口である。具体的構成としては、第1大入賞口C10は、遊技球が転動可能な通路上の開口部を大入賞口とし、当該開口部を閉鎖する状態と開放する状態とを採り得る態様(いわゆる、スライド式アタッカー)であり、遊技球の入球を検出するための第1大入賞口入賞検出装置C11sと、第1大入賞口電動役物C11d(及び第1大入賞口電動役物ソレノイドC13)と、を備える。ここで、第1大入賞口入賞検出装置C11sは、第1大入賞口C10への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入球情報を生成する。第1大入賞口電動役物C11dは、第1大入賞口C10に遊技球が入賞不能又は入賞困難な通常状態と遊技球が入賞し易い開放状態とに第1大入賞口C10を可変させる(第1大入賞口電動役物ソレノイドC13を励磁して可変させる)。尚、本実施形態では、大入賞口の態様を、いわゆる、スライド式アタッカーとしているが、これには限定されない。その場合には、例えば、大入賞口内に設けられた棒状部材が遊技者側に突き出した状態である進出状態と遊技者側に対して引っ込んだ状態である退避状態とを採り得る態様(いわゆる、ベロ型アタッカー)や、横長方形状の開口部を有し、当該開口部に設けられた扉部材が、開口部を閉鎖する状態と開放する(開放された扉部材が遊技球を内部に誘導する)状態とを採り得る態様(いわゆる、扉式アタッカー)としてもよい。 ・・・略・・・ 【0027】 次に、演出表示装置SGは、第1主遊技図柄・第2主遊技図柄と連動して変動・停止する装飾図柄を含む演出画像の表示等を実行する装置である。ここで、具体的構成としては、演出表示装置SGは、装飾図柄の変動表示等を含めて演出が実行される表示領域SG10を備える。ここで、表示領域SG10は、主遊技保留情報を表示する第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)と、例えば、主遊技に対応した、スロットマシンのゲームを模した複数列の装飾図柄変動の動画像を表示する主遊技装飾図柄表示領域SG11と、補助遊技に対応した、2マスの〇×にて表される補助遊技装飾図柄の動画像を表示する補助遊技装飾図柄表示領域SG11‐Hと、を有している{補助遊技装飾図柄に関しては周知技術であるため、以降、特に詳述しないが、補助遊技装飾図柄は、補助遊技図柄表示装置H20において変動表示及び停止表示される補助遊技図柄変動と連動して表示制御されるものであるが、補助遊技図柄表示装置H20において変動表示及び停止表示される補助遊技図柄は、遊技進行を制御する制御部(後述する主制御基板M)にて表示制御され、補助遊技装飾図柄は、演出表示を制御する制御部(後述する副制御基板S)にて表示制御される}。尚、演出表示装置SGは、本実施形態では液晶ディスプレーで構成されているが、機械式のドラムやLED等の他の表示手段で構成されていてもよい。次に、第1保留表示部SG12(及び第2保留表示部SG13)は、4個のランプから構成され、当該ランプは、主遊技図柄の保留ランプと連動している。」 エ 「【0030】 次に、図2を参照しながら、ぱちんこ遊技機の背面側における基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機は、ぱちんこ遊技機の全体動作を制御し、特に第1主遊技始動口A10(第2主遊技始動口B10)へ入球したときの抽選等、遊技動作全般の制御(即ち、遊技者の利益と直接関係する制御)を行う主制御基板Mと、遊技内容に興趣性を付与する演出表示装置SG上での各種演出に係る表示制御等を行う演出制御手段(サブメイン制御部)SMと、主に演出表示を実行するサブサブ制御部SSと、賞球タンクKT、賞球レールKR及び各入賞口への入賞に応じて賞球タンクKTから供給される遊技球を上球皿D20へ払い出す払出ユニットKE10等を備える賞球払出装置(セット基盤)KEと、払出ユニットKE10による払出動作を制御する賞球払出制御基板KHと、上球皿D20の遊技球(貯留球)を遊技領域D30へ1球ずつ発射する発射装置D42と、発射装置D42の発射動作を制御する発射制御基板D40と、ぱちんこ遊技機の各部へ電力を供給する電源供給ユニットEと、ぱちんこ遊技機の電源をオン・オフするスイッチである電源スイッチEa等が、前枠D14裏面(遊技側と反対側)に設けられている。」 オ 「【0037】 まず、主制御基板Mは、遊技用の情報の取得を制御する遊技用情報制御手段MJと、遊技の内容を決定するための遊技内容決定手段MNと、特別遊技や特定遊技等の遊技の進行を司る遊技進行手段MPと、遊技状態等に係る情報を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段MBと、遊技周辺機器側に各種遊技情報{例えば、停止図柄情報、停止図柄の属性情報{例えば、16R大当り、8R大当り、4R大当り、ハズレ}、変動態様に関する情報(例えば、変動時間)、特別遊技の開始信号・状態情報・終了信号、保留情報等}を送信するための情報送信制御手段MT(及び未送信コマンドを蓄積するコマンド送信用バッファMT10)と、各種入賞口への遊技球の入賞に基づき所定の賞球の払出を行うように賞球払出制御基板KHを制御する賞球払出決定手段MHと、を有している。 【0038】 ここで、遊技用情報制御手段MJは、各入球口(始動口等)への遊技球の流入を判定するための入球判定手段MJ10と、各乱数の取得可否を判定し、当該判定結果に基づき当該各乱数を取得するための乱数取得判定実行手段MJ20と、変動表示中における各始動口への入球を保留球として上限個数以内で一時記憶するための保留制御手段MJ30と、後述する第1主遊技側乱数・第2主遊技側乱数・補助遊技側乱数に基づき、当該遊技に係る内容を決定する遊技内容決定手段MNと、各図柄の変動及び停止表示する制御を行うための表示制御手段MP10と、第2主遊技始動口B10の第2主遊技始動口電動役物B11dの開閉決定に直接関連する各種処理を行うための第2主遊技始動口電動役物開閉制御手段MP20‐Bと、通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技に関する制御を司る特別遊技制御手段MP30と、第1主遊技及び第2主遊技並びに補助遊技に関し、現在の遊技状態をどの遊技状態に移行させるかの決定と、当該決定に基づき遊技状態を移行させる処理を行うための特定遊技制御手段MP50と、現在及び過去の遊技状態[例えば、主遊技に関する状態{通常遊技状態、特定遊技状態(確率変動遊技状態、時間短縮遊技状態)、特別遊技状態}、主遊技図柄や補助遊技図柄に係る停止図柄及び変動態様情報、各種フラグのオン・オフ状況、特別遊技中の遊技状態(例えばラウンド数や入賞個数情報)]等を一時記憶するための遊技状態一時記憶手段MBと、を有している。以下、各手段について詳述する。」 カ 「【0064】 次に、演出表示制御手段(サブメイン制御部)SMは、主制御基板M側からの各種情報を受信するための表示情報受信手段SM10と、演出表示に係る演出内容の決定処理及び表示制御処理を司る演出表示制御手段SM20と、サブサブ制御部SS側との情報送受信を制御する情報送受信制御手段SM40と、を有している。以下、上記各手段を詳述する。 ・・・略・・・ 【0066】 次に、演出表示制御手段SM20は、装飾図柄の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司る装飾図柄表示制御手段SM21と、装飾図柄の保留個数管理や保留表示処理を司る装図保留情報表示制御手段SM22と、背景画像の決定処理及び表示制御処理を司る背景演出表示制御手段SM23と、予告演出内容の決定処理及び表示制御処理を司る予告演出表示制御手段SM24と、リーチ演出内容の決定処理及び表示制御処理を司るリーチ演出表示制御手段SM25と、保留先読み演出を実行するための保留先読み演出実行制御手段SM26と、主に補助遊技側の遊技結果を報知するための後述するルーレット演出に係る表示制御を司るルーレット演出表示制御手段SM27と、複数の演出表示領域にて実行される演出結果を遊技者が認識容易となるよう演出表示領域の表示領域サイズを変更する演出表示サイズ変更制御手段SM28と、第2主遊技始動口電動役物B11dが後述する特殊開閉態様にて開放している旨を報知する開放中演出表示制御手段SM29と、を有している。」 キ 「【0073】 次に、ルーレット演出表示制御手段SM27は、後述するルーレット演出の表示内容を決定するためのルーレット演出内容決定手段SM27nと、ルーレット演出の実行開始及び実行終了を監視するために参照されるルーレット演出実行監視タイマSM27tと、を有している。ここで、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、ルーレット演出の演出態様と実行開始タイミングを決定するために参照されるルーレット演出内容決定用抽選テーブルSM27taを、更に有している。」 ク 「【0129】 次に、図20は、図17でのステップ2300のサブルーチンに係る、主遊技用副遊技表示制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2302で、装飾図柄表示制御手段SM21は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内の主遊技用副遊技内容決定フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2302でYesの場合、ステップ2304で、装飾図柄表示制御手段SM21は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内の主遊技用副遊技内容決定フラグをオフにする。次に、ステップ2306で、装飾図柄表示制御手段SM21は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内の装図変動中フラグをオンにする。次に、ステップ2308で、装飾図柄表示制御手段SM21は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内に一時記憶された副遊技側の変動態様に基づき、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11における「表示領域1」にて、装飾図柄の変動表示を開始する。尚、後述するように、本実施形態においては、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域1」とは異なる表示領域である「表示領域2」にて装飾図柄の変動表示とは異なる演出が表示され得ることとなる。次に、ステップ2310で、装飾図柄表示制御手段SM21は、装図変動時間管理タイマSM21tをスタートし、ステップ2312に移行する。尚、ステップ2302でNoの場合にも、ステップ2312に移行する。」 ケ 「【0133】 次に、図21は、図17でのステップ2400のサブルーチンに係る、補助遊技用副遊技表示内容決定処理のフローチャートである。はじめに、本実施形態においては、補助遊技図柄に対応した装飾図柄の変動表示(以下、ルーレット演出と呼ぶことがある)を実行可能に構成することを目的としているが、後述するように、当該変動表示結果は、補助遊技側の遊技結果を報知又は示唆するもののみならず、主遊技側の遊技結果をも報知又は示唆可能に構成されている。まず、ステップ2402で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内の補助遊技用副遊技内容決定許可フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2402でYesの場合、ステップ2404で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内の補助遊技用副遊技内容決定許可フラグをオフにする。次に、ステップ2406で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、メイン側情報一時記憶手段SM11b内に一時記憶されている、ステップ1211にて主制御基板M側から送信された補助遊技側の遊技状態情報を確認する。次に、ステップ2408で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、当該遊技状態の確認結果に基づき、補助遊技側の遊技状態が非時間短縮遊技中であるか否かを判定する。ステップ2408でYesの場合、ステップ2450で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、後述する補助遊技用副遊技内容決定処理を実行する。即ち、後述するルーレット演出は、非時間短縮遊技状態中にしか実行しないよう構成されているのである。」 コ 「【0137】 ここで、図22(副遊技テーブル2‐2)は、ルーレット演出内容決定用抽選テーブルSM27ta(特に、ルーレット配列パターン決定用テーブル)の一例である。本例に示されるように、本実施形態においては、ルーレット演出の演出態様に基づきルーレット演出にて表示されるルーレット配列パターンが一義的に決定されるよう構成されている。例えば、ルーレット演出の演出態様が「ルーレット演出1」であった場合、ルーレットコマ番号0~9の夫々のコマにて、「─」、「電動役物開放」、「大入賞口開放」のいずれかが配された配列パターン(ルーレット配列パターン1)が表示されるよう構成されている。ここで、「電動役物開放」とは、第2主遊技始動口電動役物B11dが開放されることを報知する表示内容を意味している一方、「大入賞口開放」とは、第1大入賞口C10又は第2大入賞口C20が開放される(特別遊技へ移行する)ことを報知する表示内容であることを意味している。即ち、後述するように、ルーレット演出の最終結果として報知され得る内容は、補助遊技側の当否結果のみならず主遊技側の当否結果をも含まれるよう構成されているのである。尚、夫々のコマにて配される表示内容は、これには限定されず、補助遊技側の当否結果及び主遊技側の当否結果を示唆するような表示内容であってもよい(例えば、ルーレット配列パターン2にて示されるように、「開放!?」とのコマが停止表示された場合には、第2主遊技始動口電動役物B11dが開放される可能性があることを報知する表示内容とする、或いは、「チャンス!」とのコマが停止表示された場合には、特別遊技へ移行する可能性があることを報知する表示内容とする、或いは、「開放!!」とのコマが停止表示された場合には、第2主遊技始動口電動役物B11dが開放されることが確定する旨を報知する表示内容とする、或いは、「激アツ!!」とのコマが停止表示された場合には、特別遊技へ移行することが確定する旨を報知する表示内容とする、等)。 【0138】 フローチャートの説明に戻ると、次に、ステップ2428で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、ルーレット演出の最終結果及びルーレット配列パターンに基づき、最終結果を報知するための停止表示位置となるルーレットコマ番号を決定し(例えば、最終結果=「ハズレ」の場合には、「─」が配されたコマのいずれか、最終結果=「補助遊技当選」の場合には、「電動役物開放」が配されたコマのいずれか、最終結果=「主遊技当選」の場合には、「大入賞口開放」が配されたコマのいずれかを決定し)、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内に一時記憶する。次に、ステップ2430で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内の補助遊技用副遊技内容決定フラグをオンにし、次の処理(ステップ2500の補助遊技用副遊技表示制御処理)に移行する。尚、ステップ2402、ステップ2408又はステップ2420でNoの場合にも、次の処理(ステップ2500の処理)に移行する。」 サ 「【0142】 (主遊技図柄の変動状況に基づく実行可否決定処理) 次に、ステップ2468で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bのフラグエリア内にある装図変動中フラグがオンであるか否か、換言すれば、主遊技図柄に対応した副遊技である装飾図柄が変動表示中であるか否か を判定する。ステップ2468でNoの場合には、ステップ2488に移行する一方、ステップ2468でYesの場合、ステップ2470で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、装図変動時間管理タイマSM21tのタイマ値Tsと、主制御基板M側から送信された補助遊技図柄の変動時間値Thとを確認し、「Ts+Th」を算出すると共に、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内に一時記憶された、装飾図柄の最終仮停止タイミング(本例では、中列の仮停止タイミング)となる時間値Teと比較する。次に、ステップ2472で、ルーレット演出内容決定手段SM27nは、当該比較結果に基づき、「Ts+Th<Te」となる条件を充足したか否かを判定する。ステップ2472でYesの場合には、ステップ2474に移行する一方、ステップ2472でNoの場合には、次の処理(ステップ2420の処理)に移行する。ここで、本処理について補足説明すると、「Ts+Th<Te」となる条件を充足するケースは、主遊技側の遊技結果(主遊技図柄の停止図柄内容)が確定的に報知されるよりも前に、ルーレット演出の最終結果が報知される状況下である。即ち、ルーレット演出の最終結果として、同時並行的に実行されている主遊技側の遊技結果を報知するに際し、当該主遊技側の遊技結果が変化し得ないことを担保しているのである。しかしながら、これには限定されず、主遊技側の遊技結果が変化し得る状況下、換言すれば、主遊技図柄の複数の変動に跨って、ルーレット演出を実行するよう構成してもよい。その場合には、ルーレット演出の最終結果は、ルーレット演出の終了時において実行されている主遊技側の遊技結果(ルーレット演出内容の決定時においては未消化である主遊技側の保留に係る遊技結果)を事前判定した内容とすればよい。また、本例のように、主制御基板M側において、補助遊技図柄の変動時間値として複数種類の変動時間を選択可能に構成されている場合、主制御基板M側にて「Ts+Th<Te」となる条件を充足するよう、換言すれば、主遊技図柄の変動残り時間内に収まるよう、補助遊技図柄の変動時間値としてより短時間となる変動時間を強制的に選択することで調整し得るよう構成してもよい。」 シ 「【0147】 次に、ステップ2510で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bのフラグエリアを参照し、ルーレット演出実行監視中フラグがオンであるか否かを判定する。ステップ2510でYesの場合、ステップ2512で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、ルーレット演出実行監視タイマSM27tのタイマ値が、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内に一時記憶されたルーレット演出の実行タイミングに到達したか否かを判定する。ステップ2512でYesの場合、ステップ2514で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11にて、「表示領域1」とは異なる表示領域であって、ルーレット配列パターンにおける所定コマ数(3コマ)分の表示領域となる「表示領域2」を表示する。次に、ステップ2516で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内に一時記憶されたルーレット配列パターンに基づき、夫々のコマ(本例では、ルーレットコマ番号0~9の夫々)を順次「表示領域2」内にて低速変動表示(例えば、1コマの通過秒数=0.3コマにて変動表示)する。次に、ステップ2518で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、当該変動表示によって、ルーレット配列パターンが1周したか否かを判定する。ステップ2518でYesの場合、ステップ2520で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内に一時記憶されたルーレット配列パターンに基づき、夫々のコマ(本例では、ルーレットコマ番号0~9の夫々)を順次「表示領域2」内にて高速変動表示(例えば、1コマの通過秒数=0.1コマにて変動表示)し、ステップ2530に移行する。尚、ステップ2512又はステップ2518でNoの場合には、ステップ2530に移行する。 【0148】 次に、ステップ2530で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、メイン側情報一時記憶手段SM11bを参照し、補助遊技図柄が停止表示されたか否かを判定する。ステップ2530でYesの場合、ステップ2532で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、ルーレット演出の最終結果が報知され得るタイミングに到達した旨、換言すれば、第2主遊技始動口電動役物B11dが長期間開放され得る旨を報知する(例えば、変動表示中のルーレット演出において、停止表示位置となるルーレットコマ番号及び前後のコマ番号を「表示領域2」内にて揺れ変動表示させる)。次に、ステップ2534で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、当該報知後から所定期間(例えば、0.5秒)が経過したか否かを判定する。ステップ2534でYesの場合、ステップ2536で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、ルーレット演出実行監視タイマSM27tを停止してタイマ値をリセット(ゼロクリア)する。次に、ステップ2538で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、ルーレット演出における停止表示位置となるルーレットコマ番号を「表示領域2」内にて確定表示する(本例では図示していないが、補助遊技図柄変動が終了するより前に、ルーレット演出の結果を報知してもよい)。次に、ステップ2540で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bのフラグエリア内にあるルーレット演出実行監視中フラグをオフにする。次に、ステップ2541で、ルーレット演出表示制御手段SM27は、実行されたルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であったか否かを判定する(ルーレット演出の最終結果は、ステップ2458又はステップ2462にて決定される)。ステップ2541でYesの場合、ステップ2542で、開放中演出表示制御手段SM29は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24bのフラグエリア内にある開放中演出実行許可フラグをオンにし、ステップ2544に移行する。尚、ステップ2510、ステップ2530、ステップ2534又はステップ2541でNoの場合にも、ステップ2544に移行する。」 ス 「【0153】 また、本実施形態においては、補助遊技図柄変動と連動して、ルーレット演出を実行するよう構成したが、あくまで一例であり、これには限定されず、例えば、主遊技図柄変動に合わせてルーレット演出を実行したり、主遊技図柄変動、補助遊技図柄変動の双方に合わせて適切なタイミングでルーレット演出を実行したり、いずれの変動とも連動せず、適当なタイミングでルーレット演出を実行し得るよう構成してもよい(ルーレット演出の実行時間を適宜調整することで、図柄変動に連動せずにルーレット演出を開始した場合にも、大当りや電チューロング開放とルーレット演出の結果とで齟齬を生じさせないことが可能である)。」 セ 「【0159】 次に、図26は、図17でのステップ2700のサブルーチンに係る、副遊技表示領域サイズ変更制御処理のフローチャートである。まず、ステップ2702で、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、予告演出関連情報一時記憶手段SM24b内のルーレット演出実行監視中フラグがオンであるか否か、換言すれば、ルーレット演出が実行中(又は実行待機中)の状況下であるか否かを判定する。ステップ2702でYesの場合、ステップ2704で、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、当該実行中(又は実行待機中)のルーレット演出に係る最終結果を確認する。次に、ステップ2706で、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、当該確認結果に基づき、ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であるか否かを判定する。ステップ2706でYesの場合、ステップ2708で、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、ルーレット演出が実行中であるか否か(ルーレット演出の実行タイミングに到達したか否か)を判定する。ステップ2708でYesの場合、ステップ2710で、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域2」の表示サイズを「表示領域1」の表示サイズよりも拡大して表示し(欄外にて表示イメージを図示する)、次の処理(ステップ2800の処理)に移行する。尚、ステップ2702、ステップ2706又はステップ2708でNoの場合、ステップ2712で、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域1」の表示サイズを「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示し(欄外にて表示イメージを図示するが、「表示領域2」を消去するよう構成してもよい)、次の処理(ステップ2800の処理)に移行する。尚、ステップ2706の処理においては、ルーレット演出の最終結果が「ハズレ」又は「主遊技当選」の一部においても当該判定をYesとするよう構成してもよい。」 ソ 「【図26】 」 タ 【0159】(上記セ)の下線部のフローチャートの説明に関する記載からみて、ルーレット演出が実行中(又は実行待機中)の状況下であり、ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であり、さらに、ルーレット演出が実行中(又はルーレット演出の実行タイミングに到達)の場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域2」の表示サイズを「表示領域1」の表示サイズよりも拡大して表示し、そうでない場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域1」の表示サイズを「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示していることが認定できる。 チ 上記アないしタからみて、引用例には、次の発明が記載されている。なお、aないしjについては本願補正発明のAないしJに対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。 「a 第1主遊技図柄・第2主遊技図柄(特別図柄)と連動して装飾図柄を変動・停止させる表示を実行し、特別図柄(第1主遊技図柄又は第2主遊技図柄)が大当り図柄停止した場合、第1大入賞口が開状態となるぱちんこ遊技機(【0011】、【0023】、【0027】)であって、 b 装飾図柄の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司る装飾図柄表示制御手段SM21(【0066】)と、 c 補助遊技図柄に対応した装飾図柄を変動表示するルーレット演出に係る表示制御を司るルーレット演出表示制御手段SM27(【0066】、【0133】)と、 d 装飾図柄の表示を行う「表示領域1」と、「表示領域1」とは異なる表示領域であって、ルーレット演出におけるルーレット配列パターンにおける所定コマ数(3コマ)分の表示領域となる「表示領域2」とを有する演出表示装置SG(【0129】、【0147】)と、 e 主遊技側の遊技結果を報知又は示唆可能なルーレット演出において、最終結果を報知するための停止表示位置となるルーレットコマ等を決定する、例えば、最終結果=「主遊技当選」の場合には、「大入賞口開放」が配されたコマを決定するルーレット演出内容決定手段SM27n(【0073】、【0133】、【0138】)と、 を備え、 f ルーレット演出は、非時間短縮遊技状態中にしか実行されないよう(【0133】)、また、主遊技図柄の複数の変動に跨がって実行されるように構成されており(【0142】)、 g ルーレット演出が実行中(又は実行待機中)の状況下であり、ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であり、さらに、ルーレット演出が実行中(又はルーレット演出の実行タイミングに到達)の場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域2」の表示サイズを「表示領域1」の表示サイズよりも拡大して表示し、そうでない場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、演出表示装置SG上の主遊技装飾図柄表示領域SG11において、「表示領域1」の表示サイズを「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示し(【0159】、図26、上記タ)、 i 主遊技図柄変動、補助遊技図柄変動のいずれの変動とも連動せず、適当なタイミングでルーレット演出を実行する(【0153】)、 j ぱちんこ遊技機(【0011】)。」(以下「引用発明」という。) (3)周知例 ア 本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-226372号公報(以下「周知例1」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、パチンコ遊技機などの遊技機に関する。 ・・・略・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ルーレット演出が1つしか実行されず、演出結果が1つしか導出されないので、遊技の興趣を高めることができなかった。また、複数のルーレット演出を複数同時に実行した場合、複数の演出結果が同時に導出されるので、いずれの演出結果に注目すればよいか分からない。 【0007】 この発明は、上記実状に鑑みてなされたものであり、ルーレット演出などの示唆演出を複数実行して遊技の興趣を向上させることができるとともに、実行された複数の示唆演出のうちいずれの示唆演出の演出結果に注目すればよいか分かりやすい遊技機の提供を目的とする。」 (イ)「【0072】 こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。」 (ウ)「【0087】 また、飾り図柄の可変表示中には、例えば、擬似連の可変表示演出が実行されることや、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることなどといった遊技に関する事象の発生を示唆する示唆演出としてルーレット演出が実行可能に設定されている。なお、遊技に関する事象の発生には、上記した擬似連の可変表示演出が実行されることやスーパーリーチのリーチ演出が実行されること以外にも、例えば普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることや、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となること、画像表示装置5にキャラクタ画像やメッセージ画像などが表示される予告演出が実行されること、「滑り」の可変表示演出が実行されることなどの一部または全部といった、遊技の進行中に起こる様々な事象の発生が含まれていてもよい。」 (エ)「【0223】 次に、ルーレット演出が実行されるときの主な演出画面について図21を参照して説明する。この実施の形態では、図21に示すように画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」のルーレット表示エリア150L、150C、150Rが配置されている。「左」のルーレット表示エリア150Lは、第1ルーレット演出におけるルーレットが表示される表示エリアである。「中」のルーレット表示エリア150Cは、第2ルーレット演出におけるルーレットが表示される表示エリアである。また、「右」のルーレット表示エリア150Rは、第3ルーレット演出におけるルーレットが表示される表示エリアである。なお、画像表示装置5の表示領域に配置されるルーレット表示エリアの位置は「左」「中」「右」に限られず、例えば、「上」「中」「下」や、「左上」「右上」「右下」などとしてもよい。 【0224】 図21(A)に示すように飾り図柄の可変表示中に、第1ルーレット演出、第2ルーレット演出、第3ルーレット演出が実行され、ルーレット表示エリア150L、150C、150Rにおいて、第1ルーレット演出に対応するルーレットRG1、第2ルーレット演出に対応するルーレットRG2、第3ルーレット演出に対応するルーレットRSが同時に回転表示される。そして、図21(B)に示すようにルーレット表示エリア150LにおいてルーレットRG1の回転が停止して、「擬似連」の図柄が点滅表示する。次に、図21(C)に示すようにルーレット表示エリア150CにおいてルーレットRG2の回転が停止して、「擬似連」の図柄が点滅表示する。次いで、図21(D)に示すようにルーレット表示エリア150RにおいてルーレットRSの回転が停止して、「SP」の図柄が点滅表示する。その後、図21(E)に示すようにルーレット表示エリア150LではルーレットRG1が消去され、図21(F)に示すようにルーレット表示エリア150CではルーレットRG2が消去されて、最後にルーレット表示エリア150RでルーレットRSが消去される。なお、図21では、第1ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、第2ルーレット演出の演出結果として「擬似連」が導出され、第3ルーレット演出の演出結果として「SP」が導出されたので、3回の擬似連を行う可変表示演出、及び、スーパーリーチのリーチ演出が実行されることが示唆されたことになる。」 (オ)「【図21】 」 イ 本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平10-323432号公報(以下「周知例2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 (ア)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、スタート条件の成立に応じて所定時間以上動作される図柄表示部を備え、この図柄表示部の動作に伴い所定の確率で特賞状態を呈するように構成されたパチンコ遊技機に関する。 ・・・略・・・ 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 ・・・略・・・ 【0008】本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、図柄表示部の動作時間が長くなるような状況下であっても、その動作期間中に成立したスタート条件が無駄になる可能性を小さくできて、スタート条件の成立に伴う権利が無効化されることに起因した遊技客側の不満を抑制できると共に、遊技に対する興趣を大幅に高め得るようになるパチンコ遊技機を提供することにある。」 (イ)「【0020】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について図面を参照しながら説明する。図2において、パチンコ遊技機1は、一般的にセブン機と呼ばれるフィーバータイプのもの(1種パチンコ機)で、その上皿2内のパチンコ玉を電動式発射機構3を通じて盤面4へ発射する構成となっている。盤面4には、例えばマトリックス方式の液晶ディスプレイパネルより成る表示装置5、複数個の通常入賞孔6、電気役物7aを備えた特賞用入賞孔7、スタート入賞孔8、アウト孔9が設けられている。 【0021】この場合、表示装置5には、スタート入賞孔8へのパチンコ玉の入賞(つまり、スタート条件の成立)に応じて動作開始されるルーレット形式の図柄表示部(後述する図9などに符号5aを付して示す)、及び後述のような動作条件が成立したときに動作開始される例えば2個のルーレット形式の補助図柄表示部(後述する図10、図12などに符号5b及び5cを付して示す)を選択的に表示できる構成となっているが、その具体的な表示内容については後で詳述することにする。 ・・・略・・・ 【0038】図11の第3の動作画面は、図柄表示部5aが上記のようなリーチ状態にあることを表示すると共に、動作優先順位が高い補助図柄表示部5bを動作させた状態を表示するためのものである。 【0039】図12の第4の動作画面は、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bが双方ともリーチ状態にあることを表示するためのもので、この例では、図柄表示部5aの表示は図11の場合と同じであるが、補助図柄表示部5bにあっては、その第1桁及び第3桁が当たり図柄「333」に応じた組み合わせを表示し、中央部の第2桁の表示が変動している状態を示している。尚、補助図柄表示部5bのリーチ状態での表示領域は、通常動作状態(図11参照)の表示領域より大きくなるように設定される。 【0040】図13の第5の動作画面は、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bが上記のようなリーチ状態にあることをそれぞれ表示すると共に、動作優先順位が低い補助図柄表示部5cを動作させた状態を表示するためのものである。 【0041】図14の第6の動作画面は、図柄表示部5a、補助図柄表示部5b及び5cが全てリーチ状態にあることを表示するためのもので、この例では、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bの表示は図13の場合と同じであるが、補助図柄表示部5cにあっては、その第1桁及び第3桁が当たり図柄「111」に応じた組み合わせを表示し、中央部の第2桁の表示が変動している状態を示している。尚、補助図柄表示部5cのリーチ状態での表示領域も、通常動作状態(図13参照)の表示領域より大きくなるように設定される。 【0042】図15の第1の当たり画面は、図柄表示部5aに当たり状態が発生したときの表示内容を示すもので、この例では、当たり図柄「777」と、所定の大当たり用デモパターンPを表示した大当たり表示状態を示している。尚、実際には、当たり状態が発生したときには、表示装置5の全体で所定の大当たりセレモニーを行った後に、大当たり表示が行われるものである。 【0043】図16の第2の当たり画面は、図柄表示部5aが上記のような当たり状態にあることを表示すると共に、動作優先順位が高い補助図柄表示部5bを動作させた状態を表示するためのものである。 【0044】図17の第3の当たり画面は、図柄表示部5aが当たり状態にあることを表示すると共に、補助図柄表示部5bがリーチ状態にあることを示すものである。 【0045】図18の第4の当たり画面は、図柄表示部5aが当たり状態にあること、並びに補助図柄表示部5bがリーチ状態にあることを示すと共に、補助図柄表示部5cを動作させた状態を表示するためのものである。 【0046】図19の第5の当たり画面は、図柄表示部5aが当たり状態にあることを示すと共に、補助図柄表示部5b及び5cが双方ともリーチ状態にあることを示すためのものである。 【0047】図20の第6の当たり画面は、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bの双方で当たり状態が発生したときの表示内容を示すもので、この例では、図柄表示部5aの表示は図15の場合と同じであるが、補助図柄表示部5bにあっては、当たり図柄「333」と、所定の大当たり用デモパターンP′を表示した大当たり表示状態を示している。 【0048】図21の第7の当たり画面は、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bが上記のような当たり状態にあることを表示すると共に、動作優先順位が低い補助図柄表示部5cを動作させた状態を表示するためのものである。 【0049】図22の第8の当たり画面は、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bが当たり状態にあることを表示すると共に、補助図柄表示部5cがリーチ状態にあることを示すものである。 【0050】図23の第9の当たり画面は、図柄表示部5a、補助図柄表示部5b及び5cの全てで当たり状態が発生したときの表示内容を示すもので、この例では、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5b表示は図20の場合と同じであるが、補助図柄表示部5cにあっては、当たり図柄「111」と、所定の大当たり用デモパターンP″を表示した大当たり表示状態を示している。」 (ウ)「【0116】また、図柄表示部5aとは別に設けられた補助図柄表示部5b及び5cの動作に応じても当たり状態が発生する構成となっているから、図柄表示部5aの他に補助図柄表示部5b及び5cの一方若しくは双方が動作された状態では、遊技客側の期待度が一段と向上することになり、遊技に対する興趣を大幅に高め得るようになる。特に、補助図柄表示部5bは、図柄表示部5aがリーチ状態となったときに動作開始され、補助図柄表示部5cは、図柄表示部5a及び補助図柄表示部5bが双方ともリーチ状態となったときに動作開始される構成となっているから、図柄表示部5a、補助図柄表示部5b及び5cのうちの2以上の表示部において同時にリーチ状態が発生する可能性が出てくるものであり、このような状態となったときには、遊技客側の期待度が劇的に向上することになり、遊技に対する興趣をさらに高め得るようになる。 【0117】勿論、図柄表示部5a、補助図柄表示部5b及び5cの動作時には、高い確率で当たり状態が発生するリーチ状態が予め決められた割合で発生することになるから、この面からも遊技客側の期待感を高め得るようになる。 【0118】さらに、図柄表示部5a、補助図柄表示部5b及び5cを、単一の表示装置5内に選択的に表示する構成となっているから、それら図柄表示部5a、補助図柄表示部5b及び5cのための表示構造を簡単化できて、製造コストを抑制する上で有利となる。」 (エ)「【図14】 」 ウ 上記ア及びイからみて、 「パチンコ遊技機において、遊技の興趣を高めるために、ルーレット形式の補助図柄表示部を、主の図柄表示部と重ならない複数領域において表示すること。」は本願出願前に周知(以下「周知技術1」という。)であると認められる。 エ 本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-83513号公報(以下「周知例3」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 (ア)「【0029】 以下、この発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明にかかる遊技機の適例としてのパチンコ遊技機について説明を行う。図1には、ガイドレール2で囲まれ、遊技球を発射して遊技を行う遊技領域1aが前面側に形成された遊技盤1を示した。なお、遊技機の外枠であって島設備に固定される機枠や、遊技領域1aの前面を覆うクリア部材保持枠、遊技盤1を取り付ける前面枠、遊技領域1aの下側に設けられ遊技球を収容する上皿、下皿を有するとともに、遊技者が発射操作を行うための操作ハンドルを備えた操作パネルなどは図示を省略している。 【0030】 遊技盤1は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体1b(木製もしくは合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体1bの前面にガイドレール2で囲まれた遊技領域1aを有している。また、遊技盤本体1bの前面であってガイドレール2の外側には、前面構成部材3,3,…が取り付けられている。そして、このガイドレール2で囲まれた遊技領域1a内に発射装置から遊技球(打球;遊技媒体)を発射して遊技を行うようになっている。 【0031】 遊技領域1aの略中央にはセンターケース20が取り付けられている。このセンターケース20に形成された窓部22の後方には、変動表示ゲームをなす特図変動表示ゲームに対応して複数の識別情報を変動表示する飾り特図変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置としての表示装置43が配されるようになっている。この表示装置43は、例えば、液 晶ディスプレイを備え、表示内容が変化可能な表示部43aがセンターケース20の窓部22を介して遊技盤1の前面側から視認可能となるように配されている。なお、表示装置43は液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであっても良い。」 (イ)「【0149】 この演出表示ゲームは、表示部43aに表示したルーレット60により行われる。円形のルーレット60は扇型の領域に分割されており、各領域には演出表示ゲームの結果として報知され得る情報が表示されている。図14(b)に示す例では、高確率状態であることを報知する「確変」、実行中の特図変動表示ゲームの結果が特別結果態様であることを報知する「大当り」、確率状態を報知しない「??」の情報が各領域に表示されている。 【0150】 演出表示ゲームでは、特図2変動表示ゲームの開始に伴い、ルーレット60の各領域の表示色を順次時計回りに変化させる変動表示を行う。その後、特図2変動表示ゲームの停止と同時にルーレット60の変動表示を停止し、停止した際に表示色が異なる領域の情報が演出表示ゲームの結果となる。なお、演出表示ゲームの停止タイミングは特図2変動表示ゲームの停止と同時でなくても良く、例えば、所定時間の経過あるいは遊技者による演出ボタン41の操作により停止するようにしても良い。」 (ウ)「【0193】 また、演出制御装置40は、図14(e)に示すように大当りを発生させる場合の演出表示パターンを備えている。ただし、大当りが発生する場合には、遊技制御装置30から比較的長い変動表示時間が指示されるので、演出表示ゲームにおけるルーレット60の変動表示が延々と続いてしまうといった課題が発生する。その対応として、ルーレット60に「もう一度」等の結果情報を表示した領域を設けておいて、その領域の表示色が変化した状態で変動表示が停止したらルーレット60が再変動するようにすることで、演出表示ゲームが冗長になってしまうことを防止するようにしてもよい。なお、図14(h)で説明したように、「リーチ」の結果情報を表示した後、演出表示ゲームから飾り特図変動表示ゲームでのリーチ変動(リーチスクロール)に移行することでも演出表示ゲームが冗長になってしまうことを防止することが可能である。 【0194】 また、特図2変動表示ゲームの結果がはずれとなる場合にも所定の確率で大当りと同等の長さの変動時間を選択するようにして、演出表示ゲームで上述のようにルーレット60の再変動を行った後にはずれるようにしてもよい。なお、演出表示ゲームの最終結果は「??」等の結果とする。また、別の方法として、チャンスタイムM4においては、結果が当りであるか否かに関わらず特図2変動表示ゲームの変動時間を演出表示ゲームに対応する比較的短い時間に設定しても良い。」 オ 本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2013-176685号公報(以下「周知例4」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 (ア)「【技術分野】 【0001】 本発明は、遊技媒体が始動領域を通過した後に、可変表示の開始条件が成立したことにもとづいて識別情報の可変表示を行い、当該識別情報の表示結果として特定表示結果が導出表示された場合に遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するパチンコ遊技機等の遊技機に関する。」 (イ)「【0407】 図45は、所定演出の一例を示す説明図である。なお、図45には、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するための演出が例示されている。 【0408】 図45(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図45(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような表示制御が実行される。そのような表示制御による演出が予兆演出に相当する。 【0409】 次いで、所定演出が開始されるかのような演出のための画像である報知画像(例えば、「ルーレットチャンス」を表示する画像)9bを表示する制御が実行される(図45(C)参照)。そのような表示制御による演出が開始演出に相当する。そして、報知用演出が開始される。 【0410】 この実施の形態では、報知用演出は、演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出(ルーレットが回転するような態様の演出)である(図45(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを示唆する画像9cが停止表示される(図45(E)参照)。次いで、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態に制御されることを報知するような報知用画像9dが表示される(図45(F)参照)。その後、演出表示装置9に、可変入賞球装置15が遊技球が進入しやすい状態(開放状態)に制御されることを明示する画像9eが表示される(図45(F)参照)。なお、図45(E),(F)に示すような表示制御がなされる期間が結果報知演出の期間に相当する。 ・・・略・・・ 【0426】 図48は、一例として、特定演出(リーチ演出)が実行されることを報知する前に、はずれの報知結果を報知する所定演出が実行される場合の具体例を示す説明図である。 【0427】 図48(A)に示すように、演出表示装置9において左中右の飾り図柄の変動(可変表示)が停止している状態から、飾り図柄の変動が開始される(図48(B)参照)。そのときに、演出表示装置9の表示画面に表示されているキャラクタ画像9aが動くような予兆演出が実行される。 【0428】 次いで、所定演出が開始されるかのような演出である開始演出が実行される(図48(C)参照)。そして、報知用演出が開始される。 【0429】 報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄が変動するような演出である(図48(D)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチ演出が実行されず可変入賞球装置15も遊技球が進入(通過)しやすい状態に制御されないこと(はずれの報知結果)を示唆する画像9kが停止表示される(図48(E)参照)。 【0430】 次いで、再び報知用演出は演出エリア9Fにおいて図柄の変動が開始され、再び報知用演出が開始されたような演出が実行される(図48(F)参照)。その後、演出エリア9Fにおいて、リーチになることを示唆する画像(大当りの期待度が高いことを報知するための画像)9iが停止表示される(図48(G)参照)。そして、飾り図柄の表示状態がリーチ状態になる(図48(H)参照)。その後、演出表示装置9に、スーパーリーチの発生を明示する画像9jが表示される(図48(I)参照)。」 (ウ)「【図45】 ・・・略・・・ 【図48】 」 カ 上記エ及びオからみて、 「パチンコ遊技機において、ルーレット演出を、仮停止表示させた後に再変動させること。」は本願出願前に周知(以下「周知技術2」という。)である。 (4)対比 ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(j)は、本願補正発明のAないしJに対応させている。 (a)(j)引用発明の「装飾図柄」、「第1大入賞口が開状態」及び「ぱちんこ遊技機」は、それぞれ本願補正発明の「識別情報」、「遊技者にとって有利な有利状態」及び「遊技機」に相当する。引用発明において、装飾図柄を変動・停止させる表示を実行することは、装飾図柄(識別情報)の可変表示を行うことといえ、第1大入賞口が開状態に移行することは、第1大入賞口が開状態(有利状態)に制御可能であることといえるから、引用発明の特定事項aは、本願補正発明の「A 識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機」に相当する。 (b)引用発明において、装飾図柄の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司ることは、装飾図柄(識別情報)の可変表示を制御することいえるから、引用発明の「b 装飾図柄の変動態様や停止図柄の決定処理及び表示制御処理を司る装飾図柄表示制御手段SM21」は、本願補正発明の「B 識別情報の可変表示を制御する識別情報制御手段」に相当する。 (c)引用発明の「補助遊技図柄に対応した装飾図柄」は、本願補正発明の「識別情報とは異なる複数の特別情報」に相当する。引用発明において、補助遊技図柄に対応した装飾図柄を変動表示させることは、該装飾図柄(複数の特別情報)の可変表示を行うことといえ、該装飾図柄を変動表示させるルーレット演出に係る表示制御を司ることは、該装飾図柄(複数の特別情報)の可変表示を制御することといえるから、引用発明の「補助遊技図柄に対応した装飾図柄を変動表示させるルーレット演出に係る表示制御を司るルーレット演出表示制御手段SM27」は、本願補正発明の「C 識別情報とは異なる複数種類の特別情報の可変表示を制御する特別情報制御手段」に相当する。 (d)引用発明において、ルーレット演出は補助遊技図柄に対応した装飾図柄(複数の特別情報)を表示させるものであり、補助遊技図柄の表示領域を有するということは、補助遊技図柄を表示可能であることといえるから、引用発明の「装飾図柄の表示を行う「表示領域1」と、「表示領域1」とは異なる表示領域であって、ルーレット演出におけるルーレット配列パターンにおける所定コマ数(3コマ)分の表示領域となる「表示領域2」とを有する演出表示装置SG」は、本願補正発明の「D 識別情報および複数種類の特別情報を表示可能な表示手段」に相当する。 (e)引用発明において、ルーレット演出は、補助遊技図柄に対応した装飾図柄(以下「ルーレットコマ」という。)を変動させるものであり、停止表示位置となる「大入賞口開放」が配されたルーレットコマ(特別情報)で「主遊技当選」の最終結果を報知するものであり、また、主遊技当選すると、大入賞口開放する特別遊技状態に移行するものであることから、引用発明におけるルーレット演出は、ルーレットコマ(複数種類の特別情報)のうちのいずれかを停止表示させることにより、特別遊技状態(有利状態)に移行する(制御される)こと(期待度)を報知(示唆)するものであるといえる。さらに、停止表示位置となるルーレットコマ等を決定するルーレット演出内容決定手段SM27nを有するルーレット演出制御手段SM27は、ルーレット演出を実行可能といえるものである。してみれば、引用発明の「ルーレット演出」は、本願補正発明の「複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより前記有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出」に相当し、引用発明の特定事項eは、本願補正発明の「E 複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより前記有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段」に相当する。 (f)引用発明において、ルーレット演出(示唆演出)は、非時間短縮遊技状態中にしか実行しないよう構成されており、また、主遊技図柄の複数の変動に跨がって、ルーレット演出を実行するように構成しているところ、主遊技図柄の変動は装飾図柄(識別情報)の変動に対応することに鑑みて、ルーレット演出(示唆演出)は、非時間短縮遊技状態中において複数回の装飾図柄(識別情報)の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であるといえる。そして、ルーレット演出(示唆演出)は、ルーレットコマ(複数の特別情報)を表示させるものであるので、引用発明の特定事項fと、本願補正発明の「F 複数種類の特別情報は、通常状態とは異なる特殊状態において複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であり、」とは、「F’複数種類の特別情報は、複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であり」という点で一致する。 (g)引用発明においては、ルーレット演出(示唆演出)が実行中(又は実行待機中)の状況下であり、ルーレット演出(示唆演出)の最終結果が「補助遊技当選」であり、さらに、ルーレット演出(示唆演出)が実行中(又はルーレット演出の実行タイミングに到達)の場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、「表示領域2」の表示サイズを「表示領域1」の表示サイズよりも拡大して表示し、ルーレット演出(示唆演出)が実行中でない場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、「表示領域1」の表示サイズを「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示するものであるので、ルーレット演出(示唆演出)が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であるものである。また、「表示領域1」と「表示領域2」はそれぞれの場合において異なる領域に設けられたものである。そうすると、引用発明の特定事項gと、本願補正発明の「G 前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、」とは、「G’ 前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能」である点で一致する。 (i)引用発明においては、主遊技図柄変動、補助遊技図柄変動のいずれの変動とも連動せず、適当なタイミングでルーレット演出(示唆演出)を実行するものであるから、ルーレット演出は(示唆演出)は主遊技図柄変動が実行されているか否かに関わらず制御するものである。また、図柄の可変表示中に、配置されている図柄の種類をある程度特定できるように、各図柄を認識可能な態様(例えば、認識可能な速度)で可変表示することは技術常識である。そうすると、主遊技図柄変動は装飾図柄(識別情報)の変動に対応すること、ルーレット演出(示唆演出)は前記装飾図柄(識別情報)の変動に関わらずルーレットコマ(複数種類の特別情報)を変動表示させるものであることに鑑みて、引用発明の特定事項iは、本願補正発明の「I 識別情報の可変表示が実行されているか否かに関わらず、少なくとも複数種類の特別情報のうちのいずれかを認識可能に複数種類の特別情報の可変表示を制御する」に相当する。 イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、 「A 識別情報の可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 識別情報の可変表示を制御する識別情報制御手段と、 C 識別情報とは異なる複数種類の特別情報の可変表示を制御する特別情報制御手段と、 D 識別情報および複数種類の特別情報を表示可能な表示手段と、 E 複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより前記有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段とを備え、 F’ 複数種類の特別情報は、 複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能であり、 G’ 前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、 I 前記特別情報制御手段は、 識別情報の可変表示が実行されているか否かに関わらず、少なくとも複数種類の特別情報のうちのいずれかを認識可能に複数種類の特別情報の可変表示を制御する J 遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。 ・相違点1(特定事項F) 「複数種類の特別情報」が「複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能」であるのが、 本願補正発明では、「通常状態とは異なる特殊状態」において表示可能であるのに対し、 引用発明では、非時間短縮遊技状態中であり、「通常状態とは異なる特殊状態」において表示可能といえるか否か明らかでない点。 ・相違点2(特定事項G) 「複数種類の特別情報」が「表示可能」とされる「所定領域」が、 本願補正発明では、「複数」であるのに対し、 引用発明では、複数ではない点。 ・相違点3(特定事項H) 「特別情報制御手段」は、 本願補正発明では、「複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能」であるのに対し、 引用発明では、そのような特定がない点。 (5)判断 ア 相違点1について検討する。 (ア)引用例には、「【0009】・・・「遊技状態」とは、・・・特別遊技状態への移行抽選確率が予め定められた値である非確率変動遊技状態よりも特別遊技状態への移行抽選確率が高い確率変動遊技状態、特別遊技への移行抽選契機となる始動口への入賞に対する補助が有る補助遊技状態(いわゆる、普通図柄時短状態、例えば、始動口に可変部材が取り付けられている場合では、可変部材の開放期間が長い、可変部材の開放当選確率が高い、可変部材の開放抽選の結果報知の時間が短い)等の任意の一又は複数の組合せである。」と記載されている。 (イ)そうすると、引用発明における非時間短縮遊技状態には確率変動遊技状態と重なる遊技状態も存在し得るから、引用発明において、ルーレットコマ(複数種類の特別情報)を表示させるルーレット演出(示唆演出)を、非時間短縮遊技状態かつ確率変動遊技状態において実行可能とすることは引用例に明示的記載がなくとも自明であり、非時間短縮遊技状態かつ確率変動遊技状態は、通常状態とは異なる遊技状態、すなわち特殊状態といえる。してみると、相違点1は実質的な相違点ではない。 (ウ)仮に相違点1が実質的な相違点であるとしても、引用発明において、特殊状態であるといえる非時間短縮遊技状態かつ確率変動遊技状態で、ルーレットコマ(複数種類の特別情報)を表示させるルーレット演出(示唆演出)を実行可能とし、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項のようになすことは当業者が適宜なし得たことである。 イ 相違点2について検討する。 (ア)上記(3)ウで、周知技術1として示したように、パチンコ遊技機において、遊技の興趣を高めるために、ルーレット形式の補助図柄表示部を、演出図柄の表示領域と重ならない複数領域において表示する構成は周知である。 (イ)引用発明と周知技術1とは、ルーレット形式の補助図柄表示部を用いた演出を実行するパチンコ遊技機という点で技術分野が共通するものであるから、当業者であれば引用発明とともに周知技術1も心得ているものである。そうすると、周知技術1を引用発明に適用することは当業者が適宜なし得たことである。 そして、周知技術1の引用発明への適用について具体的に検討すると、引用発明は、ルーレット演出が実行中(又は実行待機中)の状況下であり、ルーレット演出の最終結果が「補助遊技当選」であり、さらに、ルーレット演出が実行中(又はルーレット演出の実行タイミングに到達)の場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、「表示領域2」の表示サイズを「表示領域1」の表示サイズよりも拡大して表示し、ルーレット演出が実行中でない場合、演出表示サイズ変更制御手段SM28は、「表示領域1」の表示サイズを「表示領域2」の表示サイズよりも拡大して表示するものである。 (ウ)引用発明と周知技術1とは、遊技の興趣を高めるという共通の課題を有するものであるから、周知技術1を心得た当業者であれば、引用発明において、ルーレット演出が実行中となる「表示領域2」を拡大するタイミング等の表示態様が変化するタイミングで、「表示領域2」を1つだけでなく複数表示とするような、表示領域の数的変化となすことは、遊技の興趣をさらに高めるために適宜なし得たことである。 (エ)以上のとおりであるから、引用発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の構成となすことは当業者が周知技術1に基づいて適宜なし得たことである。 ウ 相違点3について検討する。 (ア)上記(3)カで、周知技術2として示したように、パチンコ遊技機において、ルーレット演出を、仮停止表示させた後に再変動させる構成は周知である。 (イ)引用発明と周知技術2とは、ルーレット演出を実行するパチンコ遊技機という点で技術分野が共通するものであるから、当業者であれば引用発明とともに周知技術2も心得ているものである。そうすると、周知技術2を引用発明に適用することは当業者が適宜なし得たことである。 そして、周知技術2の引用発明への適用について具体的に検討すると、引用発明は、ルーレット演出において、ルーレットコマの変動表示を実行するものである。 (ウ)そうしてみると、周知技術2を心得た当業者であれば、引用発明において、ルーレットコマの変動表示後に、単に停止表示させるだけでなく、仮停止表示させた後に再変動可能とすることは適宜なし得たことである。 (エ)以上のとおりであるから、引用発明において、上記相違点3に係る本願補正発明の構成となすことは当業者が周知技術2に基づいて適宜なし得たことである。 エ 本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果、周知技術1及び周知技術2の奏する効果から、予測することができた程度のものである。 オ 審判請求人の主張について (ア)審判請求人は、審判請求書の【請求の理由】3(2)及び4において、以下のとおり概略主張している。 「本願発明による遊技機は、請求項1に記載されているように、以下の構成要素を含むことを特徴としている。 (a)識別情報の可変表示を制御する識別情報制御手段を備えていること (b)識別情報とは異なる複数種類の特別情報の可変表示を制御する特別情報制御手段を備えていること (c)識別情報および複数種類の特別情報を表示可能な表示手段を備えていること (d)複数種類の特別情報のうちのいずれかを停止表示させることにより有利状態に制御される期待度を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段を備えていること (e)複数種類の特別情報は、通常状態とは異なる特殊状態において複数回の識別情報の可変表示が行われる所定期間に亘って表示可能である (f)複数種類の特別情報は、表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であること (g)特別情報制御手段は、複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能であること (h)特別情報制御手段は、識別情報の可変表示が実行されているか否かに関わらず、少なくとも複数種類の特別情報のうちのいずれかを認識可能に複数種類の特別情報の可変表示を制御すること 上記の構成要素を備えることによって、明細書の段落[0010]に記載されているように、遊技者に特別情報を認識させることができ、遊技の興趣を向上させることができるという効果を得ることができる。」 「本願発明と引用文献1に記載された発明とを比較すると、少なくとも、上記の(f),(g)の構成要素が異なる。すると、引用文献1に記載された発明にもとづいて、本願発明の構成に想到することは困難なことであると思料する。 よって、本願発明は、引用文献1に記載された発明とは異なる発明であって、かつ引用文献1に記載された発明にもとづいて発明をすることが困難な発明であると思料する。」 (イ)上記イ及びウで説示したとおり、周知例1ないし4に記載されているような周知技術1及び周知技術2に基づけば、引用発明において、審判請求人が主張する上記(f),(g)の構成要素(特定事項G、H)となすことは当業者が容易になし得たものであるから、審判請求人の主張を採用することはできない。 (6)独立特許要件のむすび 以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が、引用例に記載された発明、周知技術1及び周知技術2に基いて、容易に発明をすることができたものである。 よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 小括 以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。 したがって、本件補正は、同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成30年8月3日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由は、この出願の平成30年8月3日に提出された手続補正書により補正された請求項1に係る発明が、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、及びその出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 記 引用文献1.特開2016-29964号公報 本願の請求項1に係る発明は、引用文献1に記載された発明であり、また、引用文献1に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明することができたものである。 3 引用例 (1)引用例(引用文献1)の記載事項は、上記第2〔理由〕3(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明(上記第2〔理由〕1(1))は、本願補正発明(上記第2〔理由〕3(1))から、実質的に、「G 前記表示手段における識別情報の可変表示を表示する領域と重畳しない複数の所定領域において、前記示唆演出が実行されているときと実行されていないときとで異なる態様により表示可能であり、」(上記相違点2)、「H 前記特別情報制御手段は、複数種類の特別情報のうちのいずれかを仮停止表示させた後に、再度複数種類の特別情報の可変表示を実行可能であり、」(上記相違点3)に係る限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明と引用発明とは、上記相違点1でのみ相違するから、本願発明も上記第2〔理由〕3(5)アで示した理由と同様の理由により、当業者が、引用例に記載された発明に基いて、容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、当業者が、引用例に記載された発明に基いて、容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2019-003756

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