意匠拒絶査定不服審判
2019-002817
包装用容器
- 審判番号
- 2019-002817
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2017-018672外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年02月28日
- 審決日
- 2019年07月09日
- 公報発行日
- 2019年09月27日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】マニー株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人アズテックIP
- 分類
- D18 .121-WY (F4-7)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2017-18672「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成29年(2017年)8月30日の意匠登録出願であって,その後の手続の主な経緯は以下のとおりである。
平成30年 1月22日付け:拒絶理由の通知
平成30年 3月 7日 :意見書の提出
平成30年 6月22日付け:拒絶理由の通知
平成30年 8月 7日 :意見書の提出
平成30年11月19日付け:拒絶査定
平成31年 2月28日 :審判請求書の提出
第2 本願意匠
本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(「形状,模様及び色彩あるいはこれらの結合」を,以下「形態」ともいう。)を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「一点鎖線で表した部分の内側が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり,一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」としたものである(別紙第1参照)。
第3 原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,以下のとおりである。
「この意匠登録出願の意匠は,意匠に係る物品を『包装用容器』とするものですが,この種物品分野においては,直方体形状包装用容器の最も広い面の1つの角部の近傍部に模様等を配することは,本願出願前よりごく一般的に行われています(例えば以下の引用意匠1)。
また,2次元コードを45度回転させて配置する手法も,本願出願前よりありふれた手法と認められます(例えば以下の引用意匠2)。
そうすると,本願出願前よりごく一般的に見受けられる,直方体形状包装用容器の最も広い面の1つの角部の近傍部に模様を配したものを,本願出願前よりありふれた手法によって,2次元コードを45度回転させたものとしたにすぎない本願意匠の意匠登録を受けようとする部分は,当業者であれば容易に創作することができたものといわざるを得ません。
引用意匠1
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1268536号の意匠
引用意匠2
表題 新着デザイン QRコード入り名刺
媒体のタイプ online
掲載年月日 2016年 5月13日
検索日 2018年 6月22日検索
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス https://ameblo.jp/meishi-love/entry-12159846018.html
引用意匠 以下の,上記ウェブページの写しに「引用意匠」と記載した箇所に現された名刺の意匠
(当審注:引用意匠1及び2については,別紙第2及び3参照)」
第4 当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。
1.本願部分の認定
本願意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)の用途及び機能は,包装用容器の外壁の一部を担うものであって,本願部分に施された模様は,マトリックス型コードであるから,縦と横の二方向に情報を盛り込むことができるという機能を有する。
本願部分の位置,大きさ及び範囲は,背面の右下の角の近傍の位置であって,背面の約20分の1の面積の大きさ及び範囲である。
本願部分の形態は,正方形のマトリックス型コードを斜め45度に傾けたものである。
2.本願部分の創作の容易性について
(1)出願前に公然知られた形状
引用意匠1により,包装用容器の分野において,直方体形状の包装用容器の最も広い面の右下角部の近傍に略正方形の模様を配することは,本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる。
また,引用意匠2により,名刺の中央やや上の位置にQR型コードを斜め45度に傾けて配することは,本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる。
そして,拒絶査定時に示された意匠のうち,意匠登録第1356070号の意匠(参考意匠。別紙第4参照)により,包装用容器の分野において,直方体形状の包装用容器の最も広い面の右下角部にQR型コードを配することは,本願意匠の出願前に公然知られたものと認められる。
(2)本願部分の創作の容易性
原審においては,QR型コードを斜め45度に傾けた形状が本願の出願前に公然知られたものとして名刺を引用している(引用意匠2)が,名刺は,本願意匠に係る物品である包装用容器が属する分野には属さないものと認められ,包装用容器の属する分野における通常の知識を有する者にとって,本願の出願前に公然知られたものとは認められない。
(3)まとめ
以上のとおりであって,包装用容器の分野において,右下角部の近傍のマトリックス型コードを斜め45度に傾けることがありふれた手法であると認めるに足る証拠はないから,本願意匠は,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が公然知られた形態に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとは言えない。
3.結び
したがって,本願意匠は,原審で示した各意匠を基にしては,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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