特許拒絶査定不服審判
2019-001771
遊技機
- 審判番号
- 2019-001771
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-092805外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年02月07日
- 審決日
- 2019年10月28日
- 公報発行日
- 2020年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-92805号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年7月28日出願公開、特開2016-135442号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年3月19日に出願した特願2014-56674号の一部を平成28年5月2日に新たな特許出願(特願2016-92805号)としたものであって、平成29年2月24日に手続補正書が提出され、同年9月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年11月22日に意見書及び手続補正書が提出され、平成30年4月5日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年6月1日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年11月5日付けで、同年6月1日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(謄本の送達日:同年11月13日。)がなされ、それに対して、平成31年2月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、令和1年6月27日付けで拒絶の理由(以下、「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年8月23日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和1年8月23日付け手続補正書における特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める(記号A~Fは、本願発明を分説するために当審にて付した)。
「【請求項1】
A 始動条件の成立により判定を行うとともに図柄の変動を行い、所定の図柄の組み合わせが表示された場合に遊技利益を付与する遊技機において、
B 画像を表示する表示画面を有する表示装置と、
C 第1位置と、前記表示画面に沿った第2位置と、に移動可能であると共に、第1態様、前記第1態様とは視認態様が異なる第2態様、および前記第1態様と前記第2態様とは視認態様が異なる第3態様となるように変化可能な第1装飾部材と、
D 一つの前記第1装飾部材に対して第1の状態から前記第1の状態と異なる第2の状態となるように変位可能に設けられる複数の第2装飾部材と、を備え、
D1 前記第1の状態は、
前記第1位置において複数の前記第2装飾部材より前に前記第1装飾部材が配置されることにより、前記第2装飾部材が露出するのを抑制した視認状態であり、
D2 前記第2の状態は、
前記第2位置において複数の前記第2装飾部材が移動することにより、前記第1装飾部材から前記第2装飾部材が露出した視認状態であり、
E 前記第2装飾部材は、
E1 前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出を実行する場合には、前記第1の状態から前記第2の状態に変位しないように構成されており、
E2 前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第3態様に変化する前記第1演出とは異なる第2演出を実行する場合には、前記第1の状態から前記第2の状態に変位可能に構成されていることを特徴とする
F 遊技機。」
第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由は、平成31年2月7日付け手続補正書により補正された本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、との理由を含むものである。
引用文献1:特開2013-208308号公報
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1の記載事項
当審拒絶理由に引用された上記引用文献1には、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ)。
(ア)「【0010】
・・・図1は本発明の実施形態に係る遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の構成例を示した全体正面図であり、図2は各種部品を搭載した遊技盤の正面図であり、図3乃至図7は遊技盤面上における各演出用可動装置の動作を示す説明図である。」
(イ)「【0021】
また、遊技領域3の中央には開口部3Aが形成されており、開口部3Aの周縁に沿って遊技球の流下に影響を与える飾り部材6が設けられている。この飾り部材6の略中央部分(開放部)であって遊技盤の背面側には、液晶表示装置等からなるメイン画像表示装置7が設けられている。このメイン画像表示装置7の周縁には各種演出用可動装置A~Dが設けられている。
【0022】
このメイン画像表示装置7は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当たり抽選の結果を報知するための演出図柄として、第1図柄8a、第2図柄8b、第3図柄8cという3個の演出図柄8が表示され、特定の演出図柄8の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当たり抽選結果として大当たりが報知される。
具体的には、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄8をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄8を停止表示するものである。・・・」
(ウ)「【0027】
ここで、「大当たり抽選」とは、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか、「小当たり」に対応する乱数値であるかの判定する処理をいう。この大当たり抽選の結果は即座に遊技者に報知されるわけではなく、第1特別図柄表示装置20において特別図柄が点滅等の変動表示を行い、所定の変動時間を経過したところで、大当たり抽選の結果に対応する特別図柄が停止表示して、遊技者に抽選結果が報知されるようにしている。・・・
【0028】
また、本実施形態において「大当たり」というのは、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。・・・」
(エ)「【0033】
図1、図2において、飾り部材6の内側に露出したメイン画像表示装置7のメイン表示画面(第1表示画面)7aの前部下方には、第1の演出用可動装置Aが配置され、メイン表示画面7aの左右両側方に位置する飾り部材6の縦枠の裏側には第2の演出用可動装置Bが表示画面上に出没自在に配置されており、メイン表示画面7aの上部中央には第3の演出用可動装置Cが昇降自在に配置され、表示画面の左右両側方に位置する飾り部材部分の裏側には第4の演出用可動部材Dが表示画面上に出没自在に配置されている。・・・
【0035】
図8乃至図20に示すように、第1の演出用可動装置Aは、サブ画像表示装置30、動作機構60を主構成要素としている。
即ち、メイン画像表示装置7の前面にあるメイン表示画面7aの前方にはサブ画像表示装置30が配置されており、サブ画像表示装置30は、動作機構(サブ画像表示装置動作機構)60によって図1、図2、図8、図18等に示した下降位置(第1の位置)と図3、図4、図8乃至図10、図19、図20等に示した上昇位置(第2の位置)との間を進退自在に構成されている。
【0036】
サブ画像表示装置30は、表示装置基部33と、表示装置基部33の前面に配置された長方形状の表示画面(第2表示画面)31と、表示装置基部33の後面に配置されたギミック等の役物演出部50と、を備えている。
表示装置基部33は、前面及び後面を除いた4つの側端部のうちの対向する2つの側端部、本例では長手方向両側端部に夫々設けた被軸支部34aを夫々各ホルダ部材40に設けた軸支部34によって軸支されることにより回転(自転)自在に構成されており、サブ表示画面31と役物演出部50を交互に前面側に方向転換して遊技者に視認させるように構成されている。・・・
【0038】
連結部材45により回動自在に保持された各ホルダ部材40、及びサブ画像表示装置30は、動作機構60によって所定の移動経路に沿って進退自在に構成されている。本例では、メイン画像表示装置7の前面のメイン表示画面7aに沿って表示画面の端縁(下端縁)から中心部に向けて進退するように構成されている。・・・」
(オ)「【0052】
役物演出部50は、表示装置基部33の後面によって支持されたモータ51と、該後面によって回転自在に軸支されモータの出力ギヤ51aと噛合した第1の中間ギヤ52aと、第1の中間ギヤ52aと噛合した第2の中間ギヤ52bと、表示装置基部33の後面の幅方向両端縁に沿った対称位置に夫々回転自在に軸支されて第1の中間ギヤ52a、及び第2の中間ギヤ52bと夫々噛合する2個の半月状の従動ギヤ53と、各従動ギヤ53と一体化されて突出する回動片(可動部)54と、を有している。
【0053】
各可動部54は、各従動ギヤ53の回動によって表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置(図21(a)、図22(a))と、該背面から側方に突出した突出位置(図21(b)、図22(b))との間を揺動する。・・・」
(カ)「【0120】
図45、図46は、本実施形態の遊技機における遊技演出の一例を示した図である。
本実施形態の遊技機1では、例えば図45(a)~(c)に示すようにメイン表示画面7aに表示されている変動中の演出図柄8のうち、第1図柄8aと第3図柄8bが同一図柄(例えば「7」)で停止してリーチ状態に移行したときに、図46に示すような遊技演出に移行するように構成されている。
また、図45(a)~(c)に示すような演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、メイン表示画面7aの前部下方に配置されている第1の演出用可動装置Aは、サブ表示画面31が横長状態で且つ遊技者から視認し易いように斜め上方に約45度傾斜させた状態で停止している。・・・
【0121】
リーチ状態に移行後は、第1の演出用可動装置Aと第2の演出用可動装置Bを可動させる。
先ず、第1の演出用可動装置Aの動作について説明する。
第1の演出用可動装置Aは、図46(a)に示すように、斜め上方に約45度の角度で傾斜した状態で停止していたサブ表示画面31を横長状態のまま垂直姿勢となるように可動する。
次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(a)に示すような横長状態で垂直姿勢のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を時計回りに90度回転させて、図46(b)に示すようにサブ画像表示装置30が縦姿勢となり、サブ表示画面31が縦長状態となるように可動する。
【0122】
次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(b)に示すような縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、図46(c)に示すようにサブ表示画面31の裏面側に設けられている演出役物部50(当審注:「演出役物部50」は「役物演出部50」の誤記と認める。)が前面側となるように可動する。つまり、役物演出部50を視認不能な態様から視認可能な態様となるように可動する。
次に、第1の演出用可動装置Aは、図46(d)に示すように、役物演出部50の背面側(役物演出部50とサブ画像表示装置30との間)に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する。」
(キ)図45
上記【0035】の「第1の演出用可動装置Aは、サブ画像表示装置30、動作機構60を主構成要素としている。・・・サブ画像表示装置30は、動作機構・・・60によって・・・下降位置・・・と・・・上昇位置・・・との間を進退自在に構成されている。」との記載、上記【0120】の「演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、メイン表示画面7aの前部下方に配置されている第1の演出用可動装置A」との記載を参酌すると、図45には、演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、第1の演出用可動装置Aを構成するサブ画像表示装置30は、下降位置に位置している点が図示されている。
また、上記【0035】及び上記【0120】の上記記載に加えて、上記【0053】の「各可動部54は、各従動ギヤ53の回動によって表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置・・・と、該背面から側方に突出した突出位置・・・との間を揺動する。」との記載、上記【0122】の「役物演出部50の背面側・・・に隠蔽されていた可動部54」との記載を参酌すると、図45には、サブ画像表示装置30が下降位置に位置している状態で、各可動部54は、表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置にある点が図示されている。
(ク)図46
上記【0053】の「各可動部54は、各従動ギヤ53の回動によって表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置・・・と、該背面から側方に突出した突出位置・・・との間を揺動する。」との記載、上記【0121】の「リーチ状態に移行後は、・・・第1の演出用可動装置Aは、・・・横長状態・・・のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を・・・90度回転させて、・・・サブ画像表示装置30が縦姿勢とな・・・るように可動する。」との記載、上記【0122】の「次に、第1の演出用可動装置Aは、・・・縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、・・・サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動する。・・・次に、第1の演出用可動装置Aは、・・・役物演出部50の背面側・・・に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する。」との記載を参酌すると、図46には、サブ画像表示装置30が上昇位置に位置している状態で、各可動部54は、表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置から該背面から側方に突出した突出位置へと揺動する点が図示されている。
また、上記【0121】の「第1の演出用可動装置Aは、・・・横長状態・・・のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を・・・90度回転させて、・・・サブ画像表示装置30が縦姿勢とな・・・るように可動する。」との記載、上記【0122】の「次に、第1の演出用可動装置Aは、・・・縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、・・・サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動する。」との記載を参酌すると、図46(a)、(b)には、第1の演出用可動装置Aが、横長状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢となるまでの間、サブ画像表示装置30は、サブ表示画面31が前面側となる状態にある点が図示されている。
上記記載事項(ア)~(カ)及び上記図示内容(キ)~(ク)より、以下の事項が導かれる。
なお、(a)~(f)は、本願発明の構成A~Fに対応した事項を示している。
(a)上記【0022】には「メイン画像表示装置7は、・・・特定の演出図柄8の組合せ・・・が停止表示されることにより、大当たり抽選結果として大当たりが報知される。・・・第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄8をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄8を停止表示する」と記載され、上記【0027】には「「大当たり抽選」とは、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、特別図柄判定用乱数値を取得し、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか・・・判定する処理をいう。」と記載され、上記【0028】には「「大当たり」というのは、・・・大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。・・・」と記載され、上記【0010】には「パチンコ遊技機」と記載されているから、引用文献1には、第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する大当たり抽選を行うとともに、メイン画像表示装置7は、3個の演出図柄8をそれぞれスクロール表示し、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄8を停止表示し、特定の演出図柄8の組合せが停止表示されることにより、大当たり抽選結果として大当たりが報知されると、大当たり遊技を実行するパチンコ遊技機が記載されている。
(b)上記【0021】には「遊技盤の背面側には、・・・メイン画像表示装置7が設けられている。」と記載され、上記【0022】には「メイン画像表示装置7は、・・・遊技の進行に応じた画像を表示したりする。」と記載され、上記【0035】には「メイン画像表示装置7の前面にあるメイン表示画面7a」と記載されているから、引用文献1には、遊技盤の背面側には、前面にあるメイン表示画面7aに遊技の進行に応じた画像を表示するメイン画像表示装置7が設けられることが記載されている。
(c)上記【0033】には「メイン画像表示装置7のメイン表示画面・・・7aの前部下方には、第1の演出用可動装置Aが配置され、」と記載され、上記【0035】には「第1の演出用可動装置Aは、サブ画像表示装置30、動作機構60を主構成要素としている。・・・サブ画像表示装置30は、動作機構・・・60によって・・・下降位置・・・と・・・上昇位置・・・との間を進退自在に構成されている。」と記載され、上記【0038】には「サブ画像表示装置30は、動作機構60によって・・・メイン表示画面7aに沿って・・・進退する」と記載され、上記【0036】には「サブ画像表示装置30は、表示装置基部33と、表示装置基部33の前面に配置された・・・表示画面・・・31と、表示装置基部33の後面に配置された・・・役物演出部50と、を備えている。・・・表示装置基部33は、・・・回転・・・自在に構成されており、サブ表示画面31と役物演出部50を交互に前面側に方向転換して遊技者に視認させるように構成されている。」と記載され、上記【0121】には「第1の演出用可動装置Aは、・・・横長状態・・・のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を・・・90度回転させて、・・・サブ画像表示装置30が縦姿勢とな・・・るように可動する。」と記載されているから、引用文献1には、メイン画像表示装置7のメイン表示画面7aの前部下方に配置された第1の演出用可動装置Aは、サブ画像表示装置30、動作機構60を主構成要素とし、サブ画像表示装置30は、動作機構60によってメイン表示画面7aに沿って下降位置と上昇位置との間を進退自在に構成され、第1の演出用可動装置Aは、横長状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢となるように可動し、サブ画像表示装置30は、表示装置基部33と、表示装置基部33の前面に配置されたサブ表示画面31と、表示装置基部33の後面に配置された役物演出部50とを備え、表示装置基部33は、サブ表示画面31と役物演出部50を交互に前面側に方向転換して遊技者に視認させるように回転自在に構成されていることが記載されている。
(d、d1、d2)上記【0052】には「役物演出部50は、・・・2個の・・・従動ギヤ53と、各従動ギヤ53と一体化されて突出する・・・可動部・・・54と、を有している。」と記載され、上記【0053】には「各可動部54は、各従動ギヤ53の回動によって表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置・・・と、該背面から側方に突出した突出位置・・・との間を揺動する。」と記載され、図45には、サブ画像表示装置30が下降位置に位置している状態で、各可動部54は、表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置にある点が図示され、図46には、サブ画像表示装置30が上昇位置に位置している状態で、各可動部54は、表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置から該背面から側方に突出した突出位置へと揺動する点が図示されているから、引用文献1には、役物演出部50は、2個の従動ギヤ53と、各従動ギヤ53と一体化されて突出する可動部54とを有し、各可動部54は、各従動ギヤ53の回動によって表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置と、該背面から側方に突出した突出位置との間を揺動し、サブ画像表示装置30が下降位置に位置している状態で、各可動部54は隠蔽位置にあり、サブ画像表示装置30が上昇位置に位置している状態で、各可動部54は隠蔽位置から突出位置へと揺動するように構成されていることが記載されている。
(e、e1、e2)上記【0120】には「演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、メイン表示画面7aの前部下方に配置されている第1の演出用可動装置A」と記載され、上記【0121】には「リーチ状態に移行後は、・・・第1の演出用可動装置Aは、・・・横長状態・・・のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を・・・90度回転させて、・・・サブ画像表示装置30が縦姿勢とな・・・るように可動する。」と記載され、上記【0122】には「次に、第1の演出用可動装置Aは、・・・縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、・・・サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動する。・・・次に、第1の演出用可動装置Aは、・・・役物演出部50の背面側・・・に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する。」と記載され、図45には、演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、第1の演出用可動装置Aを構成するサブ画像表示装置30は、下降位置に位置している点が図示され、図46(a)、(b)には、第1の演出用可動装置Aが、横長状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢となるまでの間、サブ画像表示装置30は、サブ表示画面31が前面側となる状態にある点が図示されているから、引用文献1には、演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、第1の演出用可動装置Aを構成するサブ画像表示装置30は下降位置に位置しており、リーチ状態に移行後は、第1の演出用可動装置Aは、横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢でサブ表示画面31が前面側となるように可動し、次に、縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動し、次に、役物演出部50の背面側に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動することが記載されている。
(f)上記【0010】には「パチンコ遊技機」と記載されている。
2 引用発明
上記記載事項(ア)~(カ)、上記図示内容(キ)~(ク)及び上記(a)~(f)の認定事項から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(記号a~fは、引用発明を分説するために当審にて付した)。
(引用発明)
「a 第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球したときに、取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する大当たり抽選を行うとともに、メイン画像表示装置7は、3個の演出図柄8をそれぞれスクロール表示し、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄8を停止表示し、特定の演出図柄8の組合せが停止表示されることにより、大当たり抽選結果として大当たりが報知されると、大当たり遊技を実行するパチンコ遊技機であって、
b 遊技盤の背面側には、前面にあるメイン表示画面7aに遊技の進行に応じた画像を表示するメイン画像表示装置7が設けられ、
c メイン画像表示装置7のメイン表示画面7aの前部下方に配置された第1の演出用可動装置Aは、サブ画像表示装置30、動作機構60を主構成要素とし、サブ画像表示装置30は、動作機構60によってメイン表示画面7aに沿って下降位置と上昇位置との間を進退自在に構成され、第1の演出用可動装置Aは、横長状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢となるように可動し、サブ画像表示装置30は、表示装置基部33と、表示装置基部33の前面に配置されたサブ表示画面31と、表示装置基部33の後面に配置された役物演出部50とを備え、表示装置基部33は、サブ表示画面31と役物演出部50を交互に前面側に方向転換して遊技者に視認させるように回転自在に構成され、
d、d1、d2 役物演出部50は、2個の従動ギヤ53と、各従動ギヤ53と一体化されて突出する可動部54とを有し、各可動部54は、各従動ギヤ53の回動によって表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置と、該背面から側方に突出した突出位置との間を揺動し、サブ画像表示装置30が下降位置に位置している状態で、各可動部54は隠蔽位置にあり、サブ画像表示装置30が上昇位置に位置している状態で、各可動部54は隠蔽位置から突出位置へと揺動するように構成され、
e、e1、e2 演出図柄8がリーチ状態に移行するまでの図柄変動期間では、第1の演出用可動装置Aを構成するサブ画像表示装置30は下降位置に位置しており、リーチ状態に移行後は、第1の演出用可動装置Aは、横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢でサブ表示画面31が前面側となるように可動し、次に、縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動し、次に、役物演出部50の背面側に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する
f パチンコ遊技機。」
第5 対比
本願発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)引用発明の構成aの「第1始動口13又は第2始動口14に遊技球が入球した」ことは、本願発明の構成Aの「始動条件の成立」に相当し、以下同様に、「取得した特別図柄判定用乱数値が「大当たり」に対応する乱数値であるか判定する大当たり抽選」は、「判定」に、「3個の演出図柄8」の「スクロール表示」は、「図柄の変動」に、「特定の演出図柄8の組合せが停止表示される」ことは、「所定の図柄の組み合わせが表示され」ることに、「大当たり遊技を実行する」ことは、「遊技利益を付与する」ことに、「パチンコ遊技機」は「遊技機」に、それぞれ相当する。
してみると、引用発明の構成aは、本願発明の構成Aに相当するものである。
(b)引用発明の構成bの「遊技の進行に応じた画像」、「メイン表示画面7a」、「メイン画像表示装置7」は、それぞれ、本願発明の構成Bの「画像」、「表示画面」、「表示装置」に相当する。
してみると、引用発明の構成bは、本願発明の構成Bに相当するものである。
(c)引用発明の構成cの「第1の演出用可動装置A」の「主構成要素」である「サブ画像表示装置30」は、本願発明の構成Cの「第1装飾部材」に相当し、以下同様に、「下降位置」は、「第1位置」に、「上昇位置」は、「第2位置」に、「下降位置と上昇位置との間を進退自在に構成され」ることは、「第1位置と、」「第2位置と、に移動可能である」ことに、それぞれ相当する。
ここで、引用発明の構成cの「サブ画像表示装置30」は、「メイン表示画面7aに沿って下降位置と上昇位置との間を進退自在に構成され」ていることから、引用発明の構成cの「上昇位置」は、本願発明の構成Cの「表示画面に沿った第2位置」に相当する。
また、引用発明の構成cにおける「サブ画像表示装置30」が「横長状態」で「サブ表示画面31」を「前面側に」「して遊技者に視認させる」状態は、本願発明の構成Cの「第1態様」に相当し、以下同様に、「サブ画像表示装置30」が「縦姿勢」で「サブ表示画面31」を「前面側に」「して遊技者に視認させる」状態は、「前記第1態様とは視認態様が異なる第2態様」に、「サブ画像表示装置30」が「縦姿勢」で「役物演出部50を」「前面側に」「して遊技者に視認させる」状態は、「前記第1態様と前記第2態様とは視認態様が異なる第3態様」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明の構成cにおける「横長状態のサブ画像表示装置30」が「90度回転」して「縦姿勢となるように可動」すること、及び、「サブ画像表示装置30」が「備え」る「表示装置基部33は、サブ表示画面31と役物演出部50を交互に前面側に方向転換して遊技者に視認させるように回転自在に構成され」ることは、本願発明の構成Cの「第1態様、」「第2態様、および」「第3態様となるように変化可能な第1装飾部材」であることに相当する。
してみると、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当するものである。
(d)引用発明の構成d、d1、d2の「役物演出部50は、2個の従動ギヤ53と、各従動ギヤ53と一体化されて突出する可動部54とを有し」ており、引用発明の「役物演出部50」は、「サブ画像表示装置30」が「備え」るものであり(構成c)、引用発明の「サブ画像表示装置30」が、本願発明の構成Dの「前記第1装飾部材」に相当することは、上記(c)にて説示したとおりであるから、引用発明の構成d、d1、d2の「役物演出部50」が「有し」ている「可動部54」は、本願発明の構成Dの「一つの前記第1装飾部材に対して」「設けられる複数の第2装飾部材」に相当する。
また、引用発明の構成d、d1、d2の「各可動部54」が、「表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置」にある状態は、本願発明の構成Dの「第1の状態」に相当し、以下同様に、「各可動部54」が「表示装置基部」「背面から側方に突出した突出位置」にある状態は、「第1の状態と異なる第2の状態」に、「各可動部54は、」「隠蔽位置と」「突出位置との間を揺動」することは、「第1の状態から前記第1の状態と異なる第2の状態となるように変位可能」であることに、それぞれ相当する。
してみると、引用発明の構成d、d1、d2は、本願発明の構成Dに相当する構成を具備している。
(d1、d2)引用発明の構成d、d1、d2の「可動部」が、本願発明の構成D1、D2の「複数の前記第2装飾部材」に相当することは、上記(d)にて説示したとおりであり、引用発明の「表示装置基部」は、「サブ画像表示装置30」が「備え」るものであり(構成c)、引用発明の「サブ画像表示装置30」が、本願発明の構成D1、D2の「前記第1装飾部材」に相当することは、上記(c)にて説示したとおりであるから、引用発明の構成d、d1、d2の「各可動部54」が、「表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置」にある状態は、本願発明の構成D1の「複数の前記第2装飾部材より前に前記第1装飾部材が配置されることにより、前記第2装飾部材が露出するのを抑制した視認状態」に相当し、同様に、「各可動部54」が、「揺動し」て「表示装置基部」「背面から側方に突出した突出位置」にある状態は、本願発明の構成D2の「複数の前記第2装飾部材が移動することにより、前記第1装飾部材から前記第2装飾部材が露出した視認状態」に相当する。
また、引用発明における「サブ画像表示装置30」の「下降位置」及び「上昇位置」が、それぞれ、本願発明の構成D1の「前記第1位置」及び構成D2の「前記第2位置」に相当することは、上記(c)にて説示したとおりであるから、引用発明の構成d、d1、d2の「サブ画像表示装置30が下降位置に位置している状態で、各可動部54は」「表示装置基部背面に隠蔽された」「隠蔽位置にあ」る状態は、本願発明の構成D1の「前記第1位置において複数の前記第2装飾部材より前に前記第1装飾部材が配置されることにより、前記第2装飾部材が露出するのを抑制した視認状態」に相当し、同様に、「サブ画像表示装置30が上昇位置に位置している状態で、各可動部54は隠蔽位置から突出位置へと揺動する」ことにより、「各可動部54」が、「表示装置基部」「背面から側方に突出した突出位置」にある状態は、本願発明の構成D2の「前記第2位置において複数の前記第2装飾部材が移動することにより、前記第1装飾部材から前記第2装飾部材が露出した視認状態」に相当する。
さらに、引用発明の構成d、d1、d2の「各可動部54」が、「表示装置基部背面に隠蔽された隠蔽位置」にある状態、及び、「各可動部54」が、「表示装置基部」「背面から側方に突出した突出位置」にある状態が、それぞれ、本願発明の構成D1の「前記第1の状態」及び構成D2の「前記第2の状態」に相当することは、上記(d)にて説示したとおりである。
してみると、引用発明の構成d、d1、d2は、本願発明の構成D1、D2の「前記第1の状態は、前記第1位置において複数の前記第2装飾部材より前に前記第1装飾部材が配置されることにより、前記第2装飾部材が露出するのを抑制した視認状態であり、前記第2の状態は、前記第2位置において複数の前記第2装飾部材が移動することにより、前記第1装飾部材から前記第2装飾部材が露出した視認状態であ」ることに相当する構成を具備している。
(e、e1)引用発明の構成e、e1、e2の「サブ画像表示装置30」が、本願発明の構成E1の「前記第1装飾部材」に相当し、以下同様に、「下降位置」が、「前記第1位置」に、「上昇位置」が、「前記第2位置」に、「サブ画像表示装置30」が「横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態」が、「前記第1態様」に、「サブ画像表示装置30が縦姿勢でサブ表示画面31が前面側となる」状態が、「前記第2態様」に、それぞれ相当することは、上記(c)にて説示したとおりであるから、引用発明の構成e、e1、e2において、「下降位置に位置して」いた「横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢でサブ表示画面31が前面側となるように可動」することは、本願発明の構成E1の「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出を実行する」ことに相当する。
そうすると、引用発明の構成e、e1、e2は、「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出を実行する場合」がある点で、本願発明の構成E、E1と共通する。
(e、e2)引用発明の構成e、e1、e2の「サブ画像表示装置30」が、本願発明の構成E2の「前記第1装飾部材」に相当し、以下同様に、「下降位置」が、「前記第1位置」に、「上昇位置」が、「前記第2位置」に、「サブ画像表示装置30」が「横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態」が、「前記第1態様」に、「縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転」して「サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となる」状態が、「前記第3態様」に、それぞれ相当することは、上記(c)にて説示したとおりであるから、引用発明の構成e、e1、e2において、「下降位置に位置して」いた「横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢」「となるように可動し、次に、縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動」すること(以下、「構成ア」とする。)は、本願発明の構成E2の「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第3態様に変化する」「第2演出を実行する」ことに相当する。
ここで、引用発明の構成e、e1、e2において、「下降位置に位置して」いた「横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢でサブ表示画面31が前面側となるように可動」すること(以下、「構成イ」とする。)が、本願発明の構成E2の「前記第1演出」に相当することは、上記(e、e1)にて説示したとおりである。
そして、引用発明の構成e、e1、e2における上記「構成ア」と上記「構成イ」とは、「縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動」する点の有無において異なるから、引用発明の構成e、e1、e2における上記「構成ア」は、本願発明の構成E2の「前記第1演出とは異なる第2演出を実行する」ことに相当する。
さらに、引用発明の構成e、e1、e2の「可動部54」が、本願発明の構成Eの「前記第2装飾部材」に相当し、以下同様に、「可動部54」が「役物演出部50の背面側に隠蔽され」た状態は、「前記第1の状態」に、「可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させ」た状態は、「前記第2の状態」に、それぞれ相当することは、上記(d)にて説示したとおりであるから、引用発明の構成e、e1、e2において、「下降位置に位置して」いた「横長状態でサブ表示画面31が前面側となる状態のサブ画像表示装置30を上昇させ、上昇位置においてサブ画像表示装置30を90度回転させて、サブ画像表示装置30が縦姿勢」「となるように可動し、次に、縦姿勢にあるサブ画像表示装置30の表裏が反転するように180度回転させて、サブ表示画面31の裏面側に設けられている役物演出部50が前面側となるように可動し、次に、役物演出部50の背面側に隠蔽されていた可動部54を役物演出部50の両側から側方に突出させるように可動する」ことは、本願発明の構成E、E2の「複数の前記第2装飾部材は、」「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第3態様に変化する前記第1演出とは異なる第2演出を実行する場合には、前記第1の状態から前記第2の状態に変位可能に構成されている」ことに相当する。
してみると、引用発明の構成e、e1、e2は、本願発明の構成E、E2に相当する構成を具備している。
(f)引用発明の構成fの「パチンコ遊技機」は、本願発明の構成Fの「遊技機」に相当する。
してみると、引用発明の構成fは、本願発明の構成Fに相当するものである。
上記(a)~(f)によれば、本願発明と引用発明とは、
「A 始動条件の成立により判定を行うとともに図柄の変動を行い、所定の図柄の組み合わせが表示された場合に遊技利益を付与する遊技機において、
B 画像を表示する表示画面を有する表示装置と、
C 第1位置と、前記表示画面に沿った第2位置と、に移動可能であると共に、第1態様、前記第1態様とは視認態様が異なる第2態様、および前記第1態様と前記第2態様とは視認態様が異なる第3態様となるように変化可能な第1装飾部材と、
D 一つの前記第1装飾部材に対して第1の状態から前記第1の状態と異なる第2の状態となるように変位可能に設けられる複数の第2装飾部材と、を備え、
D1 前記第1の状態は、
前記第1位置において複数の前記第2装飾部材より前に前記第1装飾部材が配置されることにより、前記第2装飾部材が露出するのを抑制した視認状態であり、
D2 前記第2の状態は、
前記第2位置において複数の前記第2装飾部材が移動することにより、前記第1装飾部材から前記第2装飾部材が露出した視認状態であり、
E1’ 前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出を実行する場合があり、
E 前記第2装飾部材は、
E2 前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第3態様に変化する前記第1演出とは異なる第2演出を実行する場合には、前記第1の状態から前記第2の状態に変位可能に構成されていることを特徴とする
F 遊技機。」の点で一致し、次の点で相違する。
[相違点](構成E、E1)
「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出を実行する場合」において、本願発明では、「複数の前記第2装飾部材は、」「前記第1の状態から前記第2の状態に変位しないように構成されて」いるのに対し、引用発明は、複数の第2装飾部材が第1の状態から第2の状態に変位しないように構成しているか否か明らかではない点。
第6 判断
1 相違点について
上記相違点について検討する。
引用文献1の【0127】には、「特に、本実施形態の遊技機1では、第1の演出用可動装置Aの一面(前面)にサブ画像表示装置30のサブ表示画面31を設けると共に、他面(背面)に可動部54を有する役物演出部50を設け、通常時は、第1の演出用可動装置Aをサブ画像表示装置30として利用するようにしている。そして、第1の演出用可動装置Aを可動させる際には、視認不能な態様にある役物演出部50を視認可能な態様に可動させると共に役物演出部50の背面側に隠蔽されていた可動部54を可動させるようにしているので、第1の演出用可動装置Aを可動したときの意外性が大きいため、遊技者に対して、さらにインパクトのある遊技演出を提供することができる。」と記載されている。
上記記載より、引用発明は、通常時は視認不能な役物演出部50を前面に向けて視認可能な態様とするとともに、役物演出部50の背面側に隠蔽されていた可動部54を突出位置へと可動させることで、遊技者にとってインパクトのある遊技演出を提供しようとするものであると解される。
してみると、引用発明において、可動部54を突出位置へと可動させた際に遊技者に与えるインパクトを大きなものとするために、サブ表示画面31が前面を向いて役物演出部50が視認不能な状態では、可動部54が突出位置へと可動しないように、すなわち、第1装飾部材(「サブ画像表示装置30」)が第1位置(「下降位置」)から第2位置(「上昇位置」)へ移動すると共に第1態様(「サブ画像表示装置30」が「横長状態」で「サブ表示画面31」を「前面側に」「して遊技者に視認させる」状態)から第2態様(「サブ画像表示装置30」が「縦姿勢」で「サブ表示画面31」を「前面側に」「して遊技者に視認させる」状態)に変化する第1演出を実行する場合には、第2装飾部材(「可動部54」)は、第1の状態(「役物演出部50の背面側に隠蔽され」た状態)から第2の状態(「役物演出部50の両側から側方に突出させ」た状態)に変位しないようにして、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
2 効果について
本願発明により奏される効果は、当業者が、引用発明から予測し得る範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
3 請求人の主張について
請求人は、令和1年8月23日付け意見書における「3.拒絶理由が解消された根拠」の「(1)理由1について」の「(1-2)新請求項と引用文献との対比」において、次のとおり主張する。
「(1-2)新請求項と引用文献との対比
本願の新請求項1に係る発明である遊技機では、第2装飾部材は、第1装飾部材が第1位置から第2位置へ移動すると共に第1態様から第2態様に変化する第1演出を実行する場合には、第1の状態から第2の状態に変位しないように構成されており、第1装飾部材が第1位置から第2位置へ移動すると共に第1態様から第3態様に変化する第1演出とは異なる第2演出を実行する場合には、第1の状態から第2の状態に変位可能に構成されていることを要旨とします。
(中略)
このような遊技機であれば、第1装飾部材での2つの位置間の移動と視認態様の変化との組合せのみからなる第1演出と、第1装飾部材での2つの位置間の移動と第1演出とは異なる視認態様の変化との組合せからなる第2演出にさらに第2装飾部材での視認状態の変化が組合さった演出と、を実行することができます。これらのような演出のうちのいずれかの演出が実行されるような構成であると、これらの演出は共に第1装飾部材の同様の移動を伴うため、遊技者にとっては第1装飾部材の移動のみではどちらの演出が実行されるかを判別することが難しいものとすることができます。したがって、このような遊技機であれば、演出が実行され始めると、第1演出に比べて大当たりに対する期待度を高めさせるような第2装飾部材の視認状態の変化を伴う第2演出が実行されることに対する遊技者の期待感を向上させることができます。また、第2演出が実行されると、第1装飾部材の移動と視認態様の変化に、第2装飾部材の視認状態の変化が加わるような演出であるため、大きな驚きや興奮を遊技者に与えることもできます。
これに対して、引用文献1には、上述のような本願の新請求項1に係る発明の要旨について、以下に説明するように開示も示唆もされておりません。引用文献1には、審判官殿がご指摘された通り、サブ画像表示装置30が、下降位置から上昇位置へ移動すると共にサブ画像表示画面31が水平な姿勢である態様から180度回転して役物演出部50を視認可能にした態様に変化する場合には、2個の可動部54が視認可能な状態となるような演出が可能である遊技機が記載されています。しかしながら、引用文献1におけるサブ画像表示装置30は、下降位置から上昇位置へ移動すると共にサブ画像表示画面31が水平な姿勢である態様からサブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様に変化するような本願の新請求項1に係る発明における第1演出に相当する演出が可能であることは開示も示唆もありません。特に、引用文献1の[0121]、[0122]の記載に基づくと、サブ画像表示装置30は、サブ画像表示画面31が水平な姿勢である態様からサブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様を経て180度回転して役物演出部50を視認可能にした態様となるように連続して態様が変化するような演出を実行するものであり、サブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様で変化が止まるような演出を実行するものではありません。つまり、引用文献1においては、サブ画像表示装置30においてサブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様で演出をすることについて開示も示唆されていないので、この態様のサブ画像表示装置30で2個の可動部54が視認可能な状態とならないような構成であることについても開示および示唆されておりません。したがって、引用文献1には、本願の新請求項1における第1装飾部材が第1演出を実行する場合には第2装飾部材が変位しないように構成されており、第1装飾部材が第2演出を実行する場合には、第2装飾部材が変位可能に構成されている、といった特徴については開示も示唆もないこととなります。」
そこで、請求人の上記主張について検討する。
請求人は上記主張において、本願発明の構成及び効果について、「このような遊技機であれば、第1装飾部材での2つの位置間の移動と視認態様の変化との組合せのみからなる第1演出と、第1装飾部材での2つの位置間の移動と第1演出とは異なる視認態様の変化との組合せからなる第2演出にさらに第2装飾部材での視認状態の変化が組合さった演出と、を実行することができます。これらのような演出のうちのいずれかの演出が実行されるような構成であると、これらの演出は共に第1装飾部材の同様の移動を伴うため、遊技者にとっては第1装飾部材の移動のみではどちらの演出が実行されるかを判別することが難しいものとすることができます。」と主張する。
しかしながら、本願の請求項1においては、「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出」及び「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第3態様に変化する前記第1演出とは異なる第2演出」と特定されているのみであって、上記「第1演出」と上記「第2演出」とのうちのいずれかの演出が実行される構成であることは特定されていないから、請求人の上記主張は、特許請求の範囲の記載に基づいたものではない。
また、請求人は上記主張において、引用発明の構成について、「引用文献1におけるサブ画像表示装置30は、下降位置から上昇位置へ移動すると共にサブ画像表示画面31が水平な姿勢である態様からサブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様に変化するような本願の新請求項1に係る発明における第1演出に相当する演出が可能であることは開示も示唆もありません。特に、引用文献1の[0121]、[0122]の記載に基づくと、サブ画像表示装置30は、サブ画像表示画面31が水平な姿勢である態様からサブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様を経て180度回転して役物演出部50を視認可能にした態様となるように連続して態様が変化するような演出を実行するものであり、サブ画像表示画面31が縦長の姿勢である態様で変化が止まるような演出を実行するものではありません。」と主張する。
しかしながら、本願の請求項1においては、「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出」と特定されているのみであって、当該「第1演出」が、「第2態様」で変化が止まるような演出であることは特定されていないから、請求人の上記主張もまた、特許請求の範囲の記載に基づいたものではない。
そして、引用発明においても、「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化する第1演出を実行する場合」があることは、上記「第5 対比」の(e、e1)にて説示したとおりであり、そのような場合に、第2装飾部材が、第1の状態から第2の状態に変位しないようにすることは、上記「1 相違点について」にて説示したとおり、当業者が容易になし得たことである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。
なお、仮に、請求人が主張するように、本願の請求項1の記載を、「第1演出」と「第2演出」とのうちのいずれかの演出が選択的に実行され、「第1演出」は「第2態様」で変化が止まるような演出であると限定的に解釈したとしても、遊技機の技術分野において、複数段階に動作可能な可動装飾部材を設け、可動装飾部材を異なる段階まで動作させる複数種類の演出が、大当り期待度に応じて選択的に実行されるように構成することは、例えば以下の周知例1及び2に記載されているように、本願出願前において周知の技術事項である。
(1)周知例1:特開2009-247741号公報(特に、【0338】の「・・・第2ステップアップ予告演出は、4つの予告演出(予告演出W、予告演出X、予告演出Y、予告演出Z)で構成されている。・・・予告演出Wとして、第2の可動部材88が第1の範囲で動作する演出が行われる。」との記載、【0339】の「・・・予告演出Xとして、第2の可動部材88が第2の範囲で動作する演出が行われる。」との記載、【0340】の「・・・予告演出Yとして、第2の可動部材88が第3の範囲で動作する演出が行われる。」との記載、【0341】の「・・・予告演出Zとして、第2の可動部材88が第3の範囲で動作する演出が行われる。」との記載、【0348】の「・・・ステップアップ予告演出とは、予め定められた順番に従って1段階から複数段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出を実行可能で、特定表示結果(大当り)とする場合は該特定表示結果としない場合よりも多い段階まで演出の態様を段階的に変化させる予告演出を実行する割合が高い演出のことをいう。」との記載、【0354】の「・・・非リーチはずれ用の第2予告設定テーブルでは、予告演出「なし」と、予告演出Wのみ実行される演出態様(「W」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出Xが実行される演出態様(「W→X」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出Xが実行され、その後に予告演出Yが実行される演出態様(「W→X→Y」の発展パターン)と、予告演出Wが実行されてから予告演出X、予告演出Y、予告演出Zが順に実行される演出態様(「W→X→Y→Z」の発展パターン)とが設定されている。そして、各演出態様に対して所定数の判定値がそれぞれ割り振られている。」との記載を参照。)
(2)周知例2:特開2011-160980号公報(特に、【0139】の「そして、センター飾り(役物)22の動作として、第1演出用可動体62が回動して第2演出用可動体63と第1演出用可動体62とが下降する第1動作パターンと、第1演出用可動体62が回動するのみの第2動作パターンとが選択的に実行されるようにしてもよい。その場合に、第1動作パターンは、第2動作パターンに比べて大当りが発生するときに実行される割合が高くなるように動作制御される。」との記載を参照。)
そして、引用発明に上記周知の技術事項を適用して、「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第2態様に変化」し、「第2態様」で変化が止まる「第1演出」と、「前記第1装飾部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動すると共に前記第1態様から前記第3態様に変化する前記第1演出とは異なる第2演出」とが、選択的に実行されるように構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。
よって、本願の請求項1の記載を、請求人が主張するような意味に解釈したとしても、請求人の上記主張を採用することができないことに変わりはない。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-001771