特許拒絶査定不服審判
2019-001345
電子式操作部を備えた機器
- 審判番号
- 2019-001345
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-246277外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2019年01月15日
- 審決日
- 2020年10月13日
- 公報発行日
- 2021年01月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】神村 秋吉
- 分類
- P18 .537-WZ (G06F) / P18 .55 -WZ (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法17条の2第3項特許法36条6項1号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第17条の2第3項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-246277「電子式操作部を備えた機器」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月26日出願公開、特開2016- 95820〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年11月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 6月29日付け 拒絶理由通知書
平成30年 9月 3日 意見書、手続補正書の提出
平成30年10月11日付け 拒絶査定
平成31年 1月15日 審判請求書の提出
令和 2年 4月 2日付け 拒絶理由通知書
令和 2年 5月 7日 意見書、手続補正書(以下、「本件補正
」という。)の提出
第2 本願発明
本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項4(以下、「本願発明」という。)には、以下の事項が記載されている。
「【請求項4】
入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置し1個単独の押釦の2度の押す操作で作る2桁の構成と5個の押釦の組合わせで押す操作の計が2度で作る2桁の構成に対応した設定の内容を1入力操作として入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55としてなる電子式操作部を備えた機器。」
第3 当審の拒絶理由の概要
当審の拒絶理由である、令和2年4月2日付け拒絶理由通知の理由は、概略、次のとおりである。
1 この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2 平成30年9月3日付け手続補正書でした補正は、下記の点で願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
請求項4について
理由:1,2
備考:
(1)請求項4に記載された,「入力用押釦の配置で少なくともアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示の5個の押釦を配置」したときに,「入力1を11入力2を12入力3を13入力4を14入力5を15入力6を51入力7を52入力8を53入力9を54」とすることは,発明の詳細な説明に記載されていない。
(2)すなわち,発明の詳細な説明では,押釦の配置を5個とし,押す操作で作る2桁の数字の構成とその入力内容について記載されていない。
(3)そして,入力用押釦の配置で少なくともアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示の5個の押釦を配置」したときに,「入力1を11入力2を12入力3を13入力4を14入力5を15入力6を51入力7を52入力8を53入力9を54」とすることは,発明の詳細な説明に記載されておらず,また自明の事項であるとはいえないから,請求項4に記載された発明は,発明の詳細な説明に記載されたものではない。
(4)上記のとおりであるから,請求項4に記載された発明は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められない。
第4 特許法第36条第6項第1号(サポート要件)について
特許請求の範囲の記載が,明細書のサポート要件に適合するか否かは,特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し,特許請求の範囲に記載された発明が,発明の詳細な説明に記載された発明で,発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か,また,その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものであり,明細書のサポート要件の存在は,出願人が証明責任を負うと解するのが相当である(知財高判平成17年11月11日(平成17年(行ケ)10042号)「偏光フィルムの製造法」大合議判決を参照。)。
以下,上記の観点に立って,本願のサポート要件について検討する。
1 明細書の記載
本願明細書の発明の詳細な説明には,以下の事項が記載されている。(下線は,当審で付与した。以下同じ。)
「【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力用の押釦を配置した電子式操作部を備えた機器の入力用の押釦の総数を削減する技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来技術は、電子式操作部の入力用押釦の配置には少なくともアラビア数字の0と1から9迄の整数9種類の計10種類を個別表示の10個が必要で1度の押す操作で1入力であり、加えて機器の機能発揮には動作入力などの1個以上の押釦の配置も必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
押釦は人の指先での押す行為を必要とするため押釦の表面積の縮小には限界があり電子式操作部並びに電子式操作部を備えた機器の小型化には押釦の総数の削減が有効であるが0002項に記載の課題があった。
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり数字の入力に必要な押釦と機器の機能発揮に必要な押釦の総数を削減し、電子式操作部を備えた機器の小型化と小型化で生じる押釦の押す面積の縮小化の阻止に効果のある技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
数字表示の押釦を1度の押す操作で1入力では10種類の数字の入力に不足の2個以上9個以下の任意の配置とし、1個単独の押釦の2度以上の押す操作で作る2桁以上の数字の構成と複数個の組合わせの押す操作で作る2桁以上の数字の構成の桁数を合わせ、10種類を超過する16種類以上の構成を作り、構成に対応して設定の内容を1入力操作とする。構成の内の10種類を数字入力に使用し、残りの構成を従来技術では単独に設置の動作入力などの押釦の入力設定とすることで押釦の総数を削減する。
【0005】
押釦2個配置で3桁の構成では8種類しか作れず10種類の数字入力対応に不足し、4桁の構成で16種類を作ることができる。押釦3個配置で2桁の構成では9種類しか作れず3桁の構成で27種類を作ることができる。押釦4個配置では2桁の構成で16種類を作ることができる。2桁で10種類を超過する構成が作れる押釦の最少設置個数は4個。5個以上9個以下の配置では2桁の構成で、5個配置で25種類、6個配置で36種類、7個配置で49種類、8個配置で64種類、9個配置で81種類を作ることができる。
【発明の効果】
【0006】
押釦の総数を削減すれば電子式操作部を備えた機器の小型化の効果は明白である。押釦の配置個数と押す操作で作る2桁以上の数字の構成の関係では配置個数が少ない方が機器の小型化で優位となるが、必要とする構成の桁数が多くなり、操作者の押釦の押す順序と構成に対応して設定の入力内容の記憶に難が生じる。配置個数が多いと小型化の効果は劣るが押す操作の桁数を最少の2桁とすることができ、更に押す順序と入力内容の関係を操作者の記憶を容易にできる構成を使用でき操作性で優位となる。押釦の設置個数は機器の機能発揮と操作性を勘案して任意とする。
【0007】
押釦の総数が少ないため押釦を単独または複数を他の押釦と分離して自由な場所に配置しても操作者が場所を認識するのに困難は生じない効果があり、更に押釦を表示画面内で感圧式で取込み表示がなくても配置場所を説明書に4個配置の例で左上を1、右上を2、左下を3、右下を4と記載しても操作者が場所を認識するのに困難は生じない効果がある。」
「【0009】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
従来の技術と本発明の技術を比較するために従来の技術による携帯電話機の例を図1に示す。携帯電話機本体1の詳細と電源の入り切りの押釦や音声の入出力部などの配置説明を省略した機能の発揮の説明に必要とする主要部の構成要素の配置を示す平面図である。表示画面2と4個配置の動作入力用押釦群3と10個配置の数字押釦群4と2個配置の記号押釦群5を配置、押釦は1度の押す操作で押釦に表示の1入力でなる。動作入力用押釦群3の表示は製品では入力内容を押釦に表示なるも図面および説明の簡略のため英字で表示して英字に対応の入力内容を表1に示すものである。最初のA表示の押釦を操作後の画面表示の例を表2に示す。操作手順は容易に推定できるため説明を省略する。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
本発明の技術による携帯電話機の実施例を図2に示す。
携帯電話機本体1aの詳細と電源の入り切りの押釦や音声の入出力部などの配置説明を省略した機能発揮の説明に必要とする主要部の構成要素の配置を示す平面図である。表示画面2aと2個の数字押釦群4aの配置でなる。操作は4桁の数字の構成で1入力とし、図1と同じ機能発揮となる構成に対応して設定の入力内容を表3に示す。操作手順は容易に推定できるため説明を省略する。
【0013】
【表3】
【0014】
本発明の技術による携帯電話機の実施例で数字押釦3個配置(配置図は図2より容易に推定できるため記載を省略)で、操作は3桁の数字の構成で1入力とする。3個配置で3桁では27種類の構成が作れるため、図1と同じ機能発揮となる構成に対応して設定の入力内容の例を表4に示す。
【0015】
【表4】
【0016】
本発明の技術による携帯電話機の実施例で数字押釦4個配置(配置図は図2より容易に推定できるため記載を省略)で、操作は2桁の数字の構成で1入力とする。4個配置で2桁では16種類の構成が作れるため、図1と同じ機能発揮となる構成に対応して設定の入力内容の例を表5に示す。
【0017】
【表5】
【0018】
本発明の技術による携帯電話機の実施例で数字押釦9個配置(配置図は図2より容易に推定できるため記載を省略)で、操作は2桁の数字の構成で1入力とする。9個配置で2桁では81種類の構成が作れるため、図1と同じ機能発揮となる構成に対応して設定の入力内容の例を表6に示す。表6では押す順序と入力内容の関係を操作者の記憶を最も優位とする構成を使用。
【0019】
【表6】
」
2 以上の記載から、発明の詳細な説明に記載された発明の課題は、以下のとおりであると認められる。
アラビア数字の0と1から9迄の計10種類の押釦を少なくとも必要とし、押釦の表面積の縮小には限界があり、機器の小型化に課題があったことであり、この課題を解決するために、数字の入力に必要な押釦と機器の機能発揮に必要な押釦の総数を削減し、電子式操作部を備えた機器の小型化と小型化で生じる押釦の押す面積の縮小化に効果のある技術を提供しようとするもの。(段落【0002】、【0003】)
3 そして、発明の詳細な説明には上記の課題を解決するための手段として,以下の事項が記載されている。
(1)数字表示の押釦を1度の押す操作で1入力では10種類の数字の入力に不足の2個以上9個以下の任意の配置とし、1個単独の押釦の2度以上の押す操作で作る2桁以上の数字の構成と複数個の組合わせの押す操作で作る2桁以上の数字の構成の桁数を合わせ、10種類を超過する16種類以上の構成を作り、構成に対応して設定の内容を1入力操作とする。構成の内の10種類を数字入力に使用し、残りの構成を従来技術では単独に設置の動作入力などの押釦の入力設定とすることで押釦の総数を削減すること。(段落【0004】)
(2)数字押釦3個配置で、操作は3桁の数字の構成で1入力とする表4記載の方法。(段落【0014】、【0015】)
(3)数字押釦4個配置で、操作は2桁の数字の構成で1入力とする表5記載の方法。(段落【0016】、【0017】)
(4)数字押釦9個配置で、操作は2桁の数字の構成で1入力とする表6記載の方法。(段落【0018】、【0019】)
4 検討
(1)上記3で検討したように、発明の詳細な説明には、「入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置」した場合について具体的な記載はない。
(2)また、段落【0005】に「5個以上9個以下の配置では2桁の構成で、5個配置で25種類、6個配置で36種類、7個配置で49種類、8個配置で64種類、9個配置で81種類を作ることができる。」と記載し、押釦を5個配置した場合に言及しているが、この記載だけでは、アラビア数字の0と1から9迄の計10種類の数字をどのようにして入力するのか、具体的な入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連は記載されていないし、示唆もされていない。
(3)そうすると、請求項4に記載された発明は、発明の詳細な説明に記載された発明であるとは認めることができないから、請求項4の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
第5 特許法第17条の2第3項(新規事項の追加)について
1 当初明細書等の記載について
(1)まず、当初明細書等の発明の詳細な説明について検討する。
上記第4で検討したように、当初明細書等の発明の詳細な説明には、入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置した場合について、入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55とすることは記載されていないから、請求項4の記載を
「入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置し1個単独の押釦の2度の押す操作で作る2桁の構成と5個の押釦の組合わせで押す操作の計が2度で作る2桁の構成に対応した設定の内容を1入力操作として入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55としてなる電子式操作部を備えた機器。」
とする補正は、当初明細書等の発明の詳細な説明に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められない。
(2)また、当初明細書等の特許請求の範囲の請求項4には、
「【請求項4】
入力用押釦の配置で少なくともアラビア数字を個別表示の5個以上9個以下の押釦を任意に配置し、1個単独の押釦の2度の押す操作で作る2桁の構成と2個の押釦の組合わせで各1度の押す操作で作る2桁の構成に対応して設定の内容を1入力操作としてなる電子式操作部を備えた機器。」
と記載されているが、やはり、具体的な入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連は記載されていないから、請求項4に係る上記補正は、当初明細書等の特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められない。
(3)したがって、請求項4に係る上記補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものとは認められないから、平成30年9月3日付け手続補正書でした補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
第6 請求人の主張について
1 請求人は、令和2年5月7日に提出された意見書において、
「入力操作押釦の配置数の2個と3個と4個の特許請求の範囲は示唆頂いた内容を受入れた補正としたが、5個については特許請求の範囲を下記の意見による補正とした。
明細書の段落【0005】と【0006】に配置数の5個から9個は4個と同じ2桁の構成で4個より配置面積では不利なるも構成数と操作者が入力と操作の関連で記憶が優位となる説明と最大配置数の9個についての実施例を段落【0018】に、入力と構成の説明を表【6】に記載。表では1桁目に配置の入力との関連数字の使用が最後となる入力9の次の入力0の構成で配置表示で数値として最大値を表示の9を2桁目に1桁目に数値として最小値を表示の1を用い、91の構成の入力操作で2桁目と1桁目を数値と認識した合算値の10から入力0との関連を容易に記憶できる構成の発明を記載している。
配置数5個から8個については実施例の記載を省略しても配置数5個では入力5の次の入力6からの構成で最大値を表示の5を2桁目に用い1桁目に1から始まる表示数字を数値としての合算値を入力との関連とする発明は明白である。
更に配置数5個の入力と構成との関連で他との固有の優位として入力6から0の構成で2桁目に2を使用し1桁目に1から順番の数字とした発明は配置数4個の構成説明から明白なるも操作者の記憶との関連で入力6は5の次の1番目、入力7は5の次の2番目、入力8は5の次の3番目、入力9は5の次の4番目、入力0は5の次の5番目の理解と記憶は容易である。更に2桁目に1と2又は1と5の使用での全ての構成をアラビア数字10種類全ての入力に充当となる。
当初願書での請求範囲の記載は配置数2個から9個の任意で入力と構成の関係は任意の広い範囲としていたが進歩性がない拒絶理由で明細書に実施例として説明の内容からの具体的な関連の構成での限定の補正を行ってきた。
配置数5個で入力6からの構成の2桁目に2又は5を使用の2方式の記載は操作者の記憶容易では2桁目に5を使用が優位と判断するが配置数5個の固有としての2桁目に2を使用との優位差は小さい。
配置数6個から9個は具体的記載での権利としての価値ははあると考えるが配置面積で配置数5個より劣るため実用化で不利を総合評価し審査過程で権利主張を放棄したものである。」
旨主張している。
2 上記主張を検討する。
(1)「入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55と」することとのうち、「入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25」とすることは、【表5】の配置数4個の場合や、周知技術であるn進数における数の表現方法から、当業者であれば類推できるかもしれない。
(2)しかしなら、「入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、」「入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55と」することは、当初明細書等には記載されているとはいえないし、技術常識から類推することはできない。
つまり、請求人が主張する【表6】における、入力数字10について操作の2桁の設定が91であることが、「入力9の次の入力0の構成で配置表示で数値として最大値を表示の9を2桁目に1桁目に数値として最小値を表示の1を用い、91の構成の入力操作で2桁目と1桁目を数値と認識した合算値の10から入力0との関連を容易に記憶できる構成」とすることであるとの記載は、当初明細書等に記載されておらず、また技術常識であるともいえない。
さらに言及すると、【表6】では、入力数字0についてその次の数字について92となる構成は存在しない。
そうすると、【表6】の記載に基づく、「配置数5個から8個については実施例の記載を省略しても配置数5個では入力5の次の入力6からの構成で最大値を表示の5を2桁目に用い1桁目に1から始まる表示数字を数値としての合算値を入力との関連とする発明は明白である。」との主張は、当初明細書等に基づくものではなく、根拠がない。
なお、当初明細書等の発明の詳細な説明には「配置個数が多いと小型化の効果は劣るが押す操作の桁数を最少の2桁とすることができ、更に押す順序と入力内容の関係を操作者の記憶を容易にできる構成を使用でき操作性で優位となる。」(段落【0006】)と記載されているが、この「押す順序と入力内容の関係を操作者の記憶を容易にできる構成」が如何なる構成であるのか、具体的に記載されていないから、この記載をもって、請求人の上記「操作者の記憶との関連で入力6は5の次の1番目、入力7は5の次の2番目、入力8は5の次の3番目、入力9は5の次の4番目、入力0は5の次の5番目の理解と記憶は容易である。」との主張が当初明細書等に基づく主張であるとは認められない。
第7 むすび
以上のとおり、令和2年5月7日にされた手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしておらず、また特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2019-001345