特許拒絶査定不服審判
2023-015344
数字入力用押釦を配置した機器
- 審判番号
- 2023-015344
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2022-099217外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2023年08月24日
- 審決日
- 2024年12月02日
- 公報発行日
- 2025年01月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】神村 秋吉
- 分類
- P18 .113-WY (G06F) / P18 .121-WY (G06F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2022- 99217「数字入力用押釦を配置した機器」拒絶査定不服審判事件〔令和 5年12月14日出願公開、特開2023-178153、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和4年6月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 1月12日付け:拒絶理由通知書
令和5年 3月 3日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年 6月 5日付け:拒絶査定
令和5年 8月24日 :拒絶査定不服審判の請求
令和6年 6月14日付け:拒絶理由通知書
令和6年 8月 5日 :意見書、手続補正書の提出
第2 本願発明
本願請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和6年8月5日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、次のとおりの発明である。
「【請求項1】
アラビア数字を表示の押釦を5個配置して押釦に1と2と3と4と5の数字を個別表示し、入力数字に対し押釦を2度押す操作手順において入力数字1の操作手順を11、入力数字2の操作手順を12、入力数字3の操作手順を13、入力数字4の操作手順を14、入力数字5の操作手順を15、入力数字6の操作手順を51、入力数字7の操作手順を52、入力数字8の操作手順を53、入力数字9の操作手順を54、入力数字0の操作手順を55としてなる数字入力用押釦を、12時の位置を1、3時の位置を2、6時の位置を3、9時の位置を4、中央の位置を5に設定して配置した機器。」
第3 原査定の概要
原査定(令和5年6月5日付け拒絶査定)の概要は、次のとおりである。
本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献Aに記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、以下の引用文献Aに記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献A:特願2014-246277(特開2016-95820)拒絶査定不服審判事件(不服2019-1345)における令和2年5月7日付け手続補正書,2020年05月
第4 当審拒絶理由の概要
当審が令和6年6月14付けで通知した拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
本願請求項1に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、また、以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1:不服2019-1345号特許審決公報,2021年1月29日
第5 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
引用文献1(「第2 本願発明」欄参照)には、次の発明(特願2014-246277号の令和2年5月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項4に係る発明。以下「引用発明」という。)が記載されている。
「入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置し1個単独の押釦の2度の押す操作で作る2桁の構成と5個の押釦の組合わせで押す操作の計が2度で作る2桁の構成に対応した設定の内容を1入力操作として入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55としてなる電子式操作部を備えた機器。」
2 引用文献A
引用文献Aは、特願2014-246277号の令和2年5月7日に提出された手続補正書であるから、引用文献Aには引用発明が記載されている。
第6 当審拒絶理由について(引用発明との対比・判断)
1 対比
(1)本願発明と引用発明とを対比する。
ア 本願発明の「アラビア数字を表示の押釦を5個配置して押釦に1と2と3と4と5の数字を個別表示」することは、要するに、それぞれに1ないし5の各アラビア数字を表示した5個の押ボタンを配置することであると理解できる。
一方、引用発明の「入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置」することについても、要するに、それぞれに1ないし5の各アラビア数字を表示した5個の押ボタンを配置することであると理解できる。
よって、引用発明の「入力用押釦の配置でアラビア数字1と2と3と4と5を個別表示した5個の押釦を配置」することは、本願発明の「アラビア数字を表示の押釦を5個配置して押釦に1と2と3と4と5の数字を個別表示」することに相当する。
イ 本願発明の「入力数字に対し押釦を2度押す操作手順において入力数字1の操作手順を11、入力数字2の操作手順を12、入力数字3の操作手順を13、入力数字4の操作手順を14、入力数字5の操作手順を15、入力数字6の操作手順を51、入力数字7の操作手順を52、入力数字8の操作手順を53、入力数字9の操作手順を54、入力数字0の操作手順を55」とすることは、要するに、「1」を入力する場合に「11」を、「2」を入力する場合に「12」を、「3」を入力する場合に「13」を、「4」を入力する場合に「14」を、「5」を入力する場合に「15」を、「6」を入力する場合に「51」を、「7」を入力する場合に「52」を、「8」を入力する場合に「53」を、「9」を入力する場合に「54」を、「0」を入力する場合に「55」を、それぞれ、その順に押すものとするように、押ボタンの操作と入力される数字との関係を設定することであると理解できる。
一方、引用発明の「1個単独の押釦の2度の押す操作で作る2桁の構成と5個の押釦の組合わせで押す操作の計が2度で作る2桁の構成に対応した設定の内容を1入力操作として入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55」とすることについても、要するに、「1」を入力する場合に「11」を、「2」を入力する場合に「12」を、「3」を入力する場合に「13」を、「4」を入力する場合に「14」を、「5」を入力する場合に「15」を、「6」を入力する場合に「51」を、「7」を入力する場合に「52」を、「8」を入力する場合に「53」を、「9」を入力する場合に「54」を、「0」を入力する場合に「55」を、それぞれ、その順に押すものとするように、押ボタンの操作と入力される数字との関係を設定することであると理解できる。
よって、引用発明の「1個単独の押釦の2度の押す操作で作る2桁の構成と5個の押釦の組合わせで押す操作の計が2度で作る2桁の構成に対応した設定の内容を1入力操作として入力数字の設定と操作の2桁の構成との関連を入力1を11、入力2を12、入力3を13、入力4を14、入力5を15、入力6を21、入力7を22、入力8を23、入力9を24、入力0を25又は入力6を51、入力7を52、入力8を53、入力9を54、入力0を55」とすることは、本願発明の「入力数字に対し押釦を2度押す操作手順において入力数字1の操作手順を11、入力数字2の操作手順を12、入力数字3の操作手順を13、入力数字4の操作手順を14、入力数字5の操作手順を15、入力数字6の操作手順を51、入力数字7の操作手順を52、入力数字8の操作手順を53、入力数字9の操作手順を54、入力数字0の操作手順を55」とすることに相当する。
ウ 引用発明の「電子式操作部」が、「入力1」、「入力2」、・・・、「入力0」における各数字の電子的な入力操作を行うための「5個の押釦」を総称したものであり、一方、本願発明の「数字入力用押釦」も、「5個配置」した「押釦」を総称したものであることは明らかであるから、引用発明の「機器」が「電子式操作部を備え」ることと、本願発明の「機器」に「数字入力用押釦を、12時の位置を1、3時の位置を2、6時の位置を3、9時の位置を4、中央の位置を5に設定して配置した」こととは、「機器」に「数字入力用押釦を配置した」ことである点で共通する。
(2)したがって、本願発明と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。
(一致点)
「アラビア数字を表示の押釦を5個配置して押釦に1と2と3と4と5の数字を個別表示し、入力数字に対し押釦を2度押す操作手順において入力数字1の操作手順を11、入力数字2の操作手順を12、入力数字3の操作手順を13、入力数字4の操作手順を14、入力数字5の操作手順を15、入力数字6の操作手順を51、入力数字7の操作手順を52、入力数字8の操作手順を53、入力数字9の操作手順を54、入力数字0の操作手順を55としてなる数字入力用押釦を配置した機器。」
(相違点)
「機器」に「数字入力用押釦を配置した」ことが、本願発明では、「12時の位置を1、3時の位置を2、6時の位置を3、9時の位置を4、中央の位置を5に設定して」行われたものであるのに対し、引用発明では、そのような態様で行われたものであることが特定されていない点。
2 判断
そこで、上記相違点について検討する。
1から5までの各数字入力用押釦を、12時の位置を1、3時の位置を2、6時の位置を3、9時の位置を4、中央の位置を5に設定して配置することについては、引用文献1には記載されておらず、本願の出願日前において周知技術であったともいえない。
また、引用発明における「5個の押釦」の配置が単なる設計的事項であるとする根拠は見いだせない。
一方、本願発明においては、各数字入力用押釦の配置を上記のものとすることにより、本願明細書の段落【0010】に記載されたとおりの作用効果が得られるものと解され、当該作用効果は引用発明から予測し得るものとはいえない。
以上を総合すると、上記相違点は実質的なものであって、本願発明は、引用文献1に記載された発明ではなく、また、本願発明は、当業者であっても引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 小括
よって、当審拒絶理由は解消した。
第7 原査定について
引用文献Aに記載された発明は引用発明と同一であり、また、本願発明の上記相違点に係る構成は引用文献Aには記載されていないから、上記第6の2と同様の理由により、本願発明は、引用文献Aに記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献Aに基づいて容易に発明をすることができたものではない。
よって、原査定を維持することはできない。
第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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