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商標異議申立

2018-900202

ジェットブラック、ジェット、ジェイイイテイ

審判番号
2018-900202
法域
商標
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
商願2016-111066
登録番号
商標登録第6039075号(T6039075)
請求日
2018年07月30日
審決日
2019年12月24日
公報発行日
2020年02月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】ジェット.コム,インコーポレイテッド
  • 【権利者代理人】稲葉 良幸
  • 【権利者代理人】田中 克郎
  • 【権利者代理人】石田 昌彦
  • 【異議申立人】ジェットブルー・エアウェイズ・コーポレイション
  • 【異議申立人代理人】山尾 憲人
  • 【異議申立人代理人】田中 陽介
審判長/審判官
  • 審判長 山田 正樹
  • 審判官 冨澤 美加
  • 審判官 小俣 克巳
分類
T1651.222-Y (W353942) / T1651.261-Y (W353942) / T1651.262-Y (W353942) / T1651.263-Y (W353942) / T1651.271-Y (W353942)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法4条1項11号商標法43条の3第4項
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

登録第6039075号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 登録第6039075号商標の商標登録を維持する。

理由

【理 由】 第1 本件商標 本件登録第6039075号商標(以下「本件商標」という。)は、「JET BLACK」の欧文字を標準文字で表してなり、2016年6月16日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成28年10月12日に登録出願、第35類「衣料品・飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,売主及び買主のための商品及び又は役務のオンライン市場に関する事業の管理・運営,他人の多種多様な消費財に関するオンライン市場に関する事業の管理・運営,電気通信ネットワークを介した商品の販売に関する情報の提供を含む電子商取引の受注管理,他人のためのオンラインによる広告・マーケティング及び販売促進のための企画及びその実行の代理,他人のためのオンラインによる広告の提供,インターネットのウェブサイトによる商品の販売に関する情報の提供,商品の選択及び購入する品物の選択に関する消費者への情報の提供及び助言,小売客に対する顧客ロイヤリティ及びインセンティブプログラムによる他人の商品の販売促進及び役務の提供の促進の企画及び実行の代理,コンピュータによるオンラインでの多種多様な商品及び役務に関する受注事務の代行,オンラインによる第三者のための商品の売買の仲介又は斡旋,コンピュータによるオンラインでの一般顧客用の商品の受注事務,電子商取引における顧客からの問い合わせ・相談・苦情に対する電話の受付・応答の代行,商品の受注・発注・納品などの商品販売に関する事務の代行,消費財の分野における商品の物流管理,サプライチェーンの管理,在庫管理」、第39類「商品の配送及び倉庫保管からなる物流管理,寄託を受けた物品の倉庫における保管,商品の保管・船舶輸送及び配達」及び第42類「他人のためのオンラインによる電子商取引のウェブサイトの設計・作成・保守及びホスティング,サーバーを介した電子商取引を促進するためのグローバルコンピュータネットワーク上のサーバーの開発及びホスティング,多種多様な消費財に関するオンライン市場の運営・管理用のコンピュータソフトウェアプラットフォームを特徴としたオンラインによるプラットフォーム用アプリケーションソフトウェアの提供(PAAS),オンライン市場から多種多様な消費財をブラウジング・閲覧・比較及び購入するためのコンピュータソフトウェアプラットフォームを特徴としたオンラインによるプラットフォーム用アプリケーションソフトウェアの提供(PAAS)」を指定役務として、同30年3月30日に登録査定、同年4月27日に設定登録され、その後、令和元年11月29日に、放棄による登録の一部抹消の申請がされた結果、第39類「商品の配送及び倉庫保管からなる物流管理,寄託を受けた物品の倉庫における保管,商品の保管・船舶輸送」について、放棄による一部抹消の登録がされたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する登録商標は、以下の1及び2であり、いずれも現に有効に存続しているものである。 1 登録第5296279号商標(以下「引用商標1」という。)は、「JETBLUE」の欧文字を標準文字で表してなり、平成19年11月29日に登録出願、第39類「航空機による旅客・小荷物・貨物の輸送,その他の航空機による輸送,航空機の座席の予約の媒介又は取次ぎ,輸送の予約,輸送の媒介又は取次ぎ,輸送のための小荷物・貨物のこん包,コンピュータネットワークによる航空機による輸送情報の提供,その他の航空機による輸送情報の提供,コンピュータネットワークによる主催旅行の企画又は実施に関する情報の提供,その他の旅行(宿泊に関するものを除く。)に関する情報の提供,主催旅行の企画又は実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,飛行場の提供」を指定役務として、同22年1月22日に設定登録されたものである。 2 登録第5296280号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成19年11月29日に登録出願、第39類「航空機による旅客・小荷物・貨物の輸送,その他の航空機による輸送,航空機の座席の予約の媒介又は取次ぎ,輸送の予約,輸送の媒介又は取次ぎ,輸送のための小荷物・貨物のこん包,コンピュータネットワークによる航空機による輸送情報の提供,その他の航空機による輸送情報の提供,コンピュータネットワークによる主催旅行の企画又は実施に関する情報の提供,その他の旅行(宿泊に関するものを除く。)に関する情報の提供,主催旅行の企画又は実施,旅行者の案内,旅行に関する契約(宿泊に関するものを除く。)の代理・媒介又は取次ぎ,飛行場の提供」を指定役務として、同22年1月22日に設定登録されたものである。 以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは「引用商標」という。 第3 登録異議の申立ての理由 1 理由の要点 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は、「JET BLACK」の文字からなる。 他方、引用商標1は、「JETBLUE」の文字からなり、引用商標2は「B」の大文字がデザイン化された「jetBlue」の文字からなる。 本件商標と引用商標は、語頭に位置する「JET」において共通し、称呼、外観及び観念上相紛らわしい。 したがって、本件商標と引用商標は類似する。 また、その指定役務も引用商標の指定役務と同一又は類似する。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 (2)商標法第4条第1項第15号該当性について 引用商標は、申立人の業務に係る役務を表示する商標として、1998年から現在に至るまで、継続的に使用されてきたものである。 その結果、引用商標は、遅くとも本件商標の登録出願日である平成28年10月12日には、関連する需要者及び取引者の間で周知著名に至っていたというべきであり、その周知・著名性は、現在に至るまで維持されている。 また、本件商標に係る指定役務は、それぞれ、申立人の業務に係る役務と密接に関連する。 引用商標は、申立人独自の創作により採択された創造商標であり、かつ、ハウスマークとして使用されているものである。 本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示する商標として、需要者及び取引者の間で広く知られている引用商標と類似する。 したがって、本件商標をその指定役務に使用した場合、これに接した需要者及び取引者は、申立人又は同人と資本関係若しくは業務提携関係を有する者の業務に係る役務であるかのように役務の出所について混同を生ずるおそれがある。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。 (3)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標は、申立人の業務に係る役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている引用商標と同一又は類似する。 また、本件商標権者は、アメリカ企業であることから、引用商標が申立人によって採択され、使用されているものであることを、本件商標の登録出願時において認識していたことは明らかである。 したがって、本件商標に係る出願は、不正の目的をもって行われたものである。 よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。 第3 当審の判断 1 引用商標の周知著名性について (1)申立人が提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。 ア 申立人は、1998年8月にアメリカ合衆国のデラウェアにて設立された格安航空会社であり、従業員数は21,000人以上、アメリカ合衆国(101都市)の国内線に加え、メキシコ、カリブ海諸国、南米北部へ国際線を運行しており、年間の輸送乗客数は4,000万人以上、一日あたり平均1,000便が運航している(甲4)。 また、「AEROWEB/FI-AEROWEB.COM」と称するウェブサイトによれば、アメリカにおける申立人の市場シェアは、4.7%、乗客数は4,013万人で、総合第5位とされており(甲5)、同社のアニュアルレポート(2011年~2017年)における売上高、純利益、販売宣伝費は、右肩上がりに推移している(甲4、甲5、甲6の1~甲6の7)。 しかしながら、これらの数値を裏付ける証拠の提出はない。 イ 申立人は、2017年には、「Best U.S. Airline」に選出されるなど、数々の賞を受賞している(甲7)。 しかしながら、これらの主張を裏付けるために提出された証拠は、これらの賞がどのような選考基準に基づいて選出された賞であるか等、具体的な内容が不明であるばかりでなく、その受賞の事実を裏付ける証拠の提出はない。 ウ 申立人は、現時点では日本市場には参入していないものの、日本航空(ニューヨーク発着、サンフランシスコ発着及びボストン発着便)及び全日空とはコードシェア便を有している(甲8の1、甲8の2、甲9の1及び甲9の2)。 しかしながら、申立人が提出した証拠は、日本航空のコードシェア便については、1日わずか8便であること、また、全日空のコードシェア便については、コードシェア便の本数が不明であるばかりでなく、いずれの証拠もコードシェア便に引用商標をどのように使用しているか把握することはできない(甲8の1及び甲8の2)。 エ 申立人は、日本からの申立人のコードシェア便の搭乗者数について、 日本航空において、2015年は13,747人、2016年は11,094人、2017年は11,185人、2018年は10,959人、全日空において、2015年は2,038人、2016年は2,058人、2017年は2,031人、2018年は1,670人である旨主張する。 しかしながら、日本からの申立人のコードシェア便の搭乗者数については申立人が主張するのみで、その主張を裏付ける証拠の提出はない。 オ 申立人は、社名の一部でもある引用商標を申立人のウェブサイト、保有する旅客機やチェックインカウンターに使用しているほか、水筒等のグッズ、ツアー旅行、クレジットカードの提供にも使用している(甲10の1~甲10の5、甲18の1及び甲18の2)。 しかしながら、「水筒」等のグッズ、ツアー旅行、クレッジトカードの提供について、その販売個数、売上額等が客観的に把握できる証拠の提出はない。 カ 申立人は、申立人のウェブサイトにおいて、オンライン上で日本からも航空券の予約ができ(甲10の1)、日本からの予約者は、2015年は1,090人、2016年は2,588人、2017年は2,696人、2018年は1,473人である旨主張する。 しかしながら、日本からの航空券の予約者数については、申立人が主張するのみで、その予約者数を裏付ける証拠の提出はない。 キ 申立人は、日本の全国紙の新聞や複数のメディアに紹介されており、引用商標は、我が国においても周知となっている旨主張する(甲11の1~甲11の20)。 しかしながら、当該新聞記事等には、片仮名で「ジェットブルー」と表示されており、「JETBLUE」、「jetBlue」の欧文字のみの使用は見いだせないことから、直ちに引用商標が本件商標の登録出願時に既に需要者の間に広く認識されていたとはいい難い。また、当該新聞記事等には、本件商標の登録出願日以降のものが相当数含まれている。 ク 申立人は、我が国と同様に、直行便を運航していない国々において、第三者により無断で出願された商標に対して、異議申立てを行っており、韓国・キューバ・チリでは、引用商標の周知・著名性が認められ、第三者による商標登録出願が最終的に取り消されている旨主張する(甲13~甲15)。 しかしながら、当該商標は、本件商標とは構成文字が相違するものであること、また、その取り消された判断の基準、判断過程及び根拠等が明らかではなく、そもそも外国における判断に当審が拘束されるものではない。 (2)判断 上記(1)によれば、申立人は、主に航空機による輸送サービスを行っているところ、「航空機の機体」、「チェックインカウンター」や「アニュアルレポート」、「申立人のウェブサイト」、「水筒」等のグッズには引用商標が使用されていることが確認できる(甲10の2~甲10の5)。 しかしながら、申立人は、現時点では日本市場に参入していないものであり、また、アニュアルレポートは、外国語で作成されたものであることに加え、その配布範囲、配布方法や配布部数も不明である。 さらに、申立人のサービス(航空機による輸送)にしても、我が国の利用者は限られているとみるのが相当である。 また、引用商標に関する宣伝広告の回数や宣伝広告費の額等、水筒等のグッズ、ツアー旅行の実施、クレジットカードの提供等の販売個数、実施回数や具体的な役務の提供内容、売上高等、我が国及び外国における引用商標の周知・著名性を数量的に判断し得る客観的な証拠は提出されていない。 してみれば、我が国の取引者、需要者の間には、引用商標の存在を認識し ていた者もいたといい得るとしても、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に、広く認識されていたとまでは認めることはできない。 2 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標について 本件商標は、前記第1のとおり、「JET BLACK」の欧文字よりなるところ、「JET」と「BLACK」の文字の間に1文字分のスペースを有するとしても、同じ大きさ、同じ書体でまとまりよく書されたものであり、その構成文字全体より生ずる「ジェットブラック」の称呼も無理なく一連に称呼できるものである。 そして、本件商標は、「漆黒、真っ黒」の意味を表す英単語「jetblack」とそのつづりを同じくするものであることからすれば、その全体より「漆黒、真っ黒」の意味合いを理解させるものとみるのが相当である。 なお、本件商標構成中の「BLACK」の欧文字が、それ自体で色彩を表す英単語であるとしても、その指定役務との関係において、「BLACK」が役務の具体的な質等を表すとみるべき事情は見いだせないことから、該文字が自他役務の識別標識としての機能を有しないとはいえない。 その他、本件商標構成中の「JET」の欧文字が、本件商標において、強く支配的な印象を与えるものとみるべき理由も見いだせない。 してみれば、本件商標は、その構成全体を不可分一体のものとして捉えるべきであり、ことさら、その構成中の「JET」の文字部分を抽出して、これを他の商標と比較し、商標自体の類否を判断することは許されないと判断するのが相当である。 したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ジェットブラック」の称呼及び「漆黒、真っ黒」の観念を生ずるものである。 (2)引用商標について 引用商標は、それぞれ、前記第2の1及び2のとおり、「JETBLUE」又は「jetBlue」の欧文字よりなるところ、その構成文字は、まとまりよく一体に書されたものであり、その構成文字全体より生ずる「ジェットブルー」の称呼も無理なく一連に称呼できるものである。 そして、「JET」の文字は、英語で「ジェット機」の意味を有し、引用商標の第39類の指定役務中「航空機による旅客・小荷物・貨物の輸送,航空機による輸送」等、航空機に係る役務との関係において、役務の提供の用に供する物といえるから、自他役務の識別標識の機能を有していないか、極めて弱いものといえる。 なお、引用商標構成中の「BLUE」及び「Blue」の欧文字が、それ自体で色彩を表す英単語であるとしても、その指定役務との関係において、「BLUE」及び「Blue」が役務の具体的な質等を表すとみるべき事情は見いだせないことから、該文字が自他役務の識別標識としての機能を有しないとはいえない。 さらに、前記1のとおり、引用商標の周知著名性は認められないものであって、まして、引用商標が「JET」又は「jet」と略称されて周知であるというような事情も見いだすことはできない。 してみれば、引用商標は、その構成全体を不可分一体のものとして捉えるべきであり、ことさら、その構成中の「JET」の文字部分を抽出して、これを他の商標と比較し、商標自体の類否を判断することは許されないと判断するのが相当である。 したがって、引用商標は、その構成文字に相応して、「ジェットブルー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 (3)本件商標と引用商標との類否について ア 外観について 本件商標と引用商標は、前半部の3文字のつづりを共通にするものの、後半部において「BLACK」と「BLUE」又は「Blue」の文字の顕著な差異を有することから、外観上判然と区別し得るものである。 イ 称呼について 本件商標から生じる「ジェットブラック」の称呼と引用商標から生じる「ジェットブルー」の称呼とは、後半部の「ブラック」と「ブルー」という顕著な差異により、それぞれを一連に称呼するときは、明瞭に聴別することができるものである。 ウ 観念について 本件商標は、「漆黒、真っ黒」の観念を生ずるのに対し、引用商標は、特定の観念を生じないものであるから、両者は、観念において、紛れるおそれはない。 エ 類否判断について 以上によれば、本件商標と引用商標とは、観念において、紛れるおそれがなく、外観及び称呼において明らかに異なるものであるから、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標である。 (4)小括 上記のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、役務の類否について判断するまでもなく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 3 商標法第4条第1項第15号該当性について (1)引用商標の周知著名性について 引用商標は、上記1(2)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国において、本件商標の指定役務の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることはできないものである。 (2)本件商標と引用商標の類似性の程度について 上記2のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であって、その印象が明らかに異なる別異の商標というべきものであるから、両者の類似性の程度は高くはない。 (3)引用商標の独創性について 引用商標は、我が国でも知られている「ジェット機」及び「青色」の意味を有する英単語「JET(jet)」及び「BLUE(Blue)」の文字を組み合わせたにすぎないから、その独創性の程度は高いとはいえない。 (4)役務の関連性、需要者の共通性について 引用商標の指定役務中「航空機による旅客・小荷物・貨物の輸送」と本件商標の第39類の指定役務中「商品の配送及び倉庫保管なる物流管理,商品の保管・船舶輸送及び配達」は、共に輸送に関する役務であることからすれば、これらの役務は関連性を有するものであって、需要者も共通する場合があるといえる。 (5)小括 引用商標の指定役務は、本件商標の指定役務と関連性を有する役務を含むものであって、需要者が共通する場合があるとしても、引用商標は、上記1(2)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く知られているとはいえないものであって、また、本件商標と引用商標は、上記(2)のとおり、類似性の程度は高いとはいえないものである。 してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起することはなく、その役務が他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように、その役務の出所について混同を生じるおそれはないというべきである。 その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 4 商標法第4条第1項第19号該当性について 引用商標は、上記1(2)のとおり、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されていた商標とは認められないものであり、また、上記2のとおり、本件商標と引用商標は、互いに紛れるおそれのない非類似の商標である。 その他、申立人が提出した証拠を総合してみても、本件商標の商標権者が、引用商標の名声や信用についてフリーライドする又は稀釈化するなど、不正の目的をもって本件商標の使用をするものと認めるに足りる事実を示す具体的、客観的な証拠を見いだすことはできない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 5 申立人の主張について 本件商標は、その構成文字中に「BLACK」の文字、引用商標は、その構成文字中に「BLUE」又は「Blue」の文字を有しているところ、一般に「BLACK」、「BLUE」、「RED」といった色彩を表す英単語は、我が国においても多用されており、商品の品質や役務の質を表したものと容易に理解、把握されるとして、該文字部分は、自他役務の識別力を有しないか、極めて弱いものと考えられるから、本件商標及び引用商標の自他役務識別機能を果たす部分(要部)は、語頭の「JET」又は「jet」である旨主張する。 しかしながら、色彩を表す英単語が、本件商標及び引用商標の指定役務の質を具体的に表すとみるべき特段の事情は見いだせないばかりでなく、申立人においても、色彩を表す英単語が、指定役務の質であることを主張するのみで、それに係る具体的な証拠の提出はない。 また、「JET」又は「jet」の文字部分が、英語で「ジェット機」を意味するものであるとしても、本願商標及び引用商標は、共に「JET BLACK」及び「JETBLUE」並びに「jetBlue」の構成文字全体をもって認識されるとみるのが自然であることは、上記2のとおりである。 したがって、申立人の主張は、採用することはできない。 6 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも該当するものでなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-900202

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