商標異議申立
2022-900258
アービー、ユウアアルビイイイ、ユウアアルビイ
- 審判番号
- 2022-900258
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 商願2021-052197
- 登録番号
- 6543097
- 請求日
- 2022年06月17日
- 審決日
- 2023年05月22日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】アーバン エレクトリック コー.
- 【異議申立人】ウーバー テクノロジーズ,インコーポレイテッド
- 【異議申立人代理人】稲葉 良幸
- 【異議申立人代理人】田中 克郎
- 【異議申立人代理人】石田 昌彦
- 【異議申立人代理人】栗下 清治
- 審判長/審判官
- 審判長 旦 克昌
- 審判官 小林 裕子
- 審判官 馬場 秀敏
- 分類
- T1651.25 -Y (W091235394142) / T1651.261-Y (W091235394142) / T1651.262-Y (W091235394142) / T1651.263-Y (W091235394142) / T1651.222-Y (W091235394142) / T1651.271-Y (W091235394142)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法4条1項10号商標法4条1項11号商標法4条1項15号商標法4条1項19号商標法43条の2商標法43条の3第4項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第4条第1項第10号、商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号、商標法第4条第1項第19号
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
登録第6543097号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。
結論
結 論
登録第6543097号商標の商標登録を維持する。
理由
理 由
1 本件商標
本件登録第6543097商標(以下「本件商標」という。)は、「URB-E」の欧文字を書してなり、第9類、第12類、第35類、第39類、第41類及び第42類に属する別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務とし、2020年(令和2年)10月29日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づき、パリ条約第4条による優先権を主張して、登録出願され、令和4年3月22日に登録査定、同年4月11日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5658207号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:UBER(標準文字)
登録出願日:平成25年1月28日
設定登録日:平成26年3月20日
指定役務:第38類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務
(2)登録第6363305号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:UBER
登録出願日:令和元年5月9日
優先権主張:2019年(平成31年)3月6日(アメリカ合衆国)
設定登録日:令和3年3月15日
指定商品・役務:第12類、第39類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務
以下、これらをまとめて「引用商標」という場合がある。
3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第130号証を提出した。
(1)申立人と引用商標の周知性について
申立人は、2009年に米国で設立されたテクノロジー企業である。申立人は、主にオンデマンドの配車サービスや料理の配達サービスに関するプラットフォームを提供している。申立人は、サンフランシスコに本社を置き、世界70カ国、10,000以上の都市圏で事業を展開している(甲4)。2019年の上場時の時価総額は697億ドルに上り(甲5)、通期売上が112.7億ドルで、年間の総取扱高は498億ドルであり、月間のアクティブユーザー数が9100万人と推定されている(甲6)。申立人は、ギグエコノミーのパイオニアであり、世界最大手のひとつである。
日本では、申立人は、2014年3月に配車サービスに関するプラットフォームの提供を開始し、2016年9月に料理の配達サービスに関するプラットフォームの提供を開始した。その後、継続して、引用商標を両プラットフォームに使用している。ただし、料理の配達サービスに関しては、引用商標と「Eats」の文字を、それぞれ異なる色で表しつつ、併記する形で使用している。
申立人のサービス利用者は、申立人の提供するアプリケーションをダウンロードし、このアプリケーションを介してサービスの提供を受ける。配車サービスの利用者には配車サービス用のアプリケーションが(甲7)、料理配達サービスの利用者には料理の配達サービス用のアプリケーションが(甲8)、それぞれ提供されている。例えば、2020年3月時点の配車サービス用のアプリケーションの日本におけるユーザ数は約50万人で(甲9)、2021年4月時点の料理の配達サービス用のアプリケーションの日本におけるユーザ数は約450万人である(甲10)。現状、配車サービス及び料理の配達サービスの提供地域は、日本の各地に及ぶ(甲4、甲11)。
2021年時点で、日本での料理の配達サービスの加盟店は、10万店を超え(甲12)、その配達パートナーは、13万人以上となっている(甲13)。
また、申立人は、その宣伝広告の一環として、ソーシャルネットワーキングサービスも活用しており、例えば、配車サービスに関する動画チャンネルの登録者数は、65万人以上(甲14)、料理の配達サービスに関する動画チャンネルの登録者数は、約24万人以上となっている(甲15)。
このように、申立人は、配車サービスや料理の配達サービスのプラットフォームに関して、全国規模での継続的な使用、多数のメディア掲載(甲16~甲128)等の結果、引用商標の周知著名性は極めて高いものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、「URB-E」の欧文字を横書きしてなるものである。本件商標は、造語と認識され、「アーブイー」の称呼が生じ、特定の観念は生じない。
イ 引用商標について
引用商標は、「UBER」の欧文字を横書きしてなるものである。引用商標は、造語であり、「ウーバー」の称呼が生じる。引用商標は、周知著名性が極めて高く、申立人の配車サービスや料理の配達サービスに関するプラットフォームを想起させる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標は、「U」、「R」、「B」、「E」の4つのアルファベットから構成される点が共通し、特に目につきやすい語頭に「U」の文字が配置されている点でも共通するため、両者は、外観上、極めて紛らわしい。
本件商標からは「アーブイー」の称呼が生じるのに対して、引用商標からは「ウーバー」の称呼が生じる。両称呼は、語頭音が母音で、第2音が長音で、第3音が濁音で、語尾音が長音である点が共通し、語感が近似する。したがって、両者は、称呼上、極めて紛らわしい。
本件商標は造語である。他方、引用商標からは、申立人の配車サービスや料理の配達サービスに関するプラットフォームが想起される。引用商標の極めて高い周知著名性を考慮すると、本件商標と引用商標とを、観念上、混同する可能性は極めて高い。
以上のとおり、本件件標は、引用商標と、外観、称呼及び観念のいずれにおいても紛らわしく、両者は類似と判断される。
エ 指定商品・役務の類否
本件商標は、第12類「貨物輸送用トレーラー,自動車並びにその部品及び附属品」、第39類「事業に関する在庫のための輸送用乗物・トレーラー及び輸送中の貨物・配達用コンテナの追跡及びこれに関する情報の提供,貨物の輸送,配達及び移動用の乗物(スクーター・電動自転車・トレーラー及びカート)の分野における貸与,様々な輸送形式による商品の回収・輸送及び配達(輸送及び配達),鉄道による輸送,車両による輸送,船舶による輸送,航空機による輸送,貨物の輸送の媒介,自動車の貸与,自転車の貸与」、第42類「認証基準との適合性を判定するための、運転及び物流管理の分野における他人の知識・技能及び能力の試験・分析及び評価」を指定する。引用商標は、例えば、第12類「自動車」、第39類「商品の輸送及び配達,輸送用乗物の貸与」及び第42類「科学的及び技術的な研究開発」を指定する。
そうすると、本件商標の指定商品・役務と、引用商標の指定商品・役務とは、相互に類似する。
以上によれば、本件商標は、引用商標に類似し、その指定商品・役務と同一又は類似の商品・役務について使用するものであるため、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用商標は、上記のとおり、申立人の配車サービスや料理の配達サービスに関するプラットフォームについての全国規模での継続的な使用、多数のメディア掲載等の結果、引用商標の周知著名性は極めて高いものとなっている。
また、本件商標は、引用商標と、外観、称呼及び観念において紛らわしく、両者は類似と判断される。
本件商標は、第9類の「物流管理用のダウンロード可能なコンピュータオペレーティングソフトウェア,配達経路の決定・配達依頼及び配達追跡用のソフトウェア(物流管理の分野におけるダウンロード可能なコンピュータソフトウェア),電子計算機用プログラム」を指定商品とする。
一方、申立人は、引用商標を使用して、申立人の配車サービスや料理の配達サービスに関するアプリケーションを提供している。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標の使用商品とは、相互に類似する。
以上によれば、本件商標は、周知著名な引用商標に類似し、その使用商品と同一又は類似の商品を指定するものであるため、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、上記のとおり、申立人の配車サービスや料理の配達サービスに関するプラットフォームについての全国規模での継続的な使用、多数のメディア掲載等の結果、引用商標の周知著名性は極めて高いものとなっている。
引用商標は、本来的に、造語であり、その独創性は高い。
本件商標は、引用商標と、外観、称呼及び観念において紛らわしく、両者の類似性は相当高いと判断される。
また、上記(2)エ及び(3)のとおり、本件商標の指定商品・役務は、引用商標の指定商品・役務及び使用商品と類似する。
以上のとおり、本件商標は引用商標とは類似性が高く、引用商標の周知著名性及び独創性の程度も高く、本件商標の指定役務と引用商標に係る指定商品等とは関連性が高いため、本件商標に接する需要者・取引者は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品又は役務であると誤認し、出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第19号について
引用商標は、申立人の配車サービスや料理の配達サービスに関するプラットフォームについての全国規模での継続的な使用、多数のメディア掲載等の結果、引用商標の周知著名性は極めて高いものとなっている。また、引用商標は、本来的に、造語であり、その独創性は高い。
本件商標の商標権者は、小型のコンテナを利用した輸送サービスを提供する米国法人である(甲129)。申立人と本件商標の商標権者はともに、米国において、輸送関連のサービスを提供するもので、同業者である。そうすると、本件商標の商標権者は、当然に、周知著名である申立人の引用商標の存在を知っていたはずである。現に、本件商標の商標権者は、ソーシャルネットワーキングサービス「Twitter」のアカウントで、引用商標と極めて紛らわしい「@urberides」というユーザ名を使用している(甲130)。
これらのことから、本件商標の商標権者には不正の目的が推認されるのみならず、引用商標の出所表示機能を稀釈化させるおそれがある。
以上のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標と類似の商標であって、不正の目的をもって使用するものであるため、商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の提出に係る証拠及び申立人の主張によれば、以下のとおりである。
(ア)申立人は、2009年に米国で設立されたテクノロジー企業であって、主にオンデマンドの配車サービスや料理のデリバリーサービスに関するプラットフォームを提供している(主張、甲4)。
(イ)日本において、申立人は、2014年3月に配車サービスに関するプラットフォームの提供を開始し、2016年9月に料理のデリバリーサービスに関するプラットフォームの提供を開始し、料理のデリバリーサービスに関しては、引用商標と「Eats」の文字を、それぞれ異なる色で表しつつ、併記する形で使用している(主張)。
(ウ)申立人のサービス利用者は、申立人の提供するアプリケーションをダウンロードし、このアプリケーションを介してサービスの提供を受ける(甲7、甲8)。2021年4月時点の料理のデリバリーサービス用のアプリケーションの日本におけるユーザ数は約450万人である(甲10)。
(エ)申立人は、その宣伝広告の一環として、ソーシャルネットワーキングサービスも活用しており、例えば、配車サービスに関する動画チャンネルの登録者数は、65万人以上となっており(甲14)、料理のデリバリーサービスに関する動画チャンネルの登録者数は、約24万人以上となっている(甲15)。
また、申立人は、配車サービスや料理のデリバリーサービスのプラットフォームに関して、メディア掲載をしている(甲16~甲128)。
イ 上記アによれば、申立人は、配車や料理のデリバリーサービス及びそれらのプラットフォームに関して、引用商標を使用し宣伝広告し、その利用者も相当数であることから、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されているものと認められる。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、前記1のとおり、「URB-E」の文字を同書同大同間隔にまとまりよく一体に表してなり、当該文字に相応して、「アーブイー」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないから、一種の造語といえるものであって、特定の観念は生じない。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「UBER」の欧文字を書してなり、その構成文字に相応して、「ウーバー」の称呼を生じ、上記(1)のとおり、配車や料理のデリバリーサービス及びそれらのプラットフォームを表示するものとして広く知られているから、「デリバリーサービスのUBER」程の観念を生じるといえる。
ウ 本件商標と引用商標の類否
本件商標は、「URB-E」の文字からなり、一方、引用商標は、「UBER」の欧文字からなり、構成する4文字が共通しているとしても、文字の並びが相違し、ハイフンの有無に差異を有するものであるから、外観上明らかに相違する。
また、本件商標から生じる「アーブイー」の称呼と引用商標から生じる「ウーバー」の称呼は、それぞれを一連に称呼しても、語調、語感が相違し、称呼上類似しない。
さらに、観念においては、本件商標は、特定の観念は生じないというべきである一方、引用商標からは、「デリバリーサービスのUBER」程の観念が生じるから、両者は、観念において相紛れるおそれがあるとはいえない。
以上からすると、本件商標と引用商標は、外観において判然と区別し得るものであり、称呼において、明確に聴別し得るものであり、観念において相紛れるおそれはないものであるから、両商標の称呼、外観、観念等によって、取引者、需要者に与える印象、記憶連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似のものというべきである。
したがって、本件商標と引用商標の指定商品及び指定役務とが同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
そうすると、引用商標が、申立人の業務に係る配車や料理のデリバリーサービス及びそれらのプラットフォームに関する商品及び役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されているものと認められるとしても、本件商標は、第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の著名性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国における需要者の間に広く認識されているものと認められる。
イ 本件商標と引用商標の類似性について
本件商標と引用商標とは、上記(2)のとおり、外観、称呼及び観念において相紛れるおそれのない非類似の商標というべきであるから、本件商標と引用商標の類似性の程度は低いものといえる。
ウ 出所の混同のおそれについて
上記ア及びイのとおり、引用商標は、申立人の取扱いに係る商品及び役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標と引用商標の類似性の程度は低いことからすれば、本件商標に接する取引者、需要者が、申立人の業務に係る引用商標を連想又は想起するものということはできない。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品及び役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品及び役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情も見いだせない。
エ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第19号該当性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間で、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、広く認識されていたといえる。
そして、申立人は、本件商標権者が申立人と同業者であって、「Twitter」のアカウントで、「@urberides」というユーザ名を使用している(甲129、甲130)ことをもって、不正の目的が推認でき、引用商標の出所表示機能を希釈化させるおそれがある旨主張する。
しかしながら、たとえ、本件商標権者の上記使用があるとしても、これをもって、直ちに不正目的であるといえず、その他、本件商標権者が引用商標にフリーライドするなど不正の目的をもって本件商標を使用するものであると認めるに足りる事実を見いだすこともできない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であることに加え、本件商標権者が引用商標の出所表示機能を希釈化させることを認識し、本件商標を不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものと認めるに足りる具体的事実があるということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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