特許訂正審判
2018-390077
電気機器のための内部アーク管理及び換気
- 審判番号
- 2018-390077
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2016-527980外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年05月07日
- 審決日
- 2018年08月03日
- 公報発行日
- 2018年10月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】シュナイダー エレクトリック ユーエスエイ インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】粟野 晴夫
- 分類
- P141 .852-Y (H02B) / P141 .854-Y (H02B) / P141 .855-Y (H02B) / P141 .856-Y (H02B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条5項特許法126条6項特許法126条7項特許法184条の19
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第184条の19、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第126条、特許法第131条の2第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6306701号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6306701号の明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6306701号(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2013年7月17日を国際出願日とする外国語特許出願(PCT/US2013/050797(以下、「国際出願」という。) 特願2016-527980号)であって、その請求項1ないし20に係る発明について、平成30年3月16日に特許権の設定登録がされたものである。
そして、平成30年5月7日に本件訂正審判の請求がなされ、同年6月1日付けで訂正拒絶理由が通知され、同年7月12日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
第2 審判請求書及び訂正明細書の補正及びその適否
当審において平成30年6月1日付けの訂正拒絶理由で訂正事項1は特許法第126条第1項ただし書各号のいずれをも目的としたものではない旨を通知した。
特許権者は平成30年7月12日に審判請求書及び訂正明細書を補正する手続補正書を提出した。当該手続補正書による補正の内容は以下のとおりである。
訂正事項1の削除
審判請求書に添付された訂正明細書の段落0017に記載した「クラスタシールド308a-308cは」を、本件訂正審判の請求前の「クラスタシールド308は」に戻すとともに、審判請求書の「6.請求の理由」の欄の(2)ア 訂正事項1、及び(3)ア 訂正事項1を削除する。
上記訂正事項1の削除は審判請求書の要旨を変更するものではない。
したがって、特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、上記補正を認める。
これにより、当審による訂正拒絶理由は解消した。
第3 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6306701号の明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
請求人が求めている訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。
1 訂正事項2
明細書の段落0017に記載した「アークチャネル120a-10c」を、「アークチャネル120a-120c」に訂正する。
2 訂正事項3
明細書の段落0018に記載した「アークが生じない場合には」を、「アークが生じる場合には」に訂正する。
3 訂正事項4
明細書の段落0019に記載した「アークチャネル120は」を、「アークチャネル120a-120cは」に訂正する。
4 訂正事項5
明細書の段落0031に記載した「ケーブル226を」を、「ケーブル229を」に訂正する。
第4 当審の判断
1 訂正事項2
(1)訂正の目的の適否について
明細書の段落0013、0015及び0016には「アークチャネル120a-120c」という記載があり、【図2】、【図3】及び【図4】には120a、120b及び120cという符号が隣接して記載されている。
よって、明細書の段落0017に記載された「アークチャネル120a-10c」は、「アークチャネル120a-120c」の誤記であることは明白であるから、訂正事項2に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正である。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号の「誤記又は誤訳の訂正」を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項2に係る訂正後の「アークチャネル120a-120c」との記載に関し、国際出願日における国際出願の明細書の段落[0025](明細書の段落0017に対応)には「the arc channels 120a-120c」という記載があるから、訂正事項2に係る訂正は、国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面(以下、「本件国際出願時明細書等」という。)に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項2に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)独立特許要件
訂正事項2に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正であり、訂正事項2による訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし20に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明と同一であるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
2 訂正事項3
(1)訂正の目的の適否について
本件国際出願時明細書等の明細書の段落[0026](明細書の段落0018に対応)の冒頭には「If an arc does occur, the arc channels are designed to prevent the arc from being sustainable by drawing out the arc along a certain geometry including a cross sectional area and a sufficient length L from the energized contact to the exhaust channel. 」と記載されているが、明細書の段落0018の冒頭には「アークが生じない場合には、アークチャネルは、アークをその横断面積及び給電接点から排気チャネルまでの十分な距離Lを含む所定の幾何学寸法に沿って引き伸ばすことによってアークが維持できなくなるように設計される。」と記載されている。
ここで、英文明細書の「If an arc does occur,」の正しい翻訳は「アークが生じる場合には、」と認められるから、本件特許の明細書の段落0018の冒頭の「アークが生じない場合には、」との翻訳は、「アークが生じる場合には、」の誤訳であることは明白である。
そうすると、訂正事項3に係る訂正は、明細書中の明白な誤訳を本来の翻訳に正す訂正である。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号の「誤記又は誤訳の訂正」を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項3に係る訂正後の「アークが生じる場合には、」との記載に関し、上記(1)における検討より、訂正事項3に係る訂正は、本件国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項3に係る訂正は、明細書中の明白な誤訳を本来の翻訳に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)独立特許要件
訂正事項3に係る訂正は、明細書中の明白な誤訳を本来の翻訳に正す訂正であり、訂正事項3による訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし20に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明と同一であるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかである。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
3 訂正事項4
(1)訂正の目的の適否について
明細書の段落0013、0015及び0016には「アークチャネル120a-120c」という記載があり、【図2】、【図3】及び【図4】には120a、120b及び120cという符号が記載されている。
よって、明細書の段落0019に記載された「アークチャネル120」は、「アークチャネル120a-120c」の誤記であることは明白であるから、訂正事項4に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正である。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条ただし書第2項の「誤記又は誤訳の訂正」を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項4に係る訂正後の「アークチャネル120a-120c」との記載に関し、本件国際出願時明細書等の明細書の段落[0021]、[0023]、[0024]及び[0025](明細書の段落0013、0015、0016及び0017に対応)には「arc channels 120a-120c」という記載があるから、訂正事項4に係る訂正は、本件国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項4に係る訂正は 、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)独立特許要件
訂正事項4に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正であり、訂正事項4による訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし20に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明と同一であるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかである。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
4 訂正事項5
(1)訂正の目的の適否について
明細書の段落0030には「ケーブル229」及び「上部導管226a-226c」という記載があり、【図7】には上方にある上部導管226b及び226cと、下方にある遮断機220の間を接続するように、ケーブル229が描かれている。
よって、明細書の段落0031に記載された「遮断機220とそれぞれの導管226b,226cとの間でケーブル226を経路指定する」の「ケーブル226」は「ケーブル229」の誤記であることは明白であるから、訂正事項5に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正である。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号の「誤記又は誤訳の訂正」を目的としたものに該当する。
(2)新規事項の有無について
訂正事項5に係る訂正後の「ケーブル229」との記載に関し、本件国際出願時明細書等の明細書の段落[0038](明細書の段落0030に対応)には「cables 229」という記載があるから、訂正事項5に係る訂正は、本件国際出願時明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項の規定を満たすものである。
(3)特許請求の範囲の拡張又は変更の有無について
訂正事項5に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正であるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定を満たすものである。
(4)独立特許要件
訂正事項5に係る訂正は、明細書中の明白な誤記を本来の記載に正す訂正であり、訂正事項5による訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし20に係る発明は、拒絶すべき理由を有しないとして特許された訂正前の特許発明と同一であるから、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明ではないことは明らかである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定を満たすものである。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判に係る訂正は、特許法第126条ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、同法第184条の19の規定により読み替えて適用する同法第126条第5項並びに同法第126条第6項及び第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
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