特許訂正審判
2018-390054
2相ハイブリッド型ステッピングモータ
- 審判番号
- 2018-390054
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-068307
- 登録番号
- 特許第6285623号(P6285623)
- 請求日
- 2018年03月14日
- 審決日
- 2018年06月25日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】ミネベアミツミ 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 藤井 昇
- 審判官 久保 竜一
- 審判官 堀川 一郎
- 分類
- P141 .852-Y (H02K)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第131条の2第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6285623号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6285623号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6285623号(以下「本件特許」という。)は、平成24年3月23日の出願であって、平成30年2月9日にその特許権の設定登録(請求項の数2)がなされたものである。
そして、平成30年3月14日付けで本件訂正審判の請求がなされ、平成30年5月2日付けで訂正拒絶理由が通知され、平成30年5月18日付けで意見書が提出され、さらに平成30年5月25日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたものである。
第2 平成30年5月25日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)の適否について
1.本件補正の内容
本件補正は、平成30年5月2日付けの訂正拒絶理由において特許法第126条第1項ただし書各号に掲げる事項を目的とするものではないと指摘し、本件審判請求書の「6 請求の理由」に記載がなかった訂正事項3及び4について、本件審判請求書に添付された訂正明細書の記載を設定登録時の明細書の記載に戻すものである。
2.本件補正の適否の判断
本件補正の内容は、訂正事項の削除に該当し、審判請求書の要旨を変更するものではなく、特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正を認める。
第3 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6285623号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第4 本件訂正内容
本件訂正の内容は、次のとおりである。
1.訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に
「ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつロータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、」と記載されているのを、
「ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつステータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2も同様に訂正する)。
2.訂正事項2
明細書の段落0010(課題を解決するための手段)に「ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつロータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、」と記載されているのを、
「ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつステータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、」に訂正する。
第5 当審の判断
1.訂正の目的の適否について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1及び明細書の段落0010の「ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつロータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であ」るとの記載は、ロータ内径がロータ外径より大きいことを意味するから、技術的に不合理である。さらに、本件特許に係る出願の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件特許明細書等」という。)には、特許請求の範囲の請求項1及び明細書の段落0010の当該記載以外に、ロータ内径に関する記載はない。
一方、訂正後の特許請求の範囲の請求項1及び明細書の段落0010の「ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつステータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であ」るとの記載は、ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された8個の突極を有するステータの内径がロータ外径より大きいことを意味するから、技術的に不合理ではない。さらに、特許請求の範囲の請求項1及び明細書の段落0010以外の本件特許明細書等には、本件特許に係る発明を実施するための形態として、
「外周面に複数のロータ小歯が等ピッチで配設されたロータと、(段落0019,0025,0026)
ステータ外径が42mmであり、ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつステータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、当該ロータの外周面と空隙を介して対向するように配設された6個のステータ小歯を設けた8個の突極を有するステータと、(段落0019,0022,0023,0044)
を備えた2相ハイブリッド型ステッピングモータであって、(段落0022)
前記ステータ小歯は、所定のステータ歯厚を有し、6.9度の円弧のステータ歯ピッチで配設され、(段落0023)
前記ロータ小歯は、先端部から所定部分は均一な所定のロータ歯厚を有し、前記所定部分から歯底部分まで所定角度で傾斜して、歯底部分ほど厚みが広がるように構成されており、かつ前記先端部は7.2度の円弧のロータ歯ピッチで配設され、(段落0026)
励磁静止時に前記ロータと対向するすべての前記ステータ小歯の面積に対する反発極の面積である反発面積比率は、0%から4%の範囲、(段落0029,0032,0035,0039,0043)
ステータ内径に対する前記ステータ歯厚の寸法比が0.015から0.022の範囲、及びロータ外径に対する前記ロータ歯厚の寸法比が0.014から0.020の範囲、前記ステータ歯ピッチに対する前記ステータ歯厚の寸法比が0.243から0.368の範囲、前記ロータ歯ピッチに対する前記ロータ歯厚の寸法比が0.217から0.325の範囲である、(段落0030~0043)
2相ハイブリッド型ステッピングモータ。」が、記載されている(括弧内は、関連する本件特許明細書等の明細書の記載の箇所を示す。)。
したがって、訂正前の特許請求の範囲の請求項1及び明細書の段落0010の「ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつロータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、」との記載は、技術的に不合理であり、かつ本件特許明細書等のその余の記載と整合しておらず、誤記であることは明らかである。そして、訂正後の「ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつステータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であり、」との記載は、技術的に不合理ではなく、かつ本件特許明細書等のその余の記載と整合しているから、正しい記載であることは明らかである。
以上のことから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項である誤記の訂正を目的とするものである。
2.本件特許に係る出願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下,「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であるか否かについて
訂正事項1及び2は、前記「第5 1.」において検討したとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、それにより訂正された「ロータ外径を前記ステータ外径で除算した値が0.664かつステータ内径を前記ステータ外径で除算した値が0.667であ」る点は、当初明細書等の明細書段落0044に記載されている。
したがって、訂正事項1及び2は、当初明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3.特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について
訂正事項1及び2は、前記「第5 1.」において検討したとおり、本件特許明細書等の記載全体から誤記であることが明らかである記載を、同じく本件特許明細書等の記載全体から正しい記載であることが明らかである記載に訂正するものである。
したがって、訂正事項1及び2は、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4.独立特許要件について
訂正事項1及び2は、前記「第5 1.」において検討したとおり、いずれも、誤記の訂正を目的とするものであるから、当該訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができなくなる理由は見出せない。
したがって、訂正事項1及び2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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