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商標取消審判

2018-300457

ヤサイコロ

審判番号
2018-300457
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2013-079599
登録番号
商標登録第5659903号(T5659903)
請求日
2018年06月21日
審決日
2020年09月01日
公報発行日
2021年07月30日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】日清食品ホールディングス 株式会社
  • 【請求人代理人】村山 靖彦
  • 【請求人代理人】眞島 竜一郎
  • 【請求人代理人】安部 聡
  • 【被請求人】エーケーエム 株式会社
  • 【被請求人代理人】新保 斉
審判長/審判官
  • 審判長 岩崎 安子
  • 審判官 半田 正人
  • 審判官 大森 友子
分類
T132 .1 -Y (W30)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第2号、商標法第50条、商標法第2条第3項第8号、商標法第50条第2項、商標法第50条第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5659903号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。

理由

【理 由】 1 本件商標 本件登録第5659903号商標(以下「本件商標」という。)は,「野菜コロ」の文字を標準文字で表してなり,平成25年10月10日に登録出願,第28類「スキーワックス,遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,囲碁用具,将棋用具,歌がるた,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具,昆虫採集用具」及び第30類「野菜を材料として用いた茶,野菜を材料として用いた菓子,野菜を材料として用いたパン,野菜を材料として用いたサンドイッチ,野菜を材料として用いた中華まんじゅう,野菜を材料として用いたハンバーガー,野菜を材料として用いたピザ,野菜を材料として用いたホットドッグ,野菜を材料として用いたミートパイ,野菜を材料として用いたぎょうざ,野菜を材料として用いたしゅうまい,野菜を材料として用いた弁当,野菜を材料として用いたラビオリ,野菜を材料として用いたパスタソース,野菜を材料として用いた穀物の加工品,野菜を材料として用いたすし,野菜を材料として用いたたこ焼き,野菜を材料として用いた即席菓子のもと,野菜を材料として用いたアイスクリームのもと,野菜を材料として用いたシャーベットのもと」を指定商品として,同26年3月28日に設定登録がされ,現に有効に存続しているものである。 そして,本件審判の請求の登録日は,平成30年7月4日である。 なお,本件審判において,商標法第50条第2項に規定する「その審判の請求の登録前3年以内」とは,平成27年(2015年)7月4日ないし同30年(2018年)7月3日である(以下「要証期間」という場合がある。)。 2 請求人の主張 請求人は,商標法第50条の規定により,本件商標の指定商品中,第30類「野菜を材料として用いた穀物の加工品」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由及び答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証及び甲第7号証を提出した。 (1)請求の理由 本件商標は,その指定商品中,第30類「野菜を材料として用いた穀物の加工品」(以下「取消対象商品」という場合がある。)について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。 (2)答弁に対する弁駁 ア 取引書類について (ア)本件商標権者とぽっくる農園との間の書類のやり取りは,実質的には,本件商標権者のぽっくる農園事業部又は外食事業部内での書類のやり取りにすぎず,このような本件商標権者の一事業部内での書類のやり取りでは,本件商標権者が実際に商標「野菜コロ」を付した商品を取引し,当該商標を使用したという事実の裏付けにはならない(乙1,甲4~甲7)。 (イ)本件商標権者からの株式会社ぽっくる農園宛ての請求書(乙3)の金額と,通帳における株式会社ぽっくる農園から本件商標権者への振込金額(乙4)は,何一つ一致するところがなく,また,金額の内訳等に関する説明も一切なされていない。したがって,本件商標権者と株式会社ぽっくる農園との間で当該請求書に係る取引が行われた事実を確認することはできず,また,それを裏付ける客観的な証拠も存在しない。 (ウ)本件商標権者と株式会社ぽっくる農園との間での取引は,いずれも平成27年8月前半の15日間(納品回数を3回に分けただけで実質の取引回数は1回)という極めて短期間でしかない。被請求人の提出した取引書類の日付は,いずれも,まるで計ったかのように,かろうじて上記3年の期間に該当するものであって,本件商標権者にとってあまりにも都合の良い時期での使用事実であり,極めて不自然である。 (エ)株式会社ぽっくる農園の代表者と本件商標権者の代表者は同じ又は父子であり,基本契約書の作成は容易である。 (オ)本件商標権者の会社概要(甲4)において,株式会社ぽっくる農園から本件商標権者の本社工場への矢印はあるが,本件商標権者から株式会社ぽっくる農園への矢印はない(むしろ,ぽっくる農園事業部へは矢印が向いている)。 (カ)以上より,被請求人が証拠として提出した取引書類は,日付のみ帳尻を合わせて,本件答弁のために急遽作成された可能性があり,取引関連図(甲4)に鑑みても,極めてそのような可能性が高いと推認でき,証拠としての信ぴょう性を著しく欠くものである。 イ 「テスト販売」との主張について (ア)本件商標権者と株式会社ぽっくる農園との取引書類は,著しく信ぴょう性を欠くものであるため,そもそも,当該書類を以って本件商標の使用事実が存在したとは考え難いところであるが,本件商標権者に売り上げを立てるため,会計上,提出されたような書類が作成されたとして,当該書類の記載に依ったとしても,本件商標は,テストを目的とした極めて限定的な形で使用されたにすぎない。 (イ)取引書類の品名の欄に「野菜コロ」の文字が記されている商品については,ほぼ全てに括弧書きで「テスト販売」と明記されており(乙3,乙5~乙7),その数量も,テスト販売以外の商品とは,桁違いに少ない数量が記載されており,他の商品の数量との関係で見れば,一般消費者に販売するのではなく,試食,配布及びサンプルチェックといったテスト,資料収集を目的としたものであることは明らかである。 (ウ)以上より,上記のような,極めて少量の試験的な目的で取引を行った事実のみでは,本格的に商標を使用したとはいい難く,この程度の使用では,本来,商標法が保護せんとしている商標使用者の業務上の信用も化体することはなく,本審判事件において本件商標の使用であるとも評価し得ない。 ウ 商品の包装への使用及び販売 本件商標の文字を含んだタグの写し(乙8)は,その保存状態に鑑みると,3年前に作成されたタグとは思われず,かかるタグが何時作成されたのか,当該写真がいつ撮られたのかについて一切立証されておらず,かつ,当該タグが付された商品が実際にいつ,誰に,いくつ,いくら販売されたのかについても,客観的な証拠が全く示されていないことから,何ら本件商標が使用されていた事実を裏付けるものではない。むしろ,ぽっくる農園のウェブサイトの「施設のご案内」(甲7)からは,ぽっくる農園では,袋入りの生パスタ商品が販売されるのではなく,調理済のパスタのお弁当や農園レストランで調理済のパスタメニューが提供されるだけと考えるのが相当である。 エ 総合判断 被請求人が証拠として提出した取引書類には不自然な点が多く見受けられ,著しく信ぴょう性を欠くものであり,仮に,被請求人の主張に依るとしても,本件商標権者の一事業部内で,僅か半月程度の短期間,極めて少量の商品を,テスト目的で運んだにすぎず,反復,継続してなされる通常の商品取引,流通過程において本件商標が使用されたとは到底認められない。かかる状況下においては,本件商標には,商標使用者の業務上の信用が化体されているとはいえず,財産的価値がない,あるいは極めて低いため,最早このような登録商標を保護する価値もないと考えられる。 よって,本件登録は,その不使用を理由とする取消しを免れないものである。 3 被請求人の答弁 被請求人は,結論同旨の審決を求め,答弁において,その理由を次のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第8号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)本件商標の使用の事実 本件商標の指定商品中,第30類「野菜を材料として用いた穀物の加工品」である「パスタ」について,本件商標は,要証期間内に本件商標権者及び通常使用権者によって使用されている。 (2)本件商標権者の事業概要 本件商標権者は,平成15年に設立され,パン,ドーナツ,調理パン,農産加工品の企画・開発・製造・販売,農産物直売・外食事業を手掛け,本審判に関連するところでは,麺製造機を導入して,野菜を材料とした生パスタも含め製造販売している(乙1)。また,本件商標権者は,農業生産法人株式会社ぽっくる農園(以下「ぽっくる農園社」という場合がある。)に商品を販売している(乙2)。 (3)取引書類での使用 ア 本件商標権者が作成し,ぽっくる農園社に宛てた請求書の写し(乙3)について (ア)平成27年8月31日付けの請求書No.1には,「12 野菜コロむらさき芋パスタ」「13 野菜コロにんじんパスタ」「14 野菜コロさといもパスタ」「15 野菜コロほうれん草パスタ」との品名が記載されて,それぞれ数量が20袋であり,納品月日が8月1日と記載されている。 なお,ここでいう「むらさき芋パスタ」「にんじんパスタ」「さといもパスタ」「ほうれん草パスタ」とは,それぞれむらさき芋・にんじん・さといも・ほうれん草を材料として用いたパスタのことである。 (イ)平成27年8月31日付けの請求書No.2には,「12 野菜コロむらさき芋パスタ」「13 野菜コロにんじんパスタ」「14 野菜コロさといもパスタ」「15 野菜コロほうれん草パスタ」との品名が記載されて,それぞれ数量が20袋であり,納品月日が8月8日と記載されている。 (ウ)平成27年8月31日付けの請求書No.4には,「6 野菜コロむらさき芋パスタ」「7 野菜コロにんじんパスタ」「8 野菜コロさといもパスタ」「9 野菜コロほうれん草パスタ」との品名が記載されて,それぞれ数量が20袋であり,納品月日が8月15日と記載されている。 (エ)以上のことから,本件商標権者がぽっくる農園社に宛てた3枚の請求書において,取消対象商品について,本件商標が使用されている。 (オ)平成27年8月31日付けの請求書の金額,その他の代金について,平成27年11月5日にぽっくる農園社から本件商標権者へ銀行振込があった(乙4)。 (カ)したがって,これらの行為は,商標法第2条第3項第8号に規定する「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものである。 イ 本件商標権者がぽっくる農園社に宛てた伝票セットについて (ア)伝票番号778830の伝票セット(平成27年8月1日分,平成27年7月29日付け発注書対応分,乙7の1)には,品名として「野菜コロむらさき芋パスタ」とあり数量は20とある。伝票番号778831の伝票セット(平成27年8月1日分,平成27年7月29日付け発注書対応分,乙7の2)には,品名として,「野菜コロにんじんパスタ」「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」とあり,それぞれ数量は20である。また,原単価は,「野菜コロむらさき芋パスタ」「野菜コロにんじんパスタ」が90円,「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」が95円とある。これらの品名,数量や単価は,エーケーエム株式会社が発行した請求書(平成27年8月31日,N0.1,乙3)と同じ内容である。 (イ)伝票番号778835の伝票セット(平成27年8月8日分,平成27年8月5日付け発注書対応分,乙7の3)には,品名として,「野菜コロむらさき芋パスタ」「野菜コロにんじんパスタ」「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」とあり,それぞれ数量は20である。また,原単価は,「野菜コロむらさき芋パスタ」「野菜コロにんじんパスタ」が90円,「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」が95円とある。これらの品名,数量や単価は,エーケーエム株式会社が発行した請求書(平成27年8月31日,No.2,乙3)と同じ内容である。 (ウ)伝票番号778843の伝票セット(平成27年8月15日分,平成27年8月12日付け発注書対応分,乙7の4)には,下2行に品名として「野菜コロむらさき芋パスタ」「野菜コロにんじんパスタ」とあり数量は20とある。伝票番号778844(平成27年8月15日分,乙7の5)には,品名として,「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」とあり,それぞれ数量は20である。また,原単価は,「野菜コロむらさき芋パスタ」「野菜コロにんじんパスタ」が90円,「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」が95円とある。これらの品名,数量や単価は,エーケーエム株式会社が発行した請求書(平成27年8月31日,No.4,乙3)と同じ内容である。 (エ)したがって,本件商標権者が作成した各伝票セットと同人が発行した請求書の対応関係が一致するものである。 (オ)以上のことから,本件商標権者がぽっくる農園社に宛てに発行した伝票セットにおいて,取消対象商品について本件商標が使用されている。また,各伝票セットには,ぽっくる農園社の担当者(乙6)の検収サインもあることから,これらの伝票セットも頒布されたことが明らかである。 したがって,これらの行為は,商標法第2条第3項第8号に規定する「商品若しくは役務に関する広告,価格表若しくは取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布し,又はこれらを内容とする情報に標章を付して電磁的方法により提供する行為」に該当するものである。 加えて,本件商標権者は,ぽっくる農園社に各種商品を上述した日に販売しているので,商標法第2条第3項第2号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為」に該当するものである。 (4)商品の包装への使用及び販売 通常使用権者であるぽっくる農園社は,生パスタの商品の包装に,本件商標を含んだタグを付けた生パスタを販売した(乙1,乙8)。生パスタの種類は,4種類あり,「野菜コロむらさき芋パスタ」「野菜コロにんじんパスタ」「野菜コロさといもパスタ」「野菜コロほうれん草パスタ」である。これらは,ぽっくる農園社店舗にて小売りされ,その期間は,上記の伝票セット(乙7)から,少なくても平成27年8月1日ないし同月15日ごろである。特に,平成27年8月1日,同月8日,同月15日と3回に分けて仕入していることから,その期間に同パスタが販売された。 したがって,これらの行為は,商標法第2条第3項第2号に規定する「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し,引き渡し,譲渡若しくは引渡しのために展示し,輸出し,輸入し,又は電気通信回線を通じて提供する行為」に該当するものである。 (5)まとめ 以上のことにより,本件商標は,その指定商品中,第30類「野菜を材料として用いた穀物の加工品」について,日本国内において要証期間内に本件商標権者によって使用している事実が認められるので,登録を取り消されるべきものではない。 4 当審の判断 (1)両当事者が提出した証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。 ア 本件商標権者,使用商標,使用商品について 本件商標権者は,「パン事業部」,「農産加工事業部」,「ぽっくる農園事業部(農産物直売所,農産物加工品,飲食店)」からなる(乙1,甲4)。 本件商標権者の「ぽっくる農園事業部」には,「製麺機」が設置されており,「野菜コロシリーズ 生パスタ」とする「野菜を練りこんだ生パスタ」(以下「使用商品」ということがある。)等の麺の製造を行っている(乙1)。 「野菜コロシリーズ 生パスタ」(使用商品)は,4種類の麺の色が異なるパスタからなり,そのうちの白い麺の包装袋のタグには,「野菜コロ」「さといも」「パスタ」の3段の文字からなる商標(以下「使用商標」という。)が付されている(乙1,別掲1)。 なお,上記の包装のタグは,被請求人が提出した「商品タグの写し」とする書証(乙8)の左下にある「野菜コロ」「さといも」「パスタ」の文字が3段に表示されている長方形の枠内の文字及び図形からなるものと同じ構成と認められる(別掲2)。 イ 本件商標権者とぽっくる農園社との取引について ぽっくる農園社は,平成27年7月29日付けで本件商標権者にテスト販売として「野菜コロさといもパスタ」旨の商品を20(個)注文し,当該商品は,同年8月1日にぽっくる農園社に納品された(乙5,乙6,乙7の1)。 また,本件商標権者は,当該商品の代金の請求を平成27年7月31日付けでぽっくる農園社に行っている(乙3)。 (2)上記(1)によれば,次のとおり判断することができる。 ア 使用者について 使用商品の製造及び使用商品の包装に使用商標を付している者は,本件商標権者であるから,使用商標の使用者は本件商標権者である。 イ 使用商品について 使用商品は「野菜を練り込んだ生パスタ」であるから,取消対象商品である「野菜を材料として用いた穀物の加工品」の範ちゅうに含まれる商品と認められる。 ウ 本件商標と使用商標の社会通念上の同一性について 本件商標は「野菜コロ」の文字を標準文字で表してなるものであり,使用商標は,「野菜コロ」,「さといも」及び「パスタ」の白抜きの丸ゴシック体風の文字を3段に表した構成からなるところ,中段の「さといも」の文字は,使用商品の原材料である野菜の種類を表したものであり,下段の「パスタ」の文字は使用商品の名称と認められるから,自他商品の識別標識としての機能を果たさないといい得るものである。 そうすると,使用商標は,上段の「野菜コロ」の文字が要部として理解されるというべきである。 そして,本件商標と使用商標の要部とは,字体が異なるものの構成する文字は同一であり,生じる「ヤサイコロ」の称呼も同一であるから,使用商標は,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 エ 商品の引渡しとその時期について 本件商標権者がぽっくる農園社に,「野菜コロさといもパスタ」旨の商品を納品(譲渡または引渡し)した日は平成27年8月1日であり,この日付は要証期間内である。 また,本件商標権者がぽっくる農園社に納品した商品の商品名は,使用商標と同じ構成文字(野菜コロさといもパスタ)からなるものであるから,当該商品は,使用商標が付された使用商品とみて差し支えない。 オ 小括 以上によれば,本件商標権者は,要証期間内に,日本国内において,本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「野菜を練り込んだ生パスタ」の包装に,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付して商品を販売(引渡し)したものと認められる。 そして,上記使用行為は,商標法第2条第3項第2号にいう「商品の包装に標章を付したものを譲渡又は引渡した行為」に該当する。 (3)請求人の主張について ア 請求人は,本件商標権者とぼっくる農園との間の書類のやり取りは,実質的には,本件商標権者のぽっくる農園事業部又は外食事業部内での書類のやり取りにすぎず,事業部内での書類のやり取りでは,実際に商標「野菜コロ」を付した商品を取引し,当該商標を使用したという事実の裏付けにはならない旨主張している。 しかしながら,本件商標権者の事業部の一つとして「ぽっくる農園事業部」が存在することは認められるとしても,本件商標権者が,使用商品を納品した者は,本件商標権者とは,別法人の「農業生産法人株式会社ぽっくる農園」であるから,当該書類のやりとりは,同じ法人の事業部内のものとはいえない。 イ 請求人は,本件商標がテストを目的とした極めて限定的な形で使用されたにすぎず,極めて少量の試験的な目的で取引を行った事実のみでは,本格的に商標を使用したとはいい難く,この程度の使用では,本来,商標法が保護せんとしている商標使用者の業務上の信用も化体することはなく,本審判事件において本件商標の使用であるとも評価し得ないものである旨,審決例(甲3)を挙げ主張している。 しかしながら,取引書類において,「(テスト販売)」の記載があり,1回の取引での個数が20個であって,これがテスト販売を目的とした極めて限定的な販売であったとしても,要証期間内に,使用商品が引き渡(販売)された事実には変わりはない。 なお,請求人の挙げる事例は,本件とは事案を異にするものであり,当該事例が直ちに本件に当てはまるものではない。 したがって,請求人の主張は,いずれも採用することができない。 (4)まとめ 以上のとおり,被請求人は,要証期間内に日本国内において,その請求に係る指定商品中に含まれる「野菜を練り込んだ生パスタ」について,本件商標と社会通念上同一の商標の使用をしていたことを証明したものと認められる。 したがって,本件商標の登録は,その請求に係る指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。 よって,結論のとおり審決する。

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2018-300457

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