商標取消審判
2018-300354
グッドウエアエセックス、グッドウエア、グッド、エセックス
- 審判番号
- 2018-300354
- 法域
- 商標
- 審判種別
- 取消審判(商標取消の審決)
- 出願番号
- 商願2011-057414
- 登録番号
- 商標登録第5468465号(T5468465)
- 請求日
- 2018年05月30日
- 審決日
- 2019年05月23日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ザ グッドウェア コーポレイション,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】山本 秀策
- 【請求人代理人】森下 夏樹
- 【請求人代理人】飯田 貴敏
- 【請求人代理人】石川 大輔
- 【請求人代理人】山本 健策
- 【請求人代理人】井▲高▼ 将斗
- 【被請求人】サクラインターナショナル 株式会社
- 審判長/審判官
- 審判長 小出 浩子
- 審判官 木村 一弘
- 審判官 豊田 純一
- 分類
- T131 .1 -Y (X25)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 商標法50条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 商標法第2条第3項、商標法第50条第1項、商標法第2条第1項、商標法第2条、商標法第1条、商標法第70条第1項、商標法第73条、商標法第50条第2項、商標法第30条、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
上記当事者間の登録第5468465号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。
理由
【理 由】
第1 本件商標
本件登録第5468465号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成23年7月28日に登録出願、同年12月14日に登録査定、第25類「被服,エプロン,靴下,手袋,ネクタイ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,帽子,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同24年2月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
なお、本件審判の請求の登録(予告登録)は、同30年6月13日になされたものである(以下、本件審判の請求の登録前3年を「要証期間」という。)。
第2 請求人の主張
請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ証拠方法として甲1を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
2 答弁に対する弁駁
請求人は、被請求人提出の審判事件答弁書に対して、何ら弁駁していない。
第3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、審判事件答弁書において要旨以下のように述べ、その証拠方法として乙1ないし乙4を提出した。
1 答弁の理由
被請求人は、本件商標を要証期間内に、日本国内においてその指定商品に使用しており、取り消されるべきものではない。
(1)使用事実・態様
商品(品番GW-17078)に関して、商標法第2条第3項に規定する「標章の使用行為」が下記各書証より形式的に確認できる。
ア 商品又は商品の包装に標章を付する行為(商標法第2条第3項1号「使用」:乙3の「3」(「」は丸付き数字、以下同様。)
イ 商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為(商標法第2条第3項2号「使用」:乙1参照)
ウ 商品又は商品の包装に標章を付したものを引き渡す行為(商標法第2条第3項2号「使用」:乙2参照)
又、使用主体サクラインターナショナル株式会社(被請求人)は「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡するもの」であり、それが「その商品について使用するもの」であるから、当該商品(品番GW-17078)の下げ札に付されている標章(乙3の「3」)は、商標法第2条第1項前段および第1号の定義より「商標」である。しかして、その実質的使用目的は、標章自体(使用によるグッドウィルは未蓄積だが、標章自体のデザイン・称呼等に起因する好感度)が有する顧客吸引力の活用もさることながら、需要者が商品およびその関連役務について自他識別認識し、さらには「(広義の)出所」および「(広義の)品質」等についての個人的経験情報を記憶・蓄積・統合する際の象徴的識別標識として、逆に、その同じ識別標識の付いた記憶情報群を再認・再生させる際のトリガーとしての「商標のランドマーク機能」の活用、および、露出による「商標の宣伝公告(需要者への訴求を目的とする商標の自他識別力の強化・付随情報の提供行為)機能」の活用を意図してのことであるから、同使用行為の態様は、名実ともに(「法上の形式的要件[商標法第2条第1および3項]具備」と「法の精神[商標法第1条]の遂行」との両輪が相まっているという意味で)、「商標的使用(法が元来予定した目的での『商標の使用』」に他ならない。被請求人は、当該使用以降も同商標を継続的に使用する意思を有し、実際使用している。
(2)使用主体
前項の標章の使用行為「1」・「2」・「3」の主体は、それぞれの行為の書証が示すようにいずれもサクラインターナショナル株式会社(被請求人)であるが、乙第4号証が証するとおり、同社は当該使用当時、商標登録第5468465号の専用使用権者であるから、「商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかの使用」要件を満たしている。
(3)使用客体
ア 登録商標
当該商品(品番GW-17078)の下げ札に付されている標章(乙3の「3」)は、本件登録商標と色のみが異なるが、商標法第70条第1項(色彩のみが異なる商標に対する特則)及び本件審判請求時の登録商標に関する判断基準である「商標法第50条第1項規定」によれば、商標登録第5468465号と法上同視できる。また、当該使用では、商標法第73条の推奨行為である「商標登録表示(登録番号の記載)」もされている。したがって、本件登録商標は確かに使用されている。
イ 指定商品・役務
当該商品(品番GW-17078)は、乙3の「1」より明らかなように「帽子」であるから、「当該請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての使用」の要件を満たしている。
(4)使用場所
前記(1)の使用行為「2」・「3」の場所は、乙1及び2から明らかなように、日本国内である。また、使用行為「1」は、日本国内でなされたが書証はない。
(5)使用時期
前記(1)の使用行為「2」・「3」がなされた時期は、乙1及び2が示すとおり、2017年(平成29年)12月21日である。また、使用行為「1」は、その十日程前になされたが書証はない。したがって、使用時期は、「当該審判請求の予告登録2018年(平成30年)6月11日前三年以内」(審決注:2018年(平成30年)6月13日前三年以内の誤記。)であり、要件を満たしている。
以上のとおり、被請求人は、本件商標登録第5468465号について、商標法第50条第2項に規定する使用要件を、少なくとも使用行為「2」・「3」に関して全て立証したから、本件審判請求は成り立たない。
第4 被請求人に対する審尋及び被請求人による審尋への回答
1 審尋(平成30年1月29日付)の要旨
(1) 乙第1号証(請求書)の右下部に「12/21‘2017 入金済 (CASH)」の手書きの記載はあるものの、請求先(SUPERTRAMP)が代金を支払ったことの証左がなく、また、乙2(納品書)の下部には、「2017.12.21 商品を受け取りました。A氏の氏名」を手書きし、かつ、A氏の印の記載はあるものの、納品先(SUPERTRAMP)からの受領書がなく、さらに納品先とA氏との関係が確認できないことから、商標権者が商標を付した商品の譲渡行為及び引き渡し行為について客観的に把握できない。
(2) 被請求人が、商標を商品又は商品の包装に付する行為として提出した乙3は、写真撮影した時期の記載がないことから、当該行為が行われた時期が不明である。
(3) 商標権者と商標の使用者との関係
商標法第30条に規定する専用使用権はその登録がなければ効力を生じないところ、職権調査によれば、本件商標には専用使用権は設定されておらず、サクラグループ有限会社がサクラインターナショナル株式会社に対して本件商標の使用を許諾していたことが確認できない。
2 審尋に対する回答(平成31年2月8日付)の要旨
被請求人は、審尋に対する回答書において要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として乙5ないし乙8を提出した。
(1)本件商標の指定商品への使用について(審尋内容1)
ア 新たに提出するSUPERTRAMPが保管する「被請求人発行の請求書」(乙5)は、商品代金授受の事実を示しており、譲渡の事実及びその時期が立証できる。
イ SUPERTRAMP A氏が柏税務署に提出した『個人事業の開業届出書(控)(乙6)』により、A氏はSUPERTRAMPを屋号として個人事業を営み、乙2は、納品先SUPERTRAMP A氏の商品受領を証するものである。
ウ 商品の仕入先「縫(ぬい)」より被請求人に発行された「請求書・納品書(乙7 被請求人の控え)・乙8(縫の控え)」により、「被請求人より売先SUPERTRAMPへの譲渡・引き渡し行為及びその時期(2017.12.21)」の補強証拠であると同時に、「仕入先縫(ぬい)より被請求人への譲渡・引き渡し行為及びその時期(2017.12.20)の証拠である。
(2)行為が行われた時期について(審尋内容2)
今回提出の「請求書・納品書(乙7・乙8)により、使用行為「1」が行われた時期が商品納品日2018年(平成30年)12月20日(審決注:2017年(平成29年)12月20日の誤記。)以前近辺であったことは通常の商慣習に照らして強く推認できる。
(3)商標権者と商標の使用者との関係について(審尋内容3)
専用使用権設定の合意があり登録のみを欠く場合は、契約の解釈として独占的通常使用権設定がなされたとして当事者の意思を忖度して解釈すべきであるから、被請求人サクラインターナショナル株式会社が商標登録第5468465号の独占的通常使用権者であったことは少なくとも立証されている。
第5 当審の判断
1 被請求人の主張及び同人提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。
(1)2017年(平成29年)12月21日付けの請求書には、品番GW-17077のニットキャップ(クジラ)(以下、「使用商品1」という。)3枚及び品番GW-17078のニットキャップ(空母)(以下、「使用商品2」という。)3枚の合計6枚分の商品代を、サクラインターナショナル株式会社がSUPERTRAMP宛てに請求した旨記載されている。同請求書の右下部には、手書き三段で「2017.12.21 代金受領(CASH) サクラインターナショナル B氏」の名字の記載及びB氏の押印がなされている(乙5)。
(2)2017年(平成29年)12月21日付けの納品書には、前記(1)の品番と同一の使用商品1及び使用商品2をそれぞれ3枚の合計6枚分を、サクラインターナショナル株式会社がSUPERTRAMP宛てに納品した旨記載されている。同納品書の下部には、手書き三段で「2017.12.21 商品を受けとりました。A氏の氏名」の記載及びA氏の押印がなされている(乙2)。
(3)A氏による個人事業主の開業届出書(柏税務署29.12.18収受)には、屋号をSUPERTRAMPとして平成29年11月23日開業、事業の概要として「主に衣類販売」との記載がある(乙6)。
(4) 被請求人提出の使用商品2の写真の下札(表)には、米国国旗を象った図形、「Made in USA」及び「GW-17078」の記載があり、同下札(裏)には、灰色に塗りつぶされた幾何図形内に、「Goodwear」の欧文字を赤色でやや大きめに表し、その「we」の文字の直下に「Essex」の欧文字を黒色で表し(以下、「使用商標」という。)、その幾何図形の下に、「RTN 5468465」、「SAKURA INTERNATIONAL」及び「3-4-12 KASHIWA KASHIWA CHIBA, JAPAN 277-0005」の記載がある(乙3)。加えて、使用商品2の写真中、帽子本体の頭囲に当たる部分の折り返し右には、使用商標が付されている(乙3)。
(5)2018年(平成30年)7月11日付けの権利証明書において、千葉県柏市柏3-4-12-1405、サクラグループ有限会社代表者名にて、2017年(平成29年)10月13日から2018年(同30年)6月11日までの期間、千葉県柏市柏3-4-12-1405、サクラインターナショナル株式会社が本件商標の専用使用権者であったことを証する旨記載されている(乙4)。
(6)上記(1)ないし(5)の認定事実によれば、要証期間の本件登録商標の権利者であるサクラグループ有限会社から使用権者として証明されたサクラインターナショナル株式会社は、2017年(平成29年)12月21日に、使用商標を付した使用商品2をSUPERTRAMPに販売した。
2 判断
上記1によれば、次のとおり判断することができる。
(1)本件商標と本件使用商標の社会通念上の同一性について
本件商標は、別掲1のとおり、幾何図形の内に「Goodwear」の欧文字を赤色でやや大きめに表し、その「we」の文字の直下に「Essex」の欧文字を黒色で小さく横書きにしてなるところ、使用商標は別掲2のとおり、当該幾何図形の内側に配した灰色がやや濃く表されている点が本件商標と相違するにすぎないものであり、その他観念・称呼が格別異なるものではないことから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
(2)本件商標の使用時期及び使用商品について
使用商品は上記1(1)及び(3)のとおり「ニットキャップ」であって、当該商品は、サクラインターナショナル株式会社がSUPERTRAMPに対して要証期間内である2017年(平成29年)12月21日に譲渡したものと認められる。また当該商品は、本件審判の請求に係る指定商品「帽子」の範ちゅうのものである。
(3)本件商標の使用者について
上記1(5)のとおり、2017年(平成29年10月13日)から2018年(同30年)6月11日までの期間、サクラインターナショナル株式会社が、本件商標の専用使用権者であったことを、当該期間中の商標権者により証する書面が提出されているところ、本件商標の商標登録原簿に上記専用使用権の設定登録はなされていないものの、本件商標の使用について、本件商標権者から許諾がなされているものと推認できるから、サクラインターナショナル株式会社は、当該期間、本件商標の通常使用権者であるとみて差し支えない。
(4)小括
以上(1)ないし(3)によれば、本件商標の通常使用権者は、要証期間内である2017年(平成29年)12月21日に、本件審判の請求に係る指定商品中「帽子」の範ちゅうである「ニットキャップ」に本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標を付したものを、日本国内の取引先に譲渡したものであり、かかる行為は商標法第2条第3項第2号にいう「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡する行為」に該当するものと認められる。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において、本件商標の通常使用権者が、本件審判請求に係る指定商品中の「帽子」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていることを証明したものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2018-300354