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商標取消審判

2024-300032

ポーラースター

審判番号
2024-300032
法域
商標
審判種別
取消審判(商標取消の審決)
出願番号
商願2009-033678
登録番号
5300537
請求日
2024年01月22日
審決日
2025年08月19日
公報発行日
2025年11月28日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】株式会社 ランドビジネス
  • 【請求人代理人】久門 享
  • 【請求人代理人】久門 保子
  • 【被請求人】東洋エンタープライズ 株式会社
  • 【被請求人代理人】野原 利雄
審判長/審判官
  • 審判長 板谷 玲子
  • 審判官 大橋 良成
  • 審判官 富澤 哲生
分類
T131 .1 -Y (X25)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
商標法50条
条文(本文から自動抽出・参考)
商標法第2条第3項第1号、商標法第50条第1項、商標法第2条第3項第2号、商標法第50条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

上記当事者間の登録第5300537号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。

理由

理 由 第1 本件商標 本件登録第5300537号商標(以下「本件商標」という。)は、「POLAR STAR」の欧文字を標準文字で表してなり、平成21年5月7日に登録出願、第25類「洋服,コ-ト,セ-タ-類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,アイマスク,エプロン,えり巻,靴下,ゲートル,毛皮製スト-ル,ショ-ル,スカ-フ,手袋,ネクタイ,ネッカチ-フ,バンダナ,マフラ-,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類」を指定商品として同22年2月12日に設定登録され、その商標権は現に有効に存続しているものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和6年2月6日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(令和3年2月6日~令和6年2月5日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は、被請求人の負担とするとの審決を求め、審判請求書、令和6年4月16日付け審判事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年5月28日付け弁駁書にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。 なお、以下、証拠の表記に当たっては、甲第1号証を「甲1」、乙第1号証を「乙1」のように省略して表示する場合がある。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)「仕様書」(乙1)について 被請求人は、商標権者が制作し、株式会社ユースに提供したというAlaska Sleeping Bag×POLAR STARウールスタッグジャケットというジャケット(以下「本件商品」という。)の商品仕様書(乙1)を提出している。 そして、「POLAR STARネーム(内側)」のネームについては以下のとおりである。 横長長方形の二重線の枠内に、赤・黄等の細い線を華やかに配した模様をバックに、本件商標「POLAR STAR」と、その下段2段目に「DamnGood」、3段目に「BLANKET」、4段目に「VIRGIN WOOL」、その下に太目の影の付いた線があり、5段目に「SUGAR CANE CO,INC.」という文字を配した態様のネームである。 上述のネームを本件商品の内部に“たたき付け”と記載されている。 このネームは、かなりまとまった態様であり、他の文字も一体と把握されたデザインとなっているので、本件商標と社会通念上同一と認められるか否かについてはかなり疑問である。 仮に本件商標と社会通念上同一の商標だとしても、これは、あくまで仕様書なのであり、製品化されるか否かは明確でなく、これのみでは使用の証拠とはいえない。 (2)「商品の写真」(乙2)について 被請求人は、商品(ジャケット)の写真(乙2)を提出しているが、これは令和6年4月11日に撮影されたものであり、要証期間内のものではない。したがって、証拠としては認められないものである。 さらに、この写真におけるグレーの本件商品内部に“たたき付け”られたネーム状のものが認められるが、この写真では、小さくボンヤリしており、本件商標が使用されているか否かは確認できないものである。 したがって、本件商品の全体の写真の中に本件商標が使用されていることについても確認できない。 (3)「商品の写真」(乙3)について 被請求人は、グレーの本件商品の写真(乙3)を提出しているが、これは令和6年4月11日に撮影されたものであり、要証期間内のものではない。したがって、証拠としては採用され得ないものである。 また、チャックに付けられている下げ札には、ジャケットの品番・色・サイズと価格が記載されていることが認められるが、この写真では本件商標は確認できない。 (4)「商品の写真」(乙4)について 被請求人は、本件商品の写真(乙4)を提出しているが、これは令和6年4月11日に撮影されたものであり、要証期間内のものではない。したがって、証拠としては採用され得ないものである。 また、グレーの布に仕様書に記載されているネームが確認できるが、本件商品の内部の布であるか否かについては明確ではない。 また、このネーム内には、本件商標の他にも文字が4段にわたって記載されており、最下段の「SUGAR CANE CO,INC.」は、出所表示機能があると認められる部分であるが、商標権者との関係は不明である。 (5)「商品の写真」(乙5)について 被請求人は、本件商品の写真(乙5)を提出しているが、これは令和6年4月11日に撮影されたものであり、要証期間内のものではない。したがって、証拠としては採用され得ないものである。 また、緑(オリーブ)色の内側にネームらしきものが付いているのは確認できるが、本件商標か否かについては小さくボンヤリしており、確認できないので、この写真だけでは本件商標の使用の証拠とはならない。 (6)「商品の写真」(乙6)について 被請求人は、本件商品の写真(乙6)を提出しているが、これは令和6年4月11日に撮影されたものであり、要証期間内のものではない。したがって、証拠としては採用され得ないものである。 また、ジャケットのチャック金具に付けられた下げ札には、品番、色、サイズ及び価格が記載されているが、これだけでは、本件商標を使用している証拠とはならない。 (7)「商品の写真」(乙7)について 被請求人は、本件商品の写真(乙7)を提出しているが、これは令和6年4月11日に撮影されたものであり、要証期間内のものではない。したがって、証拠としては採用され得ないものである。 また、オリーブの生地上には、本件商標が入ったネームと思しき布が確認できるが、本件商標の他にも文字が記載されていること、図形と一体となってまとまった構成となっていることより、本件商標と社会通念上同一の商標といえない可能性がある。 さらに、最下段に記載された識別性を発揮する可能性のある文字部分「SUGER CANE Co,INC.」と商標権者との関係は不明である。 (8)「納品書」、「納品案内書」(乙8)について 納品書、納品案内書(乙8)には、確かに「POLAR STAR」の記載が見られる。 一方、「コード・商品名の欄のその記載は、「POLAR STARネーム型代」、あるいは、「POLAR STAR ネーム サンプル代一式」とあり、数量欄は空白である。 上段の「型代」というのは、「ネーム」を作成する型だということは推測できるが、下段の「サンプル代」というのは、数量欄もないことから、現実に使用するというよりは、サンプルとして納品されたにすぎないとも考えられるのである。 そうとすれば、サンプルを付けた商品についても、未だ明確に商品化されたものでなく、試作品ではないか、との疑問点が残る。 したがって、この証拠によっても、本件商標を使用しているか否かについては明確でない。 (9)「スクリーンショット」(乙9)について ネームの発注が電話であったため、スクリーンショット(乙9)を提出している、とのことであるが、このスクリーンショットでは、日付と会社名、人名についての記載は確認できるものの、本件商標「ポーラースター」の記載がなく、本件商品についての記載も認められず、本件商標の使用の証拠としては不十分である。 (10)「納品書(控)」(乙10)について 納品書の4段目には、確かに「ALASKA×POLAR STAR JACKET」という記載は認められる。 しかしながら、これに関しても、令和6年2月14日の証拠であって、要証期間内の証拠としては認められない。 (11)まとめ 以上のとおり、被請求人は、要証期間に、本件商標の指定商品について本件商標の使用をしていることを証明したとはいえないから、本件商標は取消を免れない。 第3 被請求人の主張 被請求人は、結論同旨の審決を求め、答弁書及び令和6年10月15日付け審尋に対する同年11月21日付け回答書(以下「回答書」という。)において、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第14号証を提出した。 1 答弁の理由 以下のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、その指定商品中「ジャケット」について使用されていたことは、乙各号証によって証明されるところである。 (1)使用者 商標権者及びR社(東京都墨田区) (2)使用に係る商標 本件商標は、欧文字「POLAR STAR」からなり(甲1)、一方使用に係る商標は、ややデザイン化されているものの同じ欧文字つづり「POLAR STAR」からなる(乙4、乙7)。 本件商標と使用に係る商標とはその構成文字を同じくするものであるから社会通念上同一の商標と認められる。 (3)使用に係る商品 使用に係る商品は、第25類の被服類に属する「ジャケット」(本件商品)[品番:M13641]の商標として使用したものである(乙1~乙7)。 (4)使用の時期 本件商品に付ける「織りネーム」をS社の京都支店宛に発注し、令和5年8月2日に受領した(乙8、乙9)。 「織りネーム」の受領後、本件商標が付された本件商品は、商標権者によって仕様書が作成され、令和5年12月13日にその製作をY社に発注した(乙1)。 そして、本件商標が付された本件商品は、令和6年1月以降に商標権者の本店内の展示室にて展示され、R社の店舗において販売が開始された。 (5)使用の場所 商標権者の本店、R社の本店及び同社店舗、ほか。 (6)商標の使用 本件商標の使用は、欧文字「POLAR STAR」からなる文字標章が本件商品及び取引書類等に付され、商標権者の展示室に展示され、R社の店舗にて販売されたことの事実から、商標法第2条第3項第1号、同第2号及び同第8号の使用行為に該当することは明らかである。 (7)まとめ 以上により、本件商標は、要証期間に日本国内において、その指定商品中「ジャケット」について、商標権者及び販売者により使用されていたことは明らかであるから、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すべきでない。 2 回答書による主張 (1)本件商標の要証期間内の使用について ア 商標権者が本件商標を本件商品に使用した経緯を時系列的に示すと、以下のとおりである。 (ア)2023年8月2日:本件商品に付ける織りネーム(乙7)の型・サンプルを発注先であるS社支店より受領(乙8)。 (イ)2023年12月13日:商標権者が作成した本件商品の仕様書(乙1)を本件商品の製造依頼先であるY社に送る。 (ウ)2024年1月20日:本件商標を付けた本件商品を製造依頼先であるY社より受領(乙13、乙14)。 (エ)2024年2月14日:本件商標を付けた本件商品をR社に納品(乙10)。 イ 上記アのとおり、本件商標の使用は、2023年8月2日の織りネーム(乙7)の型・サンプルの発注、2023年12月13日の本件商品の仕様書(乙1)の作成及び製造依頼等から始まり、2024年1月20日には本件商標を付けた本件商品を既に受領しているのである(乙13、乙14)。 そもそも、商標権者は、従来より受注生産を業態としていて見込み生産は一切していないことからすると、Y社より受領した本件商品の購入については既に受注済みであることの証に他ならない。 R社ヘの納品については2024年2月14日ではあるが、当業界の通常取引において、納品までには購入者が実際に商品を見てから発注するかどうかを検討するプロセスが必要であり、加えて、受注してから発送・納品までの期間をも考えると、購入者が実際に商品を見てから納品されるまでに24日間あったとしても何ら不自然なことではない。 商標権者が受注生産を業態としていることからしても、実際にR社が本件商品の購入発注したのは、2024年1月20日以前であったことは容易に推認できるところである。 (2)本件商標の態様と使用商品について 本件商標の態様は、乙第4号証、乙第7号証、乙第11号証及び乙第12号証の本件商品に取り付けられている「織りネーム」が示すとおりで、本件商標の態様(甲1)と社会的に同一性ある商標の態様であることは明らかである。 また、本件商標が使用されている商品は、乙第3号証及び乙第6号証の本件商品に取り付けられている「下げ札」が示すとおりで、品番記号No.がM13641のもので、仕様書(乙1)やR社宛の「納品書」(乙10)の他、Y社発行の「納品書」(乙13)及び「御請求書」(乙14)にも同一の品番記号が記されている。 したがって、本件商標を付した本件商品が「ジャケット」で、当該商品が本件商標の指定商品の範ちゅうに属することは明らかである。 (3)使用行為について 本件商標については、以下の使用行為があったことは明白である。 ア 商標法第2条第3項第1号:商品又は商品の包装に標章を付する行為 商品それ自体に商標を表示したラベルや織りネームを取り付ける行為は本号の類型に当たる。 少なくとも、Y社が本件商品に織りネームを取り付ける行為は、納品日が2024年1月20日(乙13、乙14)であることからすると、当該取付行為は、要証期間内での本号の使用行為(織りネーム取付行為)に該当する。 イ 商標法第2条第3項第2号:商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しの為に展示し、輸出し、輸入し、又は電気通信回線を通じて提供する行為 商標法第2条第3項第1号に係る商品を譲渡し、引き渡す行為は本号の類型に当たる。 少なくとも、Y社が織りネームを取り付けた本件商品を商標権者に納品した日が2024年1月20日(乙13、乙14)であることからすると、当該納品行為は、要証期間内での本号の使用行為(商品の譲渡、引渡行為)に該当する。 (4)結語 叙上のとおり、本件商標は、要証期間に日本国内において、その指定商品中の「ジャケット」について、商標権者により使用されていたことは明らかである。 第4 当審の判断 1 事実認定 (1)被請求人の主張及び乙各号証によれば、以下の事実が確認できる。 ア 乙第1号証 乙第1号証は、被請求人が、仕様書と主張するものであり、左上に、「Alaska Sleeping Bag×POLAR STARウールスタッグジャケット」の記載、右上に、「2023年12月13日」の記載、その下に、「工場」に対応してY社の社名の記載、「品番」に対応して「M13641」の記載があり、中央に、ポケットやファスナーが取り付けられたジャケットの図面が提示され、その右上に、当該ジャケットの正面右側下部を指し示す矢印、及び「POLAR STARネーム(内側)/左ポケット向布に左右コパでたたき付け」の記載があり、その直下には別掲1に示す図柄が提示されている。 また、左下に、「品質テープ/右胸ポケット口脇側にスペア釦を縫付て二つ折りで差し込み付け」の記載とともに、洗濯指示マーク、素材表記等が含まれる「品質テープ」の図が提示され、その中に、商標権者の社名及び商標権者のものと一致する住所の記載がある。 イ 乙第10号証 乙第10号証は、納品書であり、左上に、「御中」の記載を伴ったR社の社名の記載、その下に、東京都内の住所の記載、その右に、「納品書(控)」の記載、その右下に、「TOYO ENTERPRISE CO.,LTD.」の記載、その下に、商標権者のものと一致する住所の記載、その右に、「2024年02月14日」の記載があり、その下に提示された、1行目に「品番/品名」、「数量」等の見出しが設けられた表中、項番として「4」の記載がある行において、「品番/品名」欄に「M13641/ALASKA×POLAR STAR JACKET」の記載、「数量」欄に数値の記載がある。 ウ 乙第11号証 乙第11号証は、被請求人が、ジャケットに取り付けた「織りネーム」の写真と主張するものであり、別掲2のとおり、「織りネーム」やファスナーが取り付けられ、縫製の縫い目が存在する、被服と思われるものの一部が見て取れる。 エ 乙第13号証 乙第13号証は、納品書であり、左上に、商標権者のものと一致する住所の記載、その下に、「御中」の記載を伴った商標権者の社名の記載、その右に、「納品書」の記載、その右に、「伝票番号 29556705」の記載、その下に、「伝票日付 2024年1月20日」の記載、その下に、栃木県内の住所の記載、その下に、Y社の社名の記載があり、その下に提示された、1行目に「商品コード/商品名 サイズ」、「数量」等の見出しが設けられた表中、5行目において、「商品コード/商品名 サイズ」欄に「M13641 Alaska POLAR STAR WOOL JKT」の記載、「数量」欄に、乙第10号証に提示された表における「数量」欄の上記イの数値よりも大きい数値の記載がある。 オ 乙第14号証 乙第14号証は、請求書であり、1葉目において、左上に、商標権者のものと一致する住所の記載、その下に、「御中」の記載を伴った商標権者の社名の記載、その右に、「御請求書」の記載、その右に、「発行日 2024年1月20日」の記載、その下に、栃木県内の住所の記載、その下に、Y社の社名の記載があり、その下に提示された、1行目に「伝票番号」、「商品」、「数量」等の見出しが設けられた表中、下から8行目において、「伝票番号」欄に「29556705」の記載があり、以降の行において同欄は空欄とされ、さらに、下から5行目において、「商品」欄に「M13641 Alaska POLAR STAR WOOL JKT」の記載、「数量」欄に、乙第13号証に提示された表における「数量」欄の上記エの数値と同じ数値の記載がある。 (2)上記(1)アないしオによれば、次の事実を認めることができる。 ア 商標権者は、品番が「M13641」の「ALASKA×POLAR STAR JACKET」と称する商品を、所定の個数、東京都内のR社に納品し、この取引について、2024年2月14日付けで納品書を発行した(乙10)。 イ 商標権者は、品番が「M13641」の「Alaska POLAR STAR WOOL JKT」と称する商品について、上記アのR社に納品した個数よりも多くの個数、栃木県内のY社から納品を受け、この取引について、Y社により、いずれも2024年1月20日付けの納品書及び請求書が発行された(乙13、乙14)。 ここで、「仕様書」とされる乙第1号証に、上記品番と一致する記載があり、また、「工場」についてY社の社名の記載があること、本号証における「Alaska Sleeping Bag×POLAR STARウールスタッグジャケット」の記載が上記商品の名称と多くの部分について共通していること、さらに、本号証には、上記納品書等の日付である2024年1月20日よりも前の、これに近接した「2023年12月13日」の記載があることからすれば、上記商品は、本号証に係る2023年12月13日付けの仕様書(以下「本件仕様書」という。)に記載された「ジャケット」であり、本件仕様書に従って、Y社の工場において製造されたものと認められる。 また、上記アの商品も、品番や名称から、同じ商品「ジャケット」と認められる。 ウ 乙第11号証の写真(別掲2)における被服と思われるものから見て取れるファスナーや縫い目は、本件仕様書に提示された図面との不整合がなく、「織りネーム」についても、これと同じ図柄が本件仕様書に提示されているから、当該写真の被服は商品「ジャケット」であり、商標権者がY社から納品を受けた際、当該写真のとおりに「織りネーム」が取り付けられていたものと推認できる。 エ 上記アないしウによれば、商標権者は、「織りネーム」が取り付けられた所定個数の商品「ジャケット」(以下「使用商品」という。)について、2024年1月20日に、Y社から納品を受け、その一部を、2024年2月24日に、R社に販売したことが認められる。 2 判断 上記1(2)エの行為について、次のとおり判断できる。 (1)使用商標について 使用商品に取り付けられた「織りネーム」は、別掲2のとおり、山の稜線付近の太陽を描いたものと思われる絵を背景として、上から順に「POLAR STAR」、「DamnGood」、「BLANKET」、「VIRGIN WOOL」の各文字を配し、その下に、さらに二重線及び「SUGAR CANE CO,INC.」の文字を配した構成の商標(以下「使用商標」という。)が表示されたものである。 このうち、本件商標と同じつづりの「POLAR STAR」の文字部分は、白抜きにて他の文字に比して圧倒的に大きく表されていることから、当該文字部分が需要者に強く支配的な印象を与えるものであり、独立して自他商品識別機能を発揮する部分として認識されるものである。なお、この点につき、「POLAR STAR」の文字部分の下に表示された「DamnGood」、「BLANKET」及び「VIRGIN WOOL」の文字部分は、それらの語義から使用商品の品質、原材料を表したものと解されることからすれば、なおさら、「POLAR STAR」の文字部分が独立した識別標識として認識されるといえる。 また、請求人は、使用商標の最下段の文字部分について商標権者との関係は不明である旨主張するが、上記1(2)エの行為は商標権者により行われたものであって、使用商品も商標権者の業務に係る商品として取引されたものと認められるから、上記判断を左右するものではない。 そうすると、使用商標のうち、「POLAR STAR」の文字部分が本件商標とつづりを共通にし、書体のみに変更を加えたものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。 (2)使用行為、使用者及び使用時期について 「織りネーム」が取り付けられた、すなわち使用商標を付した使用商品の商標権者によるR社への販売は、要証期間よりも後に行われたものであるが、この認定事実によれば、これに先だって、要証期間である2024年1月20日に商標権者がY社から使用商品の納品を受けたことは、商標法第2条第3項第1号にいう、商品に標章を付する行為として、商標権者により行われたというべきである。 また、上記の使用行為は、日本国内でなされたことが明らかである。 (3)使用商品について 使用商品は、「ジャケット」であって、本件商標の指定商品中「洋服」の範ちゅうに属する商品であると認められる。 (4)小括 上記(1)ないし(3)によれば、本件商標の商標権者は、要証期間に日本国内において、本件商標の指定商品の範ちゅうに含まれる商品に、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる標章を付する、商標法第2条第3項第1号に該当する行為を行ったことが認められる。 3 まとめ 以上のとおり、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者が、本件商標の指定商品の範ちゅうに含まれる商品について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標の使用をしていたことを証明したということができる。 したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。

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