特許拒絶査定不服審判
2018-015660
遊技機
- 審判番号
- 2018-015660
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-115324外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年11月27日
- 審決日
- 2019年08月26日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-115324号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月21日出願公開、特開2015-228926号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
1.手続の経緯
本願は、平成26年6月3日に出願された特願2014-115324号であって、平成28年1月21日に手続補正書が提出され、同年10月24日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月16日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年5月29日付けで拒絶の理由(最後)が通知され、同年8月1日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年1月19日付けで前記平成29年8月1日付けの手続補正が却下されるとともに、同日付けで再度拒絶の理由(最後)が通知され、同年3月27日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年7月10日付けで前記平成30年3月27日付けの手続補正が却下されるとともに同日付け(送達日:平成30年9月4日)で拒絶査定がなされ、これに対し、同年11月27日に拒絶査定不服審判請求がなされるとともに、同時に手続補正がなされ、その後、当審において令和1年5月14日付けで拒絶理由(以下「当審拒絶理由」という。)が通知され、同年7月18日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。
2.本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明は、令和1年7月18日になされた手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は以下のとおりである(記号A~Eは、分説するため審決にて付した。)。
「【請求項1】
A 可変表示を実行可能な遊技機であって、
B 可変表示に基づいて特定表示を行う特定表示手段と、
C 演出結果として前記特定表示の表示態様を変化させる第1態様または前記特定表示の表示態様を変化させない第2態様のいずれか一方が表示され、演出結果が前記第1態様となる場合と前記第2態様となる場合とで共通の表示態様を含む特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、
D 前記特定演出実行手段は、演出結果が前記第2態様となると決定された場合に、前記特定演出の演出結果により当該第2態様であることが明示される前に、当該特定演出を前記共通の表示態様の演出途中で終了可能である、
E ことを特徴とする遊技機。」
3.引用文献及び引用発明
ア 当審拒絶理由において引用文献1として引用された特開2014-36684号公報(以下「引用文献」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付記した。以下同じ。)。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)や回胴遊技機(スロットマシン)に代表される遊技台に関する。」
(イ)「【0200】
第1副制御部400´は、各フレームにおいてフレームバッファ1または2に表示画像を形成した後、フレームバッファの左上隅を原点として解像度1280×960の範囲を指定して描画指示を行う。これにより、装飾図柄表示装置208には、表示領域内の下端部に2つのテクスチャ画像(先の保留アイコン)が左右方向に並んで配置されている状態において、3つ目のテクスチャ画像(増加した保留に対応する新たな保留アイコン)が表示領域外の下方から出現し、2つのテクスチャ画像の右隣の位置に徐々に移動するアニメーションが表示される。」
(ウ)「【0502】
また、本実施形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100´)は、図柄変動表示を少なくとも実行可能な図柄表示手段(例えば、第1特図表示装置212、第2特図表示装置214)と、表示を少なくとも実行可能な表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208´)と、を備えた遊技台であって、前記表示手段は、第一の表示条件の成立があった場合に、前記図柄変動表示に対応する変動アイコン(例えば、図84に示す変動アイコンVI)を少なくとも表示可能なものであり、前記表示手段は、第二の表示条件の成立があった場合に、前記変動アイコンに関連する情報(例えば、図84に示す『発展』や『激熱』の文字情報)を少なくとも表示可能なものである、ことを特徴とする遊技台である。」
(エ)「<図柄の種類>
【1137】
次に、図169(a)~(d)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図169(a)は特図1の停止図柄態様の一例を示したものであり、図169(b)は特図2の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、特図1表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す『特図1の変動表示』を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、特図2表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す『特図2の変動表示』を行う。これらの『特図1の変動表示』および『特図2の変動表示』が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図1表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図2表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、『特図1の変動表示』を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは『特図2の変動表示』を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この『特図1または2の変動表示』を開始してから特図1または2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。」
(オ)「【1142】
図169(c)は装飾柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、『装飾1』~『装飾10』の10種類がある。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、『装飾1』→『装飾2』→『装飾3』→・・・→『装飾9』→『装飾10』→『装飾1』→・・・の順番で表示を切り替える『装飾図柄の変動表示』を行う。
【1143】
そして、『特図A』の15R特別大当り、『特図B』の15R大当り、『特図a』の16R特別大当り、『特図b』の8R特別大当り、『特図c』の8R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a~208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば『装飾1-装飾1-装飾1』や『装飾2-装飾2-装飾2』等)を停止表示する。『特図A』の15R特別大当り、『特図a』の16R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば『装飾3-装飾3-装飾3』や『装飾7-装飾7-装飾7』等)を停止表示する。」
(カ)「【1318】
<保留アイコン表示態様抽選テーブル>
【1319】
図187~図190に示す保留アイコン表示態様抽選テーブルでは、増加した保留の変動タイマが属するタイマグループと、保留アイコン表示態様抽選用乱数値とに基づいて、当該保留についての保留アイコン変更シナリオが決定される。増加した保留の変動タイマが属するタイマグループは、第1副制御部400からの先読み結果情報コマンド等に基づいて判定され、保留アイコン表示態様抽選用乱数値は、RAM508に設けられた乱数カウンタから取得される。本例の保留アイコン表示態様抽選用乱数値のとり得る範囲は0~99(数値範囲の幅は100)である。
【1320】
例えば、保留数が3つから4つに増加し、増加した保留の変動タイマがタイマ1~5(タイマグループ1、即はずれ系)である場合、図187に示すように、80%の確率(乱数範囲0~79)で『入賞時:白、1変動後:白、2変動後:白、3変動後:白』という保留アイコン変更シナリオが設定される。すなわち、当該保留に対応する保留アイコンの表示態様は、表示開始当初には白であり、その後、保留が消化されて保留アイコンが消去されるまで白を維持する。なお、保留アイコン表示態様抽選用テーブルの表示態様欄において、『-』はそれ以前に設定された表示態様を維持することを表している。また、同表示態様欄では、当該保留の消化直前の表示態様をグレーの塗り潰しで示している。
【1321】
また例えば、保留数が2つから3つに増加し、増加した保留の変動タイマがタイマ8~10(タイマグループ3、期待小:当り)である場合、図188に示すように、5%の確率(乱数範囲56~60)で『入賞時:白、1変動後:青、2変動後:赤』という保留アイコン変更シナリオが設定される。すなわち、当該保留に対応する保留アイコンの表示態様は、表示開始当初には白であり、1変動後には青に変化し、2変動後(当該保留の消化直前)には赤に変化する。
【1322】
本例の保留アイコンの表示態様は、球系の保留アイコン表示グループでは信頼度(大当り信頼度)の高い方から『赤』、『青』、『白』となっており、箱系の保留アイコン表示グループでは信頼度の高い方から『千両箱』、『箱』となっている。図187~図190に示す保留アイコン表示態様抽選テーブルでは、当り時に選択されるタイマグループ3、5、7の方が、はずれ時に選択されるタイマグループ1、2、4、6よりも信頼度の高い表示態様が選択され易く、また、信頼度の高い表示態様に変化し易くなっている。」
(キ)「【1327】
また、第一の表示態様の保留アイコン(例えば、表示態様:白)を第二の表示態様の変動アイコン(例えば、表示態様:青)に変更するために行われる変更アニメーションなどが含まれる。また、アイコン変更アニメーションは、アイコンの表示態様を第一から第二の表示態様へ変えるものと、第三から第四の表示態様へ変えるものとが共通の態様であっても良い。更にその逆に、第一から第二の表示態様へ変えるものと、第三から第四の表示態様へ変えるものを個別に設定していても良い。また、変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はなく、例えば第一の保留アイコンに対しアイコン変更アニメーションが行われたにも関わらず、該アイコン変更アニメーションの終了後も第一のアイコンの表示態様を変更しない場合があっても良い。また、実行された場合には、必ず対象となる保留アイコンの表示態様が変更されるアイコン変更アニメーションを実行可能に構成していても良い。」
(ク)「【1338】
次に、本実施の形態によるパチンコ機100において実行される演出の具体例について説明する。
<実施例1-1>
【1339】
図192は、実施例1-1の演出表示の例を時系列で示した図である。同図(b)~(h)の期間は、特図1変動遊技の変動期間中の状態を示している。同図(b)に示すタイ
ミングでは、特図1表示装置212で特図1の変動表示が開始される。特図1保留ランプ218は、特図1の保留数が3から2に減少したことを表示する。
【1340】
図柄表示領域208a~208cでは、装飾図柄の変動表示が開始される。変動アイコン表示領域800および保留アイコン表示領域900では、保留・変動アイコン間の移動アニメーション、保留アイコンの移動アニメーションが開始される。
【1341】
保留・変動アイコン間の移動アニメーションでは、同図(b)~(c)に示すように、保留アイコン表示領域900の第1領域に表示されていた保留アイコン901が、変動アイコン802となって、表示サイズが徐々に拡大されながら変動アイコン表示領域800に移動する。保留アイコンの移動アニメーションでは、同図(b)~(c)に示すように、保留アイコン表示領域900の第2および第3領域に表示されていた保留アイコン902、903が第1および第2領域にそれぞれ移動する。
【1342】
上述のとおり、第2副制御部500は、図185に示す保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン変更条件が成立し、かつ、当該変動のタイマ番号がタイマ2(変動時間3000msの短縮変動)の場合には、保留アイコン変動アニメーション3(アイコン変更アニメ3)を表示し、保留アイコン変更条件が成立し、かつ、当該変動のタイマ番号がタイマ2(変動時間3000msの短縮変動)以外の場合には、保留アイコン変動アニメーション1(アイコン変更アニメ1)または保留アイコン変動アニメーション2(アイコン変更アニメ2)を表示する。」
(ケ)「<実施例1-3>
【1362】
図195は、実施例1-3の演出表示の例を時系列で示した図である。同図(b)~(g)の期間は、特図2変動遊技の変動期間中の状態を示している。同図(b)に示すタイミングでは、特図2表示装置214で特図2の変動表示が開始される。特図2保留ランプ220は、特図2の保留数が4から3に減少したことを表示する。
【1363】
図柄表示領域208a~208cでは、装飾図柄の変動表示が開始される。変動アイコン表示領域800および保留アイコン表示領域900では、保留・変動アイコン間の移動アニメーション、保留アイコンの移動アニメーションが開始される。
【1364】
保留・変動アイコン間の移動アニメーションでは、同図(b)~(d)に示すように、保留アイコン表示領域900の第1領域に表示されていた保留アイコン901が、変動アイコン802となって、表示サイズが徐々に拡大されながら変動アイコン表示領域800に移動する。保留アイコンの移動アニメーションでは、同図(b)~(d)に示すように、保留アイコン表示領域900の第2~第4領域に表示されていた保留アイコン902、903、904が第1~第3領域にそれぞれ移動する。
【1365】
ここでは、保留アイコン変更シナリオに規定されたタイミングが到来したことで保留アイコン変更条件が成立し、アイコン変更アニメ4を表示する場合について説明する。同図(d)は、アイコン変更アニメ4を開始した状態である。このアイコン変更アニメ4では、上記図191に示すように、(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下→(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示→(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更→(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、の順番でアニメーションを行う。
【1366】
同図(d)~(e)のタイミングでは、アイコン変更アニメ4の(表示態様1:導入)に従って、殿のキャラクターが保留アイコン表示領域900の直上から落下するアニメーションを行っている。続いて、同図(e)~(f)のタイミングでは、アイコン変更アニメ4の(表示態様2:煽り)に従って、全ての保留アイコン902~904を視認困難にする煙を表示するアニメーションを行っている。つまり、アイコン変更アニメ4は、複数の保留アイコンに対し、表示態様が変更される可能性のあるアニメを行なう点で、アイコン変更アニメ3と相違する。また、対象となる保留アイコンの数が異なるため、それに伴い、保留アイコンを隠すエフェクト(本例では煙の表示)もアイコン変更アニメ3とは異なっている。
【1367】
また、上述したように、アイコン変更アニメ4は、アイコン変更アニメ3とエフェクトが異なっているが、それ以外の表示については同一であるため、アイコン変更アニメ4は、アイコン変更アニメ3+煙のエフェクトアニメという見方をとることもできる。
【1368】
続いて、同図(f)のタイミングでは、アイコン変更アニメ4の(表示態様3:結果報知)に従って、煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様(この例では、保留アイコン903の色と、保留アイコン904の模様)を変更するアニメーションを行っている。なお、保留アイコン903、904の表示態様を変更する場合に、他の保留アイコン902の表示態様を変更してもよい。
【1369】
最後に、同図(f)~(g)のタイミングでは、アイコン変更アニメ4の(表示態様3:エンディング)に従って、煙を消して全アイコンを視認可能にするアニメーションを行っている。この例では、同図(d)~(g)に示す期間でアイコン変更アニメ4を行っており、その表示期間は3000msである。この例では、実行の契機となる保留数が1つの場合でも、複数の保留アイコンの表示態様を変更することが可能となり、遊技者の興味をひく演出表示を行うことができる場合がある。」
(コ)「【1542】
また、電断・復電に限らず、例えば、大当りやST終了等による遊技状態の変更があった場合にも所定の回数保留アイコンおよび変動アイコンを予め定められた態様で表示するようにしていてもよい。また、擬似連が行われる度に変動アイコンの消去と復帰を繰り返し複数回行ってもよい。また、当否判定結果として、特別な当否判定結果が導出された場合には、変動アイコンにおける移動アニメ・変化アニメ・消去アニメのうちの少なくともいずれか一つの実行を規制してもよい。・・・
【1545】
また、本実施の形態による遊技台は、所定の保留記憶条件が成立した場合には、所定の始動情報を保留として少なくとも記憶可能な保留記憶手段(例えば、RAM308、特図1乱数値記憶領域、特図2乱数値記憶領域)と、所定の保留表示条件が成立した場合には、一の前記保留に対応する一の保留アイコンを少なくとも表示可能な保留表示手段(例えば、装飾図柄表示装置208、保留アイコン表示領域900、第1副制御部400、第2副制御部500)と、を備え、前記保留表示手段は、所定の保留移動条件(例えば、特図変動遊技の開始、保留の増加)が成立した場合には、所定の保留に対応する所定の保留アイコンの表示位置を移動させる所定の保留移動アニメーション(例えば、保留アイコンの移動アニメーション、増加アニメーション、消去アニメーション、保留・変動アイコン間の移動アニメーション)を表示可能なものであり、第一の保留移動条件が成立した場合に、前記所定の保留移動条件は成立するものであり、前記第一の保留移動条件とは別の第二の保留移動条件が成立した場合にも、前記所定の保留移動条件は成立するものであり、前記保留表示手段は、前記第一の保留移動条件が成立した場合には、前記保留記憶手段に記憶された第一の保留と対応する第一の保留アイコンについての第一の保留移動アニメーションを実行し、前記保留表示手段は、前記第二の保留移動条件が成立した場合には、前記保留記憶手段に記憶された前記第一の保留とは異なる第二の保留と対応する第二の保留アイコンについての第二の保留移動アニメーションを実行するものであって、前記保留表示手段は、前記第一の保留移動アニメーションの実行中に、前記第二の保留移動条件が成立した場合には、実行中の前記第一の保留移動アニメーションと共に前記第二の保留移動アニメーションを開始可能なものであり、前記保留表示手段は、前記第二の保留移動アニメーションの実行中に、前記第一の保留移動条件が成立した場合には、実行中の前記第二の保留移動アニメーションと共に前記第一の保留移動アニメーションを開始可能なものであることを特徴とする。」
(サ)図187、図191及び図195は次のものである。
【図187】
【図191】
【図195】
(シ)上記(カ)の記載を踏まえて、上記(サ)の図187をみると、所定の確率で、入賞時、1変動後、2変動後、3変動後、の順に適宜色が白、青、赤と変化する保留アイコン変更シナリオが設定されていることが見てとれる。
イ 上記アによれば、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(なお、記号a~hは、分説するため審決にて付した。)。
「a 図柄変動表示を実行可能な第1特図表示装置及び第2特図表示装置と、表示を実行可能な装飾図柄表示装置とを備え、前記装飾図柄表示装置は、前記図柄変動表示に対応する変動アイコンを表示可能であり(上記「ア」「(ウ)」【0502】)、
前記装飾図柄表示装置には、表示領域内の下端部に保留アイコンが配置され(上記「ア」「(イ)」【0200】)、
b 特図1始動口に球が入球したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口に球が入球したことを条件として特図2変動遊技が開始され、前記特図1変動遊技が開始されると、前記特図1表示装置は、特図1の変動表示を行い、また、前記特図2変動遊技が開始されると、前記特図2表示装置は、特図2の変動表示を行い、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、前記特図1表示装置は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、前記特図2表示装置は特図2の停止図柄態様を停止表示し(上記「ア」「(エ)」【1137】)、そして、装飾図柄を停止表示し(上記「ア」「(オ)」【1143】)、
c 保留アイコンを表示可能な保留表示手段は、装飾図柄表示装置、保留アイコン表示領域、第1副制御部、第2副制御部とを備え、前記保留表示手段は、所定の保留移動条件が成立した場合には、所定の保留に対応する所定の保留アイコンの表示位置を移動させる所定の保留移動アニメーションを表示可能なものであり(上記「ア」「(コ)」【1545】)、
d 保留アイコン変更シナリオに規定されたタイミングが到来したことで保留アイコン変更条件が成立し、保留アイコン変更アニメーションを表示する場合、
(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、
(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示、
(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更、
(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、
の順番でアニメーションを行い(上記「ア」「(ケ)」【1365】)、
e 前記保留アイコン変更アニメーションは、当該保留アイコン変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はなく、該保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合があり(上記「ア」「(キ)」【1327】)、
f 第2副制御部は、保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン変更条件が成立した場合には、前記保留アイコン変動アニメーションを表示し(上記「ア」「(ク)」【1342】)、
g 擬似連が行われる度に変動アイコンの消去と復帰を繰り返し複数回行ってもよい(上記「ア」「(コ)」【1542】)、
h 弾球遊技機(上記「ア」「(ア)」【0001】)。」
4.対比・判断
(1)対比
ア 本願発明と引用発明とを対比する。
(ア)構成A及びEについて
引用発明の「図柄変動表示を実行可能な第1特図表示装置及び第2特図表示装置と、表示を実行可能な装飾図柄表示装置とを備え、前記装飾図柄表示装置は、前記図柄変動表示に対応する変動アイコンを表示可能であり、前記装飾図柄表示装置には、表示領域内の下端部に保留アイコンが配置され」(構成a)、「特図1始動口に球が入球したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口に球が入球したことを条件として特図2変動遊技が開始され、前記特図1変動遊技が開始されると、前記特図1表示装置は、特図1の変動表示を行い、また、前記特図2変動遊技が開始されると、前記特図2表示装置は、特図2の変動表示を行い、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、前記特図1表示装置は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、前記特図2表示装置は特図2の停止図柄態様を停止表示し、そして、装飾図柄を停止表示」(構成b)する「弾球遊技機」(構成h)は、引用発明の「特図1表示装置」が行う「特図1の変動表示」、及び、「特図2表示装置」が行う「特図2の変動表示」が本願発明の「可変表示」に相当するから、本願発明の「可変表示を実行可能な遊技機」(構成A)及び「遊技機」(構成E)に相当する。
(イ)構成Bについて
引用発明の「特図1始動口に球が入球したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口に球が入球したことを条件として特図2変動遊技が開始され、前記特図1変動遊技が開始されると、前記特図1表示装置は、特図1の変動表示を行い、また、前記特図2変動遊技が開始されると、前記特図2表示装置は、特図2の変動表示を行い、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、前記特図1表示装置は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、前記特図2表示装置は特図2の停止図柄態様を停止表示し、そして、装飾図柄を停止表示」(構成b)する「特図1表示装置」及び「特図2表示装置」は、引用発明の「特図1表示装置」が「特図1の停止図柄態様を停止表示」すること、及び、「特図2表示装置」が「特図2の停止図柄態様を停止表示」することが、本願発明の「特定表示」に相当するから、上記(ア)での検討を踏まえると、本願発明の「可変表示に基づいて特定表示を行う特定表示手段」(構成B)に相当する。
(ウ)構成Cについて
a 引用発明の「第2副制御部」は、「保留アイコンを表示可能な保留表示手段は、装飾図柄表示装置、保留アイコン表示領域、第1副制御部、第2副制御部とを備え、前記保留表示手段は、所定の保留移動条件が成立した場合には、所定の保留に対応する所定の保留アイコンの表示位置を移動させる所定の保留移動アニメーションを表示可能なものであり」(構成c)、
「保留アイコン変更シナリオに規定されたタイミングが到来したことで保留アイコン変更条件が成立し、保留アイコン変更アニメーションを表示する場合、
(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、
(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示、
(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更、
(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、
の順番でアニメーションを行い」(構成d)、
「前記保留アイコン変更アニメーションは、当該保留アイコン変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はなく、該保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合があり」(e)、
「第2副制御部は、保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン変更条件が成立した場合には、前記保留アイコン変動アニメーションを表示」(f)するから、
「(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、
(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示、
(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更あるいは変更せず、
(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、
の順番で」行う「保留アイコン変更アニメーション」の終了後に「保留アイコンの表示態様」が「変化」する場合の表示と、「保留アイコン変更アニメーション」の終了後も「保留アイコンの表示態様を変更しない場合」の表示を行う「第2副制御部」であるといえる。
b そうすると、引用発明の「保留アイコン変更アニメーション」の終了後、「保留アイコンの表示態様」、「保留アイコンの表示態様」が「変化」する場合の表示、「保留アイコンの表示態様を変更しない場合」の表示、「(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示・・・(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする」、及び、「第2副制御部」は、本願発明の「演出結果」、「特定表示の表示態様」、「特定表示の表示態様を変化させる第1態様」、「特定表示の表示態様を変化させない第2態様」、「前記第1態様となる場合と前記第2態様となる場合とで共通の表示態様」、及び、「特定演出実行手段」にそれぞれ相当する。
c したがって、引用発明の「保留アイコンを表示可能な保留表示手段は、装飾図柄表示装置、保留アイコン表示領域、第1副制御部、第2副制御部とを備え、前記保留表示手段は、所定の保留移動条件が成立した場合には、所定の保留に対応する所定の保留アイコンの表示位置を移動させる所定の保留移動アニメーションを表示可能なものであり」(構成c)、
「保留アイコン変更シナリオに規定されたタイミングが到来したことで保留アイコン変更条件が成立し、保留アイコン変更アニメーションを表示する場合、
(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、
(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示、
(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更、
(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、
の順番でアニメーションを行い」(構成d)、
「前記保留アイコン変更アニメーションは、当該保留アイコン変更アニメーションが行われたからといって、保留アイコンの表示態様を必ず変化させる必要はなく、該保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合があり」(e)、
「第2副制御部は、保留アイコン表示制御処理において、保留アイコン変更条件が成立した場合には、前記保留アイコン変動アニメーションを表示」(f)する「第2副制御部」は、本願発明の「演出結果として前記特定表示の表示態様を変化させる第1態様または前記特定表示の表示態様を変化させない第2態様のいずれか一方が表示され、演出結果が前記第1態様となる場合と前記第2態様となる場合とで共通の表示態様を含む特定演出を実行する特定演出実行手段」に相当する。
イ したがって、本願発明と引用発明とは、
「A 可変表示を実行可能な遊技機であって、
B 可変表示に基づいて特定表示を行う特定表示手段と、
C 演出結果として前記特定表示の表示態様を変化させる第1態様または前記特定表示の表示態様を変化させない第2態様のいずれか一方が表示され、演出結果が前記第1態様となる場合と前記第2態様となる場合とで共通の表示態様を含む特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、
E 遊技機。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
〔相違点〕
「特定演出実行手段」が、本願発明は、「演出結果が前記第2態様となると決定された場合に、前記特定演出の演出結果により当該第2態様であることが明示される前に、当該特定演出を前記共通の表示態様の演出途中で終了可能である」のに対して、引用発明は、「保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合」(構成e)に、「(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、
(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示、
(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更、
(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、
の順番でアニメーションを行」(構成d)う当該「保留アイコン変更アニメーション」を途中で終了可能と特定されない点(以下「相違点」という。)。
(2)判断
ア 上記相違点について検討する。
(ア)引用発明の「保留アイコン変更アニメーション」においては、
「アイコン変更アニメを表示する場合」及び「保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合」のいづれであっても、
「(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下、(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示」及び「(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、の順番でアニメーションを行」(構成d)っているが、「保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合」は、そもそも、「(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更」する必要はない。
(イ)また、遊技者が「(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする」まで見たにもかかわらず、アイコンの表示態様が変更されていない場合の遊技者の落胆が大きいことは明らかである。
(ウ)そうすると、「保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合」に遊技者の落胆を抑えることは、遊技機において必要に応じて考慮されるべき事項であるところ、遊技者の落胆を抑えるために、「保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合」に、必要のない「(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更」する演出以降の演出を省略することは当業者が容易に想到し得たことである。
(エ)また、上記(ウ)のように、アイコンの表示態様を変更する場合とアイコンの表示態様を変更しない場合とで共通するアイコン変更アニメーションの途中で当該「アイコン変更アニメーション」を終了する構成となすことは、遊技機の「アイコン変更アニメ(保留アニメーション)」における演出の形態として従来周知の事項にすぎない(必要ならば、例えば、後記「イ」文献参照。)。
そして、引用発明の「アイコン変更アニメ(保留アニメーション)」と上記従来周知の事項(後記「イ」文献)の「保留表示予告を示唆する示唆演出」及び「保留画像の表示態様が変化して、当該変動中の特別図柄判定において大当たりとなる可能性が比較的高いことを示す演出」は、いずれも、保留アニメーションである点で共通する。
(オ)したがって、引用発明において、上記周知の事項を踏まえて、遊技者の落胆を抑えるために、「保留アイコン変更アニメーションの終了後も当該アイコンの表示態様を変更しない場合」には必要のない「(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更」する演出以降の演出を省略することで、「(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下」及び「(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示」(本願発明の「共通の表示態様」に相当)する演出の途中で当該演出を終了可能である構成となして、上記相違点に係る本願発明の構成となすことは当業者が容易になし得たことである。
イ 文献(下線は当審が付した。)
(ア)特開2014-64762号公報(以下「周知文献1」という。)
a 特に段落【0234】、【0290】の
「【0234】
この実施の形態では、図27(B)に示すように、パターン1~パターン8までの示唆演出パターンに対応して、予め複数の示唆演出の実行態様が用意されている。・・・パターン6の示唆演出は、小さな星の中に『A』の文字が表示された画像を表示させ、対象となる保留表示の位置で停止させず、画像表示装置5を通りすぎるように表示する態様の示唆演出であり(例えば図35(a)、(b)に示す『B』の文字を『A』に置き換えた演出)、それぞれ、保留表示予告Aが実行されないことを示唆する示唆演出である。・・・パターン5~パターン8の示唆演出は、保留表示予告AまたはBが実行されるとを遊技者に見せかけて、遊技者の期待感を向上させる演出である。すなわち、パターン5~パターン8の示唆演出が開始されると、遊技者は、保留表示予告AまたはBが実行される可能性があるといった期待を抱くことになり、示唆演出に注目することとなる。」
「【0290】
(変形例2)
上記実施の形態では、保留表示予告AとBの2種類の保留表示予告が予め用意されている例を示したが、これは一例である。・・・また、示唆演出は、保留表示予告の実行の有無を表現するものであればよく、その具体的態様は適宜変更できる。例えば、図37に示すように、まず第5パターン~第8と同じ態様で保留表示予告が実行されないことを示唆する示唆演出が一旦表現され(図37(a))、その後に、予告対象となる可変表示に対応する保留表示図柄の位置で停止させる(図37(b)、(c))特殊態様の示唆演出が用意されていてもよい。特殊態様の示唆演出が実行された場合に、その後、保留表示予告が実行されればよい。これによれば、保留表示予告を実行しないことを示唆する示唆演出と同じ態様で演出を実行した後に、保留表示予告を実行する態様の示唆演出が実行される場合があるため、保留表示予告を実行しないことを示唆する示唆演出の実行が開始された場合であっても、遊技者の期待感を持続させることができる。また、示唆演出は、複数の可変表示に亘って実行される、例えば、一連のストーリーを示す演出であってもよい。」
との記載、及び、図35及び37。
b 図35、37は次のとおりである。
c 上記aの記載を踏まえてbの図35、37を見ると、図35には、星の中に「A」の文字が表示された画像を表示させ、前記星を対象となる保留表示の位置で停止させず、画像表示装置の端まで移動した後画面の外に出るように表示する態様(保留表示予告Aが実行されない場合)を見てとることができ、図37には、星の中に「A」の文字が表示された画像を表示させ、前記星を最初は対象となる保留表示の位置で停止させず、画像表示装置の端まで移動した後、当該画像表示装置の端で跳ね返った後、対象となる保留表示の位置で停止するように表示する態様(保留表示予告Aが実行される場合)を見てとることができる。
d 上記aないしdによれば、周知文献1には、
「保留表示予告Aが実行されない場合は、保留表示予告Aが実行される場合及び保留表示予告Aが実行されない場合の共通の表示態様の演出(星の移動)の後、前記共通の表示態様の演出(星の移動)途中で演出を終了す(画像表示装置の端まで移動した後画面の外に出)る態様であり、保留表示予告Aが実行される場合は、前記共通の表示態様の演出(星の移動)の後、保留表示予告の示唆演出(当該画像表示装置の端で跳ね返った後、対象となる保留表示の位置で停止するように表示)を行う態様である、保留表示予告を示唆する示唆演出。」
が記載されていると認められる。
(イ)特開2013-240381号公報(以下「周知文献2」という。)
段落【0001】、【0082】~【0086】
「【技術分野】
【0001】
本発明は、図柄を変動させて停止させることにより当たり判定の結果を報知する遊技機に関する。」
「【0082】
以下、サブ液晶表示装置6において行われる具体的な演出の例について説明する。
【0083】
図8は、特別図柄の変動中にメイン液晶表示装置5に表示される画像の一例を示す図であり、サブ液晶表示装置6を用いた予告演出の一例を示す図である。図8に示すように、特別図柄が第1特別図柄表示器41において変動を開始すると、メイン液晶表示装置5に表示される装飾図柄51が変動を開始する。特別図柄が変動開始する際に、大当たりか否かの判定が行われ、当該判定結果に基づいて、演出制御基板130がサブ液晶表示装置6を用いた予告演出を含む変動演出を選択することがあり、特別図柄の変動中(装飾図柄51の変動中)に、サブ液晶表示装置6を用いた予告演出が行われる。装飾図柄51は、第1特別図柄表示器41に表示される特別図柄に対応する演出用の図柄である。また、メイン液晶表示装置5には、第1特別図柄判定の権利の保留を示す保留画像52が権利の保留数に応じた数だけ表示される。ここで、保留画像52aは、現在変動中の特別図柄判定の権利を示す。
【0084】
例えば、図8に示すように、特別図柄の変動中に、サブ液晶表示装置6が、初期位置(図8(A))よりも下方に移動することがある(図8(B))。この場合において、サブ液晶表示装置6には、所定の演出画像が表示される。例えば、キャラクタ61とアイテム62とがサブ液晶表示装置6に表示され、キャラクタ61がアイテム62を把持して動作する動画演出が行われる。これらの画像は、現在変動中の特別図柄判定の結果に対する予告であり、例えば、サブ液晶表示装置6に特定の画像が表示された場合は、当該変動における大当たりに対する信頼度(確率)が比較的高いことを示す。ここで、サブ液晶表示装置6に予告画像が表示される場合は、サブ液晶表示装置6は上下に動作する。すなわち、サブ液晶表示装置6に遊技者の視線を誘導するために、予告画像が表示される前後においてサブ液晶表示装置6を動作させる。
【0085】
図9は、図8に示す予告画像がサブ液晶表示装置6に表示された後のサブ液晶表示装置6およびメイン液晶表示装置5において行われる演出の一例を示す図である。図9(A)に示すように、例えば、キャラクタ61がアイテム62を投げる様子がサブ液晶表示装置6において表示される。その後、アイテム62がサブ液晶表示装置6の画面の下方に移動し、当該画面の下端に達した後、メイン液晶表示装置5にアイテム62が出現する(図9(B))。メイン液晶表示装置5のアイテム62は、サブ液晶表示装置6に表示されていたアイテム62と同じ画像であり、サブ液晶表示装置6から移動してきたオブジェクトである。メイン液晶表示装置5に出現したアイテム62は、メイン液晶表示装置5の画面の下方に向かって移動する。
【0086】
図10は、図9に示す画像がメイン液晶表示装置5に表示された後のメイン液晶表示装置5において行われる演出の一例を示す図である。図10(A)に示すように、アイテム62がメイン液晶表示装置5に出現した後(サブ液晶表示装置6から移動してきた後)、アイテム62は、メイン液晶表示装置5に表示された保留画像52aに向かって移動する場合がある。そして、図10(B)に示すように、アイテム62が保留画像52aに到達することがあり、到達した場合は、保留画像52aの表示態様(色や模様、形状等)が変化する。保留画像52aが変化することは、当該変動中の特別図柄判定において大当たりとなる可能性が比較的高いことを示す。保留画像52aは予め定められた複数の態様に変化することが可能であり、その変化の態様によって、大当たりに対する信頼度が異なる。なお、アイテム62は保留画像52aに到達しない場合もあり、この場合は保留画像52aは変化せず、当該変動において大当たりとなる可能性は低くなる。」
との記載、及び、図8~10。
b 図8~10は次のとおりである。
【図8】
【図9】
【図10】
c 上記aの記載を踏まえてbの図8ないし10を見ると、遊技機において、現在変動中の特別図柄判定の結果に対する予告として、液晶表示装置において行われる演出であって、キャラクタがアイテムを投げ、前記アイテムは、保留画像に向かって移動する場合があり、そして、前記アイテムが前記保留画像に到達することがあり、到達した場合は、前記保留画像の表示態様が変化して、当該変動中の特別図柄判定において大当たりとなる可能性が比較的高いことを示し、これに対して、前記アイテムが前記保留画像に到達しない場合は前記保留画像は変化せず、当該変動において大当たりとなる可能性は低いことを示す演出が表示されることが見てとれる。
ここで、キャラクタが投げたアイテムが前記保留画像に到達しないことは、キャラクタが投げたアイテムが保留画像に到達する前に当該アイテムの保留画像に向かって移動する演出がなされなくなることであるから、キャラクタが投げたアイテムが保留画像に向かって移動する演出の途中で当該演出が終了することであるといえる。
d 上記aないしdによれば、周知文献2には、
「遊技機において、保留画像の表示態様が変化して、当該変動中の特別図柄判定において大当たりとなる可能性が比較的高いことを示す演出の場合は、キャラクタが投げたアイテムが保留画像に到達し、これに対して、保留画像の表示態様が変化せず、当該変動において大当たりとなる可能性は低いことを示す演出の場合は、キャラクタが投げたアイテムが保留画像に向かって移動する演出の途中で当該演出が終了すること。」
が記載されていると認められる。
(3)本願発明が奏する効果について
上記相違点に係る構成によって本願発明が奏する効果は、当業者が引用発明から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は、特に上記相違点に関して、令和1年7月18日付けの意見書の「3.本願発明と引用発明との対比」「(1)請求項1」において、下記のとおり主張する(下線は当審が付した。)
「請求項1に係る発明(以下、本願発明)は、演出結果として特定表示の表示態様を変化させる第1態様または特定表示の表示態様を変化させない第2態様のいずれか一方が表示され、演出結果が第1態様となる場合と第2態様となる場合とで共通の表示態様を含む特定演出を実行する遊技機において、演出結果が第2態様となると決定された場合に、特定演出の演出結果により当該第2態様であることが明示される前に、当該特定演出を共通の表示態様の演出途中で終了可能であることを特徴とします。
これにより、本願発明では、特定演出(表示変化演出)の演出結果が失敗態様に決定された場合には、特定演出を共通の表示態様の演出途中で停止することが可能であるため特定演出は比較的短時間で終了し、特定演出の演出結果が第2態様(失敗態様)となる場合における遊技の興趣の低下を抑制することができます。また、この場合であっても、特定演出は、共通の表示態様の途中で終了することとなるため、演出中に演出結果が失敗態様となることや失敗態様となる可能性が高いことが遊技者に分かり遊技の興趣が低下してしまうことを抑制することができます。
これに対し、引用文献1には、保留アイコン変更条件が成立した場合に、(表示態様1:導入)キャラクターがアイコン表示領域の直上から落下→(表示態様2:煽り)全アイコンを視認困難にする煙を表示→(表示態様3:結果報知)煙の表示中に、対象となるアイコンの表示態様を変更→(表示態様4:エンディング)煙を消して全アイコンを視認可能にする、の順番でアイコン変更アニメーションを行うことが記載されています。・・・
即ち、引用文献1のアイコン変更アニメーション(本願の「特定演出」に対応)は、アイコンの表示態様が変化しない場合(本願の「第2態様」に対応)であっても、途中で終了することは無く、最後まで実行されてエンディングの後に初めてアイコンの表示態様が変化しないことが遊技者に明示されます。従って、引用文献1の遊技機では、アイコンが変化しない場合であっても、変化する場合と同様に演出(アニメーション)は長時間実行されるため、最終的にアイコンが変化しないと分かったときに遊技者の落胆は大きく、遊技興趣は大きく低下してしまいます。
このようなことから、特定演出の演出結果が特定表示の表示態様が変化しない第2態様になると決定された場合に、当該第2態様であることが明示される前に、当該特定演出を共通の表示態様の演出途中で終了可能であるという本願発明の特徴、効果について、引用文献1に開示も示唆もないのは明らかです。」
イ しかしながら、上記「(2)」で検討したとおり、共通の表示態様の演出途中で終了可能する演出は従来周知であって、また、請求人が意見書で主張している効果も、引用発明に当該周知の事項を適用することにより予測し得た程度のことにすぎない。
したがって、上記請求人の主張は採用できない。
(5)まとめ
以上のように、本願発明は、当業者が引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-015660