特許拒絶査定不服審判
2018-013855
車両動作装置および車両動作方法
- 審判番号
- 2018-013855
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-575524外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年10月18日
- 審決日
- 2019年09月17日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
- 【請求人代理人】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
- 【請求人代理人】前川 純一
- 【請求人代理人】二宮 浩康
- 【請求人代理人】上島 類
- 分類
- P18 .121-Z (B60W)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-575524「車両動作装置および車両動作方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年12月30日国際公開、WO2015/197251、平成29年8月17日国内公表、特表2017-523074〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)5月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年6月27日、ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする出願であって、平成30年1月19日付け(発送日:同年1月29日)で拒絶理由が通知され、同年4月26日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年6月6日付け(発送日:同年6月18日)で拒絶査定がされ、これに対して同年10月18日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1ないし9に係る発明は、平成30年4月26日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載されたものと認めるところ、請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は以下のとおりである。
「【請求項1】
車両動作装置(101)において、
車両を自動的に運転するように構成された制御装置(103)と、
前記制御装置(103)による前記車両の自動運転中、エラーについて前記制御装置(103)を監視し、エラーが検出された場合、前記車両の自動運転を前記制御装置(103)から引き継ぐように構成された監視装置(105)と、
を備えており、
前記監視装置(105)は、機能範囲として、前記制御装置(103)の複数の機能を含む機能範囲の部分集合を有しており、
前記監視装置(105)は、前記制御装置(103)を監視するために、前記制御装置(103)の機能範囲のうち、安全要求を満たす前記部分集合に対応する機能だけをエラーについて監視するように構成されている、
車両動作装置(101)。」
第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
(進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)
請求項1、8及び9に対して:引用文献1
請求項2、4、7及び9に対して:引用文献1及び2
請求項3、5ないし7及び9に対して:引用文献1ないし3
<引用文献等一覧>
1.特開平11-53207号公報
2.国際公開第2014/044480号(周知技術を示す文献)
3.特開2011-70311号公報
第4 引用文献、引用発明
原査定の拒絶の理由で引用され、本願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平11-53207号公報(以下「引用文献」という。)には、「車両用制御装置」に関して、図面(特に、図1ないし3を参照。)とともに、次の事項が記載されている(下線は理解の一助のために当審が付与した。以下同様。)。
(1)「【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、車両の自動運転のための技術が種々提案されているが、自動運転のための制御システムにおいても安全性についての十分な対策を講じておく必要があることは言うまでもない。そこで、たとえば、ステアリング機構の動作を制御して操向制御を行うために上記の従来技術を適用し、CPUを二重系とした電子制御ユニットを用いることが考えられる。
【0006】しかし、操向制御のためのCPUを二重系にしても、一方のCPUの暴走が検知されたことに応答して全体の制御を中止してしまっては、その後の操向制御を行えないから、自動運転を継続することができなくなる。暴走したCPUをリセットすることにより制御を継続することが考えられるかもしれないが、CPUをリセットした結果、リセットされたCPUにおいては従前のデータが失われるから、一対のCPUに同じ動作を行わせることができなくなる。したがって、たとえば、第1のCPUに異常が生じたときに第2のCPUによる制御に切り換え、同時に、第1のCPUをリセットすると、その後に、第2のCPUに異常が生じて第1のCPUによる制御に切り換えられたときに、制御の連続性が失われる。
【0007】たとえば、ステアリング機構に相対舵角センサを取り付け、この相対舵角センサの出力を積算して絶対舵角を演算しているような場合には、リセットによって絶対舵角データが失われるから、上記の問題が発生する。そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、CPUに異常が発生しても、制御の連続性を失うことなく制御動作を継続することができる車両用制御装置を提供することである。」
(2)「【0014】
【発明の実施の形態】以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る電子制御ユニット10の基本的な構成を示すブロック図である。この電子制御ユニット10は、ステアリング機構に操舵力を与えて舵角を調整するためのアクチュエータ20の動作を制御するためのものであって、たとえば、車両の自動運転のための操向制御のために利用される。電子制御ユニット10は、たとえばアンチロックブレーキシステムなどの車両の他の電装品の制御を行う車両電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit )30との間で通信を行い、舵角指令データなどを車両電子制御ユニット30から受信するようになっている。アクチュエータ20は、たとえば、電動モータであってもよい。
【0015】電子制御ユニット10は、第1のCPU1と、第2のCPU2とを有する二重系の構成を有しており、これらの2つのCPU1,2は、同じプログラムに基づいて同じ動作を行うようになっている。すなわち、操舵輪の舵角などを演算し、演算内容に応じてアクチュエータ20の動作を制御するための制御信号を同様に発生するようになっている。
【0016】第1および第2のCPU1,2は、割り込み周期に応じたウォッチドッグパルスをそれぞれライン11,12に出力するように構成されており、ライン11,12に導出されるウォッチドッグパルスを互いに監視することによって、各他方のCPU1,2の動作に異常が生じているか否かを監視し合っている。また、第1および第2のCPU1,2は、データ通信ライン13,14を介して相互接続されていて、互いにデータのやりとりを行うことができる。さらに、第1のCPU1は、ライン15を介して第2のCPU2をリセットすることができるようになっており、第2のCPU2は、ライン16を介して第1のCPU1をリセットすることができるようになっている。」
(3)「【0019】図2は、切換え制御回路40の詳細な構成を示すブロック図である。切換え制御回路40は、第1および第2のCPU1,2が出力する状態信号S1,S2に基づいて、「H」レベルまたは「L」レベルの切換え制御信号を出力するように構成されている。切換え制御回路40は、「H」レベルの切換え制御信号が与えられた場合には、ライン21を介する第1のCPU1からの制御データを選択して出力し、「L」レベルの切換え制御信号が与えられた場合には、ライン22を介する第2のCPU2からの制御データを選択して出力する。
【0020】切換え制御回路40は、CPU1からの状態信号S1が導出されるライン41と、第2のCPU2からの状態信号S2が導出されるライン42と、ライン42に導出された信号を反転して状態信号S2の反転信号/S2(記号「/」は、明細書中においては反転信号を表すものとし、図面中ではオーバーラインで示す。)を出力する反転回路43と、反転回路43が出力する反転状態信号/S2が導出されるライン44と、ライン41に導出された状態信号S1およびライン44に導出された反転状態信号/S2とが入力される排他的論理和回路45とを有しており、この排他的論理和回路45の出力が、切換え制御信号としてデータセレクタ25に入力されている。
【0021】切換え制御回路40は、さらに、ライン41に導出された状態信号S1を第2のCPU2に入力するためのライン46(第2状態信号入力手段)と、ライン44に導出された反転状態信号/S2を第1のCPU1に入力するためのライン47(第1状態信号入力手段)とを備えている。下記表1には、第1および第2のCPU1,2がそれぞれ出力する状態信号S1,S2の例が示されている。」
(4)「【0023】第1および第2のCPU1,2が、ライン11,12を介してウォッチドッグパルスを互いに監視し合っているのは、上述のとおりである。ウォッチドッグパルスは、図3に示すように、CPUが正常に動作している場合には一定の周期のパルスであるが、CPUの暴走が生じると、周期に乱れが生じる。したがって、たとえば、ウォッチドッグパルスの周期が所定値よりも長くなったことに基づいて、CPUの暴走を検出することができる。
【0024】第1および第2のCPU1,2は、各他方のCPUのウォッチドッグパルスに異常がなければ(すなわち、各他方のCPUが正常動作しているならば)、入力される状態信号/S2,S1に無関係に、「H」レベルの信号を出力する。その結果、ライン41には、「H」レベルの信号が導出され、ライン44には「L」レベルの信号が導出されるので、排他的論理和回路45の出力信号は「H」レベルとなる。よって、第1および第2のCPU1,2のいずれもが正常に動作していれば、第1のCPU1が出力する制御データがデータセレクタ25によって選択されることになる。
【0025】一方、第1および第2のCPU1,2は、各他方のCPUのウォッチドッグパルスに異常が生じたならば(すなわち、各他方のCPUが暴走状態となったならば)、入力される状態信号/S2,S1の反転信号をライン41,42に導出する。すなわち、たとえば、第1のCPU1が暴走した場合には、第2のCPU2は、状態信号S1の反転信号/S1を状態信号S2としてライン42に出力する。したがって、ライン44には、結局、信号S1が導出されることになる。よって、排他的論理和回路45の出力信号は「L」レベルとなり、データセレクタ25は、ライン22から与えられる第2のCPU2(すなわち、正常動作しているCPU)が出力する制御データを選択して出力することになる。」
(5)「【0030】この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することが可能である。たとえば、上記の実施形態では、ステアリング機構の制御を行う構成を例にとって説明したが、この発明は、CPUを二重系にする必要のある車両用制御装置に対して広く適用することができ、制御対象はステアリング機構に限定されるものではない。」
(6)上記(1)(特に、段落【0007】を参照。)及び上記(4)(特に、段落【0025】を参照。)から、第2のCPU2は、第1のCPU1を監視し、異常が生じた場合、車両の自動運転を前記第1のCPU1から引き継ぐように構成されているといえる。
(7)上記(2)(特に、段落【0015】を参照。)から、第2のCPU2は、機能範囲として、第1のCPU1の複数の機能と同じ機能範囲の集合を有しているといえる。
(8)上記(1)(特に、段落【0005】を参照。)から、車両用制御装置は、安全性についての対策のためであることが理解できる。そうすると、第2のCPU2は、第1のCPU1を監視するために、第1のCPU1の安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されているといえる。
上記記載事項及び認定事項並びに図面の図示内容からみて、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
〔引用発明〕
「車両用制御装置において、
車両を自動的に運転するように構成された第1のCPU1と、
前記第1のCPU1による前記車両の自動運転中、動作に異常が生じているか否かについて前記第1のCPU1を監視し、異常が生じた場合、前記車両の自動運転を前記第1のCPU1から引き継ぐように構成された第2のCPU2と、
を備えており、
前記第2のCPU2は、機能範囲として、前記第1のCPU1の複数の機能と同じ機能範囲の集合を有しており、
前記第2のCPU2は、前記第1のCPU1を監視するために、前記第1のCPU1の安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されている、
車両用制御装置。」
第5 対比・判断
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「車両用制御装置」は、その機能、構成又は技術的意義から本願発明における「車両動作装置(101)」に相当し、以下同様に、「第1のCPU1」は「制御装置(103)」に、「動作に異常が生じているか否かについて」は「エラーについて」に、「異常が生じた場合」は「エラーが検出された場合」に、「第2のCPU2」は「監視装置」に、それぞれ相当する。
引用発明における「前記第2のCPU2は、機能範囲として、前記第1のCPU1の複数の機能と同じ機能範囲の集合を有しており」と、本願発明における「前記監視装置(105)は、機能範囲として、前記制御装置(103)の複数の機能を含む機能範囲の部分集合を有しており」とは、「前記監視装置は、機能範囲として、前記制御装置の複数の機能を含む機能範囲の集合を有しており」という限りにおいて一致しており、同様に、「前記第2のCPU2は、前記第1のCPU1を監視するために、前記第1のCPU1の安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されている」と、「前記監視装置(105)は、前記制御装置(103)を監視するために、前記制御装置(103)の機能範囲のうち、安全要求を満たす前記部分集合に対応する機能だけをエラーについて監視するように構成されている」とは、「前記監視装置は、前記制御装置を監視するために、前記制御装置の機能範囲のうち、安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されている」という限りにおいて一致している。
よって、両者の一致点及び相違点は、次のとおりである。
〔一致点〕
「車両動作装置において、
車両を自動的に運転するように構成された制御装置と、
前記制御装置による前記車両の自動運転中、エラーについて前記制御装置を監視し、エラーが検出された場合、前記車両の自動運転を前記制御装置から引き継ぐように構成された監視装置と、
を備えており、
前記監視装置は、機能範囲として、前記制御装置の複数の機能を含む機能範囲の集合を有しており、
前記監視装置は、前記制御装置を監視するために、前記制御装置の機能範囲のうち、安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されている、
車両動作装置。」
〔相違点〕
監視装置に関して、本願発明においては、機能範囲が「制御装置の複数の機能を含む機能範囲の部分集合」であり、かつ、監視対象が「制御装置の機能範囲のうち、安全要求を満たす前記部分集合に対応する機能だけ」であるのに対して、引用発明においては、機能範囲が第1のCPU1の複数の機能と同じ機能範囲であり、かつ、監視対象が第1のCPU1の安全要求を満たす機能である点。
上記相違点について検討する。
引用文献の段落【0014】の「以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る電子制御ユニット10の基本的な構成を示すブロック図である。この電子制御ユニット10は、ステアリング機構に操舵力を与えて舵角を調整するためのアクチュエータ20の動作を制御するためのものであって、たとえば、車両の自動運転のための操向制御のために利用される。電子制御ユニット10は、たとえばアンチロックブレーキシステムなどの車両の他の電装品の制御を行う車両電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit )30との間で通信を行い、舵角指令データなどを車両電子制御ユニット30から受信するようになっている。アクチュエータ20は、たとえば、電動モータであってもよい。」との記載及び図1の図示内容から、ステアリング機構の動作を制御するための電子制御ユニット10の他に、車両の他の電装品の制御を行う車両電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit )30が、車両の制御に関わっていることが分かる。すなわち、複数の電子制御ユニットによって車両の制御装置が構成されることが分かる。
そして、引用文献の段落【0005】の「近年、車両の自動運転のための技術が種々提案されているが、自動運転のための制御システムにおいても安全性についての十分な対策を講じておく必要があることは言うまでもない。そこで、たとえば、ステアリング機構の動作を制御して操向制御を行うために上記の従来技術を適用し、CPUを二重系とした電子制御ユニットを用いることが考えられる。」との記載及び段落【0030】の「この発明の一実施形態について説明したが、この発明は他の形態でも実施することが可能である。たとえば、上記の実施形態では、ステアリング機構の制御を行う構成を例にとって説明したが、この発明は、CPUを二重系にする必要のある車両用制御装置に対して広く適用することができ、制御対象はステアリング機構に限定されるものではない。」との記載から、複数の電子制御ユニットによって車両の制御装置を構成するに当たって、安全性が要求される機能に係る電子制御ユニットについて、引用発明のように、第1のCPU1と、前記第1のCPU1による車両の自動運転中、動作に異常が生じているか否かについて前記第1のCPU1を監視し、異常が生じた場合、前記車両の自動運転を前記第1のCPU1から引き継ぐように構成された第2のCPU2と、を備えており、前記第2のCPU2は、機能範囲として、前記第1のCPU1の複数の機能と同じ機能範囲の集合を有しており、前記第2のCPU2は、前記第1のCPU1を監視するために、前記第1のCPU1の安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されたものとすることが示唆されているといえる。
また、車両の電装品の中には、安全性がそれほど要求されない機能に係るものがあることは技術常識であり、引用文献の段落【0030】にもこのことは示唆されている。さらに、システムの安全性を高める技術において、全ての制御機能のうち安全性が要求される機能だけを二重化(冗長化)することは、本願優先日前に周知の技術である(以下「周知技術」という。例えば、特開2011-257889号公報の段落【0008】、【0018】及び【0019】並びに図1、特開2013-196058号公報の段落【0015】、【0021】及び【0031】ないし【0038】並びに図1、図2C及び図2D、特開2014-48849号公報の段落【0055】、【0056】及び【0093】並びに図2を参照。)。
してみると、引用発明において、安全性が要求される機能を備えた電子制御ユニットについてだけ、第1のCPU1と、前記第1のCPU1による車両の自動運転中、動作に異常が生じているか否かについて前記第1のCPU1を監視し、異常が生じた場合、前記車両の自動運転を前記第1のCPU1から引き継ぐように構成された第2のCPU2と、を備えており、前記第2のCPU2は、機能範囲として、前記第1のCPU1の複数の機能と同じ機能範囲の集合を有しており、前記第2のCPU2は、前記第1のCPU1を監視するために、前記第1のCPU1の安全要求を満たす機能をエラーについて監視するように構成されたものとすることは、引用文献の段落【0005】、【0014】及び【0030】の記載から導き出せる事項、技術常識並びに周知技術に基いて、当業者の通常の創作能力の範囲で容易に想到できたことである。
このようにして構成された車両の制御装置は、電子制御ユニット10及び車両電子制御ユニット30等を含む全体としてみれば、監視装置は、機能範囲として、制御装置全体の複数の機能を含む機能範囲の部分集合を有しており、前記監視装置は、前記制御装置全体を監視するために、前記制御装置全体の機能範囲のうち、安全要求を満たす前記部分集合に対応する機能だけをエラーについて監視するように構成されているといえる。
そうすると、引用発明において、上記相違点に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、本願発明は、全体としてみても、引用発明、引用文献の記載から導き出せる事項、技術常識及び周知技術から予測し得ない格別な効果を奏するものとはいえない。
したがって、本願発明は、引用発明、引用文献の記載から導き出せる事項、技術常識及び周知技術に基いて、当業者が容易になし得たものである。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献の記載から導き出せる事項、技術常識及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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