特許拒絶査定不服審判
2018-013096
アドバンテームを含有するタバコ
- 審判番号
- 2018-013096
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-141076外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年10月02日
- 審決日
- 2019年08月06日
- 公報発行日
- 2019年11月29日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
- 分類
- P18 .121-Z (A24B)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-141076号「アドバンテームを含有するタバコ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年2月1日出願公開、特開2016-15925号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年7月9日の出願であって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
平成30年 2月 9日付け: 拒絶理由通知書
同年 4月16日 : 意見書、手続補正書の提出
同年 9月 6日付け: 拒絶査定
同年10月 2日 : 審判請求書の提出
第2 本願発明について
本願の請求項1ないし4に係る発明は、平成30年4月16日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。
「【請求項3】
アドバンテームを含有することを特徴とするタバコのフィルター。」
第3 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、請求項3(補正前の請求項5)について、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特表2009-517020号公報
引用文献2:特開昭58-5178号公報(周知技術を示す文献)
第4 引用文献の記載及び引用発明
1 引用文献1
(1)引用文献1の記載
引用文献1には、次の事項が記載されている。
「【0199】
V.経口摂取可能な組成物
本明細書において「経口摂取可能な組成物」と「甘味付与可能な組成物」は、同義であり、人又は動物の口と接触する物質を意味し、口に入れられて、その後に排出される物質、及び飲む、食べる、飲み込む、又は他の方法で摂取して、一般的に許容可能な範囲で使用した場合に、人又は動物が消費するために安全である物質を含む。これらの組成物には食品、飲料、薬品、タバコ、機能性食品、口腔衛生/化粧品などが含まれる。これらの製品の非制限的な例としては、 ・・・ ;かぎタバコ、紙巻きタバコ、パイプ及び葉巻タバコ、及びあらゆる形態のタバコ、例えば刻んだ芯葉、葉、茎、柄、均質化した乾葉、再生した中巻き葉及びタバコのダストから再生したタバコ、シート、ペレット又は他の形態の微粉又はエーテル源、タバコ以外の材料から配合したタバコ代用品、かぎタバコ又はかみタバコを含む煙を発生するタバコ及び無煙タバコ製品などのタバコ ・・・ が挙げられる。
・・・
【0202】
特定の実施形態によると、甘味付与可能な組成物のために適切な合成高甘味度甘味料の量は、 ・・・ N-[N-[3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピル]-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン1-メチルエステルでは約1ppmから約20ppm ・・・ の範囲を含む。」
(2)上記記載を総合すると、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる(以下、「引用発明」という。)。
「N-[N-[3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピル]-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン1-メチルエステルを含むタバコ。」
2 引用文献2
引用文献2には、次の事項が記載されている。
「本発明で云う喫煙品とは紙巻煙草、葉巻煙草又はパイプ煙草であり、煙草の煙は喫煙品構造体を介して口腔に至る訳であるが甘味蛋白質は前記構造体のいかなる場所に添加しておいてもよいが、甘味蛋白質自体が口と接触しないようにすることが好ましい。 ・・・ 刻み煙草用パイプの場合には、甘味蛋白質はパイプの柄に挿入して使用するカートリッジ又はフィルターに入れておくのがよい。」(2頁右上欄3~16行)
第5 対比・判断
1 対比
(1)本願発明と引用発明を対比すると、以下のとおりである。
本願発明の「アドバンテーム」について、本件明細書を参照すると「【0004】一方、アドバンテーム(化学名:N-[N-[3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピル]-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン1-メチルエステル)」と記載されている。
したがって、引用発明の「N-[N-[3-(3-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)プロピル]-L-α-アスパルチル]-L-フェニルアラニン1-メチルエステル」は本願発明の「アドバンテーム」に相当する。
また、引用発明の「含む」、「タバコ」は、その作用または技術的意義からみて、本願発明の「含有する」、「タバコ」にそれぞれ相当する。
(2)以上から、両者における一致点及び相違点は次のとおりである。
ア 一致点
「アドバンテームを含有するタバコ。」
イ 相違点
本願発明がアドバンテームを含有するものがタバコのフィルターであるのに対し、引用発明はアドバンテームを含むタバコである点。
2 判断
引用文献2に記載されているとおり、タバコのフィルターに甘味料を入れることは周知技術であると認められる。
そして、引用発明の甘味料であるアドバンテームについて、タバコに含むものとして技術を具体化するに際し、上記周知技術に基づき、タバコのフィルターに含有するものとして構成することは、当業者であれば格別の創意工夫を要することなく成し得たことである。
そして、本願発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
以上から、本願発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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