特許拒絶査定不服審判
2018-012936
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- 審判番号
- 2018-012936
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-528524外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年09月28日
- 審決日
- 2019年09月11日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】ウォルジエン エルエルシー
- 【請求人代理人】石川 徹
- 分類
- P18 .121-Z (H04N)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-528524「ビデオ通話センター」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 2月27日国際公開、WO2014/031408、平成27年11月26日国内公表、特表2015-534304〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2013年(平成25年)8月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年8月20日、米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 9月26日付け:拒絶理由通知書
平成30年 5月25日付け:拒絶査定
平成30年 9月28日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 平成30年9月28日になされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成30年9月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の内容
本件補正により、特許請求の範囲の補正前の請求項38の記載は、補正後の請求項36として、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
なお、補正前の請求項38及び補正後の請求項36の各構成の符号は、説明のために当審において付与したものであり、以下、構成(A)ないし構成(E)と称する。
(補正前の請求項38)
「【請求項38】
(A)視聴者参加テレビジョン放映方法であって:
(B)複数のビデオ通話をインターネットを介して異なる発信者から受信して審査すること;
(C)各ビデオ通話及び発信者の文字識別又はビデオ通話文字オーバーレイを決定して入力すること;及び
(D)放映される少なくとも1つのビデオ通話を出演タレントが選択すること;を含む、
(A)前記視聴者参加テレビジョン放映方法。」
(補正後の請求項36)
「【請求項36】
(A)視聴者参加テレビジョン放映方法であって:
(B)複数のビデオ通話をインターネットを介して異なる発信者から受信して審査すること;
(C)各ビデオ通話及び発信者の文字識別又はビデオ通話文字オーバーレイを決定して入力すること;及び
(D)放映される少なくとも1つのビデオ通話を出演タレントが選択すること;を含み、
(E)前記出演タレントのために、出演可能な発信者の画像及び前記文字識別又は前記ビデオ通話文字オーバーレイを生成して前記出演タレントのタッチスクリーン上に表示することをさらに含む、
(A)前記視聴者参加テレビジョン放映方法。」
2 補正の適否
本件補正は、補正前の請求項38に記載した発明の「視聴者参加テレビジョン放映方法」について、構成(E)(「前記出演タレントのために、出演可能な発信者の画像及び前記文字識別又は前記ビデオ通話文字オーバーレイを生成して前記出演タレントのタッチスクリーン上に表示することをさらに含む」)との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項36に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明は、1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献に記載される発明及び技術
(2-1)引用文献6
ア 引用文献6の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6である特開2009-100193号公報には、「選択支援装置および選択支援システム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は強調のために当審で付したものである。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、多数の通信端末の候補から通信相手とする通信端末を選択するときに、その選択を簡易に行うための技術に関する。
(略)
【0018】
<実施形態>
本発明の実施形態に係る選択支援システムは、図1に示すように、選択支援装置1および複数の通信端末2、2、・・・を有する。選択支援装置1と各通信端末2とは、通信網1000を介して接続され、各種データの送受信を行う。また、選択支援装置1は、複数の通信端末2のうち、後述するようにして選択される通信端末2との間で、映像、音声を示すストリーミング形式のデータについての双方向通信を行う。これにより、双方の利用者間でコミュニケーションを行うことができる。」
(イ)「【0026】
通信部19は、有線、無線などによって、通信網1000を介して通信端末2とデータの送受信を行う通信手段である。本実施形態においては、選択支援装置1と通信端末2との間で送受信されるデータは、ストリーミング形式の映像データ、音声データであり、さらに、通信部19は、通信端末2から後述する端末データを受信する。以上が選択支援装置1のハードウエアの構成の説明である。
(中略)
【0029】
端末データは、当該端末データを送信する通信端末2を識別する端末番号などを示す識別データと、映像入力部27において撮影された映像を示すストリーミング形式の映像データ(以下、端末映像データという)を有する。なお、識別データは、記憶部22に記憶されている。」
(ウ)「【0039】
このような表示映像データに基づいて行われる表示部15における表示は、図4に示すような表示となる。このとき、図4に示すように、それぞれの端末映像データに対応する識別データに基づいて、端末映像データに係る映像に対応するように、その端末映像データが生成された通信端末2の端末番号などの表示を行なってもよい。なお、各端末映像データに係る映像が表示される画面内の位置については、CPU11によって決定されるが、この表示位置はどのように決定されてもよく、各映像が表示されない領域が最小になるように、各映像が表示される位置および表示領域の大きさを決定することが望ましい。
【図4】
」
(エ)「【0041】
次に、本発明の実施形態に係る選択支援システムの動作について説明する。以下の説明においては、選択支援装置1は、テレビ局などにおけるスタジオに設置され、その選択支援装置1の利用者である司会者について、映像入力部17、音声入力部18によって、それぞれ撮影、収音し、生成されたストリーミング形式の映像データ(以下、配信映像データという)、音声データ(以下、配信音声データという)を各通信端末2に送信することにより、生放送番組を提供する。」
(オ)「【0043】
この生放送番組において、司会者が視聴者とコミュニケーションをとる際には、その旨を会話により伝えるとともに、選択支援装置1の操作部14を操作して、コミュニケーション候補者を募集することを示す募集情報を各通信端末2に送信する。また、CPU11は、記憶部12に記憶された選択支援機能に係るプログラムを実行する。そして、通信端末2は、募集情報を受信すると、CPU21は、コミュニケーション候補者を募集していることを示す内容を表示部25に表示させる。」
(カ)「【0044】
視聴者は、コミュニケーション候補者となることを希望すると、通信端末2の操作部24を操作して、映像入力部27による撮影を開始して端末映像データを生成する。そして、通信端末2は、端末映像データと記憶部22に記憶されている識別データとを含む端末データを通信部29から選択支援装置1に対して送信する。
【0045】
一方、選択支援装置1において、通信部19は、各通信端末2から送信された端末データを受信し、特徴量抽出部101、表示制御部103に出力する。特徴量抽出部101は、上述したようにして各端末データに含まれる端末映像データから特徴量を抽出し、識別データと特徴量とを対応付けた特徴量データを評価部102に出力する。そして評価部102は、所定期間における特徴量データに含まれる特徴量に基づいて評価点を算出し、識別データと評価点を対応付けた評価データを表示制御部103に出力する。」
(キ)「【0046】
表示制御部103は、評価部102から入力された評価データと通信部19から入力された端末データとに基づいて、表示映像データを生成し、表示部15に出力する。そして、表示部15は、表示映像データに基づく表示を行う。これにより、図4に示すように複数の候補者の表示が各々に応じた表示態様で行われる。」
(ク)「【0048】
司会者は、選択支援装置1の表示部15に表示される内容を確認しながら、操作部14を操作してポインタPを動かし、表示されている端末映像データに係る映像を選択することにより、その端末映像データに係る端末データを送信する通信端末2を特定する。これにより、表示されている複数の候補者の中からコミュニケーションの相手を選択する。ここでは、司会者は、識別データが端末番号123に対応する映像を選択し、識別データが端末番号123である通信端末2を特定する。
【0049】
そして、選択支援装置1は、特定した通信端末2(以下、通信端末2Aという)に特定した旨を送信し、選択支援装置1と通信端末2Aとの間で双方向通信を開始する。通信端末2Aは、双方向通信が開始されたことを認識すると、映像入力部27において生成した端末映像データと、音声入力部28において生成した音声データ(以下、端末音声データという)について、通信部29を介して選択支援装置1に送信する。一方、選択支援装置1は、これまで同様、配信映像データ、配信音声データについて、通信部19を介して各通信端末2に送信する。これにより司会者と通信端末2の視聴者とがコミュニケーションをとることが可能となる。」
イ 引用文献6に記載された発明
上記記載から、引用文献6には、次の技術事項が記載されているものと認められる。
(ア)上記ア(ア)によれば、引用文献6には、「選択支援装置1および複数の通信端末を有する選択支援システムにおける選択支援装置1」について、「多数の通信端末の候補から通信相手とする通信端末を選択するときに、その選択を簡易に行う」ための方法が記載されている。
また、上記ア(ア)によれば、引用文献6に記載の方法は、「選択支援装置1は、複数の通信端末2のうち、選択される通信端末2との間で、映像、音声を示すストリーミング形式のデータについての双方向通信を行い、双方の利用者間でコミュニケーションを行う」ことが記載されている。
(イ)上記ア(エ)によれば、引用文献6に記載の方法は、「選択支援装置1は、テレビ局などにおけるスタジオに設置され、その選択支援装置1の利用者である司会者について、映像入力部17、音声入力部18によって、それぞれ撮影、収音し、生成されたストリーミング形式の映像データ(以下、配信映像データという)、音声データ(以下、配信音声データという)を各通信端末2に送信することにより、生放送番組を提供する」ことが記載されている。
(ウ)上記ア(オ)によれば、引用文献6に記載の方法は、「この生放送番組において、司会者が視聴者とコミュニケーションをとる際」の選択支援装置1の処理内容について、「コミュニケーション候補者を募集することを示す募集情報を各通信端末2に送信する」ことが記載されている。
(エ)上記ア(イ)によれば、引用文献6に記載の方法は、選択支援装置1が「各通信端末2から送信された端末データを受信する」こと、当該「端末データ」は、「当該端末データを送信する通信端末2を識別する端末番号などを示す識別データと、撮影された映像を示すストリーミング形式の映像データ(以下、端末映像データという)」を有することが記載されている。
また、上記ア(カ)によれば、「視聴者は、コミュニケーション候補者となることを希望すると、通信端末2の操作部24を操作して、映像入力部27による撮影を開始して端末映像データを生成する」こと、そして、「通信端末2は、端末映像データと記憶部22に記憶されている識別データとを含む端末データを通信部29から選択支援装置1に対して送信する」ことが記載されている。よって、引用文献6には、当該「端末データ」は、「視聴者がコミュニケーション候補者となることを希望すると、通信端末2が選択支援装置1に対して送信するもの」であることが記載されている。
(オ)上記ア(キ)によれば、引用文献6に記載の方法は、選択支援装置1は、「入力された端末データとに基づいて、表示映像データを生成」すること、「表示部15は、表示映像データに基づく表示を行う」こと、及び、「これにより、複数の候補者の表示が各々に応じた表示態様で行われる」ことが記載されている。
また、上記ア(ウ)によれば、当該「表示映像データに基づく表示」は、「それぞれの端末映像データに対応する識別データに基づいて、端末映像データに係る映像に対応するように、その端末映像データが生成された通信端末2の端末番号などの表示」を行うことが記載されている。
(カ)上記ア(ク)によれば、引用文献6に記載の方法は、選択支援装置1は、「特定した通信端末2Aとの間で双方向通信を開始する」ことが記載されている。
また、当該「特定した通信端末2A」は、「司会者が選択支援装置1の表示部15に表示される内容を確認しながら、操作部14を操作してポインタPを動かし、表示されている端末映像データに係る映像を選択することにより、その端末映像データに係る端末データを送信する通信端末2を特定」したものであり、「これにより、表示されている複数の候補者の中からコミュニケーションの相手を選択」したものであることが記載されている。
(キ)まとめ
上記(ア)ないし(カ)によると、引用文献6には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
(a)選択支援装置1および複数の通信端末を有する選択支援システムにおける選択支援装置1が、多数の通信端末の候補から通信相手とする通信端末を選択するときに、その選択を簡易に行うための方法であって、
(b)前記選択支援装置1は、複数の通信端末2のうち、選択される通信端末2との間で、映像、音声を示すストリーミング形式のデータについての双方向通信を行い、双方の利用者間でコミュニケーションを行うものであり、
(c)選択支援装置1は、テレビ局などにおけるスタジオに設置され、その選択支援装置1の利用者である司会者について、それぞれ撮影、収音し、生成されたストリーミング形式の映像データ(以下、配信映像データという)、音声データ(以下、配信音声データという)を各通信端末2に送信することにより、生放送番組を提供するものであり、
(d)この生放送番組において、司会者が視聴者とコミュニケーションをとる際には、選択支援装置1はコミュニケーション候補者を募集することを示す募集情報を各通信端末2に送信すること、
(e)選択支援装置1は、各通信端末2から送信された端末データを受信すること、
ここで、端末データは、当該端末データを送信する通信端末2を識別する端末番号などを示す識別データと、撮影された映像を示すストリーミング形式の映像データ(以下、端末映像データという)を有し、
ここで、端末データは、視聴者がコミュニケーション候補者となることを希望すると、通信端末2が選択支援装置1に対して送信するものであり、
(f)選択支援装置1は、入力された端末データに基づいて、表示映像データを生成し、表示部15は、表示映像データに基づく表示を行うこと、
これにより、複数の候補者の表示が各々に応じた表示態様で行われるものであり、
ここで、表示映像データに基づいて行われる表示部15における表示は、それぞれの端末映像データに対応する識別データに基づいて、端末映像データに係る映像に対応するように、その端末映像データが生成された通信端末2の端末番号などの表示を行うものであり、
(g)選択支援装置1は、特定した通信端末2Aとの間で双方向通信を開始すること、
ここで特定した通信端末2Aは、司会者が選択支援装置1の表示部15に表示される内容を確認しながら、操作部14を操作してポインタPを動かし、表示されている端末映像データに係る映像を選択することにより、その端末映像データに係る端末データを送信する通信端末2を特定し、これにより、表示されている複数の候補者の中からコミュニケーションの相手を選択したものであり、
(a)を含む選択支援装置1の方法。
(2-2)引用文献5
ア 引用文献5の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献5である特開2005-39598号公報には、「インタラクティブ配信システム」(発明の名称)に関し、図面と共に次に掲げる事項が記載されている。
なお、下線は強調のために当審で付したものである。
「【0020】
図8は、番組主催者が番組に参加を希望する視聴者を番組内で呼びかけることで募集し、それに応じて番組視聴者が参加を希望する場合、番組主催者が番組参加者を選択する場合のシーケンス図である。視聴者端末3-1は管理サーバ5に対して参加要求30を送信する。管理サーバ5は、受信した参加要求30を参加要求31としてモニタ端末4に転送する。モニタ端末4は、受信した参加要求30の中から任意の一人の視聴者を任意にもしくはランダムに選び、管理サーバ5に対して参加要請32を送信する。参加要請32を受けた管理サーバ5は、図6の手順に従い、許可した視聴者からの映像を配信させる。
(中略)
【0025】
図12はモニタ端末4のディスプレイの画面90の構成を示している。番組主催者は、メイン映像ウィンドウ92により番組のメイン映像を受信し、視聴者映像ウィンドウ91により、参加を許可した視聴者の映像を表示する。視聴者の選択の仕方は、図9に示した視聴者制御機能部68により自動的に決定する場合は、ランダム視聴者選択ボタン95を押下し、任意に選択する場合は、視聴者選択ボタン93を押下する。
【図12】
」
イ 引用文献5に記載された技術
上記アによれば、引用文献5には次の技術(以下、「文献5技術」という。)が記載されている。
(文献5技術)
「インタラクティブ配信システムにおいて、番組主催者が番組への参加を希望する視聴者を選択する方法として、番組主催者が、モニタ端末のディスプレイを押下する技術。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 本願補正発明の構成(A)について
引用発明の構成(a)乃至(d)は、特に構成(d)の記載から、生放送番組において司会者が視聴者とコミュニケーションを取るための方法であることは明らかであることから、本願補正発明の構成(A)と一致する。
イ 本願補正発明の構成(B)について
引用発明の構成(e)の「端末映像データ」は、本願補正発明の構成(B)の「ビデオ通話」に相当する。また、「端末映像データ」は「ストリーミング形式」であることから、インターネットを介して受信すると考えるのが自然である。
よって、本願補正発明の構成(B)と引用発明の構成(e)は、複数のビデオ通話をインターネットを介して異なる発信者から受信するという点で一致する。
他方で、本願補正発明の構成(B)と引用発明の構成(e)は、本願補正発明の構成(B)は発信者から受信したビデオ通話を審査するのに対して、引用発明の構成(e)は発信者から受信したビデオを審査しない点で相違する。
ウ 本願補正発明の構成(C)について
引用発明の構成(f)の「通信端末2の端末番号」は、本願補正発明の構成(C)の「各ビデオ通話及び発信者」の「文字識別」に相当する。
また、引用発明の構成(f)の選択支援装置が「それぞれの端末映像データに対応する識別データに基づいて、端末映像データに係る映像に対応するように、その端末映像データが生成された通信端末2の端末番号などの表示を行う」処理において、識別データに基づいて端末番号を表示するために、選択支援装置が、識別データから当該通信端末を識別する端末番号を特定し、その端末番号を表示部ないしは表示部の表示を制御する手段に入力する処理を行っていると考えるのが自然である。
したがって、本願補正発明の構成(C)と引用発明の構成(f)を対比すると、「各ビデオ通話及び発信者の文字識別」「を決定して入力する」点で一致する。
他方で、本願補正発明の構成(C)では、「各ビデオ通話及び発信者の文字識別」と選択的に「各ビデオ通話及び発信者」の「ビデオ通話文字オーバーレイ」を決定して入力することも可能であるが、引用発明の構成(f)はそのような構成を備えない点で、両者は相違する。
エ 本願補正発明の構成(D)について
引用発明の構成(g)の「表示されている端末映像データに係る映像」、「司会者」は、本願補正発明の「放送される少なくとも1つのビデオ通話」、「出演タレント」にそれぞれ相当する。
したがって、引用発明の構成(g)は、本願補正発明の構成(D)と一致する。
オ 本願補正発明の構成(E)について
引用発明の構成(f)及び(g)において、「表示されている端末映像データに係る映像」、「その端末映像データが生成された通信端末2の端末番号」は、それぞれ、本願補正発明の構成(E)の「出演可能な発信者の画像」、「文字識別」に相当する。
引用発明において、候補者の通信端末を識別する端末番号を表示部に表示するために、上記ウで検討したように、選択支援装置が、通信端末から受信した識別データに対して様々な処理を行って、表示部に表示可能な形態で識別番号を「生成」していることは明らかである。
したがって、本願補正発明の構成(E)と引用発明の構成(f)及び(g)は、「出演タレントのために、出演可能な発信者の画像及び前記文字識別」「を生成して」「出演タレントの」表示手段「上に表示する」点で一致する。
他方で、本願補正発明と引用発明は、上記ウと同様に本願補正発明では、「文字識別」と選択的に「ビデオ通話文字オーバーレイ」を生成して表示することが可能であるのに対して、引用発明では、そのような構成を備えていない点で相違する。
さらに、本願補正発明と引用発明は、本願補正発明では、出演タレントのために出演可能な発信者の画像等を表示する表示手段が「タッチスクリーン」であるのに対して、引用発明の表示手段はポインタを動かして操作するものであって「タッチスクリーン」ではない点で相違する。
カ まとめ
以上をまとめると、本願補正発明と引用発明との[一致点]と[相違点]は以下のとおりである。
[一致点]
視聴者参加テレビジョン放映方法であって:
複数のビデオ通話をインターネットを介して異なる発信者から受信すること;
各ビデオ通話及び発信者の文字識別を決定して入力すること;及び
放映される少なくとも1つのビデオ通話を出演タレントが選択すること;を含み、
前記出演タレントのために、出演可能な発信者の画像及び前記文字識別を生成して前記出演タレントの表示手段上に表示することをさらに含む、
前記視聴者参加テレビジョン放映方法。
[相違点1]
本願補正発明では、発信者から受信したビデオ通話を審査するのに対して、引用発明では発信者から受信したビデオを審査しない点。
[相違点2]
本願補正発明では、「各ビデオ通話及び発信者」の「文字識別」と選択的に、「各ビデオ通話及び発信者」の「ビデオ通話文字オーバーレイ」を決定して入力し、生成して表示手段に表示することが可能であるのに対して、引用発明では、「各ビデオ通話及び発信者」の「文字識別」の表示等を行う構成は備えているものの、「各ビデオ通話及び発信者」の「ビデオ通話文字オーバーレイ」の表示等を行う構成を備えない点。
[相違点3]
本願補正発明では、出演タレントのために出演可能な発信者の画像等を表示する表示手段がタッチスクリーンであるのに対して、引用発明の表示手段はポインタを動かして操作するものであってタッチスクリーンではない点。
(4)判断
ア 相違点1について
引用発明において、発信者から受信したビデオ通話について、表示手段に表示する前に審査を行うかどうかは、番組の制作に関わることができるスタッフの人数等に応じて、当業者が適宜設計し得る事項である。
よって、引用発明において、選択支援装置が発信者から受信したビデオ通話に対して審査を行い、本願補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
イ 相違点2について
引用発明では、各ビデオ通話及び発信者の文字識別の表示等を選択支援装置が自動的に行っているものであるが、この構成に加え、ビデオ通話文字オーバーレイを手動で入力し、表示することも可能とすることは、番組の制作に関わることができるスタッフの人数等に応じて、当業者が適宜設計し得る事項である。
よって、引用発明において、選択支援装置が各ビデオ通話及び発信者の文字識別の表示等を行うことに加えて、ビデオ通話文字オーバレイを手動で入力し、表示することも可能にし、本願補正発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得るものである。
ウ 相違点3について
引用発明と文献5技術とは、番組放送中に番組に参加する視聴者を番組提供側が選択する点で技術分野が共通であるから、引用発明に文献5技術を適用することは、当業者が容易に想到し得るものである。
そして、引用発明において、出演タレントが出演可能な発信者の画像を選択するための表示手段として、文献5技術を適用し、タッチスクリーンの構成とすることは、当業者であれば容易になし得るものである。
エ まとめ
以上のように、本願補正発明は、引用文献6に記載された発明及び引用文献5に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
3 むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年9月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1ないし51に記載した事項により特定されるものであるところ、その請求項38に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の1(2)「本件補正前の特許請求の範囲」に記載された事項により特定されるとおりのものである。
2 引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献6に記載された発明(引用発明)は、上記第2の2(2)イの「引用文献6に記載された発明」に認定したとおりである。
3 対比
本願発明は、上記第2の1で摘示した本願補正発明に追加された限定事項を省いたものである。
そうすると、上記第2の2(3)の「対比」における検討を援用すると、本願発明と引用発明との[一致点]と[相違点]は以下のとおりである。
[一致点]
視聴者参加テレビジョン放映方法であって:
複数のビデオ通話をインターネットを介して異なる発信者から受信すること;
各ビデオ通話及び発信者の文字識別を決定して入力すること;及び
放映される少なくとも1つのビデオ通話を出演タレントが選択すること;を含む、
前記視聴者参加テレビジョン放映方法。
[相違点1]
本願発明では、発信者から受信したビデオ通話を審査するのに対して、引用発明では発信者から受信したビデオを審査しない点。
[相違点2]
本願発明では、「各ビデオ通話及び発信者の文字識別」と選択的に、「各ビデオ通話及び発信者の」「ビデオ通話文字オーバーレイ」を決定して入力することが可能であるのに対して、引用発明では、「各ビデオ通話及び発信者の文字識別」の入力等を行う構成は備えているものの、「各ビデオ通話及び発信者の」「ビデオ通話文字オーバーレイ」の入力等を行う構成を備えない点。
4 判断
上記第2の2(4)ア「相違点1について」及びイ「相違点2について」における検討を援用すると、相違点1及び相違点2は、引用文献6に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願の請求項38に係る発明は、引用文献6に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、その余の請求項について論及するまでもなく、拒絶をすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2018-012936