特許拒絶査定不服審判
2018-012572
データ入力装置及びデータ入力プログラム
- 審判番号
- 2018-012572
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2017-030341外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年09月20日
- 審決日
- 2019年12月16日
- 公報発行日
- 2020年03月27日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社
- 【請求人代理人】溝井国際特許業務法人
- 分類
- P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2017- 30341「データ入力装置及びデータ入力プログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月30日出願公開、特開2018-136709〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成29年2月21日の出願であって、平成29年12月6日付けで拒絶理由が通知され、平成30年2月5日に手続補正がされるとともに意見書が提出され、平成30年3月29日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成30年5月16日に手続補正がされるとともに意見書が提出されたが、平成30年6月11日付けで平成30年5月16日付け手続補正書が却下されるとともに拒絶査定がなされ、これに対して平成30年9月20日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、平成30年11月22日に前置報告がされたものである。
第2 平成30年9月20日にされた手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の結論]
平成30年9月20日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線は補正箇所である。)
「各種手続に必要な記入事項であって、キーボードで入力可能な入力内容と、前記入力内容を記入するための入力欄とを示す入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部と、
前記投影部によって投影表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた軌跡を特定して、特定された軌跡に基づき手書きされた文字を認識して文字コードに変換し、変換された前記文字コードを、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能なデジタルデータとして、ストレージまたはデータベースサーバに保管するとともに、特定された前記軌跡を画像化し、画像化した前記軌跡を、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能な証跡データとして、前記ストレージまたは前記データベースサーバに保管するデータ認識部と
を備えるデータ入力装置。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、平成30年2月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「手続についての入力内容であって、キーボードで入力可能な入力内容と、前記入力内容に対応し、入力された情報が文字コードに変換された上で記憶される入力欄とを示す入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部と、
前記投影部によって投影表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた文字を認識して文字コードに変換するデータ認識部と
を備えるデータ入力装置。」
2 補正の適否
本件補正は、上記のとおり、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、
「手続についての入力内容であって、キーボードで入力可能な入力内容」について、
「各種手続に必要な記入事項であって、キーボードで入力可能な入力内容」との、「入力内容」に係る限定を付加するとともに、さらに、
「前記入力内容に対応し、入力された情報が文字コードに変換された上で記憶される入力欄とを示す入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部」、及び、
「前記投影部によって投影表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた文字を認識して文字コードに変換するデータ認識部」について、
「前記入力内容を記入するための入力欄とを示す入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部」、及び、
「前記投影部によって投影表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた軌跡を特定して、特定された軌跡に基づき手書きされた文字を認識して文字コードに変換し、変換された前記文字コードを、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能なデジタルデータとして、ストレージまたはデータベースサーバに保管するとともに、特定された前記軌跡を画像化し、画像化した前記軌跡を、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能な証跡データとして、前記ストレージまたは前記データベースサーバに保管するデータ認識部」との、「手書き文字の軌跡の認識」に係る限定、「文字コードのデジタルデータの記憶」に係る限定、「軌跡が画像化された証跡データの記憶」に係る限定を付加することを含むものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、同条第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献1、引用発明、周知文献2-5の記載事項
ア 引用文献1の記載事項、引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開平9-305306号公報(平成9年11月28日公開。以下「引用文献1」という。)には、図面(特に【図1】、【図8】、【図9】、【図18】、【図20】)と共に、次の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下同様。)
(ア) 段落【0006】-【0011】
「【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の位置入力技術では、ディスプレイに表示するカーソルにより、ペンの実際のタブレット面からの高さを認識させることができないため、以下に述べるような問題点が生じていた。
【0007】まず第一点として、従来の位置入力技術を用いたのでは、筆記者の入力作業が頻繁に中断されるため、作業上の効率が悪いという欠点があった。すなわち、上述のように、従来の位置入力装置では、筆記者がディスプレイを見続けている限り、この筆記者は、自分の手元のペンの空間位置を認識することができない。そのため、一旦ペンをタブレット面から離し別の場所に文字等を書く場合、筆記者はディスプレイから視線を離し、次に記載を始める位置へペン先を接触させるまで、この視線をペンへ移していなければならなかった。この動作のために作業が中断され、使い勝手が悪くなり、作業上の効率が悪くなっていたのである。
【0008】第二点として、ディスプレイとタブレットとの間で度々視線を動かさなければならないため、筆記者が疲労しやすいという欠点もあった。すなわち、ディスプレイと筆記者の手元とでは、筆記者の視線の方向が大きく異なる。したがって、この視線の方向の変化に対応するため、机の上で紙面に文字を記す通常の姿勢とは異なった姿勢で入力することが筆記者に要求されていたのである。
・・・(中略)・・・
【0011】上記問題点に鑑み、本発明の課題は、筆記者が手元を見ることなく、長時間にわたり効率よく入力作業の続けられる位置入力装置、位置入力処理装置およびその方法を提供することである。また、日常の環境と同等に行動の働きかけと知覚情報の受容ができて、実世界における指の誘導と同様の速度と精度、及び心理的負荷を実現できる位置入力装置、位置入力処理装置及びその方法を提供することである。」
(イ) 段落【0063】-【0064】
「【0063】(I)第1形態
本第1形態は、超音波をペンから直接発振し、この超音波を検出することにより三次元座標を特定する位置入力装置およびその位置入力処理装置に関する。
【0064】<全体の構成>図1に、本形態の位置入力装置およびその位置入力処理装置の全体図を示す。図1に示すように、本発明の位置入力装置100aは、センサの設けられたボード1a、発振器の設けられたペン2aとを備える。位置入力処理装置3は、汎用のコンピュータ装置が本発明を実現するためのプログラムにしたがって動作することにより実現される。但し、処理速度を早めるためには、位置入力処理のための演算補助回路(コ・プロセッサ等)または演算用ハードウェア(DSPを含む回路等)を搭載するのが好ましい。コード5は、ボード100とコンピュータ装置3とを接続し、モニタ4は、位置入力処理装置3で生成された画像データを表示する。」
(ウ) 段落【0091】-段落【0093】
「【0091】<文字モードの処理>文字入力には、通常のワードプロセッサのように、任意の大きさの用紙上で文書を作成する通常モードと、領収書、入力シート等のように形式の予め定められた帳票において文字を入力する帳票モードとがある。
【0092】図18(B)に示すメニュバーから「文字」バーが選択されると(図6ステップS8;YES)、位置入力処理装置3は文字モード処理のサブルーチンSub2を処理する。筆記者が「帳票」バーを選択すると(図18(B)、図8ステップS200;帳票)帳票が選択される。筆記者は「帳票」の種類の選択をする(ステップS202)。筆記者が「通常」バーを選択すると(図18(B)、図8ステップS200;通常)通常モードが選択される。筆記者は用紙の選択をする(ステップS201)。
【0093】筆記者が「手書きモード」を選択すると(ステップS203;YES)、筆記用具の選択を行うことができる(ステップS205)。筆記用具は、大きく分けて通常のペンと毛筆とを選べる(表1参照)。実際の手書き入力処理はサブルーチンSub6において行われる。手書き入力処理を終了したい場合(ステップS206;YES)は最後にファイル処理を行って(ステップS207)、メインルーチンに復帰する。手書き入力でなく、キーボードモード処理Sub3を選択した場合(ステップS203;NO)も同様である。」
(エ) 段落【0094】-【0102】
「【0094】<手書き入力処理>ここでいう手書き入力とは、すなわち、筆記者の筆跡を直接取得することをいう。手書き入力には、ペンを模擬したペン入力モードと、毛筆を模擬した毛筆入力モードとがある。
【0095】ペン入力モードは、筆記用具としてペンが選ばれているときに起動され、圧力情報SPに応じた太さで筆跡を記すことが可能である。例えば、筆記者がペン2aを軽く押さえると軽い筆圧が圧力情報SPとして入力される。このとき、位置入力処理装置3はディスプレイに細いペン先のカーソルCU5を表示し、細い筆跡を表示する(図15(A))。また、ペン2aを強く押さえると圧力情報SPの示す筆圧が高くなり、ディスプレイに太いペン先のカーソルCU6を表示することになる(同図(B))。
【0096】毛筆入力モードは、筆記者がメニュー画面より「フデ」バーを選択することにより起動される(図19(A))。このモードにより、筆記者は毛筆を用いているような筆跡を記すことが可能である。毛筆入力モードの場合もペン入力のときと同様の筆跡の変更が行われる。すなわち、軽い筆圧のときは筆先が接触したような筆の形状のカーソルCU7が表示され(図16(A))、強い筆圧のときは筆先が押し付けられたような筆の形状のカーソルCU8が表示される(同図(B))。このカーソルにより記される筆跡の太さも筆圧に対応した太さとなる。毛筆入力を用いれば、図19(B)のように毛筆のような筆跡を記すことが可能である。すなわち、圧力情報SPと方向情報SDに基づいて、表示するカーソルCU9の向きと筆跡の形状を変化させる。
【0097】なお、いずれの入力モードであっても、ツールとして「消しゴム」機能を用いることで、記した筆跡を消去することが可能である。「消しゴム」バーを選択することで、カーソル形状を消しゴムCU10に変え、筆跡を消すのである(図19(C))。
【0098】さて、手書き入力処理は、例えば、帳票モードであれば、選択した帳票上の入力したい欄にカーソルを移動させ、確認信号を入力(スイッチ206を押す)することで起動できる(図18(C))。
【0099】図9に、手書き入力処理のフローチャートを示す。まず、ステップS600~S603のループでは、筆記者がボード1aの上に記したペン2aの水平位置座標が、時系列データとして内部メモリへ蓄積される。同時にディスプレイ上へその筆跡のまま表示される(図20(A))。圧力情報SPが全く入力されていない場合は筆記状態でないと判断すればよい。筆跡入力を終了するとき(図9のステップS603;YES)筆記者は「確認(OK)」バーをカーソルで選択する(図20(B))。選択後、時系列データに基づいて筆跡の方向性の判定が行われ、筆跡の特徴部分が抽出される(ステップS604)。
【0100】帳票モードであれば(ステップS605;帳票)、筆跡の示す特徴が文字コードの示す文字のうちいずれの文字を示すのかを判定する文字認識が行われる(ステップS609)。次いでロジカルチェック処理とAI処理が行われ(ステップS610)、この欄に入力されることのないキャラクタが排除され、認識できた文字の優先順位判定が行われる。認識した文字は、帳票の所定の欄(図20(B))に示され、確認がなされなければ(ステップS611;NO)修正作業が行われる(ステップS612)。これら一連の処理が認識をすべて終了するまで(ステップS613;YES)続けられる。以上の機能は、認識すべき文字が漢字であっても同様に行うことができる(図20(C))。
【0101】また、通常モード(ステップS605;通常)では、筆跡入力作業の中で、筆記者が特定用途に割り付けたマークを記すと、自動的に文字認識機能が起動される。すなわち、筆記者が、手書きで文字を入力しながら、特定のフォントで文字を記したい部分をマークで囲めば、囲んだ部分のみをフォントで記すことができる。例えば、マークを‘「’および‘」’に割り付けた場合、ステップS604において、抽出された特徴より文字が‘「’であるか‘」’であるかを検査する。いずれかの文字であった場合(YES)、さらに以前に‘「’が認識されているか否かが検査される(ステップS607)。文字が‘「’であり、以前に‘「’が抽出されていない場合(NO)は、‘「’が抽出された事実のみを記憶する。文字‘」’が抽出され、以前に‘「’があった場合(ステップS606、607;YES)、すなわち、かぎかっこで囲まれた場合、‘「’と‘」’とで囲まれた範囲を抽出し(ステップS608)、抽出した範囲の文字認識を行う(ステップS609~S611)。
【0102】例えば、通常モードにおいて、筆記者が特定の領域を文字認識させ、文字コードによるフォントで表示したい場合、図21(A)の位置1において‘「’を記す。次いで、認識させたい文字を記入後、同図(B)の位置3に示すように‘」’で囲む(閉じる)と、両マークk1およびk2で囲まれた範囲に文字認識機能が働く。さらに文字認識した範囲にかな漢字変換を施したい場合は、同図(C)に示すように、「変換」バーを押す。以上の処理により、手書きの筆跡と文字コードによるフォントとを混在させた表示、印刷が行える。」
(オ) 段落【0105】-【0106】
「【0105】<キーボードモード処理>本形態では、手書きによる文字入力に代わり、模擬的に表示したキーボードから入力を行うこともできる。キーボードモードは、いずれの処理モードからでも起動できる。例えば、メインメニューにおいても(図18(A)等、図6のステップS9;YES)、文字モードにおいても(図24(A)、図8のステップS203;NO)、「キーボード」バーを選択することによって選択できる。図10に、キーボードモードのフローチャートを示す。
【0106】キーボードモードが選択されると(Sub3、図24(A))、キーボードを模擬した画像が表示される(図10のステップS300、同図(B))。次いで実際のキーボードを操作するが如く、筆記者はキーボードの画像上のキー上にカーソルを移動し、確認信号を送る(ステップS301;YES、図24(C))。位置入力処理装置3は、確認フラグを認識した時のカーソルの位置(同図(C)位置1~3)に表示していたキーの種類を特定し(ステップS302)、カーソルの示していたキーに割り付けられた制御コードをセットする(ステップS303)。これにより、文字キーを選択すれば文字が、制御キーを選択すればそのキーに対応する制御コードが生成される。「終了」を示すキーをエスケープキー等に割り付けた場合、この制御コードが認識されれば(ステップS304;YES)キーボードモードを解除する(ステップS305)。」
(カ) 段落【0114】-【0118】
「【0114】<本形態の利点>本第1形態の利点は、以下に掲げる各点である。
【0115】(a) カーソルが影や立体画法で描画されるので、実際のボードとペンとの位置関係をディスプレイを見るだけで認識できる。したがって、ボードに視線を移す必要がなくなるため、作業上の効率と筆記者に対する負担が少なくなる。特に、影の形態を自由に選択できるので、筆記者の興味を喚起しうるカーソル表示を選択できる。
・・・(中略)・・・
【0118】(d) 文字認識を行うので、手書きの筆跡を記録する他、手書きの中の一部の領域のみを文字認識させ、フォント文字等に置き換えて表示することができる。」
(キ) 【図20】の記載事項
図20(B)には、対応する明細書の上記(エ)(特に段落【0099】-【0100】)の記載を参照すると、画面上部には、帳票「〇〇入力シート」として、「日付」とその入力欄、「氏名」の「フリガナ」とその入力欄にフォント文字で「ナガシマシゲオ」と表示されるとともに、画面下部には、「フリガナ(30文字)」とその入力欄に手書き文字で「ナガシマシゲオ」と表示されるとともに、「OK」バーにカーソルが表示されていることが認定できる。
(ク) 引用発明
上記各記載から、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「位置入力装置100aは、センサの設けられたボード1a、発振器の設けられたペン2aとを備え、
位置入力処理装置3は、汎用のコンピュータ装置が本発明を実現するためのプログラムにしたがって動作することにより実現され、
モニタ4は、位置入力処理装置3で生成された画像データを表示し、
<文字モードの処理>において、
文字入力には、通常のワードプロセッサのように、任意の大きさの用紙上で文書を作成する通常モードと、領収書、入力シート等のように形式の予め定められた帳票において文字を入力する帳票モードとがあり、
メニュバーから「文字」バーが選択されると(ステップS8;YES)、位置入力処理装置3は文字モード処理のサブルーチンSub2を処理し、
筆記者が「帳票」バーを選択すると(ステップS200;帳票)帳票が選択され、
筆記者は「帳票」の種類の選択をし(ステップS202)、
筆記者が「手書きモード」を選択すると(ステップS203;YES)、筆記用具の選択を行うことができ(ステップS205)、
手書き入力処理を終了したい場合(ステップS206;YES)は最後にファイル処理を行って(ステップS207)、メインルーチンに復帰し、
手書き入力でなく、キーボードモード処理Sub3を選択した場合(ステップS203;NO)も同様であり、
<手書き入力処理>において、
手書き入力には、ペンを模擬したペン入力モードと、毛筆を模擬した毛筆入力モードとがあり、
ペン入力モードは、筆記用具としてペンが選ばれているときに起動され、筆記者がペン2aを軽く押さえると、このとき、位置入力処理装置3はディスプレイに細いペン先のカーソルCU5を表示し、細い筆跡を表示し、また、ペン2aを強く押さえると、ディスプレイに太いペン先のカーソルCU6を表示し、
手書き入力処理は、帳票モードであれば、選択した帳票上の入力したい欄にカーソルを移動させ、確認信号を入力(スイッチ206を押す)することで起動でき、
<手書き入力処理>のフローチャートにおいて、
ステップS600~S603のループでは、筆記者がボード1aの上に記したペン2aの水平位置座標が、時系列データとして内部メモリへ蓄積され、同時にディスプレイ上へその筆跡のまま表示され、
筆跡入力を終了するとき(ステップS603;YES)筆記者は「確認(OK)」バーをカーソルで選択し、選択後、時系列データに基づいて筆跡の方向性の判定が行われ、筆跡の特徴部分が抽出され(ステップS604)、
帳票モードであれば(ステップS605;帳票)、筆跡の示す特徴が文字コードの示す文字のうちいずれの文字を示すのかを判定する文字認識が行われ(ステップS609)、
次いでロジカルチェック処理とAI処理が行われ(ステップS610)、この欄に入力されることのないキャラクタが排除され、認識できた文字の優先順位判定が行われ、認識した文字は、帳票の所定の欄に示され、
このとき、画面上部には、帳票「〇〇入力シート」として、「日付」とその入力欄、「氏名」の「フリガナ」とその入力欄にフォント文字で「ナガシマシゲオ」と表示されるとともに、画面下部には、「フリガナ(30文字)」とその入力欄に手書き文字で「ナガシマシゲオ」と表示されるとともに、「OK」バーにカーソルが表示されており、
<キーボードモード処理>では、手書きによる文字入力に代わり、模擬的に表示したキーボードから入力を行うこともでき、
文字認識を行うので、手書きの筆跡を記録する他、手書きの中の一部の領域のみを文字認識させ、フォント文字等に置き換えて表示することができる、
位置入力装置およびその位置入力処理装置。」
イ 周知文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2008-134793号公報(平成20年6月12日公開。以下「周知文献2」という。)には、図面(特に、【図2】)と共に、段落【0029】-【0032】に、次の事項が記載されている。
「【0029】
図2は、電子的手書入力装置10の外観と使用状態を示す説明図である。図2に示すように、電子的手書入力装置10は、テーブル等の被投影体18上に配置されスタンドを兼ねる画像処理部16と、この画像処理部16に対して自在継手34aを介して支持ロッド32の一端部が係合され、支持ロッド32の他端部に自在継手34b(後述する図11も参照)を介して取り付けられた基部13に投影部11と複眼撮像部14が一体的に固定されている。
【0030】
したがって、投影部11と複眼撮像部14とは、基部13、自在継手34(34a、34b)、支持ロッド32を介し、画像処理部16に対して一体的に角度変更が自由に構成されている。
【0031】
投影部11は、被投影体18上に手書入力面36を投影する。投影された手書入力面36をカバーする大きさの紙等のシートを、被投影体18の投影面に配置してもよい。
【0032】
手書入力面36には、先端を指示点(先端点、ポインタ)112とする指示手段110が対向する。なお、指示手段110は、被投影体18上に実際に文字や図形の書画を書き込むことが可能なペン、あるいは書き込めないペン状の物(模擬ペン)又は、人差し指等、手指に代替することもできる。」
ウ 周知文献3の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2001-282456号公報(平成13年10月12日公開。以下「周知文献3」という。)には、図面(特に、【図1】)と共に、次の事項が記載されている。
(ア) 段落【0002】-【0003】
「【0002】
【技術的背景】コンピュータは我々の生活に深く浸透し、その利用形態もさまざまである。以前では考えられなかったような非常に小型のコンピュータを携帯したり、周囲の環境に埋め込まれ一見してそれと解らないような場所での利用も行なわれている。将来的にはウェアラブル・パソコンやPDAのような人に取り付ける形態と、机や壁、部屋などユーザの周囲の環境に融合した形態の2つの流れにそって発展してゆくと考えられる。このような流れの中で、マンマシーン・インターフェースについて考えると、現在のGUI等に代表されるインターフェースは、ユーザをインターフェースに縛り付け、本来行ないたい作業とは別にインターフェースにも気を配らなければならなかった。そこで次世代のインターフェースではユーザの行ないたい作業に対してより直接的でより自然な操作を行なうことのできるインターフェースが求められている。
【0003】そこで、コンピュータを用いた情報の検索や利用において、ユーザのインターフェースによる負担の軽減のため、実世界でのユーザの作業や操作をコンピュータが支援し、キーボードやマウスのみによる従来型のインターフェースよりも快適に利用できる次世代のインターフェースとして、実世界指向、状況認識によるインターフェースに期待が寄せられている。実世界指向ユーザ・インターフェースは、実世界のユーザの状況を常にコンピュータが認識し、ユーザの意図を汲み取ってコンピュータが作業を支援する。これにより、既存のコンピュータの操作を感じさせない透明なインターフェースの実現を目指している。この実世界指向インターフェースを机上での作業に応用し、机型実世界指向インターフェースの一例として、“机”に統合された実世界指向インターフェース(Enhanced Desk)の開発が進められている。机上での作業とコンピュータでの作業の融合に注目した例として、Digital Desk(例えば、小池「Bit別冊 ビジュアルインターフェース-ポストGUIを目指して-」共立出版、2.1章、 pp.24-44等参照)がよく知られている。Digital Deskでは机上に投影されたコンピュータ画面を指先などで操作するものである。ユーザは机上に投影されたイラストを切り取ってコピーしたり、机上に投影された電卓で計算をすることができる。」
(イ) 段落【0009】
「【0009】図1は、本発明の実施形態であるエンハンスト・ディスク(Enhanced Desk)の外観図である。図1に示すように、通常の机10の上方にプロジェクタ30を取り付け、コンピュータ(図示せず)の画面を鏡44で反射させ、机上に画面12を投影する。机上を観察するカメラは2台設置した。1台は赤外線カメラ50であり、机10左側から上を向けて設置し、表面反射鏡42ごしに机上の撮影を行なう。もう1台のズーム機能付パンチルト・カメラ20は、机の右上方に設置し、机上の一部分を拡大して撮影することができる。また、図示していないが、スピーカとマイクも設置されており、音声等の入出力の機能も持っている。」
(ウ) 段落【0021】(一部抜粋)
「【0021】<アプリケーション例>
(簡易文字認識)机上でのユーザの指差し動作を追跡することを利用して、ユーザが指で書いた文字を認識することができる。例えば、プロジェクタ30から机上に投影されたマス目に対して指で数字を書き入れると、その数字を認識して、書いた数字を机上にプロジェクタ30により表示することができる。ユーザの指先に単純なポインティング以外の意味を持たせるために利用できる。」
エ 周知文献4の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2000-132561号公報(平成12年5月12日公開。以下「周知文献4」という。)には、図面(特に、【図3】、【図4】)と共に、次の事項が記載されている。
(ア) 段落【0004】-【0005】
「【0004】これらの訪問看護ステーション業務は現行(介護保険施行前)でも医療保険と老人保健制度の対象であるため、ステーションでは保険請求の事務処理業務が毎月発生し、非常に負荷が高くなっている。また、ステーションには通常事務員がいない場合が多いため、その処理を日中の訪問業務が終わった夜間などに行う必要があり、負担が非常に大きかった。これは2000年4月に介護保険が施行されると、従来の医療保険、老人保健の処理に加えて、介護保険の請求業務が追加され、いっそう処理の負担が重くなると考えられている。
【0005】これに対し、事務処理をコンピュータ化して保険請求の集計や統計集計と、帳票作成を自動化するシステムが現在各社から販売されている。しかしながら、これらのシステムでは、ほとんどのものが訪問看護ステーションの施設内に設置されたコンピュータにステーションに戻ってからデータを入力する必要があり、特にコンピュータに慣れない看護婦にとってはこれを入力するのも大変な作業であり、事務処理の負担を大きく低減したとは言い難いものになっている。」
(イ) 段落【0011】
「【0011】一方、実空間とコンピュータによる仮想空間の融合技術としてAugmented Reality, Mixed Realityの研究が活発化してきている。これは実空間の物体などの状況をコンピュータが認識し、それに対する情報を実空間上に投影するなどし、実空間にコンピュータの仮想空間の情報を付加するような技術である(「紙やモノを使って自然なユーザ・インターフェイスを作るaugmented reality の研究が進む」, 日経エレクトロニクス, pp.99-106, 1996.1.1 )。例えばSONYのUltra Magic Key は、情報キオスク(街頭情報端末)のインターフェイスとして考えられたもので、紙の上に紙を同定するためのキーが印刷されており、紙の上に情報を呼び出すためのボタンが印刷されており、これをCCDカメラで撮影して紙を同定し、さらにボタンを指さすとその指の画像から指先の位置に対応するボタンに割り付けられた機能(例えば対応する情報をディスプレイに表示するなど)を実施する、というものである("The Multimedia Interface Using "Paper" :Ultra Magic Key", Proceedings 3rd Asia Pacific Computer Human Interaction, PP.393-397, 1998 )。」
(ウ) 段落【0035】
「【0035】訪問看護婦は、携帯情報端末20を持って患者宅へ訪問に行き、訪問先にて訪問看護を行う。この時得られたバイタルサインなどの情報は、この例の場合、訪問看護用アプリケーションを起動して、このアプリケーション内にて図5のような画面で、入力したい項目をクリックすると画面上にソフトウェア10キーのキーボード51が表示され、これを用いて入力する。その他気がついたコメント、定義されている患者の問題点についてのコメント(看護記録)を、従来は図6のような画面でコメント領域61に手書きメモとしてペンダウンした部分をそのまま黒反転することて手書きイメージを記述する。」
(エ) 段落【0062】
「【0062】第三の実施形態における情報参照装置(図3参照)は、アーム32にて投影対象である机31の上方に取り付けられたCCDカメラ33と、同様にアーム34にて上方に取り付けられた情報表示用のプロジェクタ35からなる。CCDカメラ33の下に撮影領域36があり、ここに置かれたものをCCDカメラ33で撮影し、これをデジタル動画データとしてシステムに撮り込むことができる。プロジェクタ35は上方から机31上の投影領域37にシステムから出力される画像を投影できる。CCDカメラ33、プロジェクタ35の角度は変えることができ、CCDカメラ33で撮影した画像をそのままプロジェクタ35にて壁面などに投影することもできる。またCCDカメラ画像をシステムにて編集した物をプロジェクタにて投影することもできる。」
(オ) 段落【0077】-【0078】
「【0077】第四の実施形態では、帳票印刷時には帳票の印刷指示データのみを記録し、情報参照時には、使用している帳票のIDのみを認識し、帳票と同じ表示条件で時系列一覧表をサーバの画面に表示し、あとは第一の実施形態と同様に情報参照を行うものである。
【0078】本実施形態における情報参照装置においては、図4のように、図3のプロジェクタ35と投影領域37の代わりに通常用いられているCRTディスプレイや液晶ディスプレイなどの表示装置(ディスプレイ)44を用いる。CRTディスプレイの場合、図4のように机41の前に座ったユーザが投影される物(撮影領域45)とディスプレイ44が一度に見られるよう撮影領域45を前に、その後ろにディスプレイ44を配置する。あるいは、図3のような構成で投影しても構わない。投影する場合、投影領域の手前に、実空間のマルチメディア操作ボタンを配置しても構わない。」
オ 周知文献5の記載事項
前置報告において新たに引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2007-304851号公報(平成19年11月22日公開。以下「周知文献5」という。)には、図面(特に、図3)と共に、次の事項が記載されている。
(ア) 段落【0002】-【0004】
「【背景技術】
【0002】
従来、紙での保存が義務付けられている財務や税務関連の書類・帳票を、電子データとして保存することを認める法律e-文書法が2005年に施行されたことにより、近年、紙書類をスキャニングして電子ファイル化する取り組みが行われている。
【非特許文献1】木村 道弘、宮崎 一哉、前田 陽二、“電子文書保存のしくみと実務 e-文書法への実践的対応”、2005年12月、中央経済社
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、スキャニングして電子ファイル化する方法では、元の紙文書が存在してしまうため、スキャニングした後に紙文書をシュレッダ等で裁断のうえ廃棄することを忘れてしまうと、情報漏洩するおそれがあり、情報漏洩を防止しなければならないという課題がある。
【0004】
また、前述のe-文書法に対応するために、作成する文書データに対して、見読性、完全性、機密性、検索性を要求されておりこれらの要求を満たさなければならないというここで、見読性とは、スキャニングによる解像度等の規定であり、筆跡の癖程度まで表示可能な解像度が要求されている。完全性とは、作成者及び作成年月日を特定しつつ、記録媒体の障害による保管された電子文書の減失、き損を防止することを要求するものである。機密性とは、文書データの不正持ち出し、不正アクセスの防止を行い、文書データの改ざんの発見を可能とすることを要求するものである。検索性とは、保管されている電子文書の検索にあたり、正当なアクセス権限者が必要な文書を簡単に見つけ出せることを要求するものである。」
(イ) 段落【0041】-【0045】
「【0041】
従業員は、スタイラスペン51等により液晶ディスプレイ面にて、メインメニューから所望の帳票のフォーマットデータを読み出す指示を入力する。所望の帳票のフォーマット
データを選択する指示が入力されると、帳票アプリケーション部82は、所望のフォーマットデータを表示プログラム部83により液晶ディスプレイに表示させ、入力が開始できる状態とする。そして、顧客が自ら、氏名や住所などの情報を、スタイラスペン51等により文書入力端末50に入力する。また、顧客の入力が終了した後、従業者は、スタイラスペン51等により、帳票情報を補完する情報を手書きで入力する(ステップSa2)。【0042】
ペン入力プログラム部62は、入力を検出するごとに、入力される帳票情報を変換して揮発性RAMに文書データを生成する(ステップSa3)。また、購入する商品の種類によっては、顧客の身分証などをスキャナ等により液晶ディスプレイに表示されるフォーマットの所定の位置に取り込まれることになる(ステップSa4)。このスキャナ等で取り込まれた情報も、変換されて文書データの一部となる(ステップSa3)。
【0043】
入力が完了すると、従業員は、スタイラスペン51等により液晶ディスプレイに表示される「入力完了」の領域を選択すると、帳票アプリケーション部82は、入力完了通知をインデックスファイル生成部86に送信し、インデックスファイル生成部86は一意に識別可能な識別情報を生成し、生成される識別情報を帳票情報に対応付ける。この識別情報は、液晶ディスプレイに表示されている帳票情報の一部として表示されるようにすることもできる(ステップSa5)。次に、従業者は、スタイラスペン51等により液晶ディスプレイに表示される「控印刷」の領域を選択し、顧客用の控印刷を行う指示を入力する。控印刷の指示が入力されると帳票アプリケーション部82は、印刷プログラム部84により液晶ディスプレイに表示される帳票情報の全部あるいは一部を無線LAN通信部67を介して店舗100に設置されるプリンタに出力させ、出力される控えが従業員から顧客に手渡される(ステップSa6)。
【0044】
入力完了の状態にて、「サーバへ送信」の領域が従業者の操作により選択されると、帳票アプリケーション部82は、時刻同期部65により時刻認証サーバ401にタイムスタンプの発行を要求させ、要求に対する応答として受信するタイムスタンプを揮発性RAMに記憶される文書データに付与させる。また、帳票アプリケーション部82は、電子署名付与部66により予め内部に記憶している電子署名を文書データに付与させる。タイムスタンプと電子署名の付与により、文書データは、真正性が担保された状態となる(ステップSa10)。そして、帳票アプリケーション部82の送信指示を受けたSSL暗号通信プロトコル部68が、データセンタ200の通信管理サーバ230との間でSSLの回線を確立し、帳票アプリケーション部82は、インターネット300を通じて電子署名とタイムスタンプが付与された文書データをSSLにて暗号化された状態で送信する。通信管理サーバ230は、暗号化された電子署名とタイムスタンプが付与された文書データを受信すると、復号化を行った後に、帳票情報DBサーバ240のイメージDB241に電子署名とタイムスタンプが付与される文書データを記録する(ステップSa11)。
【0045】
また、入力完了の状態にて、帳票アプリケーション部82からの指示により文字認識・変換FEP部63は、揮発性RAMに記憶される文書データの所定の領域、例えば、氏名、住所、年齢などの領域について手書き文字から文字認識を行ってテキストデータへ変換して当該文書データのインデックスとする(ステップSa12)。インデックスファイル生成部86は、当該文書データに既に付与されている識別情報を読み出し、識別情報とインデックスとを対応付けたインデックスファイルを生成する。生成されたインデックスファイルは、帳票アプリケーション部82により、通信管理サーバ230との間で確立されたSSLの回線を通じて、SSLにて暗号化された状態で送信される。通信管理サーバ230は、暗号化されたインデックスファイルを受信すると、復号化を行った後に、帳票情報DBサーバ240のインデックスDB242に記録する(ステップSa13)。帳票アプリケーション部82は、前述した電子署名とタイムスタンプが付与された文書データやインデックスファイルの送信を行った後、揮発性RAMに記憶されている全ての情報を削除する。」
(ウ) 段落【0049】-【0052】
「【0049】
次に、図4を参照しつつ、文書管理システム1の文書データの検索の動作について説明する。
【0050】
図4の処理が行われる状況としては、例えば、顧客が商品の注文を行い、数日経過後に、商品を受領するために、店舗100を再び訪れて、商品を受け取る状況などが想定される。このとき、従業員は、文書入力端末50にてログインを行うと、前述した利用者認証プログラム部81による処理が行われ、アプリケーションサーバ210からダウンロードするソフトウェアにより帳票の入力や検索に関する機能部が構成される(ステップSb1)。従業員が、スタイラスペン51等を用いて液晶ディスプレイに表示されるメインメニューから検索の処理を選択する。検索の処理が選択されると、検索プログラム部85により、液晶ディスプレイに検索画面が表示される(ステップSb2)。検索画面が表示されると、従業員は、スタイラスペン51を顧客に渡し、顧客は、手持ちの顧客控えの控え番号、すなわち前述した識別情報を、検索画面に入力する(ステップSb3)。
【0051】
従業員は、顧客により入力が行われた後に、検索画面の検索開始の領域をスタイラスペン51等により選択する。検索開始の領域が選択されると、検索プログラム部85は、無線LAN通信部67を通じて識別情報を含む検索要求を通信管理サーバ230に送信する。通信管理サーバ230は、帳票情報DBサーバ240のインデックスDB242から識別情報を含む全てのインデックスファイルを検索して読み出し(ステップSb4)、読み出したインデックスファイルを含む検索応答を文書入力端末50に送信する。文書入力端末50の検索プログラム部85は、検索応答を受信すると、液晶ディスプレイに、検索応答に含まれるインデックスファイルに含まれる識別情報、顧客氏名、住所等のインデックス情報を一覧表示する(ステップSb5)。
【0052】
従業員が、一覧表示された中から、該当する文書データをスタイラスペン51等により選択すると、検索プログラム部85は、選択された文書データの識別情報を含む読み出し要求を、無線LAN通信部67を通じて通信管理サーバ230に送信する。通信管理サーバ230は、読み出し要求に含まれる識別情報に基づいてイメージDB241から、識別情報に対応する文書データを読み出し、読み出した文書データを文書入力端末50に送信する。文書入力端末50の検索プログラム部85は、受信した文書データ、すなわち帳票情報を表示プログラム部83により液晶ディスプレイに表示させる(ステップSb6)。」
(エ) 周知文献5のまとめ
周知文献5には、上記(ア)から、
「紙での保存が義務付けられている財務や税務関連の書類・帳票を、電子データとして保存する」ことが記載されており、
上記(イ)から、
「顧客が自ら、氏名や住所などの情報を、スタイラスペン51等により文書入力端末50に入力する。また、顧客の入力が終了した後、従業者は、スタイラスペン51等により、帳票情報を補完する情報を手書きで入力する」こと、
「ペン入力プログラム部62は、入力を検出するごとに、入力される帳票情報を変換して揮発性RAMに文書データを生成する」こと、
「入力が完了すると」、「インデックスファイル生成部86は一意に識別可能な識別情報を生成し、生成される識別情報を帳票情報に対応付け」ること、
「入力完了の状態にて、「サーバへ送信」の領域が従業者の操作により選択されると」、「帳票アプリケーション部82は、インターネット300を通じて電子署名とタイムスタンプが付与された文書データをSSLにて暗号化された状態で送信する」こと、
「帳票情報DBサーバ240のイメージDB241に電子署名とタイムスタンプが付与される文書データを記録する」こと、
「また、入力完了の状態にて、帳票アプリケーション部82からの指示により文字認識・変換FEP部63は、揮発性RAMに記憶される文書データの所定の領域、例えば、氏名、住所、年齢などの領域について手書き文字から文字認識を行ってテキストデータへ変換して当該文書データのインデックスとする」こと、
「生成されたインデックスファイルは、帳票アプリケーション部82により、通信管理サーバ230との間で確立されたSSLの回線を通じて、SSLにて暗号化された状態で送信される」こと、
「通信管理サーバ230は、暗号化されたインデックスファイルを受信すると、復号化を行った後に、帳票情報DBサーバ240のインデックスDB242に記録する」ことが記載されており、
上記(ウ)から、
「文書管理システム1の文書データの検索の動作」として、
「例えば、顧客が商品の注文を行い、数日経過後に、商品を受領するために、店舗100を再び訪れて、商品を受け取る状況など」において、
「検索応答に含まれるインデックスファイルに含まれる識別情報、顧客氏名、住所等のインデックス情報を一覧表示する」こと、
「文書入力端末50の検索プログラム部85は、受信した文書データ、すなわち帳票情報を表示プログラム部83により液晶ディスプレイに表示させる」ことが、記載されているといえる。
カ 周知文献6の記載事項
平成30年11月22日の補正の却下の決定で引用された、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、国際公開第2014/162604号(2014年10月9日公開。以下「周知文献6」という。)には、図面(特に、【図2】-【図4】、【図6】)と共に、次の事項が記載されている。
(ア) 段落[0014]
「本実施形態では、この手書き文書は、イメージデータではなく、各ストロークの軌跡の座標列とストローク間の順序関係を示す時系列情報として記憶媒体に保存される。この時系列情報の詳細は図4を参照して後述するが、この時系列情報は、複数のストロークが手書きされた順を示し、且つ複数のストロークにそれぞれ対応する複数のストロークデータを含む。換言すれば、この時系列情報は、複数のストロークにそれぞれ対応する時系列のストロークデータの集合を意味する。各ストロークデータは、ある一つのストロークに対応し、このストロークの軌跡上の点それぞれに対応する座標データ系列(時系列座標)を含む。これらストロークデータの並びの順序は、ストロークそれぞれが手書きされた順序つまり筆順に相当する。」
(イ) 段落[0018]
「ページには、手書き文書(手書きデータ)のみならず、手書きデータ以外の他の各種コンテンツデータ、例えば、画像データ(静止画、動画)、テキストデータ、音声データ、ドロー系アプリケーションによって作成されたデータ、等を含むことができる。換言すれば、本実施形態で扱われる手書き文書(手書きページデータ)は、複数種のメディアデータ(手書きデータ、画像データ、テキストデータ、音声データ、ドロー系アプリケーションによって作成されたデータ、等)を含むことができる。この場合、手書きページデータに含まれるこれらメディアデータには互いに異なるレイヤがそれぞれ割り当てられてもよい。ユーザは、あるメディアデータ(コンテンツデータとも云う)上にストローク(手書き文字、手書きマーク、手書き図形、手書き表、等)を手書きすることもできる。」
(ウ) 段落[0029]
「図4は、図3の手書き文書に対応する時系列情報(手書きデータ)200を示している。時系列情報は、複数のストロークデータSD1、SD2、…、SD7を含む。時系列情報200内においては、これらストロークデータSD1、SD2、…、SD7は、筆跡順に、つまり複数のストロークが手書きされた順に時系列に並べている。」
(エ) 段落[0040]
「CPU101は、タブレットコンピュータ10内の各種モジュールの動作を制御するプロセッサである。CPU101は、ストレージデバイスである不揮発性メモリ106から主メモリ103にロードされる各種ソフトウェアを実行する。これらソフトウェアには、オペレーティングシステム(OS)201、および各種アプリケーションプログラムが含まれている。アプリケーションプログラムには、デジタルノートブックアプリケーションプログラム202が含まれている。このデジタルノートブックアプリケーションプログラム202は、上述の手書きページデータを作成および表示する機能、手書きページデータを編集する機能、手書きページデータ内の手書きオブジェクト(手書き文字、手書きマーク、手書き図形等)を認識する機能、所望の手書き部分を含む手書き文書情報や、ある手書き文書情報内の所望の手書き部分を検索するための手書き文書検索機能を有している。手書き文書検索機能は、筆跡検索およびテキスト検索(文字列検索)の双方を実行することができる。筆跡検索は、検索キーである手書きストローク群の筆跡特徴量と類似する筆跡特徴量を有するストロークデータ群を検索するための検索方式である。テキスト検索(文字列検索)は、検索キーであるテキスト(文字コード)に対応する手書き文字(ストロークデータ群)を検索するための検索方式である。」
(オ) 段落[0067]-[0069]
「検索/認識処理部303は、手書きページデータ中の手書き文字列をテキスト(文字コード列)に変換する筆跡認識処理、手書きページデータ中の画像内に含まれる文字列をテキスト(文字コード列)に変換する文字認識処理(OCR)を実行する。さらに、検索/認識処理部303は、上述の筆跡検索およびテキスト検索を実行することができる。
ページ保存処理部306は、作成中のページ上に配置される複数種のコンテンツデータ(手書きデータ、他の各種コンテンツデータ等)を含む手書きページデータを生成し、この手書きページデータを記憶媒体402に保存する。記憶媒体402は、例えば、タブレットコンピュータ10内のストレージデバイスであってもよいし、サーバコンピュータ2のストレージデバイスであってもよい。
ページ取得処理部307は、記憶媒体402から任意の手書きページデータを取得する。この取得された手書きページデータは表示処理部301に送られる。表示処理部301は、手書きページデータに含まれる複数種のデータ(手書きデータ、他のコンテンツデータ)が配置されるページを画面上に表示する。」
(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。
(ア) 引用発明の「モニタ4」(「ディスプレイ」)は、本件補正発明の「投影部」と、「表示部」である点で共通するといえる。
引用発明の「領収書、入力シート等のように形式の予め定められた帳票」(「〇〇入力シート」)は、本件補正発明の「入力フォーマット」に対応するといえる。
よって、引用発明の「領収書、入力シート等のように形式の予め定められた帳票において文字を入力する帳票モード」の「手書き入力処理」において、「モニタ4」の画面であることが明らかな「画面上部には、帳票「〇〇入力シート」として、「日付」とその入力欄、「氏名」の「フリガナ」とその入力欄にフォント文字で「ナガシマシゲオ」と表示されるとともに、画面下部には、「フリガナ(30文字)」とその入力欄に手書き文字で「ナガシマシゲオ」と表示され」、ここで、「<キーボードモード処理>では、手書きによる文字入力に代わり、模擬的に表示したキーボードから入力を行うこともでき」ることは、本件補正発明の「各種手続に必要な記入事項であって、キーボードで入力可能な入力内容と、前記入力内容を記入するための入力欄とを示す入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部」と、「記入事項であって、キーボードで入力可能な入力内容と、前記入力内容を記入するための入力欄とを示す入力フォーマットを、表示する表示部」である点で共通するといえる。
(イ) 引用発明の「位置入力処理装置」は、本件補正発明の「データ認識部」に対応する。
引用発明の「筆跡」は、本件補正発明の「手書きされた軌跡」に対応する。
引用発明において、「文字認識が行われ」、「認識した文字は、帳票の所定の欄に示され」る場合、「認識した文字」が、文字認識の過程で、特定の文字を示す「文字コードに変換され」ていることは明らかであるといえる。
よって、引用発明の「位置入力処理装置」による「<手書き入力処理>のフローチャートにおいて、ステップS600~S603のループでは、筆記者がボード1aの上に記したペン2aの水平位置座標が、時系列データとして内部メモリへ蓄積され、同時にディスプレイ上へその筆跡のまま表示され、筆跡入力を終了するとき(ステップS603;YES)筆記者は「確認(OK)」バーをカーソルで選択し、選択後、時系列データに基づいて筆跡の方向性の判定が行われ、筆跡の特徴部分が抽出され(ステップS604)、帳票モードであれば(ステップS605;帳票)、筆跡の示す特徴が文字コードの示す文字のうちいずれの文字を示すのかを判定する文字認識が行われ(ステップS609)、次いでロジカルチェック処理とAI処理が行われ(ステップS610)、この欄に入力されることのないキャラクタが排除され、認識できた文字の優先順位判定が行われ、認識した文字は、帳票の所定の欄に示され」、「手書き入力処理を終了したい場合(ステップS206;YES)は最後にファイル処理を行って(ステップS207)、メインルーチンに復帰し」ていることは、本件補正発明の「前記投影部によって投影表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた軌跡を特定して、特定された軌跡に基づき手書きされた文字を認識して文字コードに変換し、変換された前記文字コードを、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能なデジタルデータとして、ストレージまたはデータベースサーバに保管するとともに、特定された前記軌跡を画像化し、画像化した前記軌跡を、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能な証跡データとして、前記ストレージまたは前記データベースサーバに保管するデータ認識部」と、「前記表示部によって、表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた軌跡を特定して、特定された軌跡に基づき手書きされた文字を認識して文字コードに変換し、前記軌跡を、保管するデータ認識部」である点で共通するといえる。
(ウ) 引用発明の「位置入力装置およびその位置入力処理装置」は、本件補正発明の「データ入力装置」に対応する。
イ 一致点・相違点
以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「記入事項であって、キーボードで入力可能な入力内容と、前記入力内容を記入するための入力欄とを示す入力フォーマットを、表示する表示部と、
前記表示部によって、表示された前記入力フォーマットの前記入力欄に手書きされた軌跡を特定して、特定された軌跡に基づき手書きされた文字を認識して文字コードに変換し、前記軌跡を、保管するデータ認識部と
を備えるデータ入力装置。」
[相違点1]
「記入事項」が、本件補正発明では、「各種手続に必要な」記入事項であるのに対し、引用発明では、「領収書、入力シート等のように形式の予め定められた帳票において文字を入力する」ものであるが、「各種手続に必要な」記入事項であることが特定されていない点。
[相違点2]
本件補正発明では、「入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部」を備え、「前記投影部によって投影表示された」前記入力フォーマットの前記入力欄に手書き入力するのに対し、引用発明では、「表示部」が「モニタ4」(「ディスプレイ」)であり、「ボード1aの上に記したペン2aの水平位置座標が、時系列データとして内部メモリへ蓄積され、同時にディスプレイ上へその筆跡のまま表示され」るものであって、「入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部」を備えて、「前記投影部によって投影表示された」前記入力フォーマットの前記入力欄に手書き入力するものではない点。
[相違点3]
本件補正発明では、「変換された前記文字コードを、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能なデジタルデータとして、ストレージまたはデータベースサーバに保管するとともに、特定された前記軌跡を画像化し、画像化した前記軌跡を、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能な証跡データとして、前記ストレージまたは前記データベースサーバに保管する」のに対し、引用発明では、「ボード1aの上に記したペン2aの水平位置座標が、時系列データとして内部メモリへ蓄積され」ており、「文字認識を行うので、手書きの筆跡を記録する他、手書きの中の一部の領域のみを文字認識させ、フォント文字等に置き換えて表示することができる」ものであり、手書き文字処理の終了時には「最後にファイル処理を行って」いるものであるが、「文字コード」と「画像化した前記軌跡」とを「前記ストレージまたは前記データベースサーバに保管する」ことは特定されていない点。
(4)判断
[相違点1]について
一般に、帳票として、各種手続に必要な記入事項を備えるものは、周知文献4(上記(2)エ(ア))、周知文献5(上記(2)オ(ア))にそれぞれ記載されるように、周知技術である。
よって、引用発明の「領収書、入力シート等のように形式の予め定められた帳票」として、上記周知技術の、各種手続に必要な記入事項を備える帳票を採用することによって、「各種手続に必要な」記入事項を入力する、上記[相違点1]に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。
[相違点2]について
ユーザインタフェースとして、机などの物体表面に投影された表示に対して、手書きで文字等を直接入力する構成は、周知文献2(上記(2)イ)、周知文献3(上記(2)ウ(ア)-(ウ))、周知文献4(上記(2)エ(イ)-(オ))にそれぞれ記載されるように、周知技術である。
よって、引用発明のユーザインタフェースとして、使い易さ等を考慮して、「モニタ4」で表示をしながら、「ボード1a」上で手書き文字入力をすることに代えて、上記周知技術の、机などの物体表面に投影された表示に対して、手書きで文字等を直接入力する構成を採用することによって、「入力フォーマットを入力台の上に投影表示する投影部」を備え、「前記投影部によって投影表示された」前記入力フォーマットの前記入力欄に手書き入力する、上記[相違点2]に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。
[相違点3]について
一般に、帳票等に入力された、手書きイメージ(「画像」)データや、文字データ等を、後日利用できるようにするために、記憶手段に保管することは、例えば、周知文献5(上記(2)オ(イ)ー(エ)。なお、周知文献5における「帳票情報DBサーバ240」の「イメージDB241」と「インデックスDB242」とが、本願発明における各「ストレージまたはデータベースサーバ」に対応する。)、周知文献6(上記(2)カ(ア)-(オ))に記載されるように、周知技術である。
また、引用発明は、「ボード1aの上に記したペン2aの水平位置座標が、時系列データとして内部メモリへ蓄積され」、「文字認識を行うので、手書きの筆跡を記録する他、手書きの中の一部の領域のみを文字認識させ、フォント文字等に置き換えて表示することができる」ものであって、手書き文字処理の終了時には「最後にファイル処理を行って」いるものであり、ここで「ファイル処理」とは、データをファイル形式で読み書きすることにほかならないから、帳票に入力された各種データを記憶手段に保管することが、少なくとも示唆されているといえる。
よって、引用発明に、上記周知技術の、帳票に入力された、手書きイメージ(「画像」)データや、文字データ等を、後日利用できるようにするために、記憶手段に保管する構成を付加することによって、「変換された前記文字コードを、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能なデジタルデータとして、ストレージまたはデータベースサーバに保管するとともに、特定された前記軌跡を画像化し、画像化した前記軌跡を、後日利用者から手続き内容についての問い合わせがあった場合に確認を行うことが可能な証跡データとして、前記ストレージまたは前記データベースサーバに保管する」、上記[相違点3]に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、当業者であれば、引用発明及び周知技術から予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
平成30年9月20日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成30年2月5日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-13に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1-13に係る発明は、本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1-8に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開平9-305306号公報
引用文献2:特開2008-134793号公報
引用文献3:特開2001-282456号公報
引用文献4:特開2000-132561号公報
引用文献5:特開2016-62607号公報
引用文献6:特開2002-81922号公報
引用文献7:特開2009-182908号公報
引用文献8:特開平10-293803号公報
3 引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載事項は、前記第2[理由]2(2)アに記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2[理由]2で検討した本件補正発明から、「入力内容」に係る限定事項、「手書き文字の軌跡の認識」に係る限定、「文字コードのデジタルデータの記憶」に係る限定、「軌跡が画像化された証跡データの記憶」に係る限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本件補正発明が、上記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2018-012572