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特許拒絶査定不服審判

2018-011072

足踏み駆動式伝動輪システム

審判番号
2018-011072
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-229196外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年08月13日
審決日
2019年09月24日
公報発行日
2020年03月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (B62M) / P18 .575-WZ (B62M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-229196号「足踏み駆動式伝動輪システム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年5月22日出願公開、特開2014-94744号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年11月5日(パリ条約による優先権主張2012年11月9日、米国)の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成29年 4月24日付け:拒絶理由通知書 平成29年11月 8日  :意見書、手続補正書の提出 平成30年 4月 9日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) 平成30年 8月13日  :審判請求書、手続補正書の提出 第2 平成30年8月13日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成30年8月13日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4のうちの請求項3の記載は、次のとおりである(下線は、補正箇所を示す。)。 「【請求項3】 楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)、2つの補助輪(312)、及び、伝動部材(100)によって、伝動輪システムを構成し、運転者が足で交互にペダルを踏み、足がペダルのペダル軸のクランクを経由して楕円駆動輪(112)の駆動輪軸(111)に対して、異なる踏み角度で力を入れるとき、楕円駆動輪が従動輪の伝動の速度比を変化させ、 楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)が同期プーリ、伝動部材(100)が伝動ベルト、又は、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)がチェーンホイール、伝動部材(100)が伝動用チェーンで構成され、周期的に速度比が変化する機能を有し、 楕円駆動輪(112)が偏心従動輪(413)に対して伝動する全周期において、相対的に楕円駆動輪(112)の回転速度角変位が、偏心従動輪(413)に対して、回転速度が速い角変位を伝達し、 伝動部材(100)は、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)の輪形構造に応じて選択される滑動不能なベルト状構造であり、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)の間で伝動し、 楕円駆動輪(112)は、駆動輪軸(111)に結合されており、駆動輪軸(111)の両側が、別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合しており、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設けることにより、第一ペダル(102)が設置され、第二クランク(201)に第二ペダル軸(203)を設けることにより、第二ペダル(202)が設置され、 偏心従動輪(413)は、従動輪軸(211)に設置され、伝動部材(100)を介して、楕円駆動輪(112)に駆動され、 伝動部材(100)と一個以上の楕円駆動輪(112)と一個以上の偏心従動輪(413)のドライブカップリング、及び変速切替装置の操作により、1種以上の異なる速度比を有する伝動輪システム(1000)を構成し、 補助輪(312)は、連結アーム(301)の一端に設置される補助輪軸(311)に結合され、 連結アーム(301)は、一端がスイング軸(303)を経由して、本体(800)とスイングカップリングし、他端に補助輪軸(311)を設置することで、補助輪(312)が設置され、かつ連結アーム(301)と本体(800)の間に補助輪予圧ばね(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して内方向に締め付ける予圧圧力を与え、 一方の補助輪(312)は、伝動部材(100)の楕円駆動輪(112)の噛み合う前段に噛み合い、補助輪予圧ばね(302)の連結アーム(301)に対する予圧圧力により、楕円駆動輪(112)の方向に噛み合って締め付け、 他方の補助輪(312)は、伝動部材(100)の外側であって、駆動輪軸(111)よりも下側に設けられ、偏心従動輪(413)の方向に噛み合って締め付け、 左右の足で第一ペダル(102)および第二ペダル(202)を連続して踏むとき、第一ペダル軸(101)が上死点となす機械角度差の関係に従い、楕円駆動輪(112)と従動輪(212、213、413)の速度比が周期的に変化し、その周期的に速度比が変化する関係は、楕円駆動輪および従動輪の輪形によって決められることを含み、 偏心従動輪(413)は、そのピッチ直径が楕円駆動輪(112)の長径の二分の一であり、伝動部材(100)を介して楕円駆動輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を介して駆動中の伝動部材(100)に対して緩みを制御する予圧を周期的に与え、 少なくとも1つの前記補助輪(312)は、楕円駆動輪(112)が伝動部材(100)を引っ張る側に配置されることを特徴とする足踏み駆動式伝動輪システム。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正前の、平成29年11月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4のうちの請求項3の記載は次のとおりである。 「【請求項3】 楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)、2つの補助輪(312)、及び、伝動部材(100)によって、伝動輪システムを構成し、運転者が足で交互にペダルを踏み、足がペダルのペダル軸のクランクを経由して楕円駆動輪(112)の駆動輪軸(111)に対して、異なる踏み角度で力を入れるとき、楕円駆動輪が従動輪の伝動の速度比を変化させ、 楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)が同期プーリ、伝動部材(100)が伝動ベルト、又は、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)がチェーンホイール、伝動部材(100)が伝動用チェーンで構成され、周期的に速度比が変化する機能を有し、 楕円駆動輪(112)が偏心従動輪(413)に対して伝動する全周期において、相対的に楕円駆動輪(112)の回転速度角変位が、偏心従動輪(413)に対して、回転速度が速い角変位を伝達し、 伝動部材(100)は、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)の輪形構造に応じて選択される滑動不能なベルト状構造であり、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)の間で伝動し、 楕円駆動輪(112)は、駆動輪軸(111)に結合されており、駆動輪軸(111)の両側が、別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合しており、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設けることにより、第一ペダル(102)が設置され、第二クランク(201)に第二ペダル軸(203)を設けることにより、第二ペダル(202)が設置され、 偏心従動輪(413)は、従動輪軸(211)に設置され、伝動部材(100)を介して、楕円駆動輪(112)に駆動され、 伝動部材(100)と一個以上の楕円駆動輪(112)と一個以上の偏心従動輪(413)のドライブカップリング、及び変速切替装置の操作により、1種以上の異なる速度比を有する伝動輪システム(1000)を構成し、 補助輪(312)は、連結アーム(301)の一端に設置される補助輪軸(311)に結合され、 連結アーム(301)は、一端がスイング軸(303)を経由して、本体(800)とスイングカップリングし、他端に補助輪軸(311)を設置することで、補助輪(312)が設置され、かつ連結アーム(301)と本体(800)の間に補助輪予圧ばね(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して内方向に締め付ける予圧圧力を与え、 一方の補助輪(312)は、伝動部材(100)の楕円駆動輪(112)の噛み合う前段に噛み合い、補助輪予圧ばね(302)の連結アーム(301)に対する予圧圧力により、楕円駆動輪(112)の方向に噛み合って締め付け、 他方の補助輪(312)は、伝動部材(100)の外側であって、駆動輪軸(111)よりも下側に設けられ、偏心従動輪(413)の方向に噛み合って締め付け、 左右の足で第一ペダル(102)および第二ペダル(202)を連続して踏むとき、第一ペダル軸(101)が上死点となす機械角度差の関係に従い、楕円駆動輪(112)と従動輪(212、213、413)の速度比が周期的に変化し、その周期的に速度比が変化する関係は、楕円駆動輪および従動輪の輪形によって決められることを含み、 偏心従動輪(413)は、そのピッチ直径が楕円駆動輪(112)の長径の二分の一であり、伝動部材(100)を介して楕円駆動輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を介して駆動中の伝動部材(100)に対して緩みを制御する予圧を周期的に与えることを特徴とする足踏み駆動式伝動輪システム。」 2 補正の適否 2-1 新規事項の追加の有無及び補正の目的の適否について 本件補正は、本件補正前の請求項3に記載された発明を特定するために必要な事項である「補助輪(312)」の配置に関して、本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0058】,【0063】~【0064】、図14を根拠にして「少なくとも1つの前記補助輪(312)は、楕円駆動輪(112)が伝動部材(100)を引っ張る側に配置される」ことの限定を付加するものであり、また本件補正前の請求項3に記載された発明と本件補正後の請求項3に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第3項の規定に適合するとともに同法第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項3に係る発明(以下「本件補正発明3」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 2-2 独立特許要件 (1)本件補正発明 本件補正発明3は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献1の記載事項等 ア 記載事項 原査定の拒絶の理由で引用文献1として示された本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された特開2012-214220号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同様。)。 (1a)「【請求項1】 両足でこぐと回転運動する駆動輪システムであって、従動車輪および受動車輪の一方または両方は偏心伝動輪によって構成され、同期伝動ベルトとの結合によって偏心伝動輪システムを構成することにより、運転者が両足でこぐとき、ペダルのペダル軸にクランクを介して結合する従動車輪の従動車輪軸に対して異なるこぐ角度で力が入ると、従動車輪が両足でこぐ角度に従って受動車輪の伝動変速比を変動させ、 周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システムを構成する従動車輪および受動車輪は、真円偏心輪、非真円偏心輪、2峰性の楕円輪または真円輪によって構成され、同期ベルトドライブと伝動ベルト、またはスプロケットと伝動チェーン、またはギア群によって構成され、周期的可変速比機能を備え、 こぐときの最大出力角付近での伝動変速比を最大伝動変速比とし、最大伝動変速比では、従動車輪が受動車輪に対して伝動する全周期の中で、従動車輪と相対的に回転速度の角変位を受動車輪に対して、他の角度と相対的に回転速度が速い角変位を伝送し、偏心伝動輪システム(1000)の主な構成は下記の通りであって、・・・足踏み駆動式の偏心伝動輪システム。 ・・・ 【請求項4】 従動車輪は2峰性の楕円従動車輪であり、受動車輪は偏心伝動輪であり、偏心伝動輪システム(1000)の主な構成は下記の通りであって、 伝動ベルト(100)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)や補助輪(312)の輪形構造と相対的に滑動不能なベルト状構造であり、チェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンによって構成され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動し、 2峰性の楕円従動車輪(112)は、従動車輪軸(111)に結合し、従動車輪軸(111)の両側は別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合し、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設置するための第一ペダル(102)を設け、第二クランク(201)に第二ペダル(202)を設置するための第二ペダル軸(203)を設け、2峰性の楕円従動車輪(112)は滑動不能なスプロケットまたはタイミングベルトによって構成され、その2峰性の楕円形の2峰と従動車輪軸(111)間の機械角度位置と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)間の機械角の位置との間の機械角度差は、特定関係であって、 偏心受動車輪(413)は、2峰性の楕円従動車輪(112)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、受動車輪軸(211)に設置され、そのピッチ円直径は2峰性の楕円従動車輪(112)の1/2であり、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)の伝動ベルト(100)に合わせて、2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を通して、駆動する伝動ベルト(100)の周期的に締め付けおよび緩み変化に対して締付予圧を与え、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度は、伝動ベルト(100)を経て、第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)によって構成され指向性(b)間の機械角度位置との間の機械角度差は、特定関係があって、 伝動ベルト(100)と一個以上の2峰性の楕円従動車輪(112)と一個以上の偏心受動車輪(413)の伝動カップリングを通して、及び変速切替装置の操作を通して、1階調以上異なる速比である偏心伝動輪システム(1000)を構成し、 補助輪押さえ棒(301)は、一端が補助輪押さえ棒の旋回軸(303)を通して本体(800)と旋回結合し、別端に補助輪軸(311)を設置することにより、補助輪(312)を設置し、また補助輪押さえ棒(301)と本体(800)との間に補助輪の予圧バネ(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して外へ広がるまたは内へ押す予圧圧力を形成し、 補助輪(312)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、補助輪軸(311)を回転させ、また伝動ベルト(100)に駆動され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)が駆動するチェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンからなる伝動ベルト(100)に引き動かされ、かつ補助輪の予圧バネ(302)に対して補助輪押さえ棒(301)の予圧圧力を通して、補助輪軸(311)と補助輪(312)を強制的に動かし、更に伝動ベルト(100)を締め付け、 上述した2峰性の楕円従動車輪(112)、偏心受動車輪(413)および補助輪(312)を配置することによって構成される伝動輪システムを通して、直立してペダルをこぐとき、右足と左足は単振動に従い、180°異なる正弦波軌跡が現れ、右足は第一ペダル軸(103)に従って上下移動の軌跡でこぎ、左足は第二ペダル軸(203)に従って上下移動の軌跡でこぎ、また左右の足で交互にこぐとき、足踏み駆動式の偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪と受動車輪の変速比は、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度に従い、伝動ベルト(100)を経て、従動車輪軸(111)に設置される第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)の指向性(b)との間の機械角の位置は、設定される機械角度差の関係に従い、また各回転において、2峰性の楕円従動車輪(112)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に速比を2回大きくまたは小さくし、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)の機械角度差の関係は、こぐ方向に沿ってこぐとき、第一ペダル軸(103)または第二ペダル軸(203)が従動車輪軸(111)の機械角度指向性(b)に対して、上死点指向性(a)を通過後、継続してこぐ方向に沿って180°の範囲でこぐことを選択して設定するとき、2峰性の楕円従動車輪(112)は偏心受動車輪(413)に対して、最大増速比または最小減速比の伝動変速比を示し、その周期的な変速比の関係は、偏心伝動輪システム(1000)の輪形によって決まることを特徴とする請求項1に記載の周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システム。」 (1b)「【0012】 図2は、本発明の偏心伝動輪システム(1000)を両足でこぐときペダルのペダル軸と従動車輪軸とによって形成する機械的駆動角度と、受動車輪の変速比との関係図である。 図2に示すように、両足で自転車をこぐとき、右足と左足で別々にこぐペダル軸は、180°異なる正弦波軌跡が現れる。右足は第一ペダル軸(103)に従って上下移動の軌跡でこぎ、左足は第二ペダル軸(203)に従って上下移動の軌跡でこぐ。左右の足で交互にこぐとき、足踏み駆動式の偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪と受動車輪の変速比は、真円従動車輪(113)と従動車輪軸(111)との間の機械角の位置と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)との間の機械角の位置の機械角度差の関係に従う。また各回転において、真円従動車輪(113)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に変速比を2回大きくまたは小さくする。 ・・・ 【0050】 (第4実施形態) 図11には、偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪が2峰性の楕円従動車輪であり、受動車輪が偏心伝動輪である実施形態の構造模式図を示す。 図11に示す偏心伝動輪システム(1000)の主な構成は下記の通りである。 伝動ベルト(100)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)や補助輪(312)の輪形構造と相対的に滑動不能なベルト状構造であり、チェーン、タイミングベルト(歯状ベルト)または歯形チェーンによって構成される。2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動する。 【0051】 2峰性の楕円従動車輪(112)は、従動車輪軸(111)に結合し、従動車輪軸(111)の両側を別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合し、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設置するための第一ペダル(102)を設け、第二クランク(201)に第二ペダル(202)を設置するための第二ペダル軸(203)を設け、2峰性の楕円従動車輪(112)は滑動不能なスプロケットまたはタイミングベルト(歯状ベルト)によって構成される。その2峰性の楕円形の2峰と従動車輪軸(111)間の機械角度位置と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)間の機械角の位置との間の機械角度差は、特定関係である。 【0052】 偏心受動車輪(413)は、2峰性の楕円従動車輪(112)と同様にスプロケット、タイミングベルト(歯状ベルト)またはギアによって構成され、受動車輪軸(211)に設置され、そのピッチ円直径は2峰性の楕円従動車輪(112)の1/2であり、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)の伝動ベルト(100)に合わせて、2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を通して、駆動する伝動ベルト(100)の周期的に締め付け・緩み変化に対して締付予圧を与え、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度は、伝動ベルト(100)を経て、第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)によって構成され指向性(b)間の機械角度位置との間の機械角度差は、特定関係がある。 【0053】 伝動ベルト(100)と一個以上の2峰性の楕円従動車輪(112)と一個以上の偏心受動車輪(413)の伝動カップリングを通して、及び変速切替装置の操作を通して、1階調以上異なる速比である偏心伝動輪システム(1000)を構成する。 【0054】 補助輪押さえ棒(301)は、一端が補助輪押さえ棒の旋回軸(303)を通して本体(800)と旋回結合し、別端に補助輪軸(311)を設置することにより、補助輪(312)を設置し、また補助輪押さえ棒(301)と本体(800)との間に補助輪の予圧バネ(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して外へ広がるまたは内へ押す予圧圧力を形成する。 【0055】 補助輪(312)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)と同様にスプロケット、タイミングベルト(歯状ベルト)、またはギアによって構成され、補助輪軸(311)を回転させ、また伝動ベルト(100)に駆動される。2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)が駆動するチェーン、タイミングベルト(歯状ベルト)または歯形チェーンからなる伝動ベルト(100)に引き動かされ、かつ補助輪の予圧バネ(302)に対して補助輪押さえ棒(301)の予圧圧力を通して、補助輪軸(311)と補助輪(312)を強制的に動かせ、更に伝動ベルト(100)を締め付ける。 【0056】 上述した2峰性の楕円従動車輪(112)、偏心受動車輪(413)および補助輪(312)を配置することによって構成される伝動輪システムを通して、直立して自転車をこぐとき、右足と左足は単振動に従い、180°異なる正弦波軌跡が現れる。右足は第一ペ ダル軸(103)に従って上下移動の軌跡でこぎ、左足は第二ペダル軸(203)に従って上下移動の軌跡でこぐ。また左右の足で交互にこぐとき、足踏み駆動式の偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪と受動車輪の変速比は、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度に従う。伝動ベルト(100)を経て、従動車輪軸(111)に設置される第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)の指向性(b)との間の機械角の位置は、設定される機械角度差の関係に従う。また各回転において、2峰性の楕円従動車輪(112)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に変速比を2回大きくまたは小さくする。例えば上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)の機械角度差の関係は、こぐ方向に沿ってこぐとき、第一ペダル軸(103)または第二ペダル軸(203)が従動車輪軸(111)の機械角度指向性(b)に対して、上死点指向性(a)を通過後、継続してこぐ方向に沿って180°の範囲でこぐことを選択して設定するとき、2峰性の楕円従動車輪(112)は偏心受動車輪(413)に対して、最大増速比または最小減速比の伝動変速比を示す。その周期的な変速比の関係は、偏心伝動輪システム(1000)の輪形によって決まられ、図2にその周期変速比の関係の一つを示す。」 (1c)引用文献1には以下の図2,11が示されている。 イ 記載された発明 上記「ア」から、以下の事項が認定できる。 a 両足でこぐと回転運動する駆動輪システムであって、従動車輪及び受動車輪の一方または両方は偏心伝動輪によって構成され、同期伝動ベルトとの結合によって偏心伝動輪システムを構成することにより、運転者が両足でこぐとき、ペダルのペダル軸にクランクを介して結合する従動車輪の従動車輪軸に対して異なるこぐ角度で力が入ると、従動車輪が両足でこぐ角度に従って受動車輪の伝動変速比を変動させ、 周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システムを構成する従動車輪及び受動車輪は、真円偏心輪、非真円偏心輪、2峰性の楕円輪または真円輪によって構成され、同期ベルトドライブと伝動ベルト、またはスプロケットと伝動チェーン、またはギア群によって構成され、周期的可変速比機能を備え、 こぐときの最大出力角付近での伝動変速比を最大伝動変速比とし、最大伝動変速比では、従動車輪が受動車輪に対して伝動する全周期の中で、従動車輪と相対的に回転速度の角変位を受動車輪に対して、他の角度と相対的に回転速度が速い角変位を伝送する、 足踏み駆動式の偏心伝動輪システムであること(請求項1)。 b 従動車輪は2峰性の楕円従動車輪であり、受動車輪は偏心伝動輪であり、偏心伝動輪システム(1000)の主な構成は下記の通りであって、 伝動ベルト(100)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)や補助輪(312)の輪形構造と相対的に滑動不能なベルト状構造であり、チェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンによって構成され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動し、 2峰性の楕円従動車輪(112)は、従動車輪軸(111)に結合し、従動車輪軸(111)の両側は別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合し、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設置するための第一ペダル(102)を設け、第二クランク(201)に第二ペダル(202)を設置するための第二ペダル軸 (203)を設け、2峰性の楕円従動車輪(112)は滑動不能なスプロケットまたはタイミングベルトによって構成され、その2峰性の楕円形の2峰と従動車輪軸(111)間の機械角度位置と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)間の機械角の位置との間の機械角度差は、特定関係であって、 偏心受動車輪(413)は、2峰性の楕円従動車輪(112)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、受動車輪軸(211)に設置され、そのピッチ円直径は2峰性の楕円従動車輪(112)の1/2であり、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)の伝動ベルト(100)に合わせて、2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を通して、駆動する伝動ベルト(100)の周期的に締め付け及び緩み変化に対して締付予圧を与え、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度は、伝動ベルト(100)を経て、第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)によって構成され指向性(b)間の機械角度位置との間の機械角度差は、特定関係があって、 伝動ベルト(100)と一個以上の2峰性の楕円従動車輪(112)と一個以上の偏心受動車輪(413)の伝動カップリングを通して、及び変速切替装置の操作を通して、1階調以上異なる速比である偏心伝動輪システム(1000)を構成し、 補助輪押さえ棒(301)は、一端が補助輪押さえ棒の旋回軸(303)を通して本体(800)と旋回結合し、別端に補助輪軸(311)を設置することにより、補助輪(312)を設置し、また補助輪押さえ棒(301)と本体(800)との間に補助輪の予圧バネ(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して外へ広がるまたは内へ押す予圧圧力を形成し、 補助輪(312)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、補助輪軸(311)を回転させ、また伝動ベルト(100)に駆動され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)が駆動するチェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンからなる伝動ベルト(100)に引き動かされ、かつ補助輪の予圧バネ(302)に対して補助輪押さえ棒(301)の予圧圧力を通して、補助輪軸(311)と補助輪(312)を強制的に動かし、更に伝動ベルト(100)を締め付け、 上述した2峰性の楕円従動車輪(112)、偏心受動車輪(413)及び補助輪(312)を配置することによって構成される伝動輪システムを通して、直立してペダルをこぐとき、右足と左足は単振動に従い、180°異なる正弦波軌跡が現れ、右足は第一ペダル軸(103)に従って上下移動の軌跡でこぎ、左足は第二ペダル軸(203)に従って上下移動の軌跡でこぎ、また左右の足で交互にこぐとき、足踏み駆動式の偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪と受動車輪の変速比は、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度に従い、伝動ベルト(100)を経て、従動車輪軸(111)に設置される第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)の指向性(b)との間の機械角の位置は、設定される機械角度差の関係に従い、また各回転において、2峰性の楕円従動車輪(112)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に速比を2回大きくまたは小さくし、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)の機械角度差の関係は、こぐ方向に沿ってこぐとき、第一ペダル軸(103)または第二ペダル軸(203)が従動車輪軸(111)の機械角度指向性(b)に対して、上死点指向性(a)を通過後、継続してこぐ方向に沿って180°の範囲でこぐことを選択して設定するとき、2峰性の楕円従動車輪(112)は偏心受動車輪(413)に対して、最大増速比または最小減速比の伝動変速比を示し、その周期的な変速比の関係は、偏心伝動輪システム(1000)の輪形によって決まる、 周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システムであること(請求項4)。 c 上記「b」の「受動車輪は偏心伝動輪であり」という構成における「偏心伝動輪」と、同じく上記「b」の「偏心受動車輪」とが同じものであるのは明らかであって、「偏心受動車輪」に統一できること。 d 上記「a」の「従動車輪及び受動車輪の一方または両方は偏心伝動輪によって構成され」という構成は、上記「b」の「従動車輪は2峰性の楕円従動車輪であり、受動車輪は偏心伝動輪であり」という構成及び上記「c」を踏まえると、 「受動車輪は偏心受動車輪によって構成され」といえる。 e 上記「a」の「従動車輪及び受動車輪は、真円偏心輪、非真円偏心輪、2峰性の楕円輪または真円輪によって構成され」という構成と上記「b」の「従動車輪は2峰性の楕円従動車輪であり、受動車輪は偏心伝動輪であり」という構成とを、上記「c」を踏まえてまとめると、 「従動車輪及び受動車輪は、2峰性の楕円従動車輪及び偏心受動車輪によって構成され」といえる。 f 上記「a」の「従動車輪及び受動車輪の一方または両方は偏心伝動輪によって構成され、同期伝動ベルトとの結合によって偏心伝動輪システムを構成すること」という構成における「同期伝動ベルト」と、上記「b」の「偏心伝動輪システム(1000)の主な構成は下記の通りであって、伝動ベルト(100)は・・・2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動し」という構成における「伝動ベルト(100)」は、上記「e」をも踏まえると同じものであるのは明らかであって、後者の「伝動ベルト(100)」に統一できること。 g 上記「a」の「同期ベルトドライブと伝動ベルト、またはスプロケットと伝動チェーン、またはギア群によって構成され」という構成における「伝動ベルト」及び「伝動チェーン」は、並列的な関係にあることを踏まえると、上記「b」の「チェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンからなる伝動ベルト(100)」という構成における「タイミングベルト」及び「チェーン」と同じものであるのは明らかであって、後者の「タイミングベルト」及び「チェーン」に統一できること。 h 上記「a」,「b」の「偏心伝動輪システム」と上記「b」の「伝動輪システム」とが同じものであるのは明らかであって、前者の「偏心伝動輪システム」に統一できること。 したがって、これらを整理すると、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。 <引用発明> 「両足でこぐと回転運動する駆動輪システムであって、受動車輪は偏心受動車輪によって構成され、伝動ベルト(100)との結合によって偏心伝動輪システムを構成することにより、運転者が両足でこぐとき、ペダルのペダル軸にクランクを介して結合する従動車輪の従動車輪軸に対して異なるこぐ角度で力が入ると、従動車輪が両足でこぐ角度に従って受動車輪の伝動変速比を変動させ、 周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システムを構成する従動車輪及び受動車輪は、2峰性の楕円従動車輪及び偏心受動車輪によって構成され、同期ベルトドライブとタイミングベルト、またはスプロケットとチェーン、またはギア群によって構成され、周期的可変速比機能を備え、 こぐときの最大出力角付近での伝動変速比を最大伝動変速比とし、最大伝動変速比では、従動車輪が受動車輪に対して伝動する全周期の中で、従動車輪と相対的に回転速度の角変位を受動車輪に対して、他の角度と相対的に回転速度が速い角変位を伝送し、 偏心伝動輪システム(1000)の主な構成は下記の通りであって、 伝動ベルト(100)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)や補助輪(312)の輪形構造と相対的に滑動不能なベルト状構造であり、チェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンによって構成され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動し、 2峰性の楕円従動車輪(112)は、従動車輪軸(111)に結合し、従動車輪軸(111)の両側は別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合し、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設置するための第一ペダル(102)を設け、第二クランク(201)に第二ペダル(202)を設置するための第二ペダル軸(203)を設け、2峰性の楕円従動車輪(112)は滑動不能なスプロケットまたはタイミングベルトによって構成され、その2峰性の楕円形の2峰と従動車輪軸(111)間の機械角度位置と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)間の機械角の位置との間の機械角度差は、特定関係であって、 偏心受動車輪(413)は、2峰性の楕円従動車輪(112)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、受動車輪軸(211)に設置され、そのピッチ円直径は2峰性の楕円従動車輪(112)の1/2であり、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)の伝動ベルト(100)に合わせて、2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を通して、駆動する伝動ベルト(100)の周期的に締め付け及び緩み変化に対して締付予圧を与え、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度は、伝動ベルト(100)を経て、第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)と従動車輪軸(111)によって構成され指向性(b)間の機械角度位置との間の機械角度差は、特定関係があって、 伝動ベルト(100)と一個以上の2峰性の楕円従動車輪(112)と一個以上の偏心受動車輪(413)の伝動カップリングを通して、及び変速切替装置の操作を通して、1階調以上異なる速比である偏心伝動輪システム(1000)を構成し、 補助輪押さえ棒(301)は、一端が補助輪押さえ棒の旋回軸(303)を通して本体(800)と旋回結合し、別端に補助輪軸(311)を設置することにより、補助輪(312)を設置し、また補助輪押さえ棒(301)と本体(800)との間に補助輪の予圧バネ(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して外へ広がるまたは内へ押す予圧圧力を形成し、 補助輪(312)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、補助輪軸(311)を回転させ、また伝動ベルト(100)に駆動され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)が駆動するチェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンからなる伝動ベルト(100)に引き動かされ、かつ補助輪の予圧バネ(302)に対して補助輪押さえ棒(301)の予圧圧力を通して、補助輪軸(311)と補助輪(312)を強制的に動かし、更に伝動ベルト(100)を締め付け、 上述した2峰性の楕円従動車輪(112)、偏心受動車輪(413)及び補助輪(312)を配置することによって構成される偏心伝動輪システムを通して、直立してペダルをこぐとき、右足と左足は単振動に従い、180°異なる正弦波軌跡が現れ、右足は第一ペダル軸(103)に従って上下移動の軌跡でこぎ、左足は第二ペダル軸(203)に従って上下移動の軌跡でこぎ、また左右の足で交互にこぐとき、足踏み駆動式の偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪と受動車輪の変速比は、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度に従い、伝動ベルト(100)を経て、従動車輪軸(111)に設置される第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)の指向性(b)との間の機械角の位置は、設定される機械角度差の関係に従い、また各回転において、2峰性の楕円従動車輪(112)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に速比を2回大きくまたは小さくし、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)の機械角度差の関係は、こぐ方向に沿ってこぐとき、第一ペダル軸(103)または第二ペダル軸(203)が従動車輪軸(111)の機械角度指向性(b)に対して、上死点指向性(a)を通過後、継続してこぐ方向に沿って180°の範囲でこぐことを選択して設定するとき、2峰性の楕円従動車輪(112)は偏心受動車輪(413)に対して、最大増速比または最小減速比の伝動変速比を示し、その周期的な変速比の関係は、偏心伝動輪システム(1000)の輪形によって決まる、 周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システム。」 (3)対比 本件補正発明3と引用発明とを対比する。 ア 引用発明において、「従動車輪」は「2峰性の楕円従動車輪」「によって構成され」ること、また「2峰性の楕円従動車輪(112)は、従動車輪軸(111)に結合し、従動車輪軸(111)の両側は別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合し、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設置するための第一ペダル(102)を設け、第二クランク(201)に第二ペダル(202)を設置するための第二ペダル軸(203)を設け」という構成より「2峰性の楕円従動車輪」は駆動側の車輪であるのは明らかであることから、かかる「従動車輪」及び「2峰性の楕円従動車輪(112)」は、本件補正発明3の「楕円駆動輪(112)」に相当する。 イ 引用発明において、「受動車輪」は「偏心受動車輪によって構成され」ること、また「受動車輪」は「2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され」るのであって従動側の車輪であるのは明らかであることから、かかる「受動車輪」及び「偏心受動車輪(413)」は、本件補正発明3の「偏心従動輪(413)」に相当し、また「従動輪」にも相当する。 ウ 引用発明における「伝動ベルト(100)」、「補助輪(312)」、「偏心伝動輪システム」、「足踏み駆動式の偏心伝動輪システム」は、本件補正発明3の「伝動部材(100)」、「補助輪(312)」、「伝動輪システム」、「足踏み駆動式伝動輪システム」のそれぞれに相当する。 エ 引用発明における「偏心伝動輪システム」は、「2峰性の楕円従動車輪(112)、偏心受動車輪(413)及び補助輪(312)を配置することによって構成される」ものであり、また「伝動ベルト(100)との結合によって」「構成」されることから、2峰性の楕円従動車輪(112)、偏心受動車輪(413)、補助輪(312)及び伝動ベルト(100)によって構成されるものであるのは明らかである。 そうすると、かかる「偏心伝動輪システム」と、本件補正発明3の「楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)、2つの補助輪(312)、及び、伝動部材(100)によって」「構成」される「伝動輪システム」とは、上記「ア」~「ウ」をも踏まえると、「楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)、補助輪(312)、及び、伝動部材(100)によって」「構成」される「伝動輪システム」である限りにおいて共通する。 オ 引用発明における「両足でこぐと回転運動する駆動輪システムであって、従動車輪及び受動車輪は2峰性の楕円従動車輪(112)及び偏心受動車輪(413)によって構成され、伝動ベルト(100)との結合によって偏心伝動輪システムを構成することにより、運転者が両足でこぐとき、ペダルのペダル軸にクランクを介して結合する従動車輪の従動車輪軸に対して異なるこぐ角度で力が入ると、従動車輪が両足でこぐ角度に従って受動車輪の伝動変速比を変動させ」という構成と、本件補正発明3の「楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)、2つの補助輪(312)、及び、伝動部材(100)によって、伝動輪システムを構成し、運転者が足で交互にペダルを踏み、足がペダルのペダル軸のクランクを経由して楕円駆動輪(112)の駆動輪軸(111)に対して、異なる踏み角度で力を入れるとき、楕円駆動輪が従動輪の伝動の速度比を変化させ」という構成とは、上記「ア」~「エ」を踏まえると、「楕円駆動輪、偏心従動輪、補助輪、及び、伝動部材によって、伝動輪システムを構成し、運転者が足で交互にペダルを踏み、足がペダルのペダル軸のクランクを経由して楕円駆動輪の駆動輪軸に対して、異なる踏み角度で力を入れるとき、楕円駆動輪が従動輪の伝動の速度比を変化させ」という限りにおいて共通するものといえる。 カ 引用発明における「チェーン」、「スプロケット」は、本件補正発明3の「伝動用チェーン」、「チェーンホイール」のそれぞれに相当する。 キ 引用発明における「周期的可変速比をもつ足踏み駆動式の偏心伝動輪システムを構成する従動車輪及び受動車輪は、2峰性の楕円従動車輪及び偏心受動車輪によって構成され、同期ベルトドライブと伝動ベルト、またはスプロケットとチェーン、またはギア群によって構成され、周期的可変速比機能を備え」、「2峰性の楕円従動車輪(112)は滑動不能なスプロケットまたはタイミングベルトによって構成され、」、「偏心受動車輪(413)は、2峰性の楕円従動車輪(112)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され」、「補助輪(312)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され」及び「伝動ベルト(100)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)や補助輪(312)の輪形構造と相対的に滑動不能なベルト状構造であり、チェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンによって構成され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動し」という構成は全体的にみて、上記「ア」~「ウ」,「カ」をも踏まえると、本件補正発明3の「楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)が同期プーリ、伝動部材(100)が伝動ベルト、又は、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)がチェーンホイール、伝動部材(100)が伝動用チェーンで構成され、周期的に速度比が変化する機能を有し」という構成に相当する。 ク 本件補正発明3の「楕円駆動輪(112)が偏心従動輪(413)に対して伝動する全周期において、相対的に楕円駆動輪(112)の回転速度角変位が、偏心従動輪(413)に対して、回転速度が速い角変位を伝達し」という構成について、 本件補正発明3は「運転者が足で交互にペダルを踏み、足がペダルのペダル軸のクランクを経由して楕円駆動輪(112)の駆動輪軸(111)に対して、異なる踏み角度で力を入れるとき、楕円駆動輪が従動輪の伝動の速度比を変化させ」るものであること及び本願明細書の「踏むときの出力角付近を最大伝動の速度比が変わるとし、最大伝動の速度比が変わる定義は、駆動輪が従動輪に対して伝動する全周期において、相対的に駆動輪の回転速度角変位が従動輪に対して、相対的に他の回転速度が速い角変位を伝送する。」(段落【0010】)という記載を踏まえると、踏むときすなわちこぐときの出力角付近での最大伝動の速度比、つまり駆動輪が従動輪に対して伝動する全周期において、相対的に駆動輪の回転速度角変位が従動輪に対して、相対的に他の回転速度が速い角変位を伝送するものと理解される。 してみると、本件補正発明3のかかる構成は、上記「ア」~「イ」,「オ」をも踏まえると、引用発明の「こぐときの最大出力角付近での伝動変速比を最大伝動変速比とし、最大伝動変速比では、従動車輪が受動車輪に対して伝動する全周期の中で、従動車輪と相対的に回転速度の角変位を受動車輪に対して、他の角度と相対的に回転速度が速い角変位を伝送し」という構成に実質的に相当するものといえる。 ケ 引用発明における「伝動ベルト(100)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)や補助輪(312)の輪形構造と相対的に滑動不能なベルト状構造であり、・・・2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)との間で伝動し」という構成は、上記「ア」~「ウ」をも踏まえると、本件補正発明3の「伝動部材(100)は、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)の輪形構造に応じて選択される滑動不能なベルト状構造であり、楕円駆動輪(112)、偏心従動輪(413)および補助輪(312)の間で伝動し」という構成に相当する。 コ 引用発明における「2峰性の楕円従動車輪(112)は、従動車輪軸(111)に結合し、従動車輪軸(111)の両側は別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合し、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設置するための第一ペダル(102)を設け、第二クランク(201)に第二ペダル(202)を設置するための第二ペダル軸(203)を設け」という構成は、上記「ア」をも踏まえると、本件補正発明3の「楕円駆動輪(112)は、駆動輪軸(111)に結合されており、駆動輪軸(111)の両側が、別々に第一クランク(101)及び第二クランク(201)と結合しており、第一クランク(101)に第一ペダル軸(103)を設けることにより、第一ペダル(102)が設置され、第二クランク(201)に第二ペダル軸(203)を設けることにより、第二ペダル(202)が設置され」という構成に相当する。 サ 引用発明における「偏心受動車輪(413)は・・・受動車輪軸(211)に設置され・・・上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)の伝動ベルト(100)に合わせて、2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され」という構成は、上記「ア」~「ウ」をも踏まえると、本件補正発明3の「偏心従動輪(413)は、従動輪軸(211)に設置され、伝動部材(100)を介して、楕円駆動輪(112)に駆動され」という構成に相当する。 シ 引用発明における「伝動ベルト(100)と一個以上の2峰性の楕円従動車輪(112)と一個以上の偏心受動車輪(413)の伝動カップリングを通して、及び変速切替装置の操作を通して、1階調以上異なる速比である偏心伝動輪システム(1000)を構成し」という構成は、上記「ア」~「ウ」をも踏まえると、本件補正発明3の「伝動部材(100)と一個以上の楕円駆動輪(112)と一個以上の偏心従動輪(413)のドライブカップリング、及び変速切替装置の操作により、1種以上の異なる速度比を有する伝動輪システム(1000)を構成し」という構成に相当する。 ス 引用発明の「補助輪押さえ棒(301)」、「補助輪軸(311)」、「旋回軸(303)」、「本体(800)」、「補助輪の予圧バネ(302)」は、本件補正発明3の「連結アーム(301)」、「補助輪軸(311)」、「スイング軸(303)」、「本体(800)」、「補助輪予圧ばね(302)」のそれぞれに相当する。 してみると、引用発明における「補助輪押さえ棒(301)は、一端が補助輪押さえ棒の旋回軸(303)を通して本体(800)と旋回結合し、別端に補助輪軸(311)を設置することにより、補助輪(312)を設置し、また補助輪押さえ棒(301)と本体(800)との間に補助輪の予圧バネ(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して」「内へ押す予圧圧力を形成し」という構成は、上記「ウ」をも踏まえると、本件補正発明3の「補助輪(312)は、連結アーム(301)の一端に設置される補助輪軸(311)に結合され、連結アーム(301)は、一端がスイング軸(303)を経由して、本体(800)とスイングカップリングし、他端に補助輪軸(311)を設置することで、補助輪(312)が設置され、かつ連結アーム(301)と本体(800)の間に補助輪予圧ばね(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して内方向に締め付ける予圧圧力を与え」という構成に相当する。 セ 引用発明における「また左右の足で交互にこぐとき、足踏み駆動式の偏心伝動輪システム(1000)の従動車輪と受動車輪の変速比は、偏心受動車輪(413)の偏心突出頂部指向性(c)の機械角度に従い、伝動ベルト(100)を経て、従動車輪軸(111)に設置される第一ペダル軸(103)と第二ペダル軸(203)の指向性(b)との間の機械角の位置は、設定される機械角度差の関係に従い、また各回転において、2峰性の楕円従動車輪(112)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に速比を2回大きくまたは小さくし、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と第一ペダル軸(103)、及び第二ペダル軸(203)の機械角度差の関係は、こぐ方向に沿ってこぐとき、第一ペダル軸(103)または第二ペダル軸(203)が従動車輪軸(111)の機械角度指向性(b)に対して、上死点指向性(a)を通過後、継続してこぐ方向に沿って180°の範囲でこぐことを選択して設定するとき、2峰性の楕円従動車輪(112)は偏心受動車輪(413)に対して、最大増速比または最小減速比の伝動変速比を示し、その周期的な変速比の関係は、偏心伝動輪システム(1000)の輪形によって決まる」という構成は、かかる「偏心伝動輪システム(1000)の輪形」が偏心伝動輪システム(1000)を構成する2峰性の楕円従動車輪(112)及び偏心受動車輪(413)の輪形であるのは明らかであること、及び上記「ア」~「ウ」,「コ」をも踏まえると、本件補正発明3の「左右の足で第一ペダル(102)および第二ペダル(202)を連続して踏むとき、第一ペダル軸(101)が上死点となす機械角度差の関係に従い、楕円駆動輪(112)と従動輪(212、213、413)の速度比が周期的に変化し、その周期的に速度比が変化する関係は、楕円駆動輪および従動輪の輪形によって決められることを含み」という構成に相当する。 ソ 本件補正発明3の「偏心従動輪(413)は、そのピッチ直径が楕円駆動輪(112)の長径の二分の一であり」という構成は、 本願明細書の「偏心従動輪(413)は、楕円駆動輪(112)と同じチェーンホイール、タイミング歯形プーリ、又は歯車により構成され、従動輪軸(211)に設置され、そのピッチ直径は楕円駆動輪(112)の二分の一であり」(段落【0053】)という記載及び「各回転中に、楕円駆動輪(112)が偏心従動輪(413)に対して周期的に速度比が2回大きくまたは小さく変わる。」(段落【0057】)という記載を参酌するに、周期的に速度比が2回大きくまたは小さく変わる作用を奏するための構成と理解される。 一方、引用発明は「偏心受動車輪(413)は・・・そのピッチ円直径は2峰性の楕円従動車輪(112)の1/2であり」という構成により「各回転において、2峰性の楕円従動車輪(112)が偏心受動車輪(413)に対して周期的に速比を2回大きくまたは小さく」するものと理解される。 してみると、引用発明の「偏心受動車輪(413)は・・・そのピッチ円直径は2峰性の楕円従動車輪(112)の1/2であり、上述した2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)と補助輪(312)の伝動ベルト(100)に合わせて、2峰性の楕円従動車輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を通して、駆動する伝動ベルト(100)の周期的に締め付け及び緩み変化に対して締付予圧を与え」という構成は、上記「ア」~「ウ」をも踏まえると、本件補正発明3の「偏心従動輪(413)は、そのピッチ直径が楕円駆動輪(112)の長径の二分の一であり、伝動部材(100)を介して楕円駆動輪(112)に駆動され、及び補助輪(312)を介して駆動中の伝動部材(100)に対して緩みを制御する予圧を周期的に与え」という構成に実質的に相当するものといえる。 以上のことから、本件補正発明3と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「楕円駆動輪、偏心従動輪、補助輪、及び、伝動部材によって、伝動輪システムを構成し、運転者が足で交互にペダルを踏み、足がペダルのペダル軸のクランクを経由して楕円駆動輪の駆動輪軸に対して、異なる踏み角度で力を入れるとき、楕円駆動輪が従動輪の伝動の速度比を変化させ、 楕円駆動輪、偏心従動輪および補助輪が同期プーリ、伝動部材が伝動ベルト、又は、楕円駆動輪、偏心従動輪および補助輪がチェーンホイール、伝動部材が伝動用チェーンで構成され、周期的に速度比が変化する機能を有し、 楕円駆動輪が偏心従動輪に対して伝動する全周期において、相対的に楕円駆動輪の回転速度角変位が、偏心従動輪に対して、回転速度が速い角変位を伝達し、 伝動部材は、楕円駆動輪、偏心従動輪および補助輪の輪形構造に応じて選択される滑動不能なベルト状構造であり、楕円駆動輪、偏心従動輪および補助輪の間で伝動し、 楕円駆動輪は、駆動輪軸に結合されており、駆動輪軸の両側が、別々に第一クランク及び第二クランクと結合しており、第一クランクに第一ペダル軸を設けることにより、第一ペダルが設置され、第二クランクに第二ペダル軸を設けることにより、第二ペダルが設置され、 偏心従動輪は、従動輪軸に設置され、伝動部材を介して、楕円駆動輪に駆動され、 伝動部材と一個以上の楕円駆動輪と一個以上の偏心従動輪のドライブカップリング、及び変速切替装置の操作により、1種以上の異なる速度比を有する伝動輪システムを構成し、 補助輪は、連結アームの一端に設置される補助輪軸に結合され、 連結アームは、一端がスイング軸を経由して、本体とスイングカップリングし、他端に補助輪軸を設置することで、補助輪が設置され、かつ連結アームと本体の間に補助輪予圧ばねを設けることにより、補助輪に対して内方向に締め付ける予圧圧力を与え、 左右の足で第一ペダルおよび第二ペダルを連続して踏むとき、第一ペダル軸が上死点となす機械角度差の関係に従い、楕円駆動輪と従動輪の速度比が周期的に変化し、その周期的に速度比が変化する関係は、楕円駆動輪および従動輪の輪形によって決められることを含み、 偏心従動輪は、そのピッチ直径が楕円駆動輪の長径の二分の一であり、伝動部材を介して楕円駆動輪に駆動され、及び補助輪を介して駆動中の伝動部材に対して緩みを制御する予圧を周期的に与える、 足踏み駆動式伝動輪システム。」 <相違点> 「補助輪」について、本件補正発明3は「補助輪(312)」を「2つ」にし、「一方の補助輪(312)は、伝動部材(100)の楕円駆動輪(112)の噛み合う前段に噛み合い、補助輪予圧ばね(302)の連結アーム(301)に対する予圧圧力により、楕円駆動輪(112)の方向に噛み合って締め付け、他方の補助輪(312)は、伝動部材(100)の外側であって、駆動輪軸(111)よりも下側に設けられ、偏心従動輪(413)の方向に噛み合って締め付け」という構成及び「少なくとも1つの前記補助輪(312)は、楕円駆動輪(112)が伝動部材(100)を引っ張る側に配置される」という構成を有するのに対し、 引用発明は「補助輪(312)」を1つとし、「補助輪押さえ棒(301)と本体(800)との間に補助輪の予圧バネ(302)を設けることにより、補助輪(312)に対して外へ広がるまたは内へ押す予圧圧力を形成し、補助輪(312)は、2峰性の楕円従動車輪(112)や偏心受動車輪(413)と同様にスプロケット、タイミングベルトまたはギアによって構成され、補助輪軸(311)を回転させ、また伝動ベルト(100)に駆動され、2峰性の楕円従動車輪(112)と偏心受動車輪(413)が駆動するチェーン、タイミングベルトまたは歯形チェーンからなる伝動ベルト(100)に引き動かされ、かつ補助輪の予圧バネ(302)に対して補助輪押さえ棒(301)の予圧圧力を通して、補助輪軸(311)と補助輪(312)を強制的に動かし、更に伝動ベルト(100)を締め付け」という構成を有する点。 (4)判断 相違点について検討する。 ア 検討 駆動輪と、従動輪と、その駆動輪及び従動輪にかけ回される無端縁の伝動部材とによって構成される伝動輪システムの技術分野において、伝動部材の緩みを防止するために、伝動部材に対してその内側から外側に向けて又は外側から内側に向けて付勢することで予圧圧力を付加する補助輪を1つ又は2つ設けることや、該補助輪を2つ設ける場合に一方を従動輪から駆動輪に向かう側(一般に上側)の伝動部材に対して付勢するように設け、他方を駆動輪から従動輪に向かう側(一般に下側)の伝動部材に対して付勢するように設けることは、例えば、 原査定において引用文献2として示された、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された登録実用新案第3093809号公報(段落【0004】~【0006】、図1における伝動部材としての「チェーン7」を上方の外側から下方の内側に向けて付勢する一方の補助輪としての「プーリー5」及び下方の外側から上方の内側に向けて付勢する他方の補助輪としての「プーリー6」に関する構成参照)、 原査定において引用文献3として示された、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された実願昭61-49550号(実開昭62-163190号)のマイクロフィルム(明細書第2頁4~12行及び第5図における伝動部材としての「ベルト6」を下方の外側から上方の内側に向けて付勢する補助輪としての「アイドラ-14」に関する構成参照)、 原査定において引用文献4として示された、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された英国特許出願公告第776880号明細書(第2頁第38~59行、第3頁第77~98行及び図2~3,9~12図における伝動部材としての「chain 11」を上方の外側から下方の内側に向けて又は内側から上方の外側に向けて付勢する上側の補助輪としての「idler s」及び下方の外側から上方の内側に向けて又は内側から下方の外側に向けて付勢する下側の補助輪としての「idler s'」に関する構成参照)、さらに必要ならば、 本願明細書の段落【0003】に先行技術文献として示されている、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された登録実用新案第3052399号公報(段落【0006】、図1~3における伝動部材としての「チエン(5)」を下方の外側から上方の内側に向けて付勢する補助輪としての「テンショナー(7)」と駆動輪としての「楕円形チエンホィール(1)」に関する構成参照)、及び 本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された英国特許出願公開第2280153号明細書(明細書第2頁第3~27行及び図面における伝動部材としての「chain」を内側から上方の外側に向けて付勢する一方の補助輪としての「upper chain tensioning means 22」及び内側から下方の外側に向けて付勢する他方の補助輪としての「lower chain tensioning means 24」と楕円の駆動輪としての「elliptical pedal sprocket 20」に関する構成参照) に開示されているように周知技術といえる。 してみると、引用発明における、補助輪押さえ棒(301)(本件補正発明3の「連結アーム(301)」に相当する。以下括弧内に本件補正発明3の相当する構成を記す。)及び予圧バネ(302)(「補助輪予圧ばね(302)」)によりチェーン(「伝動用チェーン」)等の伝動ベルト(100)(「伝動部材(100)」)に対して外へ広がるまたは内へ押す予圧圧力を形成するスプロケット(「スプロケット」)等の補助輪(312)(「補助輪(312)」)について、伝動輪システムの技術分野の関連性及び補助輪による伝動部材への予圧圧力の付与機能の共通性から該周知技術を勘案し、該補助輪(312)を2つ設け、一方の補助輪(312)を偏心受動車輪(413)(「偏心従動輪(413)」)から2峰性の楕円従動車輪(112)(「楕円駆動輪(112)」)に向かう側であって上側の伝動ベルト(100)(「伝動部材(100)」)に対して上方の外側から内側に付勢して噛み合うように配置することにより伝動ベルト(100)(「伝動部材(100)」)の2峰性の楕円従動車輪(112)(「楕円駆動輪(112)」)の噛み合う前段であって2峰性の楕円従動車輪(112)(「楕円駆動輪(112)」)が伝動ベルト(100)(「伝動部材(100)」)を引っ張る側に配置することになって2峰性の楕円従動車輪(112)(「楕円駆動輪(112)」)の方向に噛み合って締め付け、 他方の補助輪(312)を2峰性の楕円従動車輪(112)(「楕円駆動輪(112)」)から偏心受動車輪(413)(「偏心従動輪(413)」)に向かう側であって下側の伝動ベルト(100)(「伝動部材(100)」)に対して下方の外側から内側に付勢して噛み合うように配置することにより従動車輪軸(111)(「駆動輪軸(111)」)よりも下側に配置することになって偏心受動車輪(413)(「偏心従動輪(413)」)の方向に噛み合って締め付けようにして、相違点に係る本件補正発明3の構成に想到することに格別な困難性は認められない。 そして本件補正発明3の作用効果は、引用発明の作用効果及び該周知技術の作用効果に基づいて当業者が予測し得なかったというような格別な作用効果と認められない。 イ 請求人の主張について 請求人は、審判請求書の「4.本願が特許されるべき理由」の項において、以下の主張をしている。 「引用発明1~4には、補助輪が伝動部材を内向きに締め付け、かつ、楕円駆動輪が伝動部材を引っ張る側に配置されている点(以下、「構成A」とする。)に関する記載も示唆も一切ない。 新たに引用された引用文献2~4は、いずれも駆動輪が真円であるため、伝動チェーンの締め付けは、一定となる。一方、本願の請求項1~3に係る発明(以下、「本願発明1~3」とする。)の駆動輪は楕円であり、伝動部材による締め付けは、周期的に変化するものである。したがって、速度比が周期的に変動する伝動輪システムにおいて、伝動部材を内向きに締め付けるための本願発明1~3の補助輪は、引用発明2~4とは目的が異なっている。したがって、引用発明1に、単に引用発明2~4を組み合わせたとしても、構成Aが示唆されることはない。 したがって、本願発明1~3は、いずれも、引用発明1~4に基づいて当業者が容易になし得たものではない。以上より、本願の請求項1~3に係る発明は、特許法第29条第2項に規定の発明に該当せず、特許を受けることができる。」 しかしながら、上記「ア」で述べたように、駆動輪と、従動輪と、その駆動輪及び従動輪にかけ回される無端縁の伝動部材とによって構成される伝動輪システムの技術分野において、伝動部材の緩みを防止するために、伝動部材に対してその内側から外側に向けて又は外側から内側に向けて付勢することで予圧圧力を付加する補助輪を1つ又は2つ設けることや、該補助輪を2つ設ける場合に一方を従動輪から駆動輪に向かう側(一般に上側)の伝動部材に対して付勢するように設け、他方を駆動輪から従動輪に向かう側(一般に下側)の伝動部材に対して付勢するように設けることは周知技術であることから、補助輪の設ける際に、1つにするか又は2つにするか、また伝動部材に対してその内側から外側に向けて付勢するか又は外側から内側に向けて付勢するか、さらに駆動輪に向かう側(一般に上側)の伝動部材に対して付勢するように設けるか、駆動輪から従動輪に向かう側(一般に下側)の伝動部材に対して付勢するように設けるか又は両側に設けるかという選択肢があり得ることは明らかであり、構成を具体化する際に該選択肢から適宜選択することは、当業者が通常有する創作能力の発揮に過ぎないといえる。 また上記「ア」において該周知技術の周知例として示した原査定の引用文献2~4の他の登録実用新案第3093809号公報(楕円の駆動輪としての「楕円形チエンホィール(1)」参照)及び英国特許出願公開第2280153号明細書(楕円の駆動輪としての「elliptical pedal sprocket 20」参照)における駆動輪が楕円であることからも明らかなように、上記周知技術は真円の駆動輪を備えるものに特化したものでなく、楕円の駆動輪を備えるものにも当然有効である。 したがって、上記「ア」で述べたように、引用発明において伝動輪システムの技術分野の関連性及び補助輪による伝動部材への予圧圧力の付与機能の共通性から該周知技術を勘案し、構成Aを含む、相違点に係る本件補正発明3の構成に想到することに格別な困難性は認められない。 よって、請求人の該主張には理由がない。 ウ 小括 したがって、本件補正発明3は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 2-3 本件補正についてのむすび 以上のとおり、本件補正は、上記「2-2」で述べたように、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定(独立特許要件)を満たさないものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件発明について 1 本件発明 平成30年8月13日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年11月8日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項3に係る発明(以下「本件発明3」という。)は、その請求項3に記載された事項により特定される、上記「第2[理由]1(2)」に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、請求項1~4に係る発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の引用文献1に記載された発明(引用発明)及び引用文献2~4に示される周知技術に基いて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2012-214220号公報 引用文献2:登録実用新案第3093809号公報 引用文献3:実願昭61-49550号(実開昭62-163190号)のマイクロフィルム 引用文献4:英国特許出願公告第776880号明細書 3 引用文献の記載事項等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、上記「第2[理由]2 2-2(2)」に記載したとおりである。 4 対比・判断 本件発明3は、上記第2[理由]2 2-2で検討した本件補正発明3から、「少なくとも1つの前記補助輪(312)は、楕円駆動輪(112)が伝動部材(100)を引っ張る側に配置される」という限定事項を省いたものである。 そうすると、本件発明3の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明3が、前記「第2[理由]2 2-2」に記載したとおり、引用発明及び上記周知技術(例えば引用文献2~4等)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明3も、引用発明及び上記周知技術(例えば引用文献2~4等)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件発明3は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-011072

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