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特許拒絶査定不服審判

2018-010775

遊技機

審判番号
2018-010775
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-015161外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年08月07日
審決日
2019年09月11日
公報発行日
2019年12月27日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014- 15161号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月 3日出願公開、特開2015-139628号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成26年1月30日の出願であって、平成29年9月22日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月1日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年4月23日付け(謄本送達日:同年5月8日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年8月7日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、平成31年2月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月25日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明について 1.本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成31年4月25日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものである(符号A~Lは、当審にて分説して付した。)。 本願発明 「【請求項1】 A 始動領域への遊技媒体の入賞にもとづいて始動条件が成立し、開始条件が成立したことにもとづいて可変表示を行うことが可能な遊技機であって、 B 前記始動領域への遊技媒体の入賞には、前記始動条件が成立する有効始動入賞と、前記始動条件が成立しない無効始動入賞とがあり、 C 前記始動領域への遊技媒体の入賞にもとづいて遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、 D 前記始動条件の成立に対応して、前記開始条件が成立していない可変表示に関する情報を所定の上限値まで保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、 E 所定の操作を検出可能な操作検出手段と、 F 前記有効始動入賞であるか前記無効始動入賞であるかに関わらず、入賞領域の入賞率に対応する特定値を算出する算出手段と、 G 前記算出手段が算出した前記特定値に関する特定報知を実行可能な特定報知実行手段と、を備え、 H 前記特定値の算出対象となる前記入賞領域には、前記始動領域と、遊技媒体の入賞によって遊技価値が付与されるが前記始動条件が成立しない普通入賞領域とが含まれ、 I 所定の操作が検出されたことにもとづいて、前記特定報知により前記特定値を特定可能となり、 J 前記算出手段は、前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて前記特定値を算出し、 K 前記算出手段による前記特定値の算出において、前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される L ことを特徴とする遊技機。」 2.当審における拒絶理由 当審において、平成31年2月26日付けで通知した拒絶の理由は、概略、次のとおりのものである。 (進歩性)本願発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2010-193921号公報 引用文献2.特開2008-245745号公報 引用文献3.特開2007-117500号公報 3.引用文献1に記載の事項 当審における拒絶の理由に引用された引用文献1には図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。 ア 記載事項 「【発明が解決しようとする課題】 【0008】 上述した先行技術によれば、遊技場運営主体によって障害釘の点検・調整作業が適切かつ円滑に行われることを促進することができる。ただし、点検・調整作業はあくまで人手で行われるため、全ての遊技機(台)で細かな調整具合の違いを完全に無くすことは困難である。また、たとえ台ごとに細かな調整具合の違いがあったとしても、それは遊技者間の不公平を大きく助長するものではないし、観察によってある程度の判断(見切り)が付けられる性質のものである。したがって遊技者にとっては、台ごとの微妙な調整具合の違いを読み取ることも1つの楽しみとなっている。 【0009】 しかしながら、実際に調整具合の細かな違いを読み取るには相応の経験が必要であり、不慣れな遊技者にはほとんど判断が付かないということもあり得る。また、この種の遊技機には技術介入の要素もあるため、単純に時間あたりの入賞回数が少ないからといって、それが直ちに調整具合の善し悪しを正しく表しているというわけではない。 【0010】 そこで本発明は、調整具合や技術介入度の違い等の要因によって生じる入賞データ上の違いを客観的に判別しやすくする技術を提供するものである。 ・・・ 【0058】 受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置されている。遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する(打ち込む)ことができる(球発射装置)。・・・ 【0062】 その他、遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収される。また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収される。回収された遊技球は、アウト通路アセンブリ(図1には示されていない)を通じてパチンコ機1の裏側から枠外へ排出され、さらに図示しない島設備の補給経路に合流する。なお、アウト通路アセンブリについてはさらに後述する。 ・・・ 【0065】 第1特別図柄作動記憶ランプ34aは、上記の上始動入賞口26に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。また第2特別図柄作動記憶ランプ35aは、上記の可変始動入賞装置28(下始動入賞口)に遊技球が流入すると、入賞が発生したことを記憶する意味で1個ずつ表示が増え、その入賞を契機として特別図柄の変動が開始されるごとに1個ずつ表示が減少する。いずれにしても、各特別図柄作動記憶ランプ34a,35aの表示数(最大4個)は、その時点で未だ第1特別図柄又は第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表している。 ・・・ 【0067】 〔遊技盤のその他の構成:図1を参照〕 また遊技盤8には、その中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置されている。・・・また演出ユニット40の内側には液晶表示器42(画像表示器)が設置されており、この液晶表示器42には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される。このように・・・ 【0071】 また受け皿ユニット6の中央には、上皿6bの手前位置に演出切替ボタン45が設置されている。遊技者は、この演出切替ボタン45を操作することで演出内容(例えば液晶表示部42に表示される背景画面)を切り替えたり、例えば図柄の変動中や大当りの確定表示中、あるいは大当り遊技中に何らかの演出(予告演出、確変昇格演出等)を発生させたりすることができる。 ・・・ 【0081】 〔アウト球カウントスイッチ〕 遊技盤8の裏側へ回収された遊技球(図5中参照符号B)は回収樋180aを介してアウト通路180b内に落下し、さらにアウト通路180b内を流下しながら整列され、最終的にアウト通路180bの終端から1個ずつパチンコ機1の外部(島設備)へ排出される。アウト通路アセンブリ180には、アウト通路180bの終端位置にアウト球カウントスイッチ182が設置されており、排出された遊技球はアウト球カウントスイッチ182により検出される。 ・・・ 【0083】 〔制御上の構成〕 次に、パチンコ機1の制御に関する構成について説明する。図6は、パチンコ機1に装備された各種の電子機器類を示すブロック図である。パチンコ機1は、制御動作の中枢となる主制御装置70を備えており、この主制御装置70は主に、パチンコ機1における遊技の進行を制御する機能を有している。なお主制御装置70は、上記の主制御基板ユニット170に内蔵されている。 【0084】 また主制御装置70には、中央演算処理装置である主制御CPU72を実装した回路基板(主制御基板)が装備されており、主制御CPU72は、図示しないCPUコアやレジスタとともにROM74、RAM(RWM)76等の半導体メモリを集積したLSIとして構成されている。 ・・・ 【0086】 上述した始動ゲート20には、遊技球の通過を検出するためのゲートスイッチ78が一体的に設けられている。また遊技盤8には、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28及び可変入賞装置30にそれぞれ対応して上始動入賞口スイッチ80、下始動入賞口スイッチ82及びカウントスイッチ84が装備されている。各始動入賞口スイッチ80,82は、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28(下始動入賞口28a)への遊技球の入賞を検出するためのものである。・・・ 【0090】 パチンコ機1の裏側には、払出制御装置92が装備されている。・・・払出制御装置92(払出制御CPU94)は、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる(特別入賞特典付与手段)。 ・・・ 【0097】 またパチンコ機1は制御上の構成として、演出制御装置124を備えている。この演出制御装置124は、上記の複合サブ制御基板ユニット171に内蔵されている。演出制御装置124は、パチンコ機1における遊技の進行に伴う演出の制御を行うものである。演出制御装置124にもまた、中央演算処理装置である演出制御CPU126を実装した回路基板(複合サブ制御基板)が装備されている。・・・ 【0101】 本実施形態ではガラス枠ユニット4の内面にガラス枠電飾基板136が設置されており、ランプ駆動回路132や音響駆動回路134からの駆動信号はガラス枠電飾基板136を経由して各種ランプ46~52やスピーカ54,55,56に印加されている。またガラス枠電飾基板136には、上記の演出切替ボタン45が接続されており、遊技者が演出切替ボタン45を操作すると、その接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される。・・・ 【0128】 ステップS121:次に主制御CPU72は、賞球払出処理を実行する。この処理では、別の割込処理(図9中のステップS203)において各種スイッチ80,82,84,86から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する。 ・・・ 【0141】 本実施形態では、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号(ON)が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定する。・・・ ・・・ 【0146】 ステップS10:主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS12を実行する。 【0147】 ステップS12:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。すなわち、RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション(例えば各2バイト)に分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつセット(組)で記憶可能である。このとき、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数のセットの記憶数が4個に達していなければ、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値は4未満であり(Yes)、この場合、主制御CPU72は次のステップS14に進む。 【0148】 ステップS14:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。第1特別図柄作動記憶数カウンタは、例えばRAM76の計数領域に記憶されており、主制御CPU72はその値をインクリメント(+1)する。ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS205)で第1特別図柄作動記憶ランプ34aの点灯状態が制御されることになる。 【0149】 ステップS16:そして主制御CPU72は、サンプリング回路77を通じて乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。・・・ 【0150】 ステップS17:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。・・・ 【0151】 ステップS18:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をともに第1特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これら乱数を領域内の空きセクションにセットで記憶させる。複数のセクションには順番(例えば第1~第4)が設定されており、現段階で第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶される。あるいは、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていく。 【0152】 ステップS20:次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS16,S17でそれぞれ取得した第1特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に演出内容の判定を行うためのものである。なお、具体的な処理の内容については別のフローチャートを参照しながらさらに後述する。 【0153】 ステップS22:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は、第1特別図柄に関して特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B8H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第1特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。なお、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS20)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。 【0154】 ステップS24:そして主制御CPU72は、第1特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。この処理は、先のステップS22で生成した特図先判定演出コマンドや、始動口入賞音制御コマンドを演出制御装置124に対して送信するためのものである。 【0155】 以上の手順を終えるか、もしくは上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力がなかった場合(ステップS10:No)、あるいは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS12:No)、主制御CPU72は次にステップS26を実行する。 【0156】 ステップS26:主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されたか否かを確認する。この入賞検出信号の入力が確認されなかった場合(No)、ここで主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。一方、入賞検出信号の入力が確認された場合(Yes)、主制御CPU72は次のステップS28を実行する。 【0157】 ステップS28:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。第2特別図柄作動記憶数カウンタについても上記と同様に、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の個数(組数)を表すものである。このとき第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4に達していれば(No)、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。一方、未だ第2特別図柄作動記憶数カウンタの値が4未満であれば(Yes)、主制御CPU72は次のステップS30に進む。 【0158】 ステップS30:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。先のステップS14と同様に、ここで加算されたカウンタの値に基づき、表示出力管理処理(図9中のステップS205)で第2特別図柄作動記憶ランプ35aの点灯状態が制御されることになる。 【0159】 ステップS32:そして主制御CPU72は、乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得する。乱数値を取得する手法は、先に説明したステップS16と同様である。 【0160】 ステップS34:次に主制御CPU72は、RAM76のカウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得する。乱数値を取得する方法は、先に説明したステップS17と同様である。 【0161】 ステップS36:主制御CPU72は、セーブした大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をともに第2特別図柄に対応する乱数記憶領域に転送し、これらを領域内の空きセクションにセットで記憶させる。記憶の手法は、先に説明したステップS18と同様である。 【0162】 ステップS38:次に主制御CPU72は、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行する。この処理は、先のステップS32,S34でそれぞれ取得した第2特別図柄の大当り決定乱数及び大当り図柄乱数に基づいて、事前(変動開始前)に演出内容の判定を行うためのものである。具体的な処理の内容は後述する。 【0163】 ステップS40:取得時演出判定処理から復帰すると、次に主制御CPU72は特図先判定演出コマンドの上位バイト分(例えば「B9H」)をセットする。この上位バイトデータは、コマンド種別が「第2特別図柄に関する特図先判定演出用」であることを記述したものである。ここでも同様に、特図先判定演出コマンドの下位バイト分は、先の取得時演出判定処理(ステップS38)においてセットされているので、ここでは下位バイトに上位バイトを合成することで例えば1ワード長のコマンドが生成されることになる。 【0164】 ステップS42:そして主制御CPU72は、第2特別図柄に関して演出コマンド出力処理を実行する。以上の手順を終えると、主制御CPU72は割込管理処理に復帰する。 ・・・ 【0187】 〔特別図柄変動前処理〕 図13は、特別図柄変動前処理の手順例を示すフローチャートである。以下、各手順に沿って説明する。 【0188】 ステップS2100:先ず主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が残存しているか(0より大であるか)否かを確認する。この確認は、RAM76に記憶されている作動記憶数カウンタの値を参照して行うことができる。第1特別図柄及び第2特別図柄の両方の作動記憶数が0であった場合(No)、主制御CPU72はステップS2500のデモ設定処理を実行する。 ・・・ 【0190】 これに対し、いずれかの作動記憶数カウンタの値が0より大きければ(Yes)、主制御CPU72は次にステップS2200を実行する。 【0191】 ステップS2200:主制御CPU72は割込を禁止した上で、特別図柄記憶シフト処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数(大当り決定乱数、大当り図柄乱数)のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出す。このとき2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、主制御CPU72は第1セクションから順に乱数を読み出し、残った乱数を1つずつ前のセクションに移動(シフト)させる。シフトされた乱数は、RAM76の乱数記憶領域から消去される。第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合のみ、主制御CPU72は第1特別図柄に対応する乱数を読み出して別の共通記憶領域に保存する。共通記憶領域に保存された各乱数は、次の大当り判定処理で内部抽選に使用される。・・・ ・・・ 【0193】 ステップS2300:主制御CPU72は、大当り判定処理(内部抽選)を実行する。この処理では、主制御CPU72は、先ず大当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。このとき設定される大当り値の範囲は、通常状態と高確率状態(確率変動状態)とで異なり、高確率状態では通常状態よりも大当り値の範囲が約10倍程度に拡大される。そして、このとき読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は大当りフラグ(01H)をセットし、次にステップS2400に進む。なお、ここでは大当り判定処理のより詳細な手順として、例えば先の取得時演出判定処理に挙げた手順(図11中のステップS52~ステップS64)を適用してもよい。 【0194】 上記の大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は同じ大当り判定処理において、次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する(抽選実行手段)。・・・いずれにしても、読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、次にステップS2400に進む。・・・ 【0196】 ステップS2400:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で大当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。大当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2402を実行する。 【0197】 ステップS2402:主制御CPU72は、先の大当り判定処理で小当りフラグに値(01H)がセットされたか否かを判断する。小当りフラグに値(01H)がセットされていなければ(No)、主制御CPU72は次にステップS2404を実行する。なお、主制御CPU72は大当りフラグと小当りフラグとを別々に用意せずに、共通当りフラグの値によって大当り(例えば01Hを設定)又は小当り(例えば0AHを設定)を判別してもよい。 【0198】 ステップS2404:主制御CPU72は、はずれ時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットする。・・・ 【0200】 ステップS2406:次に主制御CPU72は、はずれ時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は、第1特別図柄又は第2特別図柄について、はずれ時の変動パターン番号を決定する。・・・ 【0201】 以上のステップS2404,ステップS2406は、大当り判定結果がはずれ時(非当選以外の場合)の制御手順であるが、判定結果が大当り(ステップS2400:Yes)又は小当り(ステップS2402:Yes)の場合、主制御CPU72は以下の手順を実行する。先ず、大当りの場合について説明する。 【0202】 ステップS2410:主制御CPU72は、大当り時停止図柄決定処理を実行する(当選種類決定手段)。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、今回の内部抽選で当選が得られた第1特別図柄又は第2特別図柄について当選図柄の種類(大当り時停止図柄番号)を決定する。・・・ 【0204】 ステップS2412:次に主制御CPU72は、大当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。・・・ 【0207】 次に、小当り時の処理について説明する。 ステップS2407:主制御CPU72は、小当り時停止図柄決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は大当り図柄乱数に基づき、小当り時の当選図柄の種類(小当り時停止図柄番号)を決定する。・・・ 【0209】 ステップS2408:次に主制御CPU72は、小当り時変動パターン決定処理を実行する。この処理では、主制御CPU72はRAM76のカウンタ領域から上記の変動パターン決定乱数を取得すると、その値に基づいて第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターン(変動時間と停止表示時間)を決定する。・・・ 【0211】 ステップS2414:次に主制御CPU72は、特別図柄変動開始処理を実行する。この処理では、主制御CPU72は変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットする。また主制御CPU72は、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする。合わせて主制御CPU72は、RAM76のフラグ領域に特別図柄の変動開始フラグをセットする。そして主制御CPU72は、演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成する。この変動開始コマンドもまた、上記の演出制御出力処理において演出制御装置124に送信される。以上の手順を終えると、主制御CPU72は特別図柄変動中処理(図12中のステップS3000)を次のジャンプ先に設定し、特別図柄遊技処理に復帰する。 【0212】 特別図柄変動中処理では、上記のように主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過(クロックパルスのカウント数)に応じてタイマカウンタの値をデクリメントする。そして主制御CPU72は、タイマカウンタの値を参照しつつ、その値が0になるまで上記のように特別図柄の変動表示を制御する。そして、タイマカウンタの値が0になると、主制御CPU72は特別図柄停止表示中処理(図12中のステップS4000)を次のジャンプ先に設定する。 【0213】 また特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理(図13中のステップS2404,ステップS2407,ステップS2410)で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する。・・・ 【0335】 ステップS400:コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドを受信する。また、演出制御CPU126は受信したコマンドを解析し、それらを種類別にRAM130のコマンドバッファ領域に保存する。なお、主制御CPU72から送信される演出用のコマンドには、例えば特図先判定演出コマンド、・・・等がある。 ・・・ 【0353】 ステップS602:演出制御CPU126は、デモ選択処理を実行する。この処理では、演出制御CPU126はデモ演出パターンを選択する。・・・ 【0354】 以上の手順を終えると、演出制御CPU126は演出図柄管理処理の末尾のアドレスに復帰する。そして演出制御CPU126はそのまま演出制御処理に復帰し、続く表示出力処理(図24中のステップS404)、ランプ駆動処理(図24中のステップS406)においてデモ演出パターンに基づいてデモ演出の内容を制御する。 ・・・ 【0371】 ステップS702:演出制御CPU126は、ここで入賞の発生頻度に関するパラメータを記憶(蓄積)する。具体的には、演出制御CPU126は上記のアウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントし、そのカウンタ値を更新する。このカウント値は、遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数(アウト球数)を表している。また演出制御CPU126は、先のコマンド受信処理(ステップS400)で受信した特図先判定演出コマンド又は変動パターンコマンド(第1特別図柄に対応するコマンド)に基づき、上始動入賞口26への入賞が発生した回数(入賞球数)をカウントし、そのカウント値を更新する。なお、ここでは可変始動入賞装置28への入賞が発生した回数(第2特別図柄の変動に係る回数)を特にカウントしないが、上始動入賞口26と可変始動入賞装置28の両方への入賞回数をカウントしてもよい。 【0372】 ステップS704:次に演出制御CPU126は、入賞の発生頻度を算出するタイミング(計算時期)に達したか否かを確認する。このタイミングは、例えば前回の発生頻度を算出してから一定時間(例えば1時間)が経過した時点とすることができる。 【0380】 ステップS706:演出制御CPU126は、ここで入賞の発生頻度を算出する。発生頻度は、例えば前回の算出後から記憶(蓄積)しておいたアウト球数及び入賞球数に基づいて算出することができる。具体的には、以下の計算式(1)を用いるものとする。 発生頻度=入賞回数/アウト球数/100・・・(1) 【0381】 上式(1)は、例えば1分間に100個の遊技球が使用されることを想定して入賞の発生頻度を算出するものであり、一般的に「分間始動数」とも称されるデータである。なお、上式(1)中、入賞回数及びアウト球数はいずれも大当り遊技中の値を除くものとする。また演出制御CPU126は、ここで算出した結果を例えばRAM130に保存する。 ・・・ 【0434】 ステップS310:そして演出制御CPU126は、ここで現在の入賞発生頻度に応じたデモンストレーション演出のパターンを選択する。この選択は、図28の入賞発生頻度演出条件設定処理(ステップS810)で設定した演出選択テーブルを用いて行われる。これにより、例えば入賞発生頻度が比較的高い場合に以下のデモ演出パターンが選択される。 ・・・ 【0440】 (6)デモンストレーション演出の実行中に演出切替ボタン45を利用してコマンド入力を受け付け、それまでの入賞の発生頻度を開示する。例えば、演出切替ボタン45が押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらに演出切替ボタン45の押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とする。そして、遊技者が当該コマンドを選択して演出切替ボタン45を押下すると、それまでに算出した発生頻度(高・中・低)が表示されるものとする。」 イ 図面の記載及び上記明細書から摘記した事項から認定される事項 イ-1  図10及び【0147】、【0148】、【0155】 【0147】に、「ステップS12:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。」と記載され、【0148】に、「ステップS14:主制御CPU72は、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算する。」と記載され、【0155】に、「あるいは第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS12:No)、主制御CPU72は次にステップS26を実行する。」と記載され、 始動口入賞時処理の手順例を示すフローチャートである図10には、「第1特別図柄作動記憶数<4?」というステップS12において「No」となる場合、「第1特別図柄作動記憶数を加算」というステップS14を経ることなく、「第2特別図柄入賞検出信号入力?」というステップS26に移行することが図示されるから、 引用文献1には、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し第1特別図柄作動記憶数が4未満であるか否かを確認し(ステップS12)、第1特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS12:No)、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算(ステップS14)することがないことが示されているものと認められる。 イ-2  図10、【0157】、【0158】 【0157】に、「ステップS28:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4未満であるか否かを確認する。」と記載され、【0158】に、「ステップS30:主制御CPU72は、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(第2特別図柄作動記憶数カウンタの値をインクリメント)する。」と記載され、 始動口入賞時処理の手順例を示すフローチャートである図10には、「第2特別図柄作動記憶数<4?」というステップS28において「No」となる場合、「第2特別図柄作動記憶数を加算」というステップS30を経ることなく、「リターン」に抜けることが図示されるから、 引用文献1には、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し第2特別図柄作動記憶数が4未満であるか否かを確認し(ステップS28)、第2特別図柄作動記憶数が4に達していた場合(ステップS28:No)、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算(ステップS30)することがないことが示されているものと認められる。 【図10】 ウ 引用発明 上記アの記載事項及びイの認定事項を参照すると、引用文献1には、次の引用発明が記載されていると認められる(a~lは、本願発明のA~Lに対応させて付与した。)。 引用発明 「a 遊技の進行を制御する機能を有している主制御装置70には、RAM76等を集積した主制御CPU72を実装した主制御基板が装備され、遊技盤8に、それぞれ7セグメントLEDにより特別図柄の変動状態と停止状態とを表示することができる第1特別図柄表示装置34、第2特別図柄表示装置35が取り付けられ(【0064】、【0066】)、 遊技盤8に、上始動入賞口26、可変始動入賞装置28が設けられ、上始動入賞口26への遊技球の入賞を検出するための上始動入賞口スイッチ80が装備されるとともに、可変始動入賞装置28への遊技球の入賞を検出するための下始動入賞口スイッチ82が装備され、上始動入賞口スイッチ80又は下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力されると、主制御CPU72はそれぞれ第1特別図柄又は第2特別図柄に対応した内部抽選の契機となる事象が発生したと判定し(【0083】-【0086】、【0141】)、 主制御CPU72のRAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクションに分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつ組で記憶可能とされ、作動記憶数カウンタは、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組数を表すものであり(【0147】)、 主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認された場合、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満であれば、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算し、乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得するとともに、RAM76のカウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得し、大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をRAM76の乱数記憶領域内の空きセクションにセットで記憶させ、第1特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行し、第1特別図柄に関する特図先判定演出コマンドをセットして、当該特図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信する演出コマンド出力処理を実行し、コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドである前記第1特別図柄に関する特図先判定演出コマンドを受信し(【0146】-【0150】、【0152】-【0154】、【0335】)、 主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認された場合、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第2特別図柄作動記憶数が4未満であれば、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算し、乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得するとともに、RAM76のカウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得し、大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をRAM76の乱数記憶領域内の空きセクションにセットで記憶させ、第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行し、第2特別図柄に関する特図先判定演出コマンドをセットして、当該特図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信する演出コマンド出力処理を実行し、コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドである前記第2特別図柄に関する特図先判定演出コマンドを受信し(【0156】-【0164】、【0335】)、 RAM76の乱数記憶領域内の複数のセクションには第1~第4の順番が設定されており、第1~第4の全てのセクションが空きであれば、第1セクションから順に各乱数が記憶され、第1セクションが既に埋まっており、その他の第2~第4セクションが空きであれば、第2セクションから順に各乱数が記憶されていくものとされ(【0151】、【0161】)、 主制御CPU72は、作動記憶数カウンタの値を参照して第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が0より大であるか否かを確認し、いずれかの作動記憶数が0より大きければ、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数である大当り決定乱数及び大当り図柄乱数のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出すとともに、2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、第1セクションから順に乱数を読み出し、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合のみ第1特別図柄に対応する乱数を読み出して、当該読み出した乱数値が設定された大当り値の範囲内に含まれるか否かを判断する大当り判定処理を実行し(【0188】、【0190】、【0191】、【0193】)、 主制御CPU72は、当該読み出した乱数値が大当り値の範囲内に含まれていれば、大当りフラグをセットし、第1特別図柄又は第2特別図柄について当選図柄の種類を決定する大当り時停止図柄決定処理を実行するとともに、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを決定する大当り時変動パターン決定処理を実行し(【0193】、【0202】、【0204】)、 大当りフラグをセットしない場合、主制御CPU72は次に小当り値の範囲を設定し、この範囲内に読み出した乱数値が含まれるか否かを判断する同じ大当り判定処理を行い、当該読み出した乱数値が小当り値の範囲内に含まれていれば、主制御CPU72は小当りフラグをセットし、第1特別図柄又は第2特別図柄について当選図柄の種類を決定する小当り時停止図柄決定処理を実行するとともに、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動パターンを決定する小当り時変動パターン決定処理を実行し(【0194】、【0207】、【0209】)、 先の大当り判定処理で大当りフラグも小当りフラグもセットしない場合、主制御CPU72は、第1特別図柄表示装置34又は第2特別図柄表示装置35によるはずれ時の停止図柄番号データをセットするはずれ時停止図柄決定処理を実行するとともに、第1特別図柄又は第2特別図柄についてはずれ時の変動パターンを決定するはずれ時変動パターン決定処理を実行し(【0196】-【0198】、【0200】)、 次に、主制御CPU72は、変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする特別図柄変動開始処理を実行し、さらに、 演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成すると、特別図柄変動中処理を次のジャンプ先に設定し、 特別図柄変動中処理では、主制御CPU72は変動タイマの値をレジスタからタイマカウンタにロードし、その後、時間の経過に応じてタイマカウンタの値をデクリメントすることにより、タイマカウンタが0になるまで特別図柄の変動表示を制御し、タイマカウンタの値が0になると、特別図柄停止表示中処理を次のジャンプ先に設定し、 特別図柄停止表示中処理では、主制御CPU72は停止図柄決定処理で決定した停止図柄に基づいて特別図柄の停止表示を制御する(【0211】-【0213】)、 パチンコ機1であって(【0083】)、 b 主制御CPU72は、第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認された場合、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算することがなく (【0146】-【0150】、図10、イ-1)、 主制御CPU72は、第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認された場合、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算することがなく(【0156】-【0160】、図10、イ-2)、 c 上始動入賞口26への遊技球の入賞を検出するための上始動入賞口スイッチ80又は可変始動入賞装置28への遊技球の入賞を検出するための下始動入賞口スイッチ82から入力された入賞検出信号に基づき、払出制御装置92に対して賞球個数を指示する賞球指示コマンドを出力する主制御CPU72と、主制御CPU72からの賞球指示コマンドに基づいて払出装置ユニット172の動作を制御し、要求された個数の遊技球の払出動作を実行させる払出制御装置92と(【0086】、【0090】、【0128】)、 d 最大4個の表示数を有し、その時点で未だ第1特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表すとともに、第1特別図柄作動記憶数カウンタの値に基づき点灯状態が制御される第1特別図柄作動記憶ランプ34aと、最大4個の表示数を有し、その時点で未だ第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数を表すとともに、第2特別図柄作動記憶数カウンタの値に基づき点灯状態が制御される第2特別図柄作動記憶ランプ35aと(【0065】、【0148】、【0158】)、 e、g、i 遊技盤8の中央位置から右側部分にかけて演出ユニット40が設置され、演出ユニット40の内側には特別図柄に対応させた演出図柄をはじめ、各種の演出画像が表示される液晶表示器42が設置され、演出制御装置124の演出制御CPU126が、現在の入賞発生頻度に応じたデモンストレーション演出のパターンを選択するデモ選択処理を実行した後、表示出力処理においてデモ演出の内容を制御し(【0067】、【0097】、【0353】、【0354】、【0434】)、 ガラス枠電飾基板136に接続され、遊技者が操作するとその接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力されるとともに、受け皿ユニット6の中央かつ上皿6bの手前位置に設置され、デモンストレーション演出の実行中に、押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらにその押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とし、遊技者が当該コマンドを選択して押下すると、それまでに算出した入賞の発生頻度(高・中・低)が液晶表示器42において表示される演出切替ボタン45と(【0067】、【0071】、【0101】、【0440】)、 f’、h’、j’、k’ 受け皿ユニット6の右下部には、グリップユニット16が設置され、遊技者はこのグリップユニット16を操作することで発射制御基板セット174を作動させ、遊技領域8aに向けて遊技球を発射する球発射装置を有し(【0058】)、 遊技領域8a内にはアウト口32が形成されており、入賞しなかった遊技球は最終的にアウト口32を通じて遊技盤8の裏側へ回収され、また、上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球も含めて、遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収され、遊技盤8の裏側へ回収された遊技球は回収樋180aを介してアウト通路180b内に落下し、アウト通路180bの終端から1個ずつパチンコ機1の外部となる島設備へ排出され、アウト通路180bの終端位置にアウト球カウントスイッチ182が設置されており、排出された遊技球はアウト球カウントスイッチ182により検出され(【0062】、【0081】)、 演出制御CPU126は、入賞の発生頻度に関するパラメータとして、遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数であるアウト球数を表すカウント値である、前記アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶するとともに、 先の前記コマンド受信処理で受信した前記第1特別図柄に関する特図先判定演出コマンドに基づき、上始動入賞口26への入賞が発生した入賞回数をカウントし、そのカウント値を更新し、さらに上始動入賞口26に加えて、可変始動入賞装置28への入賞回数もカウントして記憶し(【0062】、【0081】、【0211】、【0335】、【0371】、【0372】)、 発生頻度=入賞回数/アウト球数/100 なる計算式を用いることにより、記憶されたアウト球数及び入賞球数に基づいて入賞の発生頻度を算出する演出制御CPU126と、を備えた(【0380】)、 l パチンコ機1(【0083】)。 4.引用文献2に記載の事項 当審における拒絶の理由に引用された引用文献2には図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。 ア 記載事項 「【発明が解決しようとする課題】 【0003】 しかしながら、特許文献1に開示されているものも含めて一般に、パチンコ遊技機は、遊技球が戻球防止弁を通過した後も遊技性を高めるために釘や役物を遊技盤の遊技領域内に適宜配置し遊技球の遊技領域内の移動に不確定性を加味するように工夫されている。そのために、戻球防止弁を通過した遊技球は、その速度等により、釘や役物により反射して再び戻球防止弁のところに戻ってくるものも多々あり、また、遊技者もかかる釘や役物等の障害を考慮して遊技球の遊技盤内への導入速度を調節した打ち方をするため、その弾球の強さにより球検知器を通過せずにカウントされない場合が生ずる等により、なかなか正確な検知ができず、ひいては正確な球数をカウントできないという問題があった。 【0004】 本発明は上記事実を考慮し、戻球防止弁を通過して遊技領域内に入った遊技球を従来よりも可能な限り正確に検知し、あるいは計数することができる遊技機を提供することを目的とする。 ・・・ 【0011】 (パチンコ機枠の構成) 図1に示されるように、パチンコ機10は、パチンコ機10の外郭を構成するとともにホールの島設備に設置される矩形状の外枠12を備えている。外枠12の前面には矩形額縁状の内枠14が配置されており、内枠14は、外枠12に設けられた一対のヒンジ部16、18に左側端部が軸支されて開閉可能に取り付けられている。また外枠12の前面下部には、化粧パネルとなる下飾り20が取り付けられている。 ・・・ 【0020】 (遊技盤の構成) 図2に示される遊技盤100は、・・・盤面の外周端部付近に、円弧状の外レール102及び内レール104が取り付けられている。これらの外レール102及び内レール104によって囲まれた円形状の領域は、遊技盤100の略中央部やや上方右寄りにセンター役物110を構成してなる遊技領域101となっている。この遊技領域101には、遊技球PBが発射装置40(図3参照)から発射されて発射通路103を矢印X1,X2方向に通過し、戻球防止弁105をY方向に押し開いて打ち込まれ、・・・ 【0039】 (遊技球検知器) 一方、戻球防止弁105が遊技球PBの発射エネルギーによりY方向に押し開かれて遊技球PBを遊技領域101に放出した際に、戻球防止弁105の先端部105aが最大開放されたときの位置の近傍であって、遊技領域101外縁側の位置に対応する遊技盤100の裏面側には遊技球PBの通過を検知するための検知器300a,300bが、遊技球PBの遊技領域101への導入方向X2に対して略直交する方向を長手方向として所定間隔を隔てて2列設けられている。この検知器300としては遊技機PBが鉄を主成分とする磁性体であることから磁気センサが使用される。・・・ 【0056】 戻球防止弁105を開放させて矢印X2方向に移動しながら遊技領域101内に入った遊技球PBは、検知器300a,300bによって順次検知される。検知器300は、検知器300a,300bで遊技球PBを検知すると、その検知情報を副制御部152に送信する。副制御部152は、検知器300での検知順が検知器300a,300bの順で検知されたかどうかを確認し、確認されると遊技球PBの検知として計数する(第1の計数手段)。副制御部152は、検知器300での検知順が検知器300b,300aの順である場合には、遊技球PBを計数しない。遊技球PBが釘128や役物110等により反射して再び戻球防止弁105のところまで戻って来たと解釈できるからである。 ・・・ 【0058】 また、始動入賞口130に遊技球PBが入賞すると始動口(A)センサ262はその入賞を検知し主制御部150に送信する。主制御部150は、始動口(A)センサ262からの情報に基づいて抽選を行ない、その抽選結果とともに副制御部152に情報を送信する。副制御部152は、主制御部150から送られた情報に基づいて、始動入賞口130に入賞した遊技球の数を計数する(第2の計数手段)。 【0059】 更に、副制御部152は、検知器300での遊技球PBの計数結果と、始動入賞口130での入賞個数とから始動入賞率を算出する(始動入賞率算出手段)。 【0060】 副制御部152は、検知器300での遊技球PBの計数結果と、始動入賞口130での入賞個数と、始動入賞口130での入賞個数と検知器300での遊技球PBの計数結果との比率として算出した始動入賞率とをLCD106の中に適宜あるいは常時表示する。 【0061】 ・・・また、上記実施形態においては、始動入賞の個数は始動入賞口130に入賞し且つ抽選に供した遊技球PBの数を計数しているが、必ずしもこの実施形態に限定する必要は無く、例えば、保留数(4個)を越えて始動入賞口130に入賞した遊技球PBの数も含めて計数してもよいし、始動口(B)に入賞した遊技球PBの数も含めたり、それらを個々に計数して表示させても良い。・・・」 イ 引用文献2に記載の技術 上記アの記載事項を参照すると、引用文献2には、発射装置40から発射された遊技球PBが発射通路103を通過し、遊技盤上に設けられた戻球防止弁105を押し開いて遊技領域101に放出されるに際し、遊技球PBの通過を検知するための検知器300として所定間隔を隔てて設けられた検知器300a、300bの検知順が、検知器300a、300bの順で検知されたかどうかを確認し、確認されると遊技球PBの検知として計数するが、検知器300b、300aの順で検知された場合は、遊技球PBが釘128や役物110等により反射して再び戻球防止弁105のところまで戻って来たと解釈できるから遊技球PBを計数しない第1の計数手段と、始動口(A)センサ262が検知した始動入賞口130への遊技球PBの入賞に基づいて始動入賞口130に入賞した遊技球の入賞個数を計数する第2の計数手段と、 第1の計数手段が計数した検知器300での遊技球PBの計数結果と、第2の計数手段が計数した始動入賞口130での入賞個数とから始動入賞率を算出する始動入賞率算出手段とを備え、算出した始動入賞率とを演出用のLCD106の中に適宜あるいは常時表示するパチンコ機10において、 始動入賞の個数は、始動入賞口130に入賞し且つ抽選に供した遊技球PBの数を計数するほか、4個の保留数を越えて始動入賞口130に入賞した遊技球PBの数を含めて計数する技術が記載されている(【0011】、【0020】、【0039】、【0056】、【0058】-【0061】)。 5.対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)発明特定事項A、Lについて 引用発明の 「上始動入賞口26」及び「可変始動入賞装置28」、 「遊技球」、 「上始動入賞口26への遊技球の入賞を検出するための上始動入賞口スイッチ80」又は「可変始動入賞装置28への遊技球の入賞を検出するための下始動入賞口スイッチ82」から「主制御CPU72」に「入賞検出信号が入力される」こと、 「パチンコ機1」はそれぞれ、 本願発明の 「始動領域」、 「遊技媒体」、 「入賞」、 「遊技機」に相当する。 また、引用発明は、「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認された場合、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満であれば、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算」し、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認された場合、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第2特別図柄作動記憶数が4未満であれば、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算」することから、 引用発明の 「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認」されるときが、「第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満」であること、又は、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認」されるときが、「第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第2特別図柄作動記憶数が4未満」であることは、 本願発明の 「始動条件が成立」することに相当する。 そして、引用発明は、「第1特別図柄」について「第1特別図柄作動記憶数を1つ加算し、乱数発生器75から第1特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得するとともに、RAM76のカウンタ領域から第1特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得し、大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をRAM76の乱数記憶領域内の空きセクションにセットで記憶」させる、あるいは、「第2特別図柄」について「第2特別図柄作動記憶数を1つ加算し、乱数発生器75から第2特別図柄に対応する大当り決定乱数値を取得するとともに、RAM76のカウンタ領域から第2特別図柄に対応する大当り図柄乱数値を取得し、大当り決定乱数及び大当り図柄乱数をRAM76の乱数記憶領域内の空きセクションにセットで記憶」させた後、 「主制御CPU72は、作動記憶数カウンタの値を参照して第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が0より大であるか否かを確認し、いずれかの作動記憶数が0より大きければ、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数である大当り決定乱数及び大当り図柄乱数のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出すとともに、2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、第1セクションから順に乱数を読み出し、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合のみ第1特別図柄に対応する乱数を読み出して、当該読み出した乱数値が設定された大当り値の範囲内に含まれるか否かを判断する大当り判定処理を実行し・・・ 次に、主制御CPU72は、変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする特別図柄変動開始処理を実行し、さらに、 演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成すると、特別図柄変動中処理を次のジャンプ先に設定」するという一連の制御プロセスを経ることにより、「第1特別図柄又は第2特別図柄」という2つの「特別図柄の「変動表示」及び「停止表示」が制御されるから、 引用発明の 前記「主制御CPU72は、作動記憶数カウンタの値を参照して第1特別図柄作動記憶数又は第2特別図柄作動記憶数が0より大であるか否かを確認し、いずれかの作動記憶数が0より大きければ、RAM76の乱数記憶領域に記憶されている抽選用乱数である大当り決定乱数及び大当り図柄乱数のうち、第2特別図柄に対応する方を優先的に読み出すとともに、2つ以上のセクションに乱数が記憶されていれば、第1セクションから順に乱数を読み出し、第2特別図柄に対応する乱数が記憶されていない場合のみ第1特別図柄に対応する乱数を読み出して、当該読み出した乱数値が設定された大当り値の範囲内に含まれるか否かを判断する大当り判定処理を実行し・・・次に、主制御CPU72は、変動パターン番号(はずれ時/当り時)に基づいて変動パターンデータを選択し、変動パターンに対応する変動時間の値を変動タイマにセットするとともに、変動パターンに対応する停止図柄表示時間の値を表示タイマにセットする特別図柄変動開始処理を実行し、さらに、 演出制御装置124に送信する変動開始コマンドを生成すると、特別図柄変動中処理を次のジャンプ先に設定」するという一連の制御プロセス、 「主制御CPU72」により「第1特別図柄又は第2特別図柄」という2つの「特別図柄」の「変動表示」及び「停止表示」を制御すること、はそれぞれ、 本願発明の 「開始条件が成立したこと」、 「可変表示を行うことが可能」であることに相当する。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項A、Lに相当する構成を備えるといえる。 (2)発明特定事項Bについて 引用発明は、「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認された場合、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満であれば、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算」し、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認された場合、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第2特別図柄作動記憶数が4未満であれば、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算」(構成a)することから、 引用発明の 「第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満」であるときに「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認」されること、又は、「第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第2特別図柄作動記憶数が4未満」であるときに「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認」されることは、 本願発明の 「始動条件が成立する有効始動入賞」に相当する。 また、引用発明は、「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認された場合、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算することがなく」、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認された場合、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算すること」がない(構成b)ことから、 引用発明の 「第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合」、「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認」されること、又は、「第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合」、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力が確認」されることは、 本願発明の 「始動条件が成立しない無効始動入賞」に相当する。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Bに相当する構成を備えるといえる。 (3)発明特定事項Cについて 前記(1)で検討したことから、引用発明において、「上始動入賞口スイッチ80又は可変始動入賞装置28への遊技球の入賞を検出するための下始動入賞口スイッチ82から入力された入賞検出信号」が「主制御CPU72」に入力されることは、本願発明の「始動領域への遊技媒体の入賞」に相当する。 また、引用発明の 「遊技球の払出動作を実行」すること、 「払出制御装置92」はそれぞれ、 本願発明の 「遊技価値を付与可能」であること、 「遊技価値付与手段」に相当する。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Cに相当する構成を備えるといえる。 (4)発明特定事項Dについて 上記(1)で検討したとおり、引用発明は、「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認」されるときが、「第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満」であるか、又は、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号の入力が確認」されるときが、「第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第2特別図柄作動記憶数が4未満」である(構成a)という本願発明の「始動条件が成立」することに相当する場合に、「主制御CPU72のRAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクションに分けられており、各セクションには大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつ組で記憶可能とされ」(構成a)るものであるから、 引用発明の 「大当り決定乱数及び大当り図柄乱数を1個ずつ」とした「組」、 「各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクション」に分けられた「主制御CPU72のRAM76の乱数記憶領域」はそれぞれ、 本願発明の 「可変表示に関する情報」、 「保留記憶として記憶可能な保留記憶手段」に相当する。 また、引用発明の「作動記憶数カウンタ」は、「図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別」に「RAM76の乱数記憶領域に記憶されている大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組数」(構成a)を表し、「第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタ」と「第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタ」(構成a)とからなり、「RAM76の乱数記憶領域は各図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)別で4つのセクションに分けられて」(構成a)いること、 「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認された場合、第1特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合、第1特別図柄作動記憶数を1つ加算することがなく」、また、「第2特別図柄に対応する下始動入賞口スイッチ82から入賞検出信号が入力が確認された場合、第2特別図柄に対応する大当り決定乱数及び大当り図柄乱数の組の記憶数を示す第2特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、作動記憶数が4に達していた場合、第2特別図柄作動記憶数を1つ加算することがな」(構成b)いこと、 及び、「第1特別図柄作動記憶数カウンタの値に基づき点灯状態が制御される第1特別図柄作動記憶ランプ34a」と「第2特別図柄作動記憶数カウンタの値に基づき点灯状態が制御される第2特別図柄作動記憶ランプ35a」はいずれも、「最大4個の表示数」を有し、かつ、「その時点で未だ第1特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数」又は「その時点で未だ第2特別図柄の変動が開始されていない入賞の回数」(構成d)を表すことから、 引用発明の 「その時点で未だ」「第1特別図柄」又は「第2特別図柄」の「変動が開始されていない」こと、 「第1特別図柄作動記憶数カウンタ」又は「第2特別図柄作動記憶数カウンタ」の値を参照して、「作動記憶数が4に達して」いることはそれぞれ、 本願発明の 「開始条件が成立していない」こと、 「所定の上限値」に相当する。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Dに相当する構成を備えるといえる。 (5)発明特定事項Eについて 引用発明の「演出切替ボタン45」は、「押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらにその押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とし、遊技者が当該コマンドを選択して押下する」ものであるから、 引用発明の 「演出切替ボタン45」が、「押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらにその押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とし、遊技者が当該コマンドを選択して押下する」こと、 「演出切替ボタン45」はそれぞれ、 本願発明の 「所定の操作」、 「操作検出手段」に相当する。 また、引用発明において、「演出切替ボタン45」は、「押下」されることにより、例えば、「表示画面上にメニューが表示」されたり、「遊技者が当該コマンドを選択」することができることに加え、「演出切替ボタン45」は「ガラス枠電飾基板136に接続され、遊技者が操作するとその接点信号がガラス枠電飾基板136を通じて演出制御装置124に入力される」ことから、「演出切替ボタン45」の「押下」という「操作」が、「検出可能」であるといえる。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Eに相当する構成を備えるといえる。 (6)発明特定事項Fについて 引用発明の「演出制御CPU126」が「入賞の発生頻度に関するパラメータ」として記憶する「入賞回数」のうち、「上始動入賞口26への入賞が発生した入賞回数」のカウントは、「先の前記コマンド受信処理で受信した前記第1特別図柄に関する特図先判定演出コマンド」に基づいて行っている。 ここで、引用発明において、「当該特図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信する演出コマンド出力処理を実行し、コマンド受信処理において、演出制御CPU126は主制御CPU72から送信される演出用のコマンドである前記第1特別図柄に関する特図先判定演出コマンドを受信」するのは、その前提として、「第1特別図柄作動記憶数カウンタの値を参照し、第1特別図柄作動記憶数が4未満」であるときに「第1特別図柄に対応する上始動入賞口スイッチ80からの入賞検出信号の入力が確認」(構成a)されること(本願発明の「始動条件が成立する有効始動入賞」(発明特定事項B)に相当。)が条件となっているので、引用発明において、「上始動入賞口26への入賞が発生した入賞回数」のカウントは、「有効始動入賞」を対象としているといえる。 そして、引用発明は、「上始動入賞口26」に加えて、「可変始動入賞装置28への入賞回数もカウントして記憶」しているところ、引用文献1には、その具体的なカウント手法についての記載はないが、「第1特別図柄」に関する処理と同様に、「第2特別図柄」について、「第2特別図柄に関して取得時演出判定処理を実行し、第2特別図柄に関する特図先判定演出コマンドをセットして、当該特図先判定演出コマンドを演出制御装置124に対して送信する演出コマンド出力処理を実行」(構成a)していること、及び、あえて、「第2特別図柄」に関する入賞回数のカウント処理を、「第1特別図柄」に関する入賞回数のカウント処理と異ならせる必要性がないことを参酌すると、「可変始動入賞装置28への入賞回数」のカウントも前記「上始動入賞口26への入賞が発生した入賞回数」のカウントと同様、「有効始動入賞」を対象としていると認められる。 また、引用発明の 「上始動入賞口26」と「可変始動入賞装置28」、 「発生頻度=入賞回数/アウト球数/100 なる計算式」を用いて算出された「入賞の発生頻度」、 「入賞の発生頻度を算出する演出制御CPU126」はそれぞれ、 本願発明の 「入賞領域」、 「入賞領域の入賞率に対応する特定値」、 「算出手段」に相当する。 よって、本願発明の発明特定事項Fと引用発明とは、「前記有効始動入賞となる入賞領域の入賞率に対応する特定値を算出する算出手段」を備えるという点で共通する。 (7)発明特定事項Gについて 引用発明の「入賞の発生頻度」(本願発明の「特定値」に相当。)は、「液晶表示器42において表示される」から、そこで表示される「入賞の発生頻度(高・中・低)」は、本願発明の「特定報知」に相当し、同様に、引用発明の「現在の入賞発生頻度に応じたデモンストレーション演出のパターンを選択するデモ選択処理を実行した後、表示出力処理においてデモ演出の内容を制御」する「演出制御CPU126」は、本願発明の「特定報知実行手段」としての機能を有する。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Gに相当する構成を備えるといえる。 (8)発明特定事項Hについて 引用発明の「上始動入賞口26」と「可変始動入賞装置28」は、本願発明の「始動領域」に相当するから、本願発明の発明特定事項Hと引用発明とは、「前記特定値の算出対象となる前記入賞領域には、前記始動領域が含まれ」るという点で共通する。 (9)発明特定事項Iについて 上記(5)で検討した、引用発明の 「演出切替ボタン45」が、「押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらにその押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とし、遊技者が当該コマンドを選択して押下する」こと、 「演出切替ボタン45」はそれぞれ、 本願発明の 「所定の操作」、 「操作検出手段」に相当し、さらに、「演出切替ボタン45」の「押下」という「操作」が、「検出可能」であるといえること、 上記(6)で検討した、引用発明の「入賞の発生頻度」は、「入賞領域の入賞率に対応する特定値」に相当すること、及び、 上記(7)で検討した、引用発明の「入賞の発生頻度(高・中・低)」は、本願発明の「特定報知」に相当することを踏まえると、 引用発明の「演出切替ボタン45」が、「押下されると表示画面上にメニューが表示され、そこからさらにその押下によって「入賞発生頻度の表示」といったコマンドを選択可能とし、遊技者が当該コマンドを選択して押下」(本願発明の「所定の操作」に相当。)することが検出されたことにもとづいて、「液晶表示器42」において表示される「入賞の発生頻度(高・中・低)」(本願発明の「特定報知」に相当。)により、「入賞の発生頻度」(本願発明の「特定値」に相当。)が「高」であるのか「中」であるのか、あるいは「低」であるのかが「特定可能」となっているということができる。 よって、引用発明は、本願発明の発明特定事項Iに相当する構成を備えるといえる。 (10)発明特定事項Jについて 引用発明の 「入賞の発生頻度を算出する演出制御CPU126」(本願発明の「算出手段」に相当。)は、「発生頻度=入賞回数/アウト球数/100 なる計算式」を用いて「入賞の発生頻度」(本願発明の「特定値」に相当。)を算出するに際し、「入賞しなかった遊技球」及び「上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球」も含めて、「遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収され」た遊技球を、最終的に「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数であるアウト球数を表すカウント値である、前記アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」したものを、「入賞の発生頻度に関するパラメータ」としていることから、 上記(1)で検討したとおり、 引用発明の 「遊技球」は、 本願発明の 「遊技媒体」に相当し、 上記(6)で検討したとおり、 引用発明の 「上始動入賞口26」と「可変始動入賞装置28」、 「発生頻度=入賞回数/アウト球数/100 なる計算式」を用いて算出された「入賞の発生頻度」、 「入賞の発生頻度を算出する演出制御CPU126」はそれぞれ、 本願発明の 「入賞領域」、 「入賞領域の入賞率に対応する特定値」、 「算出手段」に相当することに加え、さらに、 引用発明の 「遊技領域8」、 「に打ち込まれて」いること、 「球発射装置」はそれぞれ、 本願発明の 「特定領域」、 「に向けて」いること、 「発射手段」に相当する。 引用発明は、「「発生頻度=入賞回数/アウト球数/100 なる計算式」を用いて算出された「入賞の発生頻度」」(本願発明の「特定値」に相当。)を算出するに際し、上記の計算式のとおり、「アウト球数」をパラメータとして用いている。ここで、引用発明の「アウト球数」は、「遊技領域8aに向けて遊技球を発射する球発射装置」により、「入賞しなかった遊技球」及び「上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球」も含めた「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」を表す数値を意図しており、当該「アウト球数」として、具体的には、「遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収され、・・・排出された遊技球はアウト球カウントスイッチ182により検出」することにより、「アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」した数値を採用している。 したがって、引用発明において、「球発射装置」により「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」と前記「アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」した数値とは、完全に一致するかどうかはさておき、球発射装置により発射されて、遊技領域8aに流入した遊技球が、「遊技領域8a内に打ち込まれ」た「遊技球」であり、その後、当該「遊技球」は「遊技に使用され」、おおむね遊技領域8aから流出し、アウト球となって回収された後に、パチンコ機からの出口となる箇所で「アウト球カウントスイッチ182」により検出されることとなることは明らかであるから、「遊技領域8a内に打ち込まれ」た「遊技球」の数と、「アウト球カウントスイッチ182」により検出される「アウト球数」の両者は、少なくとも相関性を有する値であることは間違いなく、本願発明の発明特定事項Jと引用発明とは、「前記算出手段は、前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数と相関性を有する値にもとづいて前記特定値を算出」しているという点で共通する。 (11)発明特定事項Kについて 上記(10)で行った対比に加え、引用発明の「アウト球数」は、「遊技領域8aに向けて遊技球を発射する球発射装置」により、「入賞しなかった遊技球」及び「上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球」も含めた「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」を表す数値を意図して、「アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」した数値を採用しているから、もともと、「遊技領域8a内に打ち込まれて」いない遊技球である、いわゆるファール球の個数は、「入賞の発生頻度」を算出するに際し、除外されているものである。すなわち、引用発明は、「入賞の発生頻度」(本願発明の「特定値」に相当。)の算出において、「球発射装置」(本願発明の「発射手段」に相当。)によって発射されたが「遊技領域8a」(本願発明の「特定領域」に相当。)に到達しなかった「遊技球」(本願発明の「遊技媒体」に相当。)の数が除外されている。 そのため、引用発明は、本願発明の発明特定事項Iに相当する構成を備えるといえ、一致点と判断することができる。しかし、発明特定事項Kにおける「前記発射手段によって発射されたが」という事項において、「発射手段」に「前記」を付して記載することにより、「発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて前記特定値を算出」(発明特定事項J)と関連を持たせた発明の特定であるようにも解釈でき、上記(10)において、発明特定事項Jについて当該「発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて前記特定値を算出」することを引用発明との相違点として扱うので、本願発明と引用発明とは、「前記算出手段による前記特定値の算出において、前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される」という点で共通するものとし、発明特定事項Kにおける「前記発射手段によって発射されたが」という事項は、一応相違点として検討を行うこととする。 6.一致点及び相違点 上記5.(1)~(11)によれば、本願発明と引用発明とは、 「【請求項1】 A 始動領域への遊技媒体の入賞にもとづいて始動条件が成立し、開始条件が成立したことにもとづいて可変表示を行うことが可能な遊技機であって、 B 前記始動領域への遊技媒体の入賞には、前記始動条件が成立する有効始動入賞と、前記始動条件が成立しない無効始動入賞とがあり、 C 前記始動領域への遊技媒体の入賞にもとづいて遊技価値を付与可能な遊技価値付与手段と、 D 前記始動条件の成立に対応して、前記開始条件が成立していない可変表示に関する情報を所定の上限値まで保留記憶として記憶可能な保留記憶手段と、 E 所定の操作を検出可能な操作検出手段と、 F’ 前記有効始動入賞となる入賞領域の入賞率に対応する特定値を算出する算出手段と、 G 前記算出手段が算出した前記特定値に関する特定報知を実行可能な特定報知実行手段と、を備え、 H’ 前記特定値の算出対象となる前記入賞領域には、前記始動領域が含まれ、 I 所定の操作が検出されたことにもとづいて、前記特定報知により前記特定値を特定可能となり、 J’ 前記算出手段は、前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数と相関性を有する値にもとづいて前記特定値を算出し、 K’ 前記算出手段による前記特定値の算出において、前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される L 遊技機。」 の点で一致し、次の点で相違する。 [相違点] (1)相違点1(発明特定事項Fに関する) 本願発明は、「特定値」を、「前記有効始動入賞であるか前記無効始動入賞であるかに関わらず」「算出」に用いている、すなわち、「有効始動入賞」及び「前記無効始動入賞」の両方を用いて「算出」するのに対し、引用発明は、「入賞の発生頻度」を、「有効始動入賞」に相当する入賞を用いて算出するものの、「無効始動入賞」に相当する入賞を算出に用いていない点。 (2)相違点2(発明特定事項Hに関する) 本願発明は、「特定値の算出対象となる前記入賞領域」に、「始動領域」のほか、「遊技媒体の入賞によって遊技価値が付与されるが前記始動条件が成立しない普通入賞領域とが含まれ」ているのに対し、引用発明は、「入賞頻度」の算出対象となる入賞領域に、本願発明の「始動領域」に相当する「上始動入賞口26」と「可変始動入賞装置28」を含めるものの、「遊技媒体の入賞によって遊技価値が付与されるが前記始動条件が成立しない普通入賞領域」を含めるものではない点。 (3)相違点3(発明特定事項Jに関する) 本願発明は、「特定値」の「算出」を、「入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて」行うものであるのに対し、引用発明は、「入賞頻度」の算出を、「球発射装置」により「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」を表す数値により行うことを意図しているが、具体的な数値として、「アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」した数値である「アウト球数」にもとづいて行うものである点。 (4)相違点4(発明特定事項Kに関する) 本願発明は、「特定値」の「算出」において、「前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される」ものであるのに対し、引用発明は、「入賞の発生頻度」の算出において、「アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」した数値を用いているから、もともと、「遊技領域8a内に打ち込まれて」いない遊技球である、いわゆるファール球の個数は、「入賞の発生頻度」を算出するに際し、除外されているものであるが、上記5.(10)のとおり、本願発明の発明特定事項Kにおける「前記発射手段によって発射されたが」という事項において、「発射手段」に「前記」を付して記載することにより、「発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて前記特定値を算出」(発明特定事項J)することと関連を持たせた発明の特定であるようにも解釈できるので、引用発明は、そのような構成でない点を相違点とする。 7.判断 (1)相違点1(発明特定事項Fに関する)について 「4.イ 引用文献2に記載の技術」より、引用文献2には、「始動入賞率」を、「始動入賞口130に入賞し且つ抽選に供した遊技球PB」と「4個の保留数を越えて始動入賞口130に入賞した遊技球PB」の両方の数を計数して算出に用いる技術(以下、「引用文献2に記載の技術1」という。)が記載されるといえ、 引用文献2に記載の技術1の 「始動入賞率」、 「始動入賞口130に入賞し且つ抽選に供した遊技球PB」、 「4個の保留数を越えて始動入賞口130に入賞した遊技球PB」はそれぞれ、 本願発明の 「特定値」、 「有効始動入賞」、 「無効始動入賞」に相当するから、 引用文献2に記載の技術1は、特定値を、有効始動入賞であるか無効始動入賞であるかに関わらず算出に用いる技術であると言い換えることができる。 そして、引用発明と引用文献2に記載の技術1はともに、パチンコ機という同じ技術分野に属する。また、引用発明は、入賞頻度を客観的に判断するという課題を解決するものであり、引用文献2に記載の技術1も「始動入賞率」を表示するものであるから、入賞率を客観的に判断できるものであり、引用発明と同様の課題を解決するものであるから、両者の課題は共通し、さらに、始動口に入賞する個数を計数し、その計数値とアウト球数又は発射球数との比率である入賞率を算出するという点で機能も共通するので、「有効始動入賞」を用いて「入賞の発生頻度」の算出を行う引用発明に対し、引用文献2に記載の技術1を適用することによって、「無効始動入賞」を算出に含めること、すなわち、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (2)相違点2(発明特定事項Hに関する)について 当審における拒絶の理由に引用された引用文献3には図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審にて付した。)。 ア 記載事項 「【0008】 しかしながら、遊技者は一般入賞口,始動入賞口等へ入賞した遊技球数、アウト口へ回収された遊技球数を提示されたとしても有効活用できるとは限らない。また、従来の弾球遊技機では一般入賞口,始動入賞口等へ入賞した遊技球数、アウト口へ回収された遊技球数を単純にデータ表示していた為、遊技の興趣を向上させることが期待できなかった。 【0009】 本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、遊技の興趣を向上させつつ遊技者による遊技機の選択を助けることができる遊技機を提供することを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 上記課題を解決する為、本発明は、図柄表示装置を備えた遊技機であって、遊技球の始動入賞口への落入を契機として特別遊技に移行するか否かを決定する抽選を実行し、その抽選結果に基づいて特別図柄の停止図柄および表示パターンを決定するメイン制御部と、前記抽選結果および前記特別図柄の表示パターンに応じて装飾図柄の停止図柄および表示パターンを決定して前記図柄表示装置に図柄変動を表示させるサブ制御部と、前記遊技球の動きを検知する検知部とを有し、前記サブ制御部は、前記検知部による検知の結果に基づき、所定位置を通過又は所定位置へ落入した遊技球数をカウントし、アウト口から回収された遊技球数に対する前記カウントした遊技球数の割合を予め設定されている基準値とを比較して、その比較結果により前記装飾図柄の表示パターンを変更することを特徴とする。 ・・・ 【0033】 一般入賞口111および大入賞口113は、遊技球が入賞したときに、所定数の賞球を払い出すためのものである。また、アウト口114は例えば遊技領域115の最下部に設けられており、一般入賞口111,始動入賞口112,大入賞口113の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する。なお、回収された遊技球はパチンコ機100の外部に放出される。 ・・・ 【0040】 遊技球が始動入賞口112に入賞すると、所定数(例えば、4個)の賞球が球皿128aに払い出されると共に、特別図柄表示装置106及び装飾図柄表示装置107が特別図柄および装飾図柄の変動表示を開始する。その後、特別図柄表示装置106に所定の停止図柄が表示されると共に、装飾図柄表示装置107に所定の停止図柄の組合せ(例えば同じ停止図柄)が表示されると、通常遊技から特別遊技に遊技が移行する。 ・・・ 【0099】 遊技球数カウント部406は、遊技球の動きを検知する検知部から検知の結果を受信して所定位置を通過又は所定位置へ落入した遊技球数(以下、入賞遊技球数という)をカウントする。なお、遊技球の動きを検知する検知部は遊技者にとって有利に動いた遊技球数を入賞遊技球数としてカウントできればよく、例えば始動入賞口112への遊技球の入賞を検出する始動入賞口スイッチ210,普通図柄作動ゲート103への遊技球の通過を検出する普通図柄作動ゲートスイッチ211,一般入賞口111への遊技球の入賞を検出する一般入賞口スイッチ212などを利用することができる。 ・・・」 イ 引用文献3に記載の技術 上記アの記載事項を参照すると、引用文献3には、入賞遊技球数とアウト口から回収された遊技球数とをカウントし、アウト口から回収された遊技球数に対する入賞遊技球数の割合を予め設定されている基準値とを比較して、その比較結果により装飾図柄の表示パターンを変更するパチンコ機100において、遊技者にとって有利に動いた遊技球数を入賞遊技球数としてカウントするものとし、例えば始動入賞口112への遊技球の入賞を検出する始動入賞口スイッチ210、一般入賞口111への遊技球の入賞を検出する一般入賞口スイッチ212などを利用するとともに、遊技球が始動入賞口112に入賞すると、4個の賞球が球皿128aに払い出されると共に特別図柄および装飾図柄の変動表示を開始し、遊技球が一般入賞口111に入賞すると所定数の賞球を払い出す技術(以下、「引用文献3に記載の技術」という。)が記載されている(【0010】、【0033】、【0040】、【0099】を参照。)。 引用文献3に記載の技術の「始動入賞口112」は、「遊技球が始動入賞口112に入賞すると、4個の賞球が球皿128aに払い出されると共に特別図柄および装飾図柄の変動表示を開始」するものである一方、「一般入賞口111」は、「遊技球が一般入賞口111に入賞すると所定数の賞球を払い出す」ものであるから、 引用文献3に記載の技術の 「アウト口から回収された遊技球数に対する入賞遊技球数の割合」、 「始動入賞口112」、 「一般入賞口111」はそれぞれ、 本願発明の 「特定値」、 「始動領域」、 「遊技媒体の入賞によって遊技価値が付与されるが前記始動条件が成立しない普通入賞領域」に相当する。 そして、引用発明と引用文献3に記載の技術はともに、パチンコ機という同じ技術分野に属し、始動口等の入賞口に入賞する個数を計数し、その計数値とアウト球数との比率を用いて演出を行うという課題も共通するので、「入賞の発生頻度」の算出対象となる入賞領域について、「上始動入賞口26」と「可変始動入賞装置28」(本願発明の「始動領域」に相当。)が含まれる引用発明に対し、引用文献3に記載の技術を適用することによって、「特定値の算出対象となる前記入賞領域」に、「始動領域」のほか、「遊技媒体の入賞によって遊技価値が付与されるが前記始動条件が成立しない普通入賞領域」を加えたものとする上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (3)相違点3(発明特定事項Jに関する)及び相違点4(発明特定事項Kに関する)について 相違点3と相違点4とは、「算出手段」が「特定値の算出」を行うに際し、どのような種類の「遊技媒体の数」を考慮するかを特定する点で共通するので、まとめて検討を行う。 ア  判断1 「4.イ 引用文献2に記載の技術」より、引用文献2には、パチンコ機10において、始動入賞率の算出を、発射装置40から発射された遊技球PBが発射通路103を通過し、遊技盤上に設けられた戻球防止弁105を押し開いて遊技領域101に放出されるに際し、遊技球PBの通過を検知するための検知器300として所定間隔を隔てて設けられた検知器300a、300bの検知順が、検知器300a、300bの順で検知されたかどうかを確認し、確認されると遊技球PBの検知として計数するが、検知器300b、300aの順で検知された場合は、遊技球PBが釘128や役物110等により反射して再び戻球防止弁105のところまで戻って来たと解釈できるから遊技球PBを計数しない第1の計数手段が、計数した検知器300での遊技球PBの計数結果を用いて行う技術(以下、「引用文献2に記載の技術2」という。)が記載されている。 引用文献2に記載の技術2の 「始動入賞率」、 「遊技領域101」、 「遊技領域101」に「放出される」こと、 「発射装置40」、 「遊技球PB」はそれぞれ、 本願発明の 「特定値」、 「入賞領域が設けられた特定領域」、 「特定領域」「に向けて」いること、 「発射手段」、 「遊技媒体」に相当し(発明特定事項J)、 また、引用文献2に記載の技術2において、「始動入賞率」(本願発明の「特定値」に相当。)の「算出」を、「遊技球PBの通過を検知するための検知器300として所定間隔を隔てて設けられた検知器300a、300bの検知順が、検知器300a、300bの順で検知されたかどうかを確認し、確認されると遊技球PBの検知として計数するが、検知器300b、300aの順で検知された場合は、遊技球PBが釘128や役物110等により反射して再び戻球防止弁105のところまで戻って来たと解釈できるから遊技球PBを計数しない第1の計数手段」が「計数した検知器300での遊技球PBの計数結果」を用いることにより、「発射装置40から発射された遊技球PBが発射通路103を通過し、遊技盤上に設けられた戻球防止弁105を押し開いて遊技領域101に放出され」た「遊技球PBの計数結果」を求めているから、これを、「特定値」の「算出」を、「入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて」行うと言い換えることができる。 さらに、引用文献2に記載の技術2において、「第1の計数手段」の「検知器300」が「遊技球PBの通過を検知」するのは、「発射装置40から発射された遊技球PBが発射通路103を通過し、遊技盤上に設けられた戻球防止弁105を押し開いて遊技領域101に放出され」る際であるから、もともと、「発射通路103を通過し、遊技盤上に設けられた戻球防止弁105を押し開いて遊技領域101に放出され」ていない遊技球である、いわゆるファール球の個数は、「始動入賞率」を算出するに際し、除外されているものである。すなわち、引用文献2に記載の技術2は、「始動入賞率」(本願発明の「特定値」に相当。)の算出において、「発射装置40」(本願発明の「発射手段」に相当。)によって発射されたが「遊技領域101」(本願発明の「特定領域」に相当。)に到達しなかった「遊技球PB」(本願発明の「遊技媒体」に相当。)の数が除外されているから、これを、「前記算出手段による前記特定値の算出において、前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される」と言い換えることができる。 ここで、上記5.(10)で発明特定事項Jについて対比を行ったとおり、引用発明の「アウト球数」は、「遊技領域8aに向けて遊技球を発射する球発射装置」により、「入賞しなかった遊技球」及び「上始動入賞口26や可変始動入賞装置28、可変入賞装置30に入賞した遊技球」も含めた「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」を表す数値を意図しており、当該「アウト球数」として、具体的には、「遊技領域8a内に打ち込まれた全ての遊技球は遊技盤8の裏側へ回収され、・・・排出された遊技球はアウト球カウントスイッチ182により検出」することにより、「アウト球カウントスイッチ182から検出信号が入力された回数をカウントしたカウント値を更新して記憶」した、いわば、遊技球が遊技領域8aから流出し、回収された後の出口となる箇所で計数した数値を採用している。 ここで、引用発明において、球発射装置により発射されて、遊技領域8aに流入した遊技球が、「遊技領域8a内に打ち込まれ」た「遊技球」であり、その後、当該「遊技球」は「遊技に使用され」、おおむね遊技領域8aから流出し、アウト球となって回収された後に、パチンコ機からの出口となる箇所で「アウト球カウントスイッチ182」により検出されることとなることは明らかであるから、「遊技領域8a内に打ち込まれ」た「遊技球」の数と、「アウト球カウントスイッチ182」により検出される「アウト球数」の両者は、相関性を有する値である。 そして、引用発明と引用文献2に記載の技術2はともに、パチンコ機という同じ技術分野に属し、また、引用発明は、入賞頻度を客観的に判断するという課題を解決するものであり、引用文献2に記載の技術2も「始動入賞率」を表示するものであるから、入賞率を客観的に判断できるものであり、引用発明と同様の課題を解決するものであるから、両者の課題は共通し、さらに、発射球数と相関性を有する計数値を用いて入賞率を計算するという点で機能も共通するので、引用発明における「入賞の発生頻度」(本願発明の「特定値」に相当。)の算出を、遊技領域8aから流出した後に、「アウト球カウントスイッチ182」により検出される「アウト球数」にもとづいて算出することに替え、ファール球数が除外された遊技領域8aに流入した遊技球数にもとづいて算出する引用文献2に記載の技術2を適用することにより上記相違点3及び相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が想到容易である。 イ  判断2 平成31年4月25日付け意見書において、請求人は、特許請求の範囲の補正の根拠として、 「(2)補正の概要 ・・・ (a)請求項1において、「前記算出手段は、前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて前記特定値を算出し」という記載を追加しましたが、当初明細書の段落[0260]に「入賞数カウント処理では、演出制御用CPU101は、まず、発射球検出フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6001)。発射球検出フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、その発射球検出フラグをリセットし(ステップS6002)、・・・演出制御用CPU101は、通常状態における打球発射装置550からの遊技球の発射数をカウントするための発射球数カウンタの値を1加算する(ステップS6004)。」と記載されていることや、段落[0273]に「そして、演出制御用CPU101は、特定した始動入賞の総数Aおよび発射数の総数Bを用いて、次の式(1)に従って、当日の電源投入されてからの通常状態における始動入賞口(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)への入賞率Cを算出する。」と記載されていることを根拠としています。 (b)請求項1において、「前記算出手段による前記特定値の算出において、前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される」という記載を追加しましたが、当初明細書の段落[0280]に「また、この実施の形態では、発射数の総数Bをカウントする際に発射球検出指定コマンドの受信(発射球検出スイッチ24の検出)のみにもとづいてカウントする場合を示したが、さらにファール球を考慮して発射数の総数をカウントするように構成してもよい。例えば、ファール球回収口510(図2参照)にファール球を検出するためのファール球検出スイッチを設けるようにし、ファール球検出スイッチがファール球を検出したことにもとづいてファール球検出指定コマンドを送信するようにしてもよい。・・・」と記載されていることなどを根拠としています。・・・」という主張をしている。 ここで、本願発明の「前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数」(発明特定事項J)のカウントを行うことに対応する実施例には、「演出制御用マイクロコンピュータ100は、発射球検出指定コマンドを受信したことにもとづいて発射球数カウンタを1加算する(ステップS6004参照)」(【0280】)こと、すなわち、「演出制御用マイクロコンピュータ100」が演出制御コマンドとして、「発射球検出指定コマンドの受信(発射球検出スイッチ24の検出)」(【0235】、【0280】)をすることにより、「演出制御用CPU101は、打球発射装置550からの遊技球の発射を検出したことを示す発射球検出フラグをセットする」(【0240】)ことがその契機に含まれ、同様に、本願発明の「前記算出手段による前記特定値の算出において、前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数」(発明特定事項K)のカウントを行うことに対応する実施例には、「演出制御用マイクロコンピュータ100」は、「ファール球検出指定コマンドを受信した場合には発射球数カウンタを1減算する」(【0280】)こと、すなわち、「ファール球回収口510(図2参照)にファール球を検出するためのファール球検出スイッチを設けるようにし、ファール球検出スイッチがファール球を検出したことにもとづいてファール球検出指定コマンドを送信する」(【0280】)ことがその契機に含まれる。 しかし、特許請求の範囲の記載から、本願発明の発明特定事項Jと発明特定事項Kとは、発射球数及びファール球数のいずれも計数を行うもの、すなわち、「前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数」(発明特定事項J)のカウントを行うとともに、「前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数」(発明特定事項K)のカウントを行う点は、発明特定事項J及び発明特定事項Kにおいて特定されているとは認められないが、このように特定されていると善解した場合について、当審の判断を示す。 パチンコ機の分野において、遊技領域に有効に打ち込まれた遊技媒体の数を算出するために、遊技領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数、及び、発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技媒体の数であるファール球数を計数し、発射手段によって発射された遊技球の数についての計数値にもとづいて、及び、発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技球の数であるファール球数についての計数値が除外されることにより、その算出を行う技術は本願出願前における周知技術であって、例えば、特開2004-329353号公報(パチンコ遊技機1において、遊技領域7(本願発明の「特定領域」に相当。)内に打込まれた打玉の数を計数するために、打球発射装置34(本願発明の「発射手段」に相当。)により発射された打玉を検出する発射球検出スイッチ68、69と、打球発射装置34により発射されたが遊技領域7内に到達しなかった打玉を検出するファール球検出スイッチ70とが設けられ、所定期間内に発射球検出スイッチ68→発射球検出スイッチ69の順で打玉が検出されたときは打込まれた打玉(本願発明の「発射手段によって発射された遊技媒体」に相当。)として1加算し、所定期間内に発射球検出スイッチ68→発射球検出スイッチ69→発射球検出スイッチ69→発射球検出スイッチ68の順や、発射球検出スイッチ68→発射球検出スイッチ69→ファール球検出スイッチ70の順で打玉が検出された打玉(本願発明の「発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技媒体」に相当。)は打込まれた打玉として加算しない計数処理を行う技術が記載されている。【0025】、【0027】、図1(a)、(b)を参照。)、特開平5-200152号公報(パチンコ遊技機において、遊技者が発射ダイヤル10Bを操作すると発射杵13に所定のタイミング間隔で打球力を与えるロータリーソレノイドがオン、オフするとともに、その所定のタイミング間隔に対応して玉送りユニット900から発射レール120の打球位置120Cに遊技球が供給される時、前記玉送りユニット900内に設けられた前記発射球検出器901により玉送りユニット900の球供給口902から供給された遊技球(本願発明の「発射手段によって発射された遊技媒体」に相当。)が検出されることにより、遊技球発射装置(本願発明の「発射手段」に相当。)によって遊技領域2(本願発明の「特定領域」に相当。)に遊技球を打ち込むようにするとともに、発射された遊技球が遊技領域2に流入せずファウル球回収樋121に逆流した遊技球(本願発明の「発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技媒体」に相当。)はファウル球検出器122により検出され、前記ファウル球検出器122の検出と前記発射球検出器901の検出とに基づき、特定入賞口入賞率の演算の基礎となる有効発射球数が算出される技術が記載されている。【0037】、【0040】、図7、図8を参照。)に示されるとおりである。 そして、引用発明、上記周知技術はともに、パチンコ機という同じ技術分野に属し、遊技領域に打ち込まれた遊技球の数を計数するという点で課題が共通し、さらに、発射手段により発射された遊技球の数にもとづいて遊技領域に打ち込まれた遊技球の数を計数するという点で機能も共通するから、「入賞頻度」(本願発明の「特定値」に相当。)の算出を、「球発射装置」により「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」を表す数値により行うことを意図している引用発明において、「遊技領域8a内に打ち込まれて遊技に使用された遊技球の個数」を表す数値として、上記周知技術である、遊技領域に有効に打ち込まれた遊技媒体の数を算出するために、遊技領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数、及び、発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技媒体の数であるファール球数を計数し、発射手段によって発射された遊技球の数についての計数値にもとづいて、及び、発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技球の数であるファール球数についての計数値が除外されることにより、その算出を行う周知技術を採用することにより、上記相違点3及び相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (4)効果について 本願発明の効果は、引用発明、引用文献2記載の技術1、引用文献2に記載の技術2及び引用文献3に記載の技術、又は、引用発明、引用文献2記載の技術1、引用文献3に記載の技術及び周知技術から予測し得るものであって格別顕著なものということはできない。 (5)請求人の主張について 請求人は、本願発明について、平成31年4月25日付け意見書において、次の主張を行っている。 「(5)本願発明と引用文献に記載された発明との比較 1.請求項1に関して ・・・ 本願発明では、上記の(X)の構成要素を備えることによって、入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて特定値を算出するように構成されています。・・・これに対して、本願発明では、いわゆるアウト球を計数して特定値を算出するのではなく、遊技領域に投入される前の発射側の遊技媒体の数を計数して特定値を算出するので、いわゆる球詰まり状態の遊技媒体が発生している場合でも、正確に特定値を算出して特定報知を実行することができます。 また、本願発明では、上記の(Y)の構成要素を備えることによって、特定値の算出において、発射手段によって発射されたが特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外されるように構成されています。そのような構成を備えることによって、発射手段によって発射された遊技媒体の数だけを計数したのでは、特定領域(遊技領域)に到達せずに逆戻りしてしまった遊技媒体(いわゆるファール球)の数が特定値に反映されず正確に特定値を算出できませんが、本願発明では、特定領域に到達しなかった遊技媒体の数を除外して特定値を算出するので、正確に特定値を算出して特定報知を実行することができます。 従って、本願発明では、上記の(X),(Y)の構成要素による相乗的な作用により、高い精度で特定値を算出し、より正確な特定報知を実行できるという顕著な効果を奏するものとなっています。 これに対して、引用文献1では、例えば、段落[0380]の記載を見ればわかるように、アウト球数にもとづいて発生頻度を算出するものが記載されており、そもそも上記の(X)の構成が全く異なっています。また、上記の(X)の構成が異なっている以上、上記の(Y)の構成も存在しません。 また、引用文献2には、検知器での遊技球の計数結果にもとづいて始動入賞率を算出することが記載されていますが、特定領域(遊技領域)に到達せずに逆戻りしてしまった遊技媒体(いわゆるファール球)の数を除外して特定値を算出するという上記の(Y)のように構成することは、何ら記載も示唆もされていません。 ・・・ 以上のことから、本願発明と引用文献に記載された発明とを比較すると、引用文献1~5に記載された発明および周知技術を組み合わせたとしても、少なくとも、上記の(X),(Y)の構成要素が大きく異なります。 すると、引用文献1~5に記載された発明および周知技術にもとづいて、高い精度で特定値を算出し、より正確な特定報知を実行できるようにするという本願発明の構成に想到することは困難なことであり、・・・拒絶理由は解消したものと思料いたします。」 上記主張の要点は、当審が分説した発明特定事項Jについて、「遊技領域に投入される前の発射側の遊技媒体の数を計数して特定値を算出するので、いわゆる球詰まり状態の遊技媒体が発生している場合でも、正確に特定値を算出して特定報知を実行することができ」ること、及び、同発明特定事項Kについて、「発射手段によって発射された遊技媒体の数だけを計数したのでは、特定領域(遊技領域)に到達せずに逆戻りしてしまった遊技媒体(いわゆるファール球)の数が特定値に反映されず正確に特定値を算出できませんが、本願発明では、特定領域に到達しなかった遊技媒体の数を除外して特定値を算出するので、正確に特定値を算出して特定報知を実行することができ」るということであるから、発明特定事項Jと発明特定事項Kで特定される「遊技媒体の数」を、いずれもパラメータとして計数して「特定値の算出」に用いる、すなわち、遊技領域に投入される前の発射装置にて発射された遊技媒体の数と、いわゆるファール球の数とを両方の数値をパラメータとして計数して「特定値を算出」することにより、「・・・本願発明では、・・・相乗的な作用により、高い精度で特定値を算出し、より正確な特定報知を実行できるという顕著な効果を奏する」ことと認められる。 請求人の上記主張について検討する。 ア 本願発明においては、特定値の算出における、発射された遊技媒体の数について、「前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数」(発明特定事項J)と特定され、この特定には、遊技領域に投入される前の発射側の遊技媒体の計数値や、発射側から通路を通って遊技領域に流入する遊技媒体の計数値のいずれも含まれるものと認められる。また、本願発明においては、特定値の算出における、いわゆるファール球数の扱いについて、「前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される」(発明特定事項K)と特定され、この特定には、発明特定事項Jとの関連において、前者の遊技領域に投入される前の発射側の遊技媒体の計数値からファール球数の計数値が減算される(「除外される」)ことや、後者の発射側から通路を通って遊技領域に流入する遊技媒体の計数値が、ファール球数が含まれない(「除外される」)ものであることを確認することのいずれも含まれるものと認められる。 したがって、請求人の上記主張は、本願発明の「前記算出手段は、前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数にもとづいて前記特定値を算出し、 前記算出手段による前記特定値の算出において、前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数が除外される」こと(発明特定事項J及び発明特定事項K)を具体的にどのように実施するかという違いであるが、本願発明における発明特定事項J及び発明特定事項Kは、発射球数及びファール球数のいずれも計数を行うもの、すなわち、「前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数」(発明特定事項J)のカウントを行うとともに、「前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数」(発明特定事項K)のカウントを行う点まで特定されているとは認められないから、上記「(3)ア  判断1」において判断を示したとおり、特定値の算出において、ファール球数が除外された遊技領域8aに流入した遊技球数にもとづいて算出する引用文献2に記載の技術2を引用発明に適用することにより上記相違点3及び相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が想到容易である。 よって、請求人の上記主張を採用することはできない。 イ 仮に、本願発明における発明特定事項J及び発明特定事項Kは、発射球数及びファール球数のいずれも計数を行うもの、すなわち、「前記入賞領域が設けられた特定領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数」(発明特定事項J)のカウントを行うとともに、「前記発射手段によって発射されたが前記特定領域に到達しなかった遊技媒体の数」(発明特定事項K)のカウントを行う点まで特定されていると解釈しても、遊技領域に投入される前の発射装置にて発射された遊技媒体の数と、いわゆるファール球の数という両方の計数値をパラメータとして採用することは、本願出願前における周知技術であって、上記「(3)イ  判断2」において判断を示したとおり、引用発明に、遊技領域に打ち込まれた遊技媒体の数を算出するために、遊技領域に向けて発射手段によって発射された遊技媒体の数、及び、発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技媒体の数であるファール球数を計数し、発射手段によって発射された遊技球の数についての計数値にもとづいて、及び、発射手段によって発射されたが遊技領域に到達しなかった遊技球の数であるファール球数についての計数値が除外されることにより、その算出を行う周知技術を採用して、上記相違点3及び相違点4に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 よって、請求人の上記主張を採用することはできない。 8.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用文献2記載の技術1、引用文献2に記載の技術2及び引用文献3に記載の技術、又は、引用発明、引用文献2記載の技術1、引用文献3に記載の技術及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-010775

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