意匠拒絶査定不服審判
2018-009989
Carpet
- 審判番号
- 2018-009989
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
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- 請求日
- 2018年07月20日
- 審決日
- 2018年10月12日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
- 【請求人代理人】長谷川 芳樹
- 【請求人代理人】佐藤 英二
- 分類
- D18 .113-WY (C1-3)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2015-500171「Carpet」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成27年(2015年)7月9日の国際意匠登録出願であって,その後の主な手続の経緯は以下のとおりである。
平成28年10月25日付け 拒絶理由の通知
平成29年 3月 2日付け 手続補正書の提出
平成29年 3月 2日付け 意見書の提出
平成29年 8月28日付け 拒絶理由の通知
平成29年12月21日付け 意見書の提出
平成30年 4月12日付け 拒絶査定
平成30年 7月20日 審判請求
第2 本願意匠
本願意匠は,意匠に係る物品を「Carpet」(参考訳:「カーペット」,以下,日本語訳で示す。)とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」ともいう。)を,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとし,「the red-colored portion in reproduction 1.3, namely top portion of the article forms no part of the claimed design;(参考訳:図1.3の赤色で着色した部分,すなわち物品の平面部分は請求意匠の部分を構成しない。)」(以下,本願の図において赤色で着色していない部分を「本願部分」という。)としたものである(別紙第1参照)。
第3 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における平成29年8月28日付けの拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁が昭和60年(1985年)6月17日に発行した意匠公報に記載の意匠登録第653881号(意匠に係る物品:カーペット地)の意匠(以下「引用意匠」といい,本願部分に相当する部分を「引用部分」という。)であり,その形態を同公報に掲載されたとおりとしたものである(別紙第2参照)。
第4 対比
1.両意匠の意匠に係る物品
本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,本願意匠が「カーペット」としたものであるのに対して,引用意匠が「カーペット地」としたものである。
2.両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲について,本願部分は,パイル糸が植え込まれる基布の裏面に係る用途及び機能を備えたものであり,カーペットの底面全体(1.1図)に及ぶ位置,大きさ及び範囲としたものであるのに対して,引用部分は,裏打ち仕上げ用として貼り合わせる基布の裏面に係る用途及び機能を備えたものであり,カーペット地の底面全体(背面図)に及ぶ位置,大きさ及び範囲としたものである。
3.両部分の形態
両部分の形態には,主に以下の共通点及び相違点が認められる。
(1)共通点
(a)両部分は,全体を,厚みの薄い平面視四角形としたものである。
(b)両部分は,底面全体に一定の模様が表れたものである。
(2)相違点
(ア)本願部分は,底面の具体的な輪郭形状を,縦横比が約1対4の長方形としたものであるのに対して,引用部分のそれは,正方形としたものである。
(イ)本願部分は,溶融されたパイル糸の繊維が,かすかな筋状模様として表れたものであるのに対して,引用部分は,織り上げられたジュートの繊維が,かすかな格子状模様として表れたものである。
(ウ)本願部分は,1.2図(部分拡大底面図)によれば,光を反射する程度に滑らかな面をした,光沢感のあるものであるのに対して,引用部分は,そのような滑らかさもなければ,光沢感もないものである。
第5 判断
1.両意匠の意匠に係る物品について
両意匠の意匠に係る物品は,本願意匠が「カーペット」としたものであるのに対して,引用意匠が「カーペット地」としたものであるから,共通する。
2.両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲について
両部分の用途及び機能については,本願部分が,パイル糸が植え込まれる基布の裏面に係る用途及び機能を備えたものであるのに対して,引用部分が,裏打ち仕上げ用として貼り合わせる基布の裏面に係る用途及び機能を備えたものであるから,相違し,両部分の位置,大きさ及び範囲については,カーペットあるいはカーペット地の底面全体に及ぶ位置,大きさ及び範囲としたものであるから,同一である。
3.両部分の形態について
(1)共通点の評価
共通点(a)及び(b)は,全体の形態を概括したものであり,この物品分野においてありふれた形状であるから,いずれの共通点も両部分の類否判断に及ぼす影響は,小さい。
(2)相違点の評価
相違点(ア)は,底面の具体的な輪郭形状の相違であり,どちらも目新しい形状ではないが,縦横比が大きく相違し,一見して気付く相違であるから,この相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,一定程度認められる。
相違点(イ)は,筋状模様か,それとも格子状模様かという相違であり,どちらも模様としては目新しいものではないが,パイル糸が植え込まれる基布の裏面に表れているパイル糸の繊維による筋状模様と,裏打ち仕上げ用として貼り合わせる基布の裏面に表れている織り上げられた繊維による格子状模様とでは,単なる模様の選択による相違といえるものではないし,両部分のほぼ全域にわたる相違であるから,この相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,軽視することができない。
相違点(ウ)は,滑らかさや光沢感の有無の相違であって,この物品分野においては目立つ相違であり,両部分について異なる印象をもたらすものであるから,この相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
4.類否
両部分について部分全体として総合的に観察した場合,上述の両部分の形態における共通点及び相違点の評価に基づけば,共通点は,いずれも両部分の類否判断に及ぼす影響は小さく,一方,相違点が両部分の類否判断に及ぼす影響は,相違点(ウ)が大きな影響を及ぼすものであり,相違点(イ)は軽視できるものではなく,相違点(ア)も一定程度認められるものであるから,相違点は,両部分の類否判断を決するものといえる。
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両部分の位置,大きさ及び範囲が同一であるが,両部分の用途及び機能が相違し,両部分の形態において需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。
第6 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
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