特許拒絶査定不服審判
2018-005749
遊技システム及び遊技機
- 審判番号
- 2018-005749
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2016-174111外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2018年04月25日
- 審決日
- 2019年01月07日
- 公報発行日
- 2019年04月26日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2016-174111号「遊技システム及び遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月1日出願公開、特開2016-198635号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成24年3月6日に出願された特願2012-49813号の一部を平成28年9月6日に新たな特許出願とした特願2016-174111号であって、平成28年9月6日に上申書が提出され、平成29年1月30日に上申書及び手続補正書が提出され、同年7月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月29日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成30年1月24日付け(発送日:平成30年1月30日)で拒絶査定がなされ、それに対して、同年4月25日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成30年4月25日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成30年4月25日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正する内容を含んでおり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項1ないし4は、
「【請求項1】
遊技者による遊技の結果に応じて所定情報を出力する遊技機と、前記遊技機が出力した前記所定情報に基づいて遊技者による前記遊技機の遊技履歴を管理する管理装置と、を備える遊技システムであって、
前記遊技の結果に応じた特定情報を遊技者に付与する特定情報付与手段を備え、
前記管理装置は、遊技者に付与された前記特定情報に応じて、当該遊技者に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記遊技機は、
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、
前記有利状態に制御される可能性を予告する予告演出を実行可能な予告演出実行手段を備え、
前記特定情報付与手段は、前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に付与可能である、
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技機は、
前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定よりも前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、
前記予告演出実行手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記予告演出を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記有利状態に制御される可能性を予告する予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、
前記遊技機の遊技履歴を管理する管理装置が遊技者に特典を付与するために使用される特定情報を付与可能な特定情報付与手段と、を備え、
前記特定情報付与手段は、前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に付与可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定よりも前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、
前記予告演出実行手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記予告演出を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。」(平成29年9月29日付けの手続補正)から、
「【請求項1】
遊技者による遊技の結果に応じて所定情報を出力する遊技機と、前記遊技機が出力した前記所定情報に基づいて遊技者による前記遊技機の遊技履歴を管理する管理装置と、を備える遊技システムであって、
前記遊技の結果に応じた特定情報を遊技者に付与する特定情報付与手段を備え、
前記管理装置は、遊技者に付与された前記特定情報に応じて、当該遊技者に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記遊技機は、
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、
前記有利状態に制御される可能性を予告する複数種類の予告演出を実行可能な予告演出実行手段を備え、
前記特定情報付与手段は、前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で付与可能である、
ことを特徴とする遊技システム。
【請求項2】
前記遊技機は、
前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定よりも前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、
前記予告演出実行手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記予告演出を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技システム。
【請求項3】
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、
前記有利状態に制御される可能性を予告する複数種類の予告演出を実行可能な予告演出実行手段と、
前記遊技機の遊技履歴を管理する管理装置が遊技者に特典を付与するために使用される特定情報を付与可能な特定情報付与手段と、を備え、
前記特定情報付与手段は、前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で付与可能である、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項4】
前記有利状態に制御するか否かを決定する決定手段と、
前記決定手段による決定よりも前に前記有利状態に制御されるか否かを判定する判定手段と、をさらに備え、
前記予告演出実行手段は、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記予告演出を実行する、
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。」(本件補正)
に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。
2 補正の適否について
上記補正は、補正前の請求項1及び3に記載した発明を特定するために必要な事項である「予告演出」に関して、「有利状態に制御される可能性を予告する予告演出」を「有利状態に制御される可能性を予告する複数種類の予告演出」と限定するとともに、補正前の請求項1及び3に記載した発明を特定するために必要な事項である「特定情報付与手段」に関して、「前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に付与可能である」を「前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で付与可能である」と限定するものであり、かつ、補正前の請求項に記載された発明と補正後の請求項に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1)引用文献及び引用発明
ア 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された特開2002-126312号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技機情報の管理システム及び遊技機情報の管理サーバに関し、詳細には、所定条件の成立により抽選を行って当たりを決定する遊技機に設けた端末装置を通信ネットワークを介してサーバに接続した遊技機情報の管理システム及び遊技機情報の管理サーバに関する。」
(イ)「【0038】また、請求項17に係る発明の遊技機情報の管理サーバでは、請求項11乃至16の何れかに記載の発明の構成に加えて、前記処理手段は、前記ホスト側情報受信手段が受信した遊技機に関する情報に基づいて、遊技機使用者の識別情報に対応してポイントの計算を行うポイント計算手段と、当該ポイント計算手段の計算したポイントを遊技機使用者の識別情報に対応して前記情報記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、前記情報記憶手段に記憶されたポイントが所定の値以上になったか否かを判断するポイント判断手段とを備え、当該ポイント判断手段が前記情報記憶手段に記憶されたポイントが所定の値以上になったと判断したときに、前記ホスト側情報送信手段は、賞品の発送の指示のデータを通信ネットワークを介して接続された賞品発送会社のサーバへ送信することを特徴とする構成となっている。」
(ウ)「【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態である遊技機情報の管理システム1の概念図である。この実施の形態の遊技機情報の管理システム1では、遊技機の製造会社に設置された遊技機情報の管理サーバ2が、インターネット3を介して、遊技場に設置されたホールコンピュータ4に接続されている。また、ホールコンピュータ4には、各遊技機10に個別に設けられているIDユニット11が接続されている。従って、IDユニット11からは、遊技機10の情報と遊技機使用者の個人識別情報等がホールコンピュータ4及びインターネット3を介して、遊技機情報の管理サーバ2に送信されるようになっている。・・・
【0057】また、遊技領域10cの略中央には、液晶画面を備えた特別図柄表示部10gが設けられ、特別図柄表示部10gの直下には、特別図柄始動電動役物10hが設けられており、その特別図柄始動電動役物10hの下方には、大入賞口10iが設けられている。特別図柄始動電動役物10hに遊技球が入賞すると、図示外の制御基板のCPUにより、ループカウンタを用いた抽選が行われ、大当たりと判断されると、特別図柄表示部10gに『7,7,7』等の大当たり図柄が表示され、大入賞口10iが15回等の所定の回数開放されるようになっている。
【0058】このときに、所定の図柄(確率変動図柄)で大当たりしたときには、次の大当たりの確率が高くなる確率変動状態となる。また、特別図柄表示部10gには、前記抽選の結果に基づいて、「1,3,5」等のはずれ図柄、特別のリーチ動作を行う所謂スペシャルリーチ、女の子等の所定のキャラクタ等の表示、大当たり時の大当たりの演出の表示が行われるようになっている。尚、図5に示すように、遊技機10の左側面には、貸玉装置12が設けられ、貸玉装置12の上部には、IDユニット11が垂直に突出して設けられている。・・・
【0062】次に、図2に示す遊技機情報の管理サーバ2のハードディスク装置28に設けられているIDデータベース記憶エリア280に記憶されるIDデータベース380について、図7を参照して説明する。図7は、IDデータベース380の概念図である。図7に示すように、IDデータベース380には、遊技機使用者を識別する識別符号であるID番号380aと、ID番号380aに対応して、事前に登録された遊技機使用者の氏名380bと、住所380cと、電話番号380dと、メールアドレス380eとが記憶され、また、IDデータベース380には、獲得ポイント380fと、獲得賞品380gと、後述するランキング380hと、後述する抽選結果380iと、その他の情報380j等が、ID番号380aに対応して記憶されている。
【0063】次に、図8を参照して、遊技機情報の管理サーバ2のハードディスク装置28に設けられている賞品データベース記憶エリア281に記憶される賞品データベース381について説明する。図8は、賞品データベース381の概念図である。図8に示すように、賞品データベース381には、賞品番号381aと、その賞品番号381aに対応した遊技機10の状態381bと、遊技機10の状態381bに対応したポイント381cと、遊技機10の状態381bに対応して与えられる賞品381dと、その賞品381dの発送会社のID番号381eと、その他の情報381fとが記憶されている。
【0064】例えば、この賞品データベース381では、賞品番号381aが『1』のときは、例えば、『7,7,7』等の特定の当たり図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合に、ポイントが『2』が付与され、賞品は『ゲーム用CD-ROM』が与えられ、発送会社のID番号が『0001』であることを示している。また、賞品番号381aが『2』のときは、例えば、『1,2,3』等の特定の停止図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合に、ポイントが『1』が付与され、賞品は『音楽CD』が与えられ、発送会社のID番号が『0004』であることを示している。
【0065】また、賞品番号381aが『3』のときは、例えば、子供のマンモスのキャラクタ等の滅多に出ない特定のキャラクタが特別図柄表示部10gに表示された場合に、ポイントが『5』が付与され、賞品は『ラジカセ』が与えられ、発送会社のID番号が『0006』であることを示している。また、賞品番号381aが『4』のときは、例えば、当たりの抽選に1000回はずれた場合に(1000回はまりの場合に)、ポイントが『7』が付与され、賞品は『サングラス』が与えられ、発送会社のID番号が『0002』であることを示している。
【0066】また、賞品番号381aが『5』のときは、例えば、確率変動状態が10回連続した場合に、ポイントが『10』が付与され、賞品は『シェーバー』が与えられ、発送会社のID番号が『0003』であることを示している。また、賞品番号381aが『6』のときは、例えば、5万回に1回しか出ない特別のリーチ動作であるプレミアムリーチが特別図柄表示部10gに表示された場合に、ポイントが『20』が付与され、賞品は『腕時計』が与えられ、発送会社のID番号が『0005』であることを示している。・・・
【0068】以上のように構成された遊技機情報の管理システム1の動作を図10乃至図14のフローチャートを参照して説明する。図10は、IDユニット11の動作のフローチャートであり、図11は、遊技機情報の管理サーバ2で行われる特定状態生起のデータ受信に基づく賞品発注の動作のフローチャートであり、図12は、遊技機情報の管理サーバ2で行われる特定状態生起のデータ受信及び抽選に基づく賞品発注の動作のフローチャートであり、図13は、遊技機情報の管理サーバ2で行われる特定状態生起のデータ受信に基づくポイント加算による賞品発注の動作のフローチャートであり、図14は、遊技機情報の管理サーバ2で行われるホームページデータ及び報知データの作成動作のフローチャートである。・・・
【0070】この状態で、玉貸ボタン65fを押下して、遊技球を借りて、遊技機10で遊技を続けていると、特定状態が生起する場合がある(S5)。例えば、特定の当たり図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合や、特定の停止図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合や、特定のキャラクタが特別図柄表示部10gに表示された場合や、当たりの抽選に1000回はずれた場合(1000回はまりの場合)や、確率変動状態が10回連続した場合や、プレミアムリーチが特別図柄表示部10gに表示された場合の何れかの状態が生じると(S5:YES)、S4の処理でRAM61に記憶したID番号と上記の何れの特定状態が生起したのかの特定状態生起のデータとIDユニット11の固有の個体識別符号とをLANコントローラ64からケーブル68で接続されているホールコンピュータ4のハブ50及びルータ52を経て、インターネット3を介して、遊技機の製造会社の遊技機情報の管理サーバ2へ送信する(S6)。・・・
【0081】次いで、ポイント加算処理を行う(S33)。このポイント加算処理では、受信した特定状態生起のデータに応じたポイント加算処理を行う。例えば、図8に示す賞品データベース381のポイント381cに応じたポイントの加算を行う。特定の当たり図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合には、『2』ポイント加算し、特定の停止図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合には、『1』ポイント加算し、特定のキャラクタが特別図柄表示部10gに表示された場合には、『5』ポイント加算し、当たりの抽選に1000回はずれた場合(1000回はまりの場合)には、『7』ポイント加算し、確率変動状態が10回連続した場合には、『10』ポイント加算し、プレミアムリーチが特別図柄表示部10gに表示された場合には、『20』ポイント加算する。このポイントの加算値は、前記受信した遊技機使用者のID番号に対応するIDデータベース380の獲得ポイント欄380fに記憶している値に加算する(S33)。」
(エ)上記(ア)ないし(ウ)の記載事項を総合すると、引用文献2には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。
「遊技を続けていると、特定状態が生起する場合があり、RAMに記憶したID番号と上記の何れの特定状態が生起したのかの特定状態生起のデータとIDユニットの固有の個体識別符号とをLANコントローラからケーブルで接続されているホールコンピュータのハブ及びルータを経て、インターネットを介して、遊技機の製造会社の遊技機情報の管理サーバへ送信する遊技機と(【0070】)、
ハードディスク装置に設けられているIDデータベース記憶エリアに記憶されるIDデータベースには、遊技機使用者を識別する識別符号であるID番号と、ID番号に対応して、事前に登録された遊技機使用者の氏名と、住所と、電話番号と、メールアドレスとが記憶され、また、IDデータベースには、獲得ポイントと、獲得賞品と、ランキングと、抽選結果と、その他の情報等が、ID番号に対応して記憶する遊技機情報の管理サーバと(【0062】)、
遊技機の製造会社に設置された遊技機情報の管理サーバが、インターネットを介して、遊技場に設置されたホールコンピュータに接続され、ホールコンピュータには、各遊技機に個別に設けられているIDユニットが接続され、IDユニットからは、遊技機の情報と遊技機使用者の個人識別情報等がホールコンピュータ及びインターネットを介して、遊技機情報の管理サーバに送信されるようになっている遊技機情報の管理システム(【0046】)であって、
遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に設けられている賞品データベース記憶エリアに記憶される賞品データベースには、賞品番号と、その賞品番号に対応した遊技機の状態と、遊技機の状態に対応したポイントと、遊技機の状態に対応して与えられる賞品と、その賞品の発送会社のID番号と、その他の情報とが記憶され(【0063】)、
前記遊技機情報の管理サーバでは特定状態生起のデータ受信に基づくポイント加算により賞品発注が行われ(【0068】)、
前記遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に記憶されたポイントが所定の値以上になったか否かを判断するポイント判断手段とを備え、当該ポイント判断手段が前記遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に記憶されたポイントが所定の値以上になったと判断したときに、前記ホスト側情報送信手段は、賞品の発送の指示のデータを通信ネットワークを介して接続された賞品発送会社のサーバへ送信する手段を備え(【0038】)、
前記遊技機は、
遊技領域の略中央には、液晶画面を備えた特別図柄表示部が設けられ、特別図柄始動電動役物に遊技球が入賞すると、抽選が行われ、大当たりと判断されると、特別図柄表示部に『7,7,7』等の大当たり図柄が表示され、大入賞口が15回等の所定の回数開放され(【0057】)、
前記特別図柄表示部には、前記抽選の結果に基づいて、『1,3,5』等のはずれ図柄、特別のリーチ動作を行う所謂スペシャルリーチ、女の子等の所定のキャラクタ等の表示、大当たり時の大当たりの演出の表示が行われ(【0058】)、
前記賞品データベースでは、賞品番号が『1』のときは、例えば、『7,7,7』等の特定の当たり図柄が特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『2』が付与され、賞品は『ゲーム用CD-ROM』が与えられ、発送会社のID番号が『0001』であることを示し(【0064】)、
賞品番号が『2』のときは、例えば、『1,2,3』等の特定の停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『1』が付与され、賞品は『音楽CD』が与えられ、発送会社のID番号が『0004』であることを示し(【0064】)、
賞品番号が『3』のときは、例えば、子供のマンモスのキャラクタ等の滅多に出ない特定のキャラクタが特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『5』が付与され、賞品は『ラジカセ』が与えられ、発送会社のID番号が『0006』であることを示し(【0065】)、
賞品番号が『4』のときは、例えば、当たりの抽選に1000回はずれた場合に(1000回はまりの場合に)、ポイントが『7』が付与され、賞品は『サングラス』が与えられ、発送会社のID番号が『0002』であることを示し(【0065】)、
賞品番号が『5』のときは、例えば、確率変動状態が10回連続した場合に、ポイントが『10』が付与され、賞品は『シェーバー』が与えられ、発送会社のID番号が『0003』であることを示し(【0066】)、
賞品番号が『6』のときは、例えば、5万回に1回しか出ない特別のリーチ動作であるプレミアムリーチが特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『20』が付与され、賞品は『腕時計』が与えられ、発送会社のID番号が『0005』であることを示す(【0066】)遊技機情報の管理システム(【0046】)。」
イ 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用された特開2005-224341号公報(以下「引用文献3」という。)には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機及びシミュレーションプログラムに関するものであり、特に、各種の演出パターンを実行する遊技機及びシミュレーションプログラムに関する。」
(イ)「【発明の効果】
【0019】
この発明によれば、興趣の向上を図ることができるとともに、特別演出パターンの価値が低減することを防止することもできる。」
(ウ)「【0029】
また、この液晶表示装置32には、複数の図柄列(本実施形態においては3列)に対応する識別情報が可変表示される。これら複数の図柄列において識別情報の導出表示が行われ、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに“0”から“9”のいずれかが全て揃った状態で導出表示される態様)になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行することとなる。」
(エ)「【0095】
また、識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、識別情報の変動パターンがノーマルリーチ当り変動パターンである場合には、図4(B)に示すように、10%の確率でドンちゃん予告演出パターンが実行され、6%の確率で葉月ちゃん予告演出パターンが実行され、1%の確率でアレックス予告演出パターンが実行され、83%の確率で予告演出が実行されない。
【0096】
また、識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、識別情報の変動パターンがロングリーチ当り変動パターンである場合には、25%の確率でドンちゃん予告演出パターンが実行され、10%の確率で葉月ちゃん予告演出パターンが実行され、2%の確率でアレックス予告演出パターンが実行され、63%の確率で予告演出が実行されない。
【0097】
また、識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、識別情報の変動パターンが高速回転リーチ当り変動パターンである場合には、30%の確率でドンちゃん予告演出パターンが実行され、25%の確率で葉月ちゃん予告演出パターンが実行され、3%の確率でアレックス予告演出パターンが実行され、42%の確率で予告演出が実行されない。
【0098】
また、識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、識別情報の変動パターンが全回転変動パターン(当り)である場合には、45%の確率でドンちゃん予告演出パターンが実行され、35%の確率で葉月ちゃん予告演出パターンが実行され、5%の確率でアレックス予告演出パターンが実行され、15%の確率で予告演出が実行されない。」
(オ)【0121】
[特別図柄ゲームの説明]
液晶表示装置32における表示領域32a上には、図9(A)に示すように、複数列における識別情報(特別図柄ゲームにおける特別図柄92)の導出表示がされている。この場合において、画面下方に「Total Point(総合ポイント)」が“13”として表示されている。これによって、総合ポイントに対応する情報の報知を行うので、報知される情報によって、遊技者は、現在の総合ポイントの目安とすることができ、例えば、特別演出パターンが実行されるまでの目安となる。
【0122】
そして、特別図柄ゲームが終了している場合において、識別情報の可変表示開始条件が成立したときには、図9(B)に示すように、可変表示が実行される。また、識別情報の可変表示は、識別情報の変動表示が開始され、変動表示された複数列の識別情報が所定の順序で導出表示される。また、図9(B)においては、花火職人のドンちゃんが登場する予告演出が実行される。この場合において、総合ポイントが“13”から“15”になる。これは、上述したように、予告演出ポイント決定テーブルにおけるドンちゃん予告演出パターンには、ポイントとして“+2”が対応付けられているため、“13”に“2”が加算され、総合ポイントが“15”となる。
【0123】
そして、図9(C)に示すように、第一停止列(例えば、左列)、第二停止列(例えば、右列)が停止表示され、それらの列に停止表示される識別情報が所定の組合せとなった場合には、リーチとなる。そして、図9(D)に示すように、高速回転リーチとなった場合には、総合ポイントが“15”から“20”になる。これは、上述したように、変動パターンポイント決定テーブルにおける高速回転リーチには、ハズレ、大当りに関係なく、ポイントとして“+5”が対応付けられているため、“15”に“5”が加算され、総合ポイントが“20”となる。
【0124】
そして、図9(E)に示すように、第三停止列(例えば、中列)が停止表示され、その導出表示された複数列の識別情報が特定の表示態様(例えば、同一図柄が3個揃った態様)となったことを条件に、遊技状態が特定遊技状態に移行されることとなる。この場合においては、例えば、図9(E)に示すように、前回の特定遊技状態から、今回の特定遊技状態に移行されるまでに行われた識別情報の可変表示の回数が100回以内(例えば、68回)である場合には、総合ポイントが“20”から“30”になる。これは、上述したように、変動回数ポイント決定テーブルにおいて“+10”が対応付けられているため、“20”に“10”が加算され、総合ポイントが“30”となる。
【0125】
尚、ここでは、図9(B)に示すように、ドンちゃん予告演出パターンに基づく演出が実行された場合を具体的な一例に挙げたが、その他にも、図9(F)に示すように、花火職人の親方の娘である葉月ちゃんが登場する葉月ちゃん予告演出パターンに基づく演出が実行された場合には、“13”に“5”が加算され、総合ポイントが“18”となり、図9(G)に示すように、不死鳥であるアレックスが登場するアレックス予告演出パターンに基づく演出が実行された場合には、“13”に“25”が加算され、総合ポイントが“38”となる。」
(カ)図9は次のものである。
(キ)上記(ア)ないし(カ)によれば、引用文献3には、
「遊技機の興趣の向上を図ることができるとともに、演出パターンの価値が低減することを防止するために、複数の図柄列に対応する識別情報が可変表示され、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行する(【0029】)遊技機(【0001】)において、
前記識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、識別情報の変動パターンがノーマルリーチ当り変動パターンである場合には、10%の確率でドンちゃん予告演出パターンが実行され、6%の確率で葉月ちゃん予告演出パターンが実行され、1%の確率でアレックス予告演出パターンが実行され(【0095】)、
前記ドンちゃん予告演出パターンには、ポイントとして“2”が加算され(【0122】)、
前記葉月ちゃん予告演出パターンに基づく演出が実行された場合には、“5”が加算され(【0125】)、
前記アレックス予告演出パターンに基づく演出が実行された場合には、“25”が加算される(【0125】)点。」
が記載されているから、上記記載事項を総合すると、引用文献3には、次の事項が記載されていると認められる(以下「引用文献3に記載の事項」という。)。
「遊技機の興趣の向上を図ることができるとともに、演出パターンの価値が低減することを防止するために、複数の図柄列に対応する識別情報が可変表示され、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行する遊技機において、
前記識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、前記識別情報の変動パターンに応じて複数種類の予告演出(ドンちゃん予告演出パターン、葉月ちゃん予告演出パターン及びアレックス予告演出パターン)を実行するとともに、当該予告演出の種類に応じて異なる割合でポイントを付与する(ドンちゃん予告演出パターンには、ポイントとして“2”が加算され、葉月ちゃん予告演出パターンに基づく演出が実行された場合には、“5”が加算され、アレックス予告演出パターンに基づく演出が実行された場合には、“25”が加算される)点。」
(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「遊技機」は、「遊技を続けていると、特定状態が生起する場合があり、RAMに記憶したID番号と上記の何れの特定状態が生起したのかの特定状態生起のデータとIDユニットの固有の個体識別符号とをLANコントローラからケーブルで接続されているホールコンピュータのハブ及びルータを経て、インターネットを介して、遊技機の製造会社の遊技機情報の管理サーバへ送信する」から、遊技者による遊技の結果(特定状態が生起)に応じて所定情報(ID番号等)を出力する遊技機であるといえる。
したがって、引用発明の「遊技を続けていると、特定状態が生起する場合があり、RAMに記憶したID番号と上記の何れの特定状態が生起したのかの特定状態生起のデータとIDユニットの固有の個体識別符号とをLANコントローラからケーブルで接続されているホールコンピュータのハブ及びルータを経て、インターネットを介して、遊技機の製造会社の遊技機情報の管理サーバへ送信する遊技機」は、本願補正発明の「遊技者による遊技の結果に応じて所定情報を出力する遊技機」に相当する。
イ 引用発明の「遊技機情報の管理サーバ」は、「ハードディスク装置に設けられているIDデータベース記憶エリアに記憶されるIDデータベースには、遊技機使用者を識別する識別符号であるID番号と、ID番号に対応して、事前に登録された遊技機使用者の氏名と、住所と、電話番号と、メールアドレスとが記憶され、また、IDデータベースには、獲得ポイントと、獲得賞品と、ランキングと、抽選結果と、その他の情報等が、ID番号に対応して記憶する」から、遊技機が出力した所定情報(ID番号等)に基づいて遊技者による遊技機の遊技履歴(獲得ポイントと、獲得賞品と、ランキングと、抽選結果と、その他の情報)を管理する遊技機情報の管理サーバであるといえる。
したがって、引用発明の「ハードディスク装置に設けられているIDデータベース記憶エリアに記憶されるIDデータベースには、遊技機使用者を識別する識別符号であるID番号と、ID番号に対応して、事前に登録された遊技機使用者の氏名と、住所と、電話番号と、メールアドレスとが記憶され、また、IDデータベースには、獲得ポイントと、獲得賞品と、ランキングと、抽選結果と、その他の情報等が、ID番号に対応して記憶する遊技機情報の管理サーバ」は、本願補正発明の「前記遊技機が出力した前記所定情報に基づいて遊技者による前記遊技機の遊技履歴を管理する管理装置」に相当する。
ウ 引用発明の「遊技機情報の管理システム」は、「遊技機の製造会社に設置された遊技機情報の管理サーバが、インターネットを介して、遊技場に設置されたホールコンピュータに接続され、ホールコンピュータには、各遊技機に個別に設けられているIDユニットが接続され、IDユニットからは、遊技機の情報と遊技機使用者の個人識別情報等がホールコンピュータ及びインターネットを介して、遊技機情報の管理サーバに送信されるようになっている」から、遊技機と、管理装置と、を備える遊技システムであるといえる。
したがって、引用発明の「遊技機の製造会社に設置された遊技機情報の管理サーバが、インターネットを介して、遊技場に設置されたホールコンピュータに接続され、ホールコンピュータには、各遊技機に個別に設けられているIDユニットが接続され、IDユニットからは、遊技機の情報と遊技機使用者の個人識別情報等がホールコンピュータ及びインターネットを介して、遊技機情報の管理サーバに送信されるようになっている遊技機情報の管理システム」は、本願補正発明の「・・・遊技機と、・・・管理装置と、を備える遊技システム」及び「(ことを特徴とする)遊技システム」に相当する。
エ 引用発明は、「賞品データベースでは、賞品番号が『1』のときは、例えば、『7,7,7』等の特定の当たり図柄が特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『2』が付与され、賞品は『ゲーム用CD-ROM』が与えられ、発送会社のID番号が『0001』であることを示し、
賞品番号が『2』のときは、例えば、『1,2,3』等の特定の停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『1』が付与され、賞品は『音楽CD』が与えられ、発送会社のID番号が『0004』であることを示し、
賞品番号が『3』のときは、例えば、子供のマンモスのキャラクタ等の滅多に出ない特定のキャラクタが特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『5』が付与され、賞品は『ラジカセ』が与えられ、発送会社のID番号が『0006』であることを示し、
賞品番号が『4』のときは、例えば、当たりの抽選に1000回はずれた場合に(1000回はまりの場合に)、ポイントが『7』が付与され、賞品は『サングラス』が与えられ、発送会社のID番号が『0002』であることを示し、
賞品番号が『5』のときは、例えば、確率変動状態が10回連続した場合に、ポイントが『10』が付与され、賞品は『シェーバー』が与えられ、発送会社のID番号が『0003』であることを示し、
賞品番号が『6』のときは、例えば、5万回に1回しか出ない特別のリーチ動作であるプレミアムリーチが特別図柄表示部に表示された場合に、ポイントが『20』が付与され、賞品は『腕時計』が与えられ、発送会社のID番号が『0005』であることを示す」構成(以下「停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合のポイント付与の構成」という。)を備えるから、
引用発明は、「例えば、『7,7,7』等の特定の当たり図柄が特別図柄表示部に表示された場合に(遊技の結果に応じた)、ポイント(特定情報)が『2』が付与され」、「例えば、『1,2,3』等の特定の停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合に(遊技の結果に応じた)、ポイント(特定情報)が『1』が付与され」るものであるから、『7,7,7』または『1,2,3』(遊技の結果)に応じた「2」または「1」のポイント(特定情報)を付与する構成を備えるといえる。
したがって、引用発明が「停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合のポイント付与の構成」を備えることは、本願補正発明の「前記遊技の結果に応じた特定情報を遊技者に付与する特定情報付与手段を備え」ることに相当する。
オ 引用発明の「遊技機情報の管理サーバ」は、「遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に設けられている賞品データベース記憶エリアに記憶される賞品データベースには、賞品番号と、その賞品番号に対応した遊技機の状態と、遊技機の状態に対応したポイントと、遊技機の状態に対応して与えられる賞品と、その賞品の発送会社のID番号と、その他の情報とが記憶され、
前記遊技機情報の管理サーバでは特定状態生起のデータ受信に基づくポイント加算により賞品発注が行われ、
前記遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に記憶されたポイントが所定の値以上になったか否かを判断するポイント判断手段とを備え、当該ポイント判断手段が前記遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に記憶されたポイントが所定の値以上になったと判断したときに、前記ホスト側情報送信手段は、賞品の発送の指示のデータを通信ネットワークを介して接続された賞品発送会社のサーバへ送信するものであ」るから、遊技者に付与された特定情報(ポイント)に応じて、当該遊技者に特典(賞品)を付与する特典付与手段の構成を備えるといえる。
したがって、引用発明が「遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に設けられている賞品データベース記憶エリアに記憶される賞品データベースには、賞品番号と、その賞品番号に対応した遊技機の状態と、遊技機の状態に対応したポイントと、遊技機の状態に対応して与えられる賞品と、その賞品の発送会社のID番号と、その他の情報とが記憶され、
前記遊技機情報の管理サーバでは特定状態生起のデータ受信に基づくポイント加算により賞品発注が行われ、
前記遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に記憶されたポイントが所定の値以上になったか否かを判断するポイント判断手段とを備え、当該ポイント判断手段が前記遊技機情報の管理サーバのハードディスク装置に記憶されたポイントが所定の値以上になったと判断したときに、前記ホスト側情報送信手段は、賞品の発送の指示のデータを通信ネットワークを介して接続された賞品発送会社のサーバへ送信するものであ」る「遊技機情報の管理サーバ」を備えることは、本願補正発明の「前記管理装置は、遊技者に付与された前記特定情報に応じて、当該遊技者に特典を付与する特典付与手段を備え」ることに相当する。
カ 引用発明の「遊技機」は、「遊技領域の略中央には、液晶画面を備えた特別図柄表示部が設けられ、特別図柄始動電動役物に遊技球が入賞すると、抽選が行われ、大当たりと判断されると、特別図柄表示部に『7,7,7』等の大当たり図柄が表示され、大入賞口が15回等の所定の回数開放され」るものであるから、「液晶画面を備えた特別図柄表示部」が可変表示を行い、遊技者にとって有利な「大入賞口が15回等の所定の回数開放される」状態に制御可能な「遊技機」であるといえる。
したがって、引用発明の「遊技機」は、「遊技領域の略中央には、液晶画面を備えた特別図柄表示部が設けられ、特別図柄始動電動役物に遊技球が入賞すると、抽選が行われ、大当たりと判断されると、特別図柄表示部に『7,7,7』等の大当たり図柄が表示され、大入賞口が15回等の所定の回数開放され」ることは、本願補正発明の「遊技機は、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であ」ることに相当する。
キ 引用発明の「遊技機」は、「前記特別図柄表示部には、前記抽選の結果に基づいて、『1,3,5』等のはずれ図柄、特別のリーチ動作を行う所謂スペシャルリーチ、女の子等の所定のキャラクタ等の表示、大当たり時の大当たりの演出の表示が行われる」ものであるから、「大当たり」(有利状態)に制御されることを示す大当たりの演出を表示(実行)可能な演出表示(実行)手段を備えるといえる。
したがって、引用発明の「遊技機」は、「前記特別図柄表示部には、前記抽選の結果に基づいて、『1,3,5』等のはずれ図柄、特別のリーチ動作を行う所謂スペシャルリーチ、女の子等の所定のキャラクタ等の表示、大当たり時の大当たりの演出の表示が行われる」構成を備えることは、本願補正発明の「遊技機は、」「前記有利状態に制御される可能性を予告する複数種類の予告演出を実行可能な予告演出実行手段を備え」ることと、「前記有利状態に制御される演出を実行可能な演出実行手段を備え」る点で共通する。
ク 引用発明の「遊技機情報の管理サーバ」は、上記「停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合のポイント付与の構成」を備えるから、
引用発明の「遊技機情報の管理サーバ」は、「例えば、『7,7,7』等の特定の当たり図柄が特別図柄表示部に表示された場合に」(当該演出が実行された可変表示が終了する際に、当該演出の種類に応じて)、ポイント(特定情報)が『2』が付与され、例えば、『1,2,3』等の特定の停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合に」(当該演出が実行された可変表示が終了する際に、当該演出の種類に応じて)、ポイント(特定情報)が『1』が付与されるものであって、『7,7,7』または『1,2,3』(演出の種類)に応じて「2」または「1」(異なる)値で付与可能であるといえる。
したがって、引用発明の「遊技機情報の管理サーバ」に係る、上記「停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合のポイント付与の構成」は、本願補正発明の「特定情報付与手段」に係る「前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で付与可能である」構成と、「前記演出の実行に基づく前記特定情報を、当該演出が実行された可変表示が終了する際に、当該演出の種類に応じて異なる値で付与可能である」構成を備える点で共通する。
ケ 以上アないしクによれば、本願補正発明と引用発明とは、
「遊技者による遊技の結果に応じて所定情報を出力する遊技機と、前記遊技機が出力した前記所定情報に基づいて遊技者による前記遊技機の遊技履歴を管理する管理装置と、を備える遊技システムであって、
前記遊技の結果に応じた特定情報を遊技者に付与する特定情報付与手段を備え、
前記管理装置は、遊技者に付与された前記特定情報に応じて、当該遊技者に特典を付与する特典付与手段を備え、
前記遊技機は、
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能であり、
前記有利状態に制御される演出を実行可能な演出実行手段を備え、
前記特定情報付与手段は、前記演出の実行に基づく前記特定情報を、当該演出が実行された可変表示が終了する際に、当該演出の種類に応じて異なる値で付与可能である、
遊技システム。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点]
(ア)「演出」が、本願補正発明では、有利状態に制御される「可能性を予告する複数種類の予告演出」と特定され、「演出実行手段」が当該予告演出を実行可能な「予告演出実行手段」であって、「特定情報付与手段」が、「前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で付与可能である」のに対して、引用発明はこのように特定されない点(以下「相違点1」という。)。
(イ)「特定情報」が、本願補正発明では予告演出の種類に応じて「異なる割合で」付与可能であるのに対して、引用発明では演出の種類に応じて「異なる値で」付与される点(以下「相違点2」という。)。
(3)判断
上記相違点1及び2について検討する。
引用発明と同じく「複数の図柄列に対応する識別情報が可変表示され、導出表示された複数の識別情報の組合せが特定の表示態様になったことに基づいて、遊技状態を遊技者に有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に移行する遊技機」(引用文献3に記載の事項)において、「前記識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、識別情報の変動パターンに応じて複数種類の予告演出を実行するとともに、当該予告演出の種類に応じて異なる割合でポイントを付与する点」(引用文献3に記載の事項)が公知の構成である。
そして、「遊技機の興趣の向上を図ることができるとともに、演出パターンの価値が低減することを防止する」ことは、引用発明においても当然考慮すべき周知の課題であるから、当該課題を解決するために、引用発明の「特別図柄表示部には、前記抽選の結果に基づいて、『1,3,5』等のはずれ図柄、特別のリーチ動作を行う所謂スペシャルリーチ、女の子等の所定のキャラクタ等の表示、大当たり時の大当たりの演出の表示が行われる」ことに加えて、「前記識別情報が導出表示される結果が大当たりとして決定された場合において、前記識別情報の変動パターンに応じて複数種類の予告演出を実行するとともに、当該予告演出の種類に応じて異なる割合でポイントを付与する」(引用文献3に記載の事項)構成となし、上記相違点に係る本願補正発明の構成となすことに格別の困難性は認められない。
(4)本願補正発明が奏する効果について
上記相違点によって本願補正発明が奏する効果は、当業者が引用発明及び引用文献3に記載の事項から予測し得る程度のものであって、格別のものではない。
(5)請求人の主張について
上記相違点によって本願補正発明が奏する効果に関して、請求人は審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」「(2)拒絶理由に対する意見」の「(2-4)拒絶の理由(進歩性)について」の項において、
「審査官殿が指摘されているように、引用文献2には、特定の停止図柄が特別図柄表示部10gに表示された場合に特定情報(ポイント)を付与可能である旨が開示されていますが、引用文献2のポイント付与のタイミングは、あくまで、ポイント付与の対象の演出の実行時(図10、図13などを参照)です。そうしますと、引用文献2に引用文献3を適用したときの、予告演出のポイントの付与タイミングは、引用文献2の付与タイミングを採用して予告演出の実行時(図10、図13などを参照)とするか、引用文献3の付与タイミングを採用して予告演出の実行決定時(図18などを参照)とするはずであり、前記適用を行ったとしても、予告演出のポイントの付与タイミングは変動の終了時(『特定情報を可変表示が終了する際に付与する点』)になり得ません(予告演出のポイントの付与タイミングを変動の終了時とする動機付けがありません)。」
と主張する。
しかしながら、本願補正発明では、「可変表示」に関して、「可変表示を行い、」及び「当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に」と特定するにとどまり、「当該予告演出が実行された可変表示が終了する際」の「可変表示が終了する際」が、「可変表示」が停止して何らかの図柄を表示する際以上の格別の技術的意味を持つものとして特定はなされていない。
これに対して、引用発明において、「『7,7,7』等の特定の当たり図柄が特別図柄表示部に表示された場合に」及び「『1,2,3』等の特定の停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合に」との発明特定事項は、「可変表示が終了」(図柄が停止)して、「『7,7,7』等の特定の当たり図柄」あるいは「『1,2,3』等の特定の停止図柄」が特別図柄表示部に表示された場合(際)を意味することに他ならない。
そして、上記記載は、「引用文献2のポイント付与のタイミングは、あくまで、ポイント付与の対象の演出の実行時(図10、図13などを参照)」(上記請求人の主張)であるところ、特に「当たり図柄が特別図柄表示部に表示された場合」あるいは「特定の停止図柄が特別図柄表示部に表示された場合」と特定する以上、「引用文献2のポイント付与のタイミングは、あくまで、ポイント付与の対象の演出の実行時」であって特に「当該演出が実行された可変表示が終了する際」である点で本願補正発明と格別相違するところはない。
なお、本願の発明の詳細な説明及び図面の記載では、「ポイント付与のタイミングは、あくまで、ポイント付与の対象の演出の実行時」であって(図24のS535「獲得ポイント+1」→S536→S537→S538「最終停止図柄導出表示制御」。段落【0277】~【0280】参照)、「当該予告演出が実行された可変表示が終了する際」になされるのは、「ポイント付与されたことを報知する報知画像の表示タイミング」(図24のS537)であると理解される。
図24は次のものである。
したがって、上記請求人の主張は採用できない。
(6)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が引用発明及び引用文献3に記載の事項に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」[理由]「1」において、平成29年9月29日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1として記載したとおりのものである。
2 引用文献及び引用発明
引用発明及び引用文献3に記載された事項は、上記「第2」[理由]「3」「(1)」に記載したとおりである。
3 対比・判断
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「予告演出」に関して、
「有利状態に制御される可能性を予告する複数種類の予告演出」から「複数種類の」との限定を省くとともに、「特定情報付与手段」に関して、「前記予告演出の実行に基づく前記特定情報を、当該予告演出が実行された可変表示が終了する際に、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で付与可能である」から「、当該予告演出の種類に応じて異なる割合で」との限定を省くものである。
これに対して、上記「第2][理由]「3」「(3)」で検討したとおり、上記限定を含む本願補正発明は、引用発明及び引用文献3に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである以上、上記限定を省いたものである本願発明は、上記「第2」[理由]「3」での検討と同様の理由により、引用発明及び引用文献3に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができるものである。
4 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、他の請求項について判断するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2018-005749