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特許拒絶査定不服審判

2018-005110

窓及びマイクロ波エネルギー相互作用材料を備える容器

審判番号
2018-005110
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-518400外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年04月13日
審決日
2019年04月15日
公報発行日
2019年10月25日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (B65D)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-518400「窓及びマイクロ波エネルギー相互作用材料を備える容器」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月11日国際公開、WO2014/197438、平成28年 8月12日国内公表、特表2016-523777〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)6月3日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理2013年6月3日、アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は、概略、次のとおりである。 平成28年8月2日    :上申書、手続補正書の提出 平成29年5月8日付け  :拒絶理由通知書 平成29年8月9日    :意見書、手続補正書の提出 平成29年12月12日付け:拒絶査定 平成30年4月13日   :審判請求書、手続補正書の提出 平成30年5月21日   :手続補正書(方式)の提出 平成30年10月17日付け:拒絶理由通知書 平成31年1月18日   :意見書、手続補正書の提出(以下、この手続補正書による手続補正を「本件補正」という。) 第2 本願発明 (1)本願の特許請求の範囲の請求項1~20に係る発明は、本件補正により補正された特許請求の範囲の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1~20に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「蓋中央パネル及び該蓋中央パネルに折曲可能につながっている複数の蓋サイドパネルを含む蓋であって、前記複数の蓋サイドパネルは、前記蓋中央パネルのそれぞれの縁においてそれぞれの折曲線に沿って該蓋中央パネルにそれぞれ折曲可能につながっている、第1の蓋サイドパネルと第2の蓋サイドパネルと第3の蓋サイドパネルと第4の蓋サイドパネルと第5の蓋サイドパネルとを含み、前記第2の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して斜めであり、前記第3の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して斜めであり、前記第4の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して垂直であり、前記第5の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して垂直であり、前記第2の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルから前記第4の蓋サイドパネルまで延在し、前記第3の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルから前記第5の蓋サイドパネルまで延在する、蓋と、 トレイ中央パネル及び該トレイ中央パネルに折曲可能につながっている複数のトレイサイドパネルを含むトレイと、 前記トレイ中央パネル及び前記蓋中央パネルに折曲可能につながっているサイドパネルであって、前記第4の蓋サイドパネルは該サイドパネルに対して垂直であるとともに、前記第2の蓋サイドパネルから該サイドパネルまで延在し、前記第5の蓋サイドパネルは該サイドパネルに対して垂直であるとともに、前記第3の蓋サイドパネルから該サイドパネルまで延在する、サイドパネルと、 前記サイドパネル、前記トレイ中央パネル及び前記蓋中央パネルの各々の少なくとも一部にある開口と、 を備える、食品の加熱に用いるカートン。」 第3 拒絶の理由 当審が通知した平成30年10月17日付け拒絶理由は、次の理由を含んでいる。 「本件出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内または外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 1.国際公開第92/19515号 2.特表2009-542538号公報 3.特開2012-162311号公報 4.特開平7-277318号公報 5.特開2012-166821号公報 」 第4 引用文献の記載及び引用発明・技術・事項 1.引用文献3(特開2012-162311号公報) (1)引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 なお、「・・・」は省略を示す。 ア. 「【発明の効果】 【0018】 ・・・本発明の包装用容器によれば、簡単な操作でもって、指先等が収容した食品等の物品に直接触れることなく当該物品を取り出すことのできる包装用容器が得られる。 【図面の簡単な説明】 【0019】 【図1】本発明による包装用容器の一実施の形態を示す図であって、(a)はその開放姿勢を示す斜視図、(b)は閉鎖姿勢を示す斜視図。 ・・・ 【図3】図1に示す包装用容器の展開図。 【図4】図1に示す包装用容器から食品を取り出す方法を説明する図であって、(a)は閉鎖姿勢でシートを介して食品を保持した状態を示した斜視図、(b)は包装用容器から食品を取り出した状態を示した斜視図。 ・・・ 【発明を実施するための形態】 【0020】 以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に基づき説明する。図1は本発明による包装用容器の一実施の形態を示している。・・・図3は図1に示す包装用容器の展開図を示している。図4は図1に示す包装用容器から食品を取り出す方法を説明したものである。 【0021】 図1(a)に示すように、包装用容器1は、紙を素材とする全体として箱形の容器(クラムシェル型箱形容器)であって、容器部2と蓋部3とがヒンジ部4を介して開閉自在となっており、閉鎖姿勢にあるときには、蓋部3に形成した突片5,5と容器部2に形成した係止片6,6とが係合して、蓋部3が容器部2から自由に開放するのを阻止するようになっている。 【0022】 容器部2は、底板21と、その4周に位置する前壁22、左右の側壁23,24および後壁25で構成され、蓋部3は、天板31と、その4周に位置する前壁32、左右の側壁33,34および後壁35で構成される。容器部2の後壁25と蓋部の後壁35は上端で連接しており、その接続部が前記ヒンジ部4として機能する。 【0023】 包装用容器1には、容器部2とヒンジ部4と蓋部3にわたる開口41が形成されている。図1(a)に示す例では、開口41は底板21、後壁25、後壁35、及び天板31にわたるようにして形成されているが、後記するように、容器部2内に収容した食品F等の物品(図4参照)を取り出すことができれば、開口41の位置や大きさは任意である。また、人の指で包装用容器1の食品を掴むことができれば、開口41を2個以上に分離して形成してもよい。開口41を底板21および天板31にまでわたるように形成して、人の指先で包装用容器1の食品を天地方向から掴むことができる大きさとすることは好ましい。 【0024】 包装用容器1の内部(内面)には、開口41を覆うように包装用容器内側に例えば樹脂製シートである透明フィルム50が接着固定される。この例では、フィルム50は、底板21と左右の側壁23,24の接続部26,27、及び天板31と左右の側壁33,34の接続部36,37に沿うように配置されることで包装用容器1に対してその位置が規定され、包装用容器1と少なくとも1箇所で接着固定されている。接着は、購買者が包装用容器1の内部の食品を取り出す際の所定の力で簡単に分離できる程度の強さであることが好ましく、それにより、フィルム50を、特に大きな抵抗なく食品Fと共に包装用容器1から取り外すことができる。 【0025】 なお、フィルム50は開口41を覆うことができれば任意の形状であってよく、包装用容器1に対する固定位置も任意である。図1(a)に示す例では、包装用容器1の内部にフィルム50を接着固定しているが、例えば包装用容器1の外側にフィルム50を固定してもよい。また、フィルム50の包装用容器1に対する固定手段は、包装用容器1から食品を取り出すと同時に包装用容器1からフィルム50を取り外すことができれば任意である。さらに、フィルム50に例えばミシン目等の破断部(不図示)を設けておき、包装用容器1から食品を取り出す際に前記固定手段はそのままで、破断部が破断してフィルム50の一部のみが食品と共に包装用容器1から取り外される形態でもよい。 【0026】 図1(a)に示す開放姿勢の包装用容器1の蓋部3をヒンジ部4を利用して回動させて容器部2と重ね合わせ、上記するように蓋部3に形成した突片5,5を容器部2に形成した係止片6,6に係合させることで、図1(b)に示す閉鎖姿勢の包装用容器1となる。」 イ. 「【0030】 図1および図2に示した包装用容器1は任意の方法で作ることができる。一例として、図3に示すように、包装用容器1を形成するブランクスを厚紙等から打ち抜き、それを製函機で製函することで作ることができる。この場合には、ブランクスを抜く際に、包装用容器1の内部に収容する食品Fの一部と開口41の一部がラップする(図中、領域R)ように、予め開口41の大きさや位置を設定する。これにより、ブランクスから包装用容器1を製函した際に購買者が包装用容器1の外部から食品Fの種類等を容易に確認できると共に、食品Fを包装用容器1から取り出す際にもその食品Fを確実に掴むことができる。なお、図3に示すブランクスには、図1に示した包装用容器1の各部分に対応する部分と同じ符号を付している。」 ウ. 「【0032】 次に、図4を参照しながら、購買者が閉鎖姿勢の包装用容器1から食品Fを取り出す方法について説明する。 【0033】 購買者は、例えば一方の手(不図示)で包装用容器1を保持しながら、開口41を覆うように貼られた透明フィルム50を介して包装用容器1の内部に収容された食品F(例えば、ハンバーガー)の種類や位置等を確認する。これらの操作は閉鎖姿勢のまま行うことができ、包装用容器1を開放姿勢とする必要はない。このように例えば一方の手で包装用容器1を持った姿勢で、包装用容器1の底板21や天板31に形成した開口41の天地方向から、指Pでフィルム50を介して食品Fを掴む。その状態が図4(a)に示されている。次いで、指先Pで食品Fを保持しながら、包装用容器1から引き抜き方向(矢印X2方向)に力を掛けて、フィルム50の接着を分離させる。それにより、フィルム50を介して食品Fを保持したままで、食品Fを包装用容器1から取り出すことができる。この状態が図4(b)に示されている。 【0034】 図4に示す例では、開口41の横方向(ヒンジ部4の回転軸方向)の寸法は、包装用容器1の内部に収容された食品Fの横幅よりも小さい。この場合、包装用容器1の剛性を維持できるものの、容器部2の後壁25や蓋部3の後壁35が包装用容器1からの食品Fの取り出しを阻害してしまう。そこで、底板21と後壁25の接続部28や天板31と後壁35の接続部38、さらには後壁25と後壁35の接続部42(ヒンジ部4の開口とされていない部分)に予めミシン目を設け、図4(b)に示すように食品Fの取り出しの際に破断するようにしておく。なお、前記ミシン目は、包装用容器1の剛性を確保できれば、後壁25と左右の側壁23,24の接続部や後壁35と左右の側壁33,34の接続部に設けてもよい。」 エ. 「【0036】 このように閉鎖姿勢から食品Fを取り出すことができるため、包装用容器1からの食品Fの取り出しはきわめて容易となる。また、食品Fをフィルム50を介して保持しながら包装用容器1から取り出し、そのままフィルム50に包まれた食品Fを食べることができ、指先等が収容した食品Fに直接触れることがないため、殆ど手を汚すことなく食品Fを食べることができる。さらに、食べるのを途中で中断する場合には、フィルム50を下敷きにして所望の場所に食品Fを置くことができる。 【符号の説明】 【0037】 1…包装用容器、2…容器部、3…蓋部、4…ヒンジ部、41…開口、50…透明フィルム(シート)、60,70…橋梁部、F…食品、P…指先」 オ.図1 「 」 カ.図3 「 」 キ.図4 「 」 (2)上記(1)について、次の技術的事項を読み取ることができる。 ア.引用文献3の「包装用容器1」は、上記(1)イ.で摘記した段落【0030】に記載されているように、「図3に示すように、包装用容器1を形成するブランクスを厚紙等から打ち抜き、それを製函機で製函することで作る」ものであるところ、上記(1)カ.に掲げた【図3】は製函前である平板状の「包装用容器1」を示し、上記(1)オ.に掲げた【図1】は製函後である立体状の「包装用容器1」を示しているといえる。 この製函前の【図3】と製函後の【図1】からみて、製函時に、「前壁32」及び「左右の側壁33,34」は、それぞれ、「天板31」に対して内向きに折り曲げられるといえる。具体的には、「前壁32」及び「左右の側壁33,34」は、「天板31」のそれぞれの縁においてそれぞれの折曲線に沿って該「天板31」に対して内向きに折り曲げられるといえる。ここで、「前壁32」及び「左右の側壁33,34」は、「天板31」に折曲可能につながっていることは明らかである。 また、製函前の【図3】と製函後の【図1】からみて、製函時には、「前壁22」及び「左右の側壁23,24」は、それぞれ、「底板21」に対して内向きに折り曲げられるといえる。ここで、「前壁22」及び「左右の側壁23,24」は、「底板21」に折曲可能につながっていることは明らかである。 また、製函前の【図3】と製函後の【図1】からみて、製函時には、「後壁25」及び「後壁35」は、「底板21」及び「天板31」に対して内向きに折り曲げられるといえる。ここで、「後壁25」及び「後壁35」は、「底板21」及び「天板31」に折曲可能につながっていることは明らかである。 イ.上記(1)オ.及びカ.で掲げた【図1】及び【図3】をみるに、引用文献3には、「包装用容器1」の形状は四角形状であって、「天板31」に「前壁32」及び「左右の側壁33,34」の3つの壁がつながっており、「左右の側壁33,34」は「前壁32」及び「後壁35」に対して垂直であり、かつ「左右の側壁33,34」は「前壁32」から「後壁35」まで延在する構成が示されている。 (3)上記(1)及び(2)を踏まえると、引用文献3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されているといえる。 「天板31及び該天板31に折曲可能につながっている前壁32、左右の側壁33,34を含む蓋部3であって、前記前壁32、左右の側壁33,34は、前記天板31のそれぞれの縁においてそれぞれの折曲線に沿って前記天板31にそれぞれ折曲可能につながっている、蓋部3と、 底板21及び該底板21に折曲可能につながっている前壁22、左右の側壁23,24を含む容器部2と、 前記底板21及び前記天板31に折曲可能につながっている後壁25及び後壁35と、 前記後壁25及び後壁35、前記底板21及び前記天板31の各々の少なくとも一部にある開口41と、 を備える、食品Fを収容する厚紙から作られた包装用容器1。」 2.引用文献1(国際公開第92/19515号) (1)引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア.第5頁第23~26行 「Referring to the drawings, there is illustrated therein a pizza box 10 suitable for housing and microwave reconstituting a frozen pizza 12 for consumption.」(図面を参照すると、冷凍ピザ12を収容し消費のためにマイクロ波により再構成するのに適したピザボックス10が図示されている。) イ.第5頁第35行~第6頁第1行 「The pizza box 10 is formed from a unitary blank 24 (see Figure 2) by appropriate folding and gluing of panels.](ピザボックス10は、パネルの適切な折り畳みおよび接着によって一体的なブランク24(図2参照)から形成される。) ウ.第6頁第34行~第7頁第4行 「The blank 24 comprises a lower layer 52 of paperboard or similar stock material having sufficient structural strength to permit a relatively rigid box- like structure to be assembled from the blank 24 and an upper layer 54 of polymeric material, such as polyester or polyethylene, which extends for the same dimension as the paperboard layer 52. 」(ブランク24は、比較的剛性の箱状構造体をブランク24から組み立てることを可能にするのに十分な構造的強度を有する板紙または同様の包装材料からなる下層52と、板紙層52と同じ寸法に延びるポリエステルまたはポリエチレンなどのポリマー材料の上層54を含む。) エ.図1 「 」 オ.図2 「 」 (2)上記(1)を踏まえると、引用文献1には、次の技術が示されているといえる。 「カートンを食品の加熱に用いること。」 3.引用文献2(特表2009-542538号公報) (1)引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア. 「【0012】 本発明は概して、電子レンジにおいて食品を加熱し、焦げ目を付け且つ/又はかりかりに焼き上げる、カートン、パウチ、スリーブ、パッケージ、又は他の構造体(まとめて「構造体」)に関する。・・・ 【0013】 図1A~図1Cは、本発明によって使用され得る例示的な従来のカートン100を図示している。カートン100は、ベースパネル即ち底面パネル102(図1C)と、複数の直立壁104と、上部パネル106と、蓋フラップ(closure flap)108とを備える。底面パネル102、壁104及び上部パネル106は、開いた形状のカートン100を図示する図1Bに示すような、1つ又は複数の食品(図示せず)を収容する内部空間110を規定する。」 イ. 「【0018】 1つの例示的な方法に従ってカートン100を使用するために、1つ又は複数の食品(本明細書中では概して「食品」とすることもある(図示せず))を、底面パネル102上にマイクロ波エネルギー相互作用要素116を設けたカートン100の内部空間110に入れてもよく又は準備しておいてもよい。かかる表面118は食品載置(food-bearing:食品支持)表面として機能する。上部パネル106を下向きに折り、フラップ108をカートン100の内部110に折り込んで閉じた位置で固定することができる。食品を内部に有するカートン100は、底面パネル102を電子レンジの床面又はターンテーブル(本明細書中では概して「床面」と称される)に設置するように電子レンジに入れられ得る。このように、表面124は電子レンジ接触表面として機能する。その後、典型的にパッケージの指示書に従って食品を加熱することができる。」 ウ. 「【0028】 多くの他の構造体が本発明によって用いられ得る。限定するものではないが一例として、本発明は、任意の他のカートン、パウチ、スリーブ、カード、トレー、台、シート、包装材、又は任意の他の容器で具現化され得る。様々な構造体は、任意の形状、例えば、三角形、正方形、長方形、円形、楕円形、五角形、六角形、八角形又は任意の他の形状を有し得る。構造体の形状は、加熱される食品(単数又は複数)の形状及び分割サイズによって定めることができ、種々のパッケージが、種々の食品及び食品の組合せ、例えば、生地から成る食品、衣の付いた食品、サンドイッチ、ピザ、フライドポテト、ソフトプレッツェル、チキンナゲット又はチキンストリップ、フライドチキン、一口ピザ(pizza bites)、チーズスティック、ペストリー、生地、春巻、スープ、ディップソース、グレービーソース、野菜等について検討されることを理解されたい。」 エ.「 【図1A】 【図1B】 【図1C】 」 (2)上記(1)のア.及びイ.を踏まえると、引用文献2には、次の技術が示されているといえる。 「カートンを食品の加熱に用いること。」 (3)上記(1)のウ.を踏まえると、引用文献2には、次の事項が示されているといえる(以下、「引用文献2事項」という。)。 「カートンの形状を、食品の形状などによって、六角形や八角形などの多角形を含む任意の形状に定め得ること。」 4.引用文献4(特開平7-277318号公報) (1)引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア. 「【0017】本発明の電子レンジ加熱可能な紙容器の製造方法は、ロール状の板紙11と2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム12とをポリエチレン等の押出ラミネーシヨン、エマルジヨン接着剤によるラミネーシヨンにより積層してロール状の積層原反を作製する。上記ロール状の原反を使用して板紙11面にグラビア印刷方式にて印刷を行うのとインラインで打抜きを行いブランクを作製するか、ないしは上記ロール状の原反を枚葉に断裁した後、板紙11面に紫外線硬化タイプのインキを使用してオフセツト印刷を行い、次いで打抜きを行つてブランクを作製する。窓を有する電子レンジ加熱可能な紙容器を製造するには、枚葉の板紙11を使用して印刷及び打ち抜きを行い、印刷絵柄に対する所定位置に窓5用の開口を設けた後に、エマルジヨン接着剤により2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルム13をラミネーシヨンした後、打抜きを行つてブランクを作製する。上記ブランクを製函機にかけて4隅を貼ることにより製造される。」 イ. 「【0019】 【発明の効果】板紙に2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフイルムを積層した材質にて構成した紙容器であるので、マイクロ波を透過し紙容器に内容物を包装したままで電子レンジによる加熱が可能であると共に、耐水性、耐油性に優れるので内容物に含まれる水分、油分のしみ出しがない。・・・」 (2)上記(1)を踏まえると、引用文献4には、次の技術が示されているといえる。 「カートンを食品の加熱に用いること。」 5.引用文献5(特開2012-166821号公報) (1)引用文献5には、図面とともに次の事項が記載されている。 ア. 「【0007】 サセプターとしては、特許文献1に提案されているように、ポリエステルフイルムにアルミニウムを真空蒸着して薄膜を形成し、蒸着面を紙と貼り合わせたシートが、一般的に用いられている、」 イ. 「【0011】 ・・・上記のようなサセプターを紙トレーや紙皿の底部、カートンの内面に貼り合せたり、筒状にして直接食品を包装するなどの形態で、ピザ、餃子、ハンバーガー、餅などの電子レンジ加熱時の焦げ目付けに利用する・・・」 (2)上記(1)を踏まえると、引用文献5には、次の技術が示されているといえる。 「カートンを食品の加熱に用いること。」 第5 引用発明との対比 1.本願発明と引用発明3を対比すると、引用発明3における「天板31」、「前壁32、左右の側壁33,34」、「蓋部3」、「底板21」、「前壁22、左右の側壁23,24」、「容器部2」、「後壁25及び後壁35」、「開口41」、「食品F」、「厚紙から作られた包装用容器1」は、それぞれ、本願発明における「蓋中央パネル」、「複数の蓋サイドパネル」、「蓋」、「トレイ中央パネル」、「複数のトレイサイドパネル」、「トレイ」、「サイドパネル」、「開口」、「食品」、「カートン」に相当する。また、引用発明3における「食品Fを収容する厚紙から作られた包装用容器1」と本願発明における「食品の加熱に用いるカートン」は、少なくとも、食品用のカートンという限りで一致する。 2.そうすると、本願発明と引用発明3の一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「蓋中央パネル及び該蓋中央パネルに折曲可能につながっている複数の蓋サイドパネルを含む蓋であって、前記複数の蓋サイドパネルは、前記蓋中央パネルのそれぞれの縁においてそれぞれの折曲線に沿って該蓋中央パネルにそれぞれ折曲可能につながっている、蓋と、 トレイ中央パネル及び該トレイ中央パネルに折曲可能につながっている複数のトレイサイドパネルを含むトレイと、 前記トレイ中央パネル及び前記蓋中央パネルに折曲可能につながっているサイドパネルと、 前記サイドパネル、前記トレイ中央パネル及び前記蓋中央パネルの各々の少なくとも一部にある開口と、 を備える、食品用のカートン。」 <相違点1> 複数の蓋サイドパネルについて、本願発明では、第1の蓋サイドパネルと第2の蓋サイドパネルと第3の蓋サイドパネルと第4の蓋サイドパネルと第5の蓋サイドパネルとを含み、前記第2の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して斜めであり、前記第3の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して斜めであり、前記第4の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して垂直であり、前記第5の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルに対して垂直であり、前記第2の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルから前記第4の蓋サイドパネルまで延在し、前記第3の蓋サイドパネルは前記第1の蓋サイドパネルから前記第5の蓋サイドパネルまで延在し、前記第4の蓋サイドパネルはサイドパネルに対して垂直であるとともに、前記第2の蓋サイドパネルから該サイドパネルまで延在し、前記第5の蓋サイドパネルは該サイドパネルに対して垂直であるとともに、前記第3の蓋サイドパネルから該サイドパネルまで延在するのに対して、引用発明3では、前壁32、左右の側壁33,34は、天板31のそれぞれの縁においてそれぞれの折曲線に沿って前記天板31にそれぞれ折曲可能につながっている点。 <相違点2> 食品用のカートンについて、本願発明では加熱に用いるのに対して、引用発明3では加熱に用いるかは明らかでない点。 第6 判断 1.上記<相違点1>について検討する。 引用発明3は、その実施の形態として、「包装用容器1」の形状は四角形状であって、「天板31」に「前壁32」及び「左右の側壁33,34」の3つの壁がつながっており、「左右の側壁33,34」は「前壁32」及び「後壁35」に対して垂直であり、かつ「左右の側壁33,34」は「前壁32」から「後壁35」まで延在するものであり(上記第4の1.(1)オ.及びカ.で掲げた図1及び図3参照。)、この「包装用容器1」の内部に「ハンバーガー」を収容する構成を採るものである(上記第4の1.(1)ウ.で摘記した【0033】参照。)。 ここで、一般に、食品の形状に合わせて、それに適した形状・構造の容器を用いることが日常的に行われていることからすると、引用発明3の「包装用容器1」についても、被収容物たる食品の形状に合わせた形状・構造としてみる程度のことは当業者であれば通常試み得たことといえるから、引用発明3について引用文献2事項、すなわち、「カートンの形状を、食品の形状などによって、六角形や八角形などの多角形を含む任意の形状に定め得ること。」を採用する動機はあるといえる。 このとき、引用発明3は、実施の形態として、平面視円形であるハンバーガーを収納するものであるところ、四角形状の隅を被収容物の形状に合わせて切り欠いた多角形状とすることが容易に想起される一方、後壁25、35とつながっている部分については、「包装用容器1」内の「食品F」を容易に確認することができ、また、「包装用容器1」内の「食品F」を容易に掴み、取り出すという目的(特に、上記第4の1.(1)ア.で摘記した【0018】、【0023】、イ.で摘記した【0030】参照。)を考慮すると、「開口41」を大きくとれる形状、すなわち、四角形状の隅は切り欠かない方が好ましいことも容易に把握できる。 そうすると、「包装用容器1」を上記被収容物の形状に合わせた多角形状とするにあたり、「前壁32」と「側壁33」の間に両壁に対して斜めの壁を備えるとともに、「前壁32」と「側壁34」の間に両壁に対して斜めの壁を備えることで、六角形状とする程度のことは、当業者であれば容易に構成し得たものといえる。実際、本願の優先権主張日当時において、サイドパネルに隣接しかつ垂直の2辺と、サイドパネルに平行な1辺と、前記2辺と1辺との間の斜めの2辺からなる、六角形状の食品用の容器自体は、何ら特異な形状ではなく、広く知られていたものであった(例えば、米国特許第5211329号明細書の特に図1~4、米国特許第5535940号明細書の特に図1~4参照。)。 そうすると、引用発明3について、引用文献2事項を採用し、具体的に、<相違点1>に係る本願発明の構成とする程度のことは、当業者であれば容易に想到し得たことである。 2.上記<相違点2>について検討する。 上記第4の2.(2)、3.(2)、4.(2)、5.(2)に示したように、一般に、カートンを食品の加熱に用いることは、周知の技術である。 引用発明3の「包装用容器1」についても、食品を加熱すれば、その風味や食感が向上するといえるから、引用発明3について上記周知の技術を採用することは、当業者であれば通常動機付けられるといえる。そうすると、引用発明3について上記周知の技術を採用し、もって、<相違点2>に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たこととである。 3.そして、上記<相違点1>及び<相違点2>を総合的に勘案しても、本願発明の奏する作用効果は、引用発明3及び引用文献2事項、上記周知の技術(引用文献1、2、4、5参照)から当業者であれば予測できる範囲内のものにすぎず、格別顕著なものともいえない。 4.なお、出願人は、平成31年1月18日に提出した意見書の「(4)本願発明と引用例との対比」の欄で、「いずれの引例も、サイドパネルにそれぞれ折曲可能につながっている蓋中央パネル及びトレイ中央パネルと、第1の蓋サイドパネルと、それぞれ第1の蓋サイドパネルから第4及び第5の蓋サイドパネルまで延在する第2及び第3の蓋サイドパネルと、それぞれ第2及び第3の蓋サイドパネルからサイドパネルまで延在する第4及び第5の蓋サイドパネルとを有するカートンであって、第2及び第3の蓋サイドパネルは、第1の蓋サイドパネルに対して斜めであり、第4及び第5の蓋サイドパネルは、第1の蓋サイドパネル及びサイドパネルに対して垂直である、カートンを開示しておりません。」と主張した上で、「引例1乃至5には、本願発明の特徴的構成に相当するような構成について開示、教示又は示唆はなく、また、そのような本願発明の構成を想到するような根拠となるような記載もないのであるから、当業者といえども引例1乃至5に記載された発明に基づいて、本願発明を想到することは不可能であります。」と主張している。 しかしながら、上記1.で述べたとおり、引用発明3と引用文献2事項に基づいて、本願発明の形状を有するカートンを構成する程度のことは、当業者であれば容易に想到し得たことである。ゆえに、出願人の上記主張は、当を得たものではなく、採用することができない。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明3及び引用文献2事項、上記周知の技術(引用文献1、2、4、5参照)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである、 よって、結論のとおり審決する。

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2018-005110

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