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特許拒絶査定不服審判

2018-003847

排ガス浄化のための装置

審判番号
2018-003847
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-559226外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年03月19日
審決日
2019年01月21日
公報発行日
2019年07月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (F01N)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-559226「排ガス浄化のための装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年9月6日国際公開、WO2013/127955、平成27年4月2日国内公表、特表2015-510078〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2013年(平成25年)2月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2012年3月2日(DE)ドイツ連邦共和国、2012年9月12日(DE)ドイツ連邦共和国)を国際出願日とする出願であって、平成29年1月26日付け(発送日:平成29年1月31日)で拒絶の理由が通知され、その指定期間内の平成29年4月17日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年5月11日付け(発送日:平成29年5月16日)で拒絶の理由が通知され、その指定期間内の平成29年10月30日に意見書が提出されたが、平成29年11月16日付け(発送日:平成29年11月21日)で拒絶査定がなされ、これに対し、平成30年3月19日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1ないし11に係る発明は、平成29年4月17日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。 「装置(1)であって、排ガス流(4)用のパイプライン部分(2)を有し、前記パイプライン部分(2)は、入口端部(3)と、出口端部(5)と、直線部分(30)と、開口(31)を有する隆起部(17)と、を有し、開口(31)は、液体の添加剤用の配量装置(7)を直線部分(30)に取り付けるためのものであり、前記隆起部(17)は、高さ(32)と、広がり(33)と、を有し、前記広がり(33)は、前記高さ(32)の少なくとも2倍の大きさであり、さらに、前記入口端部(3)および前記出口端部(5)で、それぞれ、少なくとも1つの円板状のハニカム体(6)が配置され、開口(31)の中心軸(34)は、前記円板状のハニカム体(6)の1つへ向けられ、 前記中心軸(34)が向けられる、前記円板状のハニカム体(6)が、前記パイプライン部分(2)のパイプ軸(26)に対する傾斜角(36)を有して配置される、装置。」 第3 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1ないし11に係る発明は、本願の優先権主張の日(以下、「優先日」という。)前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1.独国特許出願公開第102005063081号明細書 引用文献2.特開2008-274852号公報 引用文献3.特開2007-71202号公報 引用文献4.米国特許出願公開第2010/0005791号明細書 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1 (1)引用文献1の記載 平成29年5月11日付け(発送日:平成29年5月16日)の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献1(独国特許出願公開第102005063081号明細書)には、「Einbauteil zur Montage in einem Abgasstrang einer Verbrennungskraftmeschine」(当審仮訳:「内燃機関の排気システムに取り付けるための取り付け部品」)に関して、図面(特に図1及び図2を参照。)とともに以下の事項が記載されている。なお、aウムラウトはae、エスツエットはssと表記した。また、下線は、理解の一助のために当審が付与したものである。 ア 「[0001] Die Erfindung ・・・(中略)・・・zur Folge hat.」(段落[0001]ないし[0003]) (当審仮訳: [0001]この発明は、内燃機関の排気システムに取り付けるための取り付け部品に関連する。 技術の現状 [0002]選択的接触還元またはSCR(選択触媒還元)では、排ガスラインに尿素水溶液を計量供給して、ディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物含有量を減少させる。注入された溶液の尿素は、排気ライン自体で、または場合によって排気ラインに配置された加水分解触媒においてアンモニア(NH3)に変えられる。このアンモニアは、窒素(N2)及び水(H2O)の形成の下でその後のSCR触媒において排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を軽減する。窒素酸化物(NOx)がこの方法でほとんど完全に排気ガスから除かれるために、ディーゼル機関は比較的希薄な混合気で運転することができ、ディーゼル機関の燃費の良い運転が可能になる。尿素水溶液の代わりに、他のアンモニア前駆体または還元剤前駆体を任意に添加してもよく、適した還元剤の窒素酸化物の還元のためのガス状のアンモニア(NH3)またはそのほかの物質は、排気システムにおける条件の下で、このアンモニア前駆体または還元剤前駆体から生じる。 [0003]しかしながら、所望の目的を達成するためには、排気ガスにおける還元剤の均一な分布が非常に重要である。いわゆる「流れストランド」の形でSCR触媒に流入する際に還元剤が排気ガス中に偏在して分布すると、SCR触媒は還元剤に均一に曝されないので、一方で還元剤の不足が問題となり、他方で還元剤の過剰が問題となる。これは、最初の点で述べたように不完全な窒素酸化物(NOx)の変換が問題になる一方、他方でアンモニアは、還元剤として最後の点で述べたようにアンモニアスリップの発生を生じさせる。即ち、SCR触媒によってアンモニアの透通しが生じる。また臭いのもとを生じさせる排気ガスによってアンモニアが漏れ出る。) イ 「[0004] Die erfindungsgemaesse ・・・(中略)・・・verschweisst werden.」(段落[0004]ないし[0013]) (当審仮訳: [0004]それに対して発明に準拠した溶液は、次の利点を示す。この溶液は、特許請求項1において述べられた特徴を伴う部品を有するコンパクトな機能ユニットをSCR触媒の前に排気システムに取り付けることを可能にする。この機能ユニットは、尿素水溶液のような還元剤前駆体の正確な配分を単に形成するのではなく、さらに混合物再生の統合を形成する。即ち、機能ユニットは、還元剤前駆体のガス化または蒸気化を形成する。排気ガスを伴う均一の混合物及び還元剤の完全な置換は、ユニット内で実現化される。 [0005]特に還元剤前駆体は、細かい噴霧の形態で排気ガス噴射口へ供給される。その結果、還元剤前駆体は既に分配時に可能な限り均一に排気ガスにおいて分配される。排気ガスにおいて分配された還元剤前駆体の分配、排気ガスにおいて形成された還元剤及び還元剤前駆体の混合物は、発明の有効な実施例に準拠して計量モジュールの下流に、スタティックミキサーがパイプ部分に配置されることによって改善される。このスタティックミキサーは、排気ガスの流れの方向転換及び回転によって、排気ガス及びそれに含まれる還元剤の改善された混合を生じさせる。これは、パイプ部分の下流に配置されるSCR触媒が、排気ガス及び還元剤前駆体から生じる還元剤に均一に曝されることを可能にする。 [0006]分配された還元剤前駆体の改善された霧化及び迅速な蒸発を生じさせるために、表面蒸発器は発明の有効な形態で配分モジュール及びパイプ部分の下流側端部の間の流れの方向において、特に分配された還元剤前駆体の動きにおいて考慮される。この表面は、同時に目的に適って還元剤前駆体のバッフルとして役立つ。 [0007]この表面蒸発器は、追加的にスタティックミキサーを備えている。しかしながら代わりに還元剤前駆体は、噴霧及び蒸気化のために直接的にスタティックミキサーに噴霧されうる。 [0008]ディーゼル機関の排気ガス温度が、250度以下の駆動時点において、またそれによって還元剤前駆体としての尿素水溶液の利用時にガス状のアンモニアへの尿素の完全な置換が常に保証されない温度において、表面蒸発器及び/またはスタティックミキサーは、尿素水溶液に含まれる水の蒸気化を加速させるために分配された尿素水溶液の温度を高くするために有効に使用される。この目的のために表面蒸発器及び/またはスタティックミキサーは、その温度を250度以上に高めるために加熱されうる。表面蒸発器及び/またはスタティックミキサーの加熱は、特に抵抗加熱によって生じる。これは、表面蒸発器及び/またはスタティックミキサーの少なくとも一部分が電気伝導性の素材から形成され、パイプ部分の周囲壁に対して絶縁される場合である。その結果、表面温度は僅少な排気ガス温度を伴う駆動時点において電気伝導性の素材の供給によって高められる。またそれによって尿素水溶液の蒸気化及び尿素の置換は、加速される。 [0009]表面温を高めることによって生じるような同様の結果は、表面蒸発器及び/またはスタティックミキサーが適合する触媒による被膜を備えることによって達成される。この被膜は、排気システムに支配的な温度においてその大量生産製品における加水分解による尿素の完全な置換を保証する。 [0010]前述の処置によって、同様にパイプ部分の周囲壁、表面蒸発器及び/またはスタティックミキサーにおける尿素の沈殿は回避される。またそれによってアンモニア前駆体の望まれない蓄積は、このような沈殿において回避される。 [0011]還元剤前駆体及び蒸発器の分配範囲において、部品の下で支配的な条件に左右されずに均一な排気ガスの流れ及び全てのパイプ部分を通じて排気ガスの均一な流れの速度を生じさせるために、整流器はパイプ部分上部の正面末端及び計量モジュールの間で目的に適って考慮される。 [0012]特に整流器は、表面蒸発器と同様にパイプ部分に使用されたハニカム状の本体から形成される。この本体は、並行する複数の還流開口部を有する。これは、整流器において排気ガスの流れを真っ直ぐにし、全てのパイプ横断面を通じて流れの速度の均一化を生じさせる。これに対してより短い表面蒸発器において、大きな表面は分配された還元剤前駆体の噴霧のための衝撃面として既に調節されている。 [0013]特にパイプ部分は、両方の正面末端においてねじフランジを備えている。しかしながら同様にパイプ部分は、クリップフランジを備えている。またはパイプ部分は、排気システムの隣接するパイプ部分と溶接される。) ウ 「[0014] Die Erfindung ・・・(中略)・・・dem statischen Mischer.」(段落[0014]ないし[0017]) (当審仮訳: [0014]この発明は、添付された付図に基づいた実施例においてより詳細に述べられる。付図は、以下の通りである。 [0015]付図1は、原動機付車両のディーゼル機関の排気システムに取り付けるための計量モジュール、整流器、蒸発器及びスタティックミキサーを伴う部品の縦断面を示している。 [0016]付図2は、付図1の線A-Aまたは線B-Bに沿って部品の異なる横断面を示している。この横断面は、異なる大きさの還流開口部を伴う整流器及び蒸発器を示している。 [0017]付図3は、スタティックミキサーを伴う部品の上部の正面末端の遠近法を用いた図を示している。) エ 「[0018] Das in der ・・・(中略)・・・gemessen wird.」(段落[0018]ないし[0031]) (当審仮訳: [0018]付図において示された部品2は、ディーゼル機関の排気ガスが流れる原動機付車両(付図において示されていない)の排気ガス管における取り付けのために定められている。また部品は、原動機付車両のSCR触媒の上流に取り付けられる。この原動機付車両において、排気ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)は窒素(N2)及び水(H2O)の形成の下でアンモニア(NH3)との反応によって還元される。 [0019]部品2は、第一に触媒において窒素酸化物(NOx)の還元のために必要なアンモニア(NH3)のための前駆体としての尿素水溶液を触媒の上部から均一に排気ガスに配分するために役立つ。また部品は、第二に尿素水溶液の噴霧と蒸気化、及びアンモニアへの置換を保証し加速させるために役立つ。また部品は、第三に排気ガスの流れにおいて生じたアンモニアを均一に分配するために役立つ。 [0020]付図1において示された部品2は、基本的にシリンダー状の周囲壁6を伴うパイプ部分4から形成される。この周囲壁の内部直径は、排気ガス管の内部直径に一致する。またパイプ部分は、パイプ部分4の両方の対置する正面末端においてねじフランジ8、10を伴い、パイプソケット14の接続フランジ12におけるねじフランジ8、10の間でパイプ部分4の外部面に取り付けられた計量モジュール16を伴う。これは、パイプ部分4の内部への尿素水溶液の分配噴霧のためである。さらにパイプ部分は、計量モジュール16の上流側にねじフランジ8の近くでパイプ部分4の内部へ入れられる整流器18を伴い、計量モジュール15の下流側にパイプ部分4の内部へ入れられる表面蒸発器20を伴い、ねじフランジ10の範囲でパイプ部分4の内部へ入れられるスタティックミキサー36を伴う。 [0021]両方のねじフランジ8、10は、補足的なねじフランジ(付図において示されていない)によって制限された排気ガス管の遮断において、部品2の迅速な取り付けを可能にする。ねじフランジの長さは、パイプ部分4の長さと一致する。 [0022]計量モジュール16を取り付けるためのパイプソケット14は、1つの軸22を有する。この軸は、パイプ部分4の縦軸24に対して20度~60度の角度で傾斜している。その結果、計量モジュール16を用いてパイプ部分4へ供給された噴霧は、排気ガスの流れ方向に対して平らな角度の下でパイプ部分4へ入り、表面蒸発器20へ向けられる。 [0023]計量モジュール16は、基本的に尿素水溶液によって衝撃を与えられた噴霧バルブ(付図において示されていない)を伴う。また計量モジュールは、場合によってパイプソケット14に突出する噴霧ノズル26を伴い、接続フランジ12において計量モジュール16の固定のために役立つバルブ止め具28を伴う。さらに計量モジュール16は、パイプソケット14のバルブ止め具28及び接続フランジ12の間に組み込まれた耐熱防護板30を有し、またパイプソケット14の全ての面で張り出している耐熱防護板30を有する。この耐熱防護板は、接続フランジ12の向こう側に配置された計量モジュール16の構成要素を排気ガス管及びパイプ部分4から放出された熱から保護する。パイプ部分4の上部の面において、耐熱防護板30は一の理由から曲げられる。その結果、耐熱防護板はパイプ部分4のシリンダー状の周囲壁6に対置している。 [0024]パイプ部分4の上流側端部近傍にある整流器18は、全ての流れ部分及びパイプ横断面を通じてパイプ部分4の上流の支配的な条件に左右されずに、パイプ部分4へ流れ込む排気ガスの均一化に役立つ。 [0025]このために整流器18は、複数の小さい還流開口部32を有する。この還流開口部は、パイプ部分4の縦軸24に対して平行に向けられている。また還流開口部は、基本的に同一の流れ横断面及び流れ抵抗を有する。さらに還流開口部は、総じて排気ガスによて還流されている。その結果、排気ガスの流れの速度はパイプ部分4の全ての内部横断面を通じて比較される。 [0026]付図2において詳細に示されているように、整流器18はパイプ部分4へ組み込まれたハニカム状かつシリンダー状の本体34から形成される。この本体は、パイプ部分4の全ての内部横断面を通じて延べている。例えば本体34は、波形にされた薄鋼板から形成されている。この薄鋼板は、螺旋形にシリンダーに巻かれている。その際に近接するコイルは、場合によって互いに溶接され、またははんだ付けされる。同様に付図2において示されているように、還流開口部32の流れ横断面は必要に応じて波形板の頂点における距離及び高さの変更によって変化する。 [0027]表面蒸発器20は、計量モジュール16からパイプ部分4の内部へ放出された尿素水溶液の噴霧放射または噴霧の霧化がより小さなしずくで改善され、それによって尿素水溶液の水部分を蒸発を加速させるために役立つ。目的に適って表面蒸発器20は、計量モジュール16から生じた噴霧放射または噴霧の移動経路に都合よく配置される。また表面蒸発器は、整流器18と類似した横断面を有する。その結果、表面蒸発器は噴霧放射または噴霧のためのより大きなバッフル面を提供する。しかしながら表面蒸発器は、付図1において示されたように整流器18よりも短い。 [0028]シリンダー状の本体34の排気ガスによって加熱された大きな表面は、噴霧化された尿素水溶液の水部分の蒸発を加速させるために同様に役立つ。さらにシリンダー状の本体34は、波形板の表面に塗布される前の触媒の被膜によって、パイプ部分4へ入れられた後で加水分解触媒として作用する。この加水分解触媒は、尿素水溶液の水部分の蒸発後に、あとに残された尿素のアンモニア(NH3)への触媒の置換を生じさせる。 [0029]パイプ部分4の上流側端部近傍に考慮されたスタティックミキサー36は、尿素水溶液の水部分の蒸発時に残る尿素及び加水分解によって尿素から形成されたガス状のアンモニア(NH3)を排気ガスと均一に混合することに役立つ。付図1において示されているように、スタティックミキサー36及び表面蒸発器20は使用される。また発明の範囲において、上述の器具を互いに取り換えることも可能である。 [0030]付図3において詳細に示されているように、スタティックミキサー36はねじフランジ10の内部でパイプ部分4の内部へ入れられた格子38を有する。この格子は、長方形の格子スタッド40の2つの水平刃を伴う。またミキサーは、格子スタッド40によって運ばれたガイドブレード44を有する。ガイドブレード44は、迎角の下で排気ガスの流れ方向(付図1における矢印)に適している。その際にガイドブレードは、並んで対置する傾き方向を有する。それによって生じた排気ガスの流れの渦巻きは、排気ガスとの尿素及び尿素から形成されたガス状のアンモニアの均一の混合を生じさせる。また渦巻きは、それによってアンモニアによるSCR触媒の均一な衝撃を同様に生じさせる。 [0031]尿素水溶液の水部分の蒸発を加速させるために、低い排気ガス温度を伴うディーゼル機関の駆動時点において同様に排気ガスの流れにおいて尿素の加水分解のために必要な温度である約250度を得るために、表面蒸発器20またはスタティックミキサー36は加熱可能である。最初に述べた場合において、表面蒸発器20の本体34は2つの相対する板金コイル、パイプ部分4の周囲壁6に対して遮断された板金コイルから形成される。それに対して最後に述べた場合において、スタティックミキサー36の格子スタッド40はガイドブレード44によってパイプ部分4の周囲壁6及び格子スタッド42に対して電気的に絶縁される。その際、電気的に絶縁された板金コイル及び格子スタッド40は、車両のディーゼル機関における排気ガスの後処理時に、調整器(付図において示されていない)を通じた列切り替えにおいて車両のバッテリーと接続される。調整器は、排気ガスの温度に左右左右されて板金コイル及び格子スタッド40への電流供給を制御する。この温度は、温度センサー(付図において示されていない)によって測定される。) オ 上記エの段落[0018]の「付図において示された部品2は、ディーゼル機関の排気ガスから還流する原動機付車両(付図において示されていない)の排気ガス管における取り付けのために定められている。」という記載及び段落[0020]の「付図1において示された部品2は、基本的にシリンダー状の周囲壁6を伴うパイプ部分4から形成される。」という記載から、引用文献1には、排気ガス用の、パイプ部分4を有する部品2が記載されていることが分かる。 カ 上記エの段落[0020]の「付図1において示された部品2は、基本的にシリンダー状の周囲壁6を伴うパイプ部分4から形成される。(中略)またパイプ部分は、パイプ部分4の両方の対置する正面末端においてねじフランジ8、10を伴い、パイプソケット14の接続フランジ12におけるねじフランジ8、10の間でパイプ部分4の外部面に取り付けられた計量モジュール16を伴う。これは、パイプ部分4の内部への尿素水溶液の分配噴霧のためである。」という記載、及び段落[0022]の「計量モジュール16を取り付けるためのパイプソケット14は、1つの軸22を有する。」という記載及び図1の記載から、引用文献1に記載された部品2のパイプ部分4は、入口端部と、出口端部と、シリンダー状の周囲壁6と、パイプ部分4の内部への尿素水溶液の分配噴霧のための計量モジュール16が取り付けられる開口を有するパイプソケット14を有することが分かる。 キ 上記エの段落[0020]の「またパイプ部分は、パイプ部分4の両方の対置する正面末端においてねじフランジ8、10を伴い、パイプソケット14の接続フランジ12におけるねじフランジ8、10の間でパイプ部分4の外部面に取り付けられた計量モジュール16を伴う。」という記載、及び段落[0022]の「計量モジュール16を取り付けるためのパイプソケット14は、1つの軸22を有する。この軸は、パイプ部分4の縦軸24に対して20度~60度の角度で傾斜している。」という記載、及び図1から、計量モジュール16が取り付けられる開口を有するパイプソケット14は、高さと、縦軸24方向の長さとを有することが分かる。 また、上記の記載から、パイプソケット14の軸22とパイプ部分4の縦軸24とが20度~60度の角度をなすことが分かる。このうち、少なくとも、上記角度が20度~26度のものは、タンジェントが0.5未満であるから、パイプソケット14の縦軸24方向の長さが、パイプソケット14の高さの2倍より大きくなるものである。 ク 上記イの段落[0012]の「特に整流器は、表面蒸発器と同様にパイプ部分に使用されたハニカム状の本体から形成される。」という記載、上記エの段落[0020]の「さらにパイプ部分は、計量モジュール16の上流側にねじフランジ8の近くでパイプ部分4の内部へ入れられる整流器18を伴い、計量モジュール15の下流側にパイプ部分4の内部へ入れられる表面蒸発器20を伴い、ねじフランジ10の範囲でパイプ部分4の内部へ入れられるスタティックミキサー36を伴う。」という記載、段落[0024]の「パイプ部分4の上流側端部近傍にある整流器18は、全ての流れ部分及びパイプ横断面を通じてパイプ部分4の上流の支配的な条件に左右されずに、パイプ部分4へ流れ込む排気ガスの均一化に役立つ。」という記載、及び段落[0026]の「付図2において詳細に示されているように、整流器18はパイプ部分4へ組み込まれたハニカム状かつシリンダー状の本体34から形成される。」という記載並びに図1及び図2の記載から、パイプ部分4の入口には円板状のハニカム体である整流器18が設けられていることが分かる。 ケ 上記エの段落[0020]の「さらにパイプ部分は、計量モジュール16の上流からねじフランジ8の近くでパイプ部分4の内部へ入れられる整流器18を伴い、計量モジュール15の下流からパイプ部分4の内部へ入れられる表面蒸発器20を伴い、ねじフランジ10の範囲でパイプ部分4の内部へ入れられるスタティックミキサー36を伴う。」という記載、段落[0022]の「その結果、計量モジュール16を用いてパイプ部分4へ供給された噴霧は、排気ガスの流れ方向に対して平らな角度の下でパイプ部分4へ入り、表面蒸発器20へ向けられる。」という記載、及び段落[0027]の「また表面蒸発器は、整流器18と類似した横断面を有する。」という記載並びに図1及び図2の記載から、パイプ部分4の計量モジュール16の下流には、円板状のハニカム体である表面蒸発器20が設けられていることが分かる。 コ 上記エの段落[0027]の「表面蒸発器20は、計量モジュール16からパイプ部分4の内部へ放出された尿素水溶液の噴霧放射または噴霧の霧化がより小さなしずくで改善され、それによって尿素水溶液の水部分を蒸発を加速させるために役立つ。表面蒸発器20は、計量モジュール16から生じた噴霧放射または噴霧の移動経路に都合よく配置される。」という記載及び図1の記載から、表面蒸発器20は、計量モジュール16から生じた噴霧の経路に都合良く配置され、パイプ部分4の縦軸24に交差するように配置されることが分かる。 (2)引用発明 以上から、上記引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「部品2であって、排気ガス用のパイプ部分4を有し、前記パイプ部分4は、入口端部と、出口端部と、シリンダー状の周囲壁6と、開口を有するパイプソケット14と、を有し、開口は、尿素水溶液用の計量モジュール16をシリンダー状の周囲壁6に取り付けるためのものであり、前記パイプソケット14は、高さと、縦軸24方向の長さと、を有し、前記縦軸24方向の長さは、前記高さの2倍より大きいものを含み、さらに、前記入口端部および前記出口端部で、それぞれ、少なくとも1つの円板状のハニカム体(整流器18及び表面蒸発器20)が配置され、パイプソケット14の軸22は、前記円板状のハニカム体の1つ(表面蒸発器20)へ向けられ、 前記パイプソケット14の軸22が向けられる、前記円板状のハニカム体(表面蒸発器20)が、前記パイプ部分4の縦軸24に交差するように配置される、装置。」 2 引用文献2 (1)引用文献2の記載 平成29年5月11日付け(発送日:平成29年5月16日)の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された引用文献2(特開2008-274852号公報)には、図面(図1ないし図5、特に図3ないし図5を参照。)とともに次の事項が記載されている。 ア 「【0002】 触媒上流の排気通路内に還元剤供給装置を配置し、触媒において、還元剤供給装置から供給された還元剤と排気とを反応させ、排気浄化をするようにした内燃機関の排気浄化装置では、触媒における還元剤のすり抜けを防止し、還元剤を有効に利用するために、還元剤を排気ガスと十分混合し、また、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散させることが好ましい。 【0003】 還元剤供給装置から触媒までの排気通路空間が大きければ、還元剤は十分混合され、広く分散させることが可能であるが、車両構造による制限のため、還元剤供給装置から触媒までの排気通路空間を大きくすることができない。そこで、従来より、図2に示すように、還元剤供給装置の下流であって、触媒に対して上流側に、還元剤を排気ガスと混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散させるために、分散板が備えられている。この分散板と略同様の作用効果を得ることを目的とする要素が、特許文献1、特許文献2、特許文献3に、それぞれ整流格子、ミキサー、混合器として紹介されている。 【0004】 【特許文献1】特開2005-214100号公報 【特許文献2】特表2001-516635号公報 【特許文献3】特表2003-503172号公報」 イ 「【0005】 図2の分散板や、特許文献1、特許文献2、特許文献3の整流格子、ミキサー、混合器では、特許文献1に示されるような排気通路の曲がり部に還元剤供給装置を配置し、還元剤を整流格子の入口断面に対して略垂直な方向から噴射し、整流格子の入口断面において略均一に広がるように噴射する場合には、還元剤と排気ガスとの混合が良好に行われ、混合流れを略均一に触媒に導くことができる。しかし、上述の浄化装置と他の浄化装置とを併用する等の、浄化装置の改良に伴う構造上の変化により、還元剤供給装置を排気通路の曲がり部に配置することが困難となっている。 【0006】 そこで、図2に示すように、還元剤供給装置を排気通路の直管部に配置し、還元剤を斜めの方向から噴射することが行われるが、この場合には、排気通路の上部と下部との間に混合流れの不均一を生じる。混合流れの不均一に対する対策としては、分散板に多数のフィンを取り付け、混合流れを強制的に分散させる方法等が存在するが、分散板の形状が複雑となり、生産性が悪く、耐久性に欠け、圧力損失が大きい等の問題を有する。 【0007】 本発明は、還元剤供給装置を排気通路の直管部に配置し、還元剤を斜めの方向から噴射する場合において、還元剤と排気ガスとの良好な混合を行なうことができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供することを目的としている。」 ウ 「【0008】 請求項1に記載の発明によれば、触媒上流の排気通路直管部に還元剤供給装置を配置し、排気通路に対して斜めの方向から還元剤を噴射し、触媒において、還元剤供給装置から供給された還元剤と排気とを反応させ、排気浄化をするようにした内燃機関の排気浄化装置において、還元剤供給装置の下流であって、触媒に対して上流側に、還元剤と排気とを混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散させる分散板を備え、分散板の、還元剤及び排気が流入する入口部が、排気通路軸方向断面において略直線を形成し、この直線の、還元剤供給装置の噴射軸線方向に対する角度が、略直角であることを特徴とする、分散板が提供される。 【0009】 すなわち、請求項1の発明では、噴射された還元剤の、分散板までの到達距離を略等しくし、蒸発時間を略等しくすることができるため、還元剤と排気ガスの良好な混合を行なうことができ、また、混合流れを排気通路全体に分散させることができるため、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる。更に、排気通路管壁へ付着する還元剤の量も減少させることができ、従来と同一の還元剤添加量で比較した場合には、浄化性能が向上する。従って、還元剤と排気ガスの良好な混合を行なうことができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供するという目的を達成することができる。 【0010】 請求項2に記載の発明によれば、分散板が、排気通路軸方向に対して平行に配置された複数の平板によって構成され、複数の平板の、排気通路軸方向上流から見た端縁部が、排気通路軸方向に対して略垂直方向に略直線状に延び、この直線が、還元剤供給装置の噴射軸線方向に対して、略直角となるように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の分散板が提供される。 【0011】 すなわち、請求項2の発明では、分散板を、排気通路軸方向に対して平行な複数の平板によって構成し、上述のように配置することにより、還元剤を、分散板の各平板に略均等に噴射することができるため、還元剤と排気ガスの良好な混合を行なうことができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる。この分散板は、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供するという目的を達成することができる。 【0012】 請求項3に記載の発明によれば、分散板が、排気通路軸方向に対する垂直断面が十字状に組み合わされ、前記排気通路軸方向に対して平行に配置された、複数の平板によって構成され、複数の平板の、排気通路軸方向上流から見た端縁部の、十字状に直交する各辺が、還元剤供給装置の噴射軸線方向に対して、略45度となるように配置されることを特徴とする、請求項1に記載の分散板が提供される。 【0013】 すなわち、請求項3の発明では、複数の平板を、十字状に直交するように構成し、上述のように配置することにより、還元剤を、より広い表面積で分散板に噴射することができるため、還元剤が、より蒸発し易く、分散性が向上する。従って、還元剤と排気ガスとの混合を更に良好に行い、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができ、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供することができる。 【0014】 請求項4に記載の発明によれば、分散板の、分散板入口部から分散板出口部までの軸方向長さが、排気通路軸方向断面における上部から下部にわたって略同一であることを特徴とする、請求項1に記載の分散板が提供される。 【0015】 すなわち、請求項4の発明では、分散板の軸方向長さを、排気通路軸方向断面における上部から下部にわたって略同一とすることにより、分散板内の温度分布や圧力損失等を略均一にすることができ、分散板内の各平板に噴射した後の還元剤の蒸発や、還元剤の、各平板への付着等も略均等とすることができる。従って、触媒に対してより均一化された混合流れを供給することができ、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供することができる。 【発明の効果】 【0016】 各請求項に記載の発明によれば、還元剤供給装置を排気通路の直管部に配置し、還元剤を斜めの方向から噴射する場合において、還元剤と排気ガスとの良好な混合を行なうことができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供するという共通の効果を奏する。」 エ 「【0018】 図1は、本発明を分散板に適用した場合の、実施形態の概略構成を説明する排気通路軸方向断面図である。触媒3の上流の排気通路1の直管部に還元剤供給装置5を配置し、排気通路1に対して斜めの方向から還元剤を噴射する。触媒3では、還元剤供給装置5から供給された還元剤と排気とを反応させ、排気浄化を行う。還元剤供給装置5の下流であって、触媒3に対して上流側に、還元剤と排気とを混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散させる分散板6a又は6bを備える。分散板6a又は6bは、複数の平板を、分散板内に排気通路軸方向に対して平行に配置して構成する。分散板6a及び6bの形状は、以下の図3及び図4の説明で詳述する。 【0019】 図1に示すように、分散板6a又は6bは、排気通路軸方向断面において、分散板入口部61が略直線となるように形成し、この直線が還元剤供給装置5の噴射軸線方向に対してなす角度Bを、略直角となるように構成する。 【0020】 このように構成するので、図1の発明では、噴射された還元剤の、分散板6a又は6bまでの到達距離が略等しくなり、蒸発時間が略等しくなるため、還元剤と排気ガスの良好な混合を行なうことができる。また、混合流れを排気通路1全体に分散させることができるため、触媒3に対して略均一な混合流れを供給することができる。また、排気通路管壁2へ付着する還元剤の量も減少させることができ、従来と同一の還元剤添加量で比較した場合には、浄化性能が向上する。従って、還元剤を排気ガスと良好に混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散することができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、低圧損の、分散板を提供するという目的を達成することができる。 【0021】 図2は、従来の内燃機関の排気浄化装置の、実施形態の概略構成を説明する排気通路軸方向断面図であり、図1を図2と比較すると、排気通路軸方向断面における分散板入口部の角度が異なることが理解できる。 【0022】 図3は、図1の分散板の一実施形態の概略構成を説明する図であり、分散板入口方向から見た図である。分散板6aを、排気通路軸方向に対して平行に配置された複数の平板62によって構成し、複数の平板62の、排気通路軸方向上流から見た端縁部65を、排気通路軸方向に対して略垂直方向に略直線状に延びるように構成し、この直線の、還元剤供給装置の噴射軸線方向に対してなす角度Dを、略直角となるように配置する。 【0023】 このように配置すると、還元剤を、分散板6aの平板62に略均等に噴射することができるため、還元剤を排気ガスと良好に混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散することができ、触媒3に対して略均一な混合流れを供給することができる。この分散板6aは、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失を小さくすることができる。 【0024】 図4は、図1の分散板の他の実施形態の概略構成を説明する図であり、分散板入口方向から見た図である。分散板6bは、排気通路軸方向に対する垂直断面を十字状に組み合わせ、排気通路軸方向に対して平行に配置した複数の平板63によって構成し、複数の平板63の、排気通路軸方向上流から見た端縁部66(図4参照)の、十字状に直交する各辺の、還元剤供給装置の噴射軸線方向に対してなす角度Eを、略45度となるように配置する。 【0025】 このように配置すると、還元剤を、より広い表面積で分散板6bに噴射することができるため、還元剤が、より蒸発し易く、分散性が向上する。従って、還元剤を排気ガスと良好に混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散することができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することがでる。この分散板6bは、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失を小さくすることができる。 【0026】 図5は、本発明を分散板に適用した場合の、他の実施形態の概略構成を説明する排気通路軸方向断面図である。分散板6cの、分散板入口部61から分散板出口部64までの軸方向長さを、排気通路軸方向断面における上部から下部にわたって略同一に構成する。 【0027】 すなわち、分散板6cの、分散板入口部61から分散板出口部64までの軸方向長さを略同一とすることにより、分散板6c内の温度分布や圧力損失等を略均一にすることができ、分散板を構成する各平板に噴射した後の還元剤の蒸発や、還元剤の、各平板への付着等を略均等とすることができ、触媒3に対してより均一化された混合流れを供給することがでる。この分散板は、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失を小さくすることができる。更に、この構成では、排気浄化装置を計算モデルでシミュレーションする場合に、より簡単で正確な、還元剤すり抜けモデルや蒸発モデルを構成することができる。」 オ 上記段落【0008】の「還元剤供給装置の下流であって、触媒に対して上流側に、還元剤と排気とを混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散させる分散板を備え」という記載、段落【0011】の「分散板を、排気通路軸方向に対して平行な複数の平板によって構成し、上述のように配置することにより、還元剤を、分散板の各平板に略均等に噴射することができるため、還元剤と排気ガスの良好な混合を行なうことができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる。」という記載、及び上記段落【0013】の「複数の平板を、十字状に直交するように構成し、上述のように配置することにより、還元剤を、より広い表面積で分散板に噴射することができるため、還元剤が、より蒸発し易く、分散性が向上する。従って、還元剤と排気ガスとの混合を更に良好に行い、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができ、形状が簡単で、生産性が高く、耐久性を有し、圧力損失が小さい分散板を提供することができる」という記載から、引用文献2に記載された分散板は、「還元剤と排気とを混合し、還元剤を排気通路の断面全体にわたって広く分散させる」、「還元剤と排気ガスの良好な混合を行なうことができ、触媒に対して略均一な混合流れを供給することができる」、「還元剤が、より蒸発し易く、分散性が向上する」という機能を有するものであることが分かる。 カ 上記段落【0018】の「触媒3の上流の排気通路1の直管部に還元剤供給装置5を配置し、排気通路1に対して斜めの方向から還元剤を噴射する。」という記載並びに図1及び図5の記載から、還元剤の噴射方向は、排気通路1に対して斜めの方向であることが分かる。 また、上記段落【0019】の「図1に示すように、分散板6a又は6bは、排気通路軸方向断面において、分散板入口部61が略直線となるように形成し、この直線が還元剤供給装置5の噴射軸線方向に対してなす角度Bを、略直角となるように構成する。」という記載から、分散板入口部61は、還元剤供給装置5の噴射軸線方向に対して、略直角に配置されていることが分かる。すなわち、分散板入口部61の面の法線方向は、還元剤供給装置5の噴射軸線方向と略一致している。 そして、上記のように、還元剤供給装置5の噴射軸線方向は排気通路軸方向に対して傾斜しているから、分散板入口部61の面の法線方向も、排気通路軸方向に対して傾斜していることが分かる。 キ 上記カ並びに図1及び図5の記載から、引用文献2には、還元剤供給装置5の噴射軸線が向けられる分散板6a、6b、6cの入口部61の面の法線方向が排気通路1の軸方向に対して傾斜するように配置されることが記載されているといえる。 ク さらに、上記段落【0026】の「図5は、本発明を分散板に適用した場合の、他の実施形態の概略構成を説明する排気通路軸方向断面図である。分散板6cの、分散板入口部61から分散板出口部64までの軸方向長さを、排気通路軸方向断面における上部から下部にわたって略同一に構成する。」という記載、及び段落【0027】の「すなわち、分散板6cの、分散板入口部61から分散板出口部64までの軸方向長さを略同一とすることにより、分散板6c内の温度分布や圧力損失等を略均一にすることができ、分散板を構成する各平板に噴射した後の還元剤の蒸発や、還元剤の、各平板への付着等を略均等とすることができ、触媒3に対してより均一化された混合流れを供給することがでる。」という記載から、図5の実施形態は、分散板6cの、分散板入口部61から分散板出口部64までの軸方向長さが略同一となっていることから、分散板の入口部61の面及び分散板出口部64の面の法線方向が排気通路1の軸方向に対して傾斜するように配置される、すなわち、分散板の法線方向が排気通路1の軸方向に対して傾斜するように配置されることが分かる。 (2)引用文献2記載事項 以上から、上記引用文献2には次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「還元剤供給装置5の噴射軸線が向けられる分散板6cの法線方向が排気通路1の軸方向に対して傾斜するように配置されること。」 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「部品2」は、本願発明の「装置(1)」に相当し、以下同様に、「排気ガス」は「排ガス流(4)」に、「パイプ部分4」は「パイプライン部分(2)」に、「入口端部」は「入口端部(3)」に、「出口端部」は「出口端部(5)」に、「シリンダー状の周囲壁6」は「直線部分(30)」に、「開口」は「開口(31)」に、「パイプソケット14」は「隆起部(17)」に、「尿素水溶液」は「液体の添加剤」に、「計量モジュール16」は「配量装置(7)」に、「高さ」は「高さ(32)」に、「円板状のハニカム体」は「円板状のハニカム体(6)」に、「パイプソケット14の軸22」は「開口(31)の中心軸(34)」に、「パイプ部分4の縦軸24」は「パイプライン部分(2)のパイプ軸(26)」に、それぞれ相当する。 また、本願明細書の段落【0014】の「直線部分には、そのほかに、液体の添加剤用の配量装置の取り付けのための開口を有する、(ちょうど)1つの隆起部が設けられ、隆起部は、高さおよび広がりを有し、広がりは、高さの少なくとも2倍の大きさである。それで、隆起部は、側面でほぼ鋭角三角形と同じになり、短い辺に開口が設けられる。隆起部の特性表示のために、パイプライン部分は、円筒形の直線部分と「その上に取り付けられた」隆起部とに思考的に分割されてもよく、隆起部の幾何的大きさが、この円筒形の直線部分に関し、直ちに定められるようになっている。これに関して、添加剤が、可能な限り浅い角で、および/または可能な限り広い流入領域で、円筒形の直線部分に配量されると、有利である。それで、隆起部に、配量される添加剤用の拡張体積も設けられ、拡張体積は、排ガス流に過度にさらされず、従って、隆起部における所望のスプレーパターンの形成に、強い影響をほとんど与えない。その理由から、隆起部の広がり(パイプライン部分の広がりに平行)は、少なくとも2、特に2.5、の因数だけ、またはさらに3の因数だけ、隆起部の高さ(広がりに垂直)よりも大きくあるべきであることが、ここで予め定められる。」という記載を参照すると、本願発明における「広がり」とは、(隆起部の)パイプの軸方向の長さであることが分かる。したがって、引用発明における「縦軸24方向の長さ」は、本願発明における「広がり」に相当する。 そして、引用発明の「前記縦軸24方向の長さは、前記高さの2倍より大きいものを含み」は、「前記広がりは、前記高さの2倍より大きいものを含み」という限りにおいて、本願発明の「前記広がり(33)は、前記高さ(32)の少なくとも2倍の大きさであり」と一致する。 また、本願明細書の段落【0056】の「出口端部5での円板状のハニカム体6のノーマル方向は、パイプ軸26に平行である必要はない。円板状のハニカム体6が、傾斜角36だけ、パイプ軸26に対し傾けられることが、可能である。」という記載を参照すると、本願発明における「傾斜角」とは、円板状のハニカム体6のノーマル方向(法線方向、垂直方向)と、パイプ軸26とのなす角であることが分かる。したがって、引用発明の「前記パイプソケット14の軸が向けられる、前記円板状のハニカム体(表面蒸発器20)が、前記パイプ部分4の縦軸24に交差するように配置される」は、「前記中心軸が向けられる、前記円板状のハニカム体が、前記パイプライン部分のパイプ軸に対する所定の角度を有して配置される」という限りにおいて、本願発明の「前記中心軸が向けられる、前記円板状のハニカム体が、前記パイプライン部分のパイプ軸に対する傾斜角を有して配置される」と一致する。 したがって、両者は、 「装置であって、排ガス流用のパイプライン部分を有し、前記パイプライン部分は、入口端部と、出口端部と、直線部分と、開口を有する隆起部と、を有し、開口は、液体の添加剤用の配量装置を直線部分に取り付けるためのものであり、前記隆起部は、高さと、広がりと、を有し、前記広がりは、前記高さの2倍より大きいものを含み、さらに、前記入口端部および前記出口端部で、それぞれ、少なくとも1つの円板状のハニカム体が配置され、開口の中心軸は、前記円板状のハニカム体の1つへ向けられ、 前記中心軸が向けられる、前記円板状のハニカム体が、前記パイプライン部分のパイプ軸に対する所定の角度を有して配置される、装置。」 という点で一致し、次の点で相違又は一応相違する。 (相違点1)広がりと高さの関係に関して、本願発明においては、「前記広がり(33)は、前記高さ(32)の少なくとも2倍の大きさであ」るのに対し、引用発明においては、「前記縦軸24方向の長さは、前記高さの2倍より大きいものを含」む点。 (相違点2)ハニカム体とパイプ軸の角度に関し、本願発明においては、「前記中心軸が向けられる、前記円板状のハニカム体が、前記パイプライン部分のパイプ軸に対する傾斜角を有して配置される」のに対し、引用発明においては、「前記パイプソケット14の軸が向けられる、前記円板状のハニカム体(表面蒸発器20)が、前記パイプ部分4の縦軸24に交差するように配置される」点。 第6 判断 上記相違点について検討する。 (1)相違点1について 上記第4 1(1)キにおいて検討したように、引用文献1の段落[0022]には「計量モジュール16を取り付けるためのパイプソケット14は、1つの軸22を有する。この軸は、パイプ部分4の縦軸24に対して20度~60度の角度で傾斜している。」と記載されており、軸22と縦軸24とが20度~60度の角度をなすことが分かる。このうち、少なくとも角度が20度~26度のものは、タンジェントが0.5未満であるから、パイプソケット14の縦軸24方向の長さが、パイプソケット14の高さの2倍より大きくなるものである。 したがって、上記相違点1は、実質的な相違点ではない。 (2)相違点2について 相違点2に係る本願発明の「前記中心軸が向けられる、前記円板状のハニカム体が、前記パイプライン部分のパイプ軸に対する傾斜角を有して配置される」は、本願明細書の段落【0056】の「出口端部5での円板状のハニカム体6のノーマル方向は、パイプ軸26に平行である必要はない。円板状のハニカム体6が、傾斜角36だけ、パイプ軸26に対し傾けられることが、可能である。」との記載を参酌すると、「前記中心軸が向けられる、前記円板状のハニカム体6のノーマル方向(法線方向)が、前記パイプライン部分のパイプ軸に対する傾斜角を有して配置される」という意味である。 引用文献2には、「還元剤供給装置5の噴射軸線が向けられる分散板6cの法線方向が排気通路1の軸方向に対して傾斜するように配置されること」(上記「引用文献2記載事項」)が記載されている。 本願発明と引用文献2記載事項とを対比すると、引用文献2記載事項における「還元剤供給装置5の噴射軸線」は、本願発明における「中心軸」に相当し、以下同様に、「排気通路1の軸方向」は「パイプライン部分のパイプ軸」に、それぞれ相当する。 また、引用文献2記載事項における「分散板6c」は図5の実施形態では分散板入口部61から分散板出口部64までの軸方向長さが上部から下部にわたって略同一に構成されているハニカム体であるから、「ハニカム体」という点で、本願発明における「円板状のハニカム体」と共通する。 そして、引用文献2記載事項における「分散板6cの法線方向が排気通路1の軸方向に対して傾斜するように配置されること」は、「ハニカム体が、パイプライン部分のパイプ軸に対して傾斜するように配置されること」という点で、本願発明における「円板状のハニカム体が、パイプライン部分のパイプ軸に対して傾斜するように配置されること」と共通する。 したがって、引用文献2記載事項は、本願発明の用語を用いて、「中心軸が向けられる、ハニカム体が、パイプライン部分のパイプ軸に対して傾斜するように配置されること」と言い換えることができる。 そして、引用発明と、引用文献2記載事項とは、排気ガスの処理装置という共通の技術分野において、排気ガスに還元剤を均一に噴霧するという共通の課題を有するものである。 また、引用発明における表面蒸発器20と、引用文献2記載事項における分散板とは、還元剤を広く分散させて蒸発させるという共通の機能を有している。 したがって、引用発明において引用文献2記載事項を適用することに十分な動機があり、引用発明の「円板状ハニカム体」に、引用文献2記載事項を適用することにより、相違点2に係る本願発明の上記発明特定事項は、当業者が容易に想到できたものである。 また、本願発明は、全体としてみても、引用発明及び引用文献2記載事項から予測し得ない格別な効果を奏するものではない。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献2記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-003847

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