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特許拒絶査定不服審判

2018-002435

ピアツーピアネットワーク上のデバイス間において協調的な相互作用を可能にするための方法および装置

審判番号
2018-002435
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-140457外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年02月21日
審決日
2018年12月03日
公報発行日
2019年06月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .537-Z (H04M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法36条6項1号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-140457「ピアツーピアネットワーク上のデバイス間において協調的な相互作用を可能にするための方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月28日出願公開、特開2016-225999〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2013年(平成25年)12月18日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年1月1日 米国)を国際出願日として出願した特願2015―550486号の一部を、平成28年7月15日に新たな特許出願としたものであって、平成28年8月15日に手続補正書が提出され、平成29年6月23日付けの拒絶理由の通知に対し、同年9月1日に意見書が提出されたが、同年10月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成30年2月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1-57に係る発明は、平成28年8月15日になされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1-57に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項1、4、6、7及び9に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」、「本願発明4」、「本願発明6」、「本願発明7」及び「本願発明9」といい、これらをまとめて「本願発明」という。)は、以下のとおりである。 「 【請求項1】 通信の方法であって、 第1のユーザデバイスが、第2のユーザデバイスからブロードキャストされた第1のメッセージを受信することと、ここにおいて、前記第1のメッセージは、前記第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、または前記第2のユーザデバイスに関連付けられる前記イベントの前記発生に基づいて前記第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを修正するよう前記第1のユーザデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含み、前記第1のユーザデバイスおよび前記第2のユーザデバイスは、ピアネットワークに関連付けられる、 前記第1のメッセージを受信することに応答して、前記1つまたは複数の機能のうちの前記少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更することと を備える、方法。 【請求項3】 前記第2のユーザデバイスが前記ピアネットワークに関連付けられることを検出すること をさらに備える、請求項1に記載の方法。 【請求項4】 前記第1のユーザデバイスの前記1つまたは複数の機能のうちのどれが前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージを、前記第1のユーザデバイスが、少なくとも前記第2のユーザデバイスに送信すること をさらに備え、 前記第1のユーザデバイスの前記1つまたは複数の機能のうちのどれが前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示す前記メッセージは、周期的基準で送信される、請求項3に記載の方法。 【請求項6】 前記1つまたは複数の機能は、 ユーザによって現在使用されているアプリケーション、 前記アプリケーションに関連付けられる情報を現在提示しているユーザインタフェース、または、 前記アプリケーションによって現在使用されている聴覚出力メカニズム のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 前記1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを前記標準の動作状態から前記修正された動作状態に変更することは、 前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなアプリケーションの動作を中止すること、 前記ピアネットワーク上において帯域幅使用を修正すること、 前記第1のユーザデバイス上においてユーザインタフェースをオフにすること、または、 前記第1のユーザデバイス上においてコンテンツの提示を一時停止すること のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。 【請求項9】 前記イベントの前記発生は、前記第2のユーザデバイスによる呼の受信または開始を備える、請求項1に記載の方法。」 第3 原査定の拒絶の理由の概要 原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 2.(サポート要件)本件出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 記 ●理由2(サポート要件)について 1.請求項 1-9,16-23,30-37,44-51 ・備考 請求項1記載の「ブロードキャストされた第1のメッセージ」は、発明の詳細な説明に記載されていない。 請求項16,30,44、及びこれらの請求項を引用する請求項2-9,17-23,31-37,45-51も、同様である。 出願人は平成28年8月15日付け上申書において、上記記載は本願明細書の段落[0048]-[0049]に基づく旨の説明をしている。 しかし本願明細書の段落[0049]において「ブロードキャスト」されるのは「複数の機能のうちどれが・・・現在アクティブなのかを示すメッセージ」である。請求項1記載の「イベントの発生」を示す「第1のメッセージ」ではない。 請求項1には、 『前記第1のメッセージは、前記第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、または前記第2のユーザデバイスに関連付けられる前記イベントの前記発生に基づいて前記第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを修正するよう前記第1のユーザデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含み』 と記載されている。 したがって請求項1記載の「第1のメッセージ」とは、明細書の段落[0044]に記載されたメッセージ、あるいは明細書の段落[0050]-[0052]に記載されたメッセージである。 また請求項1には「第2のユーザデバイスからブロードキャストされた第1のメッセージ」と記載されている。 しかし前記「第1のメッセージ」が「第2のユーザデバイスからブロードキャスト」されることは、発明の詳細な説明に記載されていない。 出願人は意見書において 『本願明細書の上記[0049]には、第2のデバイスによりブロードキャストされる第1のメッセージが説明され、サポートされていることを主張します。 また、「ブロードキャストされた第1のメッセージ」の記載は、本明細書の[0034]にも基づきます。』 と主張する。 明細書の段落[0034]及び明細書の段落[0049]に記載された「メッセージ」は『第1のデバイス202が映像をストリーミングするよう現在アプリケーションを実行中である場合、そのような現在の使用を示すメッセージ』([0034])『通信デバイスは、1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ』([0049])であり、これは請求項4に記載された『前記第1のユーザデバイスの前記1つまたは複数の機能のうちのどれが前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ』が対応するものである。 請求項1記載の 『前記第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、または前記第2のユーザデバイスに関連付けられる前記イベントの前記発生に基づいて前記第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを修正するよう前記第1のユーザデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含』む『第1のメッセージ』に対応するものではない。 第4 当審の判断 1.発明の詳細な説明について (1)発明の詳細な説明の記載事項 請求項1の「前記第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、または前記第2のユーザデバイスに関連付けられる前記イベントの前記発生に基づいて前記第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを修正するよう前記第1のユーザデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む「第1のメッセージ」に関連して、発明の詳細な説明には、次の記載がある(なお、下線は当審で付した。)。 ア 「【0003】 [0003]一般的に、ユーザは、多数のデバイス(例えば、スマートフォン、タブレット、ハンドヘルドゲーミングデバイス、等)の近接内に存在しうる、および/または関連付けられうる。現在、デバイス内におけるアプリケーションは、協調しうる。例えば、ユーザがデバイス上において映像を見ている際に呼が到来する場合、映像は、一時停止されえ、ユーザは、到来する呼を取ることができる。対照的に、そのような協調は、例えば、タブレットおよびスマートフォンがピアツーピアネットワーク内において接続される場合、接続されたデバイス間において現在は存在しない。そのため、ユーザが第2のデバイス上において映像を見ている間に第1のデバイス上において電話の呼を受信する場合、ユーザは、第1のデバイス上において呼を取る前に第2のデバイス上において映像コンテンツを明示的に/手動で一時停止または停止する必要がある。別の例において、(例えば、WiFi(登録商標)ルータおよびMiFiデバイスを使用して)接続性が共有されるネットワーク上において異なるデバイスが使用されている場合、第2のデバイス上におけるストリーミング映像の再生は、第1のデバイス上におけるボイスオーバIP(VoIP)呼の品質を低減しうる。反対に、VoIPデータが映像データよりも高い優先度を与えられる場合、ストリーミング映像再生に関連付けられたユーザエクスペリエンスは、減少しうる。 【0004】 [0004]したがって、ピアツーピアネットワーク上のデバイス間において協調的な相互作用を可能にすることを通して改善されたユーザエクスペリエンスを提供するシステムおよび方法が望まれる。」 イ 「 【0019】 [0025]本明細書において開示される「機能」は、ユーザがデバイスと相互作用しうるデバイスに関連付けられる任意の特徴を含みうる。機能の例は、デバイスに関連付けられるアプリケーション、デバイスに関連付けられるセンサ、デバイスに関連付けられるハードウェア、等、またはそれらの任意の組み合わせを含むが、それらに限定されるわけではない。 【0020】 [0026]本明細書において開示される「イベント」は、デバイス上における機能の動作モードを変更しうる任意のアクティビティを含みうる。イベントの例は、接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション、呼の受信、通知の受信、要求の受信、帯域幅集中的アクティビティ(bandwidth intensive activity)の受信、呼の開始、通知の開始、帯域幅集中的アクティビティの開始、要求の開始、等、を含むが、それらに限定されるわけではない。 【0021】 [0027]1つまたは複数の態様によると、協調的に相互作用するよう構成される多数のデバイスを含む通信環境が提供されうる。デバイスは、ピアデバイスに関連付けられるイベントが発生したことを示す通信環境内におけるピアデバイスからメッセージを受信しうる。さらに、メッセージの受信に基づいて、デバイスは、機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更しうる。同様に、デバイスは、ピアデバイス上においてアクティブな様々な機能を示すメッセージを受信しうる。デバイスがイベントの発生を検出する場合、ピアデバイスに関連付けられる様々な機能のうちのいずれかが影響されうるかどうかを決定しうる。機能のうちのいずれかが影響される場合、デバイスは、影響された機能に関連付けられるピアデバイスのためにメッセージを生成し、メッセージをピアデバイスに送信しうる。」 ウ 「【0032】 [0038]図2は、通信ネットワーク200(例えば、ピアネットワーク)内における多数のデバイス(202、204)間における相互作用についての実例的な呼フロー図を図示する。 【0033】 [0039]オプションの一態様において、動作206では、デバイス(202、204)は、ピアネットワークに接続されうる。一態様において、各デバイスは、接続処理中に一意の識別子を提供しうる。別の態様において、各デバイスはまた、接続処理中にユーザ識別子を含みうる。別の態様において、デバイス(202、204)間における通信は、直接ピアツーピア通信、ネットワークエンティティ(例えば、WiFi(登録商標)ルータ)を通した通信、セルラベースの通信、等、を使用して遂行されうる。 【0034】 [0040]動作208では、第1のデバイス202は、第1のデバイス上において使用されている1つまたは複数のアプリケーションを示すメッセージをブロードキャストしうる。同様に、第2のデバイス204は周期的に、別のデバイスが何をしているのかを示すメッセージを受信するようリッスンしうる。例えば、第1のデバイス202が映像をストリーミングするよう現在アプリケーションを実行中である場合、そのような現在の使用を示すメッセージをピアネットワークにブロードキャストしうる。 【0035】 [0041]動作210では、イベントは、第2のデバイス204に関連付けられて発生しうる。一態様において、イベント発生は、機能、呼、帯域幅集中的アクティビティ、等、の受信および/または開始、緊急メッセージを送信するよう試みること、等、を含みうる。イベント発生に応答して、第2のデバイス204は、ピアネットワークに関連付けられる任意の他のデバイス(例えば、202)が、その使用がイベント発生に応答して修正されうるアプリケーションを現在アクティブに使用していることを決定しうる。そのような一態様において、イベント発生のタイプは、どのアプリケーションが潜在的に修正されるよう決定されるかに影響しうる。 【0036】 [0042]動作212では、第2のデバイス204は、イベントの発生を示すメッセージを第1のデバイス202に送信しうる。一態様において、メッセージは、イベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含みうる。 【0037】 [0043]動作214では、第1のデバイス202は、1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更しうる。一態様において、機能は、ユーザによって現在使用されているアプリケーション、アプリケーションに関連付けられる情報を現在提示しているユーザインタフェース、アプリケーションによって現在使用されている聴覚出力メカニズム(auditory output mechanism)、等、を含みうる。一態様において、動作状態を変更することは、第1のデバイス上において現在アクティブなアプリケーションの動作を中止すること、ピアネットワーク上において帯域幅使用を修正すること、第1のデバイス上においてユーザインタフェースをオフにすること、第1のデバイス上においてコンテンツの提示を一時停止すること、等、を含みうる。」 エ 「【0041】 [0047]図3は、一態様による、多数のデバイスが協調的に相互作用しうる実例的なシステムを記述するフローチャート300を図示する。一態様において、第1のデバイスおよび第2のデバイスは、ピアネットワークに関連付けられうる。 【0042】 [0048]オプションの一態様において、ブロック302では、通信デバイスは、ピアネットワークに関連付けられる他のデバイスを検出しうる。一態様において、通信デバイスは、他のデバイスの存在を決定するようピア発見を遂行しうる。別の態様において、通信デバイスは、ピアネットワークに関連付けられる他のデバイスに関する情報を含むメッセージを受信しうる。 【0043】 [0049]そのようなオプションの一態様において、ブロック304では、通信デバイスは、1つまたは複数の機能のうちのどれが第1のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージを送信しうる。一態様において、通信デバイスは、メッセージを周期的基準で送信しうる。別の態様において、通信デバイスは、情報を受信することをピアネットワーク内における任意の他のデバイスに許可するようメッセージをブロードキャストしうる。なお別の態様において、通信デバイスは、ピアネットワークの一部であることが検出される各デバイスにメッセージを送信しうる。 【0044】 [0050]ブロック306では、通信デバイスは、第2のデバイスからメッセージを受信しうる。一態様において、第2のデバイスからのメッセージは、第2のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含みうる。別の態様において、通信デバイスは、直接ピア通信リンク、WLANベースのリンク、セルラベースのネットワーク、等、またはそれらの任意の組み合わせを使用して、メッセージ、コンテンツ、データ、等、を受信しうる。一態様において、イベントの発生は、第2のデバイスによる、機能、呼、通知、要求、帯域幅集中的アクティビティ、等、またはそれらの任意の組み合わせの受信および/または開始を含みうる。一態様において、1つまたは複数の機能は、ユーザによって現在使用されているアプリケーション、アプリケーションに関連付けられる情報を現在提示しているユーザインタフェース、アプリケーションによって現在使用されている聴覚出力メカニズム、等、を含みうる。 【0045】 [0051]ブロック308では、通信デバイス202は、少なくとも1つの機能を標準の動作状態から修正された動作状態に変更しうる。一態様において、機能は、ユーザによって現在使用されているアプリケーション、アプリケーションに関連付けられる情報を現在提示しているユーザインタフェース、アプリケーションによって現在使用されている聴覚出力メカニズム、等、を含みうる。一態様において、通信デバイスは、デバイス上において現在アクティブなアプリケーションの動作を中止すること、ピアネットワーク上において帯域幅使用を修正すること、第1のデバイス上においてユーザインタフェースをオフにすること、デバイス上においてコンテンツの提示を一時停止すること、等、によって動作状態を変更しうる。」 オ 「 【0048】 [0054]図4は、一態様による、多数のデバイスが協調的に相互作用しうる実例的なシステムを記述するフローチャート400を図示する。一態様において、第1のデバイスおよび第2のデバイスは、ピアネットワークに関連付けられうる。 【0049】 [0055]ブロック402では、通信デバイスは、1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージを受信しうる。一態様において、通信デバイスは、メッセージを周期的基準で受信しうる。別の態様において、通信デバイスは、第2のデバイスによってブロードキャストされるメッセージからメッセージを受信しうる。一態様において、メッセージは、周期的基準で受信されうる。 【0050】 [0056]ブロック404では、通信デバイスは、第1のデバイスに関連付けられるイベントの発生を検出しうる。一態様において、イベントの発生は、機能、呼、通知、要求、帯域幅集中的アクティビティ、等、またはそれらの任意の組み合わせの受信および/または開始を含みうる。 【0051】 [0057]ブロック406では、通信デバイスは、第2のデバイス上における1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つの動作状態がイベントの発生に基づいて修正されうることを、第1のメッセージに基づいて、決定しうる。一態様において、機能は、第2のデバイス上においてユーザによって現在使用されているアプリケーション、アプリケーションに関連付けられる情報を現在提示しているユーザインタフェース、アプリケーションによって現在使用されている聴覚出力メカニズム、等、を含みうる。 【0052】 [0058]ブロック408では、通信デバイスは、第2のデバイスのためにメッセージを生成しうる。一態様において、メッセージは、第1のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報を含みうる。別の態様において、メッセージは、イベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更するよう第2のデバイスに促す情報を含みうる。 【0053】 [0059]ブロック410では、通信デバイスは、第2のメッセージを第2のデバイスに送信しうる。別の態様において、通信デバイスは、直接ピア通信リンク、WLANベースのリンク、セルラベースのネットワーク、等、またはそれらの任意の組み合わせを使用してメッセージを送信しうる。」 また、図2は、次のとおりである。 (2)本願発明が解決しようとする課題について 上記(1)アの記載によれば、本願発明が解決しようとする課題は、「ユーザが第2のデバイス上において映像を見ている間に第1のデバイス上において電話の呼を受信する場合、ユーザは、第1のデバイス上において呼を取る前に第2のデバイス上において映像コンテンツを明示的に/手動で一時停止または停止する必要がある」ことや、「(例えば、WiFi(登録商標)ルータおよびMiFiデバイスを使用して)接続性が共有されるネットワーク上において異なるデバイスが使用されている場合、第2のデバイス上におけるストリーミング映像の再生は、第1のデバイス上におけるボイスオーバIP(VoIP)呼の品質を低減しうる。反対に、VoIPデータが映像データよりも高い優先度を与えられる場合、ストリーミング映像再生に関連付けられたユーザエクスペリエンスは、減少しうる」という問題に対して、「ピアツーピアネットワーク上のデバイス間において協調的な相互作用を可能にすることを通して改善されたユーザエクスペリエンスを提供する」ことといえる(段落【0003】、段落【0004】)。 (3)記載事項(1)イについて 上記(1)イの記載によれば、「多数のデバイスを含む通信環境」において、「協調的に相互作用するように構成」された一方のデバイス(以下、「デバイスA」という。下線は、強調のために当審が付した。以下、同様。)は、「ピアデバイスに関連付けられるイベントが発生したことを示す通信環境内におけるピアデバイスからメッセージ」を「受信」し、該「メッセージの受信に基づいて」、「機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更」する(段落【0021】)。 また、協調的に相互作用するように構成された他方のデバイス(以下、「デバイスB」という。)は、「ピアデバイス上においてアクティブな様々な機能を示すメッセージ」(以下、「メッセージA」という。)を「受信」し、当該「デバイスがイベントの発生を検出する場合、ピアデバイスに関連付けられる様々な機能のうちのいずれかが影響されうるかどうかを決定」し、「影響された機能に関連付けられるピアデバイスのためにメッセージ」を「ピアデバイスに送信」する(段落【0021】)。 そうすると、上記「デバイスB」が「イベントの発生」を検出して「影響された機能に関連付けられるピアデバイスのために」送信した「メッセージ」が、上記「デバイスA」が受信する「ピアデバイスに関連付けられるイベントが発生したことを示す通信環境内におけるピアデバイス」からの「メッセージ」であるといえる(以下、「デバイスB」が送信する当該「メッセージ」を、「メッセージB」という。)。 ここで、「デバイスA」上においてアクティブな「機能」であって、「デバイスB」からの「メッセージB」の受信に基づいて動作状態が修正される「機能」について、段落【0019】には、「デバイスに関連付けられるアプリケーション、デバイスに関連付けられるセンサ、デバイスに関連付けられるハードウェア、等、またはそれらの任意の組み合わせ」が含まれることが記載されている。 また、「デバイスB」が前記「メッセージB」を送信する契機となる「イベント」について、段落【0020】には、「接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション、呼の受信、通知の受信、要求の受信、帯域幅集中的アクティビティ(bandwidth intensive activity)の受信、呼の開始、通知の開始、帯域幅集中的アクティビティの開始、要求の開始、等」が含まれることが記載されている。 (4)記載事項(1)ウ及び図2について 上記(1)ウの記載によれば、図2は、「通信ネットワーク200(例えば、ピアネットワーク)内における多数のデバイス(202、204)間における相互作用についての実例的な呼フロー図」である。 そして、「第1のデバイス202」は、「第1のデバイス上において使用されている1つまたは複数のアプリケーションを示すメッセージ」を「ブロードキャスト」し(動作208)、「イベントの発生を示すメッセージ」が「第2のデバイス204」から「送信」され(動作212)、「1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更」する(動作214)。 また、「第2のデバイス204」は、「別のデバイスが何をしているのかを示すメッセージを受信するようリッスンし」(動作208)、「第2のデバイス204に関連付けられ」た「イベント」が発生すると、「イベント発生に応答して」、「ピアネットワークに関連付けられる任意の他のデバイス(例えば、202)が、その使用がイベント発生に応答して修正されうるアプリケーションを現在アクティブに使用していることを決定し」(動作210)、「イベントの発生を示すメッセージを第1のデバイス202に送信」する(動作212)。ここで、「イベント発生は、機能、呼、帯域幅集中的アクティビティ、等、の受信および/または開始、緊急メッセージを送信するよう試みること、等、を含み」、「イベントの発生を示すメッセージ」は、「イベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む。 そうすると、上記(1)ウの記載においては、「第2のデバイス204」から「送信」された「イベントの発生を示すメッセージ」を受信し、「1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更」する「第1のデバイス202」は、「デバイスA」に対応し、「第1のデバイス上において使用されている1つまたは複数のアプリケーションを示すメッセージ」が「メッセージA」であって、「デバイスA」が「メッセージA」を「ブロードキャスト」するといえる。 また、「別のデバイスが何をしているのかを示すメッセージを受信」し、「イベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む「イベントの発生を示すメッセージを第1のデバイス202に送信」する「第2のデバイス204」は、「デバイスB」に対応し、当該「イベントの発生を示すメッセージ」が「メッセージB」であって、「デバイスB」は「メッセージB」を「第1のデバイス202」である「デバイスA」に送信するといえる。ここで、「イベントの発生を示すメッセージ」(「メッセージB」)が示す「イベントの発生」は、「機能、呼、帯域幅集中的アクティビティ、等、の受信および/または開始、緊急メッセージを送信するよう試みること、等」を含む。 (5)記載事項(1)エについて 上記(1)エの記載によれば、「多数のデバイスが協調的に相互作用しうる実例的なシステム」において、「第1のデバイスおよび第2のデバイスは、ピアネットワークに関連付け」られる。 そして、「第1のデバイス」に対応する通信デバイスは、「1つまたは複数の機能のうちのどれが第1のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」を「ブロードキャスト」し(ブロック304)、「第2のデバイス」から「第2のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む「メッセージ」を「受信」し(ブロック306)、「少なくとも1つの機能を標準の動作状態から修正された動作状態に変更」する(ブロック308)。 ここで、「第2のデバイスに関連付けられるイベント」の発生は、「第2のデバイスによる、機能、呼、通知、要求、帯域幅集中的アクティビティ、等、またはそれらの任意の組み合わせの受信および/または開始を含」む。 そうすると、上記(1)エの記載においては、「第2のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む「メッセージ」を「受信」し(ブロック306)、「少なくとも1つの機能を標準の動作状態から修正された動作状態に変更」する「第1のデバイス」は、「デバイスA」に対応し、「1つまたは複数の機能のうちのどれが第1のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」が「メッセージA」であって、「デバイスA」が「メッセージA」を「ブロードキャスト」するといえる。 また、「第2のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、またはイベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能を修正するよう第1のデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む「メッセージ」が「メッセージB」であって、「第1のデバイス」に当該「メッセージ」を送信する「第2のデバイス」は「デバイスB」に対応し、「デバイスB」は「メッセージB」を「第1のデバイス」である「デバイスA」に送信するといえる。ここで、当該「メッセージ」に含まれる情報が示す「第2のデバイスに関連付けられるイベント」の発生は、「第2のデバイスによる、機能、呼、通知、要求、帯域幅集中的アクティビティ、等、またはそれらの任意の組み合わせの受信および/または開始を含」む。 (6)記載事項(1)オについて 上記(1)オの記載によれば、「多数のデバイスが協調的に相互作用しうる実例的なシステム」において、「第1のデバイスおよび第2のデバイスは、ピアネットワークに関連付け」られているから、「第1のデバイス」は、「第2のデバイスによってブロードキャスト」された「1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」を受信するといえる(ブロック402)。そして、「第1のデバイス」は、「第1のデバイスに関連付けられるイベントの発生を検出」し(ブロック404)、「第2のデバイス上における1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つの動作状態がイベントの発生に基づいて修正されうること」を「決定」し(ブロック406)、「第1のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報」又は「イベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更するよう第2のデバイスに促す情報」を含む「第2デバイスのため」の「メッセージ」を生成し(ブロック408)、当該「第2のメッセージを第2のデバイスに送信」(ブロック410)する。ここで、「第2のメッセージ」に含まれる情報が示す「イベントの発生」は、「機能、呼、通知、要求、帯域幅集中的アクティビティ、等、またはそれらの任意の組み合わせの受信および/または開始」を含む。 また、「ピアネットワークに関連付け」られた「第2のデバイス」は、「1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」を「ブロードキャスト」する(ブロック402)。そして、「第1のデバイス」から送信された「イベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更するよう第2のデバイスに促す情報」を含む「第2のメッセージ」を受信するといえる。 そうすると、上記(1)オの記載においては、前記「第2のメッセージ」を受信して、「1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更するよう」促される「第2のデバイス」が、「デバイスA」に対応し、「1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」が「メッセージA」に対応し、「デバイスA」が「メッセージA」を「ブロードキャスト」するといえる。 また、「1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」を受信し、「第1のデバイスに関連付けられるイベントの発生を検出」し、「第2のデバイス上における1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つの動作状態がイベントの発生に基づいて修正されうること」を「決定」し、「第1のデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報」又は「イベントの発生に基づいて1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更するよう第2のデバイスに促す情報」を含む「第2のメッセージ」を生成する「第1のデバイス」が、「デバイスB」に対応し、「第2のメッセージ」が「メッセージB」に対応し、「デバイスB」が「メッセージB」を「第2のデバイス」である「デバイスA」に送信するといえる。ここで、当該「第2のメッセージ」に含まれる情報が示す「イベントの発生」は、「機能、呼、通知、要求、帯域幅集中的アクティビティ、等、またはそれらの任意の組み合わせの受信および/または開始」を含む。 2.判断 (1)本願発明1について 上記1(2)~(6)によれば、発明の詳細な説明に発明として記載されたものは、以下の事項を含むといえる。 (ア)「デバイスA」が、1つまたは複数の機能のうちのどれがデバイスA上において現在アクティブなのかを示す「メッセージA」をブロードキャストすることと、「デバイスB」に関連付けられるイベントの発生を示す情報を含む「メッセージB」を受信し、該「メッセージB」の受信に基づいて、機能のうちの少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更すること。 (イ)「デバイスB」が、1つまたは複数の機能のうちのどれがデバイスA上において現在アクティブなのかを示す「メッセージA」を受信することと、「デバイスB」に関連付けられるイベントの発生を検出することと、イベントの発生を検出する場合に、「デバイスA」に関連付けられる様々な機能のうちのいずれかが影響されうるかどうかを決定することと、「メッセージB」を当該「デバイスA」に送信すること。 (ウ)上記(ア)及び(イ)の「デバイスB」に関連付けられるイベントの発生には、接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション、呼の受信、通知の受信、要求の受信、帯域幅集中的アクティビティ(bandwidth intensive activity)の受信、呼の開始、通知の開始、帯域幅集中的アクティビティの開始、要求の開始、等を含むこと。 そして、本願発明1の「第1のユーザデバイス」は、「前記第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生を示す情報、または前記第2のユーザデバイスに関連付けられる前記イベントの前記発生に基づいて前記第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを修正するよう前記第1のユーザデバイスに促す情報のうちの少なくとも1つを含」む「第1のメッセージ」を「第2のユーザデバイスから」「受信」し、「前記第1のメッセージを受信することに応答して、前記1つまたは複数の機能のうちの前記少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更する」ものであるから、本願発明1の「第1のユーザデバイス」、「第2のユーザデバイス」及び「第1のメッセージ」は、それぞれ発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスA」、「デバイスB」及び「メッセージB」に対応するものと解するのが相当である。 対応関係についてさらに検討を進めると、請求項1を間接的に引用する請求項4には、次の特定事項がある。 「 前記第1のユーザデバイスの前記1つまたは複数の機能のうちのどれが前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージを、前記第1のユーザデバイスが、少なくとも前記第2のユーザデバイスに送信すること をさらに備え、 前記第1のユーザデバイスの前記1つまたは複数の機能のうちのどれが前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示す前記メッセージは、周期的基準で送信される、」 上記請求項4の「前記第1のユーザデバイスの前記1つまたは複数の機能のうちのどれが前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」は、発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスA」が「ブロードキャスト」する「メッセージA」(「1つまたは複数の機能のうちのどれがデバイスA上において現在アクティブなのかを示すメッセージ)に対応するといえる。 また、請求項1を引用する請求項6には、請求項1において「標準の動作状態から修正された動作状態に変更する」対象となる「第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能」に関連して、次の特定事項がある。 「 前記1つまたは複数の機能は、 ユーザによって現在使用されているアプリケーション、 前記アプリケーションに関連付けられる情報を現在提示しているユーザインタフェース、または、 前記アプリケーションによって現在使用されている聴覚出力メカニズム のうちの少なくとも1つを備える」 同じく、請求項1を引用する請求項7には、次の特定事項がある。 「 前記1つまたは複数の機能のうちの少なくとも1つを前記標準の動作状態から前記修正された動作状態に変更することは、 前記第1のユーザデバイス上において現在アクティブなアプリケーションの動作を中止すること、 前記ピアネットワーク上において帯域幅使用を修正すること、 前記第1のユーザデバイス上においてユーザインタフェースをオフにすること、または、 前記第1のユーザデバイス上においてコンテンツの提示を一時停止すること のうちの少なくとも1つを備える」 さらに、請求項1を引用する請求項9には、請求項1の「第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生」に関して、次の特定事項がある。 「前記イベントの前記発生は、前記第2のユーザデバイスによる呼の受信または開始を備える」 よって、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項4、6、7及び9の特定事項を参照すると、本願発明1の「第1のユーザデバイス」、「第2のユーザデバイス」及び「第1のメッセージ」が、それぞれ発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスA」、「デバイスB」及び「メッセージB」に対応することが明らかである。 そうすると、発明の詳細な説明には、 a.請求項1の「第1のユーザデバイス」が、1つまたは複数の機能のうちのどれが第1のユーザデバイス上において現在アクティブなのかを示すメッセージをブロードキャストすること(「デバイスA」が「メッセージA」をブロードキャストすること)、 b.請求項1の「第1のユーザデバイス」が、「第2のユーザデバイスから」「第1のメッセージ」を受信すること(「デバイスA」が、「デバイスB」から「メッセージB」を受信すること)、 c.請求項1の「第1のユーザデバイス」の「動作状態」を「変更」する契機となる「第1のメッセージ」(「メッセージB」)に係る「第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生」が、「接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション」を含むこと、 については記載されているといえる。 しかし、当該「第1のメッセージ」(「メッセージB」)は、「第2のユーザデバイス」(「デバイスB」)が、「第1のユーザデバイス」の「動作状態」の「変更」を促すために、「第1のユーザデバイス」に宛てて送信したメッセージであって、任意の他のデバイスに「ブロードキャストされた」メッセージではないから、請求項1の「第1のメッセージ」が、「第2のユーザデバイスからブロードキャストされた」ものであることについては、発明の詳細な説明には、記載も示唆もなく、自明ともいえない。 したがって、本願発明1は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。 (2)本願発明4、本願発明6、本願発明7及び本願発明9について 上記(1)のとおり、請求項1を直接又は間接的に引用する本願発明4、6、7及び9の「第1のユーザデバイス」、「第2のユーザデバイス」及び「第1のメッセージ」は、それぞれ発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスA」、「デバイスB」及び「メッセージB」に対応することが明らかであるから、上記(1)と同様に、本願発明4、本願発明6、本願発明7及び本願発明9は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。 (3)小括 以上より、少なくとも、本願発明1、本願発明4、本願発明6、本願発明7及び本願発明9は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本件出願は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 3.請求人の主張について 審判請求書における請求人の主張は、概ね以下のとおりである。 「(i)本願明細書の段落[0020]には、以下の転記にあるように、イベントの例として、「接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション」が説明されています。 (中略) (ii)上記段落[0020]の記載に基づいた補足説明を付記して、本願明細書の段落[0049]を以下に転記します。 [0049] 「 [0055]ブロック402(補足説明:402には「第1のデバイスが第2のデバイス上において現在アクティブな機能を示すメッセージを受信する」が記載されています。)では、(補足説明:第1の)通信デバイスは、1つまたは複数の機能のうちのどれが第2のデバイス上において現在アクティブなのか(補足説明:を表示するインジケーションのイベント)を示すメッセージを(補足説明:第2の通信デバイスから)受信しうる。一態様において、通信デバイスは、メッセージを周期的基準で受信しうる。別の態様において、(補足説明:第1の)通信デバイスは、第2のデバイスによってブロードキャストされるメッセージから(補足説明:第2のデバイス上において現在アクティブなのかのインジケーションのイベントを示す)メッセージを受信しうる。一態様において、メッセージは、周期的基準で受信されうる。」 (iii)さらに、本願明細書の段落[0021]には以下のように記載されています。 (中略) (iiii)以上から、本願請求項1の「第1のメッセージが第2のユーザデバイスからブロードキャストされること」は、本願明細書の段落[0049]に説明されていることは明らかであり、特許法第36条第6項第1号を満たしていることを主張いたします。」 ここで、発明の詳細な説明に発明として記載されたものは、上記2(1)の(ア)~(ウ)の事項を含むものであるところ、請求人の上記主張は、次のいずれかの対応関係を前提としたものとみることができる。 (a)請求項1の「第1のユーザデバイス」及び「第2のユーザデバイス」が、それぞれ発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスB」及び「デバイスA」に対応し、請求項1の「第2のユーザデバイスからブロードキャストされた第1のメッセージ」が、「デバイスA」からブロードキャストされた「メッセージA」(「1つまたは複数の機能のうちのどれがデバイスA上において現在アクティブなのかを示すメッセージ」)に対応し、請求項1の当該「第1のメッセージ」に係る「第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生」が、「接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション」であると対応付ける場合。 (b)請求項1の「第1のユーザデバイス」及び「第2のユーザデバイス」が、それぞれ発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスA」及び「デバイスB」に対応し、請求項1の「第2のユーザデバイスからブロードキャストされた第1のメッセージ」が、「デバイスB」からブロードキャストされた「メッセージB」(「ピアデバイスに関連付けられるイベントが発生したことを示す通信環境内におけるピアデバイス」からの「メッセージ」)に対応し、請求項1の当該「第1のメッセージ」に係る「第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生」が、「接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション」であると対応付ける場合。 そこで、まず上記(a)のように対応付けるとすると、請求項1の「前記第1のメッセージを受信することに応答して、前記1つまたは複数の機能のうちの前記少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更すること」は、発明の詳細な説明に発明として記載されたものにおいて、「デバイスB」が、「デバイスA」からブロードキャストされた『1つまたは複数の機能のうちのどれがデバイスA上において現在アクティブなのかを示す「メッセージA」』(上記2(1)(ア)参照)を受信することに応答して、『「デバイスB」に関連付けられるイベントの発生を検出することと、イベントの発生を検出する場合に、「デバイスA」に関連付けられる様々な機能のうちのいずれかが影響されうるかどうかを決定することと、「メッセージB」を当該「デバイスA」に送信すること』(上記2(1)(イ)参照)に対応することになる。 しかし、発明の詳細な説明をみても、「前記1つまたは複数の機能のうちの前記少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更すること」が、『「デバイスB」に関連付けられるイベントの発生を検出することと、イベントの発生を検出する場合に、「デバイスA」に関連付けられる様々な機能のうちのいずれかが影響されうるかどうかを決定することと、「メッセージB」を当該「デバイスA」に送信すること』(上記2(1)(イ)参照)であることについては、記載も示唆も無く、自明ともいえないから、上記(a)の対応付けには無理がある。 上記(a)の対応付けについてさらに検討を進めると、請求項1を引用する請求項6及び7の特定事項は、上記2(1)のとおりである。 そして、上記(a)のように、請求項1の「前記第1のメッセージを受信することに応答して、前記1つまたは複数の機能のうちの前記少なくとも1つを標準の動作状態から修正された動作状態に変更すること」を、発明の詳細な説明に発明として記載されたものの「デバイスB」が、「デバイスA」からブロードキャストされた『1つまたは複数の機能のうちのどれがデバイスA上において現在アクティブなのかを示す「メッセージA」』(上記2(1)(ア)参照)を受信することに応答して、『「デバイスB」に関連付けられるイベントの発生を検出することと、イベントの発生を検出する場合に、「デバイスA」に関連付けられる様々な機能のうちのいずれかが影響されうるかどうかを決定することと、「メッセージB」を当該「デバイスA」に送信すること』(上記2(1)(イ)参照)に対応付けることは、請求項1において「標準の動作状態から修正された動作状態に変更する」対象となる「第1のユーザデバイスの1つまたは複数の機能」に関する請求項6及び7の特定事項と矛盾するから、請求項1を引用する請求項6及び7の記載を参照しても、上記(a)のように対応付けることはできない。 また、請求項1を引用する請求項9の特定事項は、上記2(1)のとおりである。 そして、上記(a)のように、請求項1の「第1のメッセージ」に係る「第2のユーザデバイスに関連付けられるイベントの発生」を、「接続されたデバイスに関連付けられる1つまたは複数の機能が接続されたデバイス上において今現在アクティブであるというインジケーション」に対応付けることは、請求項1を引用する請求項9の特定事項と矛盾するから、請求項1を引用する請求項9の記載を参照しても、上記(a)のように対応付けることはできない。 次に、上記(b)のように対応付けた場合については、上記2で判断したとおりである。 したがって、請求人の上記主張は採用できない。 4 小括 上記2及び3のとおり、本願発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえないから、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。 第5 むすび 以上より、本願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-002435

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