特許異議申立
2017-700266
ロータリ作業機
- 審判番号
- 2017-700266
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2015-079549
- 登録番号
- 特許第5996033号(P5996033)
- 請求日
- 2017年03月13日
- 審決日
- 2017年06月27日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】小橋工業株式会社
- 【権利者代理人】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
- 【異議申立人】松山 株式会社
- 【異議申立人代理人】特許業務法人第一国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 小野 忠悦
- 審判官 住田 秀弘
- 審判官 前川 慎喜
- 分類
- P1651.121-Y (A01B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5996033号発明「ロータリ作業機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
【結 論】
特許第5996033号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
特許第5996033号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、平成23年5月24日に出願された特願2011-115679号の一部を平成27年4月8日に新たな特許出願としたものであって、平成28年9月2日にその特許権の設定登録がされ、その後、その特許に対し、特許異議申立人松山株式会社(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
2 本件発明
特許第5996033号の請求項1ないし5の特許に係る発明(以下「本件特許発明1」等という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された事項により特定されるとおりのものである。
3 申立理由の概要
申立人は、本件特許発明1ないし5は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明及び周知技術(甲第3号証~甲第6号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消すべきものである旨、主張している。
甲第1号証:特開2010-75130号公報
甲第2号証:実願昭55-170080号(実開昭57-91404号)のマイクロフィルム
甲第3号証:特開平8-116703号公報
甲第4号証:特開2010-172249号公報
甲第5号証:特開2008-5796号公
甲第6号証:特開2011-87508号公報
4 刊行物の記載事項
(1)甲第1号証
【図11】を参照すると、ロータリーカバー46の左右側側面にサブサイドカバー152が配設されていること、及びリヤカバー50の左右側側面に防土板151,151R,151Lが接続されていることが、看取できる。
よって、甲第1号証(段落【0020】,【0022】,【0046】,及び【図11】等参照。)には、
「耕耘爪41を有した耕耘軸42と、
耕耘爪41の耕耘幅上方を覆うロータリカバー46と、
ロータリカバー46の左右側側面に配設されたサブサイドカバー152と、
ロータリカバー46の後側に上下回動自在に設けられたリヤカバー50と、
リヤカバー50の左右側側面に接続された防土板151と、を有する、ロータリ耕耘装置A」の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。
(2)甲第2号証
甲第2号証(明細書4~6頁、第1~3図等参照。)には、
「耕耘部(16)から外側方へ飛散する土泥を遮蔽すべく配置されたサイドカバー(22)において、サイドカバー(22)は第1カバー(23)と第2カバー(24)とから成り、第1カバー(23)の後縁部と第2カバー(24)の前縁部には夫々対向可能な多数のボルト孔(23a)(24a)が形成されており、対向するボルト孔(23a)(24a)を変えてボルト(26)を挿入して締結することによって、第2カバー(24)の上下位置を調節し、また、第2カバーを上下反転して表裏を逆にして、側面隙間(A)からはみ出ようとする飛散土を略完全に遮蔽し、又は意図的に飛散土を遮蔽しない、サイドカバー(22)」(以下、「甲2技術事項」という。)が記載されている。
(3)甲第3号証
図1等を参照すると、ロータリ作業機の側面側に、その上端が軸13付近にあり、後側をエプロン12に固定された、略三角形のプレートが設けられ、該パネルの前側下方に、線が記入されていることが看取できる。
(4)甲第4号証ないし甲第6号証
甲第4号証の図2、甲第5号証の図1、甲第6号証の図1を参照すると、ロータリ作業機の側面側に位置するプレートに、線が記入されていることが、看取できる。
5 判断
(1)本件特許発明1について
ア 対比・判断
本件特許発明1と、甲1発明を対比すると、エプロンサイドプレートに関して、本件特許発明1は、サイドシールド側の端部がエプロン部材側方向に折れ曲がった屈曲部を有しているのに対し、甲1発明は、屈曲部について特定がない点(以下「相違点1」という。)、及び、本件特許発明1は、エプロン部材との接続状態を第1の状態から第2の状態へ変化させることで、エプロンサイドプレートの下側方向位置に開口部を形成可能であるのに対し、甲1発明は、接続状態を変化させること及び開口部を形成可能であることの特定がない点(以下「相違点2」という。)で相違している。
そこで、上記相違点1,2について検討する。
上記相違点2については、仮に、甲2技術事項を適用することによって、当業者が容易に想到し得たとしても、上記相違点1については、申立人が提出した各証拠には記載されておらず、自明な事項とも認められないから、当業者が容易に想到し得たということはできない。
イ 申立人の主張について
申立人は、甲第3号証ないし甲第6号証の図面において、ロータリ作業機の側面側に設けられたプレートに記載された線が折り曲げ線であって、該折り曲げ線より先が屈曲部に相当すること、甲第3号証ないし甲第6号証の折り曲げ線の記載からみて、エプロンサイドプレートの変形を防止するために屈曲部を形成することは、周知慣用の技術であること、及び屈曲部の曲げの方向について、サイドシールド側に折り曲げると、サイドシールドと接触することは当業者であれば誰にでも分かることであるから、エプロン部材側にしか選択肢がないこと、を主張している。
しかしながら、甲第3号証ないし甲第6号証には、それらの図面に記載された線についての説明が記載されていないから、該線が折り曲げ線と認めることはできず、また、エプロンサイドプレートの変形を防止するために屈曲部を設けることが、周知慣用の技術であることを示す他の証拠も提示されていない。
そして、本件特許発明1は、エプロンサイドプレートのサイドシールド側の端部にエプロン部材側方向に折れ曲がった屈曲部を有することによって、「耕耘土塊の圧力に耐えられずに曲がってしま」わないように、「左側エプロンサイドプレート19Lの強度を確保でき、左側サイドプレート18Lと接触することもなくエプロン部材1がスムーズに上下回動して整地性能を発揮することができる」(段落【0063】)との顕著な効果を奏するものである。
よって、申立人の主張を採用することはできない。
ウ 小括
以上のとおりであるから、本件特許発明1は、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明及び周知技術(甲第3号証~甲第6号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件特許発明2ないし5について
本件特許発明2ないし5は、本件特許発明1をさらに減縮したものであるから、上記(1)の判断と同様に理由により、甲第1号証、甲第2号証に記載された発明及び周知技術(甲第3号証~甲第6号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
6 むすび
以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ない5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1ないし5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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