特許訂正審判
2017-390104
表示処理方法及び装置
- 審判番号
- 2017-390104
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2012-546633
- 登録番号
- 特許第5642804号(P5642804)
- 請求日
- 2017年10月05日
- 審決日
- 2017年11月13日
- 公報発行日
- 2018年02月23日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】デジタルプロセス 株式会社
- 【請求人代理人】原田 一男
- 審判長/審判官
- 審判長 清水 正一
- 審判官 小池 正彦
- 審判官 篠原 功一
- 分類
- P141 .853-Y (G06T) / P141 .851-Y (G06T)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法126条1項3号特許法126条3項特許法126条5項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第3項、特許法第126条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5642804号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5642804号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔5-9、11、12〕について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 経緯
本件特許第5642804号に係る発明は、平成22年12月2日に特許出願されたものであって、平成26年11月7日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成29年10月5日付けで本件審判が請求されたものである。
第2 請求
1 請求の趣旨
本件審判請求の趣旨は、特許第5642804号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項5乃至9並びに11及び12について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
2 訂正事項
請求項5の従属元請求項を「請求項1」から「請求項2」に訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
請求項6乃至9並びに11及び12は、請求項5の記載を直接又は間接的に引用するから、請求項5乃至9並びに11及び12は一群の請求項である。
2 請求項5に係る訂正について
(1)訂正の目的
当該訂正事項は、請求項5において、従属元請求項を「請求項1」から「請求項2」に訂正するものである。
請求項1、2及び訂正前の請求項5は、次のとおりである。
「 【請求項1】
基底曲面に基づいて生成されるトリム面を含む物体の形状を表示する表示処理方法であって、
前記基底曲面を三角形分割して、生成された三角形のデータをデータ格納部に格納するステップと、
前記トリム面の外形を定義するための外ループと前記物体の形状に応じて前記外ループ内に設けられる内ループとを含むループについて、ループ多角形を生成し、生成されたループ多角形のデータを前記データ格納部に格納するステップと、
視点と前記基底曲面との位置関係に基づき、投影面への写像が全単射であるという条件を満たし且つ前記三角形を複数含む、前記基底曲面上の領域である視線一価領域を特定し、当該視線一価領域のデータを前記データ格納部に格納する視線一価領域特定ステップと、
前記視線一価領域毎に、表示すべきか否かを制御する画素毎のデータであるマスクデータを、当該視線一価領域と前記データ格納部に格納されている前記ループ多角形とから生成し、マスクデータ格納部に格納するマスクデータ生成ステップと、
前記データ格納部に格納されている前記三角形の各々について、前記投影面上の画像データを生成し、前記データ格納部に格納する画像データ生成ステップと、
前記マスクデータ格納部に格納されている前記マスクデータと前記データ格納部に格納されている画像データとから描画処理を実施するステップと、
を含み、コンピュータにより実行される表示処理方法。
【請求項2】
前記視線一価領域特定ステップが、
前記基底曲面内の各三角形について、前記視点に対しておもて面か裏面かを判定し、前記データ格納部に格納するステップと、
おもて面と判定され且つ連結している複数の三角形を含むおもて面辺連結体と、裏面と判定され且つ連結している複数の三角形を含む裏面辺連結体とを特定するステップと、
をさらに含む請求項1記載の表示処理方法。」
「 【請求項5】
前記視線一価領域特定ステップが、
前記おもて面辺連結体及び前記裏面辺連結体のいずれかである辺連結体の境界をある平面に投影して、当該ある平面上の境界を単調区間に分割するステップと、
前記単調区間が2以下であるか判断するステップと、
を含む請求項1記載の表示処理方法。」
訂正前の請求項5には、「前記おもて面辺連結体及び前記裏面辺連結体のいずれかである辺連結体」と記載されているが、「前記おもて面辺連結体」、「前記裏面辺連結体」の記載の前に「おもて面辺連結体」、「裏面辺連結体」の記載はなく、訂正前の請求項5が引用する請求項1にも「おもて面辺連結体」、「裏面辺連結体」の記載はなく、訂正前の請求項5の記載は明瞭でない。
一方、請求項2には、「おもて面辺連結体」、「裏面辺連結体」が記載されており、請求項2を引用する訂正後の請求項5の記載には、上記の明瞭でない記載はない。
したがって、当該訂正事項は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものと認められる。
また、訂正後の請求項5は、請求項2を引用するから、前記視線一価領域特定ステップが、
「前記基底曲面内の各三角形について、前記視点に対しておもて面か裏面かを判定し、前記データ格納部に格納するステップと、
おもて面と判定され且つ連結している複数の三角形を含むおもて面辺連結体と、裏面と判定され且つ連結している複数の三角形を含む裏面辺連結体とを特定するステップと」
をさらに含むことになり、当該訂正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであると認められる。
以上より、当該訂正事項は、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的としたものであると認められる。
(2)訂正の適合性
ア 訂正の範囲
願書に最初に添付した明細書(以下「当初明細書」ともいう。)には、次の記載がある。
「【0167】
なお、上で述べた視線一価領域特定ステップが、(C1)基底曲面内の各三角形について、視点に対しておもて面か裏面かを判定し、データ格納部に格納するステップと、(C2)おもて面と判定され且つ連結している複数の三角形を含むおもて面辺連結体と、裏面と判定され且つ連結している複数の三角形を含む裏面辺連結体とを特定するステップとをさらに含むようにしてもよい。」
「【0171】
また、上で述べた視線一価領域特定ステップが、(C11)おもて面辺連結体及び裏面辺連結体のいずれかである辺連結体の境界をある平面に投影して、当該ある平面上の境界を単調区間に分割するステップと、(C12)単調区間が2以下であるか判断するステップとを含むようにしてもよい。このような処理によっておもて面辺連結体又は裏面辺連結体を分割するか否かを高速に判断することができるようになる。」
上記記載から、当初明細書には、「視線一価領域特定ステップ」が、
「前記基底曲面内の各三角形について、前記視点に対しておもて面か裏面かを判定し、前記データ格納部に格納するステップと、おもて面と判定され且つ連結している複数の三角形を含むおもて面辺連結体と、裏面と判定され且つ連結している複数の三角形を含む裏面辺連結体とを特定するステップと、」を含むこと(段落【0167】)及び
「前記おもて面辺連結体及び前記裏面辺連結体のいずれかである辺連結体の境界をある平面に投影して、当該ある平面上の境界を単調区間に分割するステップと、前記単調区間が2以下であるか判断するステップ」を含むこと(段落【0171】)が記載されている。
したがって、当該訂正事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであると認められる。
イ 特許請求の範囲の拡張・変更
訂正後の請求項5に係る発明は、「視線一価領域特定ステップ」を請求項2を引用することにより、さらに限定したものであり、特許請求の範囲の拡張・変更するものではない。
ウ 独立特許要件
当該訂正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものであることは前記のとおりであるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項5に記載される事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項5に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
3 請求項6~9、請求項11、請求項12に係る訂正について
請求項6~9、請求項11、請求項12に係る発明は、請求項5の記載を直接又は間接的に引用するものであって、請求項6~9、請求項11、請求項12の記載自体を訂正するものではない。
上記2(1)のとおり、請求項5に係る訂正は、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許請求の範囲の拡張・変更するものではないから、請求項6~9、請求項11、請求項12に係る訂正は、同じ理由により、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許請求の範囲の拡張・変更するものではない。
そして、請求項6~9、請求項11、請求項12に係る訂正が特許請求の範囲の減縮を目的とするものであることは前記のとおりであるところ、訂正後における特許請求の範囲の請求項6~9、請求項11、請求項12に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲の請求項6~9、請求項11、請求項12に記載されている事項により特定される発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
4 まとめ
以上によれば、請求項5~9、請求項11、請求項12からなる一群の請求項に係る訂正は、特許法第126条第3項、第5項ないし第7項までの規定に適合する。
第4 むすび
以上、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書き第1号及び第3号に揚げる事項を目的とし、かつ、同条第3項、第5項ないし第7項までの規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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