特許訂正審判
2017-390021
引出し構造
- 審判番号
- 2017-390021
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2006-169507
- 登録番号
- 特許第5051863号(P5051863)
- 請求日
- 2017年03月21日
- 審決日
- 2017年05月24日
- 公報発行日
- 2017年08月25日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】トクラス 株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人太陽国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 井上 博之
- 審判官 住田 秀弘
- 審判官 小野 忠悦
- 分類
- P141 .851-Y (A47B) / P141 .853-Y (A47B) / P141 .841-Y (A47B) / P141 .854-Y (A47B) / P141 .855-Y (A47B) / P141 .856-Y (A47B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5051863号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5051863号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5051863号(以下「本件特許」という。)は、平成18年6月20日に特許出願され、平成24年8月3日にその特許権の設定登録がなされ、その後、平成29年3月21日に本件訂正審判が請求されたものである。
2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の要旨は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正すること認める、との審決を求めるものであって、その請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(なお、下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「該引出しの上部空間内に配置され前記キャビネットの側板に設けた第2のレールに沿って前記引出しとは独立して引出し可能に配設された内引出しと、」とあるのを、
「該引出しの上部空間内に配置され前記キャビネットの側板に設けた第2のレールに沿って前記引出しと共に引出し可能であって、かつ、前記引出しが引き出されているときには前記引出しと独立して引出し可能に配設された内引出しと、」に訂正する。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記内引出しは、前記引出しに係止手段により係止されて、引出しの引出し動作に連動して引出し可能に構成され、前記係止手段の係止状態が解除された際には前記引出しとは別体で引出し可能に配設されると共に、」とあるのを、
「前記内引出しは、前記引出しに係止手段により係止可能であり、前記係止手段により係止されている際には前記引出しの引出し動作に連動して引出し可能に構成され、前記係止手段の係止状態が解除された際には前記引出しが引き出されていることを条件に前記引出しとは別体で引出し可能に配設されると共に、」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、「前記係止手段は、前記引出しがキャビネット内に格納された状態において、第1の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が維持されて内引出しが引出しと連動して引き出され、第2の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が解除されて引出しのみが引き出される」とあるのを、
「前記係止手段は、前記引出しがキャビネット内に格納された状態において、第1の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が維持されて内引出しが引出しと連動して引き出され、前記第1の引っ張り力よりも強い第2の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が解除されて引出しのみが引き出される」と訂正する。
(4)訂正事項4
願書に添付した明細書の段落[0005]に「該引出しの上部空間内に配置され前記キャビネットの側板に設けた第2のレールに沿って前記引出しとは独立して引出し可能に配設された内引出しと、」とあるのを、
「該引出しの上部空間内に配置され前記キャビネットの側板に設けた第2のレールに沿って前記引出しと共に引出し可能であって、かつ、前記引出しが引き出されているときには前記引出しと独立して引出し可能に配設された内引出しと、」に訂正する。
(5)訂正事項5
願書に添付した明細書の段落[0005]に「前記内引出しは、前記引出しに係止手段により係止されて、引出しの引出し動作に連動して引出し可能に構成され、前記係止手段の係止状態が解除された際には前記引出しとは別体で引出し可能に配設されると共に、」とあるのを、
「前記内引出しは、前記引出しに係止手段により係止可能であり、前記係止手段により係止されている際には前記引出しの引出し動作に連動して引出し可能に構成され、前記係止手段の係止状態が解除された際には前記引出しが引き出されていることを条件に前記引出しとは別体で引出し可能に配設されると共に、」に訂正する。
(6)訂正事項6
願書に添付した明細書の段落[0005]に「前記係止手段は、前記引出しがキャビネット内に格納された状態において、第1の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が維持されて内引出しが引出しと連動して引き出され、第2の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が解除されて引出しのみが引き出される」とあるのを、
「前記係止手段は、前記引出しがキャビネット内に格納された状態において、第1の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が維持されて内引出しが引出しと連動して引き出され、前記第1の引っ張り力よりも強い第2の引っ張り力で引っ張った際にその係止状態が解除されて引出しのみが引き出される」と訂正する。
3 当審の判断
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、本件訂正前の請求項1に記載された「内引出し」に関し、「前記引出しとは独立して引出し可能」なことに加え、「前記引出しと共に引出し可能であって、」との態様を追加し、さらに、該「前記引出しとは独立して引出し可能」であるときには、「前記引出しが引き出されているときには」との条件を加えるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の追加について
「内引出し」が「引出し可能」であるときの「引出し」との関係について、本件特許明細書には、「【0016】また、内引出し13と引出し11は、その背面板13d、11d側で係止手段17によって係止されている。・・・」、「【0018】・・・先ず、引出し11をキャビネット4内に押し込んだ格納状態においては、図2及び図7の実線で示すように、キャビネット4の前面開口部が引出し11の鏡板11aで閉塞された状態となっている。この状態で、引出し11を前述した通常の引っ張り力(第1の引っ張り力)で引っ張ると、引出し11がレール14に沿って前方に移動すると共に、この引出し11に係止手段17により係止されている内引出し13もレール15に沿って引出し11に連動する状態で前方に移動し、図7(a)の二点鎖線の位置に設定される。」、「【0021】一方、引出し11の格納状態において、引出し11の鏡板11aを前述した通常の引っ張り力より強い第2の引っ張り力で引っ張ると、係止手段17のマグネット17aと吸着板17cの係止(吸着)状態が解除され、図7(b)に示すように、引出し11のみがレール14に沿って前方に移動してキャビネット4から引き出される。この時、内引出し13は、レール15の後方側に格納された状態となっており、例えば引出し11の上部の開口から手を入れて内引出し13の鏡板13aを前方に引っ張ることにより、内引出し13を引き出すことができる。・・・」と記載されている。(下線は、審決で付与。以下同様。)
また、【図7】(a)には、「引出し11」及び「内引出し13」が共に引出された状態が二点鎖線で示され、【図7】(b)には、「引出し11」のみが引出され、「内引出し13」はキャビネット内に格納されている状態が、二点鎖線で示されている。
以上の記載によれば、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項1は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、本件訂正前の請求項1に記載された「内引出し」ついて、「引出しの引出し動作に連動して引出し可能」となる「引出し」との関係について、「前記引出しに係止手段により係止されて、」いることから、「前記引出しに係止手段により係止可能であり、前記係止手段により係止されている際」に限定し、また、「前記引出しとは別体で引出し可能」となる条件として、「前記引出しが引き出されていることを条件に」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項について
本件特許明細書に、上記(1)イで指摘した事項が記載されており、この記載によれば、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項2は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、本件訂正前の請求項1に記載された「第2の引っ張り力」について、「前記第1の引っ張り力よりも強い」ことに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項について
本件特許明細書に、「【0017】・・・後述するように引出し11を通常の引っ張り力(第1の引っ張り力)で引っ張った際に吸着状態が維持され、引出し11に比較的強い力を瞬間的に加える引っ張り力(第2の引っ張り力)で引っ張った際に吸着状態が解除されるように設定されている。・・・」、「【0018】・・・この状態で、引出し11を前述した通常の引っ張り力(第1の引っ張り力)で引っ張ると、引出し11がレール14に沿って前方に移動すると共に、この引出し11に係止手段17により係止されている内引出し13もレール15に沿って引出し11に連動する状態で前方に移動し、・・・」、「【0021】一方、引出し11の格納状態において、引出し11の鏡板11aを前述した通常の引っ張り力より強い第2の引っ張り力で引っ張ると、係止手段17のマグネット17aと吸着板17cの係止(吸着)状態が解除され、・・・」と記載されていることからみて、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更について
訂正事項3は、上記アのとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、発明のカテゴリや対象、目的を変更するものではないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項4~6
訂正事項4~6は、上記訂正事項1~3の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
また、訂正事項4~6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないことは明らかである。
(5)独立特許要件について
上記(1)~(3)で検討したとおり、訂正事項1~3は、特許法第126条第1項ただし書き第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、特許法第126条第7項の規定により、訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される請求項1ないし3に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すると、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。
4 むすび
以上のとおり、訂正事項1~6は、特許法第126条第1項ただし書第1号または第3号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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