特許訂正審判
2017-390006
蓄電装置
- 審判番号
- 2017-390006
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2014-545701
- 登録番号
- 特許第6011635号(P6011635)
- 請求日
- 2017年01月20日
- 審決日
- 2017年03月14日
- 公報発行日
- 2017年06月30日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 豊田自動織機
- 【請求人代理人】恩田 誠
- 【請求人代理人】恩田 博宣
- 審判長/審判官
- 審判長 池渕 立
- 審判官 土屋 知久
- 審判官 河本 充雄
- 分類
- P141 .853-Y (H01M) / P141 .841-Y (H01M) / P141 .854-Y (H01M) / P141 .855-Y (H01M)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第6011635号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第6011635号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
【理 由】
1 経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第6011635号(以下、「本件特許」という。)は、2013年11月5日(優先権主張平成24年11月6日、平成25年5月1日 日本国)を国際出願日とする出願(特願2014-545701号)の請求項1~12に係る発明について、平成28年9月30日に特許権の設定登録がなされ、その後、平成29年1月20日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6011635号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。
3 訂正事項
(1)訂正事項1
願書に添付した特許請求の範囲の請求項1(以下、「本件請求項1」という。)について、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域とが想定され、前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい」とあるのを、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第2の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域とが想定され、前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい」と訂正する。
(2)訂正事項2
願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)の【0006】について、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁によって囲まれた第1の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域とが想定される。前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成される。前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい。」とあるのを、
「前記交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁によって囲まれた第2の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域とが想定される。前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成される。前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい。」と訂正する。
4 当審の判断
以下、訂正事項1及び訂正事項2について検討する。
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項1について
ア-1 本件請求項1には、「交差溝に沿って延長し、かつ前記圧力開放弁の周縁と交差する2本の仮想直線を想定したとき、前記各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域と、前記各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域とが想定され」と、また、「前記第1の領域の前記弧部に接する部分が前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多くなるように前記第1及び第2の領域が構成され、
前記第1の領域の面積が、前記第2の領域の面積よりも大きい」と記載されている。
ア-2 一方、本件明細書には、「領域S1は、直線溝27a,27bの交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、直線部23と、によって区画される領域である。また、領域S2は、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、直線部24と、によって区画される領域である」(【0031】)と、また、「領域S3は、交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、弧部25と、によって区画される領域である。また、領域S4は、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、弧部26と、によって区画される領域である」(【0032】)と記載されており、さらに、「この実施形態において領域S1,S2は弧部25,26に接する部分が少ない第2の領域に対応し、領域S3,S4は弧部25,26に接する部分が多い第1の領域に対応する。即ち、領域S3,S4の弧部25,26に接する部分は、領域S1,S2の弧部25,26に接する部分よりも多い。そして、弁体21の表面21aに位置する4つの領域S1~S4の面積については、弧部25,26に接する部分が多い領域S3,S4の方が、弧部25,26に接する部分が少ない領域S1,S2に比較して大きい。即ち、領域S3の面積は、領域S1,S2の何れの面積よりも大きく、領域S4の面積は、領域S1,S2の何れの面積よりも大きい」(【0033】)と記載されている。
ア-3 ここで、本件請求項1の上記記載と本件明細書の上記記載とを対比するに、本件請求項1の「各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域」は、「周縁」が図3における直線部23,24に相当すると認められるから、本件明細書の「直線溝27a,27bの交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、直線部23と、によって区画される」「領域S1」及び「交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、直線部24と、によって区画される」「領域S2」に相当し、また、本件請求項1の「各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域」は、「弧部」が図3における弧部25,26に相当すると認められるから、本件明細書の「交差点Xと境界P1との間に位置する仮想直線Y1の部分と、交差点Xと境界P3との間に位置する仮想直線Y2の部分と、弧部25と、によって区画される」「領域S3」及び「交差点Xと境界P2との間に位置する仮想直線Y2の部分と、交差点Xと境界P4との間に位置する仮想直線Y1の部分と、弧部26と、によって区画される」「領域S4」に相当する。
ア-4 しかし、本件請求項1では、領域S1,S2に相当する「第1の領域の前記弧部に接する部分」が、領域S3,S4に相当する「前記第2の領域の前記弧部に接する部分よりも多」いと記載されているのに対し、本件明細書では、「領域S1,S2は弧部25,26に接する部分が少ない第2の領域に対応し、領域S3,S4は弧部25,26に接する部分が多い第1の領域に対応する」と記載されており、これらの記載は明らかに矛盾している。
ア-5 また、本件請求項1では、領域S1,S2に相当する「第1の領域の面積」が、領域S3,S4に相当する「前記第2の領域の面積よりも大きい」と記載されているのに対し、本件明細書には、「4つの領域S1~S4の面積については、・・・・領域S3,S4の方が、・・・・領域S1,S2に比較して大きい」と記載されており、これらの記載も明らかに矛盾している。
ア-6 そうすると、本件請求項1の記載は、本件明細書の記載と明らかに矛盾しており、不合理を生じているから、明瞭な記載とはいえない。
ア-7 そして、訂正事項1は、上記3(1)のとおり、本件請求項1の「各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第1の領域」を「各仮想直線と前記圧力開放弁の周縁とによって囲まれた第2の領域」と、本件請求項1の「各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第2の領域」を「各仮想直線と前記弧部とによって囲まれた第1の領域」とそれぞれ訂正するものであって、このように訂正することにより、本件請求項1の「第2の領域」が本件明細書の「領域S1」及び「領域S2」に、本件請求項1の「第1の領域」が本件明細書の「領域S3」及び「領域S4」にそれぞれ相当することとなるから、上記ア-4及び上記ア-5で指摘した矛盾を解消することとなる。
ア-8 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
イ 訂正事項2について
訂正事項2は、訂正事項1に伴って、本件明細書の記載を訂正するものであるから、訂正事項1と同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項1は、上記(1)アで述べたとおり、本件請求項1の記載を本件明細書の記載に整合させるものであるし、訂正事項2は、上記(1)イで述べたとおり、訂正事項1に伴って本件明細書の記載を訂正するものであるから、訂正事項1,2はいずれも、願書に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるといえる。
よって、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)特許請求の範囲の実質的な拡張又は変更について
訂正事項1は、上記(1)アで述べたとおり、不合理な記載を解消するものであるし、訂正事項2は、上記(1)イで述べたとおり、訂正事項1に伴って本件明細書の記載を訂正するものであるから、特許請求の範囲を実質的に拡張し、又は変更するものではない。
よって、訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
5 むすび
以上のとおり、本件審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とし、同条第5項及び第6項の規定に適合するので、適法な訂正と認める。
よって、結論のとおり審決する。
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