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特許異議申立

2018-700810

リチウム二次電池陰極材用シリコン複合酸化物及びその製造方法

審判番号
2018-700810
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-063165
登録番号
特許第6306767号(P6306767)
請求日
2018年10月04日
審決日
2019年10月29日
公報発行日
2020年01月31日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】デジュ・エレクトロニック・マテリアルズ・カンパニー・リミテッド
  • 【権利者代理人】鮫島 睦
  • 【権利者代理人】山尾 憲人
  • 【権利者代理人】佐々木 正博
  • 【異議申立人】河村 真人
審判長/審判官
  • 審判長 池渕 立
  • 審判官 粟野 正明
  • 審判官 長谷山 健
分類
P1652.841-XA (H01M) / P1652.851-XA (H01M) / P1652.857-XA (H01M) / P1652.854-XA (H01M) / P1652.855-XA (H01M) / P1652.856-XA (H01M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特許第6306767号発明「リチウム二次電池陰極材用シリコン複合酸化物及びその製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

【結 論】 特許第6306767号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項〔1~19〕について訂正することを認める。 本件特許異議の申立てを却下する。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 特許第6306767号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~19に係る特許についての出願は、平成29年3月28日(パリ条約による優先権主張2017年3月20日、韓国(KR))を出願日とする出願であって、平成30年3月16日に特許権の設定登録がされ、同年4月4日に特許掲載公報が発行され、同年10月4日付けで請求項1~6、9、18、19に係る本件特許に対し、特許異議申立人である河村真人(以下、「申立人」という。)によって特許異議の申立てがされたものである。 その後、平成31年1月22日付けで当審から取消理由が通知され、同年4月25日付けで特許権者から意見書の提出及び訂正請求がされ、令和1年5月10日付けで当審から申立人に対し訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)をするとともに相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、同年6月14日付けで申立人から意見書が提出され、令和1年7月16日付けで当審から取消理由(決定の予告)が通知され、同年10月16日付けで特許権者から意見書の提出及び訂正請求(以下、「本件訂正請求」という。)がされたものである。 なお、上記のとおり、令和1年10月16日付けで本件訂正請求がされたため、平成31年4月25日付けの訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 また、以下の第2、第3のとおり、本件訂正請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)により特許異議の申立てがされた請求項1~6、9、18、19は全て削除されたため、特許法第120条の5第5項ただし書の規定に基いて、当審から申立人に対し訂正請求があった旨の通知をするとともに相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えることはしなかった。 第2 本件訂正の適否について 1 本件訂正請求の趣旨 本件訂正請求の趣旨は「特許第6306767号の特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~19について訂正することを求める。」というものである。 2 訂正事項 本件訂正の内容は、以下の訂正事項1~13のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すために当審において付したものである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項7を独立形式に改め、 「シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物であって、前記炭素被膜は、カーボンナノファイバー、グラフェン、酸化グラフェン、及び還元された酸化グラフェンからなるグループから選択されるいずれか一つ以上を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物。」 に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項8を独立形式に改め、 「シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物であって、前記シリコン複合酸化物の比重は2.3~3.2であることを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物。」 に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項10を独立形式に改め、 「シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物であって、前記シリコン複合酸化物の比表面積は1~40m2/gであることを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物。」 に訂正する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項11を独立形式に改め、 「珪素粉末と二酸化珪素粉末とを混合してSi/SiO2原料粉末混合体を準備するステップと、 前記Si/SiO2原料粉末混合体と金属マグネシウムを蒸発及び蒸着させてシリコン複合酸化物を形成するステップと、 前記形成されたシリコン複合酸化物を冷却させるステップと、 前記冷却されたシリコン複合酸化物を粉砕するステップと、 前記粉砕されたシリコン複合酸化物の表面を炭素で被覆させるステップと、 を含む、シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含む二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。」 に訂正する。 請求項11を引用する請求項12~17も同様に訂正する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項18を削除する。 (13)訂正事項13 特許請求の範囲の請求項19を削除する。 3 一群の請求項について 本件訂正前の請求項1~19は、請求項2~19が、訂正請求の対象である請求項1を引用する関係にあるから、本件訂正は、一群の請求項である請求項1~19に対して請求されたものであり、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。 4 訂正要件の検討 (1)訂正事項1~6、9、12、13について ア 訂正の目的の適否,新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1~6、9、12、13に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項1~6、9、18、19のそれぞれを削除するものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるから、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合し、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 イ 独立特許要件 訂正事項1~6、9、12、13に係る本件訂正によって、特許異議の申立てがされた請求項1~6、9、18、19は削除されたため、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定は適用されない。 (2)訂正事項7、8、10、11について ア 訂正の目的の適否,新規事項の有無,特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項7、8、10、11に係る本件訂正は、本件訂正前の請求項7、8、10、11のそれぞれが請求項1を引用する記載であるところ、いずれの訂正も、請求項間の引用関係を解消するために、その内容を変更することなく請求項1の記載を引用しない形に書き替えるものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること。」を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるから、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合し、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、同法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。 イ 独立特許要件 前記アのとおり、訂正事項7、8、10、11に係る本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる事項を目的とするものであるから、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項の規定は適用されない。 5 小括 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、同条第4項、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 そして、本件訂正は、請求項間の引用関係の解消を目的とする訂正が認められた場合に、特定の請求項に係る訂正事項について別の請求単位とする求めもない。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、請求項〔1~19〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記第2のとおり、本件訂正が認められたので、本件特許の請求項1~19に係る発明は、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1~19に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 (削除) 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 (削除) 【請求項4】 (削除) 【請求項5】 (削除) 【請求項6】 (削除) 【請求項7】 シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物であって、前記炭素被膜は、カーボンナノファイバー、グラフェン、酸化グラフェン、及び還元された酸化グラフェンからなるグループから選択されるいずれか一つ以上を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物。 【請求項8】 シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物であって、前記シリコン複合酸化物の比重は2.3~3.2であることを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物。 【請求項9】 (削除) 【請求項10】 シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含むことを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物であって、前記シリコン複合酸化物の比表面積は1~40m2/gであることを特徴とする、二次電池負極材用シリコン複合酸化物。 【請求項11】 珪素粉末と二酸化珪素粉末とを混合してSi/SiO2原料粉末混合体を準備するステップと、 前記Si/SiO2原料粉末混合体と金属マグネシウムを蒸発及び蒸着させてシリコン複合酸化物を形成するステップと、 前記形成されたシリコン複合酸化物を冷却させるステップと、 前記冷却されたシリコン複合酸化物を粉砕するステップと、 前記粉砕されたシリコン複合酸化物の表面を炭素で被覆させるステップと、 を含む、シリコン酸化物(SiOX、0<x<2)内に結晶サイズが1~25nmであるシリコン粒子及びMgSiO3(enstatite)結晶を含み、表面に炭素被膜を含む二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項12】 前記珪素粉末は平均粒径が1~50μmであり、前記二酸化珪素粉末は平均粒径が10~100nmであることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項13】 前記Si/SiO2原料粉末混合体は、珪素粉末1モル当たり二酸化珪素粉末を0.8~1モルの割合で混合することを特徴とする、請求項11に記載の二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項14】 前記Si/SiO2原料粉末混合体と金属マグネシウムの蒸発は0.01~2torrの圧力下で800~1600℃に加熱して遂行されることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項15】 前記冷却させるステップは、水冷基板による冷却、自然冷却、及びその他の冷却方法のうち、いずれか一つの方法により常温まで冷却されることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項16】 前記粉砕するステップは、平均粒径が0.1~15μmの粉末になるように粉砕することを特徴とする、請求項11に記載の二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項17】 前記炭素で被覆させるステップは、前記シリコン複合酸化物をメタン、プロパン、ブタン、アセチレン、ベンゼン、及びトルエンからなるグループから選択されるいずれか一つ以上の炭素前駆体と600~1200℃でガス状で反応させることを特徴とする、請求項11に記載の二次電池負極材用シリコン複合酸化物の製造方法。 【請求項18】 (削除) 【請求項19】 (削除)」 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正によって特許異議の申立てがされた請求項1~6、9、18、19は全て削除され、特許異議の申立ての対象となる請求項は存在しないものとなったから、本件特許についての特許異議の申立ては、特許法第120条の8第1項で準用する同法135条の規定によって却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2018-700810

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