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特許拒絶査定不服審判

2017-017397

プラント監視制御装置、及びプラント監視制御方法

審判番号
2017-017397
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2013-169974外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年11月24日
審決日
2018年08月07日
公報発行日
2018年11月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G09G) / P18 .575-Z (G09G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2013-169974「プラント監視制御装置、及びプラント監視制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月26日出願公開、特開2015- 38587〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成25年8月19日の出願であって、平成28年12月27日付けの拒絶理由の通知に対し、平成29年3月3日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成29年8月23日付けで拒絶査定がなされ(送達日:同年同月29日)、これに対して平成29年11月24日に審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年11月24日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成29年11月24日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。) 「プラントの操作端を模擬したシンボルと、前記シンボルに対応付けられた操作フレームと、を表示する表示部を有するプラント監視制御装置であって、 前記操作フレームには、前記操作端の名称と、前記操作端の操作に用いる操作ボタンと、が表示され、 前記表示部に表示されるシンボルは複数選択可能であり、選択されたシンボルに対応付けられた操作フレームの表示要求を行う操作フレーム表示要求部と、 前記シンボル及び前記操作フレームとを前記表示要求の有無と関連づけて記憶するシンボル/操作フレーム記憶部と、 前記シンボル/操作フレーム記憶部に記憶された表示要求が行われた操作フレームと、その操作フレームに対応するシンボルとを視覚的に関連付けるシンボル/操作フレーム関連付け部と、 前記関連付けを行った複数の操作フレームを、各操作フレームに対応するシンボルと、前記関連付けとともに前記表示部に表示させる制御を行う操作フレーム表示制御部と、 を備えることを特徴とするプラント監視制御装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成29年3月3日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「プラントの操作端を模擬したシンボルと、前記シンボルに対応付けられた操作フレームと、を表示する表示部を有するプラント監視制御装置であって、 前記表示部に表示されるシンボルは複数選択可能であり、選択されたシンボルに対応付けられた操作フレームの表示要求を行う操作フレーム表示要求部と、 前記シンボル及び前記操作フレームとを前記表示要求の有無と関連づけて記憶するシンボル/操作フレーム記憶部と、 前記シンボル/操作フレーム記憶部に記憶された表示要求が行われた操作フレームと、その操作フレームに対応するシンボルとを視覚的に関連付けるシンボル/操作フレーム関連付け部と、 前記関連付けを行った複数の操作フレームを、前記表示部に表示させる制御を行う操作フレーム表示制御部と、 を備えることを特徴とするプラント監視制御装置。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「操作フレーム」及び「操作フレーム表示制御部」について、上記のとおり限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である、特開平5-107086号公報(平成5年4月27日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線は、当審で付した。) 「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、CRTを用いたプロセス監視装置の表示装置に関する。」 「【0002】 【従来の技術】発電プラント等の監視制御装置においては、プラント系統図をCRTなどに表示し、表示画面上の任意の操作端を選択して、その部分に対応したプラント制御用操作画面及びプラント詳細監視情報表示画面を表示するように構成される。複合表示された画面で運転員が監視する場合、プラント系統図にプラント制御用操作画面及びプラント詳細監視情報表示画面が重畳表示されるため、重なった部分のプラント系統図は消去されてしまう。」 「【0010】本発明の目的は前記の問題を解決し、プラント系統図と関連情報を画面監視領域に同時に複数表示する場合においてもプラント系統図とプラント機器の情報が一目でわかるプロセス表示装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の特徴とするところは、プラント系統図のような第1の情報とプラント機器の詳細情報のような第2の情報とを画面上重ね合わせて表示するプロセス表示装置において、プラント機器に関連する情報を格納する情報格納手段と、表示されている前記プラント機器を指定あるいは移動,消去等の表示処理要求を入力する入力手段と、指定された機器に対応するウインドウ情報を前記プラント系統図と共に同一画面上の任意の位置にウインドウに表示させるウインドウ表示処理手段とを有し、前記ウインドウ表示処理手段は前記入力手段からの要求に応じて画面上入力手段により指定された位置に移動、または消去して表示するようにした点にする。」 「【0013】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図1~図14により説明する。 【0014】図1に本発明の実施例をブロック図で示す。 【0015】監視対象であるプラント1の各部の状態を示すセンサーからの信号を周期的に取り込み、ディジタル値に変換すると共に工学単位値に変換するプロセス入力装置2と、該プロセス入力装置2から出力されるプロセスの状態を示す各種プラント信号を蓄積するプラントデータベース部3,CRTに表示するための複数のプラント系統図の表示フォーマットを蓄積する表示フォーマットベ-ス部4,プラントの各機器に対応したデ-タを格納する関連情報データベース部5、及び予め設定された表示フォーマットに基づいて表示データを編集し、表示を行なう表示制御処理手段6と編集したデータを表示するCRT表示装置7,タッチスクリーン8より構成される。 【0016】表示制御処理手段6は表示編集手段61,表示処理手段62,ウインドウ表示編集部63,ウインドウ情報格納部64,ウインドウ表示処理部65及びタッチ受付処理部66より構成される。 【0017】図2はウインドウ表示編集部63の構成を示したものである。 【0018】ウインドウ表示編集部63はタッチされた位置と予め定められた入力点No.が対応するように変換する受付アドレスから元の入力点No.変換処理部631,該入力点No.に対応した関連詳細情報検索部632,関連詳細情報編集部633,ウインドウ位置決定部634より構成される。 【0019】次に本発明のCRT表示装置に表示する具体的な例を図4~図18を用いて説明する。 【0020】図4~図7に本発明の複数のウインドウを表示する例を示す。 【0021】CRT表示装置7に表示されたプラント系統図に対し、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作901を行なう。続いて、機器の名称,TAG.No.,信号レベル等を表示するポイントウインドウを指定するタッチ操作902を行なう(図4)。これら操作をタッチスクリーン8が受け付け、CRT表示装置7の画面上の左下にウインドウ100を表示する(図5)。このウインドウの表示位置は必ずしも固定化される必要は無く、画面フォーマットよりプラント系統図が表示されていないエリアを自動的に検出して表示させる位置を決定させることも可能である。さらに、図6に示すようにウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作903を行なう。続いて、経過データ等を表示するトレンドウインドウを指定するタッチ操作904を行なう。これら操作をタッチスクリーン8が受け付け、CRT表示装置7の下にウインドウ101を表示する。 【0022】図1及び図2を用いて、上記の表示処理方法を説明する。 【0023】タッチ操作901をタッチスクリーン8から入力し、タッチ受付処理部66でタッチされた位置により機能の選択か、プラント機器の選択かを判断し、プラント機器の選択の場合は入力点No変換処理部631へタッチ座標を渡す。変換処理部631ではタッチ座標により受付アドレスからその位置に表示されている入力点Noを求め、関連詳細情報検索部632へ渡す。関連詳細情報検索部632では入力点Noに対応した関連詳細情報を検索し、関連情報編集部633でウインドウ情報を編集する。関連情報編集部633で編集されたウインドウ情報はウインドウ情報格納部64へ格納する。ウインドウ位置決定部634ではタッチされ指定されたアドレスより適切なウインドウ表示位置を決定し、ウインドウ表示処理部65へ送る。ウインドウ表示処理部65ではウインドウ情報格納部64に格納されたウインドウを読み出しCRT表示装置7に表示する。ウインドウ情報格納部64は複数のウインドウ情報が格納されており、タッチ操作を受付けてその都度ウインドウ表示処理部65がウインドウ情報格納部64から読み出すことによつて、複数のウインドウを同時に表示することが可能である。」 「【0036】図12に本発明の他の実施例を示す。 【0037】CRT表示装置7にはプラント系統図及びポイントウインドウ100,トレンドウインドウ101が表示されている。図12に表示されている内容は上記に示した方法を繰り返して操作することにより、表示させることが可能である。 【0038】プラント機器12と該プラント機器12に対応したポイントウインドウ100及びプラント機器13と該プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101はそれぞれが関連していることを識別できるようにプラント機器とウインドウの枠表示色を同一色として表示する。プラント機器12とポイントウインドウ100、プラント機器13とトレンドウインドウ101はそれぞれ識別できるようにプラント機器とウインドウを異なる色として表示する。この対応付けは色によって行なうものとは限らず、例えば矢印で結ぶ方法等を用いて表示することも可能である。 【0039】上記の表示を達成するためには、予めウインドウ情報格納部64のウインドウ番号に色を対応させ、ウインドウ表示処理部65でウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色として、CRT表示装置7に表示する。 【0040】本実施例によれば、対応するプラント機器とウインドウを識別するようにしているので、複数表示された任意のウインドウを移動,消去した場合においても、どのプラント機器とウインドウが対応しているのか一目で把握することができる。」 (イ)上記記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 引用文献1には、従来の技術として、発電プラント等の監視制御装置においては、プラント系統図をCRTなどに表示し、表示画面上の任意の操作端を選択して、その部分に対応したプラント制御用操作画面及びプラント詳細監視情報表示画面を表示するように構成され、複合表示された画面で運転員が監視する場合、プラント系統図にプラント制御用操作画面及びプラント詳細監視情報表示画面が重畳表示される技術が記載されている(【0002】)。 b 引用文献1に記載された技術は、プロセス監視装置の表示装置に関するもので(【0001】)、監視対象はプラント1である(【0015】)。 c CRT表示装置7には、プラント機器の記号を含むプラント系統図と、ポイントウインドウ100,トレンドウインドウ101が表示される(【0021】、【0037】、図4ないし7、12)。 d ポイントウインドウは、機器の名称,TAG.No.,信号レベル等を表示するもので、トレンドウインドウは、経過データ等を表示するものである(【0021】)。 e プラント機器12に対応したポイントウインドウ100には、名称として「出口弁開度」と記載されている(【0038】、図12)。 f CRT表示装置7に表示されたプラント系統図に対し、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作901、ポイントウインドウを指定するタッチ操作902を行なう(図4)。これら操作をタッチスクリーン8が受け付け、CRT表示装置7の画面上にウインドウ100を表示する(図5)。さらに、図6に示すようにウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作903、トレンドウインドウを指定するタッチ操作904を行なう。これら操作をタッチスクリーン8が受け付け、CRT表示装置7にウインドウ101を表示する(【0021】)。 g タッチ操作901をタッチスクリーン8から入力し、タッチ受付処理部66でタッチされた位置により機能の選択か、プラント機器の選択かを判断し、プラント機器の選択の場合は入力点No変換処理部631へタッチ座標を渡す。変換処理部631ではタッチ座標により受付アドレスからその位置に表示されている入力点Noを求め、関連詳細情報検索部632へ渡す。関連詳細情報検索部632では入力点Noに対応した関連詳細情報を検索し、関連情報編集部633でウインドウ情報を編集する。関連情報編集部633で編集されたウインドウ情報はウインドウ情報格納部64へ格納する。ウインドウ表示処理部65ではウインドウ情報格納部64に格納されたウインドウを読み出しCRT表示装置7に表示する。ウインドウ情報格納部64は複数のウインドウ情報が格納されており、タッチ操作を受付けてその都度ウインドウ表示処理部65がウインドウ情報格納部64から読み出すことによつて、複数のウインドウを同時に表示することが可能である(【0023】)。 h プラント機器12と該プラント機器12に対応したポイントウインドウ100及びプラント機器13と該プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101はそれぞれが関連していることを識別できるようにプラント機器とウインドウの枠表示色を同一色として表示する。プラント機器12とポイントウインドウ100、プラント機器13とトレンドウインドウ101はそれぞれ識別できるようにプラント機器とウインドウを異なる色として表示する(【0038】)。上記の表示を達成するためには、予めウインドウ情報格納部64のウインドウ番号に色を対応させ、ウインドウ表示処理部65でウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色として、CRT表示装置7に表示する(【0039】)。この対応付けは色によって行なうものとは限らず、例えば矢印で結ぶ方法等を用いて表示することも可能である(【0038】)。対応するプラント機器とウインドウを識別するようにしているので、複数表示された任意のウインドウを移動,消去した場合においても、どのプラント機器とウインドウが対応しているのか一目で把握することができる(【0040】)。 (ウ)上記(イ)から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「監視対象がプラント1である、プロセス監視装置の表示装置であって、 CRT表示装置7には、プラント機器の記号を含むプラント系統図と、ポイントウインドウ100,トレンドウインドウ101が表示され、 ポイントウインドウは、機器の名称,TAG.No.,信号レベル等を表示するもので、トレンドウインドウは、経過データ等を表示するものであり、 プラント機器12に対応したポイントウインドウ100には、名称として「出口弁開度」と記載されており、 CRT表示装置7に表示されたプラント系統図に対し、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作901、ポイントウインドウを指定するタッチ操作902を行ない、これら操作をタッチスクリーン8が受け付け、CRT表示装置7の画面上にウインドウ100を表示し、さらに、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作903、トレンドウインドウを指定するタッチ操作904を行ない、これら操作をタッチスクリーン8が受け付け、CRT表示装置7にウインドウ101を表示し、 タッチ操作901をタッチスクリーン8から入力し、タッチ受付処理部66でタッチされた位置により機能の選択か、プラント機器の選択かを判断し、プラント機器の選択の場合は入力点No変換処理部631へタッチ座標を渡し、変換処理部631ではタッチ座標により受付アドレスからその位置に表示されている入力点Noを求め、関連詳細情報検索部632へ渡し、関連詳細情報検索部632では入力点Noに対応した関連詳細情報を検索し、関連情報編集部633でウインドウ情報を編集し、関連情報編集部633で編集されたウインドウ情報はウインドウ情報格納部64へ格納し、ウインドウ表示処理部65ではウインドウ情報格納部64に格納されたウインドウを読み出しCRT表示装置7に表示し、ウインドウ情報格納部64は複数のウインドウ情報が格納されており、タッチ操作を受付けてその都度ウインドウ表示処理部65がウインドウ情報格納部64から読み出すことによつて、複数のウインドウを同時に表示することが可能であり、 プラント機器12と該プラント機器12に対応したポイントウインドウ100及びプラント機器13と該プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101はそれぞれが関連していることを識別できるようにプラント機器とウインドウの枠表示色を同一色として表示し、プラント機器12とポイントウインドウ100、プラント機器13とトレンドウインドウ101はそれぞれ識別できるようにプラント機器とウインドウを異なる色として表示し、上記の表示を達成するためには、予めウインドウ情報格納部64のウインドウ番号に色を対応させ、ウインドウ表示処理部65でウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色として、CRT表示装置7に表示し、この対応付けは色によって行なうものとは限らず、例えば矢印で結ぶ方法等を用いて表示することも可能であり、対応するプラント機器とウインドウを識別するようにしているので、複数表示された任意のウインドウを移動,消去した場合においても、どのプラント機器とウインドウが対応しているのか一目で把握することができる 監視対象がプラント1である、プロセス監視装置の表示装置。」 イ 引用文献2 (ア)同じく原査定に引用され、本願の出願前に頒布された特開平8-234830号公報(平成8年9月13日出願公開。以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。(下線は、当審で付した。) a 「【0002】 【従来の技術】工業プラントの運転操作は、プラント補機が設置されている現場でプラント状態を監視しながらの現場操作方式から移行して、中央操作室等の遠隔地より集中的に監視・操作する集中監視操作方式が、運転員の負荷軽減や運転員の人数の削減、プラント操作の迅速化等を目的として採用されることが一般化している。 【0003】このような集中監視操作のために、プラント機器が配置されている現場には、プラント状態量測定のためのセンサやバルブ開閉といった補機状態の検出のためのスイッチ類、補機の遠隔操作のための駆動装置が設置されている。一方、中央操作室にはセンサにより計測されたプラント状態量を表示するメータ等の表示器や補機状態を示すランプ類、補機起動・停止操作のためのスイッチ等の操作器が監視操作盤上に配置され、これにより中央操作室にて温度・圧力等のプラント状態量や補機の状態を監視しながら操作することができるようになっている。 【0004】しかしながら、このような方法では、対象プラントの巨大化や複雑化につれて表示器および操作器の数が増大したために、監視操作盤の巨大化や運転員の負担増をもたらし、経済性・操作性の問題が出てきた。 【0005】このような問題を解決する方法の一つとして、プラント運転に計算機を応用した監視制御システムが使用されるようになってきた。この監視制御システムのマンマシンインターフェイスとしては、一般にCRT等の表示装置が用いられており、漢字表示やグラフィック表示が可能なCRT表示装置等の表示装置や種々の入力装置が開発されるにいたって、その操作性は監視操作盤によるそれと同等以上のレベルになってきた。 【0006】このようにして、近年では監視操作盤に代わり、CRT表示装置等の表示装置およびタッチスクリーンや表示装置の卓上に配置されたキーボード等の入力装置の組み合わせによるものが用いられるようになってきた。以下、これをオペレーション装置と呼ぶ。」 b 「【0011】図57は従来のオペレーション装置の主要部1の構成例を示すもので、CRT表示装置2とタッチ入力装置3およびキーボード入力装置4を備えている。 【0012】CRT表示装置2は、操作用系統図、例えば図58に示すような操作用系統図画面Aを表示する。運転員は特定の操作端に対して操作を行う際には、その操作端の現在状態の確認や、その操作端周辺のプロセス量や関連する機器の運転状態を監視しながら操作を行う必要がある。このためオペレーション装置では操作端操作時のプラント監視をサポートするため、プラント系統図に1つまたは2つの操作端の操作端情報を重ねて表示し、プラント系統図を監視しながら操作端が操作できるような機能を持っているのが一般的である。以下、この機能を持った系統図を操作用系統図と呼ぶ。 【0013】タッチ入力装置2は、操作しようとする操作端の選択および当該操作端に対してどのような操作(例えば回転補機に対し起動指令を出す)を行うかを指示する際に用いられるもので、運転員が画面上をタッチしたとき、その位置の座標(X軸・Y軸)を検出し、その座標情報を入力処理手段5へ伝える。 【0014】入力処理手段5は、タッチ入力装置2からの座標情報が操作端の選択情報であることを判定すると、その座標データを操作用系統図表示手段6に渡す。 【0015】操作用系統図表示手段6では、その詳細構成を図59に示すように、操作端選択処理部6aが入力処理手段5からの座標データ(X、Y)を入力し、系統図操作端割付テーブル7を参照して、表示中の操作用系統図からこれから操作しようとする操作端の操作端タグ番号を得て、選択中操作端タグ番号記憶部6bにその操作端番号を記憶するとともに、操作フレーム処理部6cを起動する。図60に系統図操作端割付テーブル7のデータ構成例を示す。操作フレーム処理部6cは操作端情報を表示するため、操作端情報テーブル8とプロセス量データテーブル9を参照して、その操作端の操作フレームを操作用系統図上に重ねて、図58に示すような操作用系統図画面Aを送信処理部6dを介してCRT表示装置2へ表示する。図58の操作用系統図画面Aにおいて、符号10aは操作端の選択エリア、10bは選択エリア10aの操作端に対応する操作フレームである。 【0016】図61は、操作端情報テーブル8のデータ構造を示したものである。操作端情報テーブル8はオペレーション装置から操作する各操作端についての情報を記憶したもので、各々の操作端についてタグ番号・操作端名称・プロセス量データテーブル9を参照するために必要なその操作端に関連する入力点のタグ番号、出力点のタグ番号を記憶している。 【0017】図62は、プロセス量データテーブル9のデータ構造を示したものである。プロセス量データテーブル9はアナログ用9a とデジタル9b の2つに分割されているが、それぞれ入力点のタグ番号順に、アナログ用においては入力レンジ(上限)・入力レンジ(下限)・値・単位・タグ番号、デジタル用においては値のみのフィールドをもち、このうち、値のフィールドにはデータ入力処理手段11によりプラントの状態が一定時間間隔で更新される。 【0018】入力処理手段5は、タッチ入力装置2からの座標情報が操作端に対する操作指示であることを判定すると、その座標データから操作項目を判別し機器操作処理手段12に渡す。 【0019】機器操作処理手段12は、入力処理手段5から渡された操作項目に基づいて、操作用系統図表示手段6の選択中操作端タグ番号記憶部6bに記憶されている操作端タグ番号をもとに図61に示すような操作端情報テーブル8を参照して、出力データテーブル13の当該操作端に対応する箇所への操作出力設定を行う。 【0020】図63は、この出力データテーブル13のデータ構造を示したものであり、テーブルはアナログ用13a とデジタル用13b の2つに分割されているが、それぞれ出力データのタグ番号順にデータ伝送手段14を介して、制御装置15へ出力すべき操作出力値を格納できる構造となっている。 【0021】データ伝送手段14は出力データテーブル13の内容を制御装置15に送信する。 【0022】以上の処理によって、オペレーション装置は運転員により選択された操作端について操作出力を行うことができる。 【0023】また、データ入力処理手段11は制御装置15よりデータ伝送手段14を介してプラント16内のプロセス状態を伝送入力し、図62に示すようなプロセス量データテーブル9に格納する。 【0024】操作用系統図表示手段6のさらに他の機能について、図59を参照して説明する。 【0025】固定部表示処理部6eは系統図表示項目のうち、配管や機器の外形を示すパターン等、色や形を変化させる必要のない固定部分の情報を記憶した系統図固定情報テーブル17を参照して系統図における固定部を送信処理部6dを介してCRT表示装置2へ表示する。 【0026】プラント状態表示処理部6fは、系統図中のプロセス量や弁の開閉といったリアルタイムに変化させる項目の情報を記憶した系統図表示項目テーブル18を参照しながら、プロセス量や機器状態を表示する。」 c 図58から、操作フレーム10bには、操作端の名称(「A槽払出ポンプ」)、操作のためのボタン(「起動」、「停止」)等が表示されることが見て取れる。 d 「【0098】また、本実施例における操作用系統図表示手段6は、図2にその詳細な構成を示すように、操作端選択処理部6aに、運転員の選択した操作端タグ番号を映像判定処理手段53へ出力する機能が付加され、また操作フレーム処理部6cに、系統図操作端割付テーブル7の選択中フラグを参照し、当該操作端の選択中フラグを反転させると同時に、映像表示要求処理手段55にその内容を出力する機能が付加されている。」 e 「【0109】操作用系統図表示手段6は、図13にその処理フローを示すように、入力処理手段5より座標データを入力すると(ステップ200)、操作端選択処理部6aによりその座標データに基づいて図60に示すような系統図操作端割付テーブル7を参照し(ステップ201)、該当する操作端の操作端タグ番号を決定する(ステップ202)。ついで操作フレーム処理部6cにより、系統図操作端割付テーブル7の当該操作端に対応する前回選択中フラグがオンか否かを判定し(ステップ203)、その選択中フラグがオフであればオンにして(ステップ204)、当該操作端の操作フレームを操作用系統図上に表示すべく操作フレーム表示データを作成し送信処理部6dから操作用系統図の画像を画面合成手段57に出力する(ステップ205)。同時に、選択中フラグをオンにした系統図操作端割付テーブル7の内容を操作フレーム処理部6cから映像表示要求処理手段55に通知するとともに、操作端選択処理部6aから映像判定手段53へ決定した操作端タグ番号を通知する。また、前回選択中フラグがオンであれば、運転員による画面上の操作端へのタッチは選択解除と判断して今回選択中フラグをオフにし(ステップ206)、当該操作端の操作フレームを操作用系統図上から消去する(ステップ207)。同時に、操作フレーム処理部6cから系統図操作端割付テーブル7の選択中フラグの処理結果を映像表示要求処理手段55に通知する。」 (イ)上記記載から、引用文献2には、次の技術が記載されていると認められる。 a 「プラント監視においては(【0012】)、操作端の操作フレームが操作用系統図上に重ねて表示され(【0015】)、操作フレームには、操作端の名称、操作のためのボタン等が表示される(図58)」 b 「操作フレーム処理部6cは操作端情報を表示するため、操作端情報テーブル8を参照して、その操作端の操作フレームを操作用系統図上に重ねて表示するものであり(【0015】)、操作端情報テーブル8はオペレーション装置から操作する各操作端についての情報を記憶したもので、各々の操作端についてタグ番号・操作端名称等を記憶しているが(【0016】)、操作フレーム処理部6cは、系統図操作端割付テーブル7の選択中フラグを参照し、当該操作端の選択中フラグを反転させる機能も付加されたりし(【0098】)、(具体的には、)系統図操作端割付テーブル7の当該操作端に対応する前回選択中フラグがオンか否かを判定し、その選択中フラグがオフであればオンにして、当該操作端の操作フレームを操作用系統図上に表示すべく操作フレーム表示データを作成し、前回選択中フラグがオンであれば、運転員による画面上の操作端へのタッチは選択解除と判断して今回選択中フラグをオフにし、当該操作端の操作フレームを操作用系統図上から消去する(【0109】)」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明では「プラント機器12に対応したポイントウインドウ100には、名称として「出口弁開度」と記載されて」いることから、引用発明における「プラント機器12」は「出口弁」であるといえる。そして、本願の明細書の【0002】に「プラントに設置された調節弁やポンプ等の各種操作端」と記載されているように、「調節弁」は「操作端」に含まれると解されるから、引用発明における「出口弁」である「プラント機器12」は、本件補正発明における「プラントの操作端」に相当するといえる。 そうすると、引用発明における、「出口弁」である「プラント機器12」、「プラント機器13」を含む「プラント機器」は、本件補正発明における「プラントの操作端」と、「プラントの操作端を含むプラント機器」である点で共通する。 また、引用発明において、「プラント系統図」における「プラント機器の記号」は、「プラント系統図」における「プラント機器」の配置や種類を示し、「ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作」の対象となる、アイコン的なものであるから、「プラント機器」を模擬したシンボルであるといえる。 したがって、引用発明における「プラント系統図」における「プラント機器の記号」は、本件補正発明における「プラントの操作端を模擬したシンボル」と、「プラントの操作端を含むプラント機器を模擬したシンボル」である点で共通する。 (イ)引用発明では、「ポイントウインドウ100」は「プラント機器12に対応した」もので、「トレンドウインドウ101」は「プラント機器13に対応した」ものであるところ、本願の明細書の【0002】にも「操作用ウィンドウである操作フレーム」と記載されているように、「ウィンドウ」(ウインドウ)は「フレーム」と同じ概念を示すものといえる。 したがって、引用発明における、「プラント機器12に対応したポイントウインドウ100」、「プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101」等の「ウインドウ」は、上記(ア)もふまえると、本件補正発明における「前記シンボルに対応付けられた操作フレーム」と、「前記シンボルに対応付けられたフレーム」である点で共通する。 (ウ)引用発明における「CRT表示装置7」は、本件補正発明における「表示部」に相当する。 したがって、上記(ア)、(イ)をふまえると、引用発明における「プラント機器の記号を含むプラント系統図と、ポイントウインドウ100,トレンドウインドウ101が表示され」る「CRT表示装置7」は、本件補正発明における「プラントの操作端を模擬したシンボルと、前記シンボルに対応付けられた操作フレームと、を表示する表示部」と、「プラントの操作端を含むプラント機器を模擬したシンボルと、前記シンボルに対応付けられたフレームと、を表示する表示部」である点で共通する。 (エ)引用発明における「監視対象がプラント1である、プロセス監視装置の表示装置」は、本件補正発明における「プラント監視制御装置」と、「プラント監視装置」である点で共通する。 (オ)引用発明における「ポイントウインドウは、機器の名称,TAG.No.,信号レベル等を表示するものであ」ることは、上記(ア)、(イ)をふまえると、本件補正発明における「前記操作フレームには、前記操作端の名称と、前記操作端の操作に用いる操作ボタンと、が表示され」ることと、「前記フレームには、前記操作端を含むプラント機器の名称が表示され」る点で共通する。 (カ)引用発明では、「CRT表示装置7に表示されたプラント系統図に対し、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作901」を行って、「CRT表示装置7の画面上にウインドウ100を表示し、さらに、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作903」を行って、「CRT表示装置7にウインドウ101を表示し」ており、ここで、「ウインドウ100」と「ウインドウ101」は、「プラント機器12に対応したポイントウインドウ100」と「プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101」であるから、引用発明における、「CRT表示装置7」に表示される「プラント機器の記号」も、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するにあたって、複数の「プラント機器の記号」を指定することが可能であるといえる。 そうすると、引用発明における、「CRT表示装置7」に表示される「プラント機器の記号」が、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するにあたって、複数の「プラント機器の記号」を指定することが可能であることは、上記(ア)、(ウ)をふまえると、本件補正発明における「前記表示部に表示されるシンボルは複数選択可能であ」ることに相当する。 また、引用発明では、「CRT表示装置7に表示されたプラント系統図に対し、ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作901」を行って、「CRT表示装置7の画面上にウインドウ100を表示」するにあたり、「タッチ操作901をタッチスクリーン8から入力し、タッチ受付処理部66でタッチされた位置により機能の選択か、プラント機器の選択かを判断し、プラント機器の選択の場合は入力点No変換処理部631へタッチ座標を渡し、変換処理部631ではタッチ座標により受付アドレスからその位置に表示されている入力点Noを求め、関連詳細情報検索部632へ渡し、」その結果、「関連詳細情報検索部632では入力点Noに対応した関連詳細情報を検索し、関連情報編集部633でウインドウ情報を編集し、関連情報編集部633で編集されたウインドウ情報はウインドウ情報格納部64へ格納し、」最終的に「タッチ操作を受付けてその都度ウインドウ表示処理部65がウインドウ情報格納部64から読み出すことによつて、複数のウインドウを同時に表示」している。すると、引用発明における「変換処理部631」は、「タッチスクリーン8から入力」された「タッチ操作901」が「プラント機器の選択の場合」に、「タッチ座標により受付アドレスからその位置に表示されている入力点Noを求め、」(すなわち、「選択」された「プラント機器」を特定し)、その「入力点No」を「関連詳細情報検索部632へ渡」すことで、指定されたプラント機器のウインドウを表示させることの発端となっているから、「選択」された「プラント機器」に対応したウインドウを表示する要求を行う機能を果たしているといえる。 したがって、上記(ア)、(イ)をふまえると、引用発明における、「タッチスクリーン8から入力」された「タッチ操作901」が「プラント機器の選択の場合」に、「タッチ座標により受付アドレスからその位置に表示されている入力点Noを求め、関連詳細情報検索部632へ渡」すことで、指定されたプラント機器のウインドウを表示させることの発端となる「変換処理部631」は、本件補正発明における「選択されたシンボルに対応付けられた操作フレームの表示要求を行う操作フレーム表示要求部」と、「選択されたシンボルに対応付けられたフレームの表示要求を行うフレーム表示要求部」である点で共通する。 (キ)引用発明における「ウインドウ情報格納部64」は、「ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作」が「プラント機器の選択の場合」に、「タッチ座標により」「変換処理部631」が求めた「入力点Noに対応した関連詳細情報を検索し、」「編集されたウインドウ情報」が格納されるものであるところ、引用発明では、「プラント機器12と該プラント機器12に対応したポイントウインドウ100及びプラント機器13と該プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101はそれぞれが関連していることを識別できるようにプラント機器とウインドウの枠表示色を同一色として表示し、プラント機器12とポイントウインドウ100、プラント機器13とトレンドウインドウ101はそれぞれ識別できるようにプラント機器とウインドウを異なる色として表示」する際には、「予めウインドウ情報格納部64のウインドウ番号に色を対応させ」ておき、「ウインドウ表示処理部65でウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色として、CRT表示装置7に表示」したりしているから、引用発明における「ウインドウ情報格納部64」においては、「ウインドウ情報」を、「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色」で表示できるよう、「プラント機器」と対応付けて格納しているといえる。 したがって、上記(ア)、(イ)、(カ)をふまえると、引用発明における、「ウインドウ表示させるプラント機器を指定するタッチ操作」が「プラント機器の選択の場合」に、「タッチ座標により」「変換処理部631」が求めた「入力点Noに対応した関連詳細情報を検索し、」「編集されたウインドウ情報」が格納される、「ウインドウ情報格納部64」は、本件補正発明における「前記シンボル及び前記操作フレームとを前記表示要求の有無と関連づけて記憶するシンボル/操作フレーム記憶部」と、「前記シンボル及び前記フレームとを関連づけて記憶するシンボル/フレーム記憶部」である点で共通する。 (ク)引用発明では、「プラント機器12と該プラント機器12に対応したポイントウインドウ100及びプラント機器13と該プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101はそれぞれが関連していることを識別できるようにプラント機器とウインドウの枠表示色を同一色として表示し、プラント機器12とポイントウインドウ100、プラント機器13とトレンドウインドウ101はそれぞれ識別できるようにプラント機器とウインドウを異なる色として表示」するために「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色として、CRT表示装置7に表示し」たり、「対応付け」を「色」以外でも「例えば矢印で結ぶ方法等」で行ったりしている。 ここで、引用発明において、「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色とし」たり、「色」以外でも「例えば矢印で結ぶ方法等」で「対応付け」たりすることは、「どのプラント機器とウインドウが対応しているのか一目で把握することができる」ようにするために、「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器」を視覚的に「対応付け」ているといえる。 したがって、引用発明における、「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色とし」たり、「矢印で結」んだりして、「対応付け」る機能は、上記(ア)、(イ)、(カ)、(キ)をふまえると、本件補正発明における「前記シンボル/操作フレーム記憶部に記憶された表示要求が行われた操作フレームと、その操作フレームに対応するシンボルとを視覚的に関連付けるシンボル/操作フレーム関連付け部」と、「前記シンボル/フレーム記憶部に記憶された表示要求が行われたフレームと、そのフレームに対応するシンボルとを視覚的に関連付けるシンボル/フレーム関連付け部」である点で共通する。 (ケ)上記(ク)で検討した、引用発明における、「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色とし」たり、「矢印で結」んだりする場合の、「同一色」であることや「矢印」が、本件補正発明における「関連付け」に相当する。 (コ)引用発明における、「ウインドウ情報格納部64に格納されたウインドウを」「タッチ操作を受付けてその都度」「読み出しCRT表示装置7に表示」することで「複数のウインドウを同時に表示する」「ウインドウ表示処理部65」であって、「ウインドウ及びタッチ操作されたプラント機器の位置を同一色として、CRT表示装置7に表示し」たり、「対応付け」を「色」以外でも「例えば矢印で結ぶ方法等」で行ったりする「ウインドウ表示処理部65」は、上記(ア)、(イ)、(カ)、(キ)、(ク)、(ケ)をふまえると、本件補正発明における「前記関連付けを行った複数の操作フレームを、各操作フレームに対応するシンボルと、前記関連付けとともに前記表示部に表示させる制御を行う操作フレーム表示制御部」と、「前記関連付けを行った複数のフレームを、各フレームに対応するシンボルと、前記関連付けとともに前記表示部に表示させる制御を行うフレーム表示制御部」である点で共通する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点】 「プラントの操作端を含むプラント機器を模擬したシンボルと、前記シンボルに対応付けられたフレームと、を表示する表示部を有するプラント監視装置であって、 前記フレームには、前記操作端を含むプラント機器の名称が表示され、 前記表示部に表示されるシンボルは複数選択可能であり、選択されたシンボルに対応付けられたフレームの表示要求を行うフレーム表示要求部と、 前記シンボル及び前記フレームとを関連づけて記憶するシンボル/フレーム記憶部と、 前記シンボル/フレーム記憶部に記憶された表示要求が行われたフレームと、そのフレームに対応するシンボルとを視覚的に関連付けるシンボル/フレーム関連付け部と、 前記関連付けを行った複数のフレームを、各フレームに対応するシンボルと、前記関連付けとともに前記表示部に表示させる制御を行うフレーム表示制御部と、 を備えるプラント監視装置。」 【相違点1】 表示部に表示されるシンボルが、本件補正発明では「プラントの操作端を模擬した」ものであるのに対し、引用発明では「プラントの操作端を含むプラント機器を模擬した」ものではあるものの、シンボルの全てがプラントの操作端を模擬したものであるとは特定されておらず、 また、シンボルに対応付けられ、表示要求されると、対応するシンボルと視覚的に関連付けられ、対応するシンボルと関連付けとともに表示部に表示される「フレーム」が、本件補正発明では「操作フレーム」であって、操作フレームには「前記操作端の名称と、前記操作端の操作に用いる操作ボタン」が表示されるのに対し、引用発明では「機器の名称,TAG.No.,信号レベル等を表示する」「ポイントウインドウ」や「経過データ等を表示する」「トレンドウインドウ」である点。 【相違点2】 本件補正発明は「プラント監視制御装置」であるのに対して、引用発明は、「監視対象がプラント1である、プロセス監視装置の表示装置」ではあるものの、プラントを「制御」するものではない点。 【相違点3】 シンボル/フレーム記憶部が前記シンボル及び前記フレームとを関連づけて記憶するに際し、本件補正発明では「前記表示要求の有無」も関連づけて記憶するのに対し、引用発明ではそのように特定されていない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1、2について 引用文献1にも従来技術として記載されているように(上記2(2)ア(イ)aを参照)、プラントの監視制御装置により、プラント系統図をCRTなどに表示し、表示画面上の任意の操作端を選択して、その部分に対応したプラント制御用操作画面及びプラント詳細監視情報表示画面を表示するように構成し、複合表示された画面で運転員が監視する場合、プラント系統図にプラント制御用操作画面及びプラント詳細監視情報表示画面を重畳表示する技術は、従来より周知の技術であったといえる。 したがって、引用発明において表示される「ポイントウインドウ」や「トレンドウインドウ」は、引用文献1の従来技術の記載でいえば「プラント詳細監視情報表示画面」に対応するのであるから、引用発明において、プラントに対する制御操作も必要とされる場合には、シンボルとしてプラントの操作端を模擬したものを表示部に表示することで表示画面上の任意の操作端を選択できるようにするとともに、「プラント詳細監視情報表示画面」だけでなく「プラント制御用操作画面」をも表示し、プラントの監視・制御を行うようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。 一方で、プラント制御用操作画面の具体的な態様としては、引用文献2に記載されたような(上記2(2)イ(イ)aを参照)操作端の名称、操作のためのボタン等が表示される「操作フレーム」が従来より周知であったから、引用発明においてプラント制御用操作画面を表示するにあたって、従来より周知の、操作端の名称、操作のためのボタン等が表示される「操作フレーム」を表示するように設計することも、当業者が容易になし得たことである。 その際、引用発明において、「プラント機器12と該プラント機器12に対応したポイントウインドウ100及びプラント機器13と該プラント機器13に対応したトレンドウインドウ101はそれぞれが関連していることを識別できるようにプラント機器とウインドウの枠表示色を同一色として表示し、プラント機器12とポイントウインドウ100、プラント機器13とトレンドウインドウ101はそれぞれ識別できるようにプラント機器とウインドウを異なる色として表示」したり、「対応付け」を「色」以外でも「例えば矢印で結ぶ方法等」で行ったりするのは、「対応するプラント機器とウインドウを識別する」ことで、「どのプラント機器とウインドウが対応しているのか一目で把握することができる」ようにするためであり、このことは、「ウインドウ」が、「ポイントウインドウ100」や「トレンドウインドウ101」でなく、「操作フレーム」であっても同様に求められることであるから、引用発明において「操作フレーム」を表示するように設計する際にも、プラント機器と「操作フレーム」とを「色」や「矢印で結ぶ」等により「対応付け」ることで、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、そのように構成することで、引用発明の「監視対象がプラント1である、プロセス監視装置の表示装置」も、プラントを監視して制御する装置であるということができるから、併せて上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることも、当業者が容易になし得たことであるといえる。 イ 相違点3について 引用文献2に記載された技術(上記2(2)イ(イ)bを参照)は、操作フレーム処理部6cは、操作端情報を表示するため操作端情報テーブル8を参照するとともに、操作端の選択中フラグを含む系統図操作端割付テーブル7を参照し、選択中フラグがオンの(選択されている)操作端の操作フレームを操作用系統図上に表示する、というものであり、系統図操作端割付テーブル7及び操作端情報テーブル8に、操作端の操作フレームを表示するための操作端情報と、操作端が選択されているか否かの情報とが、関連づけられて記憶されているといえる。 したがって、引用発明においても、「プラント機器」と「ウインドウ情報」とを対応付けて格納する際の構成を具体的に設計するにあたって、そのプラント機器の選択の有無を併せて関連づけて記憶するように設計することで、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。 ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、周知技術及び引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ したがって、本件補正発明は、引用発明、周知技術及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成29年11月24日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、平成29年3月3日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願の請求項1-8に係る発明は、本願の出願前に頒布された刊行物である下記の引用文献1-3に基づいて、本願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 ・請求項1-2,5-8 ・引用文献等1-2 ・請求項3-7 ・引用文献等1-3 <引用文献等一覧> 1.特開平5-107086号公報 2.特開平8-234830号公報(周知技術を示す文献) 3.特開2002-91418号公報(周知技術を示す文献) 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記操作フレームには、前記操作端の名称と、前記操作端の操作に用いる操作ボタンと、が表示され」るという事項、及び、フレーム表示制御部が、前記関連付けを行った複数の操作フレームを、前記表示部に表示させる制御を行うにあたり、「各操作フレームに対応するシンボルと、前記関連付けとともに」表示させる、という事項、に係る限定を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明、周知技術及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明、周知技術及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-017397

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