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特許拒絶査定不服審判

2017-017226

遊技機および遊技用装置

審判番号
2017-017226
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-021370外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年11月21日
審決日
2018年07月30日
公報発行日
2018年11月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-21370号「遊技機および遊技用装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年8月8日出願公開、特開2016-140712号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯の概要 本願は、平成27年2月5日の出願であって、平成29年1月5日付けで拒絶の理由が通知され、同年3月6日に意見書及び手続補正書が提出され、同年5月8日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年7月11日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年7月11日付け手続補正について、同年8月24日付け(発送日:同年8月29日)で補正却下の決定がなされるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年11月21日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年11月21日付けの手続補正についての補正却下の決定 平成29年11月21日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正により、平成29年3月6日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~6のうち、請求項2における 「遊技を行う遊技機であって、 複数の発光手段と、 前記発光手段の発光を制御する発光制御手段とを備え、 前記発光手段は、 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子がそれぞれを頂点に三角形を形成するように配置されている第1発光手段と、 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が一方向に並ぶように配置されている第2発光手段とを含み、 前記発光制御手段は、複数の前記発光手段を接続することができる接続端子を有し、 前記接続端子において直列に接続された前記発光手段の数に応じて、前記発光手段に供給される電圧が異なる、遊技機。」は、 審判請求時に提出された手続補正書(平成29年11月21日付け)の特許請求の範囲の請求項1における 「遊技を行う遊技機であって、 可動部材に用いられる複数の発光手段と、 前記発光手段の発光を制御する発光制御手段とを備え、 前記発光手段は、 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子がそれぞれを頂点に三角形を形成するように配置され、実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する第1発光手段と、 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が一方向に並ぶように配置され、実装される基板への実装面に対して沿う方向に光を照射する第2発光手段とを含み、 前記発光制御手段は、複数の前記発光手段を接続することができる接続端子を有し、 前記接続端子において直列に接続された前記発光手段の数に応じて、前記発光手段に供給される電圧が異なる、遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1~6のうち、請求項1、3~4、6を削除し、請求項2を補正後の請求項1とし、請求項5を補正後の請求項2とし、その上で、補正後の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数の発光手段」について、「可動部材に用いられる」ことを特定し、 補正後の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第1発光手段」について、「実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する」ことを特定し、 補正後の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第2発光手段」について、「実装される基板への実装面に対して沿う方向に光を照射する」と特定することを含むものである。 そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項2に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の段落【0106】~【0107】、【0149】、【0151】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Fは、分説するため当審で付した。)。 「A 遊技を行う遊技機であって、 B 可動部材に用いられる複数の発光手段と、 C 前記発光手段の発光を制御する発光制御手段とを備え、 D 前記発光手段は、 D1 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子がそれぞれを頂点に三角形を形成するように配置され、実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する第1発光手段と、 D2 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が一方向に並ぶように配置され、実装される基板への実装面に対して沿う方向に光を照射する第2発光手段とを含み、 E 前記発光制御手段は、複数の前記発光手段を接続することができる接続端子を有し、 F 前記接続端子において直列に接続された前記発光手段の数に応じて、前記発光手段に供給される電圧が異なる、遊技機。」 (2)刊行物について (2-1)刊行物1に記載された事項 平成29年8月24日付け補正却下の決定において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2006-87572号公報(以下「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 ・記載事項 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、LEDから電飾カバーに照明光を投射することに基いて電飾カバーを発光させる電飾装置に関する。 ・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0003】 上記電飾装置においては、LED202としてLED基板201に対して照明光を垂直に投射するトップビュータイプのものを使用している。このため、電飾カバー200の全体を均一に照明しようとしたときには多数のLED202が必要になるので、コスト的に不利である。 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、電飾カバーを少数のLEDで均一に照明することができる電飾装置を提供することにある。」 イ 「【0016】 窓枠10には、図1に示すように、電飾装置に相当する複数の電飾器32が固定されている。これら各電飾器32は物語り調のアニメーション画面を光で演出する演出器に相当するものであり、各電飾器32の詳細構成は次の通りである。 窓枠10には、図4に示すように、真円形状のLED基板33が固定されており、LED基板33には透明なLEDカバー34が固定されている。このLEDカバー34は電飾カバーに相当するものであり、窓枠10の開口部35を通して前方に突出している。このLEDカバー34は真円形状をなすものであり、LEDカバー34の中心点CP1はLED基板33の中心点CPを通る直交線上に配置されている。 【0017】 LED基板33にはフルカラーのトップLED40が搭載されている。このトップLED40は第2のLEDに相当するものであり、LED基板33の中心点CP上に配置されている。このトップLED40はLED基板33に対して直交する照明光をLEDカバー34の中心点CP1に向って投射するものであり、トップLED40の投射角θは90°に設定されている。このトップLED40はLEDカバー34の中央部に照明光を照射するものであり、符号EtはトップLED40の中央投光領域を示し、符号StはLEDカバー34の中央照明領域を示している。以下、トップLED40の詳細構成について説明する。 【0018】 パッケージ41には、図5に示すように、平面状の基準面42が形成されている。このパッケージ41内にはRリードフレーム43とGリードフレーム44とBリードフレーム45が埋設されており、Rリードフレーム43~Bリードフレーム45には平面状のチップ搭載面46が形成されている。これらRリードフレーム43のチップ搭載面46~Bリードフレーム45のチップ搭載面46は基準面42に対して平行な共通の平面上に配置されたものであり、Rリードフレーム43のチップ搭載面46およびGリードフレーム44のチップ搭載面46には赤色系LED素子47の平面端子および緑色系LED素子48の平面端子が接続され、Bリードフレーム45のチップ搭載面46には青色系LED素子49の平面端子が接続されている。 ・・・ 【0020】 Rリードフレーム43~Bリードフレーム45およびRリードフレーム50~Bリードフレーム52には端子54が折曲形成されている。これら各端子54は基準面42に対して面一な平面状の接続面55を有するものであり、各接続面55はパッケージ41の基準面42をLED基板33の表面に押当てた状態で印刷パターンに半田付けされている。 パッケージ41には凹部56が形成されており、赤色系LED素子47~青色系LED素子49は凹部56内に配置されている。この凹部56内には透光性の樹脂封止部が形成されており、樹脂封止部は赤色系LED素子47~青色系LED素子49を樹脂封止している。この凹部56は赤色系LED素子47~青色系LED素子49から遠ざかるに従って拡径する円形状をなすものであり、凹部56の軸心線CLはLED基板33に対して直交している。即ち、基準面42は軸心線CLがLED基板33の表面に対して直交するようにパッケージ41をLED基板33に対して角度規制するものである。」 ウ 「【0027】 メイン制御回路100はゲーム内容を制御する最上位の制御手段であり、図3に示すように、特別図柄始動センサ20からの特別図柄始動信号およびカウントセンサ26からのカウント信号のいずれかを検出することに基いて賞球データを設定する。タイマ回路101はメイン制御回路100に定期的にパルス信号を出力するものであり、メイン制御回路100はタイマ回路101からのパルス信号を検出することに基いて大当りカウンタRoおよび図柄カウンタRzを「1」ずつ加算する。これら大当りカウンタRoおよび図柄カウンタRzは「0」から異なる上限値に加算された後に「0」に戻して加算されるものであり、メイン制御回路100は特別図柄始動センサ20からの特別図柄始動信号を検出したことを条件に大当りカウンタRoの現在の計測値および図柄カウンタRzの現在の計測値を取得する。そして、大当りカウンタRoの取得結果を大当り値と比較することに基いて大当りおよび外れを判定し、大当りおよび外れの判定結果に応じた特別図柄を図柄カウンタRzの取得結果に基いて設定する。 ・・・ 【0033】 電飾制御回路112は演出制御回路107から装飾図柄遊技データが送信されるものである。この電飾制御回路112は装飾図柄遊技データに基いて電飾的な演出内容を設定するものであり、演出内容を設定したときには演出内容の設定結果に応じた電飾データを設定し、電飾データの設定結果に基いて電飾信号を設定する。この電飾制御回路112は電飾信号の設定結果をLED回路113に送信するものであり、LED回路113は複数の電飾器32を電飾信号に応じた内容で発光させることに基いて装飾図柄遊技を電飾的に演出する。」 エ 「【実施例4】 【0041】 窓枠10には、図9に示すように、ガラス窓12の外周部に位置して円環状のレンズ座120が形成されている。このレンズ座120は、図10の(b)に示すように、外周部から内周部へ向うに従ってガラス窓12の中心方向に傾斜する傾斜面状をなすものであり、レンズ座120には、図9に示すように、複数の電飾器32が固定されている。以下、電飾器32の詳細構成について説明する。 【0042】 レンズ座120には、図10に示すように、透明なLEDカバー121が固定されている。このLEDカバー121は電飾カバーに相当するものであり、LEDカバー121には長方形状のLED基板122が固定されている。このLEDカバー121は電飾部に相当する板状のレンズ123を一体に有するものであり、レンズ123はレンズ座120の開口部124内に挿入されている。このレンズ123はレンズ座120に沿って傾斜するものであり、LED基板122はレンズ123に対して傾斜している。 【0043】 LED基板122には長手方向の一端部に位置してトップLED40が搭載されている。このトップLED40はLED基板122の短手方向の中心線上に配置されたものであり、符号E1および符号S1はトップLED40の単独投光領域および単独照明領域を示している。このLED基板122には長手方向の中央部に位置してアングルLED60が搭載されている。このアングルLED60はLED基板122の短手方向の中心線に対して一方側に偏心配置されたものであり、符号E2および符号S2はアングルLED60の単独投光領域および単独照明領域を示している。 【0044】 LED基板122には長手方向の他端部に位置してフルカラーのサイドLED130が搭載されている。このサイドLED130はLED基板122に対して平行な照明光をLEDカバー121のレンズ123に照射するものであり、符号E3および符号S3はサイドLED130の単独投光領域および単独照明領域を示している。このサイドLED130は第3のLEDに相当するものであり、LED基板122の短手方向の中心線に対してアングルLED60の反対側に偏心配置されている。以下、サイドLED130の詳細構成について説明する。 【0045】 パッケージ131には、図11に示すように、平面状の基準面132が形成されている。このパッケージ131内にはRリードフレーム133とGリードフレーム134とBリードフレーム135が埋設されており、Rリードフレーム133~Bリードフレーム135には平面状のチップ搭載面136が形成されている。これらRリードフレーム133のチップ搭載面136~Bリードフレーム135のチップ搭載面136は基準面132に対して直交する共通の平面上に配置されたものであり、Rリードフレーム133のチップ搭載面136およびGリードフレーム134のチップ搭載面136には赤色系LED素子137の平面端子および緑色系LED素子138の平面端子が接続され、Bリードフレーム135のチップ搭載面136には青色系LED素子139の平面端子が接続されている。 ・・・ 【0048】 パッケージ131には凹部146が形成されており、赤色系LED素子137~青色系LED素子139は凹部146内に配置されている。この凹部146内には透光性の樹脂封止部が形成されており、樹脂封止部は赤色系LED素子137~青色系LED素子139を樹脂封止している。この凹部146は赤色系LED素子137~青色系LED素子139から遠ざかるに従って拡径する円形状をなすものであり、凹部146の軸心線CLはLED基板122に対して平行に配置されている。即ち、基準面132は軸心線CLがLED基板122の表面に対して平行になるようにパッケージ131をLED基板122に対して角度規制するものである。」 オ 「【0052】 上記実施例1~実施例4においては、LEDカバー34・LEDカバー82・LEDカバー92・LEDカバー121を透明樹脂から構成したが、これに限定されるものではなく、例えば半透明樹脂から構成しても良い。 上記実施例1~実施例4においては、本発明を遊技機の電飾装置に適用したが、これに限定されるものではなく、例えば自動販売機の押ボタンとして機能する電飾装置に適用したり、自動車の操作ボタンとして機能する電飾装置等に適用しても良い。」 ・認定事項 カ 【0041】~【0048】に、電飾器32に複数のLEDが設けられていることが記載されている。 そして、この記載に基づくと、【図3】には、電飾器32を構成する複数のLED32が、各電飾器32単位で、LED回路113に接続されることが図示されている。 キ トップLED40を示す【図5】には、赤色系LED素子47、緑色系LED素子48、青色系LED素子49が一直線上に配置されていることが示されている。 ク サイドLED130を示す【図11】には、赤色系LED素子137、緑色系LED素子138、青色系LED素子139が一直線上に配置されていることが示されている。 ケ 上記ア~オの記載事項、上記カ~クの認定事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物には、内部にトップLED40、アングルLED60、サイドLED130が搭載されている電飾器を備える実施例4(【0041】~【0048】)を中心に、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a~eは、本件補正発明のA~Eに対応させて付与した。)。 「a メイン制御回路100によりゲーム内容が制御される遊技機であって(【0027】、【0052】)、 b ガラス窓12の外周部に位置する、窓枠10に形成される円環状のレンズ座120に固定され、トップLED40、アングルLED60、サイドLED130を搭載するLED基板122を有する複数の電飾器32(【0041】、【0043】~【0044】)と、 c 電飾信号の設定結果をLED回路113に送信する電飾制御回路112と、物語り調のアニメーション画面を光で演出する演出器に相当する、複数の電飾器32を電飾信号に応じた内容で発光させるLED回路113(【0016】、【0033】)とを備え、 d LEDに、 d1 赤色系LED素子47、緑色系LED素子48、青色系LED素子49が、パッケージ41に形成される凹部56に一直線上に配置され(【0017】~【0018】、【0020】)、搭載されるLED基板122に対して直交する照明光を、LEDカバーの中心点に向って投射するトップLED40(【0017】、【0043】、認定事項キ)と、 d2 赤色系LED素子137、緑色系LED素子138、青色系LED素子139が、パッケージ131に形成される凹部146に一直線上に配置され(【0044】、【0045】、【0048】、認定事項ク)、搭載されるLED基板122に対して平行な照明光を、LEDカバー121のレンズ123に照射するサイドLED130(【0044】)とを含み、 e 電飾器32を構成する複数のLEDが、各電飾器32単位で、LED回路113に接続された(認定事項カ) パチンコ機。」 (2-2)刊行物2に記載された事項 平成29年5月8日付け最後の拒絶の理由、及び、平成29年8月24日付け補正却下の決定において引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-158594号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。 ・記載事項 ア 「【請求項1】 遊技機の前面に設けられた発光装置と、 前記発光装置の発光量の設定を変更可能な輝度設定手段と、 遊技の進行を管理する遊技制御手段と、 前記遊技制御手段からの制御指令信号に基づいて、前記発光装置における発光制御を行う演出制御手段と、を備えた遊技機において、 前記演出制御手段は、 前記発光装置の発光量を規定する輝度データを含む演出データを記憶する演出データ記憶手段と、 所定の更新タイミングとなった場合に、所定の輝度データ格納手段に格納されている前記輝度データに基づいて前記発光装置の発光制御をする発光制御手段と、 前記輝度設定手段により設定された設定値に基づいて調整量を決定し、前記輝度データを調整する輝度調整手段と、を備え、 前記輝度データを調整する範囲として第1の範囲と第2の範囲が設定されるとともに、前記第2の範囲には、第1の範囲よりも輝度の高い範囲が割り当てられ、 前記輝度データが該第1の範囲又は第2の範囲のいずれかに位置するかによって前記輝度データの調整が異なり、 前記輝度調整手段により前記輝度データを調整する前に、前記輝度データが第1の範囲に位置する場合には、前記調整量に基づく前記輝度データの調整を行わずに該輝度データを前記輝度データ格納手段に格納することを特徴とする遊技機。」 イ 「【発明が解決しようとする課題】 ・・・ 【0005】 本発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、遊技者の操作によって発光装置の明るさを調整可能にした場合に、発光装置の輝度が低くなり過ぎることにより遊技の興趣が低下するのを防止できるようにすることにある。」 ウ 「【0071】 また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。」 エ 「【0079】 LED制御装置332(333)は、上記各ダイオード列に接続されたオープンドレインの電流引き込みトランジスタQ0,Q1,Q2……Q15からなるドライバ回路341と、主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されてくる制御データのノイズを除去するフィルタ342と、ノイズ除去されたデータを受けて対応する処理を行うメイン制御回路343と、電源装置400からのリセット信号RESETを受け、メイン制御回路343等に対するリセット信号を生成するリセット信号生成回路344と、メイン制御回路343から出力される輝度調整データを保持する輝度調整レジスタ345と、各ダイオード列を点灯させるか否か示す出力設定データを保持する出力設定レジスタ346と、輝度調整レジスタ345および出力設定レジスタ346のデータに基づいて上記ドライバ回路341の駆動信号を生成し出力する出力制御回路347と、出力制御回路347が必要とする動作クロック信号を生成する発振回路348などから構成されている。特に限定されないが、この実施例の出力制御回路347はPWM(パルス幅変調)方式でLEDの輝度調整制御を行う。ただし、振幅制御でLEDに流れる電流を制御して輝度調整を行うようにしてもよい。 ・・・ 【0082】 図8には、図5に示すLED制御装置332(333)および盤装飾装置42の第2の変形例が示されている。 この変形例は、LED制御装置332(333)を構成するメイン制御回路343に、直列接続のダイオードの数が異なるダイオード列同士が選択されないようにする、つまり出力設定レジスタ346に設定されるデータを制限する機能を設けるとともに、ダイオードが何個の列が選択されているか示す信号もしくはデータが、LEDの電源電圧Vledを生成するLED電源装置349へ供給され、LED電源装置349はダイオードの数に応じた電圧Vledを出力するようにしたものである。 【0083】 この変形例では、LED電源装置349は、例えば、4個のダイオード列が選択された時はVled≒4Vfの電圧を発生し、3個のダイオード列が選択された時はVled≒3Vfの電圧を発生し、2個のダイオード列が選択された時はVled≒2Vfの電圧を発生し、1個のダイオード列が選択された時はVled≒Vfの電圧を発生するように動作する。 なお、盤装飾装置42の各ダイオード列にはそれぞれバラツキ調整用抵抗Rtのみが接続される。また、LED電源装置349には、各ダイオードに流れる電流に比例した検出電圧(例えば図示しないセンス抵抗により電流-電圧変換された電圧)がフィードバックされ、LED電源装置349はLEDの駆動電流を一定して、定電流でLEDを駆動するような制御が行われる。このとき、ダイオードの数が同じ複数のダイオード列のうちいずれか1つのダイオード列からの検出電圧が、LED電源装置349にフィードバックされるように構成することができる。また、直列のダイオードの数が異なるものごとに出力電圧の異なるLED電源装置を設けるようにしても良い。」 上記ア~エの記載事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物2には、次の発明(以下「刊行物2発明」という。)が記載されていると認められる(a1~f1は、本願発明のA~Fに対応させて付与した。)。 「a1 遊技の進行を管理する遊技制御手段を備えた遊技機において(【請求項1】)、 b1 盤装飾装置42には、複数のLED(発光ダイオード)が、4個のダイオード列、3個のダイオード列、2個のダイオード列として直列接続され(【0079】、【0082】、【0083】、【図8】)、 c1 メイン制御回路343、ドライバ回路341を含み、LED(発光ダイオード)を駆動制御するLED制御装置332と(【0071】、【0079】)、 e1 オープンドレインの電流引き込みトランジスタQ0…Q15からなるドライバ回路341に、各ダイオード列が接続され(【0079】)、 f1 複数のダイオード列のうち、直列接続されるダイオードの数が異なるものごとに出力電圧の異なるLED電源装置を設けた(【0082】、【0083】) 遊技機。」 (3)対比 本件補正発明と刊行物発明とを対比する(対比にあたっては、本件補正発明の構成A~Eと刊行物発明の構成a~eについて、それぞれ(a)~(e)の見出しを付して行った。)。 (a)刊行物発明における「ゲーム内容が制御される」ことは、本件補正発明における「遊技を行う」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成aの「遊技機」は、本件補正発明における構成Aの「遊技機」に相当する。 (b)刊行物発明における「トップLED40、アングルLED60、サイドLED130」は、本件補正発明における「複数の発光手段」に相当する。 したがって、刊行物発明における構成bの「トップLED40、アングルLED60、サイドLED130」と、本件補正発明における構成Bの「可動部材に用いられる複数の発光手段」とは、「複数の発光手段」である点で共通する。 (c)刊行物発明における構成cの「LED回路113」は、「複数の電飾器32を電飾信号に応じた内容で発光させる」ものである。 そして、構成bより「複数の電飾器32」は、「トップLED40、アングルLED60、サイドLED130」を有するものである。 また、「電飾制御回路112」は、「電飾信号の設定結果をLED回路113に送信する」ものである。 したがって、「電飾制御回路112」、「LED回路113」は、本件補正発明における構成Cの「発光手段の発光を制御する発光制御手段」に相当する。 (d、d1)刊行物発明における「赤色系LED素子47、緑色系LED素子48、青色系LED素子49」は、本件補正発明における「赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子」に相当する。 そして、刊行物発明における「搭載されるLED基板122に対して直交する照明光を、LEDカバーの中心点に向って投射する」ことは、本件補正発明における「実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成d、d1の「赤色系LED素子47、緑色系LED素子48、青色系LED素子49が、パッケージ41に形成される凹部56に一直線上に配置され、搭載されるLED基板122に対して直交する照明光を、LEDカバーの中心点に向って投射するトップLED40」と、本件補正発明における構成D,D1の「赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子がそれぞれを頂点に三角形を形成するように配置され、実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する第1発光手段」とは、「赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が」「配置され、実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する第1発光手段」である点で共通する。 (d、d2)刊行物発明における「パッケージ131に形成される凹部146に一直線上に配置され」ることは、本件補正発明における「一方向に並ぶように配置され」ることに相当する。 そして、刊行物発明における「搭載されるLED基板122に対して平行な照明光を、LEDカバー121のレンズ123に照射する」ことは、本件補正発明における「実装される基板への実装面に対して沿う方向に光を照射する」ことに相当する。 したがって、刊行物発明における構成d、d2の「サイドLED130」は、本件補正発明における構成D、D2の「第2発光手段」に相当する。 (e)刊行物発明の「複数の電飾器32」は、その各々が「LED回路113」に接続されるものである。 そして、構成b、cより、刊行物発明における「複数の電飾器32を電飾信号に応じた内容で発光させるLED回路113」は、電飾器32が有する「トップLED40、アングルLED60、サイドLED130」を「電飾信号に応じた内容で発光」制御するものであるから、本件補正発明における構成Cの「発光手段の発光を制御する発光制御手段」に相当する。 また、情報処理の技術分野において、回路装置への電子素子の接続を接続端子を介して行うことは、当業者における技術常識である(必要ならば、特開2011-250967号公報の【0140】、【0142】、【図12】の多色LED-705、706を接続するための第5LEDドライバのLDr5に設けられたOUT0バー~OUT7バーや、特開2012-161349号公報の【0148】、【0159】、【図30】のフルカラーLEDを接続するためのLEDドライバ83に設けられた出力端子OUT4~6、8~10、12~14を参照。)。 したがって、刊行物発明は、「複数のLED」の「LED回路113」への接続を、接続端子を介して行っていることは明らかである。 よって、刊行物発明における構成eの「電飾器32を構成する複数のLEDが、各電飾器32単位で、LED回路113に接続され」ることは、本件補正発明における「複数の発光手段を接続することができる接続端子を有」することに相当する。 よって、両者の一致点および相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「A 遊技を行う遊技機であって、 B 複数の発光手段と、 C 前記発光手段の発光を制御する発光制御手段とを備え、 D 前記発光手段は、 D1’赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が配置され、実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する第1発光手段と、 D2 赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が一方向に並ぶように配置され、実装される基板への実装面に対して沿う方向に光を照射する第2発光手段とを含み、 E 前記発光制御手段は、複数の前記発光手段を接続することができる接続端子を有する 遊技機。」 [相違点1](構成B) 複数の発光手段が、本件補正発明は、可動部材に用いられるのに対して、刊行物発明は、そのような構成を有しない点。 [相違点2](構成D1) 実装される基板への実装面に対して交差する方向に光を照射する第1発光手段における、赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子の配置が、本件補正発明は、それぞれを頂点に三角形を形成するような配置であるのに対して、刊行物発明は、そのような構成を有しない点。 [相違点3](構成F) 本件補正発明は、接続端子において直列に接続された発光手段の数に応じて、発光手段に供給される電圧が異なる構成を備えるのに対して、刊行物発明は、そのような構成を有するか不明である点。 (4)当審の判断 ア 相違点1(B)について 上記相違点1について検討する。 遊技機の技術分野において、演出効果を高めるために可動部材の内部にLED等の発光手段を設けることは本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2013-233242号公報の【0085】、【図3】に、演出を効果的に行うために、内部にLED基板41、71を設けた可動部材50について記載され、 特開2012-217493号公報の【0044】~【0052】、【図3】、【図6】に、内部にLEDを配設した可動体61~63を、遊技演出に応じて往復回動させることについて記載されている。以下「周知の技術事項1」という。)。 そして、刊行物発明の「電飾器32」は、構成cによると、「物語り調のアニメーション画面を光で演出する演出器に相当する」ものであるから、刊行物発明と上記周知の技術事項1とは、内部にLEDを設けた演出装置を備える遊技機である点で共通する。 また、刊行物発明は、「電飾器32」による演出効果を高めるという自明の課題を内在するものであるから、刊行物発明と上記周知の技術事項1とは、演出装置の演出効果を高めるという共通の課題を解決するものである。 したがって、刊行物発明の「電飾器32」に上記周知の技術事項1を適用して、「電飾器32」を内部にLED等の発光手段を設けた可動部材に置き換えて、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 イ 相違点2(D1)について 上記相違点2について検討する。 照明装置一般の技術分野において、3色のRGB素子により発光される光の混色性を高め、均一な白色光を得るために、RGB素子を三角形の頂点に位置するように配置させ、かつ、基板への実装面に対して直交する方向に光を照射するLEDを光源として用いることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2008-28171号公報の【0001】、【0005】、【0012】、【0018】、【0029】、【図3】、【図5】に、RGB各色光の混色性を高めて均一な白色光を得るために、各色のLEDチップを、それぞれ、三角形の各頂点上に位置するように配線基板13上に実装した、照明装置に用いる発光ダイオードについて記載され、 特開2007-266590号公報の【0011】、【0012】、【0019】~【0020】、【0027】、【図2】~【図3】、【図4】Aに、RGB各色光の混色性を高めて均一な白色光を得るために、各色のLEDチップを、三角形の各頂点上に位置するように配線基板上に配置した、照明に用いる発光ダイオードについて記載されている。以下「周知の技術事項2」という。)。 そして、刊行物発明と上記周知の技術事項2とは、LEDを光源として用いる照明装置に関する点で共通する。 また、刊行物発明は、「電飾カバーを少数のLEDで均一に照明することができる電飾装置を提供する」(【0006】)ことを目的とするものである。 したがって、刊行物発明と上記周知の技術事項2とは、照明に用いるLEDにより均一な光を得るという共通の課題を解決するものである。 よって、刊行物発明の「トップLED40」に、上記周知の技術事項2を適用して、「赤色系LED素子47、緑色系LED素子48、青色系LED素子49」を三角形の頂点に位置するように配置させ、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 ウ 相違点3(F)について 上記相違点3について検討する。 ここで、本件補正発明の構成E、Fと刊行物2発明の構成e1、f1とを対比する。 (e)刊行物2発明における「各ダイオード列」は、その各々が「オープンドレインの電流引き込みトランジスタQ0…Q15からなるドライバ回路341」に接続されるものであり、 そして、情報処理の技術分野において、回路装置への電子素子の接続を接続端子を介して行うことは、当業者における技術常識である(上記(3)eを参照。)。 したがって、刊行物2発明における構成e1の「ドライバ回路341のオープンドレインの電流引き込みトランジスタQ0…Q15を介して、各ダイオード列を接続す」ることは、本件補正発明における構成Eの「発光制御手段は、複数の発光手段を接続することができる接続端子を有」することに相当する。 (f)上記(e)より、刊行物2発明において、「複数のダイオード列」は、「接続端子」を介して「ドライバ回路341」に接続されるものである。 そして、刊行物2発明における「直列接続されるダイオードの数が異なるものごとに出力電圧の異なるLED電源装置を設け」ることは、本件補正発明における「直列に接続された発光手段の数に応じて、発光手段に供給される電圧が異なる」ことに相当する。 したがって、刊行物2発明の構成f1は、本件補正発明の構成Fに相当する。 また、上記「ア 相違点1(B)について」において指摘したように、刊行物発明は、「電飾器32」による演出効果を高めるという自明の課題を内在するものである。 一方、刊行物2発明は、「遊技の興趣が低下するのを防止できるようにする」という課題を解決するものである。 したがって、刊行物発明と刊行物2発明とは、遊技者の興趣を向上させるという共通の課題を解決するものである。 よって、刊行物発明における「トップLED40、アングルLED60、サイドLED130」の駆動に、刊行物2発明を適用して、接続端子に直列接続されるLEDの数に応じて、印加する電圧を異ならせるようにし、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 エ 請求人の主張について 請求人は、平成29年11月21日付け審判請求書において、本件補正発明について、本件補正発明は、「構成E1,F1を備えることで、本願の当初図面の図9に示された基板からも明らかなように、「基板全体を薄くモジュール化することができるため、当該基板を組み込んだ製品をコンパクト化することができる」という特有の効果を有しています。しかしながら、引用文献1および引用文献2には、「基板を組み込んだ製品をコンパクト化するために、基板全体を薄くモジュール化する」という技術思想は開示されていません。すなわち、LED素子の配置に応じてどのような方向に光を照射させるかという点について考慮されておらず、上記のような技術思想が開示されていない以上は、引用文献1に記載の発明に引用文献2に記載の事項を組み合わせて構成E1,F1のようにする動機づけが存在しないものと思料致します。」(第6頁第18~28行)と主張する。 そこで、請求人の上記主張について検討する。 刊行物発明は、構成bより、「LED基板122」に、「トップLED40、アングルLED60、サイドLED130」をまとめて「搭載する」ことにより、「LED基板122」全体を薄く構成し、それにより、「LED基板122を有する複数の電飾器32」の全体をコンパクト化したものといえる。 また、平成29年7月11日付け手続補正についての平成29年8月24日付け補正却下の決定において引用された、刊行物に記載された発明としての上記刊行物発明は、請求人が審判請求書においてF1と分説した本件補正発明の構成F1(審決においてD2と分説した本件補正発明の構成)を備えるものである。 一方、請求人が審判請求書においてE1と分説した本件補正発明の構成E1(審決においてD1と分説した本件補正発明の構成)については、本件補正発明と刊行物発明との相違点2として抽出し、相違点2については、上記「イ 相違点2(D1)について」において検討したように、刊行物発明の「トップLED40」に、上記周知の技術事項2を適用して、「赤色系LED素子47、緑色系LED素子48、青色系LED素子49」を三角形の頂点に位置するように配置させることにより、当業者が容易になし得たものである。 したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。 オ 小括 本件補正発明により奏される効果は、刊行物発明、刊行物2発明、上記周知の技術事項1~2、及び、技術常識から当業者が予測できる効果の範囲内のものであって、格別なものではない。 よって、上記ア~エにおいて検討したとおり、本件補正発明は、刊行物発明、刊行物2発明、上記周知の技術事項1~2、及び、技術常識に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。 (5)まとめ 上記(1)~(4)より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成29年3月6日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであるところ、本願発明(記号A~Fは、分説するため当審で付した。)は、次のとおりのものと認める。 「A 遊技を行う遊技機であって、 B’複数の発光手段と、 C 前記発光手段の発光を制御する発光制御手段とを備え、 D 前記発光手段は、 D1’赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が第1配置で配置されている第1発光手段と、 D2’赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が前記第1配置と異なる第2配置で配置されている第2発光手段とを含み、 E 前記発光制御手段は、複数の前記発光手段を接続することができる接続端子を有し、 F 前記接続端子において直列に接続された前記発光手段の数に応じて、前記発光手段に供給される電圧が異なる、遊技機。」 2 拒絶の理由(平成29年5月8日付け) 原査定の拒絶の理由は、 「(進歩性)この出願の請求項1~6に係る発明は、本願の出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明、引用文献2に示された周知の技術事項、及び、引用文献3に示された周知の技術事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。」というものである。 記 引用文献1:特開2013-158594号公報 引用文献2:特開2007-273898号公報(周知例として引用) 引用文献3:特開2013-158506号公報(周知例として引用) 3 刊行物に記載された事項 前記「第2 3(2)(2-2)刊行物2に記載された事項」に記載したとおり、刊行物2には、次の刊行物2発明が記載されている。 「a1 遊技の進行を管理する遊技制御手段を備えた遊技機において(【請求項1】)、 b1 遊技盤30に設けられている盤装飾装置42には、複数のLED(発光ダイオード)が、4個のダイオード列、3個のダイオード列、2個のダイオード列として直列接続され(【0079】、【0083】、【図8】)、 c1 メイン制御回路343、ドライバ回路341を含み、LED(発光ダイオード)を駆動制御するLED制御装置332と(【0071】、【0079】)、 e1 ドライバ回路341のオープンドレインの電流引き込みトランジスタQ0…Q15を介して、各ダイオード列を接続し(【0079】)、 f1 複数のダイオード列のうち、直列接続されるダイオードの数が異なるものごとに出力電圧の異なるLED電源装置を設けた(【0083】) 遊技機。」 4 対比 本願発明と刊行物2発明とを対比する(対比にあたっては、本願発明の構成A~Fと刊行物2発明の構成a1~f1について、それぞれ(a1)~(f1)の見出しを付して行った。)。 (a1)刊行物2発明における「遊技の進行を管理する遊技制御手段を備え」ることは、本願発明における「遊技を行う」ことに相当する。 したがって、刊行物2発明における構成a1の「遊技機」は、本願発明における構成Aの「遊技機」に相当する。 (b1)刊行物2発明における「複数のLED」は、本願発明における「複数の発光手段」に相当する。 したがって、刊行物2発明における構成b1は、本願発明における構成B’に相当する。 (c1)刊行物2発明における「LED(発光ダイオード)を駆動制御する」ことは、本願発明における「発光手段の発光を制御する」ことに相当する。 したがって、刊行物2発明における構成c1の「LED制御装置332」は、本願発明における構成C1の「発光制御手段」に相当する。 (e1)前記「第2 3(4)ウ 相違点3(F)について(e)」と同様に、刊行物2発明の構成e1は、本願発明における構成Eに相当する。 (f1)前記「第2 3(4)ウ 相違点3(F)について(f)」と同様に、刊行物2発明の構成f1は、本願発明における構成Fに相当する。 よって、両者の一致点および相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「A 遊技を行う遊技機であって、 B’複数の発光手段と、 C 前記発光手段の発光を制御する発光制御手段とを備え、 E 前記発光制御手段は、複数の前記発光手段を接続することができる接続端子を有し、 F 前記接続端子において直列に接続された前記発光手段の数に応じて、前記発光手段に供給される電圧が異なる、遊技機。」 [相違点](構成D~D2’) 発光手段に関し、本願発明は、赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が第1配置で配置されている第1発光手段と、赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子が第1配置と異なる第2配置で配置されている第2発光手段とを含むのに対して、刊行物2発明は、そのような構成を有するか不明である点。 5 当審の判断 上記相違点(構成D~D2’)について検討する。 まず、本願発明における「赤、緑、青のそれぞれの光を発する複数の発光素子」に関する、構成D1’の「第1配置」、構成D2’の「第2配置」には、本件補正発明における構成D1の「複数の発光素子がそれぞれを頂点に三角形を形成するよう」な配置、構成D2の「一方向に並ぶよう」な配置以外にも、様々な配置を含むものである。 そして、照明装置の技術分野において、光源として用いる3色LEDについて、RBG素子の配置を異ならせることは、本願の出願日前に周知の技術事項である(例えば、原査定の拒絶の理由で引用文献2として提示した特開2007-273898号公報の【0001】、【0007】~【0009】に、照明の光源として用いられるLEDアレイについて、LEDを構成する赤色発光ダイオード、緑色発光ダイオード、青色発光ダイオードからなる、各発光ダイオード部について、「一直線状に配置してもよく、三角形の頂点に配置してもよい。」ことが記載され、 特開2006-156130号公報の【0030】、【図5】~【図6】に、R色、G色、B色を発光する発光素子を光放射方向から見て三角形状に配置し、その三角形状の頂点を上方にして収納したパッケイジ(A-1、A-2)を上下が逆になるように配置し、「図6の図を正面から見て、パッケイジA-1のX線より下側の光半導体素子は、左からB色、G色と並んでいる。一方、パッケイジA-2のX線より上側の光半導体素子は、左からB色、G色と並んでいる。」ことが記載され、 上記特開2007-266590号公報の【0027】、【図4】Aに、RGB各色のLEDチップ12R,12G,12Bを、それぞれ正三角形の各頂点上に位置するようして配置したLEDチップ群12について記載され、【0028】、【図4】Bに、1つの赤色LEDチップ12Rと2つの緑色LEDチップ12Gと1つの青色LEDチップ12Bとにより、一組のLEDチップ群12Mを構成し、RGB各色間のLEDチップ12R,12G,12Bはそれぞれ正三角形を構成するように配置されたことについて記載されている。以下「周知の技術事項3」という。)。 そして、刊行物2発明のLEDを有する盤装飾装置42と、上記周知の技術事項3の照明装置とは、LEDを有する照明装置である点で共通する。 したがって、刊行物2発明の盤装飾装置42の複数のLEDに上記周知の技術事項3を適用して、RBG素子の配置の異なるLEDを含ませ、上記相違点に係る本願発明の構成D~D2’とすることは、当業者が容易になし得たものである。 また、本願発明により奏される効果は、刊行物2発明、及び、上記周知の技術事項3から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、新たな効果を奏するものとはいえない。 よって、本願発明は、刊行物2発明、及び、上記周知の技術事項3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-017226

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    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009719拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009720拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F

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