特許拒絶査定不服審判
2017-016615
モジュール式照明システムのための照明モジュール
- 審判番号
- 2017-016615
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-518033外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年11月08日
- 審決日
- 2018年09月18日
- 公報発行日
- 2018年11月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
- 【請求人代理人】柴田 沙希子
- 分類
- P18 .121-WY (F21S)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-518033号「モジュール式照明システムのための照明モジュール」拒絶査定不服審判事件〔平成25年 1月10日国際公開、WO2013/005144、平成26年 7月28日国内公表、特表2014-518441号、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2012年(平成24年)6月28日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2011年7月1日 (EP)欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、平成28年3月4日付けで1回目の拒絶理由が通知され、同年6月2日に意見書及び手続補正書が提出され、同年11月30日付けで2回目の拒絶理由(最後)が通知され、平成29年3月1日に意見書が提出され、同年7月10日付けで2回目の拒絶理由の通知に基づく拒絶査定がされ、これに対し、同年11月8日に拒絶査定不服審判が請求されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1~8に係る発明(以下「本願発明1」~「本願発明8」という。)は、平成28年6月2日にされた手続補正により補正された請求項1~8に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
少なくとも2つの照明モジュールを含むモジュール式照明システムであって、各照明モジュールが、
中心部と、別の照明モジュールの基板の周辺縁端部に結合されるよう適合される周辺縁端部とを持つ基板、及び
前記周辺縁端部の近傍のピッチが前記中心部の近傍のピッチより大きくなるように前記基板に配設される複数の光源を有するモジュール式照明システム。
【請求項2】
前記ピッチが、前記中心部から前記周辺縁端部に向かう方向において、徐々に増加するように、前記光源が前記基板に配設される請求項1に記載のモジュール式照明システム。
【請求項3】
前記基板の前記周辺縁端部の近くに位置する光源間のピッチが、前記周辺縁端部の最も近くに位置する光源と、他の照明モジュールの前記周辺縁端部の最も近くに位置する他の照明モジュールの光源との間のピッチ/距離と一致する請求項1乃至2のいずれか一項に記載のモジュール式照明システム。
【請求項4】
前記光源が、正弦波変化に従って前記基板に分布させられる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のモジュール式照明システム。
【請求項5】
前記光源が、周辺縁端部から前記基板の反対側の周辺縁端部の方へ延在する列に配設される請求項1乃至4のいずれか一項に記載のモジュール式照明システム。
【請求項6】
前記光源が前記基板にわたって分散される請求項1乃至5のいずれか一項に記載のモジュール式照明システム。
【請求項7】
前記光源が発光ダイオードである請求項1乃至6のいずれか一項に記載のモジュール式照明システム。
【請求項8】
少なくとも2つの照明モジュールを含むモジュール式照明システムを製造する方法であって、
中心部と、前記モジュール式照明システム内の別の照明モジュールの基板の周辺縁端部に結合されるよう適合される周辺縁端部とを持つ基板を各照明モジュールに供給するステップ、及び
各照明モジュールにおいて、前記周辺縁端部の近傍のピッチが前記中心部の近傍のピッチより大きくなるように前記基板に複数の光源を配設するステップを有する方法。」
第3 原査定の理由の概要
本願発明1~8は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2009-16095号公報
引用文献2.特開2008-117538号公報
第4 当審の判断
1 本願発明1について
(1)引用文献の記載事項並びに引用文献に記載された発明及び技術的事項
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面と共に以下の事項が記載されている。なお、下線は当審で付加した。以下同様。
(ア)「【請求項5】
指向性のある複数の光源を装着した基板を一面に複数並べて備える照明装置において、
一方の基板に設けられた光源から、隣り合う他方の基板に設けられた光源までの距離が、一方の基板に設けられた光源間の距離と等しいことを特徴とする照明装置。」
(イ)「【0004】
しかし、特許文献1に開示されている従来のLED照明装置41は、以下のような問題があった。
図8(b)に示すように、LED照明装置41の一面に、複数のカード型LED照明光源43がLEDベアチップ42間の距離より大きい距離を持って設けられているため、カード型LED照明光源間の発光がない部分44が他の発光のある部分に対して暗さが目立ってしまい、均一な面発光ができていなかった。特に、光源としてLEDが用いられている場合には、LEDは指向性が強いため、光源のグレア(眩しさ)を使用者に感じさせることになり、光源のある部分とない部分に対応して明るさが不均一になり、均一な面発光ができていなかった。
【0005】
また、特許文献1に実施形態として開示されているような、カード型LED光源にコネクタ等の電子部品を設けた場合には、光源(LED)がない部分がより目立ち、均一な面発光ができないという問題があった。
本願発明は、上記問題に鑑みてなされた発明であり、LEDといった指向性のある光源を用いた照明装置において、光源の指向性によるグレアを緩和して均一な面発光する照明装置及び該照明装置に用いられる基板を提供することを目的とする。」
(ウ)「【0016】
まず、図1及び図2を参照して、LED照明装置1の構成について説明する。LED照明装置1は、複数のLED6が装着されたLED基板7と、LED6に電源を供給する電源部(図示せず)と、LED基板7を取り付けLED6からの熱を放熱する放熱板5と、LED6からの光を拡散する拡散板4と、LED基板7と放熱板5と電源回路を収容する収容部材2と、収容部材2を固定するフレーム3とから構成される。」
(エ)「【0024】
図3(a)はLED基板7のLED6が装着された面の平面図であり、図3(b)はLED基板7のLED6が装着された面の裏面の平面図である。
LED基板7には、複数のLED6がマトリクス状に均一の距離(ピッチ)を空けて装着(実装)されている。より具体的には、LED基板7の縦方向(X方向)に12個のLED6がLED間の距離を12mm、LED基板7端部からの距離を5mmとして一列に配置され、LED基板7の横方向(Y方向)にその12個のLED6を1列としてLED間の距離(列間の距離)を12mm、LED基板7端部からの距離を5mmとして配置されている。よって、一枚のLED基板7上に、72個のLED6が等距離(12mm)に、LED基板7の端部から一定の距離(5mm)を空けて、マトリクス状に装着されていることになる。」
(オ)「【0031】
図4は、スクウェア型のLED照明装置の放熱板に配置される8枚のLED基板の平面図である。
8枚のLED基板7はそれぞれ同じ方向を向けて一定の距離を空けて並べて設けられている。LED基板7の距離Qは、隣り合って並べられる複数のLED基板7の内、ある一方のLED基板7に設けられたLED6から、隣り合う他方のLED基板7に設けられたLED6までの距離Pが、一方の基板に設けられたLED間の距離Pと等しくなるように設定されている。
【0032】
具体的に示すと、LED基板7の最外周部のLED6はLED基板7の端部から5mmの距離の位置に設けられ、LED基板7間の距離Qは2mmとなるように配置されている。よって、ある一方のLED基板7に設けられたLED6から、隣り合う他方のLED基板7に設けられたLED6までの距離は12mmとなり、LED基板内のLED間の距離P(12mm)と等しい。」
(カ)「【0041】
LED基板7は、実施の形態1又は2と同一のLED基板であり、放熱板35にLED基板7が縦方向に縦列に8枚配置されている。LED基板7間の距離は2mmとなるようにLED基板7を配置しており、実施の形態1で述べたように、隣り合うLED基板間のLED6の距離と、LED基板7内のLED6間の距離は等しくなっている。よって、ストレート型のLED照明装置31においても均一な面発光が可能である。
以上、実施の形態1から3の説明において、LED基板に装着される複数のLEDは、隣り合うLEDが等距離に設けられている実施形態を例示したが、全てのLED間の距離が必ずしも等距離である必要が無く、LED基板間の距離が少なくともLED基板の最外周部のLED間の距離と等しくなるようにLED基板が配置されていれば、LED基板間の非発光部分が暗く目立つことなく、ほぼ均一な面発光が可能となる。」
イ 引用文献1に記載された発明
上記ア(オ)の段落【0032】及び上記ア(カ)の記載から、一方のLED基板7に設けられたLED6から、隣り合う他方のLED基板7に設けられたLED6までの距離が、少なくともLED基板7内の最外周部のLED6間の距離と等しくするようなLED基板7間の距離Qとなるように、LED基板7を配置しているといえる。
以上のことと、上記アの各記載事項及び【図1】~【図4】の記載から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認める。
「指向性のある複数のLED6を装着したLED基板7を一面に複数並べて備えるLED照明装置1において、
一方のLED基板7に設けられたLED6から、隣り合う他方のLED基板7に設けられたLED6までの距離が、少なくともLED基板7内の最外周部のLED6間の距離と等しくするようなLED基板7間の距離Qとなるように、LED基板7を配置したLED照明装置1。」
ウ 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面と共に以下の事項が記載されている。
(ア)「【請求項1】
0.375平方メートルの発光面積を有し、定格電流20mAで点灯された際に白色発光するとともにその発光効率が50lm/Wないし150lLm/Wである下方照明用LEDモジュールと、このLEDモジュールから下向きに出射された光の投光角を60度以下とするグレア制御手段を備えた照明器具であって、
前記LEDモジュールが、複数の青色LEDチップと、これら青色LEDチップが実装されたモジュール基板と、この基板上に前記青色LEDチップを封止して設けられるとともに前記青色LEDチップから放射された青色の光を吸収して黄色の光を放射する蛍光体が混ぜられた透光性の封止部材を備え、複数の前記青色LEDチップを5mmないし10mm間隔で縦横に配列したことを特徴とする照明器具。」
(イ)「【0009】
本発明の目的は、大形化を伴うことなく、かつ、不快グレアを抑制しつつ照明できるとともに、発光する複数のLEDチップがつぶつぶに視認され難く、しかも、演色性を向上する場合にも好適な照明器具を提供することにある。」
(ウ)「【0017】
図1~図6を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1中符号1は屋内例えばオフィスに配置されてアンビエント照明を行う吊り下げ型の照明器具を示している。この照明器具1は、照明装置2と、この照明装置2をオフィスの天井面3に吊り下げ設置する例えば複数の吊り下げ部材4とを備えている。
【0018】
図1に示すように照明装置2は、上向きに白色光を出射する上方照明用の上部LEDモジュール11と、下向きに白色光を出射する下方照明用の下部LEDモジュール21と、断熱材41と、配光制御部材例えばレンズ45と、グレア制御手段例えばルーバー51を備えている。」
(エ)「【0028】
図1及び図4に示すように下部LEDモジュール21は、モジュール基板22の下面に、複数のLEDユニット23を実装して形成されている。モジュール基板22は下部LEDモジュール11のモジュール基板12と略同じ大きさである。各LEDユニット23は、図5に示すようにユニット基板24と、反射層25と、導体部26と、複数の青色LEDチップ27と、封止部材28とを備えている。」(合議体注;「下部LEDモジュール11」という記載は、文脈及び【図1】の記載からみて「上部LEDモジュール11」の誤記と認める。)
(オ)「【0035】
これらLEDユニット23での縦横配列において、複数の青色LEDチップ27は等間隔に配列することも可能であるが、不等間隔でもよい。例えば本実施形態では、図6に示すようにLEDユニット23の中央部側ほど青色LEDチップ27を密に配列し、この逆に、LEDユニット23の周辺側ほど青色LEDチップ27を疎に配列してある。図6中符号P2~P6は、隣接した青色LEDチップ27相互の間隔を夫々示しており、P2>P3>P4>P5>P6の関係にある。しかし、このような配列であっても、隣接した全ての青色LEDチップ27の間隔P2~P6は、いずれも5mmないし10mmの寸法値に収められている。間隔P2~P6はいずれも上部LEDモジュール11の青色LEDチップ13同士の間隔Pより大きい。」
(カ)「【0038】
ルーバー51は、金属例えばアルミニウム合金等の熱伝導性に優れた金属からなるルーバー片51aを、図1及び図4に示すように井桁格子状に組み合わせて形成されている。ルーバー片51aの肉厚は、このルーバー片51aの上端部からなる根元から先端(下端)に向けて次第に細くなっている。このルーバー51の高さは下部LEDモジュール21の厚みより大きい。このルーバー51は、ルーバー片51aの根元をモジュール基板22の下面に面接触させて下部LEDモジュール21に取付けられている。このルーバー51の各ルーバー片51aが互いに連続して形成された複数の四角な枠部内には、LEDユニット23が個々に配置されている。言い換えれば、各LEDユニット23の夫々の周囲はルーバー片51aで囲まれている。
【0039】
このルーバー51は、下部LEDモジュール21から下方に出射された光の配光を制御して不快グレアを抑制するもので、例えば下方に出射された光の投光角θ(図1参照)を規定している。この投光角θは60°以下に設定される。これにより、照明器具1の下方に設置されたディスプレイ画面への下部LEDモジュール21の発光部の映り込みを防ぐとともに、使用者にグレアを与えることを抑制するようになっている。」
(キ)「【0058】
しかし、既述のように本実施形態では、より多くのLEDチップ27がLEDユニット23の中心側に集まるように配列されている。このため、LEDユニット23の発光面から出射された光をルーバー51などのグレア制御手段で反射させて行われる配光制御の精度、言い換えれば、照射角αの精度が高められる。それにより、不快グレア及び室内のディスプレイ画面への発光面の写り込みを、より精度よく抑制できる。」
(ク)「【0060】
1…照明器具、2…照明装置、11…上部LEDモジュール(上方照明用LEDモジュール)、12…モジュール基板、13…青色LEDチップ、14…封止部材、21…下部LEDモジュール(下方照明用LEDモジュール)、22…モジュール基板、23…LEDユニット、23…ユニット基板、27…青色LEDチップ、28…封止部材、51…ルーバー(グレア制御手段)、θ…投光角」
エ 引用文献2に記載された技術的事項
上記ウの各記載事項より、引用文献2には以下の技術的事項が記載されているものと認める。
「0.375平方メートルの発光面積を有し、定格電流20mAで点灯された際に白色発光するとともにその発光効率が50lm/Wないし150lLm/Wである下方照明用LEDモジュールである下部LEDモジュール21と、この下部LEDモジュール21から下向きに出射された光の投光角を60度以下とするグレア制御手段であるルーバー51を備えた照明器具1であって、
前記下部LEDモジュール21が、複数の青色LEDチップ27と、これら青色LEDチップ27が実装されたモジュール基板22と、このモジュール基板22上に前記青色LEDチップ27を封止して設けられるとともに前記青色LEDチップ27から放射された青色の光を吸収して黄色の光を放射する蛍光体が混ぜられた透光性の封止部材28を備え、複数の前記青色LEDチップ27を5mmないし10mm間隔で縦横に配列し、
下部LEDモジュール21は、モジュール基板22の下面に、複数のLEDユニット23を実装して形成され、
各LEDユニット23の夫々の周囲はルーバー51のルーバー片51aで囲まれ、
LEDユニット23の中央部側ほど青色LEDチップ27を密に配列し、この逆に、LEDユニット23の周辺側ほど青色LEDチップ27を疎に配列してある照明器具1。」
(2)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
ア 後者の「LED基板7」、「LED6」は、それぞれ前者の「基板」、「光源」に相当する。
イ 前者の「照明モジュール」は、具体的には「各照明モジュール20a、20b及び20cは、・・・例えばプリント回路基板(PCB)を含む基板21を有する。更に、各基板21には、光源23、好ましくはLEDが、配設される(又は取り付けられる)。」(本願明細書段落【0024】)というものであるから、後者の「指向性のある複数のLED6を装着したLED基板7」は、前者の「照明モジュール」に相当するといえる。
ウ 上記イを踏まえると、後者の「指向性のある複数のLED6を装着したLED基板7を一面に複数並べて備えるLED照明装置1」は、前者の「少なくとも2つの照明モジュールを含むモジュール式照明システム」に相当するといえる。
エ 後者の「LED基板7」が、「中心部」と「周辺縁端部」を有することは構成上明らかである。
そうすると、上記ア~ウも踏まえると、後者の「一方のLED基板7に設けられたLED6から、隣り合う他方のLED基板7に設けられたLED6までの距離が、少なくともLED基板7内の最外周部のLED6間の距離と等しくするようなLED基板7間の距離Qとなるように、LED基板7を配置したLED照明装置1」と、前者の「中心部と、別の照明モジュールの基板の周辺縁端部に結合されるよう適合される周辺縁端部とを持つ基板、及び前記周辺縁端部の近傍のピッチが前記中心部の近傍のピッチより大きくなるように前記基板に配設される複数の光源を有するモジュール式照明システム」とは、「中心部と、周辺縁端部とを持つ基板、及び前記基板に配設される複数の光源を有するモジュール式照明システム」の限度で一致するといえる。
エ してみると、本願発明1と引用発明との一致点、相違点は以下のとおりと認める。
〔一致点〕
「少なくとも2つの照明モジュールを含むモジュール式照明システムであって、各照明モジュールが、
中心部と、周辺縁端部とを持つ基板、及び
前記基板に配設される複数の光源を有するモジュール式照明システム。」
〔相違点〕
本願発明1の「周辺縁端部」が「別の照明モジュールの基板の周辺縁端部に結合されるよう適合される」ものであり、「複数の光源」が「前記周辺縁端部の近傍のピッチが前記中心部の近傍のピッチより大きくなるように」配設されているのに対し、
引用発明の「一方のLED基板7」の周辺縁端部に相当する箇所は、「隣り合う他方のLED基板7」の周辺縁端部に相当する箇所に結合されるものではなく(LED基板7間に「距離Q」を有する。)、また、「LED6」が、周辺縁端部の近傍のピッチが中心部の近傍のピッチより大きくなるように配設されていることの特定がない点。
(3)判断
上記相違点について検討する。
ア 引用文献2には上記(1)エで示した技術的事項が開示されているといえる。
しかしながら、引用発明は「一方のLED基板7に設けられたLED6から、隣り合う他方のLED基板7に設けられたLED6までの距離が、少なくともLED基板7内の最外周部のLED6間の距離と等しくするようなLED基板7間の距離Qとなるように、LED基板7を配置した」という事項を採用することにより、「LEDは指向性が強いため、光源のグレア(眩しさ)を使用者に感じさせることになり、光源のある部分とない部分に対応して明るさが不均一になり、均一な面発光ができていなかった」(上記(1)ア(イ)段落【0004】)という従来技術の問題点を既に解決しているものであり、さらに、課題解決のためより好ましいものである「実施の形態1から3」においては、「LED基板内に装着される複数のLEDは、隣り合うLEDが等距離に設けられている」(上記(1)ア(カ))ものであるから、引用発明に対し、あえて引用文献2に記載された技術的事項を適用しようとする動機付けがあるとはいえない。
イ また、引用文献2に記載された技術的事項において、「LEDユニット23の中央部側ほど青色LEDチップ27を密に配列し、この逆に、LEDユニット23の周辺側ほど青色LEDチップ27を疎に配列してある」ことの技術的意義は、「LEDユニット23の発光面から出射された光をルーバー51などのグレア制御手段で反射させて行われる配光制御の精度、言い換えれば、照射角αの精度が高められる。それにより、不快グレア及び室内のディスプレイ画面への発光面の写り込みを、より精度よく抑制できる」(上記(1)ウ(キ))ことにあるから、「青色LEDチップ27」の配列に係る事項を「グレア制御手段であるルーバー51」と切り離して把握できるものではない。
そうすると、仮に引用発明に引用文献2に記載された技術的事項を適用したとしても、引用文献2に記載された技術的事項における「青色LEDチップ27」の配列に係る事項は「グレア制御手段であるルーバー51」と切り離して把握できるものではないから、当該適用により得られるのは、ルーバーのルーバー片によりLED基板7が囲まれたものとなるため、上記相違点に係る本願発明1の発明特定事項(特に、「周辺縁端部」が「別の照明モジュールの基板の周辺縁端部に結合されるよう適合される」という事項)を有するものには至らない。
ウ また、本願発明の「複数の光源」が「前記周辺縁端部の近傍のピッチが前記中心部の近傍のピッチより大きくなるように前記基板に配設される」ことの技術的意義は、「近隣の照明モジュール間のあらゆる暗い領域の、照度中断(又は不連続性)としての知覚を減ら」すことにあるものと認められる(本願明細書段落【0012】)。
そうすると、引用文献2に記載された技術的事項における「青色LEDチップ27」の配列に係る事項は、本願発明の「光源」の配設に係る事項と技術的意義を異にするものであるといえ、その作用効果も異なることから、この点からみても、本願発明1が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項から当業者にとって容易想到であるとはいえない。
エ 以上のとおりであるから、本願発明1は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。
2 本願発明2~8について
本願発明2~7は、本願発明1の発明特定事項を全て含みさらに限定したものであるので、本願発明1と同様の理由により、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。
また、本願発明8は、本願発明1に対応する製造方法の発明であり、本願発明1の「周辺縁端部」が「別の照明モジュールの基板の周辺縁端部に結合されるよう適合される」ものであり、「複数の光源」が「前記周辺縁端部の近傍のピッチが前記中心部の近傍のピッチより大きくなるように」配設されているということに対応する構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえない。
第5 むすび
以上のとおり、本願発明1~8は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとはいえないから、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-016615