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特許拒絶査定不服審判

2017-014767

遊技機

審判番号
2017-014767
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2014-016030外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年10月04日
審決日
2018年06月25日
公報発行日
2018年09月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .575-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2014-16030号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年8月3日出願公開、特開2015-139678号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯の概要 本願は、平成26年1月30日の出願であって、平成28年10月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月19日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年4月12日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年6月12日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年6月29日付け(発送日:同年7月4日)で、同年6月12日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年10月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。 第2 平成29年10月4日付けの手続補正についての補正却下の決定 平成29年10月4日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 補正の内容 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1~2を補正する内容を含むものであり、そのうちの請求項1について、平成28年12月19日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における 「所定の更新周期で数値データを更新する更新手段と、 前記更新手段が更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段と、を備え、 前記更新手段は、前記乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新するようになっており、 前記更新手段は、前記更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を有し、 前記乱数取得手段は、1つの更新手段から、該更新手段が更新する数値データを異なる種類の判定に用いる乱数としてそれぞれ異なるタイミングで取得することを特徴とする遊技機。」は、審判請求時に提出された手続補正書(平成29年10月4日付け)における 「所定の更新周期で数値データを更新し、ハードウェア乱数を生成する更新手段と、 前記更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段と、を備え、 前記更新手段は、前記乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新するようになっており、 前記更新手段は、前記更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を有し、 前記乱数取得手段は、 所定の取得条件が成立すると、該取得条件の成立を契機として、同一である1つの特定更新手段から、該特定更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数として取得するようになっており、 前記異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数を取得するに際しては、複数回に亘って、且つそれぞれ異なるタイミングで取得することを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「更新手段」について、「所定の更新周期で数値データを更新する」とあったものを「所定の更新周期で数値データを更新し、ハードウェア乱数を生成する」と限定し、 「乱数取得手段」について、「前記更新手段が更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する」とあったものを「前記更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する」と限定するとともに、「1つの更新手段から、該更新手段が更新する数値データを異なる種類の判定に用いる乱数としてそれぞれ異なるタイミングで取得する」ものから、「所定の取得条件が成立すると、該取得条件の成立を契機として、同一である1つの特定更新手段から、該特定更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数として取得するようになっており、前記異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数を取得するに際しては、複数回に亘って、且つそれぞれ異なるタイミングで取得する」ものへと限定することを含むものである。 そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。 また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の【0067】、【0069】、【0089】~【0095】、特許請求の範囲又は【図7】等の記載からみて、新規事項を追加するものではない。 3 独立特許要件 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するかについて、以下に検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~E2は、分説するため当審で付した。)。 「A 所定の更新周期で数値データを更新し、ハードウェア乱数を生成する更新手段と、 B 前記更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段と、を備え、 C 前記更新手段は、前記乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新するようになっており、 D 前記更新手段は、前記更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を有し、 E 前記乱数取得手段は、 E1 所定の取得条件が成立すると、該取得条件の成立を契機として、同一である1つの特定更新手段から、該特定更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数として取得するようになっており、 E2 前記異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数を取得するに際しては、複数回に亘って、且つそれぞれ異なるタイミングで取得することを特徴とする遊技機。」 (2)刊行物に記載された事項 原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-252306号公報(以下「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線部は当審で付した。以下同様。)。 ・記載事項 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、所定の周期で乱数値が更新され、当該乱数値を取得することによって、各種抽選を実行可能な遊技機に関するものである。」 イ 「【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところで、パチンコ遊技機の中には、不正対策の観点から乱数生成器を搭載し、当該乱数生成器が生成するハードウェア乱数を用いて各種の遊技状態に関する抽選(判定)を行うパチンコ遊技機もある。しかしながら、このような乱数生成器を搭載したパチンコ遊技機において、不正対策の観点だけではなく、更にハードウェア乱数を用いた抽選を活用することにより、当該抽選結果に基づく各種演出の興趣を高めることが期待されている。 【0005】 この発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハードウェア乱数を用いた抽選を活用することにより、当該抽選結果に基づく各種演出の興趣を向上させることのできる遊技機を提供することにある。」 ウ 「【0053】 図3に示すように乱数生成回路30dは、クロック発振器CH、第1のカウンタCt1、第2のカウンタCt2、第1のラッチ回路La1及び第2のラッチ回路La2から構成されている。クロック発振器CHは、クウォーツ発振回路等によって一定の振動数(発振周波数)で発生する電気的信号を「クロック信号」として、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2へ出力する。 【0054】 また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、16ビットカウンタである。2の16乗が65536であることから、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2では、0~65535の範囲の値をカウントする。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、クロック発振器CHからのクロック信号を入力する毎に、1カウントする。 【0055】 因みに、本実施形態におけるクロック発振器CHの発振周波数は、10MHzに設定されている。このため、第1のカウンタCt1及び第2のカウンタCt2は、それぞれ0.1μsec毎に1カウントする。すなわち、65536通りの乱数値をカウントし、一巡するまでに要する時間は、約6.6msecである。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、上限となる65535までカウントした場合、0に戻って値をカウントする。また、第1のカウンタCt1と第2のカウンタCt2は、65536通りの乱数値をカウントし終わると、無作為にハードウェア初期値を決め、当該値から順にカウントをする。 ・・・ 【0059】 第1のラッチ回路La1は、始動口用ラッチ信号を入力した際、当該入力時に第1のカウンタCt1にてカウントしている値をバッファにラッチする。同様に、第2のラッチ回路La2は、始動口用ラッチ信号やゲート用ラッチ信号を入力した際、当該入力時に第2のカウンタCt2にてカウントしている値をバッファにラッチする。」 エ 「【0093】 ここで、ステップMB2にて行われる特別図柄入力処理について、図6に基づき説明する。 図6に示すように、特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、第1始動口16に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップMC1)。すなわち、ステップMC1において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、ステップMC1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップMC5の処理へ移行する。一方、ステップMC1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップMC2)。ステップMC2の判定結果が否定(第1保留記憶数=4)の場合、主制御用CPU30aは、ステップMC5の処理へ移行する。 【0094】 一方、ステップMC2の判定結果が肯定(第1保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップMC3)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置20の表示内容を変更する。続いて、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cと、乱数生成回路30dの第1のラッチ回路La1や第2のラッチ回路La2から各種乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域(第1保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する(ステップMC4)。 【0095】 ステップMC4において主制御用CPU30aは、第1のラッチ回路La1と第2のラッチ回路La2に対して始動口用ラッチ信号を出力する。そして、主制御用CPU30aは、第1のラッチ回路La1にてラッチされた値を、大当り判定用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2のラッチ回路La2にてラッチされた値を、転落抽選用乱数の値として取得する。また、ステップMC4において主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第1のソフトウェア乱数の値を特別図柄振分用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第3のソフトウェア乱数の値をリーチ判定用乱数の値として取得する。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cから第4のソフトウェア乱数の値を変動パターン振分用乱数の値として取得する。そして、ステップMC4の処理を行った後、主制御用CPU30aは、ステップMC5の処理へ移行する。」 オ 「【0135】 (3)第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値と、が更新される周期(更新周期)は、主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して短い周期とした。このため、例えば、第1のカウンタCt1にて生成される値が所定値(例えば、大当り抽選に当選する値)となるタイミングを狙って、始動口16,18に遊技球を入球させることがより困難となる。すなわち、不正に大当り遊技が付与されることを防ぐことができる。 【0136】 (4)ソフトウェア乱数とハードウェア乱数の値を用いて各種抽選や判定を行う。このため、ソフトウェア乱数の値とハードウェア乱数の値の組み合わせによって各種遊技演出を行うことが可能となる。その結果、演出のバリエーションを増やすことが可能となり、遊技に対する興趣を効果的に向上させることができる。」 カ 「【0146】 ・上記実施形態において、演出表示装置11、装飾ランプSL及びスピーカSPを、それぞれ専用の制御基板にて制御するように構成しても良い。 ・上記実施形態において、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、変動パターン振分用乱数として取得するように構成しても良い。このように構成する場合、変動パターンの選択率を詳細に設定することも可能となる。 【0147】 ・上記実施形態において、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、特別図柄振分用乱数として取得するように構成しても良い。このように構成する場合には、特別図柄の選択率を詳細に設定することも可能となる。 ・・・ 【0149】 ・上記実施形態において、第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、リーチ判定用乱数として取得するように構成しても良い。このように構成する場合には、リーチ抽選に当選する確率を詳細に設定することが可能となる。 ・・・ 【0155】 ・上記実施形態において、全ての抽選に用いる乱数の値として、第1のカウンタCt1や第2のカウンタCt2にて更新される値を用いるように構成しても良い。・・・」 ・認定事項 キ 【0059】に「第1のラッチ回路La1は・・・第1のカウンタCt1にてカウントしている値をバッファにラッチする。同様に、第2のラッチ回路La2は・・・第2のカウンタCt2にてカウントしている値をバッファにラッチする。」と記載され、 【0093】に「・・・特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、・・・第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力した・・・場合、・・・」と記載され、 【0095】に「・・・主制御用CPU30aは、第1のラッチ回路La1にてラッチされた値を、大当り判定用乱数の値として取得する。それとともに、主制御用CPU30aは、第2のラッチ回路La2にてラッチされた値を、転落抽選用乱数の値として取得する。・・・主制御用CPU30aは、・・・第1のソフトウェア乱数の値を特別図柄振分用乱数の値として取得する。・・・主制御用CPU30aは、・・・第3のソフトウェア乱数の値をリーチ判定用乱数の値として取得する。・・・主制御用CPU30aは、・・・第4のソフトウェア乱数の値を変動パターン振分用乱数の値として取得する。・・・」と記載され、 【0146】に「・・・第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、変動パターン振分用乱数として取得するように構成しても良い。・・・」と記載され、 【0147】に「・・・第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、特別図柄振分用乱数として取得するように構成しても良い。・・・」と記載され、 【0149】に「・・・第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値を、リーチ判定用乱数として取得するように構成しても良い。・・・」と記載されている。 これらの記載からみて、刊行物には、「特別図柄入力処理において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力した場合、第1のラッチ回路La1、又は、第2のラッチ回路La2は、変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値としてラッチし、取得する」ことが記載されているものと認められる。 上記ア~カの記載事項、上記キの認定事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物には、次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a~e1は、本件補正発明のA~E1に対応させて付与した。)。 「a クロック発振器CH、クロック発振器CHからクロック信号が入力される0.1μsec毎に1カウントする第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)、第1のラッチ回路La1及び第2のラッチ回路La2から構成されている乱数生成回路30dを備え(【0053】~【0055】、【0135】)、 第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)は、0.1μsecの更新周期により値を生成し(【0055】、【0135】)、 b 始動口用ラッチ信号を入力した時に第1のカウンタCt1にてカウントしている値をラッチする第1のラッチ回路La1と、 始動口用ラッチ信号やゲート用ラッチ信号を入力した時に第2のカウンタCt2にてカウントしている値をラッチする第2のラッチ回路La2と(【0059】)、 c 第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値とが更新される周期(更新周期)は、主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して短い周期とし(【0135】)、 e、e1 特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aに、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号が入力された場合、 第1のラッチ回路La1は、生成された値を大当り判定用乱数値として取得し、第2のラッチ回路La2は、生成された値を転落抽選用乱数値として取得し(【0093】~【0095】)、 第1のラッチ回路La1、又は、第2のラッチ回路La2は、更新された値を変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値としてラッチし、取得する(認定事項キ)、 遊技機(【0001】)。」 (3)対比 本件補正発明と刊行物発明とを対比する(対比にあたっては、本件補正発明の構成A~E1と刊行物発明の構成a~e1について、それぞれ(a)~(e、e1)の見出しを付して行った。)。 (a)刊行物発明における「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)」は、クロック発振器CHを有する乱数生成回路30dにより乱数が生成されるものであるから、本件補正発明における「ハードウェア乱数を生成する更新手段」に相当する。 また、刊行物発明における「0.1μsecの更新周期により値を生成」することは、本件補正発明における「所定の更新周期で数値データを更新」することに相当する。 したがって、刊行物発明における構成aは、本件補正発明における構成Aに相当する。 (b)刊行物発明における「第1のカウンタCt1にてカウントしている値」、「第2のカウンタCt2にてカウントしている値」は、構成aより、「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)」が「0.1μsecの更新周期により」「生成」するものであるから、本件補正発明における「更新手段がハードウェア乱数として更新する数値データ」に相当する。 また、刊行物発明において、構成eより、「第1のラッチ回路La1にてカウントしている値」は、大当り判定用乱数の値として用いられ、「第2のラッチ回路La2にてカウントしている値」は、転落抽選用乱数として用いられ、さらに、「第1のカウンタCt1又は第2のカウンタCt2にて更新される値」は、「変動パターン振分用乱数、特別図柄振分用乱数、及び、リーチ判定用乱数」として用いられるものであり、これら各種の乱数値の判定結果により、遊技が進行するものである。 したがって、刊行物発明における「第1のカウンタCt1にてカウントしている値をラッチする」こと、「第2のカウンタCt2にてカウントしている値をラッチする」ことは、本件補正発明における「遊技に関する判定に用いる乱数として取得する」ことに相当する。 ゆえに、刊行物発明における構成bの「第1のラッチ回路La1」、「第2のラッチ回路La2」は、本件補正発明における構成Bの「更新手段がハードウェア乱数として更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段」に相当する。 (e、e1)刊行物発明における「第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したとき」は、本件補正発明における「所定の取得条件が成立する」ときに相当する。 また、刊行物発明における「特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aに」「検知信号が入力された場合」は、本件補正発明における「該取得条件の成立を契機と」することに相当する。 したがって、刊行物発明における「特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aに、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号が入力された場合」は、本件補正発明における「所定の取得条件が成立すると、該取得条件の成立を契機と」することに相当する。 そして、刊行物発明は、「第1のラッチ回路La1、又は、第2のラッチ回路La2は、更新された値を変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値としてラッチし、取得する」ものであることから、第1のラッチ回路La1に着目した場合、第1のラッチ回路La1が、「変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値」のうち、3種類の乱数値を取得する場合、2種類の乱数値を取得する場合、1種類の乱数値を取得する場合、いずれの乱数値も取得しない場合の4通りに場合分けされる。 そうすると、「第1のラッチ回路La1」は、「変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値」のうち、3種類の乱数値を取得する場合、2種類の乱数値を取得する場合、及び、1種類の乱数値を取得する場合には、大当り判定用乱数値を取得することに加え、全部で2種類以上の乱数値を取得することになる。 一方、「第1のラッチ回路La1」が、「変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値」のうち、いずれの乱数値も取得しない場合は、「第2のラッチ回路La2」が、3種類の乱数値を取得することになり、この場合、「第2のラッチ回路La2」は、転落抽選用乱数値の取得に加えて、全部で4種類の乱数値を取得することになる。 このように、刊行物発明における「第1のラッチ回路La1」、又は、「第2のラッチ回路La2」は、少なくとも、「第1のカウンタCt1」、「第2のカウンタCt2」のうち、いずれかのカウンタにおいて更新される、2種類以上の乱数値を取得するものである。 したがって、刊行物発明における「第1のラッチ回路La1」、あるいは、「第2のラッチ回路La2」は、本件補正発明における「同一である1つの特定更新手段から、特定更新手段がハードウェア乱数として更新する数値データを、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数として取得する」「乱数取得手段」に相当する。 ゆえに、刊行物発明における構成e、e1の「特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aに、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号が入力された場合、第1のラッチ回路La1は、生成された値を大当り判定用乱数値として取得し、第2のラッチ回路La2は、生成された値を転落抽選用乱数値として取得し、第1のラッチ回路La1、又は、第2のラッチ回路La2は、更新された値を変動パターン振分用乱数値、特別図柄振分用乱数値、及び、リーチ判定用乱数値としてラッチし、取得する」ことは、本件補正発明における構成E、E1の「乱数取得手段は、所定の取得条件が成立すると、該取得条件の成立を契機として、同一である1つの特定更新手段から、該特定更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数として取得するようになって」いることに相当する。 よって、両者の一致点および相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「A 所定の更新周期で数値データを更新し、ハードウェア乱数を生成する更新手段と、 B 前記更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段と、を備え、 E 前記乱数取得手段は、 E1 所定の取得条件が成立すると、該取得条件の成立を契機として、同一である1つの特定更新手段から、該特定更新手段が前記ハードウェア乱数として更新する数値データを、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数として取得するようになっている 遊技機。」 [相違点1](構成C) 更新手段に関して、本件補正発明は、乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新するのに対して、刊行物発明は、そのような構成を備えているか明らかでない点。 [相違点2](構成D) 同じく、更新手段に関して、本件補正発明は、更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を有するのに対して、刊行物発明は、そのような構成を備えているか明らかでない点。 [相違点3](構成E、E2) 乱数取得手段に関して、本件補正発明は、異なる複数種類の判定のそれぞれに用いる乱数を取得するに際しては、複数回に亘って、且つそれぞれ異なるタイミングで取得するのに対して、刊行物発明は、そのような構成を備えているか明らかでない点。 (4)当審の判断 ア 相違点1(構成C)について 上記相違点1について検討する。 刊行物発明は、構成cの「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値とが更新される周期(更新周期)は、主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して短い周期と」する構成を備えることにより、「このため、例えば、第1のカウンタCt1にて生成される値が所定値(例えば、大当り抽選に当選する値)となるタイミングを狙って、始動口16,18に遊技球を入球させることがより困難となる。すなわち、不正に大当り遊技が付与されることを防ぐことができる。」(【0135】)なる効果を奏するものである。 また、刊行物発明における「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値」の「更新周期」である「0.1μsec」は、「主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して」十分に短い周期であるといえる。 一方、遊技機の技術分野における、ハードウェア乱数を生成する更新手段を備えた遊技機において、単一のハードウェア乱数を生成する更新手段(カウンタ)から異なる乱数を取得するため、更新手段が、乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新することは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2009-207911号公報の【0036】~【0037】、【0051】、【図6】、【図9】には、乱数値を取得してから次の乱数値を取得するまでにカウンタ61が相当数更新されることが記載され、特開2013-244061号公報の【0370】には、「上記実施形態において、大当り判定用乱数として使用するハードウェア乱数と、転落抽選用乱数として使用するハードウェア乱数を同じハードウェア乱数としても良い。但し、取得するタイミングに時間差(ハードウェア乱数の値が1更新されるまでの時間よりも長い時間)があることが望ましい。」ことが記載されている。以下「周知の技術事項1」という。)。 そして、刊行物発明と上記周知の技術事項1とは、遊技機のハードウェア乱数を生成する更新手段の更新周期に係る構成である点で共通する。 したがって、刊行物発明の「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)」、または、「第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)」に上記周知の技術事項1を適用して、不正に大当り遊技が付与されることを防ぐ効果を奏する範囲内で、「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値とが更新される周期(更新周期)」を、「主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して短い周期」である「0.1μsec」とすることに加え、単一のハードウェア乱数を生成する更新手段(カウンタ)から異なる乱数を取得するため、「0.1μsec」を、乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間と比較して短い周期とし、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たものである。 イ 相違点2(構成D)について 上記相違点2について検討する。 遊技機の技術分野において、更新手段に、更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を設けることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2013-180074号公報の【0043】、【0584】~【0589】、【0592】、【0642】~【0643】には、クロック信号の周期に従って更新される乱数が、正常に更新されているか否かを監視する乱数監視回路3184を備えた、ハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路318について記載され、特開2013-56145号公報の【0310】~【0315】、【図22】には、更新用バッファ134に書き込まれている大当たり乱数カウンタC1がクロック回路133によるクロック信号の周期で更新されているかを監視する更新チェック回路136を更新回路132に備えたハード乱数回路131について記載されている。以下「周知の技術事項2」という。)。 そして、刊行物発明と上記周知の技術事項2とは、遊技機のハードウェア乱数を生成する更新手段に係る構成である点で共通する。 また、刊行物発明において、「ハードウェア乱数を生成する更新手段」が正常に機能しているのか否かを確認する必要のあることは、当業者にとって自明である。 したがって、刊行物発明の「第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)」、または、「第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)」に上記周知の技術事項2を適用して、 第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)に、更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を具備し、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 ウ 相違点3(構成E、E2)について 上記相違点3について検討する。 刊行物発明は、認定事項キに示したように、ソフトウェア乱数に基づく乱数値の取得をハードウェア乱数に基づく乱数値の取得に置き換えて、構成e、e1を特定するものである。 そして、上記「2(3)対比(e、e1)」において検討したように、刊行物発明における「第1のラッチ回路La1」、あるいは、「第2のラッチ回路La2」は、少なくとも、「第1のカウンタCt1」、「第2のカウンタCt2」のうち、いずれかの単一カウンタにおいて、複数種類の乱数値を取得するものである。 また、上記「ア 相違点1(構成C)について」で検討したことからみて、刊行物発明は、単一のハードウェア乱数を生成する更新手段(カウンタ)から異なる乱数値を取得するものである。そして、刊行物発明において、単一のハードウェア乱数を生成する更新手段(カウンタ)から異なる乱数値を取得するためには、更新手段(カウンタ)から乱数値を取得するタイミングを異ならせる他ないことは、当業者にとって明らかである。 さらに、遊技機の技術分野において、異なる複数種類の判定にそれぞれ用いる乱数を単一カウンタから取得するに際して、複数回に亘って、且つそれぞれ異なるタイミングで取得することは、本願出願前に周知の技術事項でもある(例えば、上記特開2013-244061号公報の【0370】を参照のこと。以下「周知の技術事項3」という。)。 これらのことからみて、刊行物発明において、ハードウェア乱数を生成する単一カウンタにおいて、複数種類の乱数値を取得する場合、乱数値の種類に応じて乱数値を取得するタイミングを異ならせ、上記相違点3に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 エ 請求人の主張について 請求人は、平成29年10月4日付け審判請求書の「本願発明と引用発明の対比」において、次の点について主張をする。 (ア)「引用文献1には、単一の取得条件の成立を契機として複数の乱数を取得するに際して、第1のカウンタCt1で更新される値を、複数の乱数のうち何れの乱数として取得してもよいことが記載されているのみであり、複数の乱数のそれぞれとして取得してもよいことは記載されていないと言える。」(第9頁第9~13行) (イ)「引用文献1には、「更新手段は、乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新する」という本願発明1の特徴的構成について何ら開示も示唆もされていない。」(第9頁第18~22行) そこで、請求人の上記主張(ア)について、まず、検討する。 刊行物発明は、上記「(3)対比(e、e1)」おいて検討したように、「第1のカウンタCt1」、「第2のカウンタCt2」のうち、いずれかのカウンタにおいて更新される、2種類以上の複数種類の乱数値を取得するものである。 したがって、単一の取得条件の成立を契機として複数の乱数を取得するに際して、第1のカウンタCt1で更新される値を複数の乱数のそれぞれとして取得することは、刊行物発明が備える構成(構成e、e1)である。 次に、請求人の上記主張(イ)について検討する。 この点は、上記「ア 相違点1(構成C)について」において検討したように、「乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新する」「更新手段」は、本願出願前に周知の技術事項であり、刊行物発明の更新手段に上記周知の技術事項1を適用して、「乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新する」ことは、当業者が適宜なし得たものである。 よって、請求人の上記主張を採用することはできない。 オ 小括 本件補正発明により奏される効果は、刊行物発明、及び、上記周知の技術事項1~3から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、格別なものではない。 そうすると、上記ア~エにおいて検討したとおり、本件補正発明は、刊行物発明、及び、上記周知の技術事項1~3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。 (5)まとめ 上記(1)~(4)より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1~3に係る発明は、平成28年12月19日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~3に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。記号A1~E’は、分説するため当審で付した。)は、次のとおりのものと認める。 「A1 所定の更新周期で数値データを更新する更新手段と、 B1 前記更新手段が更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段と、を備え、 C 前記更新手段は、前記乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新するようになっており、 D 前記更新手段は、前記更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を有し、 E’ 前記乱数取得手段は、1つの更新手段から、該更新手段が更新する数値データを異なる種類の判定に用いる乱数としてそれぞれ異なるタイミングで取得することを特徴とする遊技機。」 2 拒絶の理由(平成29年4月12日付け) 原査定の拒絶の理由は、 「1.(進歩性)この出願の請求項1~3に係る発明は、本願の出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。」というものである。 引用文献1:特開2013-252306号公報 引用文献2:特開2013-180074号公報 引用文献3:特開2013-56145号公報 3 刊行物に記載された事項 原査定の拒絶理由において提示された、引用文献1である特開2013-252306号公報(前記「刊行物」に対応する。)には、前記「第2 3(2)刊行物に記載された事項ア~カ」に記載した事項に加え、次の事項が記載されている。 ・記載事項 ク 「【0114】 次に、ステップMB6にて行われる普図入力処理について、図8に基づき説明する。 普図入力処理において主制御用CPU30aは、ゲート25へ遊技球が入球したか否かを判定する(ステップME1)。ステップME1において主制御用CPU30aは、普図スイッチSW4が出力する検知信号を入力したか否かを判定する。そして、ステップME1の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図入力処理を終了する。一方、ステップME1の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている普図保留記憶数が上限の4未満であるか否かを判定する(ステップME2)。そして、ステップME2の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普図入力処理を終了する。 【0115】 一方、ステップME2の判定結果が肯定(普図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数を1加算し、普図保留記憶数を書き換える(ステップME3)。このとき、主制御用CPU30aは、加算後の普図保留記憶数を表すように普図保留表示装置26の表示内容を制御する。 【0116】 その後、主制御用CPU30aは、乱数生成回路30dの第2のラッチ回路La2から普図当り判定用乱数の値を取得し、主制御用RAM30cの所定の記憶領域(普図保留記憶数に対応する記憶領域)に記憶する(ステップME4)。」 上記ア~カ、クの記載事項、及び、図面の図示内容を総合勘案すると、刊行物1には、次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(a~e’は、本願発明のA1~E’に対応させて付与した。)。 「a クロック発振器CH、クロック発振器CHからクロック信号が入力される0.1μsec毎に1カウントする第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)、第1のラッチ回路La1及び第2のラッチ回路La2から構成されている乱数生成回路30dを備え(【0053】~【0055】、【0135】)、 第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)は、0.1μsecの更新周期により値を生成し(【0055】、【0135】)、 b 始動口用ラッチ信号を入力した時に第1のカウンタCt1にてカウントしている値をラッチする第1のラッチ回路La1と、 始動口用ラッチ信号やゲート用ラッチ信号を入力した時に第2のカウンタCt2にてカウントしている値をラッチする第2のラッチ回路La2と(【0059】)、 c 第1のカウンタCt1(第1の乱数生成器)にて生成される値と、第2のカウンタCt2(第2の乱数生成器)にて生成される値とが更新される周期(更新周期)は、主制御用CPU30aによる制御周期(4msec)と比較して短い周期とし(【0135】)、 e’ 特別図柄入力処理において、主制御用CPU30aに、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号が入力された場合、第2のラッチ回路La2は、生成された値を転落抽選用乱数値として取得し(【0093】~【0095】)、 普図入力処理において、主制御用CPU30aに、普図スイッチSW4が出力する検知信号が入力された場合、第2のラッチ回路La2から普図当り判定用乱数値を取得する(【0114】~【0116】)、 遊技機(【0001】)。」 4 対比 本願発明と刊行物1発明とを対比する(対比にあたっては、本願発明の構成A1~E’と刊行物1発明の構成a~e’について、それぞれ(a1)~(e’)の見出しを付して行った。)。 (a1)~(b1)前記「第2 3(3)対比」において、検討した(a)~(b)と同様に、刊行物1発明における構成a~bは、本願発明の構成A1~B1に相当する。 (e’)刊行物1発明の構成bより、「第2のラッチ回路La2」は、「第2のカウンタCt2にてカウントしている値をラッチする」ものである。 ここで、前記(a)より、刊行物1発明における「第2のカウンタCt2」は、本願発明における「1つの更新手段」に相当する。 そして、刊行物1発明における「転落抽選用乱数値」と「普図当り判定用乱数値」は、異なる種類の判定に用いる乱数値であることから、本願発明における「更新手段が更新する数値データを異なる種類の判定に用いる乱数」に相当する。 また、刊行物1発明における「第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知したときに出力する検知信号が入力された場合」と「普図スイッチSW4が出力する検知信号が入力された場合」とは、異なるタイミングで生じる検知信号が入力されることであるから、本願発明における「異なるタイミング」であることに相当する。 したがって、刊行物1発明における構成e’の「第2のラッチ回路La2」は、本願発明における構成E’の「乱数取得手段は、1つの更新手段から、該更新手段が更新する数値データを異なる種類の判定に用いる乱数としてそれぞれ異なるタイミングで取得する」ことに相当する。 よって、両者の一致点および相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「A1 所定の更新周期で数値データを更新する更新手段と、 B1 前記更新手段が更新する数値データを遊技に関する判定に用いる乱数として取得する乱数取得手段と、を備え、 E’ 前記乱数取得手段は、1つの更新手段から、該更新手段が更新する数値データを異なる種類の判定に用いる乱数としてそれぞれ異なるタイミングで取得する遊技機。」 [相違点1’](構成C) 更新手段に関して、本願発明は、乱数取得手段が数値データを取得してから次に数値データを取得するまでの最短時間よりも短い時間の更新周期で数値データを更新するのに対して、刊行物1発明は、そのような構成を備えているか明らかでない点。 [相違点2’](構成D) 同じく、更新手段に関して、本願発明は、更新周期による数値データの更新が正常に行われているかを監視する監視手段を有するのに対して、刊行物1発明は、そのような構成を備えているか明らかでない点。 5 当審の判断 上記相違点について検討する。 上記相違点1’~2’は、前記相違点1~2と同じであるので、上記相違点1’~2’の判断は、前記「第2 3(4)当審の判断 ア~イ」と同様に、当業者が刊行物1発明に上記周知の技術事項1、2をそれぞれ適用することにより、当業者が容易になし得たものである。 そして、本願発明により奏される効果は、刊行物1発明、及び、上記周知の技術事項1~2から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、格別なものではない。 よって、本願発明は、刊行物1発明、及び、上記周知の技術事項1~2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 むすび 以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-014767

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