特許拒絶査定不服審判
2017-014313
遊技機
- 審判番号
- 2017-014313
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-087268外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年09月27日
- 審決日
- 2018年06月28日
- 公報発行日
- 2018年09月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015- 87268号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年12月 8日出願公開、特開2016-202533号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成27年4月22日の出願であって、平成29年1月30日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年4月10日に意見書及び手続補正書が提出され、平成29年4月18日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成29年6月14日に意見書が提出されたところ、平成29年6月23日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、平成29年9月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年9月27日付け手続補正についての補正の却下の決定
〔補正の却下の決定の結論〕
平成29年9月27日付け手続補正書についての補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
〔理由〕
1 本件補正の内容
(1)本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、平成29年4月10日付け手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「遊技を行うことが可能な遊技機であって、
検出有効期間に遊技者の動作を検出可能な動作検出手段と、
前記動作検出手段によって検出有効期間に連続して複数回の遊技者の動作が検出されたことに応じて、所定演出を実行する所定演出実行手段とを備え、
前記所定演出実行手段は、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合にも、連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとして所定演出を実行可能であり、
検出有効期間よりも前から前記動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段と、
前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出されているときに、連続する複数回の遊技者の動作として検出していることを認識可能に報知する報知手段とをさらに備えた
ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、
「遊技を行うことが可能な遊技機であって、
検出有効期間に遊技者の動作を検出可能な動作検出手段と、
前記動作検出手段によって検出有効期間に連続して複数回の遊技者の動作が検出されたことに応じて、所定演出を実行する所定演出実行手段とを備え、
前記所定演出実行手段は、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合にも、連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとみなして所定演出を実行可能であるとともに、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であり、
検出有効期間よりも前から前記動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段と、
前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出されているときに、連続する複数回の遊技者の動作としてみなしていることを認識可能に報知する報知手段とをさらに備えた
ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は補正箇所を明示するために合議体が付した。)。
(2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の2つの補正事項ア及びイからなる。
ア 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「所定演出実行手段」が「前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であ」るとする補正。
イ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「報知手段」が「認識可能に報知する」のが「前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出されているときに、連続する複数回の遊技者の動作としてみなしていること」とする補正。
2 本件補正の目的
(1)上記1(2)アの補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0277】、【0297】、図31等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「所定演出実行手段」が「前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であ」るものに限定するものである。
(2)上記1(2)イの補正は、上記1(2)アの補正と表現を整合させるための補正である。
(3)以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)ア及びイの補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。また、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)ア及びイの補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下検討する。
(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしFは、分説するため合議体が付した。
「A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
B 検出有効期間に遊技者の動作を検出可能な動作検出手段と、
C 前記動作検出手段によって検出有効期間に連続して複数回の遊技者の動作が検出されたことに応じて、所定演出を実行する所定演出実行手段とを備え、
C-1 前記所定演出実行手段は、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合にも、連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとみなして所定演出を実行可能であるとともに、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であり、
D 検出有効期間よりも前から前記動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段と、
E 前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出されているときに、連続する複数回の遊技者の動作としてみなしていることを認識可能に報知する報知手段とをさらに備えた
F ことを特徴とする遊技機。」
(2)引用例
ア 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2012-95771号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が図とともに記載されている(下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を使用する遊技機に関し、特に、遊技者が演出に関与することができる演出表示を行う遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機では、遊技盤上に設けられた始動口に遊技球が入賞すると、大量の賞球を獲得しやすい特別遊技状態(大当たり遊技)への移行を行うか否かの抽選が行われる。また、従来の遊技機は、図柄表示装置によって演出図柄を変動表示し、その後、停止表示した演出図柄の組み合わせによって上記抽選結果を報知するように構成されている。
・・・略・・・
【0006】
さらに、上記のような演出画像を、遊技者の操作により変化させ、遊技の興趣を向上させるようにした遊技機が提案されている(特許文献2参照)。
この遊技機においては、遊技者による演出ボタンの操作に応じて、第1の演出群の中から1つの演出を選択し、選択した演出に対応づけられた演出を第2の演出群の中から選択して、選択した演出を次の演出として実行するようになっている。この遊技機は、上記構成により、遊技者の操作に基づき選択された演出によって、次の演出の選択の幅が制限されるため、遊技者は先を考えつつ積極的に遊技に参加することとなり、遊技者の遊技に対する参加意識を高め、遊技の面白みを向上させるようになっている。
【0007】
さらに、遊技者の能動的な操作を促して遊技への関与意識を高めるようにした遊技機も提案されている(特許文献3参照)。
この遊技機においては、演出ボタンの操作が有効となる操作有効期間を設定し、この操作有効期間内における演出ボタンの操作回数に基づいて演出内容を変化させるようにしている。これにより、演出ボタンの連続操作を行わせて、遊技への関与意識を高めるようにしている。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述した従来の遊技機においては、遊技者による演出ボタンの単純な押下操作のみでは、操作が単調となり、遊技者の参加意識が薄れていってしまうというおそれがあるとともに、遊技演出の多様化に限界があり、遊技に対する興趣の向上が図れないといった問題があった。
また、演出ボタンの操作有効期間を設定し、この操作有効期間内における演出ボタンの操作回数に基づいて演出内容を変化させるものでは、短時間に何度も演出ボタンを連続操作する、いわゆる連打を行わなければならず、遊技者に対して操作の煩わしさを感じさせるおそれがあった。また、連打操作の苦手な遊技者に対して、このような操作が必要な遊技機が敬遠されてしまうおそれがあった。
【0010】
本発明は、このような従来の問題を解決するためになされたもので、遊技者に対する操作の負担を軽減しつつ、遊技演出を多様化し、遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1に記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域(遊技領域6)が形成された遊技盤(遊技盤2)と、演出画像を表示する演出表示手段(演出表示装置31)と、前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う演出制御手段(サブCPU120a)と、操作指示を入力する操作入力手段(演出ボタン35)と、前記操作入力手段への前記操作指示の入力および前記操作指示の開放を検知する操作検知手段(演出ボタン検出スイッチ35a)と、を備え、
前記演出制御手段は、予め設定された操作許可時間内に前記操作検知手段により検知された前記操作指示の入力回数を操作回数として計数し、前記操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行うとともに、前記操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合には、前記操作指示の開放を検知するまで、前記操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数することを特徴とする。
【0012】
この構成により、長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて操作回数として計数するので、操作指示の長押しにより何度も操作部を連打することなく疑似的に操作回数を計数することができ、遊技者に対して操作の煩わしさを感じさせることなく、遊技者に対する操作の負担を軽減しつつ、遊技演出を多様化し、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、連打操作の苦手な遊技者に対しても、敬遠されることなく、遊技に対する興趣を向上させることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記操作検知手段は、前記操作指示の疑似入力として計数する1回あたりの計数時間を、前記操作指示の入力操作および開放操作の所定の操作可能時間よりも長く設定することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の遊技機において、前記操作検知手段は、前記操作指示の疑似入力を計数する間隔を、前記経過時間が長くなるほど長く設定することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の遊技機において、所定の条件に基づいて通常遊技より遊技者に有利な状態である特定遊技へ移行するか否かの抽選を行う特定遊技抽選手段(メインCPU110a)を備え、
前記演出制御手段は、前記操作回数および前記抽選結果に基づいて前記演出画像の表示制御を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、遊技者に対する操作の負担を軽減しつつ、遊技演出を多様化し、遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することができる。」
(ウ)「【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
【0019】
(遊技機の構成)
図1は本発明の遊技機1の一例を示す正面図であり、図2は遊技機1の裏面側の斜視図である。
【0020】
遊技機1は、遊技店の島設備に取り付けられる外枠60と、その外枠60と回動可能に支持されたガラス枠50とが備えられている。また、外枠60には、遊技球が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2が設けられている。なお、遊技盤2は、透明な板、例えば、強化プラスチックやポリカーボネートで作られている。ガラス枠50には、回動操作されることにより遊技領域6に向けて遊技球を発射させる操作ハンドル3と、スピーカからなる音声出力装置32と、複数のランプを有する演出用照明装置34と、押圧操作により演出態様を変更させるための演出ボタン35とが設けられている。
・・・略・・・
【0037】
また、演出ボタン35は、遊技者の操作指示を入力することができるようになっている。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35a(図3、図4参照)が設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aは、遊技者による操作指示の入力を検知するようになっている。なお、演出ボタン検出スイッチ35aは、上記操作指示による演出ボタン35の押下の有無、すなわち、演出ボタン35の押下中を検出するようになっている。これにより、演出ボタン検出スイッチ35aは、演出ボタン35の押し操作(以下、押下開始という)時と、演出ボタン35から手を離す操作(以下、開放操作という)時とも検出することができるようになっている。遊技機1は、演出ボタン検出スイッチ35aにより、上記操作指示を検知すると、この検知結果に基づいて演出表示装置31に表示する演出画像を後述するように変更するようになっている。
【0038】
本実施の形態では、演出ボタン35が操作入力手段を構成し、演出ボタン検出スイッチ35aが操作検知手段を構成する。なお、演出ボタン35および演出ボタン検出スイッチ35aの詳細については、後述する。
・・・略・・・
【0071】
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
【0072】
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
【0073】
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
上記処理により、サブCPU120aは、演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行う。さらに、サブCPU120aは、予め設定された操作許可時間内に演出ボタン検出スイッチ35aにより検知された操作指示の入力回数を操作回数として計数し、この操作回数に基づいて演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行うとともに、演出ボタン検出スイッチ35aにより操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の開放を検知するまで、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、操作回数として計数するようになっている。本実施の形態では、サブCPU120aが演出制御手段を構成する。
・・・略・・・
【0250】
(演出制御基板の演出入力制御処理)
図21、図22を用いて、演出制御基板120の演出入力制御処理を説明する。
また、以下で説明する操作有効フラグとは、演出ボタン35の操作が有効か否かを示すものであり、演出ボタン35の操作が有効である場合の値を“1”とし、操作が有効でない場合の値を“0”とするようにしている。
【0251】
また、操作中フラグとは、遊技者による演出ボタン35の押下を、認識しているか否かを示すものであり、演出ボタン35の押下中でないと認識している場合の値を“0”とし、押下中であると認識している場合の値を“0”以外とするようにしている。より詳しくは、演出ボタン35を押下中であると認識していて、長押し認定時間(図23における時間t1:疑似カウントアップを開始する前)までの間の値を“1”とし、長押し認定時間以降(疑似カウントアップ開始後)の値を“2”とする。
さらに、連打カウンタとは、演出ボタン35の入力を許可する操作許可時間内における操作の回数(連打回数)を計数するためのものである。
【0252】
なお、操作有効フラグおよび操作中フラグは、演出制御基板120のサブRAM120cに記憶され、サブCPU120aによって、操作有効フラグは決定した演出に応じて、操作中フラグは本演出入力制御処理において、読み書きされるようになっている。また、連打カウンタは、演出制御基板120のサブRAM120cに記憶され、サブCPU120aによって、本演出入力制御処理において、読み書きされるようになっている。
【0253】
ステップS1711において、サブCPU120aは、操作有効フラグの値が“1”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作有効フラグの値が“1”であれば、ステップS1712に移行し、操作有効フラグの値が“1”でなければ(すなわち、“0”であれば)、演出ボタン35の操作は無効であるので、本演出入力制御処理を終了する。
【0254】
ステップS1712において、サブCPU120aは、操作許可時間内であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作許可時間内であれば、ステップS1713に移行し、操作許可時間内でなければ、ステップS1741に移行する。
【0255】
ステップS1713において、サブCPU120aは、操作中フラグの値が“0”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作中フラグの値が“0”であれば、前回の処理までに演出ボタン35が操作されていないものとして、ステップS1714に移行し、操作中フラグの値が“0”でなければ、前回の処理では演出ボタン35が操作されていたものとして、ステップS1721に移行する。
【0256】
ステップS1714において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aにより検出信号が入力されているか否かを判定する。サブCPU120aは、検出信号を入力していれば、今回演出ボタン35が操作されたものとして、ステップS1715に移行し、検出信号を入力していなければ、演出ボタン35が操作されていないものとして、本演出入力制御処理を終了する。
【0257】
ステップS1715において、サブCPU120aは、連打カウンタに“1”を加算する。ここで、連打カウンタの値を単に“1”としないのは、遊技者の操作によって連打を行っている場合や、操作許可時間内における2回目以降の長押しにも対応することができるようにするためである。
次いで、ステップS1716において、サブCPU120aは、操作中フラグに“1”をセットする。
【0258】
次に、ステップS1717において、サブCPU120aは、演出ボタン35の押下時間の計時を開始して、ステップS1733に移行する。
【0259】
一方、サブCPU120aは、ステップS1713で操作中フラグの値が“0”でなければ、ステップS1721において、演出ボタン検出スイッチ35aにより検出信号が入力されているか否かを判定する。サブCPU120aは、検出信号を入力していれば、演出ボタン35が操作され続けているものとして、ステップS1723に移行し、検出信号を入力していなければ、演出ボタン35が開放されたものとして、ステップS1722に移行する。
ステップS1722において、サブCPU120aは、操作中フラグを“0”にクリアして、本演出入力制御処理を終了する。
【0260】
一方、ステップS1723において、サブCPU120aは、操作中フラグの値が“1”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作中フラグの値が“1”であれば、ステップS1724に移行し、操作中フラグの値が“1”でなければ(すなわち、“2”であれば)、ステップS1731に移行する。
【0261】
ステップS1724において、サブCPU120aは、押下時間の計時開始から長押し認定時間となったか否かを判定する。サブCPU120aは、計時開始から長押し認定時間となっていれば、ステップS1725に移行し、計時開始から長押し認定時間となっていなければ、本演出入力制御処理を終了する。
【0262】
ステップS1725において、サブCPU120aは、連打カウンタに“1”を加算する。本処理により、演出ボタン35の疑似入力が開始される。
次いで、ステップS1726において、サブCPU120aは、操作中フラグに“2”をセットする。
【0263】
次に、ステップS1727において、サブCPU120aは、演出ボタン35の疑似連打時間の計時を開始して、ステップS1733に移行する。ここで、疑似連打時間の計時とは、疑似入力間の時間(疑似連打間隔)を計測するために用いる。なお、この疑似連打時間の計時の代用として、演出ボタン35の押下時間として計時している時間を用いても良い。
【0264】
一方、サブCPU120aは、ステップS1723で操作中フラグの値が“1”でなければ、ステップS1731において、疑似連打時間に基づいて、前回の疑似入力から所定の疑似連打間隔が経過しているか否かを判定する。サブCPU120aは、疑似連打間隔が経過していれば、ステップS1732に移行し、疑似連打間隔が経過していなければ、本演出入力制御処理を終了する。
ここで、図23(a)に示すように、疑似連打間隔は、操作許可時間内において、等間隔に設定する。また、図23(b)に示すように、疑似連打間隔は、操作許可時間内において、だんだん長くなるように設定しても良い。この場合、例えば、連打カウンタの値に基づいて、疑似連打間隔を算出するといった方法が考えられる。
ステップS1732において、サブCPU120aは、連打カウンタに“1”を加算する。
【0265】
次いで、ステップS1733において、サブCPU120aは、連打カウンタの値が完了回数以上となったか否かを判定する。サブCPU120aは、連打カウンタの値が完了回数以上となっていれば、ステップS1735に移行し、連打カウンタの値が完了回数以上となっていなければ、ステップS1734に移行する。
なお、上記完了回数とは、所定の演出を表示させるために必要な操作回数であり、図24に示すように、大当たり抽選の結果に応じて、当選している場合には、小さな値とし、ハズレている場合には、大きな値として設定すると良い。
【0266】
ステップS1734において、サブCPU120aは、演出ボタン35の押下時の演出コマンドを、サブRAM120cの送信バッファにセットして、本演出入力制御処理を終了する。
一方、ステップS1735において、サブCPU120aは、操作区分に“0”をセットする。これにより、遊技者に有利な演出表示が選択されやすくなる。
【0267】
また、サブCPU120aは、ステップS1712で操作許可時間内でないと判定された場合には、ステップS1741において、連打カウンタの値にしがって操作区分をセットする。ここでは、操作許可時間が終了した時点での連打回数に応じて、操作区分が決定される。すなわち、操作許可時間内により多くの連打を行うほど、遊技者に有利な演出表示が選択されやすくなっている。」
(エ)「【図23】
」
(オ)上記(ア)ないし(エ)からみて、引用例1には、次の発明が記載されている。なお、aないしfについては本願補正発明のAないしFに対応させて付与し、引用箇所の段落番号を併記した。
「a 遊技者が演出に関与することができる演出表示を行う遊技機1であって(【0001】)、
b 操作許可時間内に、遊技者による演出ボタン35への操作指示の入力を検知する演出ボタン検出スイッチ35a(【0037】、【0254】ないし【0256】)と、
c 予め設定された操作許可時間内に演出ボタン検出スイッチ35aにより検知された操作指示の入力回数を操作回数として計数し、この操作回数に基づいて演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行うサブCPU120a(【0073】)と、
を備え、
c-1 サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aにより操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の開放を検知するまで、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、操作回数として計数するようになっており、疑似入力間の時間、すなわち疑似連打間隔は、操作許可時間内において、だんだん長くなるように設定し、例えば、連打カウンタの値に基づいて、疑似連打間隔を算出するものであり(【0073】、【0263】、【0264】、図23)、
d’ サブCPU120aによって、操作有効フラグは、決定した演出に応じて、演出制御基板120のサブRAM120cに読み書きされ、操作有効フラグの値が“1”でなければ(すなわち、“0”であれば)、演出ボタン35の操作は無効とし(【0252】、【0253】)、
e’ 疑似入力の経過時間に応じて、操作回数として計数し、この操作回数に基づいて演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行う(【0073】)、
f 遊技機1。」(以下「引用発明」という。)
イ 原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2013-59522号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
【実施例1】
【0018】
図1、図2に示すように、パチンコ遊技機1には、遊技ホールの島構造体に取付けられる外枠(図示略)に開閉枠2が開閉自在に装着され、開閉枠2に開閉扉3が開閉自在に装着されている。開閉扉3に窓3aが形成され、その窓3aに透明板3bが装着されている。開閉枠2の左端部に開閉扉3の左端部が鉛直軸心回りに回動自在に支持され、開閉扉3の右端部には、開閉扉3を開閉枠2に施錠するキーシリンダ3cが装着されている。開閉枠2に遊技盤4が装着され、遊技盤4とその前側の透明板3bとの間に遊技球が流下可能な遊技領域4aが形成され、この遊技領域4aが開閉扉3により開閉される。
【0019】
開閉扉3には、窓3aの下側に遊技球を貯留する貯留皿5が設けられ、その貯留皿5に演出操作装置6が装着され、貯留皿5の右下側に発射ハンドル7が装着されている。発射ハンドル7が回動操作されると、貯留皿5から発射位置に導入された遊技球が発射され、貯留皿5に複数の遊技球が貯留されている場合には、複数の遊技球が約0.6秒間隔で連続発射される。発射された遊技球はガイドレール8で案内され遊技領域4aの上部に導入される。
・・・略・・・
【0031】
演出操作装置6は、貯留皿5に取付けられた装置ケース6dを備え、この装置ケース6dに、演出ボタン6a、バネ部材、演出ボタンSW6cが組込まれている。バネ部材により上方へ付勢された演出ボタン6aは、遊技者により押下操作されない状態で、演出ボタン6aに設けられた爪部(図示略)が装置ケース6dに設けられた係止部(図示略)に係止されて、非操作位置P1に保持される。
・・・略・・・
【0037】
図6に示すように、パチンコ遊技機1は、遊技球が始動口10,11aに入賞したこと等による始動条件の成立により遊技演出を実行する演出手段30と、演出ボタン6a(操作部6a)が操作位置P2にあることを検出する検出手段35と、所定の遊技演出が実行されているときに、検出手段35の検出有効期間Bを設定する期間設定手段37とを備えている。
【0038】
演出手段30は、演出制御基板23、画像制御基板24、及びランプ制御基板25のコンピュータと、画像表示器16、可動役物装置17、スピーカ27、ランプ28a,28bにより構成され、検出手段35は、演出制御基板23のコンピュータ、演出操作装置6の演出ボタンSW6cにより構成され、期間設定手段37は、演出制御基板23のコンピュータにより構成されている。
【0039】
検出手段35は、演出制御基板23のコンピュータにより演出ボタンSW6cがON状態であることを検知することにより、演出ボタン6aが操作位置P2にあることを検出する。検出手段35は、演出ボタン6aが非操作位置P1から操作位置P2へ変更されたことを検出する変更検出手段36aを有する。変更検出手段36aは、演出制御基板23のコンピュータにより演出ボタンSW6cがOFF状態からON状態に切換わったことを検知することにより、演出ボタン6aの非操作位置P1から操作位置P2への位置変更を検出する。
【0040】
演出手段30は、始動条件の成立により実行する遊技演出として、大当り抽選の結果等に基づいて、複数種類の遊技演出の中の何れか1つを選択する演出選択手段31を有する。図7に示すように、その選択対象となる複数種類の遊技演出の中には、後述の特別演出を実行不可能に設定された複数種類の遊技演出a,b・・・と、特別演出を実行可能に設定された複数種類の遊技演出A,B・・・とが含まれている。
【0041】
複数種類の遊技演出A,B・・・が夫々所定の遊技演出であり、これら複数種類の遊技演出A,B・・・の中の何れか1つ(つまり、所定の遊技演出)が選択された場合、図8に示すように、期間設定手段37により、その所定の遊技演出の実行期間A内に検出有効期間Bが設定される。
【0042】
図6に示すように、演出手段30は、所定の遊技演出(複数種類の遊技演出A,B・・・の中の何れか1つ)を選択実行する際、期間設定手段37により設定された検出有効期間Bにおいて、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出された場合には特別演出を実行する特別演出手段32を有する。
【0043】
但し、特別演出手段32は、期間設定手段37により設定された検出有効期間Bの開始時に、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出された場合には、特別演出の実行を規制する規制手段33を有する。
【0044】
また、特別演出手段32は、規制手段33により特別演出の実行が規制された後に、期間設定手段37により設定された検出有効期間Bにおいて、変更検出手段36により演出ボタン6aが非操作位置P1から操作位置P2へ変更されたことが検出された場合には、特別演出を実行する。
【0045】
具体的には、図9に示すように、検出有効期間Bの開始時に演出ボタン6aが非操作位置P1にある場合、その後、検出有効期間Bにおいて、演出ボタン6aが非操作位置P1から操作位置P2に変更された場合、その変更時から特別演出が実行開始される。一方、図10、図11に示すように、検出有効期間Bの開始時に演出ボタン6aが操作位置P2にある場合、その検出有効期間Bの開始時から特別演出の実行が規制される。
【0046】
図10に示すように、検出有効期間Bにおいて、その期間開始時から演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある場合、或いは、検出有効期間Bの期間開始後、演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある状態から非操作位置P1に変更されるだけでは、特別演出の実行規制が解除されず、特別演出は実行されない。但し、図11に示すように、検出有効期間Bにおいて、その期間開始時から演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある状態から非操作位置P1に一旦変更され後、非操作位置P1から操作位置P2に変更された場合、特別演出の実行規制が解除され、その変更時から特別演出が実行開始される。
・・・略・・・
【0071】
本発明のパチンコ遊技機1によれば次の作用・効果を奏する。
始動条件の成立により遊技演出を実行する演出手段30と、遊技者が非操作位置P1から操作位置P2へ操作可能な演出ボタン6aと、演出ボタン6aが操作位置P2にあることを検出する検出手段35と、演出手段30により所定の遊技演出が実行されているときに、検出手段35の検出有効期間Bを設定する期間設定手段37とを備え、演出手段30に、期間設定手段37により設定された検出有効期間Bにおいて、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出された場合に特別演出を実行する特別演出手段32を設けた。
【0072】
つまり、所定の遊技演出が実行された場合、検出有効期間Bにおいて、遊技者が、演出ボタン6aを非操作位置P1から操作位置P2へ操作して特別遊技を実行させるか、或いは、演出ボタン6aを操作しないで特別遊技を実行させないかを決めることができ、演出ボタン6aを操作した場合には、その操作を契機に特別演出を実行開始させ、更に、その特別演出によって大当り抽選で当選している大当り期待度を報知・示唆させることができる。即ち、遊技者参加型の機種に構成して、演出効果を高めることができる。
【0073】
以上の構成を前提に、特別演出手段32に、期間設定手段37により設定された検出有効期間Bの開始時に、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出された場合には、特別演出の実行を規制する規制手段33を設けた。ここで、遊技者が演出ボタン6aを操作していない場合でも、演出ボタン6aの故障によって演出ボタン6aが操作位置P2にあることにより、或いは、演出ボタンSW6cの故障によって、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出される場合がある。
【0074】
そして、この状態で、所定の遊技演出を実行中の検出有効期間Bを迎えると、この検出有効期間Bの開始時に、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出され、つまり、遊技者の意思に反して、検出有効期間Bの開始直後から適当な間を空けることなく直ちに特別演出が実行開始されるため、この特別演出実行による演出効果が低下し、また、遊技者に不快感を与える虞がある。本発明では、規制手段33により特別演出の実行を規制することができるので、上記課題を解消することができる。
【0075】
更に、検出手段35は、演出ボタン6aが非操作位置P1から操作位置P2へ変更されたことを検出する変更検出手段36を有し、特別演出手段32は、規制手段33により特別演出の実行が規制された後に、検出有効期間Bにおいて、変更検出手段36により演出ボタン6aが非操作位置P1から操作位置P2へ変更されたことが検出された場合には、特別演出を実行する。
【0076】
ここで、演出ボタン6aや演出ボタンSW6cが故障していない場合、検出有効期間Bの開始時に、遊技者が演出ボタン6aを操作位置P2に操作していることにより、検出手段35により演出ボタン6aが操作位置P2にあることが検出される場合がある。この場合も、規制手段33により特別演出の実行が規制され、検出有効期間Bの開始直後から適当な間を空けることなく直ちに特別演出が実行されるのを防止できる。
【0077】
そして、その後、検出有効期間Bにおいて、遊技者が演出ボタン6aを非操作位置P1に復帰させた後、操作位置P2に操作することにより、その演出ボタン6aの操作を契機に特別演出を実行させることができる。このように、所定の遊技演出が実行されているときに設定された検出有効期間Bにおいて、演出ボタン6aの位置検出に基づいて特別演出の実行/実行規制を適切に行うことができる。」
(イ)「【図8】
【図9】
【図10】
」
(ウ)上記(ア)及び(イ)からみて、引用例2には、次の事項が記載されている。
「演出ボタン6aを備えるパチンコ遊技機1において(【0018】、【0019】、【0031】)、
検出有効期間Bの開始時に、遊技者が演出ボタン6aを操作位置P2に操作していることにより、検出有効期間Bにおいて、その期間開始時から演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある場合、或いは、検出有効期間Bの期間開始後、演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある状態から非操作位置P1に変更されるだけでは、特別演出の実行規制が解除されず、特別演出は実行されないこと(【0046】、【0076】)。」(以下「引用例2の記載事項」という。)
(3)周知の事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用文献3として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-73553号公報(以下「周知例1」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機(パチンコ機)、回胴遊技機(スロットマシン)、封入式遊技機あるいはメダルレススロットマシンに代表される遊技台に関する。」
(イ)「【1924】
図226は、本実施の形態のパチンコ機100で実行される演出の具体例2を時系列で示している。図226(a)~(d)に示す例では、所定の演出開始条件が成立したことに基づき、主人公キャラクタと敵キャラクタとが対決する対決演出が実行されるものとする。対決演出が開始されると、図226(a)に示すように、装飾図柄表示装置208には主人公キャラクタと敵キャラクタとの対決シーンの動画像が表示される。また、遊技者にチャンスボタン136の長押し操作を要求する操作要求報知として、「長押しで気合をためろ」という文字メッセージと、チャンスボタン136を表すボタン画像と、チャンスボタン136の押下操作を表す下向き矢印画像とが、画面の中央部に表示される。本例では、図225(a)とは異なり、「球抜きしてください」というメッセージは表示されていない。
【1925】
遊技者によりチャンスボタン136が押下(例えば長押し)された場合、本例では、図226(b)に示すように、チャンスボタン136の長押し操作を要求する操作要求報知が依然として表示され続ける。図226(b)に示す状態では、主人公キャラクタ画像の背後に比較的小さいオーラ画像が表示されている。本例のオーラ画像は、主人公キャラクタ画像よりも奥で、チャンスボタン136の長押し操作を要求する操作要求報知よりも手前のレイヤーに表示されている。図226(b)に示す状態では、チャンスボタン136の長押し操作を要求する操作要求報知とオーラ画像とが重なっていないため、当該操作要求報知は視認困難ではない。
【1926】
図226(c)に示す状態では、チャンスボタン136の長押し操作によってオーラ画像の表示サイズが拡大されている。拡大されたオーラ画像は、チャンスボタン136の長押し操作を要求する操作要求報知の一部と重なっている。これにより、当該操作要求報知の一部が視認不能となっている。
【1927】
図226(d)に示す状態では、チャンスボタン136の長押し操作によってオーラ画像の表示サイズがさらに拡大されている。図226(c)と比較すると、オーラ画像の拡大によって、チャンスボタン136の長押し操作を要求する操作要求報知との重複部分(例えば、重複面積)が増加しており、当該操作要求報知の視認不能部分が増加している。
【1928】
本例では、操作要求報知(例えば、チャンスボタン136の長押し操作を要求する表示)の少なくとも一部は、当該操作要求報知により要求された操作(例えば、チャンスボタン136の長押し操作)が行われたことを少なくとも含む所定条件が成立したことに基づいて実行される動作(例えば、オーラ画像の表示、オーラ画像の表示サイズの拡大)によって、遊技者に認識困難となる。
・・・略・・・
【2098】
図232(b)から続く図232(c)は、実行中の特図1変動遊技の予告演出(リーチ演出)が開始された状態を示している。本例では、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dに「ボタン連打で吉宗を応援しよう!」という文字列と、吉宗を応援する村人c5とが表示される。また、サブ表示装置808には、チャンスボタン136を模した画像と、殿様(吉宗)c1とが表示される。また、サブ表示装置808には、チャンスボタン136を模した画像の上方に「よーい」という文字列が表示されて、チャンスボタン136の操作受付期間が開始されることが報知されている。また、装飾図柄表示装置208の表示領域のほぼ中央に位置していた左中右図柄表示領域208a~208cが縮小されて当該表示領域の右上方に移動され、装飾図柄の変動表示が実行される。
【2099】
図232(c)から続く図232(d)は、チャンスボタン136の操作受付期間が開始された状態を示している。操作受付期間が開始されると、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには「連打!!」という文字列とが表示され、サブ表示装置808にはチャンスボタン136を模した画像を指す白抜き矢印が表示されて、遊技者にチャンスボタン136の連打を促す演出が実行される。また、サブ表示装置808には、チャンスボタン136を模した画像の下方に横長棒状のメータ画像が表示される。メータ画像は、長方形状の枠画像を備え、枠画像内の色つき部分の長さでチャンスボタン136の操作受付期間を示すようになっている。また、サブ表示装置808には「応援」という文字列が表示されて、殿様c1を応援する演出が実行されている。
【2100】
図232(d)から続く図232(e)は、遊技者がチャンスボタン136を複数回連打した状態を示している。装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dには、チャンスボタン136の押下回数(チャンスボタンセンサ426によるチャンスボタン136の押下検出回数)に応じた数の「頑張れ!」という文字列が表示される。」
イ 原査定の拒絶の理由に引用文献4として引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2015-27361号公報(以下「周知例2」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
「【0277】
以上、上記実施の形態によるパチンコ遊技機1は、遊技媒体(例えば、遊技球等)を遊技領域(例えば、遊技盤2に形成された遊技領域等)へ発射することによって、所定の遊技を実行可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1等)であって、遊技者が操作可能な操作手段(例えば、プッシュボタン31B等)と、操作手段に対する操作(例えば、長押し操作、連打操作等)を要求する操作要求演出(例えば、ボタン画像221やボタン画像221’の表示)を実行する操作要求演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120によるステップS802の処理等)と、操作要求演出の実行中において操作手段に対する操作状況に応じて特定の条件(例えば、プッシュボタン31Bの長押し操作の続行時間が所定時間を超える毎に成立する条件、プッシュボタン31Bの連打操作の連打回数が所定回数を超える毎に成立する条件等)が成立した場合に演出態様を更新させる操作対応演出(例えば、人物画像211を取り巻く炎の大きさを変化させる演出等)を実行する操作対応演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120による長押し操作が継続してなされた時間に応じて、人物画像211を取り巻く炎の大きさを変化させる演出処理等)とを備え、操作要求演出実行手段は、操作手段に対して操作が成されるまで所定態様(例えば、ボタン画像221を人物画像211に重畳して表示する態様等)で操作要求演出を実行し、所定態様で操作要求演出を実行しているときに操作手段に対する操作が成されたことに応じて、所定態様で操作要求演出を実行しているときよりも、操作対応演出を遊技者が認識し易い特定態様(例えば、ボタン画像221を人物画像211に重畳しない位置に表示する態様等)で操作要求演出を実行する。」
ウ 原査定の拒絶の理由に引用文献5として引用され、本願出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2015-73672号公報(以下「周知例3」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機又はスロットマシンなどの遊技機に関する。」
(イ)「【0174】
[連打操作演出処理:S1005]
ここに、図15は、前記連打操作演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。前記連打操作演出処理では、前記連打操作演出を図柄表示部341に表示させるための処理を実行する。なお、表示制御装置6のROM611には、連打操作演出において図柄表示部341に表示される連打操作予告画像、連打操作開始画像、連打操作演出画像、連打操作結果画像、及び演出終了画像などの画像がそれぞれ一種類又は複数種類記憶されている。
・・・略・・・
【0186】
<ステップS1512> そして、ステップS1512では、連打カウンタ612kの値に対応する連打操作演出画像を図柄表示部341に表示させる。具体的に、ROM611には、連打カウンタ612kの値の増加に伴って内容が変化する複数の連打操作演出画像が記憶されており、ステップS1512では、連打カウンタ612kの値に対応する前記連打操作演出画像が読み出されて表示される。例えば、前記連打操作演出が、操作ボタン22の連打操作に応じて扉を開く演出である場合には、その扉が徐々に開く画像が図柄表示部341に表示され、操作ボタン22の連打操作に応じて物を破壊する演出である場合には、その物が徐々に破壊される画像が図柄表示部341に表示される。
・・・略・・・
【0197】
[長押し操作演出処理:S1006]
ここに、図16は、前記長押し操作演出処理の手順の一例を示すフローチャートである。前記長押し操作演出処理では、前記長押し操作演出を図柄表示部341に表示させるための処理を実行する。なお、表示制御装置6のROM611には、長押し操作演出において図柄表示部341に表示される長押し操作予告画像、長押し操作開始画像、長押し操作演出画像、長押し操作結果画像、及び演出終了画像などの画像がそれぞれ一種類又は複数種類記憶されている。
・・・略・・・
【0212】
<ステップS1616>
そして、ステップS1616では、長押しカウンタ612kの値に対応する長押し操作演出画像を図柄表示部341に表示させる。具体的に、ROM611には、長押しカウンタ612kの値の増加に伴って内容が変化する複数の長押し操作演出画像が記憶されており、ステップS1616では、長押しカウンタ612kの値に対応する前記長押し操作演出画像が読み出されて表示される。例えば、前記長押し操作演出が、操作ボタン22の長押し操作に応じてパワーゲージのパワー量が増加する演出である場合には、そのパワー量が徐々に増加する画像が図柄表示部341に表示される。」
エ 本願出願前に頒布された刊行物である特開2014-23824号公報(以下「周知例4」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者による操作によって演出を行う遊技機に関する。」
(イ)「【0017】
(第1の実施の形態)
・・・略・・・
【0388】
〔ボタン演出実行中処理〕
次に、前述したボタン演出実行処理におけるボタン演出実行中処理の詳細について説明する。図29は、本発明の第1の実施の形態のボタン演出実行中処理の手順を示すフローチャートである。
【0389】
主制御用マイコン551は、まず、演出ボタン30が操作されたか否かを判定する(S2901)。操作信号が検出されていない場合には(S2901の結果が「N」)、本処理を終了する。ここで行う演出ボタン30への操作検出の判定は、演出ボタンへの操作が1回行われたか否かを判定する以外に、所定回数(例えば3回)の操作を検出したか否かを判定するようにしてもよい。この所定回数は、一定の回数(例えば3回)や、操作上限回数の所定割合分の回数(例えば操作上限回数の10分の1の回数)に設定する。毎回の操作毎ではなく、所定の検出回数に達したか否かで判定するようにした場合には、S2902以降の処理をある程度のまとまった演出変化量(例えば、敵数の減少量)で更新処理を実行することができる。
【0390】
操作信号が検出される場合には(S2901の結果が「Y」)、主制御用マイコン551は、表示敵数を更新し、演出変更処理を実行する(S2902、S2903)。例えば、表示装置48に表示される敵の表示数をマイナス更新する。
【0391】
次に、主制御用マイコン551は、設定されている演出変化上限値をチェックし、上限値に達したかを判定する(S2904、S2905)。上限値に達していない場合には(S2905の結果が「N」)、本処理を終了する。
【0392】
一方、上限値に達している場合には(S2905の結果が「Y」)、主制御用マイコン551は、演出ボタン30からの信号検出を無効に設定し(S2906)、ボタン演出終了処理を実行し(S2907)、本処理を終了する。このように、演出ボタンを操作してもそれ以上変化が生じない状態(上限値)となった場合には操作有効期間が残っていてもボタン演出を終了させるので、遊技者の余計なボタン操作を抑止でき、演出ボタンの破損を防止することが可能となる。また、このように構成することによって、操作しているにも関わらず演出が変化しないことによる興趣低下を軽減することができる。
【0393】
ここで、上限値に達した後すぐに操作を無効にするのではなく、上限に達した後に所定回数の操作を検出したら操作を無効に設定するようにした場合には、ボタン演出が終了となる演出変化の表示態様を遊技者が確認する時間を設けることができる。
・・・略・・・
【0399】
〔上限値設定のない場合とある場合の画面遷移〕
図31は、本発明の第1の実施の形態において上限値設定のない場合と上限値設定のある場合の画面遷移の一例を示す図である。図31(A)~(E)までは予告演出の段階的な変化を表し、(F1)~(G1)は、上限値設定のない従来の演出を表す。また、(F2)~(G2)は上限値設定のある本発明の第1の実施の形態を表し、画面横の黒い手は、遊技者がボタン操作をしていることを表す。
【0400】
(A)は、特別図柄が変動中の画面でありリーチ状態である。予告演出は、リーチ状態の変動表示ゲームの全てに表示されるものではなく、リーチ状態であり、かつ予告演出対象の変動表示ゲームに限られる。中央の特別図柄が下向き矢印(↓)で表されているが、これは図柄が完全に停止していないことを示し、(B)以降でも同様である。
【0401】
(B)は、予告演出が開始される場合の画面である。予告演出が開始されると、特別図柄の変動表示は画面右上に表示され、画面中央には敵が1000体出現する。「敵を撃破せよ!」のメッセージが消えると同時にボタン操作が有効になる。
【0402】
(C)は、変動表示ゲームが開始してから所定の時間が経過し、遊技者がボタン操作を開始した画面である。画面左上には操作有効期間の残り時間が表示され、画面中央には、操作入力を促す画像が表示される。
【0403】
(D)は、遊技者のボタン操作によって、敵が減少する演出変化中の画面である。ボタン操作量に応じてお化けキャラが画面を縦横に飛び回り、敵を撃破する演出変化が続く。
【0404】
(E)は、更なる遊技者のボタン操作によって、敵が減少する演出変化中の画面である。(D)では460体の敵が残っていたが、遊技者のボタン操作により(E)では23体にまで減少している。このように、遊技者はボタン操作により、予告演出の段階的な演出変化を楽しむことができる。
【0405】
(F1)は、従来の演出を示しており、演出変化の上限値設定がない場合の遷移画面である。遊技者のボタン操作により、(E)で敵が23体にまで減少した後も、遊技者は大当りを引き寄せようとボタン操作を継続し、残り1体にまで演出変化が進行している。しかし、予告対象の抽選結果ははずれであるため、敵を0体にすることはできない。
【0406】
(G1)は、残る1体を倒そうと遊技者がボタン操作を継続したものの、操作有効期間のタイムアップにより予告結果が表示された画面である。0体になれば特別遊技状態に移行するので、999体も倒してあと1体という状況まで進行したのに、結果がはずれであると、遊技者の徒労感は大きなものとなる。また、はずれ演出に対して過剰なボタン操作を継続させることは、演出ボタン30の消耗や破損を招くことにもなる。
【0407】
これに対して、(F2)及び(G2)は、本発明の第1の実施の形態の演出を示しており、演出変化の上限値が設定される場合の遷移画面である。(E)で敵が23体にまで減少したところで、演出変化の上限値に達したため、(F2)では予告結果が表示されており、操作有効期間を残してボタン操作が無効となる。予告結果が報知された遊技者は、以降のボタン操作を中止するので、過剰なボタン操作を抑えることができる。
【0408】
このように、演出変化の上限値を設定することによって、はずれ予告における遊技者の徒労感とボタン破損を回避することが可能である。
・・・略・・・
【0490】
(第3の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態では、メインボタン(第1操作手段)300を操作することで演出を制御しているが、第3の実施の形態では、操作方法にバリエーションを持たせるため、メインボタン(第1操作手段)300とともに、サブボタン(第2操作手段)310を用いた演出制御を行う。
【0491】
第1操作手段は、例えば、1回の押下も、長押しも1回のボタン操作として検出するプッシュボタンである。第2操作手段は、例えば、長押しの場合、押下されている間は所定間隔で連続的に検出信号を出力し、所謂連打をしているような演出を実行可能とする連打ボタンである。」
オ 周知例1ないし4から把握される周知技術
上記アないしエからみて、本願の出願前に、
「遊技者が操作可能なボタンを備えた遊技機において、
ボタンの連打操作に応じて演出を変化させるとともに、
ボタンの長押し操作に応じても演出を変化させること。」は周知(以下「周知技術」という。)であったと認められる。
(4)対比
ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(d)、(f)は、本願補正発明のAないしD、Fに対応させている。
(a)遊技機は遊技を行うためのものであるから、引用発明の「a 遊技者が演出に関与することができる演出表示を行う遊技機1」は、本願補正発明の「A 遊技を行うことが可能な遊技機」に相当することは明らかである。
(b)引用発明の「操作許可時間」及び「遊技者」は、それぞれ本願補正発明の「検出有効期間」及び「遊技者」に相当する。また、引用発明の「演出ボタン検出スイッチ35a」は、遊技者による演出ボタン35への操作指示の入力を検知するのであるから、「遊技者の動作を検出可能な動作検出手段」に相当する。そうすると、引用発明の特定事項bは、本願補正発明Bに相当する。
(c)引用発明の特定事項cは、サブCPU120aが、予め設定された操作許可時間(検出有効期間)内に演出ボタン検出スイッチ35a(動作検出手段)により検知された操作指示の入力回数を操作回数として計数するものであるから、本願補正発明の特定事項Cの「前記動作検出手段によって検出有効期間に連続して複数回の遊技者の動作が検出されたこと」との事項を具備する。また、引用発明の特定事項cは、サブCPU120aが、前記操作回数に基づいて演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行うものであるから、本願補正発明の特定事項Cの「複数回の遊技者の動作が検出されたことに応じて、所定演出を実行する」との事項を具備する。そうすると、引用発明の「サブCPU120a」が、本願補正発明の「所定演出実行手段」に相当することは明らかであるから、引用発明の特定事項cは、本願補正発明の特定事項Cに相当するといえる。
(c-1)引用発明の特定事項c-1は、サブCPU120a(所定演出実行手段)が、演出ボタン検出スイッチ35a(動作検出手段)により操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の開放を検知するまで、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、操作回数として計数するようになっているから、本願補正発明の特定事項C-1の「前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合にも、連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとみなし」との事項を具備するものである。そして、引用発明は、上記(c)のように、操作回数に基づいて演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行うものであるから、該操作回数が疑似入力による操作回数であっても、同様に演出画像の表示制御を行うものといえる。また、引用発明の特定事項c-1は、疑似入力間の時間、すなわち疑似連打間隔は、操作許可時間内において、だんだん長くなるように設定し、例えば、連打カウンタの値に基づいて、疑似連打間隔を算出するものであるから、本願補正発明の特定事項C-1の「前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であり」との事項を具備する。してみると、引用発明の特定事項c-1は、本願補正発明の特定事項C-1に相当する。
(d)引用発明の特定事項d’は、決定された演出に応じて、操作有効フラグが”0”であるときに演出ボタン35の操作を無効するものであるから、引用発明の特定事項d’と、本願補正発明の特定事項Dとは、「所定の場合には、前記動作検出手段の検出を無効とする無効手段」を備える点で一致する。
(f)上記(a)のとおり、引用発明の「遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、
「A 遊技を行うことが可能な遊技機であって、
B 検出有効期間に遊技者の動作を検出可能な動作検出手段と、
C 前記動作検出手段によって検出有効期間に連続して複数回の遊技者の動作が検出されたことに応じて、所定演出を実行する所定演出実行手段とを備え、
C-1 前記所定演出実行手段は、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合にも、連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとみなして所定演出を実行可能であるとともに、前記動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であり、
D’ 所定の場合には、前記動作検出手段の検出を無効とする無効手段をさらに備えた、
F 遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。
・相違点1(特定事項D)
無効手段は、
本願補正発明では、「検出有効期間よりも前から前記動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする」のに対し、
引用発明では、決定された演出に応じて、操作有効フラグの値が“0”であれば、演出ボタン35の操作は無効とするものであるが、操作許可期間(検出有効期間)よりも前から長押し動作をしていた場合(遊技者の一の動作を継続して検出していた場合)に、演出ボタン35の操作(動作の検出)を無効とするものかどうかは明らかでない点。
・相違点2(特定事項E)
本願補正発明では、「動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出されているときに、連続する複数回の遊技者の動作としてみなしていることを認識可能に報知する報知手段」を備えるのに対し、
引用発明では、そのような報知手段を備えているといえるかどうかが明らかでない点。
(5)判断
ア 相違点1について検討する。
(ア)引用例2の記載事項(上記(2)イ(ウ))は、演出ボタン6aを備えるパチンコ遊技機1において、検出有効期間Bの開始時に、遊技者が演出ボタン6aを操作位置P2に操作していることにより、検出有効期間Bにおいて、その期間開始時から演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある場合、或いは、検出有効期間Bの期間開始後、演出ボタン6aが継続して操作位置P2にある状態から非操作位置P1に変更されるだけでは、特別演出の実行規制が解除されず、特別演出は実行されないというものである。
(イ)引用発明は、操作許可期間(検出有効期間)よりも前から長押し動作をしていた場合(遊技者の一の動作を継続して検出していた場合)に、演出ボタン35の操作(動作の検出)を無効とするものかどうかは明らかでないが、決定された演出に応じて、操作有効フラグの値が“0”であれば、演出ボタン35の操作は無効とするものである。
(ウ)上記(イ)からみて、引用発明において、演出ボタン35の操作を無効又は有効とする条件を設定する際に、操作許可期間(検出有効期間)内であるか否かを条件として考慮することは当業者であれば当然想起し得たことである。そして、上記(ア)の引用例2の記載事項に接した当業者であれば、引用発明において、操作許可期間(検出有効期間)よりも前から長押し動作をしていた場合(遊技者の一の動作を継続して検出していた場合)には、演出ボタン35の操作(動作の検出)を無効とするようになすこと、すなわち、上記相違点1に係る本願補正発明の特定事項となすことは容易になし得たことである。
イ 相違点2について検討する。
(ア)上記(3)オのとおり、遊技者が操作可能なボタンを備えた遊技機において、ボタンの連打操作に応じて演出を変化させるとともに、ボタンの長押し操作に応じても演出を変化させることは周知技術である。当該周知技術であれば、ボタンの長押し操作及び連打操作のいずれの場合であっても、各操作に応じてそれぞれ演出が変化しているのであるから、その演出を見れば、操作をしていること自体を遊技者が認識可能であることは明らかである。そして、遊技者が認識可能な演出であれば、該演出が操作していること自体の実質的な報知といえるから、周知技術は、ボタンの長押し操作又は連打操作を認識可能に報知する報知手段を実質的に備えているといえる。
(イ)引用発明は、演出ボタン検出スイッチ35aにより操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の開放を検知するまで、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、操作指示の入力回数、すなわち連打の操作回数として計数するようになっており、要するに、所定の場合に、長押し操作を連打操作とみなしているものである。
(ウ)上記(イ)のように、連打操作とみなされた長押し操作についても、引用発明は、その操作に応じて、演出画像の表示制御を行うものであり、該演出画像の表示制御として、演出画像を変化させる態様となすことは、周知技術を考慮すれば、当業者が適宜なし得ることである。そして、引用発明において、連打操作とみなされた長押し操作に応じて、演出画像を変化させる態様となすものであれば、上記(ア)からみて、該長押し操作を認識可能に報知する報知手段を備えているといえるものである。
(エ)以上のとおり、引用発明において、上記相違点2に係る本願補正発明の特定事項となすことは、当業者が周知技術に基づいて適宜なし得たことである。
ウ 本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果の奏する効果、引用例2の記載事項の奏する効果及び周知技術の奏する効果から予測することができた程度のものである。
エ 審判請求人の主張について
(ア)審判請求人は、審判請求書において、「所定演出実行手段は、動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出された場合にも、連続して複数回の遊技者の動作が検出されたものとみなして所定演出を実行可能であるとともに、動作検出手段によって検出有効期間に遊技者の一の動作が継続して検出され、連続する複数回の遊技者の動作として検出されたとみなすときに、先の遊技者の動作を検出してから次回の遊技者の動作を検出されたとするまでの間隔を異ならせることが可能であり、」((c)の構成要素)が引用文献1ないし6に記載も示唆もされておらず、引用文献1ないし6の記載に基づいて、(c)の構成要素の構成に想到することはできないと、概略主張している。
(イ)しかしながら、上記(4)ア(c-1)のとおり、引用例1(引用文献1)に、本願補正発明の(c)の構成要素が記載されているといえるから、審判請求人の主張を採用することはできない。
(6)独立特許要件のむすび
以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が引用例1に記載された発明、引用例2の記載事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 小括
以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。
したがって、本件補正は、同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成29年4月10日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項によって特定されるものであるところ、そのうち請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
2 原査定の理由の概略
この出願の平成29年4月10日付けの手続補正書により補正された請求項1及び2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
記
引用文献1.特開2012-95771号公報
引用文献2.特開2013-59522号公報
引用文献3.特開2015-73553号公報
引用文献4.特開2015- 27361号公報
引用文献5.特開2015- 73672号公報
引用文献6.特開2014- 18241号公報
引用文献2には、動作検出手段を備えた遊技機に関し、検出有効期間(検出有効期間B)よりも前から動作検出手段(演出ボタン6a)が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段を備えた構成が開示されている。
また、例えば、引用文献3(段落2100、図232(e))、引用文献4(段落0274、図27(c))、引用文献5(段落0136)に示されているように、遊技機に関し、連続する複数回の遊技者の動作が検出されたことを報知する報知手段を備えた構成が開示されている。
してみると、引用文献1に開示された遊技機において、検出有効期間よりも前から動作検出手段が遊技者の一の動作を継続して検出していた場合には、該動作の検出を無効とする無効手段と、連続する複数回の遊技者の動作が検出されたことを報知する報知手段とを備えるよう構成することに格別の困難性は存しない。このとき、連続する複数回の動作が検出されたことを報知された遊技者が、一の動作が連続する複数回の動作として検出されたと認識することは明らかである。
3 引用文献
(1)引用文献1(引用例1)及び引用文献2(引用例2)の記載事項並びに周知技術は、上記第2〔理由〕3(2)及び(3)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願補正発明は、上記「第2〔理由〕1(2)」のとおり、本願発明を特定するために必要な事項を限定したものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2〔理由〕3」に記載したとおり、当業者が引用発明、引用例2の記載事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が引用発明、引用例2の記載事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。
5 むすび
本願発明は、以上のとおり、当業者が引用発明、引用例2の記載事項及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-014313