審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2017-013467

モノリシック3次元(3D)集積回路(IC)(3DIC)技術を使用した完全システムオンチップ(SOC)

審判番号
2017-013467
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-527009外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年09月11日
審決日
2019年01月28日
公報発行日
2019年08月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H01L)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-527009「モノリシック3次元(3D)集積回路(IC)(3DIC)技術を使用した完全システムオンチップ(SOC)」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 1月22日国際公開、WO2015/009614、平成28年 9月23日国内公表、特表2016-529702〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 1 手続の経緯 本願は、2014年7月14日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年7月16日、2013年8月29日、いずれもアメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、平成29年5月11日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月11日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出された。その後当審において、平成30年8月13日付けで拒絶理由を通知し、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、請求人からは何の応答もない。 2 当審の拒絶理由 当審において平成30年8月13日付けで通知した拒絶の理由の概要は、本願の請求項1~17に係る発明は、本願の優先日前に外国において頒布された「国際公開第2013/075007号」(以下「引用文献1」という。)に記載された発明及び「S. Panth et al.,“High-Density Integration of Functional Modules Using Monolithic 3D-IC Technology”, The 18th Asia South Pacific Design Automation Conference 2013, IEEE,2013年1月23日,8C-1,P.681-686」(以下「引用文献2」という。)に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 3 本願発明 本願の請求項1~17に係る発明は、平成29年9月11日に提出された手続補正書により補正された明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1~17に記載されている事項により特定されるとおりのものであり、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載されている事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 モノリシック3次元(3D)集積回路(IC)(3DIC)システムであって、 重ねて配置された複数のティアと、 計算、デジタル処理、アナログ処理、無線周波数(RF)信号処理、アナログ/混合信号処理、電力管理、センサー、電源、バッテリー、メモリ、デジタル論理、低漏れ、低雑音/高利得、クロック、組合せ論理、および順序論理からなるグループから選択された複数の機能要素と、 前記複数の機能要素のうちの異なる機能要素が、前記複数のティアのうちの異なるティア上に配置される、 前記複数のティア間を電気的に結合する複数のモノリシックティア間ビア(MIV)と を備え、 前記モノリシック3DICが、前記複数の機能要素を備えるシステムオンチップ(SOC)を備える、 モノリシック3DICシステム。」 4 引用例の記載と引用発明 (1)引用文献1の記載 引用文献1には、図1~8とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審で付加した。以下同じ。)。 「[0017]  Figure 1 illustrates a chipset 100 according to an embodiment. The chipset 100 includes a sheet 102 formed from an insulator such as glass, quartz or sapphire to which a first silicon-on-insulator (SOI) wafer 104 is bonded. The first SOI wafer 104 includes a first substrate layer or first insulating layer 106 having a first side 108 facing the sheet 102 and a second side 110, and the first SOI wafer 104 also includes a first circuit layer 112, which first circuit layer 112 includes a plurality of CMOS transistors 114 on the first side 108 of the first insulating layer 106 and associated wiring. These CMOS transistors 114 and other circuit elements (not illustrated) may comprise circuitry for digital signal processing, application or graphics processors, and/or circuitry for handing baseband signals. The first SOI wafer 104 is bonded to the sheet 102 using a first adhesive layer 116 or other conventional wafer bonding techniques such that the first circuit layer 112 is located between the first side 108 of the first insulating layer 106 of the first SOI wafer 104 and the sheet 102. [0018]  A second SOI wafer 118 is connected to the first SOI wafer 104. The second SOI wafer 118 includes a second substrate layer or second insulating layer 120 having a first side 122 facing the second side 110 of the first insulating layer 106 and a second side 124. The second SOI wafer 118 also includes a second circuit layer 126, which second circuit layer 126 includes passive elements or "passives" such as a resistor 128 and a capacitor 132 located partially or entirely within the second circuit layer 126 and an inductor 133 and a MEMS device or sensor 138 located on the second side 124 of the second insulating layer 120. A single resistor 128, capacitor 132, inductor 133 and MEMS device 138 are illustrated in Figure 1; however, the second SOI wafer 118 may, in some cases, only include one or two of these component types and/or include multiple ones of these individual components (including active circuitry like CMOS transistors). The second SOI wafer 118 is bonded to the second side 110 of the first insulating layer 106 using a second adhesive layer 134 such that the second circuit layer 126 is located between the first side 122 of the second insulating layer 120 and the second side 110 of the first insulating layer 106. Vias 136 electrically connect elements of the second circuit layer 126 to elements of the first circuit layer 112, and suitable metal contacts 140 may be connected at the second side 124 of the second insulating layer 120 to electrically connect elements in or on the second circuit layer 126 and/or the first circuit layer 112 to devices outside the chipset 100. 」 (「[0017] 図1は、一実施形態による、チップセット100を示す。チップセット100は、第1のシリコンオンインシュレータ(SOI)ウエハ104が接合されるガラス、石英またはサファイアなどの絶縁体から形成されたシート102を含む。第1のSOIウエハ104は、シート102に対向する第1の側108および第2の側110を有する第1の基板層または第1の絶縁層106を含み、第1のSOIウエハ104は、第1の回路層112も含み、第1の回路層112は、第1の絶縁層106の第1の側108上の複数のCMOSトランジスタ114および関連する配線を含む。これらのCMOSトランジスタ114および他の回路素子(図示せず)は、デジタル信号処理、アプリケーションまたはグラフィックプロセッサ用の回路、および/またはベースバンド信号を渡すための回路を備えることができる。第1のSOIウエハ104は、第1の接着剤層116または他の従来のウエハ接合技術を使用して、第1の回路層112が第1のSOIウエハ104の第1の絶縁層106の第1の側108とシート102の間に配置されるように、シート102に接合される。 [0018] 第2のSOIウエハ118が、第1のSOIウエハ104に接続される。第2のSOIウエハ118は、第1の絶縁層106の第2の側110に対向する第1の側122と第2の側124とを有する第2の基板層または第2の絶縁層120を含む。第2のSOIウエハ118は、第2の回路層126も含み、第2の回路層126は、第2の回路層126内に一部または全体が配置された抵抗器128やコンデンサ132、第2の絶縁層120の第2の側124上に配置された誘導子133やMEMSデバイスまたはセンサ138などの受動要素または「受動部品」を含む。単一の抵抗器128、コンデンサ132、誘導子133、およびMEMSデバイス138は、図1に示される。ただし、第2のSOIウエハ118は、場合によって、これらの構成部品の種類の1つまたは2つを含む、および/またはこれらの個別の構成部品(CMOSトランジスタのような能動回路を含む)の複数のものを含むにすぎないことがある。第2のSOIウエハ118は、第2の接着剤層134を使用して、第2の回路層126が第2の絶縁層120の第1の側122と第1の絶縁層106の第2の側110との間に配置されるように、第1の絶縁層106の第2の側110に接合される。ビア136が、第2の回路層126の素子を第1の回路層112の素子に電気的に接続し、第2の回路層126内または第2の回路層126上のおよび/または第1の回路層112内または第1の回路層112上の素子をチップセット100の外側のデバイスに電気的に接続するために、適切な金属接点140を第2の絶縁層120の第2の側124において接続することができる。」)(審決注:翻訳文は対応ファミリ文献「特表2015-503228号公報」より。以下同じ。) 「[0022]  Figure 8 illustrates another embodiment in which elements common to the first embodiment are identified with like reference numerals. Figure 8 illustrates a second chipset 800 that includes the sheet 102, the first SOI wafer 104 and the second SOI wafer 118 with the first SOI wafer 104 and the second SOI wafer 118 spaced apart by a third SOI wafer 802. The third SOI wafer 802 comprises a third substrate layer or insulating layer 804 having a first side 806 and a second side 808, and a third circuit layer 810 comprising a plurality of circuit element on the first side 806 of the third insulating layer 804, which circuit elements may include analog circuitry 814 and/or RF components 816. The third SOI wafer 802 is attached to the second side 110 of the first SOI wafer 104 with a second adhesive layer 818 so that the first side 806 of the third SOI wafer 802 faces the second side 110 of the first SOI wafer 104. The second SOI wafer 118 is attached to the second side 808 of the third SOI wafer 802 by a third adhesive layer 820 such that the first side of the second SOI wafer 118 faces the second side 808 of the third SOI wafer 802. All three of the first SOI wafer 104, the second SOI wafer 118 and the third SOI wafer 802 have substantially the same surface areas. Vias 822 connect circuit components of the first circuit layer 112, the second circuit layer 126 and the third circuit layer 810, and metal contacts 140 provides connections to elements outside the second chipset 800. This arrangement allows for the analog circuitry 814 and/or the RF components 816 to be included in the same chipset as the digital circuit elements 114 and the passives, such as capacitor 132 and provides a vertically integrated chipset that performs many conventional functions in a compact package. [0023] …(略)… [0024]  The chipsets of the disclosed embodiments may be integrated into one or more semiconductor dies or integrated into a device such as a set top box, a music player, a video player, an entertainment unit, a navigation device, a communications device, a personal digital assistant (PDA), a fixed location data unit, and a computer.」 (「[0022] 図8は、第1の実施形態に共通の要素が同じ参照符号で識別される、別の一実施形態を示す。図8は、シート102と、第1のSOIウエハ104と、第2のSOIウエハ118とを含み、第1のSOIウエハ104および第2のSOIウエハ118は、第3のSOIウエハ802によって離隔されている、第2のチップセット800を示す。第3のSOIウエハ802は、第1の側806および第2の側808を有する第3の基板層または絶縁層804と、第3の絶縁層804の第1の側806上に複数の回路素子を備える第3の回路層810とを備えており、回路素子はアナログ回路814および/またはRF構成部品816を含むことができる。第3のSOIウエハ802は、第3のSOIウエハ802の第1の側806が第1のSOIウエハ104の第2の側110に対向するように、第2の接着剤層818により第1のSOIウエハ104の第2の側110に取り付けられる。第2のSOIウエハ118は、第2のSOIウエハ118の第1の側が第3のSOIウエハ802の第2の側808に対向するように、第3の接着剤層820によって第3のSOIウエハ802の第2の側808に取り付けられる。第1のSOIウエハ104、第2のSOIウエハ118および第3のSOIウエハ802の3つすべてが、実質的に同じ表面積を有する。ビア822が、第1の回路層112、第2の回路層126および第3の回路層810の回路構成部品を接続し、金属接点140が、第2のチップセット800の外側の素子との接続部を提供する。この構成により、アナログ回路814および/またはRF構成部品816をデジタル回路素子114およびコンデンサ132などの受動部品と同じチップセット内に含めることが可能になり、小型パッケージ内で多くの従来の機能を実施する垂直に集積されたチップセットが提供される。 [0023] …(略)… [0024] 開示された本実施形態のチップセットは、1つまたは複数の半導体ダイに集積することができ、セットトップボックス、音楽プレーヤ、ビデオプレーヤ、娯楽ユニット、ナビゲーションデバイス、通信デバイス、携帯情報端末(PDA)、固定ロケーションデータユニット、およびコンピュータなどのデバイスに統合することができる。」) (2)引用発明1 引用文献1の上記(1)の摘記事項及び図1~8を参酌してまとめると、引用文献1には、図8に示された別の一実施形態に関し、以下の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「シート102と、第1のSOIウエハ104と、第2のSOIウエハ118とを含み、第1のSOIウエハ104および第2のSOIウエハ118は、第3のSOIウエハ802によって離隔されている、第2のチップセット800であって、 第1のSOIウエハ104は、第1の回路層112も含み、第1の回路層112は、第1の絶縁層106の第1の側108上の複数のCMOSトランジスタ114および関連する配線を含み、これらのCMOSトランジスタ114および他の回路素子は、デジタル信号処理、アプリケーションまたはグラフィックプロセッサ用の回路、および/またはベースバンド信号を渡すための回路を備え、 第2のSOIウエハ118は、第2の回路層126も含み、第2の回路層126は、第2の回路層126内に一部または全体が配置された抵抗器128やコンデンサ132、第2の絶縁層120の第2の側124上に配置された誘導子133やMEMSデバイスまたはセンサ138などの受動要素または「受動部品」を含み、 第3のSOIウエハ802は、第1の側806および第2の側808を有する第3の基板層または絶縁層804と、第3の絶縁層804の第1の側806上に複数の回路素子を備える第3の回路層810とを備えており、回路素子はアナログ回路814および/またはRF構成部品816を含み、 第1のSOIウエハ104、第2のSOIウエハ118および第3のSOIウエハ802の3つすべてが、実質的に同じ表面積を有し、 ビア822が、第1の回路層112、第2の回路層126および第3の回路層810の回路構成部品を接続し、金属接点140が、第2のチップセット800の外側の素子との接続部を提供し、この構成によりアナログ回路814および/またはRF構成部品816をデジタル回路素子114およびコンデンサ132などの受動部品と同じチップセット内に含めることが可能になり、小型パッケージ内で多くの従来の機能を実施する垂直に集積されたチップセットを提供し、 1つの半導体ダイに集積されたチップセット。」 5 対比・判断 (1)本願発明と引用発明1との対比 本願発明と引用発明1とを対比すると次のことがいえる。 ア 引用発明1において、「シート102と、第1のSOIウエハ104と、第2のSOIウエハ118とを含み、第1のSOIウエハ104および第2のSOIウエハ118は、第3のSOIウエハ802によって離隔されている、第2のチップセット800」は、「垂直に集積されたチップセットを提供し、1つの半導体ダイに集積されたチップセット」であるから、本願発明の「モノリシック3次元(3D)集積回路(IC)(3DIC)システム」に相当し、本願発明と引用発明1とは、「重ねて配置された複数のティア」を備える点で一致する。 イ 引用発明1の「第1のSOIウエハ104」の「デジタル信号処理、アプリケーションまたはグラフィックプロセッサ用の回路、および/またはベースバンド信号を渡すための回路」、「第2のSOIウエハ118」の「センサ138」、「第3のSOIウエハ802」の「アナログ回路814および/またはRF構成部品816」は、本願発明の「計算、デジタル処理、アナログ処理、無線周波数(RF)信号処理、アナログ/混合信号処理、電力管理、センサー、電源、バッテリー、メモリ、デジタル論理、低漏れ、低雑音/高利得、クロック、組合せ論理、および順序論理からなるグループから選択された複数の機能要素」と、「前記複数の機能要素のうちの異なる機能要素が、前記複数のティアのうちの異なるティア上に配置される」ことに相当する。 ウ 引用発明1において、「第1のSOIウエハ104は、第1の回路層112も含み」、第3のSOIウエハ802は、「第3の回路層810」を備え、ビア822は、「第1の回路層112、第2の回路層126および第3の回路層810の回路構成部品を接続」するものであるから、ビア822は、第1のSOIウエハ104と第3のSOIウエハ802間を電気的に結合するものであるといえる。 したがって、本願発明と引用発明1とは、「前記複数のティア間を電気的に結合するビア」を備える点で共通する。 エ 引用発明1は、「シート102と、第1のSOIウエハ104と、第2のSOIウエハ118とを含み、第1のSOIウエハ104および第2のSOIウエハ118は、第3のSOIウエハ802によって離隔されている、第2のチップセット800であって」、「第1のSOIウエハ104」は、「デジタル信号処理、アプリケーションまたはグラフィックプロセッサ用の回路、および/またはベースバンド信号を渡すための回路」を備え、「第2のSOIウエハ118」は、「センサ138」を備え、「第3のSOIウエハ802」は、「アナログ回路814および/またはRF構成部品816」を備え、「アナログ回路814および/またはRF構成部品816をデジタル回路素子114およびコンデンサ132などの受動部品と同じチップセット内に含めることが可能になり、小型パッケージ内で多くの従来の機能を実施する垂直に集積されたチップセット」であるから、本願発明と引用発明1とは、「前記モノリシック3DICが、前記複数の機能要素を備えるシステムオンチップ(SOC)を備える」点で一致する。 オ したがって、本願発明と引用発明1との間には、次の一致点、相違点がある。 <一致点> 「モノリシック3次元(3D)集積回路(IC)(3DIC)システムであって、 重ねて配置された複数のティアと、 計算、デジタル処理、アナログ処理、無線周波数(RF)信号処理、アナログ/混合信号処理、電力管理、センサー、電源、バッテリー、メモリ、デジタル論理、低漏れ、低雑音/高利得、クロック、組合せ論理、および順序論理からなるグループから選択された複数の機能要素と、 前記複数の機能要素のうちの異なる機能要素が、前記複数のティアのうちの異なるティア上に配置される、 前記複数のティア間を電気的に結合するビアと を備え、 前記モノリシック3DICが、前記複数の機能要素を備えるシステムオンチップ(SOC)を備える、 モノリシック3DICシステム。」 <相違点> <相違点1A> 複数のティア間を電気的に結合するビアについて、本願発明では、「複数のモノリシックティア間ビア(MIV)」であるのに対し、引用発明1では、「ビア822」についてそのような特定はなされていない点。 (2)相違点1Aについての判断 引用文献2(p.681のタイトル、Fig.1及びその説明箇所、p.682の右欄の「D. MIV Planning Algolithm」、p.683の左欄の「IV. EVALUATION」「A. Experimental Setup」、p.684の右欄、p.685の表III等参照。)には、モノリシック3D-IC技術を利用する機能モジュールの高密度集積化について、異なるティアにおけるブロックを接続するために、モノリシック3Dの場合に、複数のTSVまたは複数のMIV(モノリシックティア間ビア)を挿入すること、3つの金属層が1つのティアに含まれ、例えば、メタル6と7の間の複数のビアがティア2と3の間の複数のMIVを表す旨、実験のセットアップとして、TSVの直径は6μmで、MIVの直径は0.07μm、すなわち、70μmであることが開示されており、表IIIには、全ワイア長はMIVが2D、TSVよりも改善されることが示されている。 引用発明1と引用文献2に記載の技術は、重ねて配置された複数のティアと、複数のティア間を結合する電気的に結合するビアとを備えるモノリシック3DICシステムである点で共通し、引用文献2には、ティア2と3の間の複数のMIVが開示されている。 したがって、引用発明1において、第1のSOIウエハ104と第3のSOIウエハ802間を電気的に結合するビア822として、複数の、直径が例えば0.07μm、すなわち、70μm程度であるMIVを採用することは当業者であれば適宜なし得たことである。 よって、引用発明1において、相違点1Aに係る本願発明の構成を採用することは当業者が容易になし得たことである。 したがって、本願発明は、引用発明1及び引用文献2に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (3)本願発明と引用発明2との対比・判断 ア 本願発明と引用文献2の全文、全図に記載の発明(以下「引用発明2」という。)とを対比すると、以下の点が相違する。 <相違点> <相違点1B> 本願発明は、「計算、デジタル処理、アナログ処理、無線周波数(RF)信号処理、アナログ/混合信号処理、電力管理、センサー、電源、バッテリー、メモリ、デジタル論理、低漏れ、低雑音/高利得、クロック、組合せ論理、および順序論理からなるグループから選択された複数の機能要素」を備え、「前記複数の機能要素のうちの異なる機能要素が、前記複数のティアのうちの異なるティア上に配置される」、「前記モノリシック3DICが、前記複数の機能要素を備えるシステムオンチップ(SOC)を備える」ものであるのに対し、引用発明2では、MIVを利用したモノリシック3D-ICについてそのような特定はなされていない点。 イ 引用文献2は、モノリシック3D-IC技術を利用する機能モジュールの高密度集積化(タイトル参照。)に関する文献であり、p.681の要旨には、「この論文は、MIVsを利用する3D-ICへの既存の2DのIPブロックのフロア計画に関する構想を提供する。」と記載されており、同頁の左欄下から8~6行には、「3Dでの既存の論理、メモリ及びIPブロックの再設計は、重大な設計の余分な処理能力やコストを招くので、目先の3D-ICでは、既存の2Dブロックの再利用を重点的に取り扱うこととする。」との記載がある。したがって、引用文献2は、複数の機能モジュールの集積化を念頭においた文献であるといえる。 一方、引用文献1に記載の技術は、「第1のSOIウエハ104は、第1の回路層112も含み、第1の回路層112は、第1の絶縁層106の第1の側108上の複数のCMOSトランジスタ114および関連する配線を含み、これらのCMOSトランジスタ114および他の回路素子は、デジタル信号処理、アプリケーションまたはグラフィックプロセッサ用の回路、および/またはベースバンド信号を渡すための回路を備え、第2のSOIウエハ118は、第2の回路層126も含み、第2の回路層126は、第2の回路層126内に一部または全体が配置された抵抗器128やコンデンサ132、第2の絶縁層120の第2の側124上に配置された誘導子133やMEMSデバイスまたはセンサ138などの受動要素または「受動部品」を含み、第3のSOIウエハ802は、第1の側806および第2の側808を有する第3の基板層または絶縁層804と、第3の絶縁層804の第1の側806上に複数の回路素子を備える第3の回路層810とを備えており、回路素子はアナログ回路814および/またはRF構成部品816を含」むものであるから、上記相違点1Bに係る構成のうち、「計算、デジタル処理、アナログ処理、無線周波数(RF)信号処理、アナログ/混合信号処理、電力管理、センサー、電源、バッテリー、メモリ、デジタル論理、低漏れ、低雑音/高利得、クロック、組合せ論理、および順序論理からなるグループから選択された複数の機能要素」を備え、「前記複数の機能要素のうちの異なる機能要素が、前記複数のティアのうちの異なるティア上に配置される」との構成を有するものである。 また、引用文献1に記載の技術は、「アナログ回路814および/またはRF構成部品816をデジタル回路素子114およびコンデンサ132などの受動部品と同じチップセット内に含めることが可能になり、小型パッケージ内で多くの従来の機能を実施する垂直に集積されたチップセットを提供し、1つの半導体ダイに集積されたチップセット」であるから、上記相違点1Bに係る構成のうち、「前記モノリシック3DICが、前記複数の機能要素を備えるシステムオンチップ(SOC)を備える」との構成を有するものである。 引用発明2と引用文献1に記載の技術は、重ねて配置された複数のティアと、複数のティア間を結合する電気的に結合するビアとを備えるモノリシック3DICシステムである点で共通するから、引用文献2の上記記載及び引用文献1の上記記載を参照した当業者であれば、引用発明2において、モノリシック3D-ICを、相違点1Bのようなグループから選択された複数の機能要素を備え、そのうちの異なる機能要素が異なるティア上に配置されたSOCとすることは容易に想到することができたものと認められる。 したがって、引用発明2において、相違点1Bに係る本願発明の構成を採用することは当業者が容易になし得たことである。 よって、本願発明は、引用発明2及び引用文献1、2に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (4)まとめ 以上のとおり、本願発明は、引用発明1及び引用文献2に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 また、本願発明は、引用発明2及び引用文献1、2に記載の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 よって、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 6 むすび 以上のとおりであるから、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2017-013467

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決451件(クゥアルコム・インコーポレイテッド)
  • 2025-015656拒絶査定不服審判 / 2026-06-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)ダウンリンクプリエンプションおよびアップリンクキャンセレーションのための優先度指…
    同じ当事者: クゥアルコム・インコーポレイテッド
  • 2025-016374拒絶査定不服審判 / 2026-06-09 / 原査定取消(特許/登録すべき)動的なダウンリンクおよびアップリンク擬似コロケーション関係報告のための技法
    同じ当事者: クゥアルコム・インコーポレイテッド
  • 2025-004877拒絶査定不服審判 / 2026-03-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)物理ブロードキャストチャネルペイロード中で同期信号ブロックインデックスを通信する…
    同じ当事者: クゥアルコム・インコーポレイテッド
  • 2025-003070拒絶査定不服審判 / 2026-03-02 / 原査定取消(特許/登録すべき)線路デバイスの製造方法
    同じ当事者: クゥアルコム・インコーポレイテッド
  • 2024-019021拒絶査定不服審判 / 2026-02-20 / 請求不成立ビデオコーディングにおける暗黙的な変換選択
    同じ当事者: クゥアルコム・インコーポレイテッド
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,479件(121・H01L)
  • 2025-000609拒絶査定不服審判 / 2026-08-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)軽量太陽光発電パネル及びその製造方法
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2025-001807拒絶査定不服審判 / 2026-08-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)太陽電池セルおよび太陽電池
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2025-002107拒絶査定不服審判 / 2026-06-29 / 請求不成立熱硬化性樹脂組成物
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2025-001151拒絶査定不服審判 / 2026-06-08 / 請求不成立光電変換装置及び飛行体
    共通の審決分類: 121・H01L
  • 2024-013328拒絶査定不服審判 / 2026-03-30 / 請求不成立光起電力モジュールの製造方法及び光起電力モジュール
    共通の審決分類: 121・H01L

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存