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特許拒絶査定不服審判

2017-013133

遊技機

審判番号
2017-013133
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-077521外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年09月05日
審決日
2018年06月04日
公報発行日
2018年09月28日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016- 77521号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年10月19日出願公開、特開2017-189184号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成28年4月7日の出願であって、平成29年2月9日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年4月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月31日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、平成29年9月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成29年9月5日付け手続補正についての補正の却下の決定 〔補正の却下の決定の結論〕 平成29年9月5日付け手続補正書についての補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 〔理由〕 1 本件補正の内容 (1)本件補正は、特許請求の範囲についてするものであって、平成29年4月17日付け手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、 「 遊技者が操作可能な操作手段を有する操作ユニットを、遊技機本体に着脱可能に装着した遊技機において、 前記操作ユニットは、 コネクタを有する第1基板を備え、 前記遊技機本体は、 第2基板と、 前記第1基板のコネクタと前記第2基板とを接続するハーネスを係止する係止部と、を備え、 前記係止部は、 前記第1基板のコネクタから前記ハーネスを挿脱する挿脱方向とは異なる方向に該ハーネスを案内し係止する ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、 「 遊技者が操作可能な操作手段を有する操作ユニットを、遊技機本体に着脱可能に装着した遊技機において、 前記操作ユニットは、 コネクタを有する第1基板を備え、 前記遊技機本体は、 第2基板と、 前記第1基板のコネクタと前記第2基板とを接続するハーネスを係止する係止部と、 前記第1基板のコネクタから前記係止部に至るまでの前記ハーネスを収容可能な収容空間部と、を備え、 前記係止部は、 前記収容空間部の前記ハーネスを、前記第1基板のコネクタから前記ハーネスを挿脱する挿脱方向とは異なる方向に案内するように係止する ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(下線は合議体が付した。以下同様。)。 (2)本件補正後の請求項1に係る上記(1)の補正は、次の2つの補正事項ア及びイからなる。 ア 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「遊技機本体」が「前記第1基板のコネクタから前記係止部に至るまでの前記ハーネスを収容可能な収容空間部」を備えるものとする補正 イ 本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項である「前記係止部は、前記第1基板のコネクタから前記ハーネスを挿脱する挿脱方向とは異なる方向に該ハーネスを案内し係止する」との記載を「前記係止部は、前記収容空間部の前記ハーネスを、前記第1基板のコネクタから前記ハーネスを挿脱する挿脱方向とは異なる方向に案内するように係止する」とする補正。 2 本件補正の目的 (1)上記1(2)アの補正は、願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)の【0038】、【0039】、図7等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「遊技機本体」が「前記第1基板のコネクタから前記係止部に至るまでの前記ハーネスを収容可能な収容空間部」を備えるものに限定するものである。 (2)上記1(2)イの補正は、上記1(2)アの補正の伴い、当初明細書等の【0038】、【0039】及び図7等の記載に基づいて、本件補正前の請求項1において記載されていた「係止部」に「係止する」「ハーネス」が「収容空間部」のものであることに限定するものである。 (3)以上のとおり、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)ア及びイの補正は、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。また、本件補正後の請求項1に係る上記1(2)ア及びイの補正は、本件補正前の請求項1に係る発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が補正の前後において同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 3 独立特許要件について そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである。なお、記号AないしDは、分説するため合議体が付した。 「A 遊技者が操作可能な操作手段を有する操作ユニットを、遊技機本体に着脱可能に装着した遊技機において、 B 前記操作ユニットは、 コネクタを有する第1基板を備え、 C 前記遊技機本体は、 C-1 第2基板と、 C-2 前記第1基板のコネクタと前記第2基板とを接続するハーネスを係止する係止部と、 C-3 前記第1基板のコネクタから前記係止部に至るまでの前記ハーネスを収容可能な収容空間部と、を備え、 C-2-1 前記係止部は、 前記収容空間部の前記ハーネスを、前記第1基板のコネクタから前記ハーネスを挿脱する挿脱方向とは異なる方向に案内するように係止する D ことを特徴とする遊技機。」 (2)引用例 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布された刊行物である特開2008-237354号公報(以下「引用例」という。)には、次の事項が図とともに記載されている。 ア 「【技術分野】 【0001】 本発明は、ノイズ対策が施されたパチンコ遊技機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 ・・・略・・・ 【0003】 ところで、近年のパチンコ遊技機では、高級感や華やかさを高めるために扉枠等に装飾メッキが施されている。この装飾メッキは、クロムメッキや硬質金メッキ等の貴金属メッキである。 ・・・略・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 ところが、貴金属メッキは導電性を有しており、遊技者が扉枠に施された装飾メッキに触れると、遊技者に帯電した静電気が遊技者から装飾メッキに伝わり、その装飾メッキが施された近傍に配置された装飾部材に伝わる。そうすると、装飾部材にはLED基板が取り付けられているため、その装飾メッキに伝わった静電気がLED基板の表面である部品面に伝わり、この部品面に実装された表面実装タイプの発光ダイオードに伝わりやすくなる。この伝わった静電気がノイズとして、光透過性樹脂で封印された発光素子にリード端子を介して侵入すると、発光素子が破損するおそれがある。 【0005】 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、発光ダイオードの発光素子の破損を防止することができるパチンコ遊技機を提供することにある。 【課題を解決するための手段】 【0006】 上述の目的を達成するための有効な解決手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等の説明を行う。また、理解の容易のため、発明の実施の形態において対応する構成等についても適宜示すが、何ら限定されるものではない。 【0007】 (解決手段1) 遊技球が発射装置により打ち出されて流下する遊技領域が形成された遊技盤と、合成樹脂によって成形され、かつ、前記遊技盤を遊技盤設置凹部に着脱自在に取り付ける本体枠と、合成樹脂によって成形され、かつ、前記本体枠の一側に開閉自在に軸支されて前記遊技盤の遊技領域を視認可能な遊技窓の周囲に光装飾を行う装飾部材が前面側に取り付けられる扉枠と、を備えるパチンコ遊技機であって、前記装飾部材は、少なくとも、表面である部品面に表面実装タイプの発光ダイオードが複数実装されたLED基板と、該LED基板の表面である部品面に重なるように配置され、かつ、表裏全面に導電性の装飾メッキが施された装飾枠と、前記LED基板と前記装飾枠との間を所定間隔だけ離して電気的に切り離す非導電性のスペーサと、から構成されることを特徴とするパチンコ遊技機。」 イ 「【発明を実施するための最良の形態】 【0020】 [1.パチンコ遊技機の全体構造] 以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図5を参照して実施形態に係るパチンコ遊技機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ遊技機1の外枠2に対して本体枠3を閉塞し、本体枠3に対して扉枠5を開放した状態を示す斜視図であり、図2は、パチンコ遊技機1の正面から見た斜視図であり、図3は、パチンコ遊技機1の正面図であり、図4は、パチンコ遊技機1の背面図であり、図5は、パチンコ遊技機1の平面図である。 【0021】 図1及び図2において、本実施形態に係るパチンコ遊技機1は、島(図示しない)に設置される外枠2と、該外枠2に開閉自在に軸支され且つ遊技盤4を装着し得る本体枠3と、該本体枠3に開閉自在に軸支され且つ前記遊技盤4に形成されて球が打ち込まれる遊技領域20を遊技者が視認し得るガラスユニット190と該ガラスユニット190の下方に配置され且つ遊技の結果発生した賞球を受け入れて発射レール38の発射位置に供給する皿ユニット300とを備えた扉枠5と、を備えて構成されている。 ・・・略・・・ 【0045】 [1-2.扉枠] ・・・略・・・ 【0046】 図7、図8、図16及び図17に示すように、扉枠5は、方形状に形成される扉枠本体100の上部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、該遊技窓101の前面周囲に扉レンズユニット120が取り付けられ、また、遊技窓101の下方の板状部の前面に扉枠本体100に皿ユニット300が設けられ、その皿ユニット300の一側(開放側)にハンドルユニット318が突設固定されている。また、扉枠本体100の裏面には、遊技窓101の周囲に補強板金160が固定され、遊技窓101を閉塞するようにガラスユニット190が取り付けられると共に、前記遊技窓101の下方の板状部の裏面に、前記ハンドルユニット318に対応するスライドユニット230、装着台220、及び枠装飾中継基板240がそれぞれ取り付けられている。なお、ガラスユニット190の裏面下部には、防犯機能を有する防犯カバー210も装着されている。以下、扉枠5を構成する上記の各構成部材のより詳細な構造について説明する。 【0047】 [1-2-1.扉枠本体] 図16及び図17に示すように、扉枠本体100は、合成樹脂によって額縁状に形成され、前述したように上方部に縦長六角形状の遊技窓101が形成され、その遊技窓101の下方が板状部となっている。遊技窓101の上部左右には、後述するスピーカ144a,144bを貫通させる円形状のスピーカ用開口102が形成され、そのスピーカ用開口102の下方に後述するガラスユニット190の止め片194を係止するための止めレバー108(図23参照)が回動自在に設けられている。 ・・・略・・・ 【0091】 [1-2-6.装着台] 装着台220は、図8、図16、及び図17に示すように、扉枠本体100の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられるものであり、防犯カバー210と同様に透明な合成樹脂によって前方が開放した横長直方体状に形成されるものである。この装着台220は、発射レール38から発射された球をスムーズに遊技盤4に導くために、扉枠5を閉めたときに装着台220の後面と板部32とによって発射レール38を挟持するように形成されるものであり、このため、装着台220の後面に球飛送誘導面227が形成されている。ところで、本実施形態に係る装着台220には、その軸支側上部に下側補強板金164に形成される賞球通過口被覆部の後方突出部を貫通させる賞球通過口用開口221が形成され、その開放側下部に球送りユニット226を取り付ける球送りユニット取付凹部222が形成されている。この球送りユニット取付凹部222から斜め方向の領域が前記球飛送誘導面227となっている。また、球送りユニット取付凹部222に取り付けられる球送りユニット226は、発射装置57の打球杆の往復動差に対応して揺動する球送り部材が設けられ、この球送り部材の揺動動作によって皿ユニット300の誘導通路部362(図38参照)の流下端にある球を発射レール38の発射位置に1個ずつ供給するものである。また、装着台220の中程下部に後述する側面開口蓋383(図38参照)を取り外す際に指を入れることができる蓋用開口223が形成されている。更に、装着台220の上辺の一部に垂直に立設される立壁224が形成されている。この立壁224は、図8に示すように、前記防犯カバー210を取り付けたときに、該防犯カバー210の前面と当接して防犯カバー210の下部が前方に移動しないように規制するためのものである。 ・・・略・・・ 【0094】 [1-2-8.枠装飾中継基板] 上記した装着台220の下部の軸支側には、図8及び図16に示すように、枠装飾中継基板240が取り付けられ、その枠装飾中継基板240の後面を覆う中継基板カバー241が取り付けられている。この枠装飾中継基板240は、扉枠5に設けられる電飾部品や電気部品(冷陰極管132,134a,134b、LED基板137,138a,138b,308、スピーカ144a,144b,341a,341b、ハンドルユニット318内に設けられるスイッチ、貸球ユニット324、操作ボタンユニット326等)からの配線が集約して接続され、その枠装飾中継基板240からの配線が本体枠3の裏面に取り付けられる基板ユニット54に組み込まれる中継基板等を介して賞球払出基板ボックス55の賞球払出基板や遊技盤4に取り付けられる遊技制御基板ボックス25の遊技制御基板に接続されている。 【0095】 [1-2-9.皿ユニット] 次に、図33乃至図58を参照して皿ユニット300の構成について説明する。図37及び図38に示すように、皿ユニット300は、大きく分けて外殻を構成するユニット枠301と、該ユニット枠301の内部空間に取り付けられる下部スピーカボックス330と、該下部スピーカボックス330の上部に配置され且つ前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体360と、該皿体360に設けられる第2球抜弁375の球抜き動作をするための第2球抜リンクユニット400(図49参照)と、ユニット枠301の後面を閉塞する皿蓋体430と、から構成されている。そこで、まずユニット枠301について説明する。 【0096】 図33、図34、図37、及び図38に示すように、ユニット枠301は、上面が手前側に向って緩やかに傾斜する平面視半楕円形状の上面カバー部302と、該上面カバー部302の手前側から連続して前面と底面とを構成する前面カバー部303と、が合成樹脂によって一体的に成形されている。上面カバー部302の奥側には、扉枠本体100の前面側に当接する垂直カバー部302aも一体的に形成されている。この垂直カバー部302aには、その中央に貸球ボタンユニット用開口323が開設され、この貸球ボタンユニット用開口323に貸球ユニット324が裏面側から装着し得るようになっている。貸球ユニット324は、パチンコ遊技機1に隣接して球貸し機が設けられている場合に、貸出指令を導出するスイッチや貸出残表示器等が設けられるものである。 【0097】 また、上面カバー部302の垂直カバー部302aの立ち上がり部から前方に皿体上面開口部305が開設され、その前方中央に操作ボタンユニット用凹空間部306が形成され、該操作ボタンユニット用凹空間部306から左右の上面カバー部302の前端部に沿ってLED装飾空間部307が穿設され、さらに皿体上面開口部305の側方に第1球抜ボタン313を取り付けるための第1球抜ボタン用開口313aが設けられている。上記した皿体上面開口部305には、後述する皿体360の貯留部361及びこれに連通する誘導通路部362の上面開口と同一形状に形成され、ユニット枠301に皿体360を取り付けたときに、皿体上面開口部305に皿体360の貯留部361及び誘導通路部362が臨むようになっている。なお、皿体360については後に詳述する。 【0098】 上記した操作ボタンユニット用凹空間部306には、空間部形成部材310が取り付けられ、該空間部形成部材310に操作ボタンユニット326が装着されるようになっている。空間部形成部材310には、操作ボタンユニット326の係合突片329(図53参照)を係合するための係合穴312と、操作ボタンユニット326の固定ネジ穴328(図53参照)を止着するためのネジ止め部311と、さらに操作ボタンユニット326を空間部形成部材310内に差し込んだときに操作ボタンユニット326の底面に設けられるコネクタ326a(図53参照)と接続される配線のコネクタ310aを収納する配線収納開口310bが形成されている。しかして、操作ボタンユニット326を空間部形成部材310に取り付けるためには、コネクタ310aが設けられる配線を引き出して操作ボタンユニット326のコネクタ326aと接続した後、操作ボタンユニット326を空間部内に挿入しつつ係合突片329と係合穴312とを係合させ且つ相互のコネクタ326a,310aを配線収納開口310bに収納した後、図36に示すように、前面カバー部303の底面部に形成される締具挿入穴325からネジ351をドライバー工具352によって差し込み当該ネジ351をネジ止め部311及び固定ネジ穴328に螺着することにより取り外しできないように固定する。また、操作ボタンユニット326を取り外す場合には、上記と逆の順序によって行うことができる。このように操作ボタンユニット326を固定するためのネジ止め部を表面ではなく内部に設けたので、簡単に取り外すことができず、結果的に操作ボタンユニット326を取り外して操作ボタンユニット用凹空間部306を利用した不正な行為を防止することができる。なお、操作ボタンユニット326は、複数(図示の場合は3個)の操作ボタン327を有して構成されているが、この複数の操作ボタン327は、遊技盤4に設けられる液晶表示器等で行われる遊技内容に遊技者が参加する際に操作されるものである。 ・・・略・・・ 【0112】 ところで、第2球抜ユニット371の通路主体372の奥側側壁に第2球抜通路部374と連通する長方形状の側面開口382が開設され、該側面開口382は、後述するように皿蓋体430の開口蓋取付窓432に着脱自在に取り付けられる視認窓384が形成された側面開口蓋383によって閉塞されるようになっている。なお、皿体360の一端部と他端部であって貯留部361の下方には、皿ユニット300内に設けられる配線を整理するための配線処理用爪387が形成されている。なお、図44~図47及び図50に示す側面開口蓋383(二点鎖線で示す)は、該側面開口蓋383が皿蓋体430の開口蓋取付窓432に取り付けられた状態で側面開口382を閉塞している状態を想像線で示すものである。 ・・・略・・・ 【図面の簡単な説明】 【0139】 ・・・略・・・ 【図53】皿ユニットに設けられる操作ボタンユニットの斜視図である。」 ウ 「【図37】 ・・・略・・・ 【図46】 ・・・略・・・ 【図53】 ・・・略・・・ 【図58】 」 エ 【0098】(上記イ)の記載、及び、皿ユニットに設けられる操作ボタンユニットの斜視図である図53(上記ウ)の記載から、技術常識に照らせば、操作ボタンユニット326の底面の基板にコネクタ326aを有することが看取できる。 【0098】(上記イ)及び図46(上記ウ)等の記載からみて、配線処理用爪387は、扉枠5の前後方向(表裏方向)に貫通していることが看取できる。 また、【0098】(上記イ)、図53及び図58(上記ウ)の記載並びに技術常識からみて、コネクタ326aは、配線を挿脱する挿脱方向が、図58における矢印の方向又は当該矢印の方向に直交する方向、すなわち扉枠5の上下方向に対し所定の角度で前方に傾いた方向又は該方向に対して直交する方向である。 オ 上記アないしエからみて、引用例1には、次の発明が記載されている。なお、aないしdについては本願補正発明のAないしDに対応させて付与し、引用箇所の段落番号を併記した。 「a 皿ユニット300を備えた扉枠5を含み、遊技内容に遊技者が参加する際に操作される操作ボタンユニット326がネジ止めにより取り外し可能に前記皿ユニット300に設けられる、パチンコ遊技機1であって(【0021】、【0095】ないし【0098】、【0139】)、 b 操作ボタンユニット326は、その底面にコネクタ326aを有する基板を備え(【0098】、上記エ)、 c 前記扉枠5は(【0046】)、 c-1 前記扉枠5を構成する扉枠本体100の下方の板部裏面の上半分を覆うように取り付けられた装着台220の下部の軸支側に取り付けられ、操作ボタンユニット326からの配線が接続された枠装飾中継基板240と(【0046】、【0091】、【0094】)、 c-2 前記皿ユニット300を構成する皿体360の一端部と他端部であって、配線を整理するために形成された配線処理用爪387と(【0095】、【0112】)、 を備えるとともに、 c-3 前記配線が皿ユニット300内に設けられたものであり(【0112】)、 c-2-1 前記配線処理用爪387が形成される皿体360は、皿ユニット300の外殻を構成するユニット枠301の上面に臨むように設けられ(【0095】、【0112】)、配線処理用爪387は、扉枠5の前後方向(表裏方向)に貫通し、コネクタ326aの配線を挿脱する挿脱方向が、扉枠5の上下方向に対し所定の角度で前方に傾いた方向又は該方向に対して直交する方向である(【0095】、上記エ)、 d パチンコ遊技機1。」(以下「引用発明」という。) (3)対比 ア 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、以下の見出し(a)ないし(d)は、本願補正発明のAないしDに対応させている。 (a)引用発明の「遊技内容に遊技者が参加する際に操作される操作ボタンユニット326」及び「パチンコ遊技機1」は、それぞれ本願補正発明の「遊技者が操作可能な操作手段を有する操作ユニット」及び「遊技機」に相当する。また、引用発明の「皿ユニット300を備えた扉枠5」は、その皿ユニット300に操作ボタンユニット326(操作ユニット)が設けられるのであるから、本願補正発明の「遊技機本体」に相当することは明らかである。また、引用発明は、操作ボタンユニット326(操作ユニット)がネジ止めにより取り外し可能に皿ユニット300(遊技機本体)に設けられているから、本願補正発明の「遊技者が操作可能な操作手段を有する操作ユニットを、遊技機本体に着脱可能に装着した」との構成を備えることは明らかである。してみると、引用発明の特定事項aは、本願補正発明Aに相当する。 (b)引用発明の「コネクタ326a」及び「基板」は、それぞれ本願補正発明の「コネクタ」及び「第1基板」に相当する。引用発明の特定事項bは、操作ボタンユニット326(操作ユニット)が、その底面にコネクタ326a(コネクタ)を有する基板(第1基板)を備えているから、本願補正発明の特定事項Bに相当する。 (c)上記(a)のとおり、引用発明の「皿ユニット300を備えた扉枠5」は、本願補正発明の「遊技機本体」に相当する。 (c-1)引用発明の「枠装飾中継基板240」は、本願補正発明の「第2基板」に相当する。 (c-2)引用発明の「配線」は、本願補正発明の「ハーネス」に相当する。引用発明の「配線処理用爪387」は、皿体360の一端部と他端部に、配線を整理するために形成されたものであるから、技術的にみて、配線(ハーネス)を係止するものであり、本願補正発明の「係止部」に相当することは明らかである。してみると、引用発明の特定事項c-2と、本願補正発明の特定事項C-2とは、「ハーネスを係止する係止部」である点で一致する。 (c-3)引用発明において、配線(ハーネス)は、皿ユニット300内に設けられたものであり、該皿ユニット300は、外殻を構成するユニット枠301と、前記ユニット枠301の上面に臨むように設けられる皿体360とを含むものであり、内部空間を有し、該内部空間に配線(ハーネス)が収容されていることは明らかである。また、配線処理用爪387(係止部)が形成される皿体360は、皿ユニット300の外殻を構成するユニット枠301の上面に臨むように設けられたものであり、後述する下記(c-2-1)にも関連するが、配線処理用爪387(係止部)が皿ユニット300から露出するものではないことが明らかである。してみると、引用発明の特定事項c-3と、本願補正発明の特定事項C-3とは、「前記ハーネスを収容可能な収容空間部」である点で一致する。 (c-2-1)上記(c-3)からみて、引用発明の配線処理用爪387(係止部)は、皿ユニット300内(収容空間部)の配線(ハーネス)を係止するものといえる。また、引用発明において、配線(ハーネス)が、配線処理用爪387の貫通している部分を通過して係止され、配線が所定の方向に案内されていることは明らかである。してみると、引用発明の特定事項c-2-1と、本願補正発明の特定事項C-2-1とは、「前記係止部は、前記収容空間部のハーネスを案内するように係止する」点で一致する。 (d)上記(a)のとおり、引用発明の「パチンコ遊技機1」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。 イ 上記アからみて、本願補正発明と引用発明とは、 「A 遊技者が操作可能な操作手段を有する操作ユニットを、遊技機本体に着脱可能に装着した遊技機において、 B 前記操作ユニットは、 コネクタを有する第1基板を備え、 C 前記遊技機本体は、 C-1 第2基板と、 C-2’ハーネスを係止する係止部と、 C-3’ハーネスを収容可能な収容空間部と、を備え、 C-2-1’前記係止部は、 前記収容空間部のハーネスを案内するように係止する D 遊技機。」である点で一致し、次の点で相違する。 ・相違点1(特定事項C-2) 「係止部」に「係止」される「ハーネス」が、 本願補正発明では、「前記第1基板の前記コネクタと前記第2基板とを接続する」ものであるのに対し、 引用発明では、基板(第1基板)のコネクタ326a(コネクタ)と枠装飾中継基板240(第2基板)とを接続するものかどうか明らかでない点 ・相違点2(特定事項C-3) 「収容空間部」に「収容可能」とされる「ハーネス」が、 本願補正発明では、「前記第1基板の前記コネクタから前記係止部に至るまでの」ものであるのに対し、 引用発明では、基板(第1基板)のコネクタ326a(コネクタ)から配線処理用爪387(係止部)に至るまでのものかどうか明らかでない点。 ・相違点3(特定事項C-2-1) 「係止部」が、 本願補正発明では、「前記収容空間部の前記ハーネスを、前記第1基板のコネクタから前記ハーネスを挿脱する挿脱方向とは異なる方向に案内するように係止する」のに対し、 引用発明では、皿ユニット300内の配線を案内する方向が明らかでなく、コネクタ326aから配線を挿脱する方向と、異なる方向に配線を案内するように係止しているかどうか明らかでない点。 (4)判断 ア 相違点1及び2について、まとめて検討する。 (ア)引用発明において、配線処理用爪387(係止部)は、皿ユニット300内に設けられる配線を整理するためのものであるところ、該配線が皿ユニット300内の全ての配線であるのか、それとも、いずれか一部の配線であるのか、一部の配線である場合、どの配線であるのかは具体的に明らかでない。 一方、操作ボタンユニット326(操作ユニット)が扉枠5の遊技者側(表側)に位置し、枠装飾中継基板240(第2基板)が扉枠5の遊技者側の反対側(裏側)に位置するものであるから、操作ボタンユニット326(操作ユニット)の基板のコネクタ326a(コネクタ)と枠装飾中継基板240(第2基板)とを接続する配線(以下「特定配線」という。)は、扉枠5を介して遊技機の前後方向(表裏方向)に案内されなければならない。 そうすると、特定配線を前後方向に案内、すなわち係止するために、皿体360の一端部と他端部に設けられた配線処理用爪387を用いること、換言すると、配線処理用爪387(係止部)に係止される配線(ハーネス)が特定配線であるようになすことは当業者が適宜なし得たことである。 (イ)上記(ア)のように、特定配線が配線処理用爪387(係止部)に係止されるのであれば、特定配線のうち、基板(第1基板)のコネクタ326a(コネクタ)から配線処理用爪387(係止部)に至るまでの配線部分(ハーネス)についても、皿ユニット300内、すなわち収容空間部に収容可能であること、換言すると、収容空間部に収容可能な配線(ハーネス)が、コネクタ326a(コネクタ)から配線処理用爪387(係止部)に至るまでのものであることは当業者に自明である。 (ウ)以上のとおり、引用発明において、上記相違点1及び2に係る本願補正発明の構成となすことは当業者が適宜なし得たことである。 イ 相違点3について検討する。 (ア)引用例の記載、例えば図37及び図46(上記(3)ウ)の記載からみて、操作ボタンユニット326(操作ユニット)と配線処理用爪387(係止部)との鉛直方向の位置関係は極端に異なる位置関係にはなく、上記ア(ア)のように、特定配線が、皿ユニット300の左右方向の端の配線処理用爪387(係止部)に係止されるのであれば、配線処理用爪387を通過する配線は、該通過前後で略左右方向又は略前後方向に沿っている、すなわち案内されている可能性が高いものである。 (イ)コネクタへの配線の挿脱方向を操作ボタンの軸方向と同じ方向にすることは周知(以下「周知技術」という。例.特開2005-288111号公報(【0045】参照。)、特開2009-172168号公報(【0090】、【0112】、【0115】、図8ないし図10参照。))である。そして、引用発明のコネクタ326aの配線を挿脱する挿脱方向は、扉枠5の上下方向に対し所定の角度で前方に傾いた方向又は該方向に対して直交する方向であり、具体的にいずれの方向であるのか不明であるところ、上記周知技術からみて、引用発明において、コネクタ326aの挿脱方向として、操作ボタンユニット326の挿脱方向と同じ方向を採用することは当業者が適宜なし得たことである。 (ウ)上記(ア)及び(イ)からみて、引用発明において、配線処理用爪387(係止部)が、特定配線(ハーネス)を、基板(第1基板)のコネクタ326aから特定配線を挿脱する挿脱方向とは異なる方向に案内するように係止するようになすこと、すなわち、上記相違点3に係る本願発明の構成となすことは当業者が周知技術に基づいて容易になし得たことである。 ウ 本願補正発明の奏する効果は、引用発明の奏する効果及び周知技術の奏する効果から予測することができた程度のものである。 エ 審判請求人の主張について (ア)審判請求人は、審判請求書において、引用文献1に記載の発明において、その操作ボタンユニット32のコネクタ326aと、装着台220の軸支部側の枠装飾中継基板240との左右方向の位置の違いを考慮すると、操作ボタンユニット326を空間部形成部材310の操作ボタンユニット用凹空間部306から図58の矢印方向に取り外す場合には、コネクタ310aが設けられる配線は配線収納開口310bの開口縁の何れかに係止される。従って、引用文献1に記載の発明において、その配線収納開口310bの開口縁が係止部を構成すると仮定しても、その係止部は、コネクタ310a側から係止部側に至る配線を、操作ボタンユニット326のコネクタ326aに対してコネクタ310aを挿脱する挿脱方向に沿って案内することとなり、本願補正発明の係止部とはその構成が相違すると、概略主張している。 (イ)しかしながら、上記ア及びイのとおり、引用発明の「配線処理用爪387」は、本願補正発明の「係止部」に相当し、配線(ハーネス)の案内方向は、コネクタ326a(コネクタ)の挿脱方向とは異なる方向であり、仮にそうでないとしても、当業者が容易に発明することができたものである。 (5)独立特許要件のむすび 以上のとおりであるから、本願補正発明は、当業者が引用例1に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものである。 よって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4 小括 以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものである。 したがって、本件補正は、同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成29年4月17日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるものであるところ、請求項1に係る発明は、上記第2〔理由〕1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。 2 原査定の理由の概略 この出願の平成29年4月17日付けの手続補正書により補正された請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記引用文献に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 引用文献1.特開2008-237354号公報 配線を係止部にて係止する点は、例示するまでも無い周知技術であり、当該周知技術を引用文献1に記載された発明に適用することが当業者にとって格別困難であるという事情は見当たらないから、引用文献1に記載された発明に当該周知技術を適用して、操作ボタンユニット326が有するコネクタ326aと枠装飾中継基板240とを接続する配線を係止する係止部を設けることは、当業者であれば容易に想到できたものであり、その際、上記のとおり、引用文献1の記載によれば、枠装飾中継基板240は、コネクタ326aに対するコネクタ310aの挿脱方向とは異なる方向にコネクタ326aから離れて配置されているのであるから、当該異なる方向に上記配線を案内するように係止することに格別の困難性は認められない。 3 引用文献 (1)引用文献1(引用例)の記載事項は、上記第2〔理由〕3(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願補正発明は、上記「第2〔理由〕1(2)」のとおり、本願発明を特定するために必要な事項を限定したものである。 そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに限定を付加したものに相当する本願補正発明が、上記「第2〔理由〕4」に記載したとおり、当業者が引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様の理由により、当業者が引用文献1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものである。 5 むすび 本願発明は、以上のとおり、当業者が引用文献1に記載された発明及び周知技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-013133

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