特許拒絶査定不服審判
2017-012842
遊技機
- 審判番号
- 2017-012842
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-180960
- 請求日
- 2017年08月30日
- 審決日
- 2018年05月21日
- 公報発行日
- 2018年08月31日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 服部 和男
- 審判官 蔵野 いづみ
- 審判官 長崎 洋一
- 分類
- P18 .561-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F) / P18 .113-Z (A63F) / P18 .121-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-180960号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年3月23日出願公開、特開2017-55832号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯の概要
本願は、平成27年9月14日の出願であって、平成28年5月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年8月3日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月20日付けで最後の拒絶の理由が通知され、平成29年2月14日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、同年5月15日付け(発送日:同年6月6日)で、同年2月14日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定がなされ、それに対して、同年8月30日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年8月30日付けの手続補正についての補正却下の決定
平成29年8月30日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の補正を含んでおり、本件補正により、平成28年8月3日付けの手続補正書における特許請求の範囲の請求項1における
「判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行し、当該特別遊技判定の結果に基づき前記特別遊技を行う遊技機において、
前記特別遊技判定の結果に基づいて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段によって決定された前記変動パターンに応じて、表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行った後に当該特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる変動演出を行う演出制御手段を備え、
前記変動パターンは、第1変動パターンと、当該第1変動パターンと異なる第2変動パターンとを含み、
前記変動演出中に実行される演出には、前記特別遊技が実行される可能性を示唆するリーチ演出と、前記特別遊技の実行の確定を告知する演出である確定演出とが含まれ、
前記演出制御手段は、
前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合と、前記第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で前記確定演出を実行可能であり、
前記変動演出において、前記リーチ演出が行われているときと前記リーチ演出が行われていないときとで前記識別図柄の表示態様を異ならせる、
ことを特徴とする遊技機。」は、
審判請求時に提出された手続補正書(平成29年8月30日付け)における
「判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行し、当該特別遊技判定の結果に基づき前記特別遊技を行う遊技機において、
前記特別遊技判定の結果に基づいて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
前記変動パターン決定手段によって決定された前記変動パターンに応じて、表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行った後に当該特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる変動演出を行う演出制御手段を備え、
前記変動パターンは、第1変動パターンと、当該第1変動パターンと異なる第2変動パターンとを含み、
前記変動演出中に実行される演出には、前記特別遊技が実行される可能性を示唆する所定のリーチ演出と、前記識別図柄の停止表示を行う前に実行する前記特別遊技の実行の確定を告知する確定演出とが含まれ、
前記演出制御手段は、
前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合、及び、前記第2変動パターンが決定されている場合の何れにおいても前記確定演出を実行可能であり、
前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合と、前記第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で前記確定演出を実行可能であり、
通常遊技状態にて制御されているときと当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にて制御されているときとの何れのときでも前記確定演出を実行可能であり、
前記通常遊技状態にて制御されているときよりも前記有利遊技状態にて制御されているときの方が前記確定演出を実行する割合が高く、
前記変動演出において、前記所定のリーチ演出が行われているときと前記所定のリーチ演出が行われていないときとで前記識別図柄の表示態様を異ならせる、
ことを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために審決にて付した。)。
2 補正の適否
(1)本件補正の内容
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「確定演出」の実行タイミングに関して、「前記識別図柄の停止表示を行う前に実行する」と限定し、
本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「演出制御手段」に関して、「前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合、及び、前記第2変動パターンが決定されている場合の何れにおいても前記確定演出を実行可能であり」、及び、「通常遊技状態にて制御されているときと当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にて制御されているときとの何れのときでも前記確定演出を実行可能であり」を加え、
本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「確定演出」に関して、「前記通常遊技状態にて制御されているときよりも前記有利遊技状態にて制御されているときの方が前記確定演出を実行する割合が高く」を加えることを含むものである。
(2)新規事項の追加について
本件補正のうち、請求項1に関する「通常遊技状態にて制御されているとき」に「前記確定演出を実行可能であ」ると限定する補正について検討する。
当該補正により、「確定演出」に関して、「変動演出中に実行される演出」であることに加え、「識別図柄の停止表示を行う前に実行する」演出であることが特定された。
そして、本願の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)に「確定演出」に関して、【0438】、【0439】、【0442】、【図47】~【図51】には、特別演出(プレミアム演出)としての最終態様である特別態様5「虹」が記載され、【0789】、【0790】、【0793】、【図81】~【図85】に特別演出(プレミアム演出)としてのテロップ予告演出であるテロップ予告パターン8が記載されている。
ここで、当初明細書等には、「最終態様」に関して、「この最終態様とは、特図保留(特別図柄表示を実行する権利)を表す画像(以下、「保留画像」という)の表示に係る特図保留が発生してから消滅するまでの間に最終的に表示される保留画像の表示態様のことである。」(【0427】)と定義され、「テロップ予告演出」に関して、「テロップ予告演出とは、大当たりに対する期待度が異なる複数の文字の何れかが表示されたテロップの演出画像を画像表示装置13に表示することによって、大当たり遊技を実行する可能性を報知し、大当たりの判定結果が大当たりであることの期待感を与える予告演出である。」(【0764】)と定義されている。
したがって、当初明細書等に記載された2種類の確定演出のうち、特別態様5「虹」は、特図保留を表す画像であって、特図保留による演出が当該変動演出が始まるまでに終了する演出であることからみて、請求項1に関する本件補正により請求項1に特定される「確定演出」に含まれるものではない。
次に、当初明細書等に記載された2種類の確定演出のうち、テロップ予告演出に関して検討する。
まず、当初明細書等の【0389】に低確率遊技状態且つ非時短遊技状態に対応して設定される通常の演出モードが「演出モードA」であることが記載されている。
そして、テロップ予告演出の実行条件に関して、当初明細書等の【0763】に「ステップS1313-34において、サブCPU102aは、上記ステップS1313-1において確認した演出モードが演出モードAまたは演出モードGであるか否かを判定する。サブCPU102aは、演出モードAまたは演出モードGであると判定すると、ステップS1313-36に処理を移し、演出モードAまたは演出モードGではないと判定すると、ステップS1313-35に処理を移す。」と記載され、【0764】に「ステップS1313-35において、サブCPU102aは、演出モードB,演出モードC、演出モードD、演出モードE及び演出モードFで実行可能なテロップ予告演出に関するテロップ予告演出判定処理を行う。テロップ予告演出とは、大当たりに対する期待度が異なる複数の文字の何れかが表示されたテロップの演出画像を画像表示装置13に表示することによって、大当たり遊技を実行する可能性を報知し、大当たりの判定結果が大当たりであることの期待感を与える予告演出である。」と記載されている。
これらの記載から、テロップ予告演出は、演出モードB~Fにおいて実行されるが、通常の演出モードである演出モードAにおいて実行される演出でないといえる。
したがって、当初明細書等に記載された2種類の確定演出のうち、テロップ予告パターン8についても、本件補正により請求項1に特定される「確定演出」に含まれるものではない。
ゆえに、本件補正により請求項1に特定される「通常遊技状態にて制御されているとき」に「確定演出を実行可能であ」ることは、当初明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものである。
よって、本件補正は、同法第17条の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
3 独立特許要件について
上記2で述べたとおりであるが、ここでは、仮に、本件補正により請求項1に特定される「通常遊技状態にて制御されているとき」に「確定演出を実行可能であ」るとすることが、当初明細書等に記載した事項の範囲内のものであるとして検討を進める。
この場合、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A~Jは、分説するため当審で付した。)。
「A 判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行し、当該特別遊技判定の結果に基づき前記特別遊技を行う遊技機において、
B 前記特別遊技判定の結果に基づいて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
C 前記変動パターン決定手段によって決定された前記変動パターンに応じて、表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行った後に当該特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる変動演出を行う演出制御手段を備え、
D 前記変動パターンは、第1変動パターンと、当該第1変動パターンと異なる第2変動パターンとを含み、
E 前記変動演出中に実行される演出には、前記特別遊技が実行される可能性を示唆する所定のリーチ演出と、前記識別図柄の停止表示を行う前に実行する前記特別遊技の実行の確定を告知する確定演出とが含まれ、
F 前記演出制御手段は、
F1 前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合、及び、前記第2変動パターンが決定されている場合の何れにおいても前記確定演出を実行可能であり、
F2 前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合と、前記第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で前記確定演出を実行可能であり、
F3 通常遊技状態にて制御されているときと当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にて制御されているときとの何れのときでも前記確定演出を実行可能であり、
G 前記通常遊技状態にて制御されているときよりも前記有利遊技状態にて制御されているときの方が前記確定演出を実行する割合が高く、
H 前記変動演出において、前記所定のリーチ演出が行われているときと前記所定のリーチ演出が行われていないときとで前記識別図柄の表示態様を異ならせる、
ことを特徴とする遊技機。」
(2)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用された、本件の出願前に頒布された刊行物である特開2013-248453号公報(以下「刊行物1」という。)には、遊技機に関して、図面と共に以下の事項が記載されている(下線は審決にて付した。以下同じ。)。
・記載事項
ア 「【請求項1】
遊技媒体が始動領域に進入したことに基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する変動表示部を備え、該変動表示部の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、
所定の制御条件が成立したときに、前記特定遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な有利状態に制御する有利状態制御手段と、
前記有利状態に制御されているときにおいて、予め定められた移行条件が成立したときに、当該有利状態よりも有利度合いが高い有利状態に移行させることにより、複数段階で有利状態を移行させる有利状態移行手段と、
前記複数段階の有利状態のうち、有利度合いが最も高い最高有利状態以外の有利状態において、有利度合いがさらに高い有利状態へ移行する期待感を煽るための特別演出を実行する特別演出実行手段とを備えることを特徴とする、遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体が始動領域に進入したことに基づいて、各々を識別可能な識別情報の変動表示を開始し、表示結果を導出表示する変動表示部を備え、該変動表示部の表示結果が特定表示結果となったときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。」
イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、前述のような従来技術の遊技機においては、大当り遊技状態終了後の遊技状態に応じて時短制御が行なわれる変動表示の回数が異なるようになるが、過去の遊技状態の遷移状態が特定遊技状態終了後の遊技状態に関与するものではないという点で、今一つ遊技の面白味に欠けるという問題があった。
【0007】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、遊技状態の遷移状態に基づく遊技の興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することである。
・・・
【0010】
(2) 前記(1)の遊技機において、前記変動表示について、前記特定遊技状態(16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、2R第2大当り)に制御するか否かを前記変動表示の表示結果が導出表示される以前に決定する事前決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図22のS60,S71~S73)と、
該事前決定手段による決定に基づいて、前記変動表示が行なわれる変動時間(図15~図20の変動パターンに対応する変動時間)が定められた変動パターンを複数種類の変動パターン(図15~図20の変動パターン、および、これらに対応して演出制御マイクロコンピュータ100に記憶された複数種類の変動パターン)のうちから選択する変動パターン選択手段(遊技制御用マイクロコンピュータ560、図23のS114,S115)とをさらに備え、
該変動パターン選択手段が選択する変動パターンは、前記特別演出に対応した態様で変動表示をする特別変動パターン(図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルの変動パターン、図16(b)の第3遊技モード状態はずれ時判定テーブルの変動パターン)を含む。」
ウ 「【0042】
演出表示装置9における演出図柄の変動表示中には、リーチ状態が生じる場合がある。ここで、リーチ状態は、演出表示装置9の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り図柄の組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り図柄の組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動領域領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
【0043】
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチ(ノーマルリーチ)に比べて、大当りが発生しやすいように設定され、大当りとなる信頼度が高いものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
・・・
【0057】
本実施の形態において、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、または、2R第2大当りの大当り遊技状態に制御された後は、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)となる遊技モードに移行する制御が行なわれる。
・・・
【0068】
図2(B)に示すように、遊技モードとしては、第1遊技モード、第2遊技モード、第3遊技モードA、第3遊技モードB、および、第4遊技モードが設けられている。これら遊技モードのうち、第1遊技モードおよび第2遊技モードにおいては、電チューサポート状態に制御されず、第3遊技モードA、第3遊技モードB、および、第4遊技モードにおいては、電チューサポート状態に制御される。」
エ 「【0100】
図4は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。
【0101】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
・・・
【0106】
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1始動口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aへの始動入賞が生じたときに乱数回路503から数値データをランダムRとして読出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
・・・
【0113】
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムにしたがって動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行なわせる。」
オ 「【0152】
図8は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(種別、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、および、2R第2大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
【0153】
本実施の形態では、前述したように、特定遊技状態である大当りとして、16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、および、2R第2大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1は、大当り図柄決定用乱数でもある。
【0154】
この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
【0155】
変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターンを決定するときには、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定する。そして、決定した変動パターン種別に属する変動パターンから、1つの変動パターンを変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて決定する。
【0156】
この実施の形態では、16R大当りおよび7R大当りである場合には、ノーマルリーチを伴う変動パターン種別であるノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチを伴うスーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。さらに、16R大当りおよび7R大当りである場合には、変動時間が5秒または10秒等の特別に短縮された時間に設定された時短変動パターンを伴う変動パターン種別である時短変動パターン種別にも種別分けされている。また、2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチ特殊変動パターン種別と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けされている。さらに、2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、時短種別にも種別分けされている。このような変動パターン種別は、予め定められた割合で選択される。
・・・
【0236】
次に、図15~図20を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図15~図20は、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルを表形式で示す図である。
・・・
【0240】
図15~図20に示す判定テーブルのそれぞれは、ランダム2と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部と、各変動パターン種別についてランダム3と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブル部とを含む。
【0241】
図15~図20の各テーブルでの変動パターンの欄において、変動パターンの欄には、各変動パターンの変動表示が行なわれるときの変動時間が括弧書きで示されている。
【0242】
「通常変動」は、リーチとならない非リーチの変動パターン(10秒)を示している。
「ノーマルリーチ」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「第1ノーマルリーチ」(20秒)と「第2ノーマルリーチ」(20秒)とは、変動表示時の背景が異なる。
【0243】
「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な背景画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。「第1スーパーリーチ」(30秒)は、第1の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第2スーパーリーチ」(30秒)は、第2の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第3スーパーリーチ」(30秒)は、第3の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第4スーパーリーチ」40秒)は、第4の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。「第5スーパーリーチ」(40秒)は、第5の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。
・・・
【0245】
「第1時短変動」(5秒)は、5秒間等のように「通常変動」よりも短い変動時間で変動表示を行なう時短変動パターンを示している。「第1時短変動」の変動表示は、変動時間が短いため、たとえば演出図柄の変動態様としては、短時間で演出図柄の停止図柄が表示される態様の変動が行なわれ、演出図柄以外の変動態様としては、大当りとなるかどうかを煽るようなリーチ演出(リーチとなる変動パターンで行なわれるようなリーチ演出)は行なわれない。「第2時短変動」(10秒)は、10秒間等のように短い変動時間であるが、「第1時短変動」よりも変動時間が長い変動表示を行なう超時短変動パターンである。
【0246】
「第1非リーチ特殊」(10秒)および「第2非リーチ特殊」(10秒)は、2R第1大当り用および2R第2大当り用の非リーチ特殊変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、「第1ノーマルリーチ」および「第2ノーマルリーチ」と比べて変動時間が短い。また、「第1リーチ特殊」(15秒)、「第2リーチ特殊」(15秒)、「第3リーチ特殊」(15秒)、「第4リーチ特殊」(20秒)、および、「第5リーチ特殊」(20秒)は、2R第1大当り用および2R第2大当りのリーチ変動パターン種別に含まれる変動パターンであり、たとえば、「第1スーパーリーチ」~「第4スーパーリーチ」と比べて変動時間が短い。「第1非リーチ特殊」、および、「第2非リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中にリーチ図柄の組合せを表示せずに2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」、「第2リーチ特殊」、「第3リーチ特殊」、「第4リーチ特殊」、および、「第5リーチ特殊」のそれぞれは、変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである。「第1リーチ特殊」~「第5リーチ特殊」のそれぞれは、これら変動パターンごとに異なる特定の背景画像を用いた演出が行なわれる変動パターンである。
・・・
【0258】
図16(a)の第2遊技モード状態はずれ時判定テーブルでは、第2スーパーリーチ(30秒)と、第3スーパーリーチ(30秒)と含むスーパーリーチの変動パターン種別のみが選択されるようにデータが設定されている。これにより、第2遊技モードにおいて、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれの変動表示がはずれとなるときには、第2スーパーリーチまたは第3スーパーリーチの変動パターンが選択されることにより、変動時間が、比較的長い30秒という時間に固定されたような態様で変動表示が行なわれる。また、第2スーパーリーチおよび第3スーパーリーチは、第1スーパーリーチと比べて、大当りとなるときに選択される割合が高いので、第2遊技モード状態においては、第1スーパーリーチが選択されず、第2スーパーリーチおよび第3スーパーリーチが選択されることにより、遊技者の大当りへの期待感を高めることができる。」
カ 「【0402】
図34は、演出制御用マイクロコンピュータ100が特別演出の演出パターンを決定するときに用いる特別演出決定テーブルと、特別演出実行時において演出図柄を変動表示するときに用いられる特別変動パターンを決定するときに用いる特別変動パターン決定テーブルとを示す図である。このような特別演出決定テーブルおよび特別変動パターン決定テーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ100のROMに記憶されている。
【0403】
図34(A)の特別演出決定テーブルにおいては、遊技モードごとに、特別演出の種別と、特別演出の演出パターンとが対応付けられて、データが設定されている。
【0404】
特別演出決定テーブルにおいては、第2遊技モードのときに、第2遊技モード以外の遊技モードでは実行されないような特別な演出としての第1特別演出を実行することが決定される。第1特別演出の演出パターンは、演出表示装置9において、第2遊技モード以外の遊技モードでは表示されないキャラクタ画像としての第1特別キャラクタが登場し、第1特別キャラクタにより大当りとなるか否かを煽る演出が実行される。第1特別キャラクタには、小さい円形模様等の第1の模様が付されている。
【0405】
また、特別演出決定テーブルにおいては、第3遊技モードのときに、第3遊技モード以外の遊技モードでは実行されないような特別な演出としての第2特別演出を実行することが決定される。第2特別演出の演出パターンは、演出表示装置9において、第3遊技モード以外の遊技モードでは表示されないキャラクタ画像としての第1特別キャラクタが登場し、第2特別キャラクタにより大当りとなるか否かを煽る演出が実行される。第2特別キャラクタには、小さい三角形模様等の第2の模様が付されている。
【0406】
また、特別演出決定テーブルにおいて、第4遊技モードのときには、特別な演出を実行しないことが決定される。したがって、第4遊技モードのときには、特別なキャラクタ画像が表示されて大当りとなるか否かを煽る特別な演出が行なわれない。このように第4遊技モードにおいては、特別演出が実行されないことにより、特別演出の実行が制限される。なお、特別演出の実行を制限するときには、特別演出がまったく実行されないように禁止してもよく、特別演出が実行される割合をその他の遊技モードよりも大幅に低くするようにしてもよい。同様に、特別演出決定テーブルにおいて、第1遊技モードのときには、特別な演出を実行しないことが決定される。したがって、第1遊技モードのときには、特別なキャラクタ画像が表示されて大当りとなるか否かを煽る特別な演出が行なわれない。
【0407】
このように、第2遊技モードにおいては第1特別演出が実行され、第3遊技モードにおいては第2特別演出が実行されるので、有利度合いが高い有利状態へ移行するか否かを演出するための特別演出が行なわれることにより、遊技者の期待感を増大させ、遊技の興趣を向上させることができる。一方、第4遊技モードにおいては、それよりも有利度合いが高い有利状態が存在せず、有利度合いが最も高い遊技モードであるため、何らかの特別演出を行なっても、遊技者の期待感を増大させることは困難であると考えられる。そこで、第4遊技モードにおいては、特別演出を実行しないことにより、遊技モードがさらに有利な遊技モードに移行し得ないにも関わらず、特別演出が実行されることによって演出が冗長になるのを防ぐことができる。
・・・
【0411】
図34(B)の特別パターン決定テーブルにおいては、遊技演出の種別ごとに、特別変動パターンの種別と、特別演出パターンとが対応付けられて、データが設定されている。
【0412】
特別パターン決定テーブルにおいては、第1特別演出が実行されるときに、第1特別演出が実行されるとき以外の状態では実行されないような特別な変動パターンとしての第1特別変動パターンでの変動表示を実行することが決定される。第1特別変動パターンは、演出表示装置9において、演出図柄が変動表示されるときに、第1特別演出で表示される第1特別キャラクタの模様と同じ第1の模様が付された演出図柄で変動表示が実行される。これにより、第1特別変動パターンでは、第1特別演出に対応した態様で演出図柄が変動表示される。
【0413】
特別パターン決定テーブルにおいては、第2特別演出が実行されるときに、第2特別演出が実行されるとき以外の状態では実行されないような特別な変動パターンとしての第2特別変動パターンでの変動表示を実行することが決定される。第2特別変動パターンは、演出表示装置9において、演出図柄が変動表示されるときに、第2特別演出で表示される第2特別キャラクタの模様と同じ第2の模様が付された演出図柄で変動表示が実行される。これにより、第2特別変動パターンでは、第2特別演出に対応した態様で演出図柄が変動表示される。
【0414】
また、特別パターン決定テーブルにおいては、演出演出が実行されないときには、特別変動パターンを実行する決定がされないので、特別な演出が実行されない第1遊技モードおよび第4遊技モードのときには、特別変動パターンを実行する決定が行なわれない。したがって、第1遊技モードおよび第4遊技モードのときには、特別変動パターンによる演出図柄の変動表示が行なわれない。」
キ 「【0451】
大当り確定演出決定テーブルにおいては、2R第1大当りまたは2R第2大当り<7R大当り<16R大当りという大小関係で、大当り確定報知演出を実行すると決定する割合が設定されている。したがって、大当り確定報知演出を実行されたときには、2R第1大当りまたは2R第2大当りと、7R大当りと、16R大当りとのうち、16R大当りとなる割合が高い。
・・・
【0455】
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理等を行なう(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行なう(S705)。演出制御プロセス処理では、S704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置9での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。」
ク 「【0466】
図45は、図42に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800~S806のうちのいずれかの処理を行なう。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
【0467】
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
【0468】
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御する。また、演出図柄の停止図柄(表示結果)をSR1-1~SR1-3等に基づいて決定する。変動表示の開始時に、受信した変動パターンコマンドに対応して実行する変動表示の変動時間を計時する変動表示時間タイマの計時をスタートさせる。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
【0469】
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミング等を制御するとともに、変動表示時間タイマにより計時される変動時間が終了したか否かを監視する。そして、変動時間が終了したか、または、全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことに基づいて、変動表示を終了させるために、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。」
ケ 「【0499】
次に、S506の後、前述した大当り確定報知演出を実行するか否かを決定するとともに、大当り確定報知演出の設定を行なう大当り確定報知演出設定処理を実行する。次に、図49を参照して、大当り確定報知演出設定処理の内容を説明する。
【0500】
大当り確定報知演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、表示結果指定コマンドにおけるEXTデータを読取ること等により、変動表示の表示結果が「大当り」となるか否かを判定する(S551)。S551で、表示結果が「大当り」とならないときには、大当り確定報知演出設定処理を終了する。」
コ 「【0510】
次いで、演出制御用CPU101は、S520で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S521)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S522)。
【0511】
そして、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)にしたがって演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、および、演出用部品としてのスピーカ27)の制御を開始する(S524)。たとえば、表示制御実行データにしたがって、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行なわせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。また、可動部材制御データにしたがって、可動部材78を動作させるための駆動信号を出力する。
【0512】
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S525)。ここで、変動表示時間タイマは、演出図柄の変動を開始してから最終停止図柄を停止表示するまでの変動時間を計測するためのタイマである。次に、第1保留先読結果保留記憶部と第2保留先読結果保留記憶部とのうち、変動表示を実行する特別図柄に対応する保留番号「1」の保留データを消去して、保留番号「2」以降の保留データを1エントリずつ上位にシフトさせる(S526)。その後、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にし(S527)、処理を終了する。
【0513】
その後、演出図柄変動中処理(S802)が実行されることにより、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示(特別変動パターンでの変動表示を含む)、および、当該変動表示に付随した各種の演出表示等の各種演出(特別演出、先読演出、放出演出、および、大当り確定報知演出等)が実行され、それに伴なって、前述のような各種の音声制御、および、発光制御が実行される。
【0514】
図50および図51は、図45のS803で実行される演出図柄変動停止処理を示すフローチャートである。
【0515】
演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU101は、まず、最終停止図柄となる確定演出図柄を完全停止表示させて導出表示する(図50のS571)。なお、図柄確定指定コマンドが受信されるまで、左,中,右の演出図柄は、演出図柄変動中処理(S802)において、たとえば揺れ変動表示が行なわれている。」
・認定事項
サ 【0068】の「遊技モードとしては、第1遊技モード、・・・第3遊技モードA、第3遊技モードB、・・・が設けられている。」との記載、【0242】の「「通常変動」は、・・・非リーチの変動パターン・・・「ノーマルリーチ」は、ノーマルリーチの変動パターンを示している。「第1ノーマルリーチ」・・・と「第2ノーマルリーチ」・・・」との記載、【0243】の「「スーパーリーチ」は、・・・「第1スーパーリーチ」・・・「第2スーパーリーチ」・・・「第3スーパーリーチ」・・・。「第5スーパーリーチ」・・・は、第5の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なうスーパーリーチの変動パターンである。」との記載に基づくと、変動パターンを決定するために用いるデータテーブルを示す図である【図15】~【図20】には、第1遊技モード状態では、非リーチの通常変動パターン、第1~2ノーマルリーチ変動パターン、第1~3スーパーリーチ変動パターンを含む変動パターンが選択され、「第5スーパーリーチ」は、第3遊技モード状態でのみ選択される第5の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なう変動パターンであることが図示されていると認められる。
シ 変動パターンを決定するために用いるデータテーブルを示す図である【図15】~【図20】には、第1遊技モードで実行される変動パターンには、通常変動の変動パターンが含まれ、第3遊技モードで実行される変動パターンには、第4~5スーパーリーチの変動パターンが含まれることが図示されていると認められる。
・上記ア~コの記載事項、及び、上記サ~シの認定事項を総合すると、刊行物1には次の発明(以下「刊行物発明」という。)が記載されていると認められる(a~hは、本件補正発明のA~Hに対応させて付与した。)。
「a 通常遊技状態、大当り遊技状態(16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、2R第2大当り)である特定遊技状態、通常の遊技状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態となる特別遊技状態のいずれかの遊技モードに移行する制御が行なわれ(【請求項1】、【0001】、【0010】、【0057】)、
主基板31には、プログラムにしたがって遊技機を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載され(【0100】)、
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段として機能し、特定遊技状態に制御すると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機(【請求項1】、【0001】、【0010】、【0106】)において、
b 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、事前決定手段による決定に基づいて、変動表示が行なわれる変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから選択する変動パターン選択手段として機能し(【0010】)、
c 演出制御基板80には、演出制御用CPU101を含む演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載され(【0113】)、
演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた、演出図柄の変動表示を実行し(【0511】、【0513】)、確定演出図柄を完全停止表示させて導出表示し(図50のS571)(【0515】)、
d 16R大当りおよび7R大当りである場合には、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされ、2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、
変動表示中にリーチ図柄の組合せを表示せずに2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである、非リーチ特殊変動パターン種別と、
変動表示中に一旦リーチ図柄の組合せを表示した後、図柄が差替えられることにより最終的に2R大当り図柄の組合せとしてのチャンス目を表示する特殊な変動パターンである、リーチ特殊変動パターン種別とに種別分けされ(【0156】、【0246】)、
e 演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理(S802)において、演出表示装置9でのノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ状態を含む演出図柄の変動表示、および、当該変動表示に付随した大当り確定報知演出を実行可能とし(【0042】~【0043】、【0466】、【0469】、【0513】)、
第1遊技モード状態では、非リーチの通常変動パターン、第1~2ノーマルリーチ変動パターン、第1~3スーパーリーチ変動パターンを含む変動パターンが選択され、「第5スーパーリーチ」は、第3遊技モード状態でのみ選択される第5の特別な背景画像を用いたリーチ演出を行なう変動パターンであり(認定事項サ)、
スーパーリーチは、ノーマルリーチに比べて大当りが発生しやすいように大当りとなる信頼度が高く設定され(【0043】)、
f、f1、f2 大当り確定演出決定テーブルにおいては、2R第1大当りまたは2R第2大当り<7R大当り<16R大当りという大小関係で、大当り確定報知演出を実行すると決定する割合が設定され(【0451】)、
f3、g 変動表示の表示結果が「大当り」となるか否かを判定し(S551)、表示結果が「大当り」とならないときには、大当り確定報知演出設定処理を終了し(【0500】)、
h 第3遊技モードで実行される第4~5スーパーリーチの変動パターンのときには、第2特別演出で表示される第2特別キャラクタの模様と同じ第2の模様が付された演出図柄で第2特別演出が実行され、第1遊技モードで実行される通常変動の変動パターンのときには、特別なキャラクタ画像が表示されて大当りとなるか否かを煽る特別な演出が行なわれない(【0406】~【0407】、【0413】、認定事項シ)、
遊技機。」
(3)対比
本件補正発明と刊行物発明とを、分説に従い対比する。
(a)刊行物発明における「始動入賞が生じ」ること、「遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態」ことは、それぞれ、本件補正発明における「判定条件の成立」すること、「遊技者に所定の利益を付与する特別遊技」に相当する。
したがって、刊行物発明における「始動入賞が生じたときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するか否かを決定する」ことは、本件補正発明における「判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行」することに相当する。
そして、刊行物発明における「特定遊技状態に制御すると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる」ことは、本件補正発明における「特別遊技判定の結果に基づき特別遊技を行う」ことに相当する。
ゆえに、刊行物発明における構成aの「始動入賞が生じたときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段として機能し、特定遊技状態に制御すると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる」「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、本件補正発明における構成Aの「判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行し、当該特別遊技判定の結果に基づき前記特別遊技を行う」機能を有する。
よって、刊行物発明における構成aは、本件補正発明における構成Aに相当する。
(b)刊行物発明におけるの「事前決定手段による決定に基づ」くことは、上記aより、本件補正発明における「特別遊技判定の結果に基づ」くことに相当する。
したがって、刊行物発明における構成bの「遊技制御用マイクロコンピュータ560」は、本件補正発明における構成Bの「特別遊技判定の結果に基づいて変動パターンを決定する変動パターン決定手段」としての機能を有する。
(c)刊行物発明における「変動パターンに応じ」ることは、上記bより、本件補正発明における「変動パターン決定手段によって決定された前記変動パターンに応じ」ることに相当する。
そして、刊行物発明における「演出図柄の変動表示を実行」することは、本件補正発明における「表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行」う「変動演出を行う」ことに相当する。
また、刊行物発明における「確定演出図柄を完全停止表示させて導出表示」させることは、本件補正発明における「特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる」ことに相当する。
したがって、刊行物発明における構成cの「演出制御用マイクロコンピュータ100」は、本件補正発明における構成Cの「変動パターン決定手段によって決定された変動パターンに応じて、表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行った後に当該特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる変動演出を行う演出制御手段」としての機能を有する。
(d)刊行物発明における「16R大当りおよび7R大当りである場合には、ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別とに種別分けされ」ることは、「16R大当り」に複数の変動パターンが含まれることを意味する。
そうすると、刊行物発明における「16R大当り」に含まれる変動パターンは、本件補正発明における「第1変動パターン」に相当する。
また、刊行物発明における「2R第1大当りおよび2R第2大当りである場合には、非リーチ特殊変動パターン種別とリーチ特殊変動パターン種別とに種別分けされ」ることは、「2R第1大当りおよび2R第2大当り」に複数の変動パターンが含まれることを意味する。
そして、刊行物発明において、「ノーマルリーチ変動パターン種別と、スーパーリーチ変動パターン種別」に含まれる変動パターンと、特殊な変動パターンである「非リーチ特殊変動パターン種別とリーチ特殊変動パターン種別」に含まれる変動パターンとは、異なる変動パターンである。
したがって、刊行物発明における「2R第1大当りおよび2R第2大当り」に含まれる変動パターンは、本件補正発明における「第1変動パターンと異なる第2変動パターン」に相当する。
ゆえに、刊行物発明における構成dは、本件補正発明における構成Dの「変動パターンは、第1変動パターンと、当該第1変動パターンと異なる第2変動パターンとを含」むことに相当する。
(e)上記cより、刊行物発明における「演出図柄の変動表示を実行」することは、本件補正発明における「変動演出を行う」ことに相当することから、刊行物発明における「演出図柄変動中処理において」「実行可能」な演出は、本件補正発明における「変動演出中に実行される演出」に相当する。
そして、刊行物発明における「スーパーリーチといったリーチ状態を含む演出図柄の変動表示」は、大当りの発生のしやすさを示す「大当りとなる信頼度が高く設定され」ていることから、刊行物発明における「第5スーパーリーチ」による「変動表示」は、本件補正発明における「特別遊技が実行される可能性を示唆する所定のリーチ演出」に相当する。
また、刊行物発明における「変動表示に付随した大当り確定報知演出」は、演出図柄を停止表示させる前の「演出図柄変動中処理」において実行されるものであるから、本件補正発明における「識別図柄の停止表示を行う前に実行する特別遊技の実行の確定を告知する確定演出」に相当する。
したがって、刊行物発明における構成eの「演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理(S802)において、演出表示装置9でのノーマルリーチ、スーパーリーチといったリーチ状態を含む演出図柄の変動表示、および、当該変動表示に付随した大当り確定報知演出を実行可能」であることは、本件補正発明における構成Eの「変動演出中に実行される演出には、特別遊技が実行される可能性を示唆する所定のリーチ演出と、識別図柄の停止表示を行う前に実行する特別遊技の実行の確定を告知する確定演出とが含まれ」ることに相当する。
(f、f1、f2)刊行物発明は、「2R第1大当りまたは2R第2大当り」、「16R大当り」において、所定の割合で「大当り確定報知演出を実行する」ものである。
一方、上記dより、刊行物発明における「16R大当り」に含まれる複数の変動パターン、「2R第1大当りおよび2R第2大当り」に含まれる複数の変動パターンは、それぞれ、本件補正発明における「第1変動パターン」、「第2変動パターン」に相当する。
そして、刊行物発明において、「大当り確定報知演出」は、構成eより「演出制御用CPU101」により実行されるものである。
したがって、刊行物発明における「演出制御用CPU101」は、本件補正発明における構成H1の「変動パターン決定手段によって第1変動パターンが決定されている場合、及び、第2変動パターンが決定されている場合の何れにおいても確定演出を実行可能であ」る「演出制御手段」としての機能を有するものである。
また、刊行物発明は、「2R第1大当りまたは2R第2大当り」の場合よりも、「16R大当り」の場合に、大きな割合で「大当り確定報知演出を実行する」ものであることから、本件補正発明における「変動パターン決定手段によって第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能」な構成を備えるものである。
したがって、刊行物発明における「演出制御用CPU101」「を含む演出制御用マイクロコンピュータ100」は、本件補正発明における構成H2の「変動パターン決定手段によって第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能であ」る「演出制御手段」としての機能を有するものである。
(f3、g)刊行物発明は、「表示結果が「大当り」とならないときには、大当り確定報知演出設定処理を終了する」もの、すなわち、表示結果が「大当り」となるときに、大当り確定報知演出設定処理を実行するものである。
そして、刊行物発明における構成aより、「確変状態となる特別遊技状態」は、「通常の遊技状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である」ことから、刊行物発明は、「通常遊技状態」、「確変状態となる特別遊技状態」のいずれにおいても、「大当り遊技状態(16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、2R第2大当り)である特定遊技状態」が発生可能なものであることは明らかである。
そうすると、刊行物発明は、「通常遊技状態」、「確変状態となる特別遊技状態」のいずれの遊技状態においても、「大当り確定報知演出設定処理を実行」可能であるといえる。
したがって、刊行物発明における構成f3、gは、本件補正発明における構成F3の「通常遊技状態にて制御されているときと当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にて制御されているときとの何れのときでも確定演出を実行可能であ」ることに相当する。
また、刊行物発明において、変動表示の表示結果が「大当り」となる確率は、「通常遊技状態」のときよりも「確変状態となる特別遊技状態」のときの方が高いことは、当業者における技術常識である(例えば、刊行物1における【図9】の(A)大当り判定テーブルを参照。)ことから、「大当り確定報知演出」の実行確率は、「通常遊技状態」のときよりも「確変状態となる特別遊技状態」のときの方が高くなることは明らかである。
したがって、刊行物発明における構成f3、gは、本件補正発明における構成Iの「通常遊技状態にて制御されているときよりも有利遊技状態にて制御されているときの方が確定演出を実行する割合が高」いことに相当する。
(h)刊行物発明における「第3遊技モードで実行される第4~5スーパーリーチの変動パターンのとき」は、本件補正発明における「所定のリーチ演出が行われているとき」に相当する。
そして、刊行物発明における「第1遊技モードで実行される通常変動の変動パターンのとき」は、本件補正発明における「所定のリーチ演出が行われていないとき」に相当する。
また、刊行物発明における「第2特別演出で表示される第2特別キャラクタの模様と同じ第2の模様が付された演出図柄で第2特別演出が実行され」ることと、「特別なキャラクタ画像が表示されて大当りとなるか否かを煽る特別な演出が行なわれない」こととは、「演出図柄」に付される「模様」を異ならせることであることから、本件補正発明における「識別図柄の表示態様を異ならせる」に相当する。
したがって、刊行物発明における構成hは、本件補正発明における構成Hの「変動演出において、所定のリーチ演出が行われているときと所定のリーチ演出が行われていないときとで識別図柄の表示態様を異ならせる」ことに相当する。
上記(a)~(h)によれば、本件補正発明と刊行物発明は、
「A 判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行し、当該特別遊技判定の結果に基づき前記特別遊技を行う遊技機において、
B 前記特別遊技判定の結果に基づいて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
C 前記変動パターン決定手段によって決定された前記変動パターンに応じて、表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行った後に当該特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる変動演出を行う演出制御手段を備え、
D 前記変動パターンは、第1変動パターンと、当該第1変動パターンと異なる第2変動パターンとを含み、
E 前記変動演出中に実行される演出には、前記特別遊技が実行される可能性を示唆する所定のリーチ演出と、前記識別図柄の停止表示を行う前に実行する前記特別遊技の実行の確定を告知する確定演出とが含まれ、
F 前記演出制御手段は、
F1 前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合、及び、前記第2変動パターンが決定されている場合の何れにおいても前記確定演出を実行可能であり、
F2 前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合と、前記第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で前記確定演出を実行可能であり、
F3 通常遊技状態にて制御されているときと当該通常遊技状態よりも遊技者に有利な有利遊技状態にて制御されているときとの何れのときでも前記確定演出を実行可能であり、
G 前記通常遊技状態にて制御されているときよりも前記有利遊技状態にて制御されているときの方が前記確定演出を実行する割合が高く、
H 前記変動演出において、前記所定のリーチ演出が行われているときと前記所定のリーチ演出が行われていないときとで前記識別図柄の表示態様を異ならせる、
遊技機。」
の点で一致し、相違点はない。
したがって、本件補正発明は、刊行物発明である。
(4)請求人の主張について
請求人は、平成29年8月30日付けの審判請求書において、「本願発明の確定演出は、変動演出において識別図柄の停止表示を行う前に実行する特別遊技の実行の確定を告知する演出であります。(相違点1)
対して、引用文献1の確定演出は、変動パターンの一種である第2時短変動のことであります。
つまり、本願発明の確定演出と、引用文献1の確定演出とでは、確定演出の実行するタイミングが異なっています。
また、本願発明の確定演出は、第1変動パターンが決定されている場合、及び、第2変動パターンが決定されている場合の何れにおいても実行可能であって、第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で実行可能な演出であります。(相違点2)
対して、引用文献1の確定演出は、第1変動パターン(時短)では、実行されるが(実行確率20%)、第2変動パターン(スーパーリーチ)では、実行されない(実行確率0%)演出であります。
つまり、本願発明の確定演出と、引用文献1の確定演出とでは、第2変動パターンにおいて、確定演出を実行可能か否かが異なっています。
上記相違点を有する本願発明は、何れの変動パターンであっても確定演出が実行される可能性あることによって、遊技者をドキドキさせることができ、遊技の興趣を向上させることができるとの効果を有しています。」(第6頁下第8~25行)と主張する。
そこで、請求人の上記主張について検討する。
請求人の主張する相違点1は、本件補正発明における構成Eに関するものであり、相違点2は、本件補正発明における構成F3、Gに関するものである。
そして、本件補正発明において、構成Dが、構成E、F3、Gの前提技術となっているところ、当審においては、刊行物1に記載された「時短」、「スーパーリーチ」を、それぞれ、本件補正発明における構成Fの「第1変動パターン」、「第2変動パターン」に対応させて刊行物発明として認定したのではなく、刊行物1に記載された「16R大当り」に含まれる複数の変動パターン、「2R大当り」に含まれる複数の変動パターンを、それぞれ、本件補正発明における構成Fの「第1変動パターン」、「第2変動パターン」に対応させて刊行物発明として認定したものである(上記「(2)刊行物1」を参照。)。
そうすると、「上記(3)対比」において検討したように、刊行物発明における大当り確定報知演出に関連する構成d、e、f3、gは、本件補正発明における構成D、E、F3、Gに相当するものである。
したがって、請求人が主張する本件補正発明と刊行物発明との上記相違点1、2は、相違点ではなく、一致点となり、請求人が、本件補正発明が構成E、F3、Gを備えることにより奏すると主張する効果は、同一の構成を備える刊行物発明においても奏される効果である。
よって、請求人の上記主張を採用することはできない。
(5)小括
上記(3)、(4)において検討したように、本件補正発明は、刊行物発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
また、仮に、両者に相違点があってとしても、本件補正発明は、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4 まとめ
上記3において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成28年8月3日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「A 判定条件の成立に基づき遊技者に所定の利益を付与する特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を実行し、当該特別遊技判定の結果に基づき前記特別遊技を行う遊技機において、
B 前記特別遊技判定の結果に基づいて変動パターンを決定する変動パターン決定手段と、
C 前記変動パターン決定手段によって決定された前記変動パターンに応じて、表示手段において複数の識別図柄の変動表示を行った後に当該特別遊技判定の判定結果を示す停止態様で当該複数の識別図柄を停止表示させる変動演出を行う演出制御手段を備え、
D 前記変動パターンは、第1変動パターンと、当該第1変動パターンと異なる第2変動パターンとを含み、
E’ 前記変動演出中に実行される演出には、前記特別遊技が実行される可能性を示唆するリーチ演出と、前記特別遊技の実行の確定を告知する演出である確定演出とが含まれ、
F 前記演出制御手段は、
F2 前記変動パターン決定手段によって前記第1変動パターンが決定されている場合と、前記第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で前記確定演出を実行可能であり、
H’ 前記変動演出において、前記リーチ演出が行われているときと前記リーチ演出が行われていないときとで前記識別図柄の表示態様を異ならせる、
ことを特徴とする遊技機。」
2 拒絶の理由(平成28年12月20日付け)
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に日本国内において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2013-248453号公報(今回新たに提示)
引用文献2:特開2014-23831号公報(今回新たに提示、周知技 術を示す文献)
引用文献3:特開2003-62259号公報(今回新たに提示、周知技 術を示す文献)
3 刊行物
刊行物1(上記「引用文献1」に相当する。)の記載事項及び刊行物発明の認定については、前記「第2[理由]3(2)ア 刊行物」に記載したとおりである。
前記「第2[理由]3(2)ア 刊行物」のア~コの記載事項を総合すると、刊行物1には次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(a~f2’は、本願発明のA~F2に対応させて付与した。)。
「a 通常遊技状態、大当り遊技状態(16R大当り、7R大当り、2R第1大当り、2R第2大当り)である特定遊技状態、通常の遊技状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態となる特別遊技状態のいずれかの遊技モードに移行する制御が行なわれ(【請求項1】、【0001】、【0010】、【0057】)、
主基板31には、プログラムにしたがって遊技機を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載され(【0100】)、
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞が生じたときに、遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御するか否かを決定する事前決定手段として機能し、特定遊技状態に制御すると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態に移行させる遊技機(【請求項1】、【0001】、【0010】、【0106】)において、
b 遊技制御用マイクロコンピュータ560は、事前決定手段による決定に基づいて、変動表示が行なわれる変動時間が定められた変動パターンを複数種類の変動パターンのうちから選択する変動パターン選択手段として機能し(【0010】)、
c 演出制御基板80には、演出制御用CPU101を含む演出制御用マイクロコンピュータ100が搭載され(【0113】)、
演出制御用CPU101は、変動パターンに応じた、演出図柄の変動表示を実行し(【0511】、【0513】)、確定演出図柄を完全停止表示させて導出表示し(図50のS571)(【0515】)、
d’ 変動パターンには、第4遊技モード状態における16R、7R、2R大当たりである場合にのみ選択される第2時短変動パターンと、第3遊技モード状態である場合にのみ選択される第4、第5スーパーリーチ変動パターンとが含まれ(【0243】、【0245】、【図15】~【図20】)、
e’ 演出制御用CPU101は、演出図柄変動中処理(S802)において、演出表示装置9でのスーパーリーチといったリーチ状態を含む演出図柄の変動表示、超時短変動パターンである第2時短変動パターンによる変動表示を実行可能とし(【0042】~【0043】、【0236】、【0245】、【0466】、【0469】)、
スーパーリーチには、「第1スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」が含まれ(【0243】)、
第3スーパーリーチは、第1スーパーリーチと比べて、大当りとなるときに選択される割合が高く(【0258】)、
f、f2’ 演出制御用CPU101は、遊技制御用マイクロコンピュータ560により、変動パターンとして第2時短変動パターンが選択決定されたときには、超時短変動パターンにより変動表示を行ない、第4、第5スーパーリーチ変動パターンが選択決定されたときには、超時短変動パターンにより変動表示は行わない(【0236】、【0245】~【0466】、【0469】、【0513】、【図20】)、
遊技機。」
4 対比
本願発明と刊行物1発明とを分説に従い対比する。
刊行物1発明における構成a~cが、本願発明の構成A~Cに相当することは前記「第2[理由]3(3)対比」において検討したとおりである。
そこで、まず、刊行物1発明における構成d’と本願発明における構成Dとを対比する。
刊行物1発明における「第4遊技モード状態における16R、7R、2R大当たりである場合にのみ選択される第2時短変動パターン」は、本願発明における「第1変動パターン」に相当する。
また、刊行物1発明における「第3遊技モード状態である場合にのみ選択される第4、第5スーパーリーチ変動パターン」は、本願発明における「第1変動パターンと異なる第2変動パターン」に相当する。
次に、刊行物1発明における構成e’と本願発明における構成E’とを対比する。
前記「第2[理由]3(3)対比(e)」より、刊行物1発明における「演出図柄変動中処理において」「実行可能」な演出は、本願発明における「変動演出中に実行される演出」に相当する。
そして、刊行物1発明において、「第3スーパーリーチ」は、「第1スーパーリーチと比べて、大当りとなるときに選択される割合が高」いことから、「第1スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」は、共に、大当り遊技が実行される可能性のあることを示唆する演出であるといえる。
したがって、刊行物1発明における「第1スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」は、本願発明における「特別遊技が実行される可能性を示唆するリーチ演出」に相当する。
さらに、刊行物1発明における「超時短変動パターンである第2時短変動パターンによる変動表示」は、構成d’より、「第2時短変動パターン」が、「第4遊技モード状態における16R、7R、2R大当たりである場合にのみ選択される」変動パターンであることから、本願発明における「特別遊技の実行の確定を告知する演出である確定演出」に相当する。
したがって、刊行物1発明における構成e’は、本願発明における構成E’に相当する。
また、刊行物1発明における構成f、f2’と本願発明における構成F、F2とを対比する。
刊行物1発明における「演出制御用CPU101を含む演出制御用マイクロコンピュータ100」、「遊技制御用マイクロコンピュータ560」が、それぞれ、本願発明における「演出制御手段」、「変動パターン決定手段」としての機能を有することは、前記「第2[理由]3(3)対比(b)、(c)」において検討したとおりである。
そして、刊行物1発明における「第2時短変動パターン」において、「超時短変動パターンにより変動表示」演出は、必ず行われる(100%の確率で行われる)が、「第4、第5スーパーリーチ変動パターン」において、「超時短変動パターンにより変動表示」演出は、全く行われない(0%の確率で行われる)ものである。
ところで、本願発明における構成F2の「第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能」なことには、片方の確定演出の実行割合が0%のものを含む構成である。
したがって、刊行物1発明における構成f、f2’は、本願発明における構成F、F2の「演出制御手段は、変動パターン決定手段によって第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能であ」ることに相当する。
ゆえに、本願発明と刊行物1発明とは、次の点で相違し、その余の点で一致する。
[相違点](構成H’)
本願発明は、変動演出において、リーチ演出が行われているときとリーチ演出が行われていないときとで識別図柄の表示態様を異ならせるのに対して、刊行物1発明は、そのような構成を備えるか否か明らかでない点。
5 判断
(1)相違点について
遊技機の技術分野において、遊技の興趣を向上させるために、リーチ演出が行われているときといないときとで、識別図柄の表示態様を異ならせることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、原査定の拒絶の理由で周知技術として引用された特開2014-23831号公報(上記引用文献3)の【0092】~【0093】、【図4】には、リーチ状態となったときに図柄のサイズを変更させることが記載され、同じく、原査定の拒絶の理由で周知技術として引用された特開2003-62259号公報(上記引用文献4)の【0022】、【図16】~【図20】には、リーチ状態時に適宜のリーチ態様表示の演出が可能であることが記載され、特開2002-224335号公報の【0046】~【0047】、【0065】~【0071】、【0074】、【図3】には、通常状態の場合は、確定図柄とほぼ同一の態様の特別図柄を用いて変動表示され、リーチ状態の場合は、通常確率のリーチ状態であることを孵化直前の卵の態様を備えた第3図柄で表現し、少し高確率のリーチ状態であることをひよこ態様を備えた第3図柄で表現し、高確率のリーチ状態であることを鶏の態様を備えた第3図柄で表現した相異態様図柄を用いて変動表示されることが記載されている。以下「周知の技術事項1」という。)。
そして、刊行物1発明と上記周知の技術事項1とは、遊技の興趣を向上させるという同一の課題を解決するものである。
したがって、刊行物1発明に上記周知の技術事項1を適用して、第1スーパーリーチの変動パターンによる演出、第2スーパーリーチの変動パターンによる演出と、通常の変動パターンによる演出とで識別図柄の表示態様を異ならせ、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。
さらに、第2[理由]2(2)の「新規事項の追加」が仮にないとすれば、本願発明は、本件補正発明から、「確定演出」、「演出制御手段」に関する限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項をすべて含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記「第2[理由]3(3)対比、(4)請求人の主張について」に記載したとおり、刊行物発明であるから、あるいは、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物発明である、あるいは、刊行物発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
ここで、請求人の審判請求書における主張について検討する。
上記した、刊行物1発明における構成f、f2’と本願発明における構成F、F2との対比において、本願発明における構成F2の「第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能」なことには、片方の確定演出の実行割合が0%のものを含む構成であると、本願発明に関する認定を行った。
仮に、本願発明における構成F2の「第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能」なことには、片方の確定演出の実行割合が0%のものを含まない構成であるとした場合について、さらに、検討する。
遊技機の技術分野において、第1変動パターンが決定されている場合と、第2変動パターンが決定されている場合とで異なる実行割合で確定演出を実行可能とすることは、本願出願前に周知の技術事項である(例えば、特開2015-54195号公報の【請求項1】や、刊行物1の【0451】を参照。以下「周知の技術事項2」という。)。
したがって、刊行物1発明に上記周知の技術事項2を適用して、第4、第5スーパーリーチ変動パターンが選択決定されたときにも、確定演出を実行可能とすることは当業者が必要に応じてなし得たものである。
また、本願発明により奏される効果は、刊行物1発明若しくは刊行物発明、及び、上記周知の技術事項1~2から当業者が予測できる効果の範囲内のものであり、格別顕著なものとはいえない。
6 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。あるいは、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
したがって、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-012842