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特許拒絶査定不服審判

2017-012249

遊技機

審判番号
2017-012249
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-023448外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年08月17日
審決日
2018年06月29日
公報発行日
2018年10月26日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-23448号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年8月12日出願公開、特開2016-144583号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成27年2月9日の出願であって、平成28年9月1日に手続補正書が提出され、平成29年2月1日付けで拒絶の理由が通知され、平成29年4月6日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成29年5月16日付け(発送日:平成29年5月23日)で拒絶査定がなされ、それに対して、平成29年8月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされたものである。 また、前置審査において平成29年10月10日付けで前置報告書が作成され、同年11月8日に請求人より上申書が提出されている。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1.本件補正について 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1~3の記載を含む補正であり、本件補正により、特許請求の範囲の請求項2は、平成29年4月6日付けの手続補正書における、 「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 可変表示に対応する保留表示を、前記有利状態に制御される期待度に対応した複数の表示態様のいずれかで表示可能な保留表示手段と、 保留表示の表示態様が変化することを示唆する特別演出及び特定演出を実行可能な演出実行手段と、 を備え、 前記特定演出は、前記特別演出よりも保留表示の表示態様が変化する割合が高く、 前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示可能であることを特徴とする遊技機。」(以下「本件補正前請求項2」という。) から、 「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 可変表示に対応する保留表示を、前記有利状態に制御される期待度に対応した複数の表示態様のいずれかで表示可能な保留表示手段と、 C 保留表示の表示態様が変化することを示唆する特別演出及び特定演出を実行可能な演出実行手段と、 を備え、 D 前記特定演出は、前記特別演出よりも保留表示の表示態様が変化する割合が高く、 E 前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示可能であり、 F 前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しないことを特徴とする G 遊技機。」 に補正された(下線部は補正箇所を示す。また、A~Gは分説のため当審にて付与した。)。 2.補正の適否 本件補正は、補正前の請求項2に記載した発明を特定するために必要な事項である「特定演出」に関し、願書に最初に添付した図面のうち図31の記載事項等に基づいて、「特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」点を限定したものである。 また、本件補正前の特許請求の範囲の請求項2に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項2に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 よって、本件補正は、新規事項を追加するものではなく、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項2に係る発明は、その請求項2に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その請求項2に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について以下に検討する。 3.本件補正発明の独立特許要件についての検討 (1)本件補正発明について 本件補正発明の構成は、上記1.に示したとおりのものである。 (2)刊行物1に記載された発明 原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2014-195552号公報(以下「刊行物1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 ア 刊行物1の明細書には次の事項が記載されている。 「【0001】 本発明は、遊技機に関する。詳しくは、遊技領域に設けられた始動領域を遊技媒体が通過した後に開始条件が成立したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報の可変表示を行ない、可変表示の表示結果として特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。」 「【0008】 (2) 遊技領域(たとえば、遊技領域7)に設けられた始動領域(たとえば、第1始動入賞口13,第2始動入賞口14)を遊技媒体(たとえば、遊技球)が通過した後に開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて各々を識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、第1特別図柄,第2特別図柄,演出図柄)の可変表示を行ない、可変表示の表示結果として特定表示結果(たとえば、大当り表示結果)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御する遊技機(たとえば、パチンコ遊技機1)であって、 前記始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ前記開始条件が成立していない識別情報の可変表示について、所定の上限記憶数(たとえば、第1,2特別図柄のそれぞれについて4)の範囲内で保留情報として記憶可能な保留記憶手段(たとえば、図7の第1,2保留記憶バッファ)と、 前記保留記憶手段に記憶された保留情報に対応する保留表示が可能な保留表示手段(たとえば、第1保留記憶表示部18c,第2保留記憶表示部18d)と、 前記開始条件が成立したときに、可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを前記保留記憶手段に記憶された保留情報に基づいて決定する事前決定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図12のステップS61,ステップS71)と、 前記始動領域を遊技媒体が通過したときに、前記保留記憶手段に記憶された保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となるか否かを判定する通過時判定手段(たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ560、図11のステップS220)と、 前記通過時判定手段の判定に応じて、当該判定の対象となった保留情報に対応する保留表示を、特定態様(たとえば、青色、赤色)にすることが可能な特定態様表示手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図17のステップS729で保留記憶が表示される、図22のステップS518,ステップS524で決定された変化演出または変化ガセ演出が、図21のステップS506で開始された演出制御パターンの演出で実行され、保留記憶が変化させられる、または、変化させられない。)と、 保留表示が前記特定態様となるか否かに関する特定演出(たとえば、キャラクタA,Bによる変化演出,変化ガセ演出)として、第1特定演出(たとえば、キャラクタAによる変化演出,変化ガセ演出)および第2特定演出(たとえば、キャラクタBによる変化演出,変化ガセ演出)を実行可能な特定演出手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、図22のステップS518,ステップS524で決定された変化演出、変化ガセ演出が、図21のステップS506で開始された演出制御パターンの演出で実行され、保留記憶が変化させられる、または、変化させられない。)とを備え、 前記特定態様表示手段は、 前記通過時判定手段の判定の対象となった保留情報に対応する保留表示を、第1特定態様(たとえば、青色)、および当該第1特定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い(たとえば、図19参照)第2特定態様(たとえば、赤色)とすることが可能であり(たとえば、図19、図24参照)、 前記第2特定演出の実行後は前記第1特定演出の実行後と比べて高い割合で保留表示を前記第2特定態様とし(たとえば、キャラクタBでの変化演出の実行後は、キャラクタAでの変化演出の実行後と比べて、高い割合で、保留表示を赤にする。図19参照。)、 前記遊技機は、さらに、 前記第2特定演出を実行したが保留表示が前記特定態様にならなかったとき(たとえば、キャラクタBで変化ガセ演出が実行されたとき)に、当該保留表示を対象として前記第1特定演出が実行されることを制限する特定演出制限手段(たとえば、演出制御用マイクロコンピュータ100、キャラクタBの変化ガセ演出が実行された場合は、図22のステップS525,ステップS526で、図18の演出側保留記憶バッファのキャラクタBガセ実行済フラグが済を示すよう記憶され、ステップS523で、キャラクタBガセ実行済の保留記憶有りと判断された場合は、ステップS524に処理が進められず、変化ガセ演出が決定されない。なお、キャラクタA,Bの変化ガセ演出が全く実行されないことに限定されず、キャラクタAの変化ガセ演出の実行が少なくとも制限されるのであれば、キャラクタAの変化ガセ演出が全く実行されない、または、低い確率で実行されるようにするとともに、キャラクタAの変化演出およびキャラクタBの変化演出,変化ガセ演出を制限するようにしてもよいし、全く制限しないようにしてもよい。)を備え、 前記特定態様表示手段は、前記第1特定演出および前記第2特定演出の態様(たとえば変化演出または変化ガセ演出。具体的には、保留表示に作用、または、保留表示に作用せず通過。)に応じて異なる割合で保留表示を前記第2特定態様にする(たとえば、図23で示すように、保留表示を赤に変化させる場合は、100%、キャラクタA,Bによる変化演出を実行するが、保留表示を赤に変化させない場合は、変化演出を実行させて保留表示を青に変化させる場合、キャラクタA,Bによる変化ガセ演出を実行する場合、または、変化演出を実行しない場合がある)。」 「【0014】 (5) 上記(2)の遊技機において、 前記特定態様表示手段は、前記通過時判定手段の判定の対象となった保留情報に対応する保留表示を、所定態様(たとえば、白色)から前記第1特定態様(たとえば、青色)に変化させることが可能であるとともに、前記第1特定態様から前記第2特定態様(たとえば、赤色)に変化させることが可能である(たとえば、図19、図24参照)。 【0015】 このような構成によれば、段階的に期待度を高めることができる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。」 「【0219】 保留表示に対する先読み予告の演出を実行することが決定された場合は、図24(D)で示すように、演出図柄の変動表示が開始されたときにキャラクタ95が演出表示装置9に表示される。そして、図24(E)で示すように、キャラクタ95が保留表示に作用することによって、保留表示を白色の白色態様保留表示18cAから白色とは異なる有色態様保留表示18cBに変化させる「変化演出」を実行したり、図24(F)で示すように、キャラクタ95が保留表示に作用すると見せかけて実際には作用せずに白色態様保留表示18cAが変化しない「変化ガセ演出」を実行したりする。ここでは、保留表示への「作用」とは、キャラクタ95が保留表示をハンマーで叩くこととするが、これに限定されず、保留表示に変化を及ぼすとの印象を遊技者に与える演出であればよい。なお、白色態様保留表示18cAが変化しないときの演出としては、キャラクタ95が保留表示に作用するが白色態様保留表示18cAが変化しない演出を行なうようにしてもよい。 【0220】 キャラクタ95は、キャラクタAであり、キャラクタBは、図示しないが、キャラクタ95と形状が異なるキャラクタであることとする。なお、後述する図27で示すように、キャラクタBは、キャラクタ95と形状が同一で、模様または色彩(たとえば、髪の毛の模様または色彩)が異なるキャラクタ95Bであってもよい。」 「【0228】 図19は、変化パターン決定テーブルを示す説明図である。図19を参照して、保留表示を変化させる変化パターンには、変化をさせない(白色のままとする)「変化無し(白)」、青色に変化させる「青」、赤色に変化させる「赤」、および、保留記憶の消化までに青色から赤色に変化させる「青→赤」のパターンが含まれる。 【0229】 変化パターン決定テーブルでは、大当りまたはスーパーリーチはずれであるか、および、保留記憶数に応じて、それぞれの変化パターンに対する変化パターン決定用のランダムカウンタの乱数値の振分けが定められている。S726のような変化パターンを決定する処理では、変化パターン決定用の乱数値を抽出し、その抽出値に対応する変化パターンが、変化パターン決定テーブルを用いて選択決定される。 【0230】 この変化パターン決定テーブルにおいては、「赤」の場合の方が、「青」や「変化無し(白)」の場合よりも、大当りとなる期待度が高くなるように、振分けが定められる。つまり、大当りとすることが決定されている場合の方が、スーパーリーチはずれとすることが決定されている場合よりも、「変化無し(白)」および「青」が決定される割合に対する「赤」が決定される割合が高くなるように、振分けが定められる。 【0231】 また、この変化パターン決定テーブルにおいては、「青→赤」の場合の方が、「赤」の場合よりも、大当りとなる期待度が高くなるように、振分けが定められる。つまり、大当りとすることが決定されている場合の方が、スーパーリーチはずれとすることが決定されている場合よりも、「赤」が決定される割合に対する「青→赤」が決定される割合が高くなるように、振分けが定められる。 【0232】 なお、保留記憶数が1の場合に変化パターンとして「青」または「赤」が決定された場合は、白色の表示は経ずに、最初から青色または赤色で保留表示が表示される。」 「【0234】 図20は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。図20を参照して、図20(A)は、大当りとすることが決定され、変化パターンとして「青」または「赤」が決定された時の変化タイミング決定テーブルである。図20(B)は、スーパーリーチはずれとすることが決定され、変化パターンとして「青」または「赤」が決定された時の変化タイミング決定テーブルである。図20(C)は、大当りとすることが決定され、変化パターンとして「青→赤」が決定された時の変化タイミング決定テーブルである。図20(D)は、スーパーリーチはずれとすることが決定され、変化パターンとして「青→赤」が決定された時の変化タイミング決定テーブルである。 【0235】 「青」または「赤」の変化パターンが決定された時の変化タイミングとしては、始動入賞時のタイミングで変化させる「入賞時」、始動入賞してから2回目の変動表示のタイミングで白色から青または赤に変化させる「白→青・赤」、始動入賞してから3回目の変動表示のタイミングで白色から青または赤に変化させる「白→白→青・赤」、および、始動入賞してから4回目の変動表示のタイミングで白色から青または赤に変化させる「白→白→白→青・赤」が含まれる。なお、「青・赤」となっているタイミングにおいて「青」または「赤」のどちらに変化させるかは、図19の変化パターン決定テーブルを用いて選択された結果にしたがって定められる。 【0236】 「青→赤」の変化パターンが決定された時の変化タイミングとしては、・・・3回の変動表示で白、青、赤の順で変化させる「白→青→赤」、・・・4回の変動表示で白、白、青、赤の順で変化させる「白→白→青→赤」、4回の変動表示で白、青、青、赤の順で変化させる「白→青→青→赤」、および、4回の変動表示で白、青、赤、赤の順で変化させる「白→青→赤→赤」が含まれる。」 「【0256】 図23は、変化演出決定テーブルおよび変化ガセ演出決定テーブルを示す説明図である。図23(A)を参照して、変化演出決定テーブルは、変化パターンに応じて、変化演出の具体的な態様(キャラクタAまたはキャラクタBのいずれが保留表示に作用するかの態様)に対する変化演出決定用のランダムカウンタの乱数値の振分けが定められている。S518のような変化演出を決定する処理では、変化演出決定用の乱数値を抽出し、その抽出値に対応する変化演出が、変化演出決定テーブルを用いて選択決定される。 【0257】 変化演出決定テーブルにおいては、キャラクタBによる演出が実行された方が、キャラクタAによる演出が実行された場合よりも、保留表示が変化する期待度が高くなるように、振分けが定められる。つまり、変化演出を決定する場合においては、キャラクタAによる変化演出が決定される割合に対するキャラクタBによる変化演出が決定される割合が高くなるように、振分けが定められる。 【0258】 また、変化演出決定テーブルにおいては、キャラクタBによる変化演出が実行された方が、キャラクタAによる変化演出が実行された場合よりも、保留表示がより期待度の高い態様(赤色)に変化する期待度が高くなるように、振分けが定められる。つまり、赤色に変化する場合の方が、青色に変化する場合よりも、キャラクタAによる変化演出が決定される割合に対するキャラクタBによる変化演出が決定される割合が高くなるように、振分けが定められる。」 イ 刊行物1の図面には以下の事項が記載されている。 (ア)上記【0256】~【0257】の記載を参酌すると、図23(A)からは、「白→青」、「青→赤」の各変化パターンに対し、「キャラB」すなわち「キャラクタB」による変化演出がそれぞれ60%、70%の確率で実行されることを読み取ることができる。 (イ)図19からは、「変化パターン」が「変化なし(白)」である割合は、70~80%である「スーパーリーチはずれ」時の方が、30~50%である「大当り」時よりも高く、逆に「変化パターン」が「青」となる割合は、10~15%である「スーパーリーチはずれ」時よりも20%(「青→赤」も含めると20~50%)となる「大当り」時の方が高いことを読み取ることができる。 (ウ)上記【0219】~【0220】の記載事項を参酌すると、図24からは、その(D)~(E)にかけて、一回の変動中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、キャラクタ-95が保留表示18cAをたたく演出を伴って、保留表示18cAとは色の異なる保留表示18cBに変化させることを読み取ることができる。 ウ 上記アの各記載事項及び上記イで認定した図面の記載事項から、以下の事項が導かれる。 (ア)上記【0001】には「識別情報の可変表示を行ない、可変表示の表示結果として特定表示結果が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機」との記載がある。 よって、刊行物1には「可変表示を行い、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機」が記載されているといえる。 (イ)上記【0008】には「(2)」の遊技機として「保留情報に対応する保留表示を、特定態様(たとえば、青色、赤色)にすることが可能な特定態様表示手段」なる記載があり、ここでの「保留情報」について同段落には「事前決定手段」が「開始条件が成立したときに、可変表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否かを前記保留記憶手段に記憶された保留情報に基づいて決定する」ことが記載されている。 また、同段落には「保留情報に対応する保留表示を、第1特定態様(たとえば、青色)、および当該第1特定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い(たとえば、図19参照)第2特定態様(たとえば、赤色)とすることが可能」及び「前記保留記憶手段に記憶された保留情報に対応する保留表示が可能な保留表示手段(たとえば、第1保留記憶表示部18c,第2保留記憶表示部18d)」との記載があり、さらに【0014】には「上記(2)の遊技機において、 前記特定態様表示手段は、前記通過時判定手段の判定の対象となった保留情報に対応する保留表示を、所定態様(たとえば、白色)から前記第1特定態様(たとえば、青色)に変化させることが可能であるとともに、前記第1特定態様から前記第2特定態様(たとえば、赤色)に変化させることが可能である」もある。」と記載されている。 さらに、上記【0230】には、「「赤」の場合の方が、「青」や「変化無し(白)」の場合よりも、大当りとなる期待度が高くなる・・・つまり、大当りとすることが決定されている場合の方が、スーパーリーチはずれとすることが決定されている場合よりも、「変化無し(白)」および「青」が決定される割合に対する「赤」が決定される割合が高くなる」なる記載がある。ここで、「大当り」が前記【0008】の「可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる」場合にあたることは明らかである。 他方、上記イ(イ)で認定したとおり、図19からは、「変化パターン」が「変化なし(白)」である割合は、70~80%である「スーパーリーチはずれ」時の方が、30~50%である「大当り」時よりも高く、逆に「変化パターン」が「青」となる割合は、10~15%である「スーパーリーチはずれ」時よりも20%(「青→赤」も含めると20~50%)となる「大当り」時の方が高いことが看取できる。 この看取事項から、前記【0230】の記載事項にならえば、大当りとすることが決定されている場合の方が、スーパーリーチはずれとすることが決定されている場合よりも、「変化なし(白)」が決定される割合に対する「青」が決定される割合が高くなる、つまり、「青」の場合の方が、「変化無し(白)」の場合よりも、大当りとなる期待度が高くなる、といえる。 よって、刊行物1には、「可変表示の表示結果を決定づける保留情報に対応する保留表示を、所定態様(たとえば、白色)と、前記所定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い第1特定態様(たとえば、青色)と、前記第1特定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い第2特定態様(たとえば、赤色)と、のいずれかで表示可能な保留表示手段」が記載されているといえる。 (ウ)上記【0008】には「保留表示が前記特定態様となるか否かに関する特定演出(たとえば、キャラクタA,Bによる変化演出,変化ガセ演出)として、第1特定演出(たとえば、キャラクタAによる変化演出,変化ガセ演出)および第2特定演出(たとえば、キャラクタBによる変化演出,変化ガセ演出)を実行可能な特定演出手段・・・を備え」ることが記載されている。 よって、刊行物1には、「保留表示が特定態様となるか否かに関する、変化演出と変化ガセ演出とを含むキャラクタAによる第1特定演出とキャラクタBによる第2特定演出とを実行する特定演出手段を備え」ることが記載されているといえる。 (エ)上記【0257】には「変化演出決定テーブルにおいては、キャラクタBによる演出が実行された方が、キャラクタAによる演出が実行された場合よりも、保留表示が変化する期待度が高くなるように、振分けが定められる。」と記載されている。 これと上記(ウ)の摘記事項とから、刊行物1には、「第2特定演出は、第1特定演出よりも、保留表示が変化する割合が高い」ことが記載されているといえる。 (オ)a.上記【0014】には「前記特定態様表示手段は、前記通過時判定手段の判定の対象となった保留情報に対応する保留表示を、所定態様(たとえば、白色)から前記第1特定態様(たとえば、青色)に変化させることが可能であるとともに、前記第1特定態様から前記第2特定態様(たとえば、赤色)に変化させることが可能である」と記載されている。 b.上記【0219】~【0220】には、保留表示を変化させる具体的な演出として、「図24(E)で示すように、キャラクタ95が保留表示に作用することによって、保留表示を白色の白色態様保留表示18cAから白色とは異なる有色態様保留表示18cBに変化させる「変化演出」を実行し・・・キャラクタ95は、キャラクタAであり、キャラクタBは、図示しないが、キャラクタ95と形状が異なるキャラクタである」ことが記載されている。 c.上記【0234】~【0236】には、前記保留表示態様の変化の具体例として、「図20は、変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。・・・「青→赤」の変化パターンが決定された時の変化タイミングとしては、・・・3回の変動表示で白、青、赤の順で変化させる「白→青→赤」・・・が含まれる。」と記載されている。 d.上記【0256】~【0257】には「図23(A)を参照して、変化演出決定テーブルは、変化パターンに応じて、変化演出の具体的な態様(キャラクタAまたはキャラクタBのいずれが保留表示に作用するかの態様)に対する変化演出決定用のランダムカウンタの乱数値の振分けが定められている。・・・変化演出決定テーブルにおいては、キャラクタBによる演出が実行された方が、キャラクタAによる演出が実行された場合よりも、保留表示が変化する期待度が高くなるように、振分けが定められる。」と記載されている。 e.上記イ(ウ)の認定事項からは、「キャラクタA」または「キャラクタB」が保留表示に作用することによって保留表示の色を変化させる演出は、1回の変動中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、少なくとも1回実行されるものと理解される。また、この理解は、前記c.の3回の変動表示で保留表示の色が3段階変更されることと矛盾しない。 f.そして、「白→青」、「青→赤」の変化パターン何れに対しても「キャラB」すなわち「キャラクタB」による変化演出が実行されうることは上記イ(ア)で図23より認定したとおりであるし、該認定事項から、「白→青」の際に60%の確率で、「青→赤」の際に70%の確率で、「キャラクタB」による変化演出が実行されるのであるから、「白→青→赤」の順に変化する変化パターンの場合は、「白→青」の際に「キャラクタB」による演出が実行された場合すべてにおいて「青→赤」の際に「キャラクタA」による演出しか実行されないように設定することは不可能であり、必ず「白→青」、「青→赤」の何れの変化に対しても「キャラクタB」すなわち第2特定演出(上記(ウ))による演出が実行される場合が存在するといえる。 g.よって、刊行物1には、「第2特定演出が実行され、保留表示態様が変化する場合に、3回の変動表示における1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が所定態様から第1特定態様への変化である「白→青」の変化を実行し、前記3回の変動表示における前記1の変動表示中に後続する1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が該第1特定態様から第2特定態様への変化である「青→赤」の変化を実行することで、「白→青→赤」の順に変化する変化パターンを実行することが可能であ」ることが記載されているといえる。 エ 上記アの各記載事項、上記イ・ウの認定事項から、刊行物1には次の発明(以下「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる(a~gは、本件補正発明のA~Gに対応させて付与した。)。 「a 可変表示を行い、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であって、(ウ(ア)) b 可変表示の表示結果を決定づける保留情報に対応する保留表示を、所定態様(たとえば、白色)と、前記所定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い第1特定態様(たとえば、青色)と、前記第1特定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い第2特定態様(たとえば、赤色)と、のいずれかで表示可能な保留表示手段と、(ウ(イ)) c 保留表示が特定態様となるか否かに関する、変化演出と変化ガセ演出とを含むキャラクタAによる第1特定演出とキャラクタBによる第2特定演出とを実行する特定演出手段を備え、(ウ(ウ)) d 第2特定演出は、第1特定演出よりも、保留表示が変化する割合が高く、(ウ(エ)) e 第2特定演出が実行され、保留表示態様が変化する場合に、3回の変動表示における1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が所定態様から第1特定態様への変化である「白→青」の変化を実行し、前記3回の変動表示における前記1の変動表示中に後続する1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が該第1特定態様から第2特定態様への変化である「青→赤」の変化を実行することで、「白→青→赤」の順に変化する変化パターンを実行することが可能である、(ウ(オ)) g 遊技機。(ウ(ア))」 (3)刊行物2に記載された技術事項 原査定の拒絶理由において提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2013-158586号公報(以下「刊行物2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付した。以下同じ。)。 ア 刊行物2の明細書には次の事項が記載されている。 「【0330】 また、変動表示装置35の表示部35aの下部には、第1特図変動表示ゲームに関する始動記憶及び第2特変動表示ゲームに関する始動記憶を表示可能な表示領域35bが設けられている。表示領域35bには、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによって発生した始動記憶(第1始動記憶)が4個を上限として表示され、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって発生した始動記憶(第2始動記憶)が4個を上限として表示される。第1始動記憶の表示態様としては、例えば図28のパターンA~Cのような3パターンが用意されており、第2始動記憶の表示態様としては、図28のパターンD~Fのような3パターンが用意されている。 【0331】 第1始動記憶に関する表示態様において、パターンAは、青色の球状表示マークであって、第1特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性(信頼度)が報知されていない態様(通常表示態様)である。パターンBは、赤色の球状表示マークであって、信頼度が低い(大当りになる可能性が低い)ことを報知する態様である。パターンCは、赤色の球状表示マークの中に星が表示されており、信頼度が高い(大当りになる可能性が高い)ことを報知する態様である。第1始動入賞口37に遊技球が入賞した時には、通常、パターンAの始動記憶が変動表示装置35に表示される。 【0332】 第2始動記憶に関する表示態様において、パターンDは、サクラの花びら形状の表示マークであって、第2特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる可能性(信頼度)が報知されていない態様(通常表示態様)である。パターンEは、青色のサクラの花形状の表示マークであって、信頼度が低いことを報知する態様である。パターンFは、赤色のサクラの花形状の表示マークであって、信頼度が高いことを報知する態様である。第2始動入賞口38に遊技球が入賞した時には、通常、パターンDの始動記憶が変動表示装置35に表示される。 【0333】 なお、図28に示した始動記憶の表示態様は、一例であって、各表示態様が区別できるように表示される限り、始動記憶の表示色や形状等を任意に設定することができる。」 「【0340】 次に、図29及び図30を参照して、疑似連が行われる特図変動表示ゲーム中における予告演出の一例について説明する。疑似連とは、1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲームにおいて、擬似的に複数回の変動表示を行う特図変動表示ゲームをいう。具体的には、変動表示が開始された後、仮停止表示及び再変動を繰り返した後、本停止表示する特図変動表示ゲームをいう。 【0341】 図29(A)~図29(C)は疑似連による特図仮停止前の予告演出を示し、図30(A)~図30(D)は疑似連による特図仮停止後の予告演出を示す。図29(A)では表示領域35bにパターンDの始動記憶が3つ表示されており、これは第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって発生した第2始動記憶が3つあることを示している。 【0342】 疑似連が行われる特図変動表示ゲーム中に予告演出が実行されると、図29(A)に示すように、変動表示が仮停止する前にキャラクタC1が表示部35aの左上部に表示される。キャラクタC1は、図29(B)に示すように第2始動記憶に向かって飛んで行き、一番左側の第2始動記憶にタッチした後、図29(C)に示すように表示部35aの右上部に向かって飛んで行く。 【0343】 タッチされた第2始動記憶は、表示態様の変化を期待させるような中間表示態様となり(図29(B)参照)、その後当該第2始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの信頼度が低いことを報知するパターンEに変化する(図29(C)参照)。なお、第2始動記憶の表示態様は、中間表示態様の後、再び通常表示態様(パターンD)に戻るようにしてもよい。第2始動記憶の表示態様がどのように変化するかは、当該始動記憶に係る先読みコマンドに基づいて判断される。 【0344】 その後、図30(A)に示すように第2特図変動表示ゲームに係る飾り特図が仮停止すると、図30(B)に示すように当該飾り特図が再変動するタイミングでキャラクタC1とは色が異なるキャラクタC2が表示部35aの左上部に出現する。キャラクタC2は、図30(C)に示すように前回キャラクタC1がタッチした第2始動記憶に向かって飛んで行き、当該第2始動記憶にタッチした後、図30(D)に示すように表示部35aの右上部に向かって飛んで行き、表示部35aから消える。 【0345】 キャラクタC2にタッチされた第2始動記憶の表示態様は、タッチされた直後に中間表示態様となり、その後信頼度が高いことを報知するパターンFに変化(ランクアップ)する。なお、第2始動記憶の表示態様は、中間表示態様の後、通常表示態様(パターンD)に戻るようにしてもよい。第2始動記憶の表示態様がどのように変化するかは、当該始動記憶に係る先読みコマンドに基づいて判断される。 【0346】 このように疑似連を含む特図変動表示ゲーム中に予告演出が実行される場合には、始動記憶の表示態様変化による信頼度報知が疑似連の進行に応じて複数回行われるので、予告演出に対する期待感を段階的に楽しむことができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。」 「【0374】 次に、図37~図39を参照して、隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出の一例について説明する。図37(A)~図37(C)は隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出の前半を示し、図38(A)~図38(C)は隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出の中盤を示し、図39(A)及び図39(B)は隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出の後半を示す。 【0375】 隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出は、例えば保留されている始動記憶の中に特図変動表示ゲームの結果が大当りになる始動記憶が含まれている場合に実行される。 【0376】 図37(A)において、既に先読みされている左からの2番目の始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りになる場合について説明する。なお、この始動記憶は、図27等で示したキャラクタを用いた予告演出により先読みされたもの、又は従来手法と同様に遊技球の始動入賞口入賞時に先読みされたものである。 【0377】 特図変動表示ゲーム中に予告演出が開始されると、図37(B)に示すように隠蔽表示G1が変動表示装置35の表示部35aの下部に表示される。隠蔽表示G1は、一対の引き戸を模した表示である。 【0378】 隠蔽表示G1は、図37(B)に示すように開いた状態から徐々に閉じていき、図37(C)に示すように閉じた状態で停止する。このように隠蔽表示G1が閉じた状態では、隠蔽表示G1によって始動記憶の表示範囲である表示領域35bが覆われ、全ての始動記憶が隠蔽されて視認不能となる。 【0379】 そして、隠蔽表示G1は、図38(A)に示すように閉じた状態から徐々に開いていき、始動記憶が視認可能な状態となる。この時、図38(B)に示すように、大当りとなる特図変動表示ゲームに関する始動記憶(左から2番目の始動記憶)の表示態様がパターンBからランクアップしてパターンCに変更され、当該始動記憶に関する特図変動表示ゲームの信頼度が高いことが報知される。 【0380】 続いて、変動表示装置35の表示部35aの下部には、図38(C)に示すように隠蔽表示G2が表示される。隠蔽表示G2は、一対の引き戸を模した表示であるが、隠蔽表示G1とは異なる表示として構成されている。 【0381】 隠蔽表示G2は、図38(C)に示すように開いた状態から徐々に閉じていき、図39(A)に示すように閉じた状態で停止する。このように隠蔽表示G2が閉じた状態では、隠蔽表示G2によって始動記憶の表示範囲である表示領域35bが覆われ、全ての始動記憶が隠蔽されて視認不能となる。 【0382】 そして、隠蔽表示G2は閉じた状態から徐々に開いていき、図39(B)に示すように始動記憶が視認可能な状態となる。この時、大当りとなる特図変動表示ゲームに関する始動記憶(左から2番目の始動記憶)の表示態様がパターンCからランクアップして特定表示態様に変更される。この特定表示態様は、始動記憶表示中に「当」の文字が表示される態様であって、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りになることを報知するものである。 【0383】 上述した隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出によれば、始動記憶の表示態様を段階的にランクアップすることが可能となる。これにより、始動記憶表示変化に対する遊技者の関心を段階的に高めることができ、遊技の興趣をさらに高めることができる。 【0384】 なお、図37~図39では、始動記憶の表示態様がパターンBから、パターンCに変化し、最終的に特定表示態様になって大当り確定を報知するようにしたが、当初の始動記憶の表示態様が通常表示態様(パターンA)である場合には、パターンB、パターンCという順番で変化して、大当り確定を報知するのではなく信頼度が高いことを報知するようにしてもよい。」 イ 刊行物2の図面には以下の事項が記載されている。 (ア)上記【0330】~【0333】、【0340】~【0346】の記載を参酌すると、図28~30からは、擬似連が行われる特図変動表示ゲーム中におけるキャラクタを用いた予告演出として、特図仮停止前の3つの飾り特図の変動中にまず始動記憶として大当りの信頼度が「低」(図28)のパターンDが3つ表示されている状態で表示部35aにキャラクタC1が表示され(図29(A))、引き続き3つの飾り特図の変動中、該キャラクタC1が一番左側の第2始動記憶にタッチすると(図29(B))、引き続き3つの飾り特図の変動中、該第2始動記憶は大当りの信頼度が「中」(図28)のパターンEに変化し(図29(C))、3つの飾り特図は一旦仮停止し(図30(A))、その後3つの飾り特図が再変動するタイミングで表示部35aにキャラクタC2が表示され(図30(B))、引き続き3つの飾り特図の変動中、該キャラクタC2が一番左側の第2始動記憶にタッチすると(図30(C))、引き続き3つの飾り特図の変動中、該第2始動記憶は大当りの信頼度が「高」(図28)のパターンFに変化する(図30(D))過程からなる、1つの特図変動表示ゲーム中におけるキャラクタ演出を伴い始動記憶パターンが2段階連続変化する予告演出の態様を読み取ることができる。 (イ)上記【0330】~【0333】、【0374】~【0384】の記載を参酌すると、図28、図37~39からは、保留されている始動記憶の中に特図変動表示ゲームの結果が大当りになる始動記憶が含まれている場合に、特図変動表示ゲーム中に実行される隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出として、3つの飾り特図の変動中、左から2番目の始動記憶が大当りの信頼度が「中」(図28)のパターンBで表示され(図37(A))、引き続き3つの飾り特図の変動中、隠蔽表示G1が閉じることで始動記憶の表示領域35bを隠蔽し視認不能とし(図37(B)~(C))、引き続き3つの飾り特図の変動中、隠蔽表示G1が開いて始動記憶が視認可能になると、前記左から2番目の始動記憶が大当りの信頼度が「高」(図28)のパターンCで表示され(図38(A)~(B))、引き続き3つの飾り特図の変動中、隠蔽表示G2が閉じることで始動記憶の表示領域35bを隠蔽し視認不能とし(図38(C)~図39(A))、引き続き3つの飾り特図の変動中、隠蔽表示G2が開いて始動記憶が視認可能になると、前記左から2番目の始動記憶が大当りを報知する、すなわち大当りの確率が100%であることを示す、「当」の文字が表示された特定表示態様で表示される(図39(B))過程からなる、1つの特図変動表示ゲームの、3つの飾り特図の変動中における、隠蔽表示演出を伴い始動記憶パターンが2段階連続変化する予告演出の態様を読み取ることができる。 ウ したがって、上記の記載事項ア、イから、刊行物2には、次の技術事項が記載されていると認められる。 (ア)a.上記【0340】~【0345】には「1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲームにおいて、擬似的に複数回の変動表示を行う特図変動表示ゲーム」である「疑似連が行われる特図変動表示ゲーム中に予告演出が実行されると、・・・変動表示が仮停止する前にキャラクタC1が表示部35aの左上部に表示され・・・一番左側の第2始動記憶にタッチし」、「タッチされた第2始動記憶は、・・・その後当該第2始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの信頼度が低いことを報知するパターンEに変化する・・・。その後、・・・第2特図変動表示ゲームに係る飾り特図が仮停止」し、」「当該飾り特図が再変動するタイミングでキャラクタC1とは色が異なるキャラクタC2・・・は、・・・当該第2始動記憶にタッチし」、「キャラクタC2にタッチされた第2始動記憶の表示態様は、・・・その後信頼度が高いことを報知するパターンFに変化(ランクアップ)する。」ことが記載されている。 b.前記a.で認定した記載事項、及び上記イ(ア)の認定によれば、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出において、キャラクタが表示され、かつ第2始動記憶が変化する演出が行われている期間はいずれも、擬似的に複数回の変動表示を行う特図変動表示ゲームである疑似連の中で、3つの飾り特図が変動中の期間であるといえる。 よって、刊行物2には、「疑似連実行中に行われる、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出において、キャラクタの表示とそれに伴う第2始動表示の変化とを、何れも前記疑似連における3つの飾り特図の変動中に実行すること」が記載されているといえる。 c.また、前記記載事項及び上記イ(ア)の認定によれば、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出が行われている期間は、1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲームにおける、3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる擬似連の演出(変動)が行われている変動期間に属しているともいえる。 よって、刊行物2には、「1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲーム中に実行される、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出を、1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる擬似連の演出(変動)が行われている変動期間に実行すること」が記載されているといえる。 (イ)a.上記【0375】~【0383】には「保留されている始動記憶の中に特図変動表示ゲームの結果が大当りになる始動記憶が含まれている場合に実行される」、「始動記憶の表示態様を段階的にランクアップする」「隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出」が、「特図変動表示ゲーム中に・・・開始されると、」「大当りとなる特図変動表示ゲームに関する始動記憶(左から2番目の始動記憶)の表示態様がパターンB」である状態で「一対の引き戸を模した表示である」「隠蔽表示G1が変動表示装置35の表示部35aの下部に表示され・・・隠蔽表示G1は、・・・開いた状態から徐々に閉じていき、・・・閉じた状態で停止」し、「隠蔽表示G1によって始動記憶の表示範囲である表示領域35bが覆われ、全ての始動記憶が隠蔽されて視認不能となる。・・・そして、隠蔽表示G1は、・・・閉じた状態から徐々に開いていき、始動記憶が視認可能な状態となる。この時、・・・大当りとなる特図変動表示ゲームに関する始動記憶(左から2番目の始動記憶)の表示態様がパターンBからランクアップしてパターンCに変更され、当該始動記憶に関する特図変動表示ゲームの信頼度が高いことが報知される。・・・続いて、変動表示装置35の表示部35aの下部には、」「一対の引き戸を模した表示であるが、隠蔽表示G1とは異なる表示」である「隠蔽表示G2が表示される。」「隠蔽表示G2は、・・・開いた状態から徐々に閉じていき、・・・閉じた状態で停止」して、「隠蔽表示G2によって始動記憶の表示範囲である表示領域35bが覆われ、全ての始動記憶が隠蔽されて視認不能となる。・・・そして、隠蔽表示G2は閉じた状態から徐々に開いていき、・・・始動記憶が視認可能な状態となる。この時、大当りとなる特図変動表示ゲームに関する始動記憶(左から2番目の始動記憶)の表示態様がパターンCからランクアップして」「始動記憶表示中に「当」の文字が表示される態様であって、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果が大当りになることを報知する」、「特定表示態様に変更される。」こと(以下「記載事項イ-1」という。)が記載されているといえる。 b.上記【0384】の「図37~図39では、始動記憶の表示態様がパターンBから、パターンCに変化し、最終的に特定表示態様になって大当り確定を報知するようにしたが、当初の始動記憶の表示態様が通常表示態様(パターンA)である場合には、パターンB、パターンCという順番で変化して、大当り確定を報知するのではなく信頼度が高いことを報知するようにしてもよい」との記載から、前記記載事項イー1は、大当り信頼度が順次向上する表示であるパターンAからパターンBを経てパターンCに変化する、(確定報知である特定表示態様を含まない)予告演出としても実行されるといえる(以下「記載事項イー2」という。)。 c.前記隠蔽表示G1、G2を用いた予告演出は、記載事項イー1によれば、特図変動表示ゲーム中に開始されるものであり、該特図変動ゲームが該予告演出の途中で終了する飾り特図の仮停止を生じる擬似連であるとの言及がないこと、及び、上記イ(イ)の認定事項によれば、該予告演出の実行中にわたり、3つの飾り特図は変動中の状態が続いており、変更対象となる始動記憶が該予告演出の期間を通じて「左から2番目」で不変であること、から、前記予告演出は1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図が変動中である期間内に行われているものであるといえる。 d.以上a.~c.から、刊行物2には、「始動記憶の表示態様が、始動記憶の表示を一時的に隠蔽する隠蔽表示を伴って順次大当り信頼度が高くなる表示態様へ2段階連続的に変更される予告演出において、前記隠蔽表示とそれに伴う始動記憶の表示態様の2段階の変化とが、1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図が変動中である期間内に実行されること」が記載されているといえる。 (4)対比 ア  刊行物1発明の構成aの「可変表示を行い、遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する」こと、前記構成aおよび同発明の構成gの「遊技機」が、それぞれ、本件補正発明の構成Aの「可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能」であること、該構成A及び同構成Gの「遊技機」に相当することは明らかである。 イ 刊行物1発明の構成bの「可変表示の表示結果を決定づける保留情報に対応する保留表示」は、本件補正発明の構成Bの「可変表示に対応する保留表示」に相当する。 また、前記構成bの「可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる」ことは、上記(2)ウ(イ)で説示したとおり「大当り」に対応するから、該表示結果となった後は大当たり遊技に制御されることになるので、前記構成Bの「有利状態に制御される」ことに相当するといえる。 さらに、前記構成bにおける保留情報の複数の表示態様のうち、「所定態様」、「第1特定態様」、「第2特定態様」は、相互に保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度が異なるのであるから、該各「所定態様」、「第1特定態様」、「第2特定態様」からなる複数の態様は、前記構成Bの「前記有利状態に制御される期待度に対応した複数の表示態様」に相当するといえる。 よって、前記構成bの「可変表示の表示結果を決定づける保留情報に対応する保留表示を、所定態様(たとえば、白色)と、前記所定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い第1特定態様(たとえば、青色)と、前記第1特定態様よりも当該保留情報に基づく可変表示の表示結果が前記特定表示結果となる期待度の高い第2特定態様(たとえば、赤色)と、のいずれかで表示可能な保留表示手段」は、前記構成Bの「B 可変表示に対応する保留表示を、前記有利状態に制御される期待度に対応した複数の表示態様のいずれかで表示可能な保留表示手段」に相当する。 ウ 刊行物1発明の構成cの「保留表示が特定態様となるか否かに関する、変化演出と変化ガセ演出とを含むキャラクタAによる第1特定演出とキャラクタBによる第2特定演出」は、該各演出の実行により保留表示が特定態様となる場合が含まれるのであるから、本件補正発明の構成Cの「保留表示の表示態様が変化することを示唆する」演出に相当するといえる。 また、前記構成cの「キャラクタAによる第1特定演出」、「キャラクタBによる第2特定演出」は、ぞれぞれ、前記構成Cの「特別演出」、「特定演出」に相当する。 よって、前記構成cの「保留表示が特定態様となるか否かに関する、変化演出と変化ガセ演出とを含むキャラクタAによる第1特定演出とキャラクタBによる第2特定演出とを実行する特定演出手段」は、前記構成Cの「保留表示の表示態様が変化することを示唆する特別演出及び特定演出を実行可能な演出実行手段」に相当する。 エ 刊行物1発明の構成dの「第2特定演出は、第1特定演出よりも、保留表示が変化する割合が高」いことが、本件補正発明の構成Dの「前記特定演出は、前記特別演出よりも保留表示の表示態様が変化する割合が高」いことに相当することは明らかであるといえる。 オ 刊行物1発明の構成eの「第2特定演出が実行され、保留表示態様が変化する場合」は、本件補正発明の構成Eの「前記特定演出で」「保留表示の表示態様が変化する場合」に相当する。 また、前記構成eの「3回の変動表示における1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が所定態様から第1特定態様への変化である「白→青」の変化を実行し、前記3回の変動表示における前記1の変動表示中に後続する1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が該第1特定態様から第2特定態様への変化である「青→赤」の変化を実行することで、「白→青→赤」の順に変化する変化パターンを実行すること」は、保留表示の「白→青」や「青→赤」の変化が何れも段階的と言え、当然にこれらを合わせた「白→青→赤」の変化も段階的と言えることから、個々の「・・・変化を実行」すること、及び、該個々の「・・・変化を実行」を通じて「「白→青→赤」の順に変化する変化パターンを実行すること」が、共に、前記構成Eの「保留表示の段階的な表示態様の変化を・・・実行する」ことに相当するといえる。 一方、構成eは「3回の変動表示における1の変動表示中に・・・保留表示が所定態様から第1特定態様への変化である「白→青」の変化を実行し、前記3回の変動表示における前記1の変動表示中に後続する1の変動表示中に・・・保留表示が該第1特定態様から第2特定態様への変化である「青→赤」の変化を実行する」のであるから、保留表示の「白→青」、「青→赤」の各段階的な変化は、異なる保留に対する異なる変動表示において実行されており、該各段階的な変化が「連続的に表示」されているとまではいえない。 よって、前記構成eの「第2特定演出が実行され、保留表示態様が変化する場合に、3回の変動表示における1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が所定態様から第1特定態様への変化である「白→青」の変化を実行し、前記3回の変動表示における前記1の変動表示中に後続する1の変動表示中における、3つの演出図柄全てが変動している期間内に、保留表示が該第1特定態様から第2特定態様への変化である「青→赤」の変化を実行することで、「白→青→赤」の順に変化する変化パターンを実行することが可能である」ことは、前記構成Eと、「前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を表示可能であ」る点で共通する。 カ 上記ア~オによれば、本件補正発明と刊行物1発明とは、下記(ア)の点で一致し、下記(イ)、(ウ)の点で相違する。 (ア)一致点 「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 可変表示に対応する保留表示を、前記有利状態に制御される期待度に対応した複数の表示態様のいずれかで表示可能な保留表示手段と、 C 保留表示の表示態様が変化することを示唆する特別演出及び特定演出を実行可能な演出実行手段と、 を備え、 D 前記特定演出は、前記特別演出よりも保留表示の表示態様が変化する割合が高く、 E’前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を表示可能である、 G 遊技機。」 (イ)相違点1(構成E) 本件補正発明は、特定演出で保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を「連続的に」表示可能であるのに対し、刊行物1発明ではそのように特定されていない点。 (ウ)相違点2(構成F) 本件補正発明は、特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しないのに対し、刊行物1発明では、特定演出に相当する演出と装飾用識別情報を用いた演出の態様との関係について不明である点。 (5)相違点についての当審の判断 ア 相違点1について (ア)上記(3)ウのとおり、刊行物2には、 「疑似連実行中に行われる、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出において、キャラクタの表示とそれに伴う第2始動表示の変化とを、何れも前記疑似連における3つの飾り特図の変動中に実行すること」(以下「刊行物2記載事項1」という。)、 「1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲーム中に実行される、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出を、1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる疑似連の演出(変動)が行われている変動期間に実行すること」(以下「刊行物2記載事項2」という。)、及び、 「始動記憶の表示態様が、始動記憶の表示を一時的に隠蔽する隠蔽表示を伴って順次大当り信頼度が高くなる表示態様へ2段階連続的に変更される予告演出において、前記隠蔽表示とそれに伴う始動記憶の表示態様の2段階の変化とが、1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図が変動中である期間内に実行されること」(以下「刊行物2記載事項3」という。)、 が記載されている。 (イ)前記刊行物2記載事項1~3におけるキャラクタ表示及び隠蔽表示は何れも、本件補正発明の「保留表示」に相当する「始動記憶」(の表示態様)の変化が行われる際に、該変化に伴って実行される演出であるから、該「始動記憶」(の表示態様)の変化を示唆する演出であるといえるから、本件補正発明の構成Cの「保留表示の表示態様が変化することを示唆する・・・特定演出」に相当する。 (ウ)前記刊行物2記載事項1~3における、「始動記憶が2段階に連続的に変化する」演出、及び「始動記憶の表示態様が・・・2段階連続的に変更される」演出は何れも、1回の特図変動表示ゲーム中における演出であり、特図の変動の停止や保留記憶の消化を挟まずに始動記憶の2段階の変更が行われるのであるから、本件補正発明の構成Eの「保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示」することに相当するといえる。 また、上記イで認定したとおり前記各演出は、本件補正発明の「特定演出」に相当するキャラクタ表示または隠蔽表示を伴っており、このことは、前記構成Eにおける、「保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示」することが「特定演出で」行われると特定されていることに相当する。 (エ)よって、刊行物2記載事項1~3は何れも、上記相違点1に係る本件補正発明の構成Eに相当する構成を含むといえる。 イ 相違点2について (ア)前記刊行物2記載事項1~3における「飾り特図」は、本件補正発明の構成Fの「装職用識別情報」に相当する。 また、前記構成Fの「装飾用識別情報を用いた演出の態様」は、「3つの飾り特図」の何れがどのように停止し、何れがどのように変動しているかといった変動・停止の演出のパターンが対応するといえるから、該「装飾用識別情報を用いた演出の態様」には、刊行物2記載事項1の「疑似連における3つの飾り特図の変動中」であること、刊行物2記載事項2の「3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる疑似連の演出(変動)が行われている」こと、刊行物2記載事項3の「3つの飾り特図が変動中である」こと、がそれぞれ相当する。 (イ)前記刊行物2記載事項1の「キャラクタの表示とそれに伴う第2始動表示の変化とを、何れも前記疑似連における3つの飾り特図の変動中に実行すること」、及び、前記刊行物2記載事項3の「前記隠蔽表示とそれに伴う始動記憶の表示態様の2段階の変化とが、1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図が変動中である期間内に実行されること」は、いずれも、上記のとおり本件補正発明の「特定演出」に相当する「キャラクタの表示」や「隠蔽表示」が実行される期間が、1回の特図変動ゲーム中における、3つの飾り特図すべてが変動中である期間内である点で共通する。 そして、ここでの「3つの飾り特図がすべて変動中である」という状態は、本件補正発明の構成Fの「装飾用識別情報を用いた演出の態様」の一形態に相当するから、該刊行物2記載事項1、3において、「キャラクタの表示」や「隠蔽表示」が実行されている期間の何れでも、「3つの飾り特図がすべて変動中である」という状態に変わりがないということは、前記構成Fの「前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」ことに相当するといえる。 (ウ)また、前記刊行物2記載事項2の「キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出を・・・1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる疑似連の演出(変動)が行われている変動期間に実行すること」における、「3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる疑似連の演出(変動)」は、「疑似連」という3つの飾り特図の変動と停止との組合せからなるひとまとまりの演出であるから、本件補正発明の構成Fの「装飾用識別情報を用いた演出の態様」の一態様に相当するといえる。 そうすると、前記刊行物2記載事項2の「1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲーム中に実行される、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出を、1個の始動記憶消化に対する1回の特図変動表示ゲーム中における、3つの飾り特図に対し変動と仮停止とを繰り返すいわゆる疑似連の演出(変動)が行われている変動期間に実行すること」は、「キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する予告演出」が行われるのがいずれも「いわゆる疑似連の演出(変動)が行われている変動期間」であって、3つの飾り特図の変動と停止の組合せからなる演出の態様に変わりがないということであるといえるから、前記構成Fの「前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」ことに相当するといえる。 (エ)よって、刊行物2記載事項1~3は何れも、上記相違点2に係る本件補正発明の構成Fに相当する構成を含むといえる。 ウ そして、刊行物1発明と刊行物2記載事項1~3とは、共に、可変表示中における、示唆演出を伴った保留表示の多段階変更に関するものである点で共通する。 また、本件補正発明により奏される効果は、当業者が、刊行物1発明及び刊行物2記載事項1~3から予測し得た範囲内のものであって、格別のものではない。 よって、刊行物1発明に前記刊行物2記載事項1~3の何れかを適用し、刊行物1発明における、示唆演出を伴って保留表示が多段階に変更される演出を、何れも装飾用識別情報を用いた演出の態様に変化がない期間に連続的に行うようにして、上記相違点1、2の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 (6)請求人の主張について ア 審判請求書における主張について 請求人は審判請求書5.(2)において、 「引用文献1-3は、請求項2に係る発明の特徴(B)である「前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示可能であり、前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」との構成を開示も示唆もしていません。 審査官殿は、引用文献2に記載のように、1回の特図変動表示ゲームの擬似連の仮停止前後で保留表示の態様が変化することをも、「保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示」していることに他ならないと認定されました。 しかしながら、請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明と同様に、「前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」ようになっています。即ち、特定演出が実行されて保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示している期間においては、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しないようになっています。 従って、請求項2に係る発明は、引用文献2に記載の遊技機のように、擬似連の仮停止前後で保留表示の表示態様が変化するものではありません。 また、請求項2に係る発明は、「前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」ことで、保留表示の段階的な表示態様の変化の連続性を高めることができます。 これに対して、引用文献2に記載の遊技機では、1回の特図変動表示ゲームの擬似連の仮停止前後で保留表示の態様が変化するようになっているため、擬似連の仮停止によって演出の連続性が損なわれます。そのため、引用文献2に記載の遊技機は、請求項2に係る発明のような作用効果を奏することはありません。」 と主張している。 イ また、請求人は平成29年11月8日付け上申書において、 「請求項2に係る発明は、「前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示可能であり、前記特定演出が実行されている期間において、実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」ことを特徴とします。 より具体的には、本願の図30に示すように、変化演出Aが実行されて保留表示が白色から青色、緑色と連続的に変化する期間において、下方向の矢印で示される飾り図柄の可変表示の態様は変化せず、「擬似連」における飾り図柄の仮停止、「滑り」等の可変表示演出、リーチ演出が発生しないことを特徴とします。 これに対して、引用文献2の段落0342~0344には、「疑似連が行われる特図変動表示ゲーム中に予告演出が実行されると、図29(A)に示すように、変動表示が仮停止する前にキャラクタC1が表示部35aの左上部に表示される。キャラクタC1は、図29(B)に示すように第2始動記憶に向かって飛んで行き、一番左側の第2始動記憶にタッチした後、図29(C)に示すように表示部35aの右上部に向かって飛んで行く。」「タッチされた第2始動記憶は、表示態様の変化を期待させるような中間表示態様となり(図29(B)参照)、その後当該第2始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの信頼度が低いことを報知するパターンEに変化する(図29(C)参照)。」「その後、図30(A)に示すように第2特図変動表示ゲームに係る飾り特図が仮停止すると、図30(B)に示すように当該飾り特図が再変動するタイミングでキャラクタC1とは色が異なるキャラクタC2が表示部35aの左上部に出現する。」ことが記載されています。 即ち、図30(A)の変動表示の仮停止の前後の期間において、第2始動記憶の表示態様が変化しています。逆にいえば、第2始動記憶の表示態様が変化する期間において、変動表示が仮停止しています。 従って、請求項2に係る発明の上記特徴は引用文献2には全く記載されていません。」 と主張している。 ウ(ア)上記ア、イにおいて請求人は、上記刊行物2に対応する引用文献2の記載事項では「1回の特図変動表示ゲームの擬似連の仮停止前後で保留表示の態様が変化するようになっているため、擬似連の仮停止によって演出の連続性が損なわれ」る点、「第2始動記憶の表示態様が変化する期間において、変動表示が仮停止してい」る点、で本件補正発明と相違する旨主張している。 (イ)しかし、本件補正発明の構成Fにおいて「実行中の装飾用識別情報を用いた演出の態様が変化しない」と特定しているのは「前記特定演出が実行されている期間」であるところ、上記刊行物2記載事項1における「始動記憶の表示態様が変化する期間」は、擬似連の仮停止の前の変動期間と後の再変動の期間とであって、仮停止している期間においては始動記憶の変化も、それに伴う、特定演出に相当するキャラクターの表示も、行われていないことが明らかであるから、刊行物2に記載された技術事項では前記「第2始動記憶の表示態様が変化する期間において、変動表示が仮停止してい」るとの主張はあたらない。 また、上記刊行物2記載事項1における、第2始動記憶が2段階に変化する予告演出は、上記(3)ア、イによれば、色違いのキャラクタC1、C2が順次表示されるのに応じて第2始動記憶が順次1段階ずつ変更されるという、連続性のある一連の演出であり、仮停止を挟んでもそのことが遊技者に容易に認識されうることが明らかであるから、「演出の連続性が損なわれる」との主張もあたらない。 (ウ)また、仮に本件補正発明の構成Fにおける「特定演出が実行されている期間」が、特定演出にあたる示唆演出が最初に実行されてから、途中実行されていない期間を含め、最後に実行されるまでの期間を意味すると解釈できるとしても、示唆演出を伴って2段階に保留表示が変更される演出を、途中に特図変動の仮停止を挟まずに実行することも、上記刊行物2記載事項3として認定したとおり、刊行物2に記載されているから、上記「擬似連の仮停止によって演出の連続性が損なわれ」るとの主張もあたらない。 (エ)また、本件補正発明における「装飾用識別情報を用いた演出の態様」なる特定事項には、当該分野の技術常識に基づけば、請求人が主張するような個々の装飾図柄の動静のみならず、「擬似連」をはじめ「滑り」、「リーチ」、「全回転」など、個々の装飾図柄の瞬間的及び時間的な動静の組合せからなるまとまりのある「演出」の形態も含まれると解するのが相当である。 そうすると、上記刊行物2記載事項2として認定したとおりの、キャラクタ表示を伴って第2始動記憶が2段階に連続的に変化する一連の予告演出が、一回の特図変動表示ゲーム内の、装飾図柄によって擬似連演出が行われている期間内に実行されるような形態も、前記構成Fに含まれるといえるのであり、このことからも、上記請求人の、「擬似連の仮停止によって演出の連続性が損なわれ」るとの主張はあたらない。 (オ)以上のとおりであるから、審判請求書及び平成29年11月8日付け上申書における審判請求人の上記主張は何れも採用できない。 (7)小括 したがって、上記(4)~(6)において検討したように、本件補正発明は、刊行物1発明及び刊行物2記載事項1~3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4.むすび 上記3.において検討したことからみて、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~3に係る発明は、平成29年4月6日付けの手続補正書により補正された、特許請求の範囲の請求項1~3に記載されたとおりのものであるところ、その請求項2に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記「第2[理由]1.本件補正について」に「本件補正前請求項2」として記載したとおりのものである。(A~Gの番号は分説のため当審にて付与した。上記本件補正発明の各構成と実質的に共通する構成については、共通する番号を付した。) 「A 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、 B 可変表示に対応する保留表示を、前記有利状態に制御される期待度に対応した複数の表示態様のいずれかで表示可能な保留表示手段と、 C 保留表示の表示態様が変化することを示唆する特別演出及び特定演出を実行可能な演出実行手段と、 を備え、 D 前記特定演出は、前記特別演出よりも保留表示の表示態様が変化する割合が高く、 E 前記特定演出では、保留表示の表示態様が変化する場合に、保留表示の段階的な表示態様の変化を連続的に表示可能であることを特徴とする G 遊技機。」 2.原査定の拒理の理由 原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 <理由> (1)この出願の下記の請求項1、2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1~2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 (2)この出願の下記の請求項3に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1~3に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <刊行物等> 引用文献1.特開2014-195552号公報 引用文献2.特開2013-158586号公報 引用文献3.特開2014-138766号公報 3.刊行物 原査定の拒絶の理由に引用文献1、2として引用された刊行物1、2の記載事項は、上記第2の3.(2)、(3)に記載したとおりである。 4.対比・判断 本願発明は、本件補正発明の発明特定事項から、上記構成Fにあたる、上記第2の1.の下線部の構成を省いたものである。 上記第2の3.(4)~(6)で検討したとおり、本件補正発明と刊行物1発明との相違点は構成E及びFに関する点のみであり、そのうち構成Fは前記のとおり本願発明では省かれている。 そうすると、本願発明と刊行物1発明との間には、構成Eに係る上記相違点1と同様の相違点のみが存在する。 しかし、相違点1に係る構成が当業者にとって想到容易であることは、上記第2の3.(5)ア、ウ及び(6)で説示したとおりである。 したがって、本願発明は、刊行物1発明及び刊行物2記載事項1~3に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。 5.むすび 以上のとおり、本願発明は、その出願前日本国内において頒布された刊行物1、2に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-012249

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