特許拒絶査定不服審判
2017-010336
熱源ユニット
- 審判番号
- 2017-010336
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-018431外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年07月11日
- 審決日
- 2018年08月20日
- 公報発行日
- 2018年11月30日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】東芝キヤリア株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人スズエ国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (F24F) / P18 .572-Z (F24F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-18431号「熱源ユニット」拒絶査定不服審判事件〔平成27年7月16日出願公開、特開2015-129632号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、2010年(平成22年)7月27日(優先権主張平成21年7月28日、平成21年7月28日)を国際出願日とする特願2011-524796号の一部を、平成25年7月8日に新たな特許出願とした特願2013-143062号の一部をさらに平成27年2月2日に新たな特許出願としたものであって、平成27年2月2日に手続補正書が提出され、平成27年12月21日付けで拒絶理由が通知され、平成28年3月7日に意見書及び手続補正書が提出され、平成28年8月3日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成28年10月17日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年3月28日付けで平成28年10月17日の手続補正についての補正の却下の決定がされ、平成29年3月28日付けで拒絶査定がされ、これに対して、平成29年7月11日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 平成29年7月11日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成29年7月11日付けの手続補正を却下する。
[理由]
平成29年7月11日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲に関して、本件補正により補正される前の(すなわち、平成28年3月7日に提出された手続補正書により補正された)下記の(1)に示す請求項1ないし4を下記の(2)に示す請求項1ないし3に補正することを含むものである。
(なお、平成28年10月17日の手続補正は、上記第1のとおり平成29年3月28日付けの補正の却下の決定により却下された。)
(1)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
1つの熱源ユニットに、
空気熱交換器と、膨張弁と、四方弁と、1台の圧縮機と、水熱交換器を構成する冷媒流路と、で構成される冷凍サイクルを4系統備え、
さらに、前記空気熱交換器に空気を送風する4つの送風機を、前記熱源ユニットの長手方向に配置してなる
ことを特徴とする熱源ユニット。
【請求項2】
前記4系統の冷凍サイクルのうち、1系統の冷凍サイクルずつ除霜運転することを特徴とする請求項1に記載の熱源ユニット。
【請求項3】
前記4系統の冷凍サイクルの空気熱交換器は、所定間隔を存し前記長手方向に並んで配置され、かつ前記長手方向に隣接する前記空気熱交換器からの熱交換空気の侵入を防止する遮蔽板を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱源ユニット。
【請求項4】
1つの熱源ユニットに、
空気熱交換器と、膨張弁と、四方弁と、圧縮機と、水熱交換器を構成する冷媒流路と、
で構成されるそれぞれ独立した第1ないし第4の冷凍サイクルと、
戻り管となる第3の水配管と、導出管となる第2の水配管と、前記第3の水配管と前記第2の水配管の間に設けられる第1の水配管と、を備えた熱源ユニットであって、
前記第3の水配管と前記第1の水配管との間で、前記第1の冷凍サイクルと前記第2の冷凍サイクルの前記冷媒流路が前記水配管に対して並列に配置され、
前記第1の水配管と前記第2の水配管との間で、前記第3の冷凍サイクルと前記第4の冷凍サイクルの前記冷媒流路が前記水配管に対して並列に配置される、
ことを特徴とする熱源ユニット。」
(2)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
一列に並べられた4組の熱交換器モジュールを備え、各熱交換器モジュールが互いに向かい合う一対の空気熱交換器と、前記空気熱交換器に空気を送風する送風機と、を有する熱交換部と、
前記熱交換部の下に設けられた機械室と、を具備した熱源ユニットであって、
前記4組の熱交換器モジュールの前記空気熱交換器は、夫々一台の圧縮機、四方切換え弁および膨張弁を含む冷凍サイクル構成部品とともに4系統の独立した冷凍サイクルを構成し、
前記機械室に、前記冷凍サイクル構成部品と、2系統の前記冷凍サイクルが夫々接続される冷媒流路および水流路を有する第1の水熱交換器と、残りの2系統の前記冷凍サイクルが夫々接続される冷媒流路および水流路を有する第2の水熱交換器と、前記送風機および前記冷凍サイクル構成部品を制御する電気部品を収めた電装品箱と、が収容され、前記電装品箱が前記機械室内で前記熱交換器モジュールの下に位置されたことを特徴とする熱源ユニット。
【請求項2】
前記4系統の冷凍サイクルのうち、1系統の冷凍サイクルずつ除霜運転することを特徴とする請求項1に記載の熱源ユニット。
【請求項3】
4組の前記熱交換器モジュールは、一対の前記空気熱交換器の対向方向と直交する方向に所定の間隔を存して並んでいるとともに、前記熱交換器モジュールの配列方向に隣接する前記空気熱交換器からの熱交換空気の侵入を防ぐ遮蔽板を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の熱源ユニット。」
[2]本件補正の目的について
(1)本件補正後の請求項1ないし3に係る発明は、それぞれ本件補正前の請求項1、請求項1を引用する請求項2及び請求項1または2を引用する請求項3における発明特定事項に対して、少なくとも、「空気熱交換器に空気を送風する」、「送風機」についての「熱源ユニットの長手方向に配置してなる」という事項を削除する補正をしたものであり、当該補正は、直列的に記載された発明特定事項の一部の削除に相当するから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
また、上記補正は、請求項の削除、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しない。
(2)本件補正後の請求項1ないし3に係る発明は、それぞれ本件補正前の請求項1、請求項1を引用する請求項2及び請求項1または2を引用する請求項3に対して、少なくとも、「熱交換部の下に設けられた機械室」及び、「前記機械室に、前記冷凍サイクル構成部品と、2系統の前記冷凍サイクルが夫々接続される冷媒流路および水流路を有する第1の水熱交換器と、残りの2系統の前記冷凍サイクルが夫々接続される冷媒流路および水流路を有する第2の水熱交換器と、前記送風機および前記冷凍サイクル構成部品を制御する電気部品を収めた電装品箱と、が収容され、前記電装品箱が前記機械室内で前記熱交換器モジュールの下に位置された」という事項を付加する補正をしたものであるが、当該補正は、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定する補正とはいえないから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当しない。
また、上記補正は、請求項の削除、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明のいずれにも該当しない。
したがって、上記(1)及び(2)の補正を含む本件補正は、特許法第17条の2第5項の各号に掲げるいずれの事項を目的とするものにも該当せず、同法第17条の2第5項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
よって、[補正却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本願発明について
1.本願発明
本件補正は、上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年3月7日提出の手続補正書により補正された明細書、出願当初の図面及び平成28年3月7日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲からみて、上記第2[理由](1)の【請求項1】に記載したとおりのものである。
2.原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由(拒絶査定における理由)は、平成28年8月3日付け拒絶理由通知書(最後)に記載した理由であって、本願の請求項1ないし4に係る発明は、本願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の引用例1ないし6に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
・請求項1ないし4
・引用例1ないし6
引用例1(特に【図1】、【図5】を参照)、引用例2(特に【図1】を参照)、引用例3(特に第1図を参照)にあるように、1つの熱源ユニットに冷凍サイクルを複数系統備える構成は、この出願前によく知られたものである。
そして引用例4(特に段落【0039】、【図3】、【図4】を参照)には、空気熱交換器に空気を送風する4つ以上の送風機を、熱源ユニットの長手方向に配置する点が記載されている。
そのほか、引用例5(特に段落【0016】、【図1】を参照)、引用例6(特に明細書第4ページ第11ないし16行、第1図を参照)にあるように、複数の送風機の配置は、様々なパターンで配置可能である。
そうすると、引用例1ないし3のような複数系統の冷凍サイクルが備える送風機の配置は、引用例4ないし6で示されるように様々なパターンが選択可能なものである。
<引用例一覧>
1.特開2008-267722号公報
2.特開2007-187353号公報
3.特開昭54-142642号公報
4.特開2002-243209号公報
5.特開2000-346402号公報
6.実願昭54-111347号(実開昭56-29762号)のマイクロフィルム
第4 引用文献
1.引用文献1(原査定における引用例3)
原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献である、特開昭54-142642号公報(以下、「引用文献1」という。)には、「冷暖房装置」に関して第1図とともに以下の記載がある。(下線は、理解の一助のために当審が付与した。以下、同様。)
(1)引用文献1の記載
1a)「第1図において、(100)は第1の冷凍サイクル、(200)は第2の冷凍サイクルである。そして、第1と第2の冷凍サイクルは構成が同じであるため、以下第1の冷凍サイクル(100)を説明し、第2の冷凍サイクル(200)の説明は省略する。
即ち、(101)は圧縮機、(102)は冷凍サイクルを暖房サイクルと冷房(または暖房運転時における除霜)サイクルとにサイクル切替を行なう四方切替弁であつて、実線の接続回路は暖房運転時を、点線の接続回路は冷房(または除霜)運転時を示す。(103)は利用側の水側熱交換器、(104)は水側熱交換器(103)内に設けられてある熱交換コイル、(105)は紋り装置、(106)は非利用側の空気側熱交換器、(107)は空気側熱交換器(106)用の送風機である。」(公報第2ページ右上欄第4ないし19行)
1b)「従つて、第1図の冷凍サイクル上に冷媒の循環方向を実線矢印により示してある暖房サイクルを形成して暖房運転させると、圧縮機(101)により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、四方切替弁(102)を経て熱交換コイル(104)に供給され、水側熱交換器(103)内の水と熱交換して水温を上昇させて液冷媒となり、紋り装置(105)で減圧されて空気側熱交換器(106)に供給され、送風機(107)により送風される空気と熱交換して低温低圧ガスとなり、四方切替弁(102)を経て圧縮機(101)に吸入される。」(公報第2ページ右上欄第20行ないし左下欄第10行)
1c)「このようにして暖房運転を行なうと、空気側熱交換器(106)には空気を冷却したときに、空気中の水分が霜となって付着し、熱交換能力を低下させるため、着霜を検出して除霜することが必要となる。(109)は着霜を検出するための除霜検知サーモであつて、空気側熱交換器(106)に設けられた蒸発温度検出部(110)と外気温度の検出できる所定場所に設けられた外気温度検出部(111)とを有しており、これらの検出部から出される信号を受けて除霜の開始と終了時期を検出している。しかして、除霜開始を検出したときにおいて、第2の冷凍サイクル(200)が除霜中でなければ、四方切替弁(102)を切替動作させ、第1図の冷凍サイクル上に冷媒の循環方向を破線矢印により示している除霜サイクルを形成して除霜運転させる。なお、第2の冷凍サイクル(200)が除霜中の時については後述する。」(公報第2ページ左下欄第11行ないし右下欄第8行)
1d)「よつて、圧縮機(101)により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、四方切替弁(102)を経て空気側熱交換器(106)に供給され、空気側熱交換器(106)の着霜を除霜しなから熱交換して液冷媒となり、絞り装置(105)で減圧されて熱交換コイル(104)に供給され、水側熱交換器(103)内の水と熱交換して水温を低下させて低温低圧ガスとなり、四方切替弁(102)を経て圧縮機(101)に吸入される。そして、空気側熱交換器(106)に着霜がなくなると、除霜の完了したことを除霜検知サーモ(109)が検出して、四方切替弁(102)を切替動作させ、もとの暖房運転に復帰する。(113)は水側熱交換器(103)内に設けられた冷水サーモ、(114)は同じく温水サーモである。」(公報第2ページ右下欄第9行ないし第3ページ左上欄第3行)
1e)「また、第1図において、(300)は空調回路であつて、第1の冷凍サイクル(100)の水側熱交換器(103)と第2の冷凍サイクル(200)の水側熱交換器(203)とによつて生成された温水(または冷水)を循環させて、空調用熱交換器(図示しない)に供給して暖房(または冷房)を行なつている。」(公報第3ページ左上欄第4行ないし第10行)
1f)上記1a)、1e)及び図1の記載から、第1の冷凍サイクル(100)と第2の冷凍サイクル(200)とが、共通する水側熱交換器(103、203)により1つの冷暖房装置を構成していることが分かる。
1g)上記1a)及び図1の記載から、冷暖房装置は、第1の冷凍サイクル(100)と第2の冷凍サイクル(200)とからなる2系統の冷凍サイクルを備えることが分かる。
(2)引用発明
上記(1)及び図1の記載からみて、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「1つの冷暖房装置に、
空気側熱交換器(106、206)と、絞り装置(105、205)と、四方切替弁(102、202)と、1台の圧縮機(101、201)と、水側熱交換器(103、203)を構成する熱交換コイル(104、204)と、で構成される冷凍サイクルを2系統備え、
さらに、空気側熱交換器(106、206)に空気を送風する2つの送風機(107、207)を備えた冷暖房装置。」
2.引用文献2(原査定における引用例6)
原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献である、実願昭54-111347号(実開昭56-29762号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献2」という。)には、「空冷コンデンサユニット」に関して、第1図ないし第4図とともに以下の記載がある。
(1)引用文献2の記載
2a)「複数台のシヨーケースを備えているような冷蔵設備に対して用いられるコンデンサユニツトであつて、1台のコンデンサユニツトで冷凍装置の運転方式に応じた使い分けができ、併せて設備費の面でも有利となる空冷コンデンサユニツトを提供することを目的とする。
かかる目的は本考案により、1台のコンデンサに装備した凝縮コイルをそれぞれ冷媒ガス入口および冷媒液出口を備えて各独立した複数系列の分割凝縮コイルに分割し、しかも各分割凝縮コイルを風胴内の通風路に分散配置して構成することにより達成される。
以下、本考案の構成を図示の実施例に基づいて詳述する。
先ず第1図および第2図において、据付け架台1の上には風胴2が搭載設置され、風胴の頂部には左右に並設した2台の送風フアン31,32が装備されている。また風胴2の下部に位置して通風路内には左右に並べて配置した独立構成の2系列の分割凝縮コイル41,42が設置されている。
各分割凝縮コイル41,42はいづれもプレートフインコイル形として構成されており、それぞれ冷媒ガス入口ヘツダ5、冷媒液出口ヘツダ6、および各ヘツダ5と6の間に配管されているプレートフインコイル7の組合せ構造体となつている。
また前記風胴2は左右に並べて分散配置されている各分割凝縮コイル41,42と個々に対応する通風路を形成するごとく内部空間が中仕切壁8によつて符号I,IIで示す2室に仕切られており、かつ前記の送風フアン31および32は各室I,IIに対応して装備されている。従つて各送風フアン31,32を運転することにより、冷却風は矢印A,Bのように風胴2に仕切られた各室IとIIを個別に貫流する。また各送風フアンは運転状況に応じて個別に運転制御される。」(明細書第3ページ第17行ないし第5ページ第11行)
2b)第1図及び第2図には、分割凝縮コイル41、42に空気を送風する複数の送風フアン31、32が空冷コンデンサユニツトの長手方向に配置されていることが図示されている。
(2)引用文献2技術
上記(1)及び第1図ないし第4図の記載からみて、引用文献2には次の技術(以下、「引用文献2技術」という。)が記載されている。
「複数系列の分割凝縮コイル41、42に空気を送風する複数の送風フアン31、32を1台の空冷コンデンサユニツトの長手方向に配置する技術。」
3.引用文献3(原査定における引用例4)
原査定の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された引用文献である、特開2002-243209号公報(以下、「引用文献3」という。)には、「空気調和機の室外ユニット」に関して、図1ないし図30とともに以下の記載がある。
(1)引用文献3の記載
3a)「【0035】図1、図2において、1は空気調和機の室外ユニットで、箱体の内部に機械室部分2と熱交換部分3とを備えて構成してある。機械室部分2および熱交換部分3は、上下に分離した構造となっている。4は圧縮機、5はアキュムレータで、下方の機械室部分2においてそれぞれ台6上に固定されている。7は、上方の熱交換部分3において箱体の各側壁パネル8に沿うように四角の筒状に配置し、かつ、圧縮機4、アキュムレータ5と接続されて冷凍サイクルを形成する熱交換器である。9は箱体の上面に設置した送風機である。箱体の側壁パネル8には、相対向する位置に配置した2つにのみ空気吸込口8aを設けてある。
【0036】空気吸込口8aが設けられていない側壁パネル8とこれに沿って配置した熱交換器7との最小距離L2は、空気吸込口8aが設けられている側壁パネル8とこれに沿って配置した熱交換器7との最小距離L1よりも長くなっている。この距離L2は、空気吸込口8aが設けられている側壁パネル8の相互間距離Ldに対して5%以上に定めている。
【0037】上記室外ユニット1において圧縮機4および送風機9を運転すると、相対向する位置に配置した側壁パネル8の空気吸込口8aを通じて箱体の内部に吸い込んだ空気15が熱交換器7を通過し、ここで冷媒と熱交換した後、ベルマウス10、ファンガード11、および空気吹出口12を経て箱体の上面側から外部へ放出される。」
3b)「【0039】図3および図4は、図1および図2に示した空気調和機の室外ユニット1を横方向に連続して設置したときの状態を示すもので、図3は外観を示す斜視図、図4は熱交換器7を含む面で切断した断面平面図である。」
(2)引用文献3技術
上記(1)及び図1ないし図30の記載からみて、引用文献3には次の技術(以下、「引用文献3技術」という。)が記載されている。
「熱交換器7に空気15を送風する送風機9を備えた室外ユニット1を複数台横方向に連続して設置する技術。」
第5 対比・判断
引用発明における「冷暖房装置」は、その機能、構成及び技術的意義からみて、本願発明における「熱源ユニット」に相当し、以下同様に、「空気側熱交換器(106、206)」は「空気熱交換器」に、「四方切替弁(102、202)」は「四方弁」に、「圧縮機(101、201)」は「圧縮機」に、「水側熱交換器(103、203)」は「水熱交換器」に、「送風機(107、207)」は「送風機」に、それぞれ相当する。
そして、引用発明における「熱交換コイル(104、204)」は、水側熱交換器(103、203)における冷媒の流路であることから、本願発明における「冷媒流路」に相当し、
引用発明における「絞り装置(105、205)」と、本願発明における「膨張弁」とは、「絞り」という限りにおいて一致し、
引用発明における「冷凍サイクルを2系統備え」たと、本願発明における「冷凍サイクルを4系統備え」たとは、「冷凍サイクルを複数系統備え」たという限りにおいて一致し、
引用発明における「空気側熱交換器(106、206)に空気を送風する2つの送風機(107、207)を備えた」と本願発明における「空気熱交換器に空気を送風する4つの送風機を、熱源ユニットの長手方向に配置してなる」とは、「空気熱交換器に空気を送風する複数の送風機を備えた」という限りにおいて一致する。
したがって、両者の一致点及び相違点は以下のとおりである。
[一致点]
「1つの熱源ユニットに、
空気熱交換器と、絞りと、四方弁と、1台の圧縮機と、水熱交換器を構成する冷媒流路と、で構成される冷凍サイクルを複数系統備え、
さらに、前記空気熱交換器に空気を送風する複数の送風機を備えた
ことを特徴とする熱源ユニット。」
[相違点1]
「絞り」に関して、本願発明においては「膨張弁」であるのに対して、引用発明においては「絞り装置(105、205)」である点。
[相違点2]
本願発明においては「冷凍サイクルを4系統備え」、「空気熱交換器に空気を送風する4つの送風機を、熱源ユニットの長手方向に配置してなる」のに対して、引用発明においては「冷凍サイクルを2系統備え」、「空気側熱交換器(106、206)に空気を送風する2つの送風機(107、207)を備えた」点。
以下、相違点について判断する。
[相違点1について]
冷凍サイクルにおける凝縮器と蒸発器との間に設けられる「絞り」として「膨張弁」を採用することは、例えば原査定の拒絶の理由に引用された特開2008-267722号公報(図1に図示されている主膨張弁6a、6bを参照)、同じく引用された特開2007-187353号公報(図1に図示されている膨張装置3を参照)及び同じく引用された特開2000-346402号公報(図3に図示されている膨張弁34を参照)において示されるとおり周知技術である。
よって、引用発明の冷凍サイクルにおいて上記周知技術を適用して、「絞り装置(105、205)」を「膨張弁」とすることにより、上記相違点1に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
[相違点2について]
引用文献1の記載「なお、上記実施例においては、互いに独立した2個の冷凍サイクルを備えたものについて述べたが、3個以上備えたものにおいても同様の効果が得られる。」(第4ページ右上欄第11行ないし14行)には、2個の冷凍サイクルのみならず、3個以上の冷凍サイクルを設けることについても示唆されており、引用発明の冷暖房装置を、必要とされる冷暖房の熱負荷等に応じて冷凍サイクルを4系統備え、空気側熱交換器(106、206)に空気を送風する送風機(107、207)を4つ備えるものとすることに困難性はなく、その際に、上記引用文献2技術である「複数系列の分割凝縮コイル41、42に空気を送風する複数の送風フアン31、32を1台の空冷コンデンサユニツトの長手方向に配置する技術」及び引用文献3技術である「熱交換器7に空気15を送風する送風機9を備えた室外ユニット1を複数台横方向に連続して設置する技術」に照らせば、空気側熱交換器(106、206)に空気を送風する4つの送風機(107、207)を、配置するスペースやメンテナンス性等を考慮して冷暖房装置の長手方向に配置することにより、上記相違点2に係る本願発明の発明特定事項とすることは、当業者が容易になし得たことである。
そして、本願発明は、引用発明、周知技術、引用文献2技術及び引用文献3技術から予測される以上の格別な効果を奏するものではない。
第6 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、周知技術、引用文献2技術及び引用文献3技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-010336