審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2017-009108

遊技機

審判番号
2017-009108
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-148006外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年06月21日
審決日
2018年03月12日
公報発行日
2018年06月29日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-148006号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年10月29日出願公開、特開2015-186673号〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、平成24年2月24日に出願した特願2012-39165号の一部を平成27年7月27日に新たな特許出願としたものであって、平成28年7月5日付けの拒絶理由の通知に対し、同年9月12日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、平成29年3月15日付け(発送日:同年3月21日)で拒絶査定がなされ、これに対して同年6月21日に審判の請求がなされると同時に手続補正(以下「本件補正」という。)がなされ、平成29年12月27日に上申書が提出されたたものである。 第2 本件補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 本件補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) 本件補正は特許請求の範囲の請求項1の記載の補正を含むものであり、本件補正前の平成28年9月12日にされた手続補正の特許請求の範囲の請求項1の記載と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それぞれ以下のとおりである(下線部は補正箇所を示す。また、A~Lについては発明を分説するため当審で付与した。)。 (本件補正前) 「【請求項1】 遊技制御に関する情報が記憶され、その記憶内容が初期化情報の入力によって初期化される遊技機において、 遊技球が入賞可能な入賞手段と、 前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段と、 前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせる払出制御情報を出力する第1制御手段と、 遊技球の払出動作を行う払出手段と、 前記第1制御手段によって出力された払出制御情報に基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う第2制御手段と、を備え、 前記第1制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段による払出動作が行われる予定である払出予定球数を計数し、 前記払出予定球数の計数結果は前記初期化情報が入力された場合に初期化される情報であり、 前記遊技機は前記払出手段による払出動作が行われたことを契機に、遊技球の払出球数を計数する払出球数計数手段を備えているとともに、前記遊技機は外部装置を接続することができる外部接続手段を備えており、 前記外部接続手段に入力される情報には、 前記払出予定球数に基づいて前記払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報と、前記初期化情報が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報と、支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報と、を含むことを特徴とする遊技機。」 (本件補正後) 「【請求項1】 A 遊技制御に関する情報が記憶され、その記憶内容が初期化情報の入力によって初期化される遊技機において、 B 遊技球が入賞可能な入賞手段と、 C 前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段と、 D 前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせる払出制御情報を出力する第1制御手段と、 E 遊技球の払出動作を行う払出手段と、 F 前記第1制御手段によって出力された払出制御情報に基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う第2制御手段と、を備え、 G 前記第1制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段による払出動作が行われる予定である払出予定球数を計数し、 H 前記払出予定球数の計数結果は前記初期化情報が入力された場合に初期化される情報であり、 I 前記遊技機は前記払出手段による払出動作が行われたことを契機に、遊技球の払出球数を計数する払出球数計数手段を備えているとともに、前記遊技機は外部装置を接続することができる外部接続手段を備えており、 J 前記外部接続手段から出力される情報には、 前記払出予定球数に基づいて前記払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報と、前記初期化情報が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報と、支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報と、を含み、 K 前記払出予定情報は、計数された払出予定球数が所定数に達する毎に所定の間隔をあけて前記外部接続手段から出力され、 L 前記所定数に達したときには計数された払出予定球数から前記所定数が減算され、減算後の払出予定球数は保持され、その後に発生した賞球数が前記減算後の払出予定球数に加算されることを特徴とする遊技機。」 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「払出予定情報」に関して、「前記払出予定情報は、計数された払出予定球数が所定数に達する毎に所定の間隔をあけて前記外部接続手段から出力され、前記所定数に達したときには計数された払出予定球数から前記所定数が減算され、減算後の払出予定球数は保持され、その後に発生した賞球数が前記減算後の払出予定球数に加算される」という限定を付加するものである。 なお、補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「前記外部接続手段に入力される情報には」を「前記外部接続手段から出力される情報には」と変更する補正は、上記限定付加に係る補正の「前記外部接続手段から出力され」という記載と整合をとるためになされたものであり、外部接続手段によって情報が変更されることはなく入力される情報と出力される情報は同一であるという技術常識に鑑みれば、この補正は実質的には発明特定事項を何ら変更するものではない。 また、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 そして、本件補正は、明細書の段落【0101】~【0106】、【0150】~【0156】、及び図10、図16などの記載に基づいており、新規事項を追加するものではない。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本願補正発明 本願補正発明は、前記1(本件補正後)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献に記載された事項 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2010-253316号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 「【0001】 本発明は弾球遊技機の、逐次変化する遊技状態等を記憶するRAMのクリア処理に関する。」 「【0014】 前面枠112の内側には、前面枠112の高さ方向の上側略2/3の大きさをカバーする金枠113が取り付けられ、金枠113の左側を支軸にして金枠113の内周を縁取るガラス枠114が開閉可能に蝶着される。ガラス枠114には板ガラス115が二重にはめ込まれている。ガラス枠114と金枠113とにガラス枠114の開放を検出するガラス枠開放スイッチ161が取り付けられている。板ガラス115の奥には図示しない遊技盤が収納され、板ガラス115を挟んで遊技者と対向するようになっている。」 「【0021】 遊技盤21の盤面上に発射された遊技球は、上記各入賞口31等に入賞すれば遊技盤21の裏側へと入賞球として取り込まれ、入賞しなければアウト口37からアウト球として取り込まれる。」 「【0023】 図3によりパチンコ遊技機の裏側の構成について説明する。上述の遊技盤21には、その裏面に沿って機構盤51が脱着可能に設けてある。機構盤51には、上部に球タンク52が設けられ、遊技球がタンクレール53、カーブレール54を介して貸球払い出し装置55と賞球払い出し装置56とにそれぞれ供給可能となっている。貸球払い出し装置55は内蔵の貸球ソレノイド85が作動すると、賞球払い出し装置56は内蔵の賞球モータ93が作動すると、遊技球の下流への流下が許容され、上皿121へと供給するようになっている。 【0024】 また、遊技盤21や機構盤51には、遊技の進行全体を司る主制御基板61が、また、主制御基板61との一方向通信により本パチンコ遊技機各部を作動せしめる種々のサブ制御基板62、63、642、65、66が取り付けられる。サブ制御基板62~66には、貸球や賞球の払い出しを制御するもの(以下、適宜、払出制御基板という)62、遊技球の発射を制御するもの(以下、適宜、発射制御基板という)63、LCDパネルユニット641における表示を制御するもの(以下、適宜、図柄制御基板という)642、種々の表示用、演出用のランプの発光を制御するもの(以下、適宜、ランプ制御基板という)65、スピーカの出力音を制御するもの(以下、適宜、音制御基板という)66がある。かかる制御用の基板61~66の他、本パチンコ遊技機の各部に給電するための電源基板67が設けられている。図柄制御基板642は上記LCDパネルユニット641や図示しない付属ユニットとともにアッセンブリ化され特別図柄表示装置64となっている。また、第1の外部接続端子基板68と第2の外部接続端子基板68aとが設けられており、第1外部接続端子基板68と第2外部接続端子基板68aとは、図示を省略したパチンコ店管理コンピュータに接続され、パチンコ遊技機等の管理をしている。 【0025】 第1外部接続端子基板68は遊技状況の送信手段を備えており、大当たり、特別図柄表示装置64の図柄変動および入賞状況の送信を行っている。第2外部接続端子基板68aは遊技状況を除く当該パチンコ遊技機の動作状況を送信するものであって、ガラス枠114の開放、満杯検出、払出個数、遊技客がタッチプレート143を回動していた時間等が送信され、さらに当該パチンコ遊技機の稼働を停止目的の打ち止め信号を受信するようにもなっている。これら外部接続端子基板68,68aから出力される情報に基づいて、入賞信号、払出信号および満杯信号から停電現象により記憶された入賞情報が当該パチンコ遊技機に記憶されたものと管理コンピュータに記憶されたものとに不一致が生じないように管理している。」 「【0031】 第1種始動口スイッチ711は普通電動役物31内に、普通図柄作動スイッチ712は普通図柄作動ゲート34内に設けられ、Vスイッチ713は大入賞口32内の特別装置作動領域(以下、特別領域という)内に、カウントスイッチ714も同じく大入賞口32内に設けられ、その他入賞口スイッチ715は普通電動役物31および大入賞口32以外の各入賞口35、36に設けられ、それぞれの作動ゲート34や入賞口31等を遊技球が通過したことを検知する。ここで、Vスイッチ713は大入賞口32内に入賞した遊技球が特別領域を通過したことを、カウントスイッチ714は大入賞口32内に入賞するすべての遊技球を検出する。」 「【0033】 また、賞球センサ94,95は賞球払出装置55内に設けられ、払い出される賞球を1つずつ検出する。主制御基板61では入賞の種類に対応した規定の賞球個数を初期値とする未払い数を、賞球センサ94、95により遊技球が検出されるごとに減算更新し、未払いの賞球個数を監視する。」 「【0035】 払出制御基板62はマイクロコンピュータを用いた論理演算回路として構成され、主制御基板61からの指令コマンドに従って入賞があった場合に賞球の払い出しの制御を行うとともに、上記のプリペードカードユニット131およびCR精算表示基板69と双方向通信を行い貸球の払い出しの制御を行う。CR精算表示基板69は上記上皿121内の釦類134、135および残高表示部136形成位置に内蔵され、貸出釦134の押下でオンする貸出スイッチ691、精算釦134の押下でオンする精算スイッチ692および残高表示部136における数値表示用のLED693から構成されている。」 「【0039】 払出制御基板62はまた、遊技盤21の上記各入賞口31等に遊技球が入賞すれば、上記賞球モータ93を作動せしめて遊技球を払い出すとともに、入賞口に対応した所定の賞球数を初期値とする未払い数を、賞球センサ94、95により遊技球が検出されるごとに減算更新して、未払い数が0になると賞球モータ93を停止する。これにより、遊技球が上記所定の賞球数だけ払い出し口122から上皿121内に払い出される。」 「【0051】 RAMクリアスイッチ676には押下時のみオンするノンロック方式の押し釦スイッチが用いられ、上記リセット信号の解除時にRAMクリアスイッチ676がオンであれば、RAMクリア信号発生回路677が、ハイレベルの信号であるRAMクリア信号を主制御基板61、払出制御基板62それぞれの入力ポート613、623に一定時間Tgの間、出力する。すなわち、RAMクリア信号はリセット信号が解除される電源投入時のみ出力される。ここで電源スイッチ671のオンからリセット信号解除までの遅延時間Taは例えば100msに設定され、RAMクリア信号を発生せしめるにはRAMクリアスイッチ676を押下しながら電源スイッチ671をオンすることになる。」 【0052】 また、電源基板67には設定手段であるDIPスイッチ回路678が設けてあり、その各スイッチは非接地側の接点がDC5Vでプルアップされ、このDC5Vと0Vの二値信号が、スイッチの出力信号として主制御基板61、払出制御基板62の各入力ポート613,623に入力している。DIPスイッチ回路678の各スイッチは、後述するようにクリアするRAMの範囲を設定するもので、5種類のクリアするRAMの範囲が1対1に対応している。すなわち、第1のスイッチは主制御基板CPU611のRAM、払出制御基板CPU621のRAMの両方の全領域のクリア、第2のスイッチは主制御基板CPU611のRAMの全領域のクリア、第3のスイッチは払出制御基板CPU621のRAMの全領域のクリア、第4のスイッチは主制御基板CPU611のRAMのうち遊技状態が格納された領域のクリア、第5のスイッチは主制御基板CPU611のRAMのうち払い出すべき賞球の個数が格納された領域および払出制御基板CPU621のRAMのうち払い出すべき賞球の個数が格納された領域のクリアとなっている。 上記記載事項を総合すれば、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる(a~jについては本願補正発明のA~Jに対応させて付与した。)。 「a 逐次変化する遊技状態等を記憶するRAMをRAMクリア信号の入力によってクリアする弾球遊技機において(【0001】、【0051】、【0052】)、」 b 遊技球が入賞する各入賞口31等と(【0021】)、 c 遊技球が通過したことを検知する、普通電動役物31内に設けられる第1種始動口スイッチ711、大入賞口32内に設けられるカウントスイッチ714、普通電動役物31および大入賞口32以外の各入賞口35、36に設けられるその他入賞口スイッチ715と(【0031】)、 d 遊技球の入賞があった場合に入賞口に対応した所定の賞球数の払い出しの制御を行うための指令コマンドを出力する主制御基板61と(【0035】、【0039】)、 e 内蔵の賞球モータ93が作動すると、遊技球の下流への流下が許容され、上皿121へと供給する賞球払い出し装置56と(【0023】)、 f 主制御基板61からの指令コマンドに従って入賞があった場合に賞球の払い出しの制御を行う払出制御基板62と(【0035】)、を備え、 g 主制御基板61は入賞の種類に対応した規定の賞球個数を初期値とする未払い数を、賞球センサ94、95により遊技球が検出されるごとに減算更新し、未払いの賞球個数を監視し(【0033】)、 h 主制御基板CPU611のRAMのうち払い出すべき賞球の個数が格納された領域は第1、第2、第5のスイッチが入力された場合にクリアされるものであり(【0052】)、 i 前記弾球遊技機は、パチンコ店管理コンピュータに接続される第1外部接続端子基板68と第2外部接続端子基板68aを備えており(【0024】)、 j 前記第1外部接続端子基板68から出力される情報は遊技状況であり、大当たり、特別図柄表示装置64の図柄変動および入賞状況があり、前記第2外部接続端子基板68aから出力される情報は遊技状況を除く当該パチンコ遊技機の動作状況であって、前面枠112に取り付けられた金枠113の左側を支軸にして開閉可能に蝶着されるとともに奥に遊技盤が収納されるガラス枠114の開放、満杯検出、払出個数、遊技客がタッチプレート143を回動していた時間等である(【0014】、【0025】) 弾球遊技機。」 (3)対比 本願補正発明と引用発明とを対比する。なお、見出し(a)~(j)は、本願補正発明のA~Jに対応させている。 (a)引用発明の「a 逐次変化する遊技状態等を記憶するRAMをRAMクリア信号の入力によってクリアする弾球遊技機」は、本願補正発明の「A 遊技制御に関する情報が記憶され、その記憶内容が初期化情報の入力によって初期化される遊技機」に相当する。 (b)引用発明の「b 遊技球が入賞する各入賞口31等」は、本願補正発明の「B 遊技球が入賞可能な入賞手段」に相当する。 (c)引用発明の「c 遊技球が通過したことを検知する、普通電動役物31内に設けられる第1種始動口スイッチ711、大入賞口32内に設けられるカウントスイッチ714、普通電動役物31および大入賞口32以外の各入賞口35、36に設けられるその他入賞口スイッチ715」は、本願補正発明の「C 前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段」に相当するものを備えるといえる。 (d)普通電動役物内に設けられる第1種始動口スイッチ、大入賞口内に設けられるカウントスイッチ、普通電動役物および大入賞口以外の各入賞口に設けられるその他入賞口スイッチによって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせることは技術常識であるから、引用発明の「d 遊技球の入賞があった場合」とは、引用発明のcの「普通電動役物31内に設けられる第1種始動口スイッチ711、大入賞口32内に設けられるカウントスイッチ714、普通電動役物31および大入賞口32以外の各入賞口35、36に設けられるその他入賞口スイッチ715」によって「遊技球が通過したことを検知」した場合であることは明らかである。 したがって、引用発明の「d 遊技球の入賞があった場合に入賞口に対応した所定の賞球数だけ遊技球の払い出しの制御を行うための指令コマンドを出力する主制御基板61」は、本願補正発明の「D 前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせる払出制御情報を出力する第1制御手段」に相当する。 (e)引用発明の「e 内蔵の賞球モータ93が作動すると、遊技球の下流への流下が許容され、上皿121へと供給する賞球払い出し装置56」は、本願補正発明の「E 遊技球の払出動作を行う払出手段」に相当する。 (f)引用発明において、「f 主制御基板61からの指令コマンドに従って入賞があった場合に」「払出制御基板62」によって「制御」されて「賞球の払い出し」を行うのは、eの「賞球払い出し装置56」であることは明らかである。 したがって、引用発明の「f 主制御基板61からの指令コマンドに従って入賞があった場合に賞球の払い出しの制御を行う払出制御基板62」は、本願補正発明の「F 前記第1制御手段によって出力された払出制御情報に基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う第2制御手段」に相当する。 (g)引用発明において、「g 主制御基板61は入賞の種類に対応した規定の賞球個数を初期値と」して「未払いの賞球個数を監視」することは、eの「賞球払い出し装置56」によって「下流への流下が許容され、上皿121へと供給」される予定の「遊技球」の数を計数しているといえる。 したがって、引用発明の「g 主制御基板61は入賞の種類に対応した規定の賞球個数を初期値と」して「未払いの賞球個数を監視」することは、本願補正発明の「G 前記第1制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段による払出動作が行われる予定である払出予定球数を計数」することに相当する。 (h)未払いの賞球個数がCPUの制御プログラムの作業領域としてのRAMに格納されることは、例えば、引用文献1に 「【0003】今日の弾球遊技機は… 【0004】…遊技球の払い出しは、センサが通過した遊技球を1つずつ検出し、遊技球の未払い数を減算更新しながら、遊技球の払い出しが決められた数だけなされるようになっている。【0005】このため、上記CPUの制御プログラムの作業領域としてのRAMには遊技状態や未払いの賞球個数等、種々のデータが格納されている。」 と記載されているように周知技術である。 そして、この周知技術に鑑みれば、引用発明において、「g 主制御基板61は入賞の種類に対応した規定の賞球個数を初期値と」して「監視」される「未払いの賞球個数」が、「h 主制御基板CPU611のRAM」に「払い出すべき賞球の個数」として「格納」されることは明らかである。 したがって、引用発明の「h 主制御基板CPU611のRAMのうち払い出すべき賞球の個数が格納された領域は第1、第2、第5のスイッチが入力された場合にクリアされる」ことは、本願補正発明の「H 前記払出予定球数の計数結果は前記初期化情報が入力された場合に初期化される情報であ」ることに相当する。 (i)引用発明は、「g 主制御基板61は入賞の種類に対応した規定の賞球個数を初期値とする未払い数を、賞球センサ94、95により遊技球が検出されるごとに減算更新」するものであり、「賞球払い出し装置56」による「下流への流下が許容され、上皿121へと供給する」「遊技球」の払出球数を計数する払出計数手段に相当するものを備えることは明らかであるから、引用発明は、本願補正発明のIの「前記払出手段による払出動作が行われたことを契機に、遊技球の払出球数を計数する払出球数計数手段」に相当するものを備えるといえる。 また、引用発明のiの「パチンコ店管理コンピュータに接続される第1外部接続端子基板68と第2外部接続端子基板68a」は、本願補正発明の「外部装置を接続することができる外部接続手段」に相当する。 (j)引用発明のjの「前面枠112に取り付けられた金枠113の左側を支軸にして開閉可能に蝶着されるとともに奥に遊技盤が収納されるガラス枠114の開放」を示す「情報」は、本願補正発明の「支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報」に相当する。 したがって、引用発明の「j 前記第1外部接続端子基板68から出力される情報は遊技状況であり」、「前記第2外部接続端子基板68aから出力される情報は遊技状況を除く当該パチンコ遊技機の動作状況であって、奥に遊技盤が収納されるガラス枠114の開放」「等である」ことと、本願補正発明の「J 前記外部接続手段から出力される情報には、前記払出予定球数に基づいて前記払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報と、前記初期化情報が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報と、支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報と、を含」むこととは、「J’前記外部接続手段から出力される情報には、支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報」を「含」む点で共通する。 そうすると、両者は、 「A 遊技制御に関する情報が記憶され、その記憶内容が初期化情報の入力によって初期化される遊技機において、 B 遊技球が入賞可能な入賞手段と、 C 前記入賞手段に入賞した遊技球を検知する入賞検知手段と、 D 前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、遊技球の入賞に対応して予め定められた賞球数の遊技球の払出制御を行わせる払出制御情報を出力する第1制御手段と、 E 遊技球の払出動作を行う払出手段と、 F 前記第1制御手段によって出力された払出制御情報に基づいて、前記払出手段に払出動作を行わせる払出制御を行う第2制御手段と、を備え、 G 前記第1制御手段は、前記入賞検知手段によって遊技球の入賞が検知されたことを契機に、該遊技球の入賞に伴う賞球数に基づいて、前記払出手段による払出動作が行われる予定である払出予定球数を計数し、 H 前記払出予定球数の計数結果は前記初期化情報が入力された場合に初期化される情報であり、 I 前記遊技機は前記払出手段による払出動作が行われたことを契機に、遊技球の払出球数を計数する払出球数計数手段を備えているとともに、前記遊技機は外部装置を接続することができる外部接続手段を備えており、 J’前記外部接続手段から出力される情報には、 支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報を含む遊技機。」 である点で一致し、以下の相違点で相違する。 (相違点1) 「J’前記外部接続手段から出力される情報」について、「支持枠に開閉可能に支持されているとともに遊技盤を視認可能とする窓口が形成されている前枠が開放されたことを示す開放情報」だけでなく、本願補正発明は「前記払出予定球数に基づいて前記払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報と、前記初期化情報が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報と」をも含むのに対し、引用発明は、第1外部接続端子基板68から出力される情報に入賞状況があるが、未払いの賞球個数の情報は特定されておらず、また、RAMクリア信号が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報は特定されていない点。 (相違点2) 本願補正発明は「K 前記払出予定情報は、計数された払出予定球数が所定数に達する毎に所定の間隔をあけて前記外部接続手段から出力され、L 前記所定数に達したときには計数された払出予定球数から前記所定数が減算され、減算後の払出予定球数は保持され、その後に発生した賞球数が前記減算後の払出予定球数に加算される」ものであるのに対し、引用発明はそのように特定されていない点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 (相違点1について) 遊技機において、外部接続手段から出力される情報について、払出予定球数に基づいて払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報を含ませること、及び、初期化情報が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報を含ませることは、いずれも、例えば、 ア 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2011-212484号公報(以下「引用文献2」という。下線は当審で付した。) 「【0001】 本発明は、遊技球を用いて所定の遊技を行うことが可能な遊技機に関する。」 「【0776】 また、上記に示した実施の形態において、主基板31側でリセット信号が入力され初期化処理が実行されてバックアップRAMがクリアされたときから所定期間にも、情報端子盤34を介して、初期化が行われたことを示す信号を外部出力するようにしてもよい。この場合、初期化処理が実行されたことにもとづいて、異常入賞や始動異常入賞、磁気異常、振動異常、異常開放が検出されたときに出力する異常信号と同じ信号を外部出力するようにしてもよいし、異常信号とは異なる信号を外部出力するようにしてもよい。そのように構成すれば、リセット信号を不正に入力して初期化処理を実行させて所定の乱数の初期値をねらう行為を防止することができ、外部に知らせることができる。」 イ 原査定で周知技術として引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2011-125487号公報(以下「引用文献3」という。下線は当審で付した。) 「【0001】 本発明は、賞球払出の決定を行う主制御手段と、遊技球を遊技者に対して払い出す払出手段と、遊技球払出の有無を検知する払出検知手段とを備えた、遊技媒体が遊技球である弾球遊技機において、遊技球の払出に係る不正行為が抑制された弾球遊技機に関する。」 「【0025】 (外部中継端子板) 次に、図2を参照しながら、本最良形態に係る外部中継端子板5000を説明することとする。外部中継端子板5000には、各種ケーブルコネクタが接続される出力端子部としての複数の外部接続端子{例えば、賞球払出に関する情報、入賞や図柄停止に関する情報、現在の遊技状態(通常遊技状態、特定遊技状態、特別遊技状態等)に関する情報を出力するための遊技状態情報出力用の端子、扉が開放している際に開放検知センサ等によって検出される各種エラー情報を出力するためのエラー情報出力用の端子等}が設けられている。具体的に説明すると、図2の上部に示すように、外部中継端子板5000には、出力端子部5000a、b、c・・・が設けられている。ここで、まず、出力端子部5000aは、メイン制御基板1000から出力される賞球払出予定個数信号(所定球数払い出されることが予定されている旨の信号)の出力用の端子である。」 ウ 前置報告書で引用された本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2008-264280号公報(以下「引用文献4」という。下線は当審で付した。) 「【0088】 外部中継端子板230は、後述するように遊技ホールのホールコンピュータHCなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、各種ケーブルコネクタが接続される出力端子部としての複数の外部接続端子が設けられている。例えば、図4等に示すように、主制御装置261から出力される後述の賞球予定個数信号の出力用の端子230aや、払出制御装置311から出力される後述の賞球完了個数信号の出力用の端子230bが設けられている。この他にも、便宜上、符号は付さないが、現在の遊技状態(例えば大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための遊技状態情報出力用の端子や、上記開放検知センサ22等によって検出される各種エラー情報を出力するためのエラー情報出力用の端子などが設けられている。」 エ 本願の出願遡及日前に頒布された刊行物である特開2012-16408号公報(以下「引用文献5」という。下線は当審で付した。) 「【0106】 なお、コネクタCN7から出力される入賞信号は、所定数分(この実施の形態では、10個分)の賞球を払い出すための所定の払出条件が成立したこと(第1始動入賞口13、第2始動入賞口14、大入賞口、普通入賞口29,30への入賞が発生したこと。賞球の払出までは行われていない。)を示す信号である。入賞信号を確認することによって、払い出される賞球数の予定数を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。」 「【0109】 また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が行われて初期化処理が実行された場合にも、セキュリティ信号が所定期間(例えば、30秒間)ホールコンピュータなどの外部装置に出力される。そのように構成することによって、不自然なタイミングで(例えば、遊技店の開店時に全ての遊技機の電源リセット作業を終えた後であるにもかかわらず)初期化処理が実行されたことを認識可能とすることによって、不正に遊技機を電源リセットさせて電源リセットのタイミングで大当りを狙うような不正行為が行われた可能性を、ホールコンピュータなどの外部装置側で認識できるようにすることができる。」 に記載されているように周知技術(以下「周知技術1」という。)である。 そして、引用発明においても、例えば、不正行為が行われた可能性等をパチンコ店管理コンピュータ側で認識できるように、上記周知技術を適用して、外部接続手段から出力される情報について、払出予定球数に基づいて払出手段に払出動作を行わせる予定を示す払出予定情報を含ませるとともに、初期化情報が入力されたことを契機に出力されるセキュリティ関連情報を含ませるようにして、相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得るものである。 (相違点2について) 計数された払出予定球数が所定数に達する毎に所定の間隔をあけて外部接続手段から出力され、前記所定数に達したときには計数された払出予定球数から前記所定数が減算され、減算後の払出予定球数は保持され、その後に発生した賞球数が前記減算後の払出予定球数に加算されることは、例えば、 ア 引用文献3(下線は当審で付した。) 「【0025】 (外部中継端子板) ・・・尚、これら賞球情報に関しては、所定数(本例では10球)の払出予定があった場合又は実際に払い出された場合、所定のパルス(約0.104秒の間オン状態)が出力される。」 「【0039】 次に、HC側送信制御手段1114は、入賞口センサSから入球信号を受信した場合、当該入賞口に対応した賞球分、後述する予定払出個数関連カウンタ1114cのカウンタ値を累積加算する予定払出個数加算手段1114aと、後述する予定払出個数関連カウンタ1114cのカウンタ値が所定値(例えば10)に到達した場合、後述する予定払出個数関連カウンタ1114cのカウンタ値から所定値(例えば10)減算する予定払出個数減算手段1114bと、予定払出個数を一時記憶するための予定払出個数関連カウンタ1114cと、を有している。尚、後述する処理の項目で説明するが、予定払出個数関連カウンタ1114cのカウンタ値が所定値に到達した場合、ホールコンピュータHCに対して情報(賞球払出予定個数=所定個数(例えば10個)分に相当するパルス信号)が送信されるように構成されている。」 「【0105】 更に、予定払出数が所定数に達した時点で当該所定数を一単位としてその都度外部に出力するように構成されているので、毎回異なる賞球数情報を送信する場合と比較し、当該情報を受信し管理する側のホールコンピュータの負担を軽減することが可能になるという効果を奏する。 【0106】 更に、所定数に対応した予定賞球払出情報が外部に出力された場合、予定賞球払出数一時記憶手段に一時記憶された予定賞球払出数に係る値から当該所定数減算するように構成されているので、予定賞球払出数一時記憶手段の容量増加を防止することが可能になるという効果を奏する。」 イ 引用文献4(下線は当審で付した。) 「【0156】 図14に示すように、ステップS701において、信号オン回数カウンタの値が0であるか否かを判別する。信号オン回数カウンタとは、賞球予定個数1球分に相当するパルス信号(以下、賞球予定個数信号という)の出力回数を計数するためのカウンタである。但し、本実施形態の賞球予定個数信号は、連続する10msのオン信号(パルス信号)と10msのオフ信号が一組で賞球予定個数1球分を表している。この信号オン回数カウンタには、後述するように賞球バッファの各アドレスから賞球予定個数が読み出される毎に、当該賞球予定個数がカウンタ値として設定される。つまり、遊技球の一入賞単位でカウンタ値の設定がその都度行われる。また、本実施形態では、後述するように遊技球の一入賞に対応した賞球予定個数信号群と、他の入賞に対応した賞球予定個数信号群との間には所定のイーターバルとして100msの間隔があくように設定される。例えば、第1契機対応ユニット33へ遊技球が入賞した後、他の入賞部に遊技球が入賞した場合には、図33に示すように、上記一組のオンオフ信号が連続して3回出力された後、100msの間隔をあけて次の賞球予定個数信号群が出力されることとなる。」 「【0308】 ここで、外部情報処理について図27のフローチャートを参照して説明する。図27に示すように、ステップS3501において、信号制御タイマの残り時間が0であるか否かを判別する。信号制御タイマとは、賞球完了個数10球分に相当するパルス信号(以下、賞球完了個数信号という)の出力時間及びそのインターバルを計測する手段である。本実施形態の賞球完了個数信号は、10msのオン信号(パルス信号)により賞球完了個数10球分を表している。ここで信号制御タイマの残り時間が0でないと判別された場合には、賞球完了個数信号の出力途中、又は、インターバル途中であるとみなし、ステップS3506へ移行する。また、本実施形態では、図34に示すように、所定の賞球完了個数信号と、他の賞球完了個数信号との間には所定のイーターバルとして100msの間隔があくように設定される。」 「【0311】 一方、カウンタ値が10以上である場合には、新たな賞球完了個数信号の出力開始時とみなし、ステップS3503において払出計数カウンタの値から10減算し、ステップS3504において完了賞球管理メモリに10を加算し、ステップS3505において信号制御タイマに110msをセットする。」 「【0366】 (e)賞球予定個数信号や賞球完了個数信号の送信方式(出力形態)は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、賞球予定個数10球分に相当するパルス信号を賞球予定個数信号として出力してもよし(当審注:「よし」は「よいし」の誤記と認められる。)、賞球完了個数5球分に相当するパルス信号を賞球完了個数信号として出力する構成としてもよい。勿論、両個数信号とも1パルスが同じ球数を示すようにしてもよい。また、個数信号の出力時間やインターバルに関しても任意に設定可能である。」 ウ 引用文献5(下線は当審で付した。) 「【0247】 次いで、CPU56は、いずれかの入賞口(始動入賞口13,14、大入賞口、普通入賞口29,30)への入賞を検出したことにもとづく賞球予定数の累積値をカウントするための入賞カウンタの下位アドレスをポインタの下位バイトにロードする(ステップS5116)。次いで、CPU56は、ポインタバッファの指す賞球個数データをロードする(ステップS5117)。次いで、CPU56は、ポインタの指す入賞カウンタの値を読み出し、読み出した値をステップS5117でロードした賞球個数データで示される賞球個数に加算する(ステップS5118)。ステップS5118の演算が実行されることによって、新たに発生した入賞分の賞球個数を加算した賞球予定数の累積値が求められることになる。そして、CPU56は、ポインタの値を1減算する(ステップS5119)。」 「【0249】 次いで、CPU56は、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっているか否かを確認する(ステップS5120)。賞球予定数の累積値が所定の入賞出力判定値(本例では、10)以上となっていれば、CPU56は、ステップS5118で演算した賞球予定数の累積値から所定の入賞出力判定値に相当する値(本例では、10)を減算する(ステップS5121)。そして、CPU56は、ポインタの指す入賞情報記憶カウンタの値を1加算する(ステップS5122)。」 「【0251】 ステップS5120~S5124の処理が実行されることによって、この実施の形態では、所定数分の払出条件が成立するごとに(賞球10個分の入賞が発生するごとに)、入賞情報記憶カウンタの値が1ずつ加算され、後述する情報出力処理によって入賞信号が外部出力されることになる。」 に記載されているように周知技術(以下「周知技術2」という。)である。 なお、引用文献3においては、所定のパルス(約0.104秒の間オン状態)が出力されるのであるから、次に出力されるパルス(約0.104秒の間オン状態)と区別できるように、両者の間に所定の間隔をあけることは自明の設計的事項にすぎない。 そして、引用発明に周知技術1を適用した際、例えば、毎回異なる賞球数情報を送信する場合と比較し、当該情報を受信し管理する側のパチンコ店管理コンピュータの負担を軽減しつつ、未払いの賞球個数の一時記憶手段の容量増加を防止することが可能になるように、周知技術2を適用して、相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは当業者が容易になし得るものである。 (効果について) そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本願補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 (まとめ) したがって、本願補正発明は、引用発明及周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 (請求人の主張について) 請求人は、審判請求書において、引用文献1の遊技機は本願補正発明のように払出される予定のある遊技球の個数を計数し、その計数された個数が所定数に達したことを契機に払出予定情報として外部に出力させる構成を備えるものではない旨主張する。 しかしながら、上記(相違点2について)において記載したように、遊技機において、払出される予定のある遊技球の個数を計数し、その計数された個数が所定数に達したことを契機に払出予定情報として外部に出力させる構成を備えることは周知技術であり、その適用は当業者が容易になし得るものである。 また、請求人は、審判請求書において、拒絶査定時に新たに提示された引用文献3には、払出予定があった場合に外部に信号を出力されることが記載されているが、引用文献3には、本願補正発明の払出予定球数を計数する構成や払出予定情報を出力する構成、すなわち本件補正において限定した構成について何ら開示及び示唆されておらず、また、引用文献2にも、引用文献3と同様に、本願補正発明の払出予定球数を計数する構成や払出予定情報を出力する構成について何ら開示及び示唆されていない旨主張する。 しかしながら、上記(相違点2について)において記載したように、遊技機において、払出予定球数を計数する構成や払出予定情報を出力する構成を備えることは、請求人が開示や示唆がないと主張する引用文献3に記載され、さらに引用文献4及び引用文献5にも記載されているように周知技術であり、その適用は当業者が容易になし得るものである。 したがって、請求人の主張に理由はなく、その主張を採用することができない。 (5)本件補正についてのむすび 以上より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成28年9月12日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2[理由]1の(本件補正前)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶理由 原査定の拒絶の理由は、 (進歩性)この出願の請求項1及び2に係る発明は、その出願遡及日前に頒布された以下の引用文献に記載された発明に基づいて、その出願遡及日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、 というものである。 引用文献1:特開2002-253316号公報 引用文献2:特開2011-212484号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本願補正発明の発明特定事項である「払出予定情報」に関して、「前記払出予定情報は、計数された払出予定球数が所定数に達する毎に所定の間隔をあけて前記外部接続手段から出力され、前記所定数に達したときには計数された払出予定球数から前記所定数が減算され、減算後の払出予定球数は保持され、その後に発生した賞球数が前記減算後の払出予定球数に加算される」という限定事項を削除したものである。 なお、本願発明の発明特定事項である「前記外部接続手段に入力される情報には」と、本願補正発明の発明特定事項である「前記外部接続手段から出力される情報には」とは、前記第2の[理由]2で検討したとおり、実質的には発明特定事項に何ら変わりはない。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 第5 補足 請求人は、平成29年12月27日の上申書において、本願補正発明について、引用文献1、引用文献2、引用文献3、及び引用文献4に基づき容易に想到し得るとの前置報告書の認定を受け、各引用文献との相違点になり得る事項を補正する用意があり、審理に際しては、以下の相違点1~4の考慮を要望する。 (相違点1) 本願は、「第1制御手段が出力する払出制御情報は賞球数を示す情報であり、払出制御情報を入力した第2制御手段は払出制御情報に示される賞球数を払出予定球数に加算する」構成を備えている。 上記構成は、明細書の段落[0101]、[0140]などに記載されている。 この構成によれば、遊技球の入賞によって発生した賞球数を払出予定球数に加算することができる。 (相違点2) 本願は、「第1制御手段と第2制御手段のそれぞれで払出予定球数を計数する」構成を備えている。 上記構成は、明細書の段落[0193]などに記載されている。 この構成によれば、第1制御手段と第2制御手段のそれぞれで払出予定球数を管理することができる。 (相違点3) 本願は、「第2制御手段は、貸球としての遊技球の払出しを指示する貸球払出制御情報を入力可能であり、貸球払出制御情報を入力した場合には払出制御情報に基づく賞球としての遊技球の払出しよりも優先して貸球としての遊技球を払出すように払出手段に払出動作を行わせる」構成を備えている。 上記構成は、明細書の段落[0157]などに記載されている。 この構成によれば、賞球の払出し中に貸球の払出しが発生し、貸球の払出しを優先して行わせる場合でも、賞球の払出しが完了する前に賞球予定に関する情報(払出予定情報)という有用な情報を外部装置に出力することができる。 (相違点4) 本願は、「外部接続手段から出力される情報として、一定数単位の賞球の払出しが完了したことを示す賞球払出情報と、エラーに関するエラー情報とが、あり、エラー情報はエラーの優先順位にしたがって出力されるが、払出予定情報と賞球払出情報は優先順位がなく、それぞれの出力条件を満たすことによって出力される」構成を備えている。 上記構成は、明細書の段落[0089]、[0099]、[0100]及び図8などに記載されている。 この構成によれば、払出予定情報と賞球払出情報を同等レベルの情報として位置付け、これらの有用な情報を外部装置に出力することができる。 しかしながら、請求人の上記主張は、具体的な特許請求の範囲の補正案を提示するものでなく、相違点1~4に係る構成のうちいずれを本願補正発明に付加するのか、あるいは全てを本願補正発明に付加するのか、当審が検討すべき対象が明らかでない。また、上記相違点1~4を付加した発明が特許を受けることができるか否かは、新たな先行技術調査を行った上で対比検討を行う必要があり、当審が直ちに判断できるようなものでもない。そして、当審は上記のとおり本願の拒絶の査定を維持できると判断するから、請求人の主張に基づき、更なる通知をして、補正の機会を付与すべき格別の事情はない。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2017-009108

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決307件(株式会社ニューギン)
  • 2025-018455拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013070拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013071拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013072拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
  • 2025-013073拒絶査定不服審判 / 2026-07-28 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    同じ当事者: 株式会社ニューギン
検索でもっと見る →
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2025-003884拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-003885拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-008364拒絶査定不服審判 / 2026-06-02 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-006261拒絶査定不服審判 / 2026-05-26 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-005339拒絶査定不服審判 / 2026-05-14 / 請求不成立遊技機
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)4,679件(121・A63F、575・A63F)
  • 2025-018455拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009717拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009718拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009719拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F
  • 2025-009720拒絶査定不服審判 / 2026-06-10 / 請求不成立遊技機
    共通の審決分類: 121・A63F、575・A63F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存