特許拒絶査定不服審判
2017-008343
遊技機
- 審判番号
- 2017-008343
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-115578外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月08日
- 審決日
- 2018年02月06日
- 公報発行日
- 2018年05月25日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】京楽産業.株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人 エビス国際特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-115578号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 9月 3日出願公開、特開2015-157155号〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成25年10月25日に出願した特願2013-222507号の一部を平成27年6月8日に新たな特許出願(特願2015-115578号)としたものであって,平成28年7月13日付けで拒絶理由が通知され,これに対し同年9月15日に意見書及び手続補正書が提出され,平成29年3月10日付けで拒絶査定がなされ(発送日:平成29年3月21日),これに対して同年6月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
第2 平成29年6月8日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年6月8日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正の概要
本件補正は特許請求の範囲の請求項1に対する補正を含むものであり,平成28年9月15日付けの手続補正と本件補正の特許請求の範囲の請求項1の記載はそれぞれ,以下のとおりである(下線部は本件補正の補正箇所を示す。)。
(補正前:平成28年9月15日付けの手続補正)
「【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球することにより複数の識別情報の変動表示を実行し,変動表示結果が特別表示結果となることによって,複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において,
前記複数のラウンドのうちの特定ラウンドにおける前記大入賞口の所定領域への遊技球の入球に基づいて,前記特別遊技状態の終了後に,遊技状態として通常遊技状態に比べて前記変動表示結果が前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と,
前記特定ラウンドで前記大入賞口が開放される前に,該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知を行い,
前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う,報知手段と,
を備え,
前記報知手段は,前記第1報知の実行に合わせて前記大入賞口に対応して設けられる所定の発光手段を所定の態様で発光させることを特徴とする遊技機。」
(補正後:本件補正である平成29年6月8日付け手続補正)
「【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球することにより複数の識別情報の変動表示を実行し,変動表示結果が特別表示結果となることによって,複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において,
前記複数のラウンドのうちの特定ラウンドにおける前記大入賞口の所定領域への遊技球の入球に基づいて,前記特別遊技状態の終了後に,遊技状態として通常遊技状態に比べて前記変動表示結果が前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と,
前記特定ラウンドで前記大入賞口が開放される前に,該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知を行い,
前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う,報知手段と,
を備え,
前記特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンドを前記特定ラウンドとし,
前記報知手段は,前記第1報知を実行したことに対応させて前記大入賞口を発光させるための所定の発光手段を所定の態様で発光させることを特徴とする遊技機。」
2 補正の適否
(1)補正事項
本件補正は,補正前の請求項1について,以下に挙げる補正事項を含むものである。
ア 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「特定ラウンド」に関して,「特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンド」であるとの記載を追加する補正。
イ 補正前の請求項1に記載された発明特定事項である「報知手段」について,「前記第1報知の実行に合わせて前記大入賞口に対応して設けられる所定の発光手段を所定の態様で発光させる」との記載を,「前記第1報知を実行したことに対応させて前記大入賞口を発光させるための所定の発光手段を所定の態様で発光させる」との記載とする補正。
(2)補正の目的等についての検討
補正事項アは,「特定ラウンド」について「特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンド」であると限定する補正であり,また,補正後の請求項1に記載された発明は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
次に,補正事項イは,「所定の発光手段」について「前記大入賞口に対応して設けられる」だけではなく,「前記大入賞口を発光させるため」のものである旨を限定する補正といえる。また,補正後の請求項1に記載された発目は,補正前の請求項1に記載された発明と,産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので,特許法第17条の2第5項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして,本件補正は,本願の願書に最初に添付した特許請求の範囲,明細書及び図面の段落【0126】,【0127】,【0435】及び【図8】の記載に基づくものであるから,新規事項を追加するものではない。
3 独立特許要件
そこで,本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か,すなわち,特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否か,について以下に検討する。
(1)本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明
本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下,「本願補正発明」という。)は,上記「1 本件補正の概要」に本件補正後の請求項1として記載した以下のとおりのものである(A~Fは,本願補正発明を分説するために当審で付した。)。
「A 遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球することにより複数の識別情報の変動表示を実行し,変動表示結果が特別表示結果となることによって,複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において,
B 前記複数のラウンドのうちの特定ラウンドにおける前記大入賞口の所定領域への遊技球の入球に基づいて,前記特別遊技状態の終了後に,遊技状態として通常遊技状態に比べて前記変動表示結果が前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と,
C 前記特定ラウンドで前記大入賞口が開放される前に,該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知を行い,
前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う,報知手段と,
を備え,
D 前記特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンドを前記特定ラウンドとし,
E 前記報知手段は,前記第1報知を実行したことに対応させて前記大入賞口を発光させるための所定の発光手段を所定の態様で発光させることを特徴とする
F 遊技機。」
(2)刊行物に記載された事項
(2-1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された特開2013-94570号公報(以下,「刊行物1」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0036】
遊技機用枠3の左右上部位置には,効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており,さらに遊技領域2の周辺部には,遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域2における各構造物(例えば普通入賞球装置6A,普通可変入賞球装置6B,特別可変入賞球装置7等)の周囲には,装飾用LEDが配置されていてもよい。」
(イ)「【0048】
音声制御基板13は,演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり,演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき,スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は,演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり,演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき,遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった発光体における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。」
(ウ)「【0067】
パチンコ遊技機1においては,遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ,その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として,パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて,所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより,遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。この遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると,その遊技球が図5に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後,例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて,第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
・・・
【0072】
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや,第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて,特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには,画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには,可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり,遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち,大当り遊技状態に制御されるか否かは,可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており,その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
・・・
【0074】
大当り遊技状態では,上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして,所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば10個)の遊技球が上大入賞口または下大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて,上大入賞口または下大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では,上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり,入賞球が発生困難または発生不可能となる。上大入賞口に遊技球が進入したときには,上大入賞口スイッチ23Aにより入賞球が検出され,その検出ごとに所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は,所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。したがって,大当り遊技状態では,遊技者が多数の賞球をきわめて容易に獲得することができ,遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお,パチンコ遊技機1は,賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし,賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
【0075】
大当り遊技状態が終了した後には,所定の確変制御条件が成立したことに基づいて,可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は,所定回数の可変表示が実行されること,あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった,所定の確変終了条件が成立するまで,継続するように制御される。また,大当り遊技状態が終了した後には,平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は,所定回数の可変表示が実行されたことと,次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち,いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで,継続するように制御される。
・・・
【0080】
この実施の形態では,大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」となったときに,下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。一方,ラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」以外であるときには,上大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Aが遊技者にとって有利な第1状態となる。そして,下大入賞口に進入した遊技球が図5に示す特定領域スイッチ24によって検出されることで,大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。すなわち,特定領域スイッチ24の設置箇所を特定領域とし,この特定領域を遊技球が通過したことに基づいて,所定の確変制御条件を成立させることができる。」
(エ)「【0084】
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は,CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると,割込み禁止状態に設定して,所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には,例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理,情報出力処理,遊技用乱数更新処理,特別図柄プロセス処理,普通図柄プロセス処理,コマンド制御処理といった,パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。 」
(オ)「【0151】
図15は,図6のステップS117にて実行される大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す大当り終了処理において,CPU103は,まず,大当り終了演出待ち時間が経過したか否かを判定する(ステップS361)。このとき,大当り終了演出待ち時間が経過していなければ(ステップS361;No),大当り終了処理の実行を終了させて待機する。
・・・
【0153】
ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには(ステップS363;Yes),確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。一例として,ステップS364の処理では,確変フラグをオン状態にセットすることに加え,確変状態にて実行可能な特図ゲームの上限回数などに対応するカウント初期値(例えば「101」)を,確変回数カウンタに設定する。その後,確変確定フラグをクリアしてオフ状態にする(ステップS365)。」
(カ)「【0160】
図16は,演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す演出制御プロセス処理において,演出制御用CPU120は,例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて,以下のようなステップS170~S176の処理のいずれかを選択して実行する。」
(キ)「【0168】
図17(A)は,図16のステップS175にて実行される大当り中演出処理の一例を示すフローチャートである。図17(A)に示す大当り中演出処理において,演出制御用CPU120は,まず,主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS501)。このとき,大当り終了指定コマンドの受信がない場合には(ステップS501;No),大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「15」となる第15ラウンドの実行中であるか否かを判定する(ステップS502)。
・・・
【0171】
ステップS502にて第15ラウンドの実行中であると判定された場合には(ステップS502;Yes),第2指示報知演出を実行するための演出動作制御を行った後(ステップS504),大当り中演出処理を終了する。例えば,ステップS504の処理では,第2指示報知演出を実行するために予め用意された演出制御パターンなどから読み出した演出制御実行データに応じて,第1指示報知演出とは異なる演出態様で第2指示報知演出を実行するために,各種指令を作成して表示制御部123や音声制御基板13,ランプ制御基板14などに対して伝送させればよい。これにより,例えば図18(B)に示すような演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出が実行される。
【0172】
図18(B)に示す演出画像は,特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口が開放状態となる(遊技球が進入すれば確変制御条件が成立する)ことに対応して,「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を,含んでいる。指示報知画像AR2は,第2指示報知演出に対応して,図18(A)に示す指示報知画像AR1とは異なる表示態様(例えば赤色の文字色や金色の背景色,サクラ柄の模様の一部または全部など)で表示されればよい。加えて,図18(B)に示す演出画像は,図18(A)に示す第1指示報知演出における演出画像とは異なり,所定のキャラクタ画像CS1を含んでいる。」
(ク)「【0175】
ステップS504の処理では,第15ラウンドにおける下大入賞口が開放状態となる上限時間(大入賞口開放上限時間)に応じて,第2指示報知演出における演出態様を異ならせるための演出動作制御が行われてもよい。例えば,演出制御用CPU120は,主基板11から伝送された大当り開始指定コマンドに含まれる情報(EXTデータ)などに基づいて,大当り種別が「大当りA」であるか「大当りB」であるかを特定する。この特定結果に応じて,ステップS504の処理では,異なる演出制御パターンによる演出動作制御が行われる。これにより,例えば大当り種別が「大当りB」に対応して第15ラウンドにおける下大入賞口の大入賞口開放上限時間が比較的に短い時間(2.0秒)となる場合には,大当り種別が「大当りA」に対応して第15ラウンドにおける下大入賞口の大入賞口開放上限時間が比較的に長い時間(29.5秒)となる場合と比べて,演出画像の表示などを異ならせてもよい。より具体的には,大当り種別が「大当りB」に対応して下大入賞口が2.0秒にわたり開放状態となる場合には,メッセージを報知する文字画像MM2を大当り種別が「大当りA」の場合よりも派手なものにすること,あるいは,下大入賞口が開放状態となるまでの待ち時間をカウントダウン表示することにより,演出態様を異ならせてもよい。」
(ケ)「【0181】
図19は,図16のステップS176にて実行される大当り終了演出処理の一例を示すフローチャートである。図19に示す大当り終了演出処理において,演出制御用CPU120は,まず,大当り終了報知演出時間が経過したか否かを判定する(ステップS521)。このとき,大当り終了報知演出時間が経過していなければ(ステップS521;Yes),大当り終了報知演出を実行するための演出動作制御を行った後(ステップS522),大当り終了演出処理を終了する。
・・・
【0183】
図20および図21は,大当り終了報知演出として,画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させる動作例を示している。大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が「15」となる第15ラウンド(15R)では,特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行される。このとき開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入すると,大当り遊技状態の終了後に確変制御が行われる確変状態となるための確変制御条件が成立する。第15ラウンドにて下大入賞口を開放状態とする上限時間(大入賞口開放上限時間)は,大当り種別が「大当りA」であるか「大当りB」であるかに応じて相違する。
・・・
【0190】
大当り種別が「大当りB」に対応した大当り遊技状態で第15ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入(入賞)して確変制御が行われることが特定された場合には,図17(A)に示すステップS506の処理により,図17(B)に示す大当り終了報知演出制御パターンDPB2が設定される。こうして設定された大当り終了報知演出制御パターンDPB2を用いて,図19に示すステップS522の演出動作制御が行われることにより,例えば図21(B)に示すような演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させる。
【0191】
図21(B)に示す演出画像は,確変制御が行われることに対応したメッセージを報知する文字画像MA2や,図21(A)に示したキャラクタ画像CB1とはポーズが異なるキャラクタ画像CB2を,含んでいる。一方,図21(B)に示す演出画像は,図21(A)に示す演出画像とは異なり,プレミア画像を取得するための2次元バーコードBC1や,おまけ画像を取得するための2次元バーコードBC2などを含んでいない。」
(コ)「【0210】
上記実施の形態では,下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は,大当り遊技状態における最終のラウンド遊技(第15ラウンド)であるものとして説明した。これに対して,下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は,大当り遊技状態における最終のラウンド遊技に限定されず,大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよい。」
(サ)【図6】には,特別図柄プロセス処理に,S115大当り開放中処理と,S117大当り終了処理を含むことが図示されている。
また,【図12】には,S115大当り開放中処理に,S316特定領域スイッチオンか否かを判断する処理と,S317確変確定フラグをセットする処理を含むことが図示されている。
さらに,【図15】には,S117大当り終了処理は,S363確変確定フラグオンか否かを判断する処理と,S364確変制御開始設定する処理を含むことが図示されている。
(シ)【図16】には,演出制御プロセス処理に,S175大当り中演出処理と,S176大当り終了演出処理を含むことが図示されている。
また,【図17】には,S175大当り中演出処理に,S504第2指示報知演出動作制御と,S506大当り終了報知演出制御パターンを設定する処理を含むことが図示されている。
さらに,【図19】には,S176大当り終了演出処理に,S522大当り終了報知演出動作制御を含むことが図示されている。
上記記載事項(ア)~(コ)及び上記図示事項(サ)及び(シ)より,以下の事項が導かれる。なお,(a)~(f)は,本願補正発明の構成A~Fに対応した事項を示している。
(a)上記段落【0067】には「遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると,・・・第1始動条件が成立・・・その後・・・第1開始条件が成立したことに基づいて,第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始され」と記載され,上記段落【0072】には「第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム・・・において,・・・特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには,可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり,遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御され・・・」と記載され,上記段落【0074】には「大当り遊技状態では,上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる・・・ラウンド遊技・・・が実行され・・・」,「ラウンド遊技の実行期間以外の期間では,上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり,入賞球が・・・発生不可能となる」,「ラウンド遊技は,所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行され・・・」及び「パチンコ遊技機1」と記載されているから,刊行物1には,遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると第1始動条件が成立し,その後第1開始条件が成立したことに基づいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始され,この特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには,可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり,遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御され,この大当り遊技状態では,上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となるラウンド遊技が所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行され,ラウンド遊技の実行期間以外の期間では,上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり,入賞球が発生不可能となるパチンコ遊技機1が記載されているといえる。
(b)上記段落【0080】には「大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」となったときに,下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となる。」及び「下大入賞口に進入した遊技球が・・・特定領域スイッチ24によって検出されることで,大当り遊技状態の終了後に確変状態となるための確変制御条件が成立する。」と記載され,上記段落【0075】には「可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態」と記載されているから,刊行物1には,大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」となったときに,下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となり,下大入賞口に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されることで,大当り遊技状態の終了後に,可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態となるための確変制御条件が成立するための処理を行うことが記載されているといえる。
そして,当該処理に関し,上記【図12】には,S316特定領域スイッチオンか否かを判断する処理とS317確変確定フラグをセットする処理が,S115大当り開放中処理に含まれることが記載されている。
また,上記段落【0153】には「ステップS363にて確変確定フラグがオンであるときには・・・確変制御を開始してパチンコ遊技機1における遊技状態を確変状態とするための設定を行う(ステップS364)。」と記載され,上記【図15】には,S364確変制御開始設定する処理が,S117大当り終了処理に含まれることが記載されている。
さらに,上記【図6】には,S115大当り開放中処理とS117大当り終了処理は,特別図柄プロセス処理に含まれることが記載されるとともに,上記段落【0084】には「CPU103は,・・・所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には,・・・特別図柄プロセス処理・・・が含まれている。」と記載されている。
そうすると,上記「大当り遊技状態の終了後に,可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態となるための確変制御条件が成立するための処理」の少なくとも一部は,CPU103が行っているといえる。
してみると,刊行物1には,大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」となったときに,下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となり,下大入賞口に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されることで,大当り遊技状態の終了後に,可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態となるための確変制御条件が成立するための処理を行うCPU103が記載されているといえる。
(c)上記段落【0171】には「・・・第15ラウンドの実行中であると判定された場合・・・ステップS504の処理では・・・各種指令を作成して表示制御部123や・・・ランプ制御基板14・・・に対して伝送させ・・・図18(B)に示すような演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出が実行される。」と記載され,上記段落【0172】には「図18(B)に示す演出画像は,特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口が開放状態となる(遊技球が進入すれば確変制御条件が成立する)ことに対応して,「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を,含んでいる。」と記載され,上記段落【0175】には「・・・ステップS504の処理では,・・・大当り種別が「大当りB」に対応して下大入賞口が2.0秒にわたり開放状態となる場合には,・・・下大入賞口が開放状態となるまでの待ち時間をカウントダウン表示する・・・」と記載され,上記【図17】には,S175大当り中演出処理に,S504第2指示報知演出動作制御を含むことが記載され,上記【図16】には,演出制御プロセス処理にS175大当り中演出処理を含むことが記載されているから,刊行物1には,第15ラウンドの実行中であると判定された場合に各種指令を作成して表示制御部123やランプ制御基板14に対して伝送させることにより,特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口が開放状態となる(遊技球が進入すれば確変制御条件が成立する)ことに対応して,「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出を実行するとともに,大当り種別が「大当りB」に対応して下大入賞口が2.0秒にわたり開放状態となる場合には下大入賞口が開放状態となるまでの待ち時間をカウントダウン表示するステップS504第2指示報知演出動作制御を含むS175大当り中演出処理が記載されているといえる。
また,上記段落【0190】には「大当り種別が「大当りB」に対応した大当り遊技状態で第15ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入(入賞)して確変制御が行われることが特定された場合には,・・・ステップS522の演出動作制御が行われることにより,・・・図21(B)に示すような演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させる。」と記載され,上記段落【0191】には「図21(B)に示す演出画像は,確変制御が行われることに対応したメッセージを報知する文字画像MA2・・・を,含んでいる。」と記載され,上記【図19】には,S176大当り終了演出処理に,S522大当り終了報知演出動作制御を含むことが記載されているから,刊行物1には,大当り種別が「大当りB」に対応した大当り遊技状態で第15ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入(入賞)して確変制御が行われることが特定された場合には,確変制御が行われることに対応したメッセージを報知する文字画像MA2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させるステップS522の大当り終了報知演出動作制御を含むS176大当り終了演出処理が記載されているといえる。
そして,刊行物1には,上記【図16】には,演出制御プロセス処理に,上記S175大当り中演出処理と,上記S176大当り終了演出処理を含むことが記載されるとともに,上記段落【0160】には「・・・演出制御プロセス処理において,演出制御用CPU120は,・・・ステップS170~S176の処理のいずれかを選択して実行する。」と記載されているから,刊行物1には,S175大当り中演出制御処理及びS176大当り終了演出処理を実行する演出制御用CPU120が記載されているといえ,
してみると,刊行物1には,第15ラウンドの実行中であると判定された場合に各種指令を作成して表示制御部123やランプ制御基板14に対して伝送させることにより,特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口が開放状態となる(遊技球が進入すれば確変制御条件が成立する)ことに対応して,「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出を実行するとともに,大当り種別が「大当りB」に対応して下大入賞口が2.0秒にわたり開放状態となる場合には下大入賞口が開放状態となるまでの待ち時間をカウントダウン表示し,
大当り種別が「大当りB」に対応した大当り遊技状態で第15ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入(入賞)して確変制御が行われることが特定された場合には,確変制御が行われることに対応したメッセージを報知する文字画像MA2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させる演出制御用CPU120が記載されているといえる。
(d)上記段落【0210】には「・・・下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は,大当り遊技状態における最終のラウンド遊技に限定されず,大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよい。」,「最終のラウンド遊技(第15ラウンド)」と記載されているから,刊行物1には,下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は,大当り遊技状態における最終のラウンド遊技(第15ラウンド)に限定されず,大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよいことが記載されているといえる。
(e)上記段落【0171】には「ステップS504の処理では,第2指示報知演出を実行するために・・・各種指令を作成して・・・ランプ制御基板14・・・に対して伝送させ・・・」と記載され,上記段落【0048】には「ランプ制御基板14は,・・・装飾用LED・・・における点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路・・・が搭載されている。」と記載され,上記段落【0036】には「パチンコ遊技機1の遊技領域2における・・・特別可変入賞球装置7・・・の周囲には,装飾用LEDが配置されていてもよい。」と記載されているので,刊行物1には,ステップS504の処理では,前記第2指示報知演出を実行するために各種指令を作成して,
特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LEDにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路が搭載されているランプ制御基板14に対して伝送させる処理を行うことが記載されているといえる。
そして,上記(c)で示したとおり,刊行物1には上記ステップS504を含む上記S175大当り中演出制御処理を実行する演出制御用CPU120が記載されているといえる。
してみると,刊行物1には,上記演出制御用CPU120は,上記第2指示報知演出を実行するために各種指令を作成して,
特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LEDにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路が搭載されているランプ制御基板14に対して伝送させる処理を行うことが記載されているといえる。
(f)上記段落【0074】には,上記(a)で示したとおり,パチンコ遊技機1が記載されている。
上記の記載事項(ア)~(コ),上記図示事項(サ)及び(シ),及び上記の認定事項(a)~(f)から,刊行物1には,次の発明(以下,「刊行物1発明」という。)が記載されていると認める。
「a 遊技球が左遊技領域2Aにおいて普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)すると第1始動条件が成立し,その後第1開始条件が成立したことに基づいて第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始され,この特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには,可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)となり,遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御され,この大当り遊技状態では,上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となるラウンド遊技が所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行され,ラウンド遊技の実行期間以外の期間では,上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり,入賞球が発生不可能となるパチンコ遊技機1であって,
b 大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」となったときに,下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となり,下大入賞口に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されることで,大当り遊技状態の終了後に,可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態となるための確変制御条件が成立するための処理を行うCPU103と,
c’第15ラウンドの実行中であると判定された場合に各種指令を作成して表示制御部123やランプ制御基板14に対して伝送させることにより,特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口が開放状態となる(遊技球が進入すれば確変制御条件が成立する)ことに対応して,「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出を実行するとともに,大当り種別が「大当りB」に対応して下大入賞口が2.0秒にわたり開放状態となる場合には下大入賞口が開放状態となるまでの待ち時間をカウントダウン表示し,
大当り種別が「大当りB」に対応した大当り遊技状態で第15ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入(入賞)して確変制御が行われることが特定された場合には,確変制御が行われることに対応したメッセージを報知する文字画像MA2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させる演出制御用CPU120とを有し,
d 下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は,大当り遊技状態における最終のラウンド遊技(第15ラウンド)に限定されず,大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよく,
e’上記演出制御用CPU120は,上記第2指示報知演出を実行するために各種指令を作成して,
特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LEDにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路が搭載されているランプ制御基板14に対して伝送させる処理を行う
f パチンコ遊技機1。」
(2-2)刊行物2
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された特開2013-56102号公報(以下,「刊行物2」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0005】
そこで,本発明は上記点に鑑み,大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過することで高確率状態を発生させるタイプの遊技機にて,従来に比して興趣向上を図ることを目的とする。」
(イ)「【0084】
そして,本実施例では,大当り遊技実行中に遊技球が特定領域300を通過することで(特定領域検出スイッチ300sに検出されることで),大当り遊技終了後に確率変動機能が作動開始するように設定されている。つまり,本実施例では,内部に特定領域300を有する中大入賞装置31内に入球した遊技球のうち,少なくとも1個の遊技球が特定領域300を通過することで,確率変動機能の作動条件が成立することとされている。また,中大入賞装置31内に入球した遊技球の全てが特定領域300を通過しなかった場合(特定領域300を通過した遊技球が0個の場合)には,確率変動機能の作動条件が成立しない。なお,本実施例では,遊技球を特定領域300に誘導する経路と,遊技球を非特定領域301に誘導する経路とを切り換える振分ソレノイド401の通電と通電停止を,当該遊技機1の電源投入時から常時一定のタイミング(2秒毎)で交互に行っている。このため,中大入賞装置31が閉鎖状態或いは開放状態とされている間にも,遊技球を特定領域300に誘導する経路と,遊技球を非特定領域301に誘導する経路とが2秒毎に切り替わり,中大入賞口31aの開放タイミングおよび中大入賞口31aへの入球タイミングによって,確率変動機能が作動する場合と確率変動機能が作動しない場合とが生ずることとなる。」
(ウ)「【0094】
また,本実施例では,15R大当り遊技Aまたは15R大当り遊技Bの実行中に発生する「4秒のインターバル」中に特殊な予告演出を行うこととしている。すなわち,中大入賞装置31が開放状態となる最終回のラウンド(15R目)が発生する直前のインターバル中(4秒の閉鎖中)に,「これから確率変動機能の作動条件を成立させる機会が発生する旨」を,演出表示装置27での表示を用いて遊技者に予告として報知することとしている。これにより,中大入賞装置31が開放状態となる最終回のラウンド(15R目)中に,遊技球が中大入賞口31aに入球するか否か,および中大入賞口31aに入球した遊技球の行方(特定領域を通過するか否か)を遊技者が見逃すことを抑止し,大当り遊技中の遊技興趣を向上させることができる。また,15R大当り遊技Aと15R大当り遊技Bとで,予告演出の種類を相違させることもでき,例えば,15R大当り遊技Aでは4秒のインターバル中に「確変大チャンス!!」の表示を行う予告演出を実行し,15R大当り遊技Bでは4秒のインターバル中に「確変チャンス!」の表示を行う予告演出を実行する。これにより,これから発生する最終回のラウンド(15R目)で確率変動機能の作動が決定される期待度を示すことができ,最終回のラウンドを迎える遊技者の興趣を一層盛り上げることができる。これら予告演出の実行制御は,主制御部200から送信されるラウンド関連コマンド(各ラウンドの開始,終了を示すコマンド)に基づいてサブ制御部220Aによって行われるように構成されている。」
上記記載事項(ア)~(ウ)から,刊行物2には,次の事項(以下,「刊行物2記載の事項」)が記載されているといえる。
「大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過することで高確率状態を発生させるタイプの遊技機において,
内部に特定領域300を有する中大入賞装置31を有し,
中大入賞装置31が開放状態となるラウンドが発生する直前のインターバル中(4秒の閉鎖中)に,「これから確率変動機能の作動条件を成立させる機会が発生する旨」を,演出表示装置27での表示を用いて遊技者に予告として報知する遊技機。」
(2-3)刊行物3
本願の出願前に頒布された特開2008-272230号公報(以下,「刊行物3」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)「【0024】
(実施例)
以下,本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係る遊技機用可変入賞装置(以下,単に入賞装置ともいう)を備えたパチンコ機を例示する正面図,図2は本発明に係る入賞装置の一例を示し,下扉が閉鎖位置にあるときの正面図及び斜視図,図3はその下扉が開放位置にあるときの正面図及び斜視図である。また,図4は図2の主要部を示す斜視図,図5は図3の主要部を示す斜視図である。図1に示すように,パチンコ機1(遊技機)の遊技盤2の盤面2a(前面)には,ほぼ左半周が内外2本の発射レール2bによって区画され,全体としてほぼ円形の遊技領域2cが形成されている。遊技領域2cの中央には液晶表示部3が搭載され,液晶表示部3の下方(遊技領域2cの中央下部)に入賞装置4が配置されている。なお,液晶表示部3と入賞装置4との間には,一対の回動翼片8a,8aによって形成される電動チューリップ(電チュー)形の始動入賞口8が配置されている。」
(イ)「【0025】
図2及び図3に示すように,この入賞装置4は遊技盤2(図1参照)に固定するための台板5を含んで構成され,台板5は,流下方向を上下方向としその交差方向を左右方向としたとき,左右方向を長手方向とする矩形状に形成された大入賞口5b(入賞口)を有する。したがって,発射レール2bから打ち出された遊技球は,遊技盤2の盤面2a上に形成された遊技領域2cから大入賞口5bを通過して後方側(遊技者の位置する前方側とは反対側)に向かう入賞領域5cへ導入される(図1,図3(a)参照)。
【0026】
図4及び図5にも示すように,入賞装置4は,大入賞口5bに回動可能に嵌め込まれた矩形状の下扉10(入賞扉)と,大入賞口5bの上方で回動可能に配置された矩形状の上扉20(開閉扉)と,下扉10を回動変位させるためのソレノイド30(アクチュエータ)と,ソレノイド30による下扉10の回動変位と同期して上扉20を回動変位させるための連動機構40と,遊技者側を照射するための前向きLED51(発光手段)と入賞領域5cを下向きに照射する下向きLED52(下向き発光手段)が実装された発光基板50とを備えている(図6参照)。」
(ウ)「【0038】
このような入賞装置4について,図1~図6により,遊技盤2上での入賞装置4の作動について概略を説明する。始動入賞口8へ遊技球が入賞すると当否抽選が実行され,その抽選結果が大当たりであると,液晶表示部3に大当たり図柄(例えば「777」のゾロ目)が表示される。さらに,入賞装置4のソレノイド30が励磁されて,下扉10が第一回動軸線O1周りに回動して開放位置(図3)へ変位し,連動機構40を介して上扉20が第二回動軸線O2周りに回動して突出位置(図3)へ変位するとともに,前向きLED51及び下向きLED52が点灯する。そして,大入賞口5bへの所定個数(例えば10個)の入賞を近接スイッチ7が検出したとき,又は所定時間(例えば30秒)が経過したときに下扉10が閉鎖位置(図2)へ変位し,上扉20が収納位置(図2)へ変位するとともに,前向きLED51及び下向きLED52が消灯する。これを1ラウンド(1R)として所定のラウンド数(例えば15R)が繰り返され,遊技者はこの間に大量の賞球を獲得することができる。」
上記記載事項(ア)~(ウ)から,刊行物3には,次の事項(以下,「刊行物3記載の事項」)が記載されているといえる。
「大入賞口5bに回動可能に嵌め込まれた矩形状の下扉10(入賞扉)と,大入賞口5bの後方側の入賞領域5cを下向きに照射する下向きLED52(下向き発光手段)が実装された発光基板50とを備え,
始動入賞口8へ遊技球が入賞すると当否抽選が実行され,その抽選結果が大当たりであると,下扉10が開放位置へ変位するとともに,下向きLED52が点灯する入賞装置4を備えたパチンコ機1。」
(3)対比
本願補正発明と刊行物1発明とを対比する。
(a)刊行物1発明の「左遊技領域2A」,「普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口」,「第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲーム」,「この特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示され」ること,「上大入賞口または下大入賞口」,「パチンコ遊技機1」は,それぞれ本願補正発明の「遊技領域」,「始動口」,「複数の識別情報の変動表示」,「変動表示結果が特別表示結果となること」,「大入賞口」,「遊技機」にそれぞれ相当する。
また,刊行物1発明の「上大入賞口または下大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7Aまたは特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となるラウンド遊技」は,「所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行され」るとともに,「ラウンド遊技の実行期間以外の期間では,上大入賞口や下大入賞口が閉鎖状態となり,入賞球が発生不可能となる」のであるから,刊行物1発明においては,本願補正発明のように「複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御」されているといえる。
してみると,刊行物1発明の「遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態」は,本願補正発明の「複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態」に相当するといえる。
したがって,刊行物1発明のaは,本願補正発明のAに相当する。
(b,d)刊行物1発明のbの「大当り遊技状態におけるラウンド遊技の実行回数が特定回数としての「15」となったときに,下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行」されることについて,
刊行物1発明のdでは「下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよ」いのであるから,刊行物1発明における,上記特定回数としては「7」でもよいといえる。
そうすると,刊行物1発明において,ラウンド遊技の実行回数が特定回数として「7」となることは,本願補正発明において「前記複数のラウンドのうちの特定ラウンド」となることに相当するといえる。
また,刊行物1発明において,「下大入賞口を開放状態とするラウンド遊技が実行されて特別可変入賞球装置7Bが遊技者にとって有利な第1状態となり,下大入賞口に進入した遊技球が特定領域スイッチ24によって検出されること」,「大当り遊技状態の終了後」,「確変状態」は,それぞれ,本願補正発明の「前記大入賞口の所定領域への遊技球の入球」が行われること,「前記特別遊技状態の終了後」,「遊技状態として通常遊技状態に比べて前記変動表示結果が前記特別表示結果となり易い特定遊技状態」に相当する。
したがって,刊行物1発明のb,dは,本願補正発明のB,Dに相当する。
(c)刊行物1発明のc’において「第15ラウンド」とは,刊行物1発明のbからみて,下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技を意味するといえる。
そして,上記(b,d)で示したとおり,刊行物1発明においては,上記特定回数として「7」でもよいものであるので,上記「第15ラウンド」は第7ラウンドでもよいものといえ,このとき刊行物1発明における「第7ラウンド」は,本願補正発明の「前記特定ラウンド」に相当するといえる。
そして,刊行物1発明の「「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出」は,本願補正発明の「該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知」に相当する。
次に,刊行物1発明の「大当り種別が「大当りB」に対応した大当り遊技状態で第15ラウンドにて開放状態となった下大入賞口に遊技球が進入(入賞)して確変制御が行われることが特定された場合には,確変制御が行われることに対応したメッセージを報知する文字画像MA2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させることは,第15ラウンドとは上記特定回数を意味するとともに,上記(b,d)で示したとおり上記特定回数として「7」でもよいということを考えると,本願補正発明の「前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う」ことに相当するといえる。
してみると,刊行物1発明のc’における演出制御用CPU120と,本願補正発明のCにおける報知手段とは,「前記特定ラウンドで前記大入賞口が開放される」ことに対応して「該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知を行い,
前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う,報知手段」である点で共通している。
(e)刊行物1発明の「特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LED」は,本願補正発明の「所定の発光手段」に相当するといえる。
そして,刊行物1発明の「各種指令を作成して,
特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LEDにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路を搭載されているランプ制御基板14に対して伝送させる処理」は,本願補正発明の「第1報知」に相当する「第2指示報知演出」を実行するためのものであるので,当該処理は「第2指示報知演出」と対応していることは当業者にとって明らかであり,また,当該処理により「特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LED」に対して,点灯するか消灯するかは不明であるものの,何らかの制御を行っていることもまた明らかである。
したがって,刊行物1発明のe’と本願補正発明のEとは,報知手段が「前記第1報知を実行したことに対応させて」,「所定の発光手段」を制御する点で共通している。
(f)刊行物1発明の「パチンコ遊技機1」は,本願補正発明の遊技機に相当する。
上記(a)~(f)から,本願補正発明と刊行物1発明とは,
[一致点]
「A 遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球することにより複数の識別情報の変動表示を実行し,変動表示結果が特別表示結果となることによって,複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において,
B 前記複数のラウンドのうちの特定ラウンドにおける前記大入賞口の所定領域への遊技球の入球に基づいて,前記特別遊技状態の終了後に,遊技状態として通常遊技状態に比べて前記変動表示結果が前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と,
C’前記特定ラウンドで前記大入賞口が開放されることに対応して,該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知を行い,
前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う,報知手段と,
を備え,
D 前記特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンドを前記特定ラウンドとし,
E’前記報知手段は,前記第1報知を実行したことに対応させて所定の発光手段を制御する
F 遊技機。」
である点で一致し,以下の点で相違する。
[相違点1](構成C)
「該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知」を行うタイミングに関して,
本願補正発明は「大入賞口が開放される」前であるのに対し,
刊行物1発明においては,「大入賞口が開放される」前であるか否かが明確ではない点。
[相違点2](構成E)
第1報知を実行したことに対応させて制御する「所定の発光手段」について,
本願補正発明は「大入賞口を発光させるための」ものであるとともに,「所定の態様で発光」するものであるのに対し,
刊行物1発明においては,「大入賞口を発光させるための」ものであるか不明であるとともに,「所定の態様で発光させる」か否かが不明である点。
(4)判断
上記相違点1,2について検討する。
ア 相違点1について
刊行物1発明は,上記(2)(2-1)に示したとおり,「特別可変入賞球装置7Bに形成された下大入賞口(本願補正発明の「大入賞口」に相当。)が開放状態となる(遊技球が進入すれば確変制御条件が成立する)ことに対応して,「スペシャルアタッカー開放!!」というメッセージを報知する文字画像MM2や,遊技球を右遊技領域2Bに発射するよう遊技者に指示する「右打ちしてね!」のメッセージや右向き矢印を示す指示報知画像AR2を含む演出画像を,画像表示装置5の表示領域に表示させることといった,第2指示報知演出(本願補正発明の「第1報知」に相当。)を実行する」構成を有する遊技機である。
一方,刊行物2記載の事項は,上記(2)(2-2)に示したとおり「内部に特定領域300を有する中大入賞装置31を有し,
中大入賞装置31が開放状態となるラウンドが発生する直前のインターバル中(4秒の閉鎖中)に,「これから確率変動機能の作動条件を成立させる機会が発生する旨」を,演出表示装置27での表示を用いて遊技者に予告として報知する遊技機」である。
そして,刊行物2記載の事項の「内部に特定領域300を有する中大入賞装置31」,「中大入賞装置31が開放状態となるラウンド」は,それぞれ本願補正発明の「大入賞口」,「特定ラウンド」に対応するといえるから,上記刊行物2記載の事項には,特定ラウンドで大入賞口が開放される前に,「これから確率変動機能の作動条件を成立させる機会が発生する旨」の報知を行う点が開示されているといえる。
刊行物1発明と刊行物2記載の事項とは同じ遊技機の技術分野に属しており,開放状態となった大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過することで高確率状態(確変状態)を発生させる遊技機である点で共通の構成を有している。
また,刊行物1発明における「第2指示報知演出」と,刊行物2記載の事項における「「これから確率変動機能の作動条件を成立させる機会が発生する旨」の報知」とは,いずれも大入賞口が開放状態になることを報知する点において共通するものである。
さらに,刊行物1発明において,第2指示報知演出を実行する演出制御用CPU120が行っている「カウントダウン表示」は,下大入賞口が開放状態となるまでの待ち時間を表示するものであるから,下大入賞口が開放状態となる前に行われていることは明らかである。してみると,刊行物1には,上記演出制御用CPU120が,下大入賞口が開放状態となることに関する表示を,下大入賞口が開放する前のタイミングで行うことについての示唆があるといえる。
したがって,刊行物1発明の第2指示報知演出を行うタイミングについて,刊行物2記載の事項を適用し,下大入賞口が開放状態となる前とすることにより,上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者にとって容易になし得ることである。
イ 相違点2について
刊行物3記載の事項は,上記(2)(2-3)に示したとおり「大入賞口5bに回動可能に嵌め込まれた矩形状の下扉10(入賞扉)と,大入賞口5bの後方側の入賞領域5cを下向きに照射する下向きLED52(下向き発光手段)が実装された発光基板50とを備え,
始動入賞口8へ遊技球が入賞すると当否抽選が実行され,その抽選結果が大当たりであると,下扉10が開放位置へ変位するとともに,下向きLED52が点灯する入賞装置4を備えた」遊技機である。
そして,刊行物3記載の事項において,大入賞口5bの後方側の入賞領域5cを「下向きLED52」が下向きに照射するときには大入賞口5bも発光させることは,当業者にとって明らかである。
してみると,刊行物3記載の事項における「下向きLED52」は,本願補正発明の「前記大入賞口を発光させるための所定の発光手段」に対応するといえる。また,「下向きLED52」が下向きに照射する点は本願補正発明の「所定の態様で発光」する点に対応するといえる。
刊行物1発明と,刊行物3記載の事項とは同じ遊技機の技術分野に属するものである。
また,刊行物1発明における「特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LED」と,刊行物3記載の事項における「下向きLED52」とは,ともに大入賞口に関して設けられた発光手段である点において共通した構成を有している。
してみると,刊行物1発明における「特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LED」について,刊行物3記載の事項を適用して当該装飾用LEDを大入賞口を発光させるための所定の発光手段とし,
当該装飾用LEDの制御についても,刊行物3記載の事項を適用して,装飾用LEDを所定の態様で発光することにより,上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは,当業者にとって容易である。
ウ 本願補正発明の効果について
本願補正発明が奏する効果は,刊行物1発明,刊行物2記載の事項,及び刊行物3記載の事項から,当業者が予測する範囲のものである。
エ 判断についてのまとめ
したがって,本願補正発明は,刊行物1発明,刊行物2記載の事項,及び刊行物3記載の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)請求人の主張について
請求人は,平成29年6月8日付け審判請求書において,
「(4)本願発明と引用文献との対比
(相違点1)
本願発明では,特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンドを特定ラウンドとしているのに対し,引用文献2~6では,そのようになっていない点で相違します。」と主張(以下,「主張1」という。)するとともに,
「(相違点2)
本願発明では,事前報知を実行したことに対応させて第2大入賞口を発光させるための所定の発光手段を所定の態様で発光させるのに対し,引用文献2~6では,そのようになっていない点で相違します。・・・
しかしながら,引用文献4~6に記載された発光手段は,狙うべき大入賞口に対応して設けられている,つまり,大入賞口そのものを発光させるのではなく,大入賞口の上流で発光しているだけとなっています。
そのため,本願発明や引用文献2のように,右側領域を流下する遊技球が入球可能な2つの大入賞口を備えたような遊技機に対して,引用文献4~6のような発光手段を適用した場合には,想定外の問題点が発生します。」と主張(以下,「主張2」という。)している。
まず,主張1について検討する。上記「(2)(2-1)(コ)」に示したとおり,審判請求書で引用文献2と表記している刊行物1の段落【0210】には「下大入賞口を開放状態とする特定回数のラウンド遊技は,大当り遊技状態における最終のラウンド遊技に限定されず,大当り遊技状態が開始されてから終了するまでにおける任意の実行回数(例えば「7」など)となるラウンド遊技であればよい。」と記載されており,刊行物1には,最終ラウンドよりも前のラウンドを特定ラウンドとすることが記載されているといえる。
したがって,主張1は採用できない。
次に,主張2について検討する。上記「(4)イ」で検討したとおり,刊行物3には「大入賞口5bに回動可能に嵌め込まれた矩形状の下扉10(入賞扉)と,大入賞口5bの後方側の入賞領域5cを下向きに照射する下向きLED52(下向き発光手段)が実装された発光基板50とを備え,
始動入賞口8へ遊技球が入賞すると当否抽選が実行され,その抽選結果が大当たりであると,下扉10が開放位置へ変位するとともに,下向きLED52が点灯する入賞装置4を備えたパチンコ遊技機1。」という事項(刊行物3記載の事項)が記載されており,刊行物1発明における所定の発光手段である大入賞口の周囲に設けられる装飾LEDについて,刊行物3記載の事項を適用することにより大入賞口を発光させるように構成することは当業者にとって容易であって,その効果も刊行物1発明,刊行物3記載の事項から当業者が予測する範囲のものである。
したがって,主張2は採用できない。
(6)まとめ
したがって,本願補正発明は,刊行物1発明,刊行物2記載の事項,及び刊行物3記載の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定に基づいて特許出願の際独立して特許を受けることができない。
よって,本件補正は,特許法第17条の2第6項にて準用する同法第126条第7項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明
本件補正は,上記のとおり却下されることとなったので,本願の請求項1に係る発明は,平成28年9月15日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ,その請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,上記「第2[理由]1」に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。
1 刊行物1
原査定の平成28年7月13日付け拒絶理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物1の記載事項及び刊行物1発明の認定については,上記「第2[理由]3(2)(2-1)」に記載したとおりである。
2 対比
本願発明は,上記「第2[理由]1」で検討した本願補正発明から,
ア 「特定ラウンド」について「前記特別遊技状態のうちの最終ラウンドよりも前のラウンドを前記特定ラウンド」する旨の限定を省くとともに,
イ 「所定の発光手段」について,「前記大入賞口を発光させる」という限定を省き,「前記大入賞口に対応して設けられる」と特定するものである。
ここで,上記「第2[理由]3(4)イ」に示したとおり,刊行物1発明が「特別可変入賞球装置7の周囲に設けられた装飾用LED」という本願発明の「前記大入賞口に対応して設けられる所定の発光手段」に相当する構成を有していることを考えると,本願発明と刊行物1発明とは,
[一致点]
「A 遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動口に遊技球が入球することにより複数の識別情報の変動表示を実行し,変動表示結果が特別表示結果となることによって,複数のラウンドに亘って大入賞口が,遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能な閉鎖状態とに制御される特別遊技状態を発生させる遊技機において,
B 前記複数のラウンドのうちの特定ラウンドにおける前記大入賞口の所定領域への遊技球の入球に基づいて,前記特別遊技状態の終了後に,遊技状態として通常遊技状態に比べて前記変動表示結果が前記特別表示結果となり易い特定遊技状態に制御する遊技状態制御手段と,
C’前記特定ラウンドで前記大入賞口が開放されることに対応して,該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知を行い,
前記特定ラウンドで前記大入賞口の所定領域に遊技球が入球すると,前記特定遊技状態に制御されることを遊技者に認識させるための第2報知を行う,報知手段と,
を備え,
E”前記報知手段は,前記第1報知の実行に合わせて大入賞口に対応して設けられる所定の発光手段を制御する
F 遊技機。」
である点で一致し,以下の点で相違する。
[相違点1](構成C)
「該大入賞口を狙って遊技球を流下させることを遊技者に認識させるための第1報知」を行うタイミングに関して,
本願補正発明は「大入賞口が開放される」前であるのに対し,
刊行物1発明においては,「大入賞口が開放される」前であるか否かが明確ではない点。(上記「第2[理由](3)」において,相違点1として示したものと同じである。)
[相違点2’](構成E)
第1報知の実行に合わせて大入賞口に対応して設けられる「所定の発光手段」の制御に関して,
本願補正発明は「所定の態様で発光」するものであるのに対し,
刊行物1発明においては,「所定の態様で発光させる」か否かが不明である点。
3 判断
上記相違点1については,上記「第2[理由](4)ア」にて検討済みである。
次に,相違点2’について検討する。
遊技機の技術分野において,大入賞口に対応して設けられた発光手段を,大入賞口が開放されるときに発光させる制御は周知の事項である(例えば,上記「3(2)(2-3)」に記載された刊行物3記載の事項における,大入賞口5dの下扉10が開放位置へ変位するとともに,下向きLED52が点灯する点,及び,
原査定の拒絶の理由に引用された本願の出願前に頒布された特開2012-254331号公報の段落【0076】~【0078】,【0084】に記載される,LED61~66を有する右打ち報知器10について,特別図柄抽選に当選し,大入賞口が開放され,右打ちが必要な状態になると,LED61~66を点灯させるという事項を参照。)。
ここで,刊行物1発明と,上記周知の事項は,共に遊技機の技術分野に属するものである。
また,刊行物1発明における装飾用LEDと,上記周知の事項における発光手段とは,大入賞口に対応して設けられるという点において共通した構成を有しているといえる。
してみると,刊行物1発明における大入賞口の周囲に設けられた装飾用LEDについて,上記周知の事項を適用して,「第2指示報知演出」に対応して上記装飾用LEDを発光させる構成として,上記相違点2’に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者にとって容易である。
4 むすび
以上の通り,本願発明は,刊行物1発明,刊行物2記載の事項,及び上記周知の事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるので,本願発明は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2017-008343