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特許拒絶査定不服審判

2017-008309

D2D通信におけるサブフレーム構成指示方法及びシステム

審判番号
2017-008309
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-518824外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年06月07日
審決日
2019年04月03日
公報発行日
2019年10月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .113-WZ (H04W) / P18 .121-WZ (H04W)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第29条
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-518824「D2D通信におけるサブフレーム構成指示方法及びシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月18日国際公開、WO2014/198176、平成28年 8月12日国内公表、特表2016-524413〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)5月16日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年6月14日 中国)を国際出願日とする出願であって、平成27年12月28日に手続補正書が提出され、平成28年10月24日付けで拒絶理由が通知され、平成29年1月24日に意見書及び手続補正書が提出され、同年2月2日付けで拒絶査定されたところ、同年6月7日に拒絶査定不服審判の請求がされ、同時に手続補正書が提出され、平成30年7月26日付けで拒絶理由が当審より通知され、同年10月30日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成30年10月30日に補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。 「 デバイスツーデバイス(D2D)通信におけるサブフレーム構成指示方法であって、 上位層シグナリングおよび/または物理層シグナリングにより、構成されたD2D送信サブフレームおよび/またはD2D受信サブフレームを指示することを含み、前記D2D送信サブフレームがD2D通信データを搬送して送信するように構成され、前記D2D受信サブフレームがD2D通信データを受信するように構成され、前記D2D送信サブフレームおよびD2D受信サブフレームが、システム上りリンクサブフレームであり、 前記上位層シグナリングは、D2Dサブフレーム構成パターン、D2D無線フレーム構成周期、D2D無線フレーム構成オフセット、D2Dサブフレーム構成指示のうちの少なくとも一つを含み、または、 前記物理層シグナリングは、D2Dサブフレーム構成パターンまたはD2Dサブフレーム構成指示を含む、 D2D通信におけるサブフレーム構成指示方法。」 ここで、本願発明は補正前の請求項5からD2D特殊サブフレームの選択肢を削除したものである。 第3 拒絶の理由 当審拒絶理由の概要は、以下のとおりである。 「(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものであり、本願発明に対応する補正前の請求項5に係る発明に対して、引用文献1が引用されている。 <引用文献等一覧> 1.InterDigital,"D2D Communication in LTE",3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #73 R1-132188,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_73/Docs/R1-132188.zip>,2013年5月11日アップロード 第4 引用発明 当審拒絶理由に引用された「InterDigital,"D2D Communication in LTE"(当審訳:LTEにおけるD2D通信),3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #73 R1-132188,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_73/Docs/R1-132188.zip>,2013年5月11日アップロード。」(以下、「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。 ア 「We propose to support D2D communications in LTE by using cellular UL radio resources, reusing PUSCH for D2D, and using TDM/FDM based multiplexing on a per-subframe basis for cellular UE's and D2D UE's.」(1葉6~7行) (当審訳:我々は、セルラーUL無線リソースを使用し、D2DにPUSCHを再使用し、そしてセルラーUE及びD2D UEに対するサブフレーム毎のTDM / FDMベースの多重化を使用することによって、LTEにおけるD2D通信をサポートすることを提案する。) イ 「UL subframe based Tx opportunities for D2D communications and D2D PUSCH D2D transmission opportunities are semi-statically reserved by the eNB through use of cell-specific and semi-static RRC configurations. Using the example in Figure 1, D2D transmission opportunities are reserved for bi-directional D2D communication by means of RRC configured intervals, ex: 1 UL subframe is allocated frame over a period of 4 frames and this pattern recurring every 20 radio frames. It should be understood that semi-static reservation of D2D transmission opportunities by the eNB is still followed by dynamically eNB issued grants for the actual D2D PUSCH transmissions.」(2葉1~7行) (当審訳:D2D通信及びD2D PUSCH用のULサブフレームベースの送信機会 D2D送信機会は、セル固有及び準静的RRC設定を使用することによって、eNBによって準静的に予約される。図1の例を使用すると、例えば4つのフレームの期間にわたって、フレームに1つのULサブフレームが割り当てられ、このパターンは20の無線フレームごとに繰り返されるように、RRCで設定された間隔によってD2D送信機会が双方向D2D通信のために予約される。 eNBによるD2D送信機会の準静的予約の後に、実際のD2D PUSCH送信のために動的にeNBが発行するグラントが依然として続くことが理解されるべき。) ウ 「When using UL radio resources for D2D communication, it is possible to consider using either PUSCH or PDSCH transmission formats. ・・・・・・ In summary, we think that using the existing PUSCH transmission format is inherently more suitable for UE D2D communications than using PDSCH. 」(2葉10~22行) (当審訳:D2D通信にUL無線リソースを使用する場合、PUSCH又はPDSCH伝送フォーマットのいずれかを使用することが考えられる。 ・・・・・・ 要約すると、既存のPUSCH送信フォーマットを使用することは、本質的に、PDSCHを使用するよりもUE D2D通信に適していると考えている。) エ 「Multiplexing of cellular UE's and D2D UE's in shared UL subframes D2D transmission opportunities are semi-statically reserved and dynamically assigned to transmitting and receiving D2D UE's by the eNB.」(2葉23~25行) (当審訳:共有ULサブフレームにおけるセルラーUE及びD2D UEの多重化 D2D送信機会は、準静的に予約され、eNBによってD2D UEの送信及び受信に動的に割り当てられる。) オ 「Summary: 1. D2D communication is supported using UL subframes 2. PUSCH is used for D2D communication 3. Semi-static configuration of D2D transmission opportunities subject to dynamic scheduling by the eNB 4. Cellular UL transmissions (PUCCH, PUSCH) and D2D communications occur in different subframes, i.e. TDM」(4葉8~12行) (当審訳:概要: 1. D2D通信は、ULサブフレームを使用によりサポートされる 2. PUSCHはD2D通信に使用される 3. eNBによる動的スケジューリングを条件とするD2D伝送機会の準静的な設定 4. セルラーUL送信(PUCCH、PUSCH)及びD2D通信は、異なるサブフレームにおいて生じる。すなわちTDM) カ 「When operating under LTE network coverage, UL grants for D2D UL subframes can be sent by the eNB to both the D2D transmitting and receiving UE's. This avoids the need to introduce a new channel allocation protocol for D2D communication links in-between D2D UE's and leaves allocation of D2D UL subframes under full control of the eNB. Clearly, to avoid the need for inband signalling on the D2D PUSCH, UL grants for D2D UL subframes must be known both by the D2D transmitting and by the D2D receiving UE. For the examples in Figure 4, either duplicated UL grant DCI's or a single shared DCI can be used to allocate a D2D PUSCH. Alternatively, a D2D DL Common Control Channel can be considered. It is desirable to maintain the principle of synchronous HARQ for the D2D communication link in case of such eNB controlled channel assignments.」(5葉26~33行) (当審訳:LTEネットワークカバレッジ下で動作する場合、D2D ULサブフレームのためのULグラントは、eNBによってD2D送信UE及びD2D受信UEの両方に送信され得る。これにより、D2D UE間のD2D通信リンクのために新しいチャネル割り当てプロトコルを導入する必要がなくなり、eNBの完全制御下でD2D ULサブフレームを割り当てることができる。 明らかに、D2D PUSCH上の帯域内シグナリングの必要性を避けるために、D2D ULサブフレームに対するULグラントは、D2D送信UE及びD2D受信UEの両方によって知られていなければならない。図4の例では、D2D PUSCHを割り当てるために、繰り返しのULグラントDCI又は単一共有DCIが使用できる。あるいは、D2D DL共通制御チャネルが考慮され得る。このようなeNB制御チャネル割り当ての場合には、D2D通信リンクに対する同期HARQの原理を維持することが望ましい。) キ 「Summary: ・・・・・・ 9. When under LTE network coverage, D2D resource allocation is based on the principle of eNB controlled UL grants」(5葉下から3行~6葉1行) (当審訳:概要: ・・・・・・ 9. LTEネットワークカバレッジの下では、D2Dリソース割り当てはeNBによって制御されるULグラントの原則に基づく) ク 「In this contribution, we propose to support in-band D2D communication using LTE radio access by using UL subframes and PUSCH. We discussed principles of TDM/FDM based multiplexing on a per-subframe basis for cellular UE's and D2D UE's. We present and discuss advantages and limitations for two approaches to support HARQ on D2D communication links, indirect and direct HARQ. We recommend considering eNB controlled UL grants to dynamically assign D2D PUSCH transmission opportunities.」(6葉27~31行) (当審訳:本稿では、ULサブフレームとPUSCHを用いたLTE無線アクセスを用いるインバンドD2D通信をサポートすることを提案する。我々は、セルラーUE及びD2D UEに対するサブフレーム毎のTDM / FDMベースの多重化の原理について議論した。我々は、D2D通信リンク上のHARQをサポートするために、間接HARQ及び直接HARQという2つのアプローチに対する利点と限界を提示し、議論する。 D2D PUSCH送信機会を動的に割り当てるために、eNBによって制御されるULグラントを検討することを推奨する。) 上記記載及び当業者の技術常識を考慮すると、引用例1には次の技術的事項が記載されている。 a 引用例1は「D2D Communication in LTE」とタイトル付けされているように、D2D通信に関することは明らかである。また、上記イ、エ、及びオによれば、D2D送信機会が準静的に予約され、D2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームが動的に割り当てられる。したがって、以下のb、cのとおりであるから、引用例1にはD2D通信におけるサブフレームを割り当てる方法が記載されているといえる。 b 上記イ、エ、及びオによれば、D2D送信機会が準静的に予約され、さらにeNBにより送信と受信に動的に割り当てられている。そして、上記カ、キ、及びクによれば、上記動的な割り当てはeNBによりULグラントによってなされ、上記カによればDCIを使ってULグラントが行われることが明らかである。また、上記アにはセルラーUEとD2D UEに対してサブフレーム毎にTDMベースの多重化を使用することが記載されており、上記カにD2D ULサブフレームのためのULグラントが記載されていることから、上記動的な割り当ては、ULグラントによりサブフレーム毎に行われており、上述したように送信と受信の動的な割り当てはULグラントによりなされるから,ULグラントによりD2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームを割り当てているといえる。 そうしてみると、引用例1には、DCIによりD2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームを割り当てることが記載されているといえる。 c 上記ア及びウによれば、D2D通信はセルラー通信のセルラーUL無線リソースを使って行われているから、D2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームはセルラー通信のセルラーUL無線リソースを使用して送られるサブフレームであるといえる。 以上を総合すると、引用例1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「 D2D通信におけるサブフレームを割り当てる方法であって、 DCIによりD2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームを割り当て、 D2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームはセルラー通信のセルラーUL無線リソースを使用して送られるサブフレームである方法。」 第5 対比・判断 本願発明と引用発明とを対比すると、 a.引用発明の「D2D通信におけるサブフレームを割り当てる方法」では、D2D通信において使われるD2D送信とD2D受信のためのサブフレームを割り当てており、割り当てによりサブフレームの構成を指示しているといえ、また、「D2D」はデバイスツーデバイスの略であることは技術常識であることから、引用発明は、デバイスツーデバイス(D2D)通信におけるサブフレーム構成指示方法といえる。 b.本願発明の「上位層シグナリングおよび/または物理層シグナリングにより、構成されたD2D送信サブフレームおよび/またはD2D受信サブフレームを指示することを含み」との構成では、「上位層シグナリング」と「物理層シグナリング」の両方もしくは一方が択一的に選択されるから、本願発明は「物理層シグナリング」により、「D2D送信サブフレーム」と「D2D受信サブフレーム」を指示する構成を含む。 一方、引用発明の「DCI」が物理層シグナリングであることは技術常識である。そして、引用発明の「D2D送信のためのサブフレーム」と「D2D受信のためのサブフレーム」は、D2D送信に使用するサブフレームとD2D受信に使用するサブフレームであり、それぞれ本願発明の「D2D送信サブフレーム」と「D2D受信サブフレーム」に相当する。また、引用発明の「DCIにより」「サブフレームを割り当て」ることは、D2D送信UEとD2D受信UEに使用するサブフレームを指示することといえるから、本願発明の「サブフレームを指示すること」に対応する。 そうしてみると、引用発明の「DCIによりD2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームを割り当て」ることは、本願発明の「上位層シグナリングおよび/または物理層シグナリングにより、構成されたD2D送信サブフレームおよび/またはD2D受信サブフレームを指示すること」と、「物理層シグナリングにより、構成されたD2D送信サブフレームおよびD2D受信サブフレームを指示すること」である点で一致する。 c.引用発明の「D2D送信のためのサブフレーム」では、D2D通信によって通信されるデータを搬送して送信することは明らかであり、また、「D2D受信のためのサブフレーム」では、D2D通信によって通信されるデータを受信することは明らかである。したがって、引用発明のD2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームは「前記D2D送信サブフレームがD2D通信データを搬送して送信するように構成され、前記D2D受信サブフレームがD2D通信データを受信するように構成され」るといえる。 d.引用発明において、「セルラー通信のセルラーUL無線リソースを使用して送られるサブフレーム」は、セルラー通信において上りリンクに使われるサブフレームであるから、本願発明の「システム上りリンクサブフレーム」に相当する。 したがって、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致ないし相違する。 (一致点) 「 デバイスツーデバイス(D2D)通信におけるサブフレーム構成指示方法であって、 物理層シグナリングにより、構成されたD2D送信サブフレームおよびD2D受信サブフレームを指示することを含み、前記D2D送信サブフレームがD2D通信データを搬送して送信するように構成され、前記D2D受信サブフレームがD2D通信データを受信するように構成され、前記D2D送信サブフレームおよびD2D受信サブフレームが、システム上りリンクサブフレームである、 D2D通信におけるサブフレーム構成指示方法。」 (相違点) 本願発明は「前記物理層シグナリングは、D2Dサブフレーム構成パターンまたはD2Dサブフレーム構成指示を含む」なる構成を有するのに対して、引用発明では当該構成を有するのか不明な点。 上記相違点について検討する。 本願発明の 「前記物理層シグナリングは、D2Dサブフレーム構成パターンまたはD2Dサブフレーム構成指示を含む」なる構成は、 「物理層シグナリングがD2Dサブフレーム構成パターンを含む構成」、及び、 「物理層シグナリングがD2Dサブフレーム構成指示を含む構成」、 から一つの構成を択一的に選択する記載である。 一方、引用発明ではDCIによりD2D送信のためのサブフレームとD2D受信のためのサブフレームを割り当てていることから、DCIによりD2Dサブフレームの構成を指示しているといえる。ここで、DCIによる指示は物理層シグナリングであることは明らかであるから、引用発明も本願発明の「物理層シグナリングがD2Dサブフレーム構成指示を含む構成」を有しているといえ、当該相違点とした構成は実質的な相違点とはいえない。 したがって、本願発明は引用発明と同一である。 また仮に、本願発明の「物理層シグナリングがD2Dサブフレーム構成指示を含む構成」における「D2Dサブフレーム構成指示」が、送信や受信の区別なくD2Dサブフレームとして使われるサブフレームを指示することを意味しているとしても、上記「第4 引用発明」のイ、エ、及びオに摘記したように、引用例1ではD2D通信機会がD2D通信のためにRRC設定により予約されているから、物理層シグナリングにおいても送信と受信の区別をしないD2D通信機会を示す「D2Dサブフレーム構成指示」を含めることは、当業者が容易になし得た事項である。 そして、本願発明が奏する効果も、当業者が引用発明から容易に予想できる範囲内のものである。 なお、本願発明は平成30年10月30日にされた補正によりD2D特殊サブフレームに係る構成が削除されたので、引用発明との差異がなくなったものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明と同一であり、また、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条1項3号、同法29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-008309

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