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特許拒絶査定不服審判

2018-006410

ダウンリンクパワー調整の通知方法及び装置、ならびにダウンリンクパワー調整の取得方法及び装置

審判番号
2018-006410
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2016-532215
請求日
2018年05月09日
審決日
2019年05月07日
公報発行日
2019年11月29日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】ゼットティーイー コーポレイション
  • 【請求人代理人】特許業務法人前田特許事務所
審判長/審判官
  • 審判長 菅原 道晴
  • 審判官 畑中 博幸
  • 審判官 羽岡 さやか
分類
P18 .121-Z (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2016-532215「ダウンリンクパワー調整の通知方法及び装置、ならびにダウンリンクパワー調整の取得方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 2月12日国際公開、WO2015/018235、平成28年 9月23日国内公表、特表2016-529816〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)6月19日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年8月7日 中国)を国際出願日とする特許出願であって、その手続の経緯は、概略、以下のとおりである。 平成28年3月22日   :手続補正書の提出 平成29年4月4日付け  :拒絶理由通知書 平成29年7月11日   :意見書、手続補正書の提出 平成29年12月26日付け:拒絶査定 平成30年5月9日    :拒絶査定不服審判の請求 第2 本願発明 平成29年7月11日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1は、以下のとおりである。 「 ダウンリンクパワー調整の処理方法であって、 少なくとも発見信号パワーの不変を保持し或いは少なくとも発見信号のパワーを調整することにより自己適応調整を実現することを含み、 前記少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現することは、ダウンリンクチャネルと基準信号の送信パワーを調整し、かつ発見信号のパワーを不変にすることにより自己適応調整を実現することである、前記方法。」 ここで、「或いは」とは、「同種の事柄のうち、どれか一つという意を示す」(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)接続詞であるから、「自己適応調整を実現すること」についての「少なくとも発見信号パワーの不変を保持し」と「少なくとも発見信号のパワーを調整する」とは択一的な選択肢である。 したがって、請求項1に係る発明は、 「 ダウンリンクパワー調整の処理方法であって、 少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現することを含み、 前記少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現することは、ダウンリンクチャネルと基準信号の送信パワーを調整し、かつ発見信号のパワーを不変にすることにより自己適応調整を実現することである、前記方法。」との発明(以下、「本願発明」という。)を含むと認める。 第3 拒絶の理由 原査定の拒絶の理由の理由の概要は、 「2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」であるところ、請求項1に対して国際公開第2012/027363号、及び国際公開第2012/040638号が引用されている。 第4 引用例1の記載、及び引用発明 1 引用例1の記載事項 原査定の拒絶の理由で引用された国際公開第2012/027363号(以下、「引用例1」という。)には、以下の事項が記載されている。(下線は、当審で付した。) (1) 「[0006] The present disclosure is directed to systems and methods which utilize out of band (OOB) communication to facilitate femtocell operation. Embodiments implement one or more proximity agent providing out of band communication with nodes (e.g., mobile client devices) to provide assistance in or otherwise facilitate reselection, interference mitigation, and/or femtocell discovery. Out of band communication techniques utilized according to embodiments herein provide for low power discovery, association, and communication as compared to corresponding femtocell or cellular network communication techniques. [0007] An OOB proximity agent of embodiments is provided in association with a femtocell, whether integral to or separate from the associated femtocell. The femtocell provides communication links for use by client devices in accordance with a cellular network for providing desired network communication sessions, while the OOB proximity agent provides communication links for use by the client devices which are out of band with respect to the cellular network for providing assistance in femtocell discovery, reselection and/or interference mitigation. In operation according to embodiments, if a client device searches for and finds an OOB proximity agent, it will thus find a femtocell, thereby avoiding a need to aggressively search for femtocells. (中略) [0009] Embodiments may implement techniques in addition to or in the alternative to a trigger condition for causing a client device to activate an out of band radio and send an OOB proximity agent inquiry or paging message. For example, an OOB proximity agent may proactively operate to page client devices (e.g., transmitting a paging signal or a beacon periodically). Thus, when a client device is within range of such an OOB proximity agent the client device may send a paging response whereby the client device and a femtocell detect each other over the OOB link.」(当審訳: [0006] 本開示は、フェムトセル動作を容易にするために帯域外(OOB)通信を用いるシステム及び方法に関する。実施形態は、再選択、干渉緩和、及び/又はフェムトセル発見における支援を提供する、あるいはそれらを容易にするために、ノード(例えば、モバイル・クライアント・デバイス)との帯域外通信を提供する1つ又は複数の近隣エージェントを実現する。本明細書の実施形態に従って用いられる帯域外通信技術は、対応するフェムトセル又はセルラ・ネットワーク通信技術と比べて低電力の発見、接続、及び通信を提供する。 [0007] 実施形態のOOB近隣エージェントは、関連付けられたフェムトセルと統合されているか個別であるかにかかわらず、フェムトセルに関連付けられて提供される。フェムトセルは、所望のネットワーク通信セッションを提供するために、セルラ・ネットワークと一致するクライアント・デバイスによって用いるための通信リンクを提供し、OOB近隣エージェントは、フェムトセル発見、再選択、及び/又は干渉緩和における支援を提供するために、クライアント・デバイスによって用いるための、セルラ・ネットワークに関して帯域外である通信リンクを提供する。実施形態に従う動作中、クライアント・デバイスは、OOB近隣エージェントを探索し発見することによってフェムトセルを発見するので、フェムトセルを積極的に探索する必要が回避される。 (中略) [0009] 実施形態は、クライアント・デバイスに、帯域外ラジオをアクティブ化させ、OOB近隣エージェント問い合わせ又はページング・メッセージを送信させるために、トリガ条件に追加する又はその代わりとなる技術を実現することができる。例えばOOB近隣エージェントは、(例えば、ページング信号又はビーコンを定期的に送信して)クライアント・デバイスをページするように積極的に動作することができる。このように、クライアント・デバイスがそのようなOOB近隣エージェントの範囲内にある場合、クライアント・デバイスはページング応答を送信することができ、それによってクライアント・デバイスとフェムトセルとがOOBリンクを介して互いに検出しあう。) (2) 「[0028] Referring now to FIGURE IB, additional detail with respect to an embodiment of femtocell access point 110 is shown. Femtocell access point 110 may have various configurations of devices, such as a processor-based system configured as a cellular base station, etc. providing wireless links with respect to communication network 150 of FIGURE 1A. Accordingly, femtocell access point 110 of the illustrated embodiment includes native cellular interface 111 (e.g., a transceiver utilizing cellular network communication techniques that may consume relatively large amounts of power in operation) for communicating with various appropriately configured devices, such as client device 130 of FIGURE 1A, through a native cellular wireless link (e.g., "in band" communication link). Such a communication interface may operate according to various communication standards, including but not limited to wideband code division multiple access (W-CDMA), CDMA2000, global system for mobile telecommunication (GSM), worldwide interoperability for microwave access (WiMax), and wireless LAN (WLAN). Furthermore, femtocell access point 110 of the illustrated embodiment also includes backend network interface 112 (e.g., a backhaul interface providing communication via the Internet, a packet switched network, a switched network, a radio network, a control network, a wired link, and/or the like) for communicating with various devices.」(当審訳: [0028] 図1Bを参照すると、フェムトセル・アクセス・ポイント110の実施形態に関する更なる詳細が示される。フェムトセル・アクセス・ポイント110は、図1Aの通信ネットワーク150に関する無線リンクを提供している、例えばセルラ基地局として構成されたプロセッサ・ベースのシステム等のような様々な構成のデバイスを有することができる。更に、図示された実施形態のフェムトセル・アクセス・ポイント110は、ネイティブなセルラ無線リンク(例えば「帯域内」通信リンク)を通して例えば図1Aのクライアント・デバイス130のような様々な適切に構成されたデバイスと通信するためのネイティブ・セルラ・インタフェース111(例えば、動作中、比較的大量の電力を消費しうるセルラ・ネットワーク通信技術を用いるトランシーバ)を含む。そのような通信インタフェースは、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、CDMA2000、グローバル・システム・フォー・モバイル・テレコミュニケーション(GSM(登録商標))、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウエーブ・アクセス(WiMax)、及び無線LAN(WLAN)を含むがそれらに限定されない様々な通信規格に従って動作することができる。更に、図示された実施形態のフェムトセル・アクセス・ポイント110は、様々なデバイスと通信するためのバックエンド・ネットワーク・インタフェース112(例えば、インターネット、パケット交換ネットワーク、交換ネットワーク、ラジオ・ネットワーク、制御ネットワーク、有線リンク等を介して通信を提供するバックホール・インタフェース)も含む。) (3) 「[0036] Referring now to FIGURE ID, additional detail with respect to an embodiment of OOB proximity agent 120 is shown. OOB proximity agent 120 may have various configurations of devices, such as a stand-alone processor based system, a processor based system integrated with a host device (e.g., access point, gateway, router, switch, repeater, hub, concentrator, etc.), etc. The embodiment of OOB proximity agent 120 illustrated in FIGURE 1A, for example, is an implementation integrated with femtocell access point 110.」(当審訳: [0036] 図1Dを参照すると、OOB近隣エージェント120の実施形態に関する更なる詳細が示される。OOB近隣エージェント120は、例えば独立型プロセッサ・ベースのシステム、ホスト・デバイスと統合されたプロセッサ・ベースのシステム(例えば、アクセス・ポイント、ゲートウェイ、ルータ、スイッチ、リピータ、ハブ、集線装置等)等のような、様々な構成のデバイスを有することができる。例えば、図1Aに示されたOOB近隣エージェント120の実施形態は、フェムトセル・アクセス・ポイント110と統合された実施形態である。) (4) 「[0055] Femtocell access point 110 of the illustrated embodiment operates to adjust one or more attributes (i.e., operational parameters) to facilitate serving client device 130, in response to the request from OOB proximity agent 120, at point 205. For example, femtocell access point 110 may operate to reduce the femtocell transmit power level (e.g., main pilot transmit level) or disable a femtocell radio transmitter (e.g., main pilot transmitter) when there is no authorized client device attached to femtocell access point 110 and associated OOB proximity agent 120. Such a reduced power state (also referred to as a "wilted" state, whereby femtocell access point "wilting" leads to such a wilted state) is illustrated in FIGURE 3A, wherein the wireless coverage provided by femtocell access point 110 is reduced, as shown by area 310a. It should be appreciated, however, that the wireless coverage provided by OOB proximity agent 120 remains substantially coextensive with a desired service area of the femtocell, as shown by area 320. Upon receiving a proper request or other indication for an operational state to support a client device (e.g., the request from OOB proximity agent 120 at point 205), femtocell access point 110 of embodiments operates to increase the femtocell transmit power level or enable a femtocell radio transmitter for providing communication services. Such a restored power state (also referred to as a "bloomed" state, whereby femtocell access point "blooming" leads to such a bloomed state) is illustrated in FIGURE 3B, in which the wireless coverage 320 provided by femtocell access point 110 is coextensive with a desired service area of the femtocell, as shown by area 310b. 」(当審訳: [0055] 図示された実施形態のフェムトセル・アクセス・ポイント110は、ポイント205において、OOB近隣エージェント120からの要求に応答して、クライアント・デバイス130のサービス提供を容易にするために1つ又は複数の属性(すなわち、動作パラメータ)を調整するように動作する。例えばフェムトセル・アクセス・ポイント110は、フェムトセル・アクセス・ポイント110及び関連付けられたOOB近隣エージェント120に帰属する認証されたクライアント・デバイスが存在しない場合、フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減する、あるいはフェムトセル・ラジオ送信機(例えば、主要パイロット送信機)をディセーブルするように動作することができる。そのような低減された電力状態(フェムトセル・アクセス・ポイントが「弱る」(”wilt”)ことにより、そのような「弱った」(”wilted”)状態が生じるので、「弱った」状態とも称される)が図3Aに示される。ここにおいて、エリア310aによって示されるように、フェムトセル・アクセス・ポイント110によって提供された無線カバレージは、低減される。しかし、OOB近隣エージェント120によって提供された無線カバレージは、エリア320によって示されるようにフェムトセルの所望のサービス・エリアと実質的に同一の広さを有するままである。クライアント・デバイスをサポートするための動作状態に関する適切な要求又は他のインジケーション(例えば、ポイント205における、OOB近隣エージェント120からの要求)を受信すると、実施形態のフェムトセル・アクセス・ポイント110は、通信サービスを提供するためにフェムトセル・ラジオ送信機をイネーブルするあるいはフェムトセル送信電力レベルを増加させるように動作する。そのような回復した電力状態(フェムトセル・アクセス・ポイントが「栄える」(”blooming”)ことにより、そのような「栄えた」(”bloomed”)状態が生じるので、「栄えた」状態とも称される)が図3Bに示され、ここで、フェムトセル・アクセス・ポイント110によって提供された無線カバレージ320は、エリア310bによって示されるようにフェムトセルの所望のサービス・エリアと同一の広さを有する。) (5) 2 引用発明 (1) 上記1(1)の段落0009によると、引用例1には、OOB近隣エージェントが、ページング信号又はビーコンを定期的に送信することが記載されているといえる。 そして、段落0007の「クライアント・デバイスは、OOB近隣エージェントを探索し発見することによってフェムトセルを発見する」との記載、及び、段落0009の「このように、クライアント・デバイスがそのようなOOB近隣エージェントの範囲内にある場合、クライアント・デバイスはページング応答を送信することができ、それによってクライアント・デバイスとフェムトセルとがOOBリンクを介して互いに検出しあう。」との記載を踏まえれば、前記「ページング信号又はビーコン」は、クライアント・デバイスが、OOB近隣エージェント及びフェムトセルを発見するための信号であることは明らかである。 (2) 上記1(5)のFIG.1A、及び上記1(3)の段落0036によると、OOB近隣エージェント120は、フェムトセル・アクセス・ポイント110と統合されているといえる。 (3) 上記1(5)のFIG.3B及び上記1(4)の段落0055によると、引用例1には、フェムトセル・アクセス・ポイント110によって提供された無線カバレージ320は、エリア310bによって示されるようにフェムトセルの所望のサービス・エリアと同一の広さを有する「栄えた」状態が記載されているといえる。 それに対し、上記1(5)のFIG.3A及び段落0055によると、エリア310aによって示されるように、フェムトセル・アクセス・ポイント110によって提供された無線カバレージが低減され、OOB近隣エージェント120によって提供された無線カバレージが、エリア320によって示されるようにフェムトセルの所望のサービス・エリアと実質的に同一の広さを有するままである「弱った」状態が記載され、かつ、フェムトセル・アクセス・ポイント110及び関連付けられたOOB近隣エージェント120に帰属する認証されたクライアント・デバイスが存在しない場合に、フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減し、「弱った」状態となることが記載されているといえる。 (4) 以上を踏まえると、引用例1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認める。 「OOB近隣エージェントは、クライアント・デバイスがOOB近隣エージェント及びフェムトセルを発見するための信号である、ページング信号又はビーコンを定期的に送信し、 OOB近隣エージェントは、フェムトセル・アクセス・ポイントと統合されており、 フェムトセル・アクセス・ポイント及び関連付けられたOOB近隣エージェントに帰属する認証されたクライアント・デバイスが存在しない場合に、 フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減し、フェムトセル・アクセス・ポイントによって提供された無線カバレージが低減され、OOB近隣エージェントによって提供された無線カバレージが、フェムトセルの所望のサービス・エリアと実質的に同一の広さを有するままである「弱った」状態となる方法。」 なお、原査定の拒絶の理由で引用された国際公開第2012/040638号は、択一的な選択肢である「少なくとも発見信号のパワーを調整することにより自己適応調整を実現すること」との発明特定事項に対応する引用例であるから、ここでは割愛する。 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比すると、以下のとおりとなる。 1 フェムトセル・アクセス・ポイント及び関連付けられたOOB近隣エージェントに帰属する認証されたクライアント・デバイスが存在しない場合に、ダウンリンクパワーといえるフェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減し、フェムトセル・アクセス・ポイントによって提供された無線カバレージが低減された「弱った」状態となる方法である引用発明は、「ダウンリンクパワー調整の処理方法」といえる点で本願発明と共通する。 2 引用発明の、フェムトセル・アクセス・ポイント及び関連付けられたOOB近隣エージェントに帰属する認証されたクライアント・デバイスが存在しない場合に、フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減し、フェムトセル・アクセス・ポイントによって提供された無線カバレージが低減され、OOB近隣エージェントによって提供された無線カバレージが、フェムトセルの所望のサービス・エリアと実質的に同一の広さを有するままである「弱った」状態となることは、所定の条件に基づいて、統合されたOOB近隣エージェント及びフェムトセル・アクセス・ポイントが、それぞれが提供する無線カバレージを調整することであるから、統合されたOOB近隣エージェント及びフェムトセル・アクセス・ポイントにとって自己適応調整を実現することといえる。 3 引用発明の「ページング信号又はビーコン」は、クライアント・デバイスがOOB近隣エージェント及びフェムトセルを発見するための信号であるから「発見信号」といえ、また、本願発明は発見信号を具体的に特定していないから、引用発明の「ページング信号又はビーコン」は本願発明の「発見信号」に含まれる。 また、引用発明の「OOB近隣エージェントによって提供された無線カバレージ」の広さが、OOB近隣エージェントが「ページング信号又はビーコン」等を送信するパワーにより定まることは技術常識である。 そして、フェムトセル・アクセス・ポイント110によって提供された無線カバレージ320は、エリア310bによって示されるようにフェムトセルの所望のサービス・エリアと同一の広さを有する「栄えた」状態(1(5)FIG.3B参照)に対して、引用発明の「弱った」状態における、「OOB近隣エージェントによって提供された無線カバレージが、フェムトセルの所望のサービス・エリアと実質的に同一の広さを有するまま」との事項は、上記1(5)のFIG.3A及びFIG.3BにBluetooth Coverage 320と示されるように、「OOB近隣エージェントによって提供された無線カバレージ」の広さが変化せず、OOB近隣エージェントが送信する「ページング信号又はビーコン」の送信パワーが変化していないこと、すなわち、「発見信号パワーの不変を保持」することといえる。 してみると、フェムトセル・アクセス・ポイント及び関連付けられたOOB近隣エージェントに帰属する認証されたクライアント・デバイスが存在しない場合に、OOB近隣エージェントによって提供された無線カバレージが、フェムトセルの所望のサービス・エリアと実質的に同一の広さを有するままである「弱った」状態となる引用発明は、「少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより、自己適応調整を実現することを含み、」といえる点で、本願発明と共通する。 また、無線通信の技術分野において、パイロット信号が基準信号といえることは明らかであるから、「フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減し、フェムトセル・アクセス・ポイントによって提供された無線カバレージが低減され」ることにより「弱った」状態となる引用発明は、「少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現すること」が、「発見信号のパワーを不変にすること」に加えて、「基準信号の送信パワーを調整」することにより自己適応調整を実現することであるといえる点で本願発明と共通する。 以上を踏まえると、本願発明と引用発明とは以下の点で一致し、相違する。 「 ダウンリンクパワー調整の処理方法であって、 少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現することを含み、 前記少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現することは、基準信号の送信パワーを調整し、かつ発見信号のパワーを不変にすることにより自己適応調整を実現することである、前記方法。」 相違点 一致点である「前記少なくとも発見信号パワーの不変を保持することにより自己適応調整を実現すること」が、本願発明では、ダウンリンクチャネルと基準信号の送信パワーを調整するものであるのに対し、引用発明では、フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減するものであり、ダウンリンクチャネルの送信パワーを調整する点が特定されていない点。 第6 判断 「フェムトセル送信電力レベル(例えば、主要パイロット送信レベル)を低減し、フェムトセル・アクセス・ポイントによって提供された無線カバレージが低減され、」との引用発明において、主要パイロット送信レベルは例示であって、主要パイロット送信レベル以外の信号のフェムトセル送信電力レベルを低減することを除外するものではない。 また、引用発明のフェムトセルが、W-CDMA、CDMA2000、GSM、WiMax、及び無線LAN(WLAN)などの通信規格を使用することを想定していることは明らか(上記第4 1(2)段落0028参照)であるところ、これらの通信規格において、基準信号のほかにダウンリンクチャネルを送信することは技術常識であり、また、フェムトセル・アクセス・ポイントによって提供された無線カバレージが、ダウンリンクチャネルの送信パワーによっても決定されることは当業者にとって明らかであるから、引用発明において、主要パイロット送信レベルに加えて、ダウンリンクチャネルの送信パワーを調整することにより自己適応調整を実現することは当業者が容易に想到し得る事項といえる。 したがって、本願発明は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものといえる。 第7 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-006410

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