特許拒絶査定不服審判
2017-007966
検知回路
- 審判番号
- 2017-007966
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2015-246223外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年06月02日
- 審決日
- 2019年01月23日
- 公報発行日
- 2019年07月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】クアルコム,インコーポレイテッド
- 【請求人代理人】村山 靖彦
- 【請求人代理人】黒田 晋平
- 分類
- P18 .537-WZ (G11C)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法36条6項1号特許法36条6項2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2015-246223「検知回路」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月28日出願公開,特開2016- 66401〕について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は,成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は,平成24年7月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2011年6月30日(以下「優先日」という。),米国)を国際出願日とする特願2014-519210号の一部を平成27年12月17日に新たに特許出願したものであって,平成28年10月31日付けで拒絶理由の通知がなされ,平成29年2月7日付けで意見書の提出がなされ,同年2月14日付けで拒絶査定がなされた。これに対して平成29年6月2日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書の提出がなされ,当審において,平成30年8月8日付けで拒絶理由の通知がなされ,期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,請求人からは何らの応答もなかったものである。
第2 本願発明
本願の請求項1~22に係る発明は,平成29年6月2日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1~22に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「 【請求項1】
電流帰還バイアス型pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタと,
負荷PMOSトランジスタと,
検知動作中,抵抗ベースのメモリ要素に対する電圧をクランプするように構成されたクランプトランジスタであって,前記負荷PMOSトランジスタに結合されるクランプトランジスタと
を含み,
前記負荷PMOSトランジスタのゲートは,制御電圧に応答する第1の入力と,前記負荷PMOSトランジスタのソース端子に結合され,前記電流帰還バイアス型PMOSトランジスタのドレイン端子に結合される第2の入力とを有する演算増幅器の出力によって制御される,回路。
【請求項2】
前記負荷PMOSトランジスタのドレイン端子に結合される入力を有する検知増幅器をさらに含む,請求項1に記載の回路。
【請求項3】
前記クランプトランジスタは,マルチプレクサnチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタに結合され,第2の演算増幅器に結合される,請求項1に記載の回路。
【請求項4】
前記抵抗ベースのメモリ要素は,メモリセル内のアクセストランジスタに直列に結合される磁気トンネル接合(MTJ)素子を含む,請求項1に記載の回路。
【請求項5】
前記電流帰還バイアス型PMOSトランジスタ,前記負荷PMOSトランジスタ,および前記クランプトランジスタが,少なくとも1つの半導体ダイに統合される,請求項1に記載の回路。
【請求項6】
前記電流帰還バイアス型PMOSトランジスタ,前記負荷PMOSトランジスタ,および前記クランプトランジスタが統合された,セットトップボックス,音楽プレーヤ,ビデオプレーヤ,エンターテインメントユニット,ナビゲーションデバイス,通信デバイス,携帯情報端末(PDA),固定位置データユニット,コンピュータ,またはこれらの組合せのうちの1つを含むデバイスをさらに含む,請求項1に記載の回路。
【請求項7】
制御電圧に応答する第1の入力と,負荷pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタのソース端子に結合され,電流帰還バイアス型PMOSトランジスタのドレイン端子に結合される第2の入力とを有する演算増幅器の出力を介して前記負荷PMOSトランジスタに印加されるゲート電圧を制御するステップを含む,方法。
【請求項8】
前記ゲート電圧を制御するステップは,検知増幅器に関連する検知マージンに影響を及ぼし,前記負荷PMOSトランジスタのドレイン端子は,前記検知増幅器の第1の入力に結合され,基準検知回路の出力は,前記検知増幅器の第2の入力に結合する,請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記演算増幅器の前記出力を介して前記ゲート電圧を制御するステップは,電子デバイスに統合されたプロセッサによって開始される,請求項7に記載の方法。
【請求項10】
制御電圧に応答する第1の入力および負荷を提供するための手段のソース端子に結合される第2の入力を有する,演算増幅器の出力を介して制御されるゲート電圧に応答して負荷を提供するための手段と,
検知動作中に抵抗ベースのメモリ要素に印加された電圧をクランプするための手段であって,前記負荷を提供するための前記手段のドレイン端子に結合される,クランプするための手段とを含み,
前記第2の入力は,前記負荷を提供するための前記手段に対するソース電流帰還を与えるための手段のドレイン端子に結合される,装置。
【請求項11】
前記負荷を提供するための前記手段およびクランプするための前記手段が,少なくとも1つの半導体ダイに統合された,請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記負荷を提供するための前記手段およびクランプするための前記手段が統合された,セットトップボックス,音楽プレーヤ,ビデオプレーヤ,エンターテインメントユニット,ナビゲーションデバイス,通信デバイス,携帯情報端末(PDA),固定位置データユニット,コンピュータ,またはこれらの組合せのうちの1つを含むデバイスをさらに含む,請求項10に記載の装置。
【請求項13】
第1の入力を演算増幅器に提供するためのステップであって,前記第1の入力は,制御電圧に応答する,ステップと,
第2の入力を前記演算増幅器に提供するためのステップであって,前記第2の入力は,負荷pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタのソース端子および電流帰還バイアス型PMOSトランジスタのドレイン端子に結合される,ステップと,
前記演算増幅器の出力を介して,前記負荷PMOSトランジスタに印加されるゲート電圧を制御するためのステップと
を含む,方法。
【請求項14】
前記第1の入力を提供するための前記ステップ,前記第2の入力を提供するための前記ステップ,および前記ゲート電圧を制御するための前記ステップは,電子デバイスに統合されたプロセッサによって実行される,請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサによって実行可能な命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって,前記命令が,
制御電圧に応答する第1の入力と,負荷pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタのソース端子および電流帰還バイアス型PMOSトランジスタのドレイン端子に結合する第2の入力とを有する演算増幅器の出力によって前記負荷PMOSトランジスタに印加されるゲート電圧を制御しようとする,
コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項16】
前記プロセッサは,セットトップボックス,音楽プレーヤ,ビデオプレーヤ,エンターテインメントユニット,ナビゲーションデバイス,通信デバイス,携帯情報端末(PDA),固定位置データユニット,コンピュータ,またこれらの組合せのうちの1つを含むデバイスに統合される,請求項15に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
半導体デバイスの少なくとも1つの物理的な特性を表す設計情報を受け取るステップであって,前記半導体デバイスが,
電流帰還バイアス型pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタと,
負荷PMOSトランジスタと,
検知動作中,抵抗ベースのメモリ要素に印加された電圧をクランプするように構成されたクランプトランジスタと
を含み,
前記負荷PMOSトランジスタのゲートは,制御電圧に応答する第1の入力と,前記負荷PMOSトランジスタのソース端子に結合され,前記電流帰還バイアス型PMOSトランジスタのドレイン端子に結合される第2の入力とを有する演算増幅器の出力によって制御され,前記クランプトランジスタは前記負荷PMOSトランジスタに結合される,ステップと,
前記設計情報をファイルフォーマットに適合するように変換するステップと,
前記変換された設計情報を含むデータファイルを生成するステップと
を含む方法。
【請求項18】
前記データファイルは,GDSIIフォーマットを含む,請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記データファイルは,GERBERフォーマットを含む,請求項17に記載の方法。
【請求項20】
半導体デバイスに対応する設計情報を含むデータファイルを受け取るステップと,
前記設計情報に従って,前記半導体デバイスを製作するステップであって,前記半導体デバイスが,
電流帰還バイアス型pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタと,
負荷PMOSトランジスタと,
検知動作中,抵抗ベースのメモリ要素に印加された電圧をクランプするように構成されたクランプトランジスタと
を含み,
前記負荷PMOSトランジスタのゲートは,制御電圧に応答する第1の入力と,前記負荷PMOSトランジスタのソース端子に結合され,前記電流帰還バイアス型PMOSトランジスタのドレイン端子に結合される第2の入力とを有する演算増幅器の出力によって制御され,前記クランプトランジスタは前記負荷PMOSトランジスタに結合される,ステップと
を含む方法。
【請求項21】
前記データファイルは,GDSIIフォーマットを有する,請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記データファイルは,GERBERフォーマットを有する,請求項20に記載の方法。」
第3 当審の拒絶の理由
当審の平成30年8月8日付け拒絶理由通知の理由は,概略,次のとおりのものである。
1 理由1(サポート要件)
請求項1~22の記載は,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できる構成または方法が反映されていないので,発明の詳細な説明に記載した範囲を超えて特許を請求するものであるから,特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない。
2 理由2(明確性)
請求項1~6,17~19,20~22の記載はトランジスタの接続構成が不明瞭であり,請求項7~9,13,14の記載では入出力ステップが不明であり,請求項10~12の記載は入出力構成が不明であり,請求項15,16の記載は検知動作の入出力構成が不明であるから,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
第4 当審の判断
1 理由1(サポート要件)について
(1)発明の詳細な説明の記載
発明の詳細な説明には,以下の記載がある。
「【0003】
・・・略・・・ 検知増幅器は,メモリ要素が高抵抗値を有するか,または低抵抗値を有するかを判定するために抵抗ベースのメモリ要素を通して電流を流すことによって抵抗ベースのメモリ要素に記憶されたデータを「読み取る」ことができる。検知増幅器は,抵抗値を判定する際,抵抗ベースのメモリ要素を通る電流による電圧を,基準電圧と比較して差分を得ることができ,検知増幅器は,比較された差分を増幅することができる。メモリデバイスは,より小さくなるので,プロセス変動の影響は増大し,それにより,データを正確に読み取る難しさが増大する。
・・・中略・・・
【0005】
検知回路は,負荷pチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(PMOS)に印加されるゲート電圧を制御するための演算増幅器を使用する。演算増幅器が負荷PMOSトランジスタのゲート電圧を制御するので,負荷PMOSトランジスタは,大きい出力抵抗を有し,したがって,データ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減する。
【0006】
検知回路は,負荷pチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(PMOS)に印加されるゲート電圧を制御するための演算増幅器回路を含む。演算増幅器の第1の入力は,制御電圧に応答する。演算増幅器の第2の入力は,負荷PMOSのソース端子に結合され,電流帰還バイアス型PMOSのドレイン端子に結合される。電流帰還バイアス型PMOSを利用することにより,また演算増幅器回路を用いて負荷PMOSのゲート電圧を制御することにより,検知回路の出力抵抗値および検知回路の検知マージンが増加し得る。」
上記の記載から,発明の詳細な説明には,メモリデバイスは,より小さくなるので,プロセス変動の影響は増大し,抵抗ベースのメモリ要素を通る電流による電圧を基準電圧と比較して差分を得る検知増幅器では,比較された差分を増幅しても,データを正確に読み取る難しさが増大することに対して,検知回路においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減することを課題としていることが記載されていると認められる。
(2)請求項1~6について
請求項1には,電流帰還バイアス型pチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタ,演算増幅器の出力によって制御される負荷PMOSトランジスタ,負荷PMOSトランジスタに結合され抵抗ベースのメモリ要素に対する電圧をクランプするように構成されたクランプトランジスタをそれぞれ発明特定事項とする回路の発明が記載されている。
しかしながら,発明の詳細な説明には,上記(1)に記載した本願発明の課題が記載されていると認められるところ,請求項1には,回路の何らかの特定要素が抵抗ベースのメモリ要素に接続され,また回路の何らかの他の特定要素が検知増幅器に接続される構成が記載されていない。
そうすると,発明の詳細な説明は,優先日における技術常識を参酌したとしても,請求項1の記載の範囲内であれば,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できるものであると当業者において認識できる程度に記載されているとはいえない。また,請求項2~6についても同様である。
したがって,請求項1~6に係る発明は,発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて特許を請求するものである。
(3)請求項7~9について
請求項7には,演算増幅器の出力を介して負荷PMOSトランジスタに印加されるゲート電圧を制御するステップを発明特定事項とする方法の発明が記載されている。
しかしながら,発明の詳細な説明には,上記(1)に記載した本願発明の課題が記載されていると認められるところ,請求項7には,そもそも抵抗ベースのメモリ要素のデータを検知増幅器において検知するまでのステップが記載されていない。
そうすると,発明の詳細な説明は,優先日における技術常識を参酌したとしても,請求項7の記載の範囲内であれば,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できるものであると当業者において認識できる程度に記載されているとはいえない。また,請求項8及び9についても同様である。
したがって,請求項7~9に係る発明は,発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて特許を請求するものである。
(4)請求項10~12について
請求項10には,負荷を提供するための手段,クランプするための手段,ソース電流帰還を与えるための手段を発明特定事項とする装置の発明が記載されている。
一方,発明の詳細な説明には,上記(1)に記載した本願発明の課題が記載されていると認められ,その課題を解決するための手段として上記(1)には,電流帰還バイアス型PMOS,負荷PMOS,演算増幅器の特定の接続構成により,「電流帰還バイアス型PMOSを利用することにより,また演算増幅器回路を用いて負荷PMOSのゲート電圧を制御することにより,検知回路の出力抵抗値および検知回路の検知マージンが増加し得る」ことが記載されている。
しかしながら,請求項10には,装置の何らかの特定要素が抵抗ベースのメモリ要素に接続され,また装置の何らかの他の特定要素が検知増幅器に接続される構成が記載されておらず,また,負荷を提供するための手段及びソース電流帰還を与えるための手段がどのような素子により構成されるか記載されていない。
そうすると,発明の詳細な説明は,優先日における技術常識を参酌したとしても,請求項10の記載の範囲内であれば,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できるものであると当業者において認識できる程度に記載されているとはいえない。また,請求項11及び12についても同様である。
したがって,請求項10~12に係る発明は,発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて特許を請求するものである。
(5)請求項13,14について
請求項13には,第1の入力を演算増幅器に提供するためのステップ,第2の入力を演算増幅器に提供するためのステップ,負荷PMOSトランジスタに印加されるゲート電圧を制御するためのステップを発明特定事項とする方法の発明が記載されている。
しかしながら,発明の詳細な説明には,上記(1)に記載した本願発明の課題が記載されていると認められるところ,請求項13には,そもそも抵抗ベースのメモリ要素のデータを検知増幅器において検知するまでのステップが記載されていない。
そうすると,発明の詳細な説明は,優先日における技術常識を参酌したとしても,請求項13の記載の範囲内であれば,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できるものであると当業者において認識できる程度に記載されているとはいえない。また,請求項14についても同様である。
したがって,請求項13及び14に係る発明は,発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて特許を請求するものである。
(6)請求項15,16について
請求項15には,命令が,演算増幅器の出力によって負荷PMOSトランジスタに印加されるゲート電圧を制御しようとすることを発明特定事項とするコンピュータ可読記憶媒体の発明が記載されている。
しかしながら,発明の詳細な説明には,上記(1)に記載した本願発明の課題が記載されていると認められるところ,請求項15には,そもそも抵抗ベースのメモリ要素のデータを検知増幅器において検知するまでの構成が記載されていない。
そうすると,発明の詳細な説明は,優先日における技術常識を参酌したとしても,請求項15の記載の範囲内であれば,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できるものであると当業者において認識できる程度に記載されているとはいえない。また,請求項16についても同様である。
したがって,請求項15及び16に係る発明は,発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて特許を請求するものである。
(7)請求項17~22について
発明の詳細な説明には,上記(1)に記載した本願発明の課題が記載されていると認められるところ,請求項17及び20には,何らかの特定要素が抵抗ベースのメモリ要素に接続され,また何らかの他の特定要素が検知増幅器に接続される構成が記載されていない。
そうすると,発明の詳細な説明は,優先日における技術常識を参酌したとしても,請求項17及び20の記載の範囲内であれば,検知増幅器においてデータ値間の電圧差を改善し,出力電圧変動を低減できるものであると当業者において認識できる程度に記載されているとはいえない。また,請求項18,19,21,22についても同様である。
したがって,請求項17~22に係る発明は,発明の詳細な説明において,発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えて特許を請求するものである。
2 理由2(明確性)
(1)請求項1~6,17~19,20~22の記載について
請求項1,17,20の記載では,「負荷PMOSトランジスタ」と「クランプトランジスタ」の相互の接続が依然として不明瞭であり,また,抵抗ベースのメモリ要素をどのトランジスタのどこに接続し,検知結果の出力をどのトランジスタのどこから出力するのか記載されていないため,入出力構成が依然として不明である。
請求項1を引用する請求項2~6,請求項17を引用する請求項18及び19,請求項20を引用する請求項21及び22についても,同様の理由により,構成が依然として不明である。
(2)請求項7~9,13,14の記載について
請求項7,13の記載では,検知動作を行う方法であると認められるものの,検知対象が何であり,該検知対象をどのトランジスタのどこに接続し,検知結果の出力をどのトランジスタのどこから出力するものであるか記載されていないため,方法の入出力ステップが依然として不明である。
請求項7を引用する請求項8及び9,請求項13を引用する請求項14についても,同様の理由により,方法の入出力ステップが依然として不明である。
(3)請求項10~12の記載について
請求項10の記載では,負荷を提供するための手段,クランプするための手段,ソース電流帰還を与えるための手段が,それぞれどのような素子で構成されているのか依然として不明であり,検知動作を行う装置であると認められるものの,抵抗ベースのメモリ要素をどの手段のどこに接続し,検知結果の出力をどの手段のどこから出力するのか記載されていないため,入出力構成が不明である。
請求項10を引用する請求項11及び12についても同様の理由により,装置の構成が依然として不明である。
(4)請求項15,16の記載について
請求項15の記載では,検知動作の命令を記憶するコンピュータ可読記憶媒体であると認められるものの,検知対象が何であり,該検知対象をどのトランジスタのどこに接続し,検知結果の出力をどのトランジスタのどこから出力するものであるか記載されていないため,検知動作の入出力構成が依然として不明である。
請求項15を引用する請求項16についても同様の理由により,コンピュータ可読記憶媒体が依然として不明である。
第5 むすび
以上のとおりであり,本願は,特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号及び同条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
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