特許拒絶査定不服審判
2017-007874
熱充填ボトル
- 審判番号
- 2017-007874
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2013-095171外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年05月31日
- 審決日
- 2018年09月04日
- 公報発行日
- 2018年12月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-WZ (B65D)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2013- 95171「熱充填ボトル」拒絶査定不服審判事件〔平成26年11月17日出願公開、特開2014-213926〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件出願は、平成25年4月30日の特許出願であって、平成28年7月13日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月20日に意見書が提出されたが、平成29年2月22日付けで拒絶をすべき旨の査定がなされた。
これに対し、平成29年5月31日に該査定の取消を求めて本件審判の請求がされ、その後、平成30年5月23日付けで当審から拒絶の理由が通知され、同年7月27日に意見書とともに手続補正書が提出されたものである。
第2 本願発明
本願の請求項1及び2に係る発明は、上記平成30年7月27日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものと認めるところ、その請求項1の記載は以下のとおりである。(以下請求項1に係る発明を「本願発明」という。)
「 【請求項1】
ダイレクトブロー成形された熱充填ボトルであって、
上下に弾性変形可能な周溝を、胴部の肉厚がいずれの周方向位置においても0.38mm~0.84mmの範囲にある、胴部のいずれかの高さ位置に周設したことを特徴とする熱充填ボトル。」
第3 拒絶の理由
平成30年5月23日付けで当審が通知した拒絶理由のうちの請求項1に対する第1の理由は、本願発明は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2及び3に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:特開2003-285814号公報
引用文献2:特開平5-444号公報
引用文献3:特開平9-86529号公報
第4 引用文献記載の発明又は事項
当審での平成30年5月23日付けの拒絶の理由に引用された、本件の出願前に頒布された刊行物である引用文献1ないし3には、以下の発明又は事項が記載されていると認められる。なお、下線は当審で付したものである。
1 引用文献1
(1)引用文献1に記載された事項
引用文献1には、「合成樹脂製壜体」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(ア)特許請求の範囲
「【請求項1】 少なくとも350mmHg(46.7kPa)の内部の減圧による、胴部(2)の一部の壁面の陥没変形不能に、胴部(2)の壁の面剛性を設定した、2軸延伸ブロー成形された合成樹脂製壜体。
【請求項2】 胴部(2)を円筒状とした、請求項1記載の合成樹脂製壜体。
【請求項3】 ・・・
【請求項4】 胴部(2)に2本以上の溝状の周状リブ(5)を周設し、該周状リブ(5)のうち、最上位の周状リブ(5)を胴部(2)の上端部の、略円錐台筒状の形状をした肩部(4)との境界近傍に、最下位の周状リブ(5)を胴部(2)の下端部に位置するように形成し、隣接する周状リブ(5)間の距離Hを0.2D~0.6Dの範囲とした、請求項2または3記載の合成樹脂製壜体。(ここで、Dは円筒状胴部の径または正多角形筒状胴部の対角線の長さをあらわす。)
【請求項5】 ・・・
【請求項6】 口部(3)を除いた部分の最低肉厚を300μm以上とした、請求項1、2、3、4または5載の合成樹脂製壜体。」
(イ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内容物を熱充填するための、合成樹脂、特に熱充填用のポリエチレンテレフタレート樹脂製2軸延伸ブロー成形壜体に関するものである。」
(ウ)「【0004】特に近年では、85~95℃程度の温度で飲料を熱充填する用途が大きく広がってきており、このため熱充填後に、壜体が冷却した段階で大きな減圧状態となるため、このような減圧による変形を抑制することができる壜体への要求がますます高くなっている。」
(エ)「【0012】そこで、本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、変形パネル壁を形成することなく、熱充填、あるいはレトルト処理後に発生する減圧状態によっても胴部の一部に陥没変形等の不正変形が発生しない胴部の形状を見出すことを技術的課題とし、減圧による変形が抑制され、座屈強度が高いと共に、外観体裁の良い壜体を得ることを目的とする。」
(オ)「【0028】肉厚を大きくすることにより、面剛性を増強することができるが、プリフォームの生産性、材料のコストアップ、壜体の重量増等から自ずと限界があり、肉厚の適正な範囲は最低肉厚で300μm以上、好ましくは平均肉厚で350~650μmの範囲である。300μm未満の厚さでは、減圧に対抗する面剛性を確保することがし難くなる。」
(カ)「【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の合成樹脂製壜体の第1実施例を示し、通常の2軸延伸ブロー成形された200mlPET製壜体の全体正面図で、円筒形状をした胴部2の上端に、円錐台筒形状をした肩部4を介して短円筒形状の口筒3を起立連設し、胴部2の下端には底部7が形成された構造となっており、容量が200ml用の壜体1で、胴部2の円筒形状の径は54mm、全高さは140mm、胴部2の平均肉厚は0.35mm、最低肉厚は0.30mm以上である。」
(キ)「【0030】胴部2には、断面が略U字状の形状をした溝状の計4本の周状リブ5が等間隔に形成されており、そのうちの最上部のものは胴部2の上端部の、肩部4との境界近傍に、また最下位のものは胴部2の下端部、底部7との境界近傍に形成されており、隣接する周状リブ5間の距離Hは24mm(0.44D)である。」
(2)引用文献1発明
引用文献1の上記記載事項(ア)ないし(キ)を図面を参照しつつ技術常識を踏まえて整理すると、引用文献1には以下の発明が記載されていると認められる。(以下「引用文献1発明」という。)
「2軸延伸ブロー成形された熱充填するための合成樹脂製壜体であって、
熱充填後に発生する減圧状態によっても胴部の一部に陥没変形等の不正変形が発生しない胴部2を備え、
断面が略U字状の形状をした溝状の周状リブ5を、平均肉厚が0.35mmで最低肉厚が0.30mm以上の胴部2に周設した熱充填するための合成樹脂製壜体。」
(3)引用文献1の他の記載
引用文献1には、さらに以下の記載がある。
(ク)「【0038】図3は本発明の合成樹脂製壜体の第2実施例であり、この壜体1は121℃、30分のレトルト処理に対応すべく、一次型温180℃、加熱温度230℃、二次型温140℃の条件により成形したもので、壜体1の形状は第1実施例に対し、平均肉厚を400μmとし、周状リブ5を5本等間隔に形成し、面剛性をさらに増強したものであり、ここで、周状リブ5間の距離Hは18mm(0.33D)である。」
2 引用文献2
引用文献2には、「高延伸ブロー成形容器とその製造方法」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(ア)特許請求の範囲
「【請求項1】 少なくとも底中心部が熱結晶化され、肩部、胴部、熱結晶化された中心部を除く底部は高延伸成形され、器壁の膜厚がほぼ均一であって口頚部及び底中心部以外の最も膜の厚い部分に対する、この最も膜の厚い部分と胴部の最も膜の薄い部分の差の割合が50%以下であり、且つ口頚部と底中心部以外の器壁が配向結晶化された高延伸ブロー成形容器。
【請求項2】・・・
【請求項6】 胴部で測定して肉厚が0.2mm~0.3mmの薄肉でかつ偏肉と白化のない請求項1ないし5のいずれか1項に記載された、高延伸ブロー成形容器。」
(イ)「【0002】
【従来の技術】プリフォームを高さ方向に強制的に延伸する延伸棒を使用した装置により二軸延伸ブロー成形して得た容器は本出願前周知である。しかしながら実質的に無拘束で加圧流体のみを用いて二軸延伸ブロー成形した容器及びこのようにして容器を製造することは全く知られていなかった。本発明者は先に、無拘束で高延伸ブロー成形することにより、器壁を極めて薄く成形することに成功し、口頚部以外の無拘束で延伸成形された器壁の膜厚がほぼ均一であって、最も膜の厚い部分に対する最も膜の厚い部分と最も膜の薄い部分の膜厚の差の割合が50%以下であり、且つ口頚部を除いた器壁が高配向結晶化された高延伸ブロー成形容器の発明をした。そして更に研究を行って本発明を完成したのである。」
(ウ)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の延伸棒を用いた従来の拘束二軸延伸容器は延伸倍率が低く偏肉が多い欠点があり、強度が不均一でしかも小くそのため厚肉の容器とせざるを得ず、また白化も生じ易く満足できるものではなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような欠点は成形された容器の器壁の樹脂層が充分且つ均一に延伸されないために生ずることを解明して上記の問題を解決し、偏肉と白化のないしかも均一な強度を有する高延伸薄肉軽量の容器を提供することに成功し本発明を完成した。・・・」
3 引用文献3
引用文献3には、「ポリエステルボトル」に関して、図面とともに、以下の事項が記載されている。
(ア)特許請求の範囲
「【請求項1】 エチレン-2,6-ナフタレートを主たる構成単位とし、固有粘度(IV)が0.55以上のポリエステルからなり、胴部における厚さ方向の屈折率(NTh.D)が1.55以下であり、かつ少なくとも胴部の一部の複屈折率(ΔN)が正である二軸延伸ブローされたポリエステルボトル。」
(イ)
「【0005】本発明は、上記問題を解決し、厚さ分布の均一な、エチレン-2,6-ナフタレートを主たる構成単位とするポリエステルからなり二軸延伸ブローされたポリエステルボトルを提供するものである。」
(ウ)
「【0028】これに対し、固有粘度(IV)が0.55以上のポリエステルからなり、胴部における厚さ方向の屈折率(NTh.D)が1.55以下であり、かつ少なくとも胴部の一部の複屈折率(ΔN)が正である実験例2および4のものは、厚さ分布がそれぞれ1.12、1.05と均一性が良好で、座屈強度はそれぞれ52kg、55kgと優れたものである。」
第5 対比
本願発明と引用文献1発明とを対比すると、引用文献1発明の「熱充填するための合成樹脂製壜体」が本願発明の「熱充填ボトル」に相当することは、その機能及び技術常識に照らして明らかであり、以下同様にそれぞれの機能及び技術常識を踏まえれば、「胴部2」は「胴部」に、「溝状の周状リブ5」は「周溝」に相当することも明らかである。
次に、引用文献1発明の「2軸延伸ブロー成形され」ることは、本願発明の「ダイレクトブロー成形され」ることと、「ブロー成形され」るものである限りにおいて共通する。
したがって、本願発明と引用文献1発明とは、以下の点で一致しているということができる。
<一致点>
「ブロー成形された熱充填ボトルであって、
周溝を、胴部に周設した熱充填ボトル。」
そして、本願発明と引用文献1発明とは、以下の3点で相違している。
<相違点1>
「ブロー成形され」ることに関し、本願発明では、ダイレクトブロー成形されるのに対し、引用文献1発明では、2軸延伸ブロー成形されるものである点。
<相違点2>
本願発明の周溝は上下に弾性変形可能であるのに対し、引用文献1発明の周溝(溝状の周状リブ5)は、断面が略U字状の形状をしているものの上下に弾性変形可能であるか明らかでない点。
<相違点3>
本願発明は、周溝を、胴部の肉厚がいずれの周方向位置においても0.38mm~0.84mmの範囲にある、胴部のいずれかの高さ位置に周設したのに対し、引用文献1発明は、周溝(溝状の周状リブ5)を、平均肉厚が0.35mmで最低肉厚が0.30mm以上の胴部2に周設した点。
第6 相違点の検討
1 <相違点2>について
事案に鑑み、まず相違点2について検討する。
熱充填ボトルにおいて、減圧による収縮を吸収する等の目的で上下に弾性変形可能な周溝を設けることは、例えば原査定において引用された特開2010-285169号公報(原査定の引用文献1、段落【0004】等参照)、特開2010-126231号公報(同引用文献2、段落【0002】等参照)、特開2007-137488号公報(同引用文献3、段落【0005】等参照)に示されるように従来周知の技術事項である。
次に、引用文献1発明は、「減圧による変形が抑制され、座屈強度が高い・・・壜体を得ることを目的と」しており(上記記載事項第4の1(1)(エ))、すなわち、壜体が変形することを意図していないものではある。しかしながら、引用文献1発明は、「熱充填後に発生する減圧状態によっても胴部2の一部に陥没変形等の不正変形が発生しない」ものであるところ、大きな減圧が発生した場合などにおいても、「胴部2の一部に陥没変形等の不正変形が発生」することを防ぐために、引用文献1発明の「断面が略U字状の形状」の「溝状の周状リブ5」につき、上記従来周知の技術事項を適用して、上下に弾性変形可能として大きな減圧による収縮を吸収するように構成することは、当業者が容易に想到し得るというべきである。
よって、相違点2は容易想到性の範囲内のものである。
2 <相違点1>及び<相違点3>について
ア ボトルをブロー成形する際にダイレクトブロー成形とすることは、当審の平成30年5月23日付け拒絶理由通知で示した特開2001-113589号公報(当審拒絶理由通知の引用文献5、段落【0002】等参照)に示される他、新たに例示する特開2000-309320号公報(段落【0024】等参照)、実願平5-17981号(実開平6-76012号)のCD-ROM(段落【0030】等参照)に示されるように従来周知の技術事項であり、これを引用文献1発明に適用して、2軸延伸ブロー成形に代えてダイレクトブロー成形として相違点1に係る本願発明の構成とすることは何ら困難なことではない。
イ 次に相違点3に関し、本願発明が「周溝を、胴部の肉厚がいずれの周方向位置においても0.38mm~0.84mmの範囲にある、胴部のいずれかの高さ位置に周設した」と特定していることの臨界的意義について検討する。
上記「胴部の肉厚がいずれの周方向位置においても0.38mm~0.84mmの範囲」という数値範囲に関連する本願明細書の記載としては、段落【0017】に「本発明において、周溝31を周設する胴部の高さ位置の条件は、胴部30の肉厚がいずれの周方向位置においても0.3mm~1.0mmの範囲にある高さ位置であることである。」とあり、段落【0018】に「ここに、0.3mm~1.0mmの範囲とする理由は、以下のとおりである。すなわち、0.3mm未満の場合には、周溝31及び周溝31近傍の胴部30の肉厚が薄くなりすぎる結果、ボトルの減圧時に、減圧変形が周溝31の上下の弾性変形に留まらず、周溝31近傍の胴部30まで変形してしまい、ボトル外観を損ねてしまうからであり、1.0mmを超える場合には、周溝30を形成する壁(上側周壁31c、溝底壁31d及び下側周壁31e)の肉厚が厚すぎて、ボトルの減圧時に周溝31が上下に十分に弾性変形することができず、周溝を閉止することができないためである。」とある。
しかしながら、具体的実施形態として、段落【0020】及び【表1】に「問題は認められなかった」実施例として、実施例1(周溝高さ位置での最大肉厚0.84mm)、実施例2(周溝高さ位置での最小肉厚0.38mm)、実施例3(周溝高さ位置での肉厚0.44~0.68mm)が記載されているものの、他に実施例はなく、また、問題があった比較例も示されていない。
また、一般的に、好適な肉厚の範囲は、ボトルの材質及びボトル全体のサイズによって異なると考えられる。
そうすると、本願発明の「0.38mm~0.84mmの範囲」に臨界的意義は認められないというべきである。
ウ 引用文献1発明は、周溝(溝状の周状リブ5)を、平均肉厚が0.35mmで最低肉厚が0.30mm以上の胴部2に周設しているものであるから、周溝の高さにおける肉厚も平均肉厚が0.35mmで最低肉厚が0.30mm以上であるものと考えられる。そして、引用文献1発明の胴部2は、「熱充填後に発生する減圧状態によっても胴部2の一部に陥没変形等の不正変形が発生しない」ものであるから、周方向全体にわたって最低肉厚を大きく下回る箇所があるとは考え難い。
さらに、引用文献1には、平均肉厚を400μm(0.4mm)とする実施形態も記載されている(上記記載事項第4の1(3)(ク))。
エ また、上記第4の2及び3にて示したように、引用文献2及び3にはいずれも、ブロー成形容器において胴部の偏肉を少なくすることが示されており、このような引用文献2及び3記載の技術的事項を引用文献1発明に適用して周方向の偏肉を少なくすることは、当業者がごく自然に行い得ることである。
オ このように、本願発明の「0.38mm~0.84mmの範囲」に格別臨界的意義がなく(上記イ)、引用文献1発明が胴部の不正変形を発生させないためのものであること(上記ウ)、引用文献2及び3にブロー成形容器において胴部の偏肉を少なくすることが示されていること(上記エ)などを踏まえると、引用文献1に引用文献2及び3記載の技術的事項を適用して、周溝を、胴部の肉厚がいずれの周方向位置においても0.38mm~0.84mmの範囲にある、胴部のいずれかの高さ位置に周接して、相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が通常の創作能力の範囲内でなし得たものというべきである。
カ 相違点1及び相違点3に関連し、請求人は、平成30年7月27日付け意見書にて、「引用文献1に記載の発明は・・・プリフォームの2軸延伸ブロー成形によって形成される容器であり、本願発明のようにダイレクトブロー成形によって形成される熱充填ボトルではありません。そして、引用文献1に記載のプリフォームを用いた延伸ブロー成形では、射出成形により形成された寸法精度が高いプリフォームをブロー成形するために成形後の容器の寸法精度も高く、一般的に肉厚についてもダイレクトブロー成形よりも精度が高いと言えます。従って、引用文献1において、本願発明とは容器の製造方法が異なる延伸ブロー成形による容器の平均肉厚0.35mmの場合の下限の肉厚が0.30mmであることが開示されているとしても、本願発明のようなダイレクトブロー成形による容器の肉厚の平均からの偏差を0.05mm以内とすることについて当業者が適宜なし得るという主張の根拠にはならない」などと主張する。
しかしながら、本願発明のようなダイレクトブロー成形容器であれ、引用文献1発明のような2軸延伸ブロー成形容器であれ、周方向の偏肉をなるべく減らすことは内在する課題というべきであり、引用文献1発明が2軸延伸ブロー成形容器であることをもって本願発明の引用文献たり得ないという主張には理由がない。
3 小括
したがって、本願発明は、引用文献1発明、引用文献2及び3に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
第7 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1発明、引用文献2及び3に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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2017-007874