意匠拒絶査定不服審判
2017-005479
自動車用フロアマット
- 審判番号
- 2017-005479
- 法域
- 意匠
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 意願2016-014617外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月17日
- 審決日
- 2017年12月13日
- 公報発行日
- 2018年03月30日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】株式会社ホンダアクセス
- 【請求人代理人】牛木 護
- 分類
- D18 .113-WY (C1-3)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 意匠法3条1項3号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 意匠法第3条第1項第3号、意匠法第4条
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
意願2016-14617「自動車用フロアマット」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。
結論
【結 論】
原査定を取り消す。
本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由
【理 由】
1.本願意匠
本願は,意匠法第4条2項の規定の適用を受けようとする,同法第14条第1項の規定により本願に係る意匠(以下「本願意匠」という。)を秘密にすることを請求した,平成28年(2016年)7月8日付けの意匠登録出願であって,本願意匠は,意匠に係る物品を「自動車用フロアマット」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。
2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)は,下記のとおりである(別紙第2参照)。
表題 Honda Civic 2016 Custom Car Mat With Side Sewing + Heelpad | MyCarMat - Customized Car Mat:
掲載年月日 2016年 7月 6日
検索日 [2016年 8月 30日]
媒体のタイプ [online]
情報の情報源 インターネット
情報のアドレス URL:http://www.mycarmat.com/index.php/2016/07/honda-civic-2016-custom-car-mat-with-side-sewing-heelpad/
に掲載された「自動車用フロアマット」の意匠
(3枚目の写真に写っている右側のマット)
3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,共に「自動車用フロアマット」であって,一致する。
(2)形態について
両意匠を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(2-1)共通点
(A)基本的構成態様において,全体が薄いマット状で,(B)平面視によると,略長方形の本体部と,本体部上方から延設した凸部から成るものであり,具体的態様としては,(C)本体部の右辺につき,上側の輪郭を僅かに左側に傾斜した斜線状(以下「右肩斜線部」という。)とし,(D)本体部の左辺につき,中央が僅かに窪むように湾曲し,(E)本体部の下辺につき,中程に極短い斜線部を設け,その他を直線状とし,(F)凸部の左辺につき,僅かに左側に傾斜した斜線状としている点,において共通している。
(2-2)相違点
それに対して,具体的態様において,
(a)本体部を基準とした凸部の大きさについては,(a-1)凸部の突出長さにつき,本願意匠はやや短いのに対して,引用意匠はやや長く,(a-2)凸部の横幅につき,本願意匠はやや狭いのに対して,引用意匠はやや広く,(a-3)その結果,凸部の面積が,本願意匠はやや小さいのに対して,引用意匠はやや大きい点,
(b)本体部の右辺における,鉛直線部と右肩斜線部の比率につき,本願意匠は,約2:1であるのに対して,引用意匠は,約1:1である点,
(c)本体部の下辺につき,本願意匠は直線部が水平であるのに対して,引用意匠は僅かに傾斜している点,
(d)凸部の右辺につき,本願意匠は,下側約3分の2が僅かに左側に傾斜した斜線状としているのに対して,引用意匠は,全体が僅かに右側に傾斜した斜線状としている点,
(e)凸部の右上角につき,本願意匠は直角であるのに対して,引用意匠は瘤状の膨らみを設けている点,
(f)右肩斜線部につき,本願意匠は,C取り(角面取り)としているのに対して,引用意匠は,R取り(丸面取り)としている点,
(g)本体部の右側上辺につき,本願意匠は直線であるのに対して,引用意匠は,左端に窪み部を設けた上で凸部右辺につながっている点,
(h)本体部の左辺につき,(h-1)本願意匠は,上側に僅かに鉛直線部があり,その下側を「く」の字状に窪ませているのに対して,引用意匠は,上側の鉛直部から緩やかな弧状にしている点,(h-2)その結果,本願意匠の左上角と左下角は,左右方向で同じ位置としているのに対して,引用意匠は,左上角より左下角が僅かに左へ張り出し,裾広がり状になっている点,
(i)ヒールパッドにつき,本願意匠は設けていないのに対して,引用意匠は,横長長方形のヒールパッドを設けている点,
(j)取付金具につき,本願意匠は,本体の下側に,左端と中央やや右寄りに取付金具を設けているのに対して,引用意匠は設けていない点,
で主な相違が認められる。
(3)類否判断
両意匠の形態を比較した場合,両意匠における共通点は,この種物品においては,既に極普通に見られる態様であるから,これらの共通性のみをもって両意匠の類否判断を決することはできない。
相違点(a)及び(d)に共通点(F)を合わせることによって,本願意匠の凸部は,左に傾いたやや小さい平行四辺形であるのに対し,引用意匠の凸部は,やや大きい倒立台形であり,この本体に対する大きさと形状の異なる凸部の相違が,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
また,本願意匠は,本体部の左辺における「く」の字状の窪みの上半分部分,凸部の左辺,凸部の右辺における斜線状部及び右肩斜線部における長い方の斜線によって,本体部の半分より上側が凸部を含めて,全体に左に傾いているように見えるのに対して,引用意匠は,そのように見えず,この本体部の半分より上側に異なる印象を与えるのであるから,これらの相違が,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
以上の相違点に,相違点(b)及び(c)を加えると,全ての共通点から醸し出される共通感を超える異なった印象を与えるものであるから,その他の相違点を加えるとなお,相違点がもたらす印象は,共通点がもたらす印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである,と認められる。
したがって,両意匠は,意匠に係る物品は一致しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものといえる。
4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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