特許拒絶査定不服審判
2017-005356
遊技機
- 審判番号
- 2017-005356
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2014-164780外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月14日
- 審決日
- 2017年11月07日
- 公報発行日
- 2018年02月23日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (A63F) / P18 .575-Z (A63F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第6項、特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2014-164780「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 3月24日出願公開、特開2016- 39887〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本願は、平成26年8月13日の出願であって、平成27年10月23日付けで拒絶の理由が通知され、同年12月22日に意見書が提出され、平成28年5月27日付けで再度拒絶の理由が通知され、同年7月19日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成29年1月26日付けで拒絶査定がなされ(発送日:平成29年1月31日)、それに対し、平成29年4月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。
第2 平成29年4月14日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成29年4月14日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.補正の内容
本件補正により、平成28年7月19日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における
「遊技者が操作可能な操作手段と、
演出開始条件の成立により前記操作手段に対する複数回の操作を促す指示演出を行わせる指示演出制御手段と、
前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備え、
前記操作演出制御手段は、
前記操作手段に対して所定操作が行われる毎に前記操作演出として所定の操作結果演出を行わせることが可能であり、前記操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記所定期間が経過した後の期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせることが可能であることを特徴とする遊技機。」
は、審判請求時に提出された平成29年4月14日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1における、
「遊技者が操作可能な操作手段と、
演出開始条件の成立により前記操作手段に対する複数回の操作を促す指示演出を行わせる指示演出制御手段と、
前記指示演出が行われているときにおいて、前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備え、
前記操作演出制御手段は、
前記操作手段に対して所定操作が行われる毎に前記操作演出として所定の操作結果演出を行わせる一方、
前記操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記特定操作が更に継続して行われている期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせることを特徴とする遊技機。」
に補正がなされた(下線は、補正箇所を明示するために当審にて付した。)。
上記補正は、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「操作演出制御手段」において、「操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる」時期を「指示演出が行われているときにおいて、」と限定をするとともに、
「所定期間が経過した後の期間」とあったものを「特定操作が更に継続して行われている期間」に限定することを含み、
さらに、補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項において「所定の操作結果演出を行わせることが可能であり」、「同様の演出を繰り返して行わせることが可能である」と、可能性の有無のみを特定していたものからそれぞれ、「所定の操作結果演出を行わせる一方」、「同様の演出を繰り返して行わせる」と実際に行わせる限定を加えたものである(下線は当審にて付した。)。そしてさらに、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、上記補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そして、本件補正は新規事項を追加するものではない。
3.独立特許要件について
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成29年4月14日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。
(1) 本願補正発明
本願補正発明は、上記1.の補正の内容において示した次のとおりのものである(A~Fは、当審にて分説して付与した。)。
「A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 演出開始条件の成立により前記操作手段に対する複数回の操作を促す指示演出を行わせる指示演出制御手段と、
C 前記指示演出が行われているときにおいて、前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備え、
D 前記操作演出制御手段は、
前記操作手段に対して所定操作が行われる毎に前記操作演出として所定の操作結果演出を行わせる一方、
E 前記操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記特定操作が更に継続して行われている期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせることを特徴とする
F 遊技機。」
(2)刊行物に記載された事項
ア 引用例1
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2012-187179号公報(以下、「引用例1」という。)には、「遊技台」の発明に関し、以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。)。
(ア)
「【0009】
[第1の実施の形態]
以下、図面を用いて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1を用いて、本実施の形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。」
・・・
【0012】
球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きでかつ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、・・・遊技者の操作によって各種演出装置206(図1では図示せず)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、・・・を備える。」
(イ)
「【0034】
次に、図4を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」という)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
(ウ)
「【0042】
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えている。基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412とを搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。また、基本回路402には、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406が設けられている。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0043】
また、基本回路402には、・・・チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタンセンサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタンセンサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)434と、を接続している。」
(エ)
「【0049】
次に、図5(a)~(c)を用いて、パチンコ機100の特図1表示装置212、特図2表示装置214、装飾図柄表示装置208、普図表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。図5(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。・・・
【0050】
図5(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」~「特図G」の7種類の特図が示されている。図5(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態(以下、「特図確変」または単に「確変」ともいう)と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態(電サポ状態)に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態のことを普図高確率状態(以下、「普図確変」ともいう)と称し、時短状態でない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。」
(オ)
「【0173】
図20は、タイマ番号テーブルの一例を示している。図20に示すように、タイマ番号が「タイマ1」の場合には変動時間2秒(変動内容「超短縮変動」)に決定され、タイマ番号が「タイマ2」の場合には変動時間5秒(変動内容「短縮変動」)に決定され、タイマ番号が「タイマ3」の場合には変動時間10秒(変動内容「通常変動」)に決定され、タイマ番号が「タイマ4」の場合には変動時間15秒(変動内容「ノーマルリーチ1」)に決定され、タイマ番号が「タイマ5」の場合には変動時間20秒(変動内容「ノーマルリーチ2」)に決定され、タイマ番号が「タイマ6」の場合には変動時間30秒(変動内容「スーパーリーチ1」)に決定され、タイマ番号が「タイマ7」の場合には変動時間60秒(変動内容「スーパーリーチ2」)に決定され、タイマ番号が「タイマ8」の場合には変動時間90秒(変動内容「スーパーリーチ3」)に決定され、タイマ番号が「タイマ9」の場合には変動時間100秒(変動内容「パカパカ用(2R大当りまたは小当り用)」)に決定され、タイマ番号が「タイマ10」の場合には変動時間120秒(変動内容「全回転用」)に決定される。
なお、ここで言う変動内容について、詳しくは後述するが、第1副制御部400の演出制御処理において、前述のタイマ番号(変動時間)に基づいて決定され、装飾図柄表示装置208(あるいは後述する演出画像表示装置1157)等を用いて遊技者に報知される演出内容のことを指している。」
(カ)
「【0233】
次に、本実施の形態において、第1副制御部400の制御により特図変動遊技と同期して実行される演出の具体例について説明する。図26は、本実施の形態の特図変動遊技における装飾図柄表示装置208、特図1表示装置212および特図2表示装置214の表示状態と、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220の点灯状態とを時系列で示している。ここで、図26並びに後述する図27、図31、図32、図35および図36等では、装飾図柄表示装置208の図柄表示領域208a~208cにおける装飾図柄の変動を下向きの白抜き太矢印で表している。・・・
・・・
【0236】
所定の停止時間が経過すると、図26(b)に示すように、特図1の保留が1つ消化されて次の特図1変動遊技が開始される。ここで、この特図1変動遊技の停止図柄は特図Aであり、タイマ番号はタイマ6(スーパーリーチ1)であるものとする。タイマ番号としてタイマ6が選択されたことにより、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dではタイマ6に対応する所定の演出(本例では、主人公キャラクタ(吉宗)と敵キャラクタ(剣豪)とが対決する対決演出)が実行される(図26(c)~(h)参照)。また、当該変動において所定条件が成立したこと(本例では、タイマ番号としてタイマ6が選択されたこと)に基づき、例えば変動開始から所定時間経過した後に、演出表示領域208dではタイマ6用ボタン押下演出が実行される(図26(d)参照)。」
(キ)
「【0268】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る遊技台について説明する。本実施の形態によるパチンコ機100は、2つの操作有効期間には優先順位が定められており、当該優先順位に基づいて報知が行われる点と、一方の操作有効期間が重複により一度非有効になっても、重複が解消したときに有効期間が残っていれば復帰可能である点に特徴を有している。その他の構成等については第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。」
(ク)
「【0284】
図31および図32は、本実施の形態の特図変動遊技における装飾図柄表示装置208、特図1表示装置212および特図2表示装置214の表示状態と、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220の点灯状態とを時系列で示している。
【0285】
図31(a)は、ある特図1変動遊技が開始された直後の状態を示している。ここで、この特図1変動遊技の停止図柄は特図Aであり、タイマ番号はタイマ6(スーパーリーチ1)であるものとする。タイマ番号としてタイマ6が選択されたことにより、演出表示領域208dではタイマ6に対応する所定の演出(本例では、対決演出)が実行される(図31(b)~図32(d)参照)。本例の対決演出は、ボタン演出としてのボタン連打演出を含んでいる(図31(c)~図32(a)参照)。また、所定条件が成立したこと(例えば、当該変動でタイマ6が選択されたこと)に基づき、例えば変動開始から所定時間経過した後に、演出表示領域208dではタイマ6用ボタン押下演出がボタン演出として実行される(図31(f)参照)。本例では、後に開始されたボタン演出の方が優先順位が高いものとする。
【0286】
対決演出が開始されると、図31(b)に示すように、敵キャラクタ登場シーンの動画像が演出表示領域208dに表示される。
【0287】
敵キャラクタ登場シーンに続いて、対決演出の一部としてのボタン連打演出が実行される。ボタン連打演出では、まず図31(c)に示すように、「ボタンを連打して気合いを溜めろ!」という文字メッセージが演出表示領域208dの例えば全面に表示される。
【0288】
次に、図31(d)に示すように、連打ゲージ画像810と「連打しろ!」という文字キャラクタを含む連打促進画像812とが、演出表示領域208dに表示される。連打ゲージ画像810および連打促進画像812は、敵キャラクタ登場シーンに続いて表示される対決演出の対峙シーンの動画像よりも手前のレイヤーに表示される。連打ゲージ画像810は、横長長方形状の複数(本例では10個)のセグメント状画像が縦方向に積み重なって構成されており、全体として縦長長方形状をなしている。各セグメント状画像は白色または赤色で表示され得るが、初期状態では全てのセグメント状画像は白色で表示される。本例では、連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示が開始されるのと同時に、ボタン連打演出のボタン操作有効期間(第1操作有効期間)が開始される。例えば第1操作有効期間の残り時間(操作有効期間カウンタの初期値)は、当該変動の当否判定結果が報知される前までに終了するように設定される。
【0289】
図31(e)に示すように、第1操作有効期間では、チャンスボタン136が所定回数(例えば1回)押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化する。チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される。
【0290】
さらに、変動開始から所定時間経過すると、演出表示領域208dではタイマ6用ボタン押下演出が例えばボタン連打演出とは無関係に開始される。タイマ6用ボタン押下演出では、図31(f)に示すように、遊技者に対してチャンスボタン136の押下を促進するボタン押下促進画像804が表示される。例えばボタン押下促進画像804は、姫キャラクタの吹き出しとしての「ボタンを押してね」という文字キャラクタを含んでいる。ボタン押下促進画像804は、連打ゲージ画像810および連打促進画像812よりもさらに手前のレイヤーに配置される。本例では、ボタン押下促進画像804の表示が開始されるのと同時に、タイマ6用ボタン押下演出のボタン操作有効期間(第2操作有効期間)が開始される。例えば第2操作有効期間の残り時間(操作有効期間カウンタの初期値)は、当該変動の当否判定結果が報知される前までに終了するように設定される。」
(ケ)
本発明の第3の実施の形態によるパチンコ機100において、特図変動遊技での装飾図柄表示装置208、特図1表示装置212および特図2表示装置214の表示状態と、特図1保留ランプ218および特図2保留ランプ220の点灯状態とを時系列で示す図である、図31(【図面の簡単な説明】【0008】参照)のうち図31(e)には、同(d)から引き続き、連打ゲージ画像810と「連打しろ!」という文字キャラクタを含む連打促進画像812とが、演出表示領域208dに表示される態様が示されている。
ここで、上記(ア)~(ケ)から、以下の事項が導かれる。
(コ)
上記(カ)の【0233】には、
「次に、本実施の形態において、第1副制御部400の制御により特図変動遊技と同期して実行される演出の具体例について説明する。」
と記載され、同【0236】には、
「所定の停止時間が経過すると、図26(b)に示すように、特図1の保留が1つ消化されて次の特図1変動遊技が開始される。ここで、この特図1変動遊技の停止図柄は特図Aであり、タイマ番号はタイマ6(スーパーリーチ1)であるものとする。タイマ番号としてタイマ6が選択されたことにより、装飾図柄表示装置208の演出表示領域208dではタイマ6に対応する所定の演出(本例では、主人公キャラクタ(吉宗)と敵キャラクタ(剣豪)とが対決する対決演出)が実行される(図26(c)~(h)参照)。また、当該変動において所定条件が成立したこと(本例では、タイマ番号としてタイマ6が選択されたこと)に基づき、例えば変動開始から所定時間経過した後に、演出表示領域208dではタイマ6用ボタン押下演出が実行される(図26(d)参照)。」
と記載されている。そうすると、第1の実施の形態における「対決演出」は、第1副制御部400の制御により実行される演出であるといえる。
一方、第3の実施の形態は上記(ク)の【0285】に示されるように「ボタン演出としてのボタン連打演出」を含んだ「対決演出」が実行されるものであるところ、その第3の実施の形態については、上記(キ)の【0268】に、
「本実施の形態によるパチンコ機100は、2つの操作有効期間には優先順位が定められており、当該優先順位に基づいて報知が行われる点と、一方の操作有効期間が重複により一度非有効になっても、重複が解消したときに有効期間が残っていれば復帰可能である点に特徴を有している。その他の構成等については第1の実施の形態と同様であるため説明を省略する。」
とされている。してみると、第3の実施の形態における「ボタン演出としてのボタン連打演出」を含めた「対決演出」の実行もまた、第1の実施の形態と同じく「第1副制御部400」によって実行されていることは明らかである。
したがって、上記事項(カ)~(ク)から
「特図1変動遊技の停止図柄が特図Aであり、タイマ番号はタイマ6(スーパーリーチ1)であるとき、演出表示領域208dではタイマ6に対応する対決演出を実行し、対決演出が開始されると、対決演出の一部としてのボタン連打演出を実行し、「ボタンを連打して気合いを溜めろ!」という文字メッセージを演出表示領域208dの全面に表示し、次に、連打ゲージ画像810と「連打しろ!」という文字キャラクタを含む連打促進画像812とを、演出表示領域208dに表示する演出を実行する、第1副制御部400((カ)の【0233】【0236】、(キ)の【0268】、(ク)の【0285】【0287】【0288】を参照)、」
との事項が導かれる。
(サ)
上記(ク)の【0289】には、第3の実施の形態として
「図31(e)に示すように、第1操作有効期間では、チャンスボタン136が所定回数(例えば1回)押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化する。チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される。」
と記載され、その図31(e)については上記(ケ)のとおり、連打ゲージ画像810と「連打しろ!」という文字キャラクタを含む連打促進画像812とが、演出表示領域208dに表示される態様が示されている。
そうすると、第1操作有効期間において、「チャンスボタン136が所定回数(例えば1回)押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化」し、「チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認」されるときに、連打ゲージ画像810と連打促進画像812の表示がなされている状態であることは明らかである。
さらに、上記(コ)にて説示のとおり、第3の実施の形態における「ボタン演出としてのボタン連打演出」を含めた「対決演出」の実行もまた、第1の実施の形態と同じく「第1副制御部400」によって実行されていることは明らかであることから、
「第1操作有効期間の連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示がなされている状態のときに、チャンスボタン136が1回押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化し、チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される演出」
の実行が、「第1副制御部400」によってなされていることは明らかである。
したがって、上記事項(ク)~(コ)から
「連打ゲージ画像810は、横長長方形状の複数のセグメント状画像が縦方向に積み重なって構成されており、全体として縦長長方形状をなし、各セグメント状画像は白色または赤色で表示され得るが、初期状態では全てのセグメント状画像は白色で表示され、連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示が開始されるのと同時に、ボタン連打演出のボタン操作有効期間(第1操作有効期間)が開始され、第1操作有効期間の連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示がなされている状態のときに、チャンスボタン136が1回押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化し、チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される演出を実行する、第1副制御部400((ク)の【0285】~【0289】、(ケ)の図31(e)、上記認定事項(コ)参照)、」
との事項が導かれる。
そして、上記記載事項(ア)~(ク)、図面に記載された事項(ケ)及び(ア)~(ケ)に基づく認定事項(コ)~(サ)を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a~fは、本願補正発明のA~Fに対応させて当審にて付与した。)。
(引用発明)
「a 遊技者の操作によって各種演出装置の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136を備え((ア)の【0012】参照)、
b 特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され((エ)の【0049】参照)、
特図1変動遊技の停止図柄が特図Aであり、タイマ番号はタイマ6(スーパーリーチ1)であるとき、演出表示領域208dではタイマ6に対応する対決演出を実行し、対決演出が開始されると、対決演出の一部としてのボタン連打演出を実行し、「ボタンを連打して気合いを溜めろ!」という文字メッセージを演出表示領域208dの全面に表示し、次に、連打ゲージ画像810と「連打しろ!」という文字キャラクタを含む連打促進画像812とを、演出表示領域208dに表示する演出を実行する、第1副制御部400と(認定事項(コ)参照)、
c、d 連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示が開始されるのと同時に、ボタン連打演出のボタン操作有効期間(第1操作有効期間)が開始され、第1操作有効期間の連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示がなされている状態のときに、チャンスボタン136が1回押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化し、チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される演出を実行する、第1副制御部400と(認定事項(サ)参照)、
を備える
f パチンコ機100((ア)の【0009】【0012】参照)。
イ 引用例2
同じく原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である特開2012-95771号公報(以下、「引用例2」という。)には、「遊技機」の発明に関し、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。
(ア)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤と、
演出画像を表示する演出表示手段と、
前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う演出制御手段と、
操作指示を入力する操作入力手段と、
前記操作入力手段への前記操作指示の入力および前記操作指示の開放を検知する操作検知手段と、
を備え、
前記演出制御手段は、予め設定された操作許可時間内に前記操作検知手段により検知された前記操作指示の入力回数を操作回数として計数し、前記操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行うとともに、前記操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合には、前記操作指示の開放を検知するまで、前記操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数することを特徴とする遊技機。」
(イ)
「【0011】
請求項1に記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域(遊技領域6)が形成された遊技盤(遊技盤2)と、演出画像を表示する演出表示手段(演出表示装置31)と、前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う演出制御手段(サブCPU120a)と、操作指示を入力する操作入力手段(演出ボタン35)と、前記操作入力手段への前記操作指示の入力および前記操作指示の開放を検知する操作検知手段(演出ボタン検出スイッチ35a)と、を備え、
前記演出制御手段は、予め設定された操作許可時間内に前記操作検知手段により検知された前記操作指示の入力回数を操作回数として計数し、前記操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行うとともに、前記操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合には、前記操作指示の開放を検知するまで、前記操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数することを特徴とする。
【0012】
この構成により、長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて操作回数として計数するので、操作指示の長押しにより何度も操作部を連打することなく疑似的に操作回数を計数することができ、遊技者に対して操作の煩わしさを感じさせることなく、遊技者に対する操作の負担を軽減しつつ、遊技演出を多様化し、遊技に対する興趣を向上させることができる。また、連打操作の苦手な遊技者に対しても、敬遠されることなく、遊技に対する興趣を向上させることができる。」
(ウ)
「【0037】
また、演出ボタン35は、遊技者の操作指示を入力することができるようになっている。演出ボタン35には、演出ボタン検出スイッチ35a(図3、図4参照)が設けられており、この演出ボタン検出スイッチ35aは、遊技者による操作指示の入力を検知するようになっている。なお、演出ボタン検出スイッチ35aは、上記操作指示による演出ボタン35の押下の有無、すなわち、演出ボタン35の押下中を検出するようになっている。これにより、演出ボタン検出スイッチ35aは、演出ボタン35の押し操作(以下、押下開始という)時と、演出ボタン35から手を離す操作(以下、開放操作という)時とも検出することができるようになっている。遊技機1は、演出ボタン検出スイッチ35aにより、上記操作指示を検知すると、この検知結果に基づいて演出表示装置31に表示する演出画像を後述するように変更するようになっている。」
(エ)
「【0058】
演出ボタン検出スイッチ35aは、スイッチ押圧部224と演出スイッチ231との接触により、例えば通電し、後述する演出制御基板120のサブCPU120aに、演出ボタン35の押圧検出信号を出力するようになっている。すなわち、演出ボタン検出スイッチ35aは、スイッチ押圧部224および演出スイッチ231により構成され、演出ボタン35への操作指示の入力を検知するようになっている。
【0059】
一方、操作ボタン220に対する矢印X1の方向の押し下げ力が開放されると、操作ボタン220がコイルスプリング217に押し上げられ、スイッチ押圧部224も上方に移動する。このように、スイッチ押圧部224が上方に移動すると、スイッチ押圧部224と演出スイッチ231とが非接触となる。これにより、演出ボタン検出スイッチ35aは、演出制御基板120のサブCPU120aに対する演出ボタン35の押圧検出信号の出力を中止するようになっている。すなわち、演出ボタン検出スイッチ35aは、演出ボタン35への操作指示の開放を検知するようになっている。」
(オ)
「【0071】
演出制御基板120は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板120は、サブCPU120a、サブROM120b、サブRAM120cを備えており、主制御基板110に対して、当該主制御基板110から演出制御基板120への一方向に通信可能に接続されている。
【0072】
サブCPU120aは、主制御基板110から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ35a、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM120bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板140または画像制御基板150に送信する。
【0073】
例えば、演出制御基板120におけるサブCPU120aは、主制御基板110から特別図柄の変動態様を示す変動パターン指定コマンドを受信すると、受信した変動パターン指定コマンドの内容を解析して、演出表示装置31、音声出力装置32、演出用駆動装置33、演出用照明装置34に所定の演出を実行させるためのデータを生成し、かかるデータを画像制御基板150やランプ制御基板140へ送信する。
上記処理により、サブCPU120aは、演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行う。さらに、サブCPU120aは、予め設定された操作許可時間内に演出ボタン検出スイッチ35aにより検知された操作指示の入力回数を操作回数として計数し、この操作回数に基づいて演出表示装置31が表示する演出画像の表示制御を行うとともに、演出ボタン検出スイッチ35aにより操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間以上経過しても、操作指示の開放を検知しない場合には、操作指示の開放を検知するまで、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、操作回数として計数するようになっている。本実施の形態では、サブCPU120aが演出制御手段を構成する。」
(カ)
「【0250】
(演出制御基板の演出入力制御処理)
図21、図22を用いて、演出制御基板120の演出入力制御処理を説明する。
また、以下で説明する操作有効フラグとは、演出ボタン35の操作が有効か否かを示すものであり、演出ボタン35の操作が有効である場合の値を“1”とし、操作が有効でない場合の値を“0”とするようにしている。
【0251】
また、操作中フラグとは、遊技者による演出ボタン35の押下を、認識しているか否かを示すものであり、演出ボタン35の押下中でないと認識している場合の値を“0”とし、押下中であると認識している場合の値を“0”以外とするようにしている。より詳しくは、演出ボタン35を押下中であると認識していて、長押し認定時間(図23における時間t1:疑似カウントアップを開始する前)までの間の値を“1”とし、長押し認定時間以降(疑似カウントアップ開始後)の値を“2”とする。
さらに、連打カウンタとは、演出ボタン35の入力を許可する操作許可時間内における操作の回数(連打回数)を計数するためのものである。
【0252】
なお、操作有効フラグおよび操作中フラグは、演出制御基板120のサブRAM120cに記憶され、サブCPU120aによって、操作有効フラグは決定した演出に応じて、操作中フラグは本演出入力制御処理において、読み書きされるようになっている。また、連打カウンタは、演出制御基板120のサブRAM120cに記憶され、サブCPU120aによって、本演出入力制御処理において、読み書きされるようになっている。
【0253】
ステップS1711において、サブCPU120aは、操作有効フラグの値が“1”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作有効フラグの値が“1”であれば、ステップS1712に移行し、操作有効フラグの値が“1”でなければ(すなわち、“0”であれば)、演出ボタン35の操作は無効であるので、本演出入力制御処理を終了する。
【0254】
ステップS1712において、サブCPU120aは、操作許可時間内であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作許可時間内であれば、ステップS1713に移行し、操作許可時間内でなければ、ステップS1741に移行する。
【0255】
ステップS1713において、サブCPU120aは、操作中フラグの値が“0”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作中フラグの値が“0”であれば、前回の処理までに演出ボタン35が操作されていないものとして、ステップS1714に移行し、操作中フラグの値が“0”でなければ、前回の処理では演出ボタン35が操作されていたものとして、ステップS1721に移行する。
【0256】
ステップS1714において、サブCPU120aは、演出ボタン検出スイッチ35aにより検出信号が入力されているか否かを判定する。サブCPU120aは、検出信号を入力していれば、今回演出ボタン35が操作されたものとして、ステップS1715に移行し、検出信号を入力していなければ、演出ボタン35が操作されていないものとして、本演出入力制御処理を終了する。
【0257】
ステップS1715において、サブCPU120aは、連打カウンタに“1”を加算する。ここで、連打カウンタの値を単に“1”としないのは、遊技者の操作によって連打を行っている場合や、操作許可時間内における2回目以降の長押しにも対応することができるようにするためである。
次いで、ステップS1716において、サブCPU120aは、操作中フラグに“1”をセットする。
【0258】
次に、ステップS1717において、サブCPU120aは、演出ボタン35の押下時間の計時を開始して、ステップS1733に移行する。
【0259】
一方、サブCPU120aは、ステップS1713で操作中フラグの値が“0”でなければ、ステップS1721において、演出ボタン検出スイッチ35aにより検出信号が入力されているか否かを判定する。サブCPU120aは、検出信号を入力していれば、演出ボタン35が操作され続けているものとして、ステップS1723に移行し、検出信号を入力していなければ、演出ボタン35が開放されたものとして、ステップS1722に移行する。
ステップS1722において、サブCPU120aは、操作中フラグを“0”にクリアして、本演出入力制御処理を終了する。
【0260】
一方、ステップS1723において、サブCPU120aは、操作中フラグの値が“1”であるか否かを判定する。サブCPU120aは、操作中フラグの値が“1”であれば、ステップS1724に移行し、操作中フラグの値が“1”でなければ(すなわち、“2”であれば)、ステップS1731に移行する。
【0261】
ステップS1724において、サブCPU120aは、押下時間の計時開始から長押し認定時間となったか否かを判定する。サブCPU120aは、計時開始から長押し認定時間となっていれば、ステップS1725に移行し、計時開始から長押し認定時間となっていなければ、本演出入力制御処理を終了する。
【0262】
ステップS1725において、サブCPU120aは、連打カウンタに“1”を加算する。本処理により、演出ボタン35の疑似入力が開始される。
次いで、ステップS1726において、サブCPU120aは、操作中フラグに“2”をセットする。
【0263】
次に、ステップS1727において、サブCPU120aは、演出ボタン35の疑似連打時間の計時を開始して、ステップS1733に移行する。ここで、疑似連打時間の計時とは、疑似入力間の時間(疑似連打間隔)を計測するために用いる。なお、この疑似連打時間の計時の代用として、演出ボタン35の押下時間として計時している時間を用いても良い。
【0264】
一方、サブCPU120aは、ステップS1723で操作中フラグの値が“1”でなければ、ステップS1731において、疑似連打時間に基づいて、前回の疑似入力から所定の疑似連打間隔が経過しているか否かを判定する。サブCPU120aは、疑似連打間隔が経過していれば、ステップS1732に移行し、疑似連打間隔が経過していなければ、本演出入力制御処理を終了する。
ここで、図23(a)に示すように、疑似連打間隔は、操作許可時間内において、等間隔に設定する。また、図23(b)に示すように、疑似連打間隔は、操作許可時間内において、だんだん長くなるように設定しても良い。この場合、例えば、連打カウンタの値に基づいて、疑似連打間隔を算出するといった方法が考えられる。
ステップS1732において、サブCPU120aは、連打カウンタに“1”を加算する。
【0265】
次いで、ステップS1733において、サブCPU120aは、連打カウンタの値が完了回数以上となったか否かを判定する。サブCPU120aは、連打カウンタの値が完了回数以上となっていれば、ステップS1735に移行し、連打カウンタの値が完了回数以上となっていなければ、ステップS1734に移行する。
なお、上記完了回数とは、所定の演出を表示させるために必要な操作回数であり、図24に示すように、大当たり抽選の結果に応じて、当選している場合には、小さな値とし、ハズレている場合には、大きな値として設定すると良い。」
(キ)
引用例2の図23には、演出ボタンの入力操作と疑似入力とを説明するためのタイムチャートが示される(【図面の簡単な説明】【0017】参照)とともに、当該図23(a)には、入力操作(長押し)開始時からの時間t1よりも短い間隔aごとに擬似入力が繰り返される態様をみることができる。
ここで、上記(ア)~(キ)から、以下の事項が導かれる。
(ク)
上記(ア)の【請求項1】に記載される「操作指示を入力する操作入力手段」について、(イ)の【0011】には、「操作指示を入力する操作入力手段(演出ボタン35)」と記載され、その演出ボタン35については、(ウ)の【0037】に「演出ボタン35は、遊技者の操作指示を入力することができるようになっている。」
と記載されている。
したがって、上記事項(ア)~(ウ)から「操作指示を入力する操作入力手段」は、「遊技者の操作指示を入力する操作入力手段」であるとの事項が導かれる。
(ケ)
上記(ア)の【請求項1】に記載される「長押し認定時間」について(カ)の【0251】に「長押し認定時間(図23における時間t1:疑似カウントアップを開始する前)」と記載され、さらに(キ)には入力操作(長押し)開始時からの時間t1よりも短い間隔aごとに擬似入力が繰り返される態様が記載されている。
したがって、上記事項(ア)、(カ)、(キ)から、
「前記演出制御手段は、前記操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間t以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合には、前記操作指示の開放を検知するまで、長押し認定時間t1よりも短い間隔aごとの操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数する、」
との事項が導かれる。
そして、上記記載事項(ア)~(カ)、図面に記載された事項(キ)及び(ア)~(キ)に基づく認定事項(ク)~(ケ)を総合すると、引用例2には、次の事項(以下、「引用例2記載技術」という。)が記載されているといえる。
(引用例2記載技術)
遊技者の操作指示を入力する操作入力手段と(認定事項(ク)参照)、
予め設定された操作許可時間内に、前記操作入力手段への前記操作指示の入力および前記操作指示の開放を検知する操作検知手段により検知された前記操作指示の入力回数を操作回数として計数し、前記操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う、演出制御手段を備え((ア)の【請求項1】参照)、
前記演出制御手段は、前記操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間t以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合には、前記操作指示の開放を検知するまで、長押し認定時間t1よりも短い間隔aごとの操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数する(認定事項(ケ)参照)、
遊技機((ア)の【請求項1】参照)。」
(3)対比
本願補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する(対比の見出しとしての(a)~(f)は、引用発明の分説構成と対応させた。)。
(a)引用発明の構成aにおける「遊技者の操作によって各種演出装置の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136」は、本願補正発明の構成Aの「遊技者が操作可能な操作手段」に相当する。
したがって、引用発明における構成aは、本願補正発明における構成Aに相当するといえる。
(b)引用発明の構成bにおける「ボタンを連打して気合いを溜めろ!」という文字メッセージ及び「連打しろ!」という文字キャラクタはいずれも本願補正発明の「操作手段に対する複数回の操作を促す指示」に相当する。そうすると、引用発明の構成bの「対決演出の一部としてのボタン連打演出」は、「「ボタンを連打して気合いを溜めろ!」という文字メッセージを演出表示領域208dの全面に表示し、次に、連打ゲージ画像810と「連打しろ!」という文字キャラクタを含む連打促進画像812とを、演出表示領域208dに表示する演出」なのだから、本願補正発明の構成Bの「操作手段に対する複数回の操作を促す指示演出」に相当するといえる。
また、引用発明の構成bの「特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図1変動遊技の停止図柄が特図Aであり、タイマ番号はタイマ6(スーパーリーチ1)であるとき、」は、本願補正発明の構成Bの「演出開始条件の成立」がなされたことに相当するとともに、引用発明の構成bの「第1副制御部400」は本願補正発明の構成Bの「指示演出制御手段」に相当する。
したがって、引用発明における構成bは、本願補正発明における構成Bに相当するといえる。
(c)
引用発明の構成c、dにおける「第1操作有効期間の連打ゲージ画像810および連打促進画像812の表示がなされている状態のとき」、「チャンスボタン136が1回押下される度に」、「チャンスボタン136が1回押下される度に、連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化し、チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される演出」、「第1副制御部400」は、それぞれ本願補正発明の構成Cにおける「指示演出が行われているとき」、「操作手段に対して操作が行われることに応じて」、「所定の操作演出」、「操作演出制御手段」に相当する。
したがって、引用発明における構成c、dは、本願補正発明における構成Cに相当するといえる。
(d) 引用発明の構成c、dにおける「チャンスボタン136が1回押下される度に」は、本願補正発明の構成Dにおける「操作手段に対して所定操作が行われる毎に」に相当する。
また、引用発明の構成c、dにおける「連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化し、チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される演出」は、「チャンスボタン136が1回押下される度」に変化するものなのだから、「操作結果」が反映されたものということができる。そうすると、引用発明の構成c、dにおける「連打ゲージ画像810のうち最も下方に位置する白色のセグメント状画像が赤色に変化し、チャンスボタン136が連打されることにより、連打ゲージ画像810は、赤色のメータが徐々に上昇していくように視認される演出」は本願補正発明の構成Dにおける「操作演出として所定の操作結果演出」に相当する。
さらに、引用発明の構成c、dにおける「第1副制御部400」が、本願補正発明の「操作演出制御手段」に相当することは上記(c)にて説示のとおりである。
してみると、引用発明における構成c、dは、本願補正発明における構成Dにも相当するといえる。
(f)引用発明の構成fにおける「パチンコ機100」は本願補正発明の構成Fにおける「遊技機」に相当する。
したがって、引用発明における構成fは、本願補正発明における構成Fに相当するといえる。
してみると、上記(a)~(f)によれば、本願補正発明と引用発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。
(一致点)
「A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 演出開始条件の成立により前記操作手段に対する複数回の操作を促す指示演出を行わせる指示演出制御手段と、
C 前記指示演出が行われているときにおいて、前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備え、
D 前記操作演出制御手段は、
前記操作手段に対して所定操作が行われる毎に前記操作演出として所定の操作結果演出を行わせる、
F 遊技機。」
(相違点)
(構成Eについて)
本願補正発明の「操作演出制御手段」は、「操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記特定操作が更に継続して行われている期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせる」のに対し、引用発明の「第1副制御部400」(操作演出制御手段)はそのような構成を具備しない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
引用例2記載技術における「遊技者の操作指示を入力する操作入力手段」、「予め設定された操作許可時間内に、前記操作入力手段への前記操作指示の入力および前記操作指示の開放を検知する操作検知手段により検知された前記操作指示の入力回数を操作回数として計数し、前記操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う」こと、「演出制御手段」は、それぞれ本願補正発明の構成Cにおける「遊技者が操作可能な操作手段」、「前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる」こと、「操作演出制御手段」に相当する。
また、引用例2記載技術における「操作入力手段への前記操作指示の入力」、「予め設定された長押し認定時間t」、「操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間t以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合」、「操作指示の開放を検知するまで」、「長押し認定時間tよりも短い間隔aごと」は、それぞれ本願補正発明の構成Eにおける「特定操作」、「所定期間」、「操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われる」こと、「特定操作が更に継続して行われている期間」、「所定期間よりも短い間隔毎」に相当する。
また、引用例2記載技術においては、「長押し認定時間tよりも短い間隔aごとに、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数」し、この「操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う」ことは明らかであるのだから、「長押し認定時間tよりも短い間隔aごとに、操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数」し、「操作回数に基づいて前記演出表示手段に表示させる演出画像の表示制御を行う」ことは、本願補正発明の「前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせる」ことに相当する。
そうすると、引用例2記載技術によれば、
「遊技者が操作可能な操作手段と、
前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備えた遊技機において、
操作演出制御手段が、
前記操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記特定操作が更に継続して行われている期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせる、遊技機」
が、本願出願前において公知であったということができる。
一方、引用発明と引用例2記載技術は、ともに「遊技者が操作可能な操作手段と、前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備えた遊技機」である点で共通している。
さらに、引用例1の【0333】には、「・・・、遊技者の操作負担を軽減させつつ、操作部の稼動回数を低下させることで、操作部を長期間に亘って使用することができるようになる場合がある。」と記載されており、当該記載をふまえると、引用例1には、遊技者に「連打」をさせると、遊技者に操作負担があり、操作部を長期間に亘って使用することができないという課題が示唆されていたということができる。
しみてると、引用発明には、操作指示の長押しにより何度も操作部を連打することなく疑似的に操作回数を計数することができ、遊技者に対して操作の煩わしさを感じさせることなく、遊技者に対する操作の負担を軽減しつつ、遊技演出を多様化し、遊技に対する興趣を向上させることができ、連打操作の苦手な遊技者に対しても、敬遠されることなく、遊技に対する興趣を向上させることができるとする(引用例2の(イ)の【0012】参照)、引用例2記載技術を適用すべき前提となる課題があることは明らかであり、引用発明の「第1副制御部400」(本願補正発明の「指示演出制御手段」に相当)に対し、引用例2記載技術の、操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記特定操作が更に継続して行われている期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせる機能を追加し、上記相違点に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到するものである。
(5) 請求人の主張及び本願補正発明が奏する効果について
審判請求人は、本願補正発明について、審判請求書の [本願発明を特許すべき理由] の「D.対比」にて、引用例1に記載の発明に引用例2に記載の技術を適用したとしても、一連の演出ボタンの連打操作演出でありながら演出ボタンの連打操作と長押し操作の何れにも対応することが可能な本願発明の構成までは、たとえ当業者であっても容易に想到し得るものでない旨を主張している。
しかし、引用例2記載技術の演出制御手段は、「操作指示の入力の検知から予め設定された長押し認定時間t以上経過しても、前記操作指示の開放を検知しない場合」に限って、「前記操作指示の開放を検知するまで、長押し認定時間tよりも短い間隔aごとの操作指示の疑似入力を経過時間に応じて、前記操作回数として計数する」ものであって、連打操作と長押し操作の何れにも対応することを妨げるものでないことは明らかである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
また、本願補正発明の作用効果は、当業者が引用発明及び引用例2記載事項から予測し得るものであって、格別のものということはできない。
(6) まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が引用発明及び引用例2記載技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
4. 補正の却下の決定についてのむすび
上記3.より、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1. 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成28年7月19日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである(A~Fは本願発明を分説するため当審で付した。)。
「【請求項1】
A 遊技者が操作可能な操作手段と、
B 演出開始条件の成立により前記操作手段に対する複数回の操作を促す指示演出を行わせる指示演出制御手段と、
C 前記操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる操作演出制御手段と、を備え、
D 前記操作演出制御手段は、
前記操作手段に対して所定操作が行われる毎に前記操作演出として所定の操作結果演出を行わせることが可能であり、
E 前記操作手段に対して所定期間にわたって継続する特定操作が行われると、前記所定期間が経過した後の期間において、前記所定期間よりも短い間隔毎に前記操作演出として前記操作結果演出と同様の演出を繰り返して行わせることが可能であることを特徴とする
F 遊技機。」
2. 刊行物に記載された事項
引用例1の記載事項、認定事項及び引用例1に記載された発明(引用発明)については、上記「第2 3.(2)」に示したとおりである。
また、引用例1の記載事項、認定事項及び引用例2に記載された事項(引用例2記載技術)についても、上記「第2 3.(2)」に示したとおりである。
3. 対比、判断
本願発明は、「第2 3.(1)」に示した本願補正発明の構成Cの「操作演出制御手段」における、「操作手段に対して操作が行われることに応じて、所定の操作演出を行わせる」時期に関する「指示演出が行われているときにおいて、」との限定を削除するとともに、
本願補正発明の構成Eの「特定操作が更に継続して行われている期間」との限定を削除して「所定期間が経過した後の期間」とし、
本願補正発明の構成D、Fの「所定の操作結果演出を行わせる一方」、「同様の演出を繰り返して行わせる」から、実際に「行わせる」との特定を外して「所定の操作結果演出を行わせることが可能であり」、「同様の演出を繰り返して行わせることが可能である」と、可能性の有無のみを特定したものであるといえる(下線は当審にて付した。)。
そうすると、本願発明を特定する事項をすべて含み、さらに特定する事項を付加したものに相当する本願補正発明が、「第2 3.(4)」に記載したとおり、引用発明及び引用例2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるのだから、本願発明も同様の理由により、引用発明及び引用例2記載技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
4. むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、本願の他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2017-005356